SP隊長「それでは最終試験を始めます」【SS】

  • 1二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 22:06:14

    「は、はい!よろしくお願いします!」
    緊張した面持ちで答えたのは配属されたばかりの新人だ。
    鍛えられた身体とそれとは不釣り合いな幼さの残るまなざしが不安げに見つめてくる。
    「では移動するのでついてきてください」
    おずおずと後ろを歩く彼女を連れて目的の場所へ向かう。

    「着きましたよ」
    そう声をかけたが、彼女はぽかんとしていた。
    まあ、無理もないだろう。
    なぜなら……。

    「……ラーメン屋?」

  • 2二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 22:06:35

    かろうじて彼女の口から単語がこぼれた。
    「ええ、ここが試験会場です」
    話しながら暖簾をくぐる。
    券売機で二人分の食券を買い、店員に手渡す。
    テーブル席に座り、彼女にも座るよう促した。
    向かい合うように座った彼女の不安げなまなざしに困惑が新たに加わっている。

    しばらくしてラーメンが二人分運ばれてきた。
    備え付けの割り箸を同じく二人分取って片方を彼女に手渡す。
    そしておろおろする彼女の目の前で。

    思い切り麺をすすった。

    さすが殿下の行きつけのお店ということもあり味は確かだった。
    肝心の彼女はというと、ぽかんとしている。
    「どうしました?食べないのですか?」
    「え、えと、その……もしかして試験ってこれですか?」
    頷きながら麺を口に運ぶ。
    おっかなびっくりといった具合に彼女も麺に箸をつける。
    「……!」
    一口食べると彼女の目がキラキラと輝いた。
    結局彼女はあっという間にラーメンを食べつくした。

  • 3二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 22:06:55

    「おいしかったあ……」
    嘆息とともに笑みがこぼれる。
    「ふふっ、気に入ったみたいでなによりです」
    ハッとしたように彼女が居住まいを正す。
    「そ、それで合否のほうは……」
    「もちろん合格ですよ。というより念のため確認したかっただけですので」
    「確認、ですか?」
    首を傾げる彼女に微笑みかける。

    「ファインモーション殿下はラーメンが大変お好きですから。
     ラーメンをすする音がストレスになってしまう方だと苦労するだろうと思いまして」
    すると彼女は顔を青くして震え始めた。
    「ということは、もしダメだったら私クビだったってことですか……?」
    「いや、その時は普通にご飯時以外の警護のシフトに入ってもらうつもりでしたからね?」
    そんな私の声は彼女の耳に入ってないようで、目を白黒させていた。

    まずはこの早とちりから少しずつ直さなければならなそうだ。

  • 4二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 22:08:04

    広島カープに所属していたエルドレッド選手のエピソードを元ネタというか参考にして書いてみました
    お目汚し失礼しました

  • 5二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 22:12:09

    ファインモーションファインモーション GⅠ制覇
    ファインモーションファインモーション 無限のスピード

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