- 1名もなきアルダン好き22/07/14(木) 21:33:13
- 2名もなきアルダン好き22/07/14(木) 21:41:01
〜後日〜
「ふー、疲れ……ん?」
トレーナー室に戻ると、先に行っていたアルダンが、ソファーで寝ていた。
寝ていた、といっても、座ったまま寝ており、待っている間に寝落ちてしまった、という形だろう。
「……ふむ」
せっかくなので。ということで………。
携帯を取り出すが、音が出るとおそらく起きるかもしれない。
そう思い、携帯を収めて、いつも仮眠しているときに使っている毛布をアルダンにかける。
「……せっかくだし、もう少し寝させておくか」
心地の良い天気だからか、俺もあくびが出る。
「俺も10分くらい寝るかな……」
目をこすりながらいう。
「仮眠室にでも行くか…」
そうつぶやいて、音を建てないようにゆっくりトレーナー室のドアを開くと
「───なんでですか…」 - 3名もなきアルダン好き22/07/14(木) 21:41:48
「そうではなくて、トレーナーさんもここで寝たらいいですのに…」
「アルダンのように寝顔を写真を取って隣に座って寝る勇気はすまないけどないぞ」
そう言うとアルダンの表情が固まる。
「き、気づいていたのですか…?」
「写真の音でな…。
で、言い出そうと思ってなかなか言えなかったけど、俺の写真はどうしているんだ、アルダン?」
顔を赤くして横に視線を逸らすアルダン。
可愛いが、そのままにしとくわけにも行かないので、さきほど手に入った切り札を出す。
「アルダン、こちらをご覧下さい」
「……………?──────!!!?」
恐ろしく早い速度でアルダンの手が伸びるが、予想していたため、見せた携帯を遠くに掲げるのは簡単だった。
そこに写っていたのは、先ほどのアルダンの寝顔。厳密には狸寝入りだけど。
「と、トレーナーさん……?」
「シャッター音が出なくなる完全にマナーモードになる携帯も世の中にはあってな?」
盗撮の恐れがあるという理由で、最近は絶滅しつつあるけど。
「お互いに残すか、消すか。取引しますか?お嬢様」
「……………………………」
珍しく、顔を真っ赤にして頭を抱えるアルダン。
そうとう悩んでいる様子だ。 - 4名もなきアルダン好き22/07/14(木) 21:42:18
「……わかりました。でしたら、妥協案を提示します」
「……妥協案?」
アルダンが、携帯を操作をしだす。
そして、真っ赤な顔で、アルダンが自分の携帯を見せ──
「………っ!?」
ホーム画面が、俺の寝顔に変わっていた。
「トレーナーさんも、ホーム画面にしてください。できないのでしたら、私もホーム画面を戻すのでトレーナーさんは写真を消してください」
「…………………………………いいだろう」
携帯を操作し、ホーム画面をアルダンの寝顔にする。
トレーナー室の前で、バカップルのようなことをしていてお互いに顔が茹で上がっている。
「……………今日、トレーニングできるか?アルダン」
「……………すみません、トレーナー室で休憩させていただけますか?」
顔を真っ赤にして二人でトレーナー室に戻る。
後日のホーム画面の内容と写真の行方は…………聞かないでほしい。 - 5名もなきアルダン好き22/07/14(木) 21:42:50
後日談が蛇足なような気もするけど、
アルダンさんをこんな感じで悩ませたい。伝われこの思い - 6二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 23:24:16
良いですよね、普段はこちらを翻弄してくる娘がうっかり反撃されてしどろもどろになっちゃうの
- 7二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 23:49:15
スマホ見られてまた一悶着あるやつだなコレは!
- 8二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 00:56:37
こうしてスマホの中にお互いの少し恥ずかしい写真が一枚一枚増えていくんだ……