- 1二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 18:51:28
マチカネタンホイザとトレーナーは、カラオケに来ていた。
「うぴうぴはにーさんにい、たっ…舌噛んじゃった!」
…歌は上手でもどこか閉まらない彼女を眺めつつ、自分は彼女の頼んだポテトをつまむ。
「あはは、なかなか上手くいきませんねぇ」
『十分に上手だとは思うけど…』
「あっいえ、確かにライブする以上ある程度はできるんですけど!…いくら音程外さず歌えてもドジっちゃったら…」
確かに先ほどから少しドジが散見される。
本番でももしかしたらドジしていることがあるかもしれないが…
『賑やかな中では目立たないよ。それよりノリで盛り上がる方が大事だと思う』
「そうですよね!多分そうなんです!…けれと私にも!”マチカネタンホイザ”の名に誇りがあるんですっ!!!」
『名前に…』
…いつか聞いた気がする。彼女の名前は、とある戯曲から取られているとか。
どうにか彼女に自信をあげられないだろうか…
1つ、案が思い浮かぶ。もっとも、上手くいくかはわからないが…
『…1曲歌ってもいい?』
「あ、歌うんですね?いいですよー、はい、マイクどうぞ」 - 2二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 18:51:43
『俺の愛バが!ずきゅんどきゅん走り出しー!』
「ふっふー!」
彼女が合いの手を入れてくれる。
歌いきった時、カラオケマシンに採点が出た。
「おおっ、トレーナーもお上手で!」
『でも君の方が点数高かったぞ』
「いやいや、仮にも普段からライブしてる私とトレーナーを比べるのはトレーナーに申し訳ないと言うか。普通な私とはいえ、その部分は半分プロみたいなものですし…」
『もっと自信持っていいぞ』
「…むん。そうですね!あんまり謙遜しすぎるのもよくないですしね!」
彼女は納得してくれたようだ、が…
『…自信を持たせたかったけど、うまくいかなかったかな…?』
思わず不安が声に出てしまう。
『あっ、ごめん!今言ったことは忘れ…』
「お?…そういうことで歌ったんですか!大丈夫です!トレーナーが私を褒めてくれようとしたのはわかりましたから!」
『…それならよかった』
彼女は仕切り直すように前を向く。元気が出たのか、耳などに気合が入っているように見える。
「さーて、練習の続きだー!もうトレーナーに気を遣わせないでいいように、自信を持って頑張りますからね!」
『逆に気を遣わせちゃってるな…そっちも気を遣わないでいいんだからな?』
「大丈夫です!ちょっと張り切ってるだけですから!…あと、トレーナーも歌上手いと思うので!自信持ってくださいね!私も自信持つので!」
なんだか嬉しそうな笑顔で、マイクを握る彼女。
…その彼女の笑顔が…いつもの数倍魅力的に見えたのはなぜだろうか。 - 3二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 18:52:37
音楽の日らしいので「タンホイザー」の名を冠するマチタンのSSを。
最初はタンホイザーパロしようと思ったけど内容がかなりえぐかったのでやめました。
タイトルはその名残
過去作まとめ
【自作SSまとめ】とあるトレーナーのSS|あにまん掲示板SS読んでる?様にピックアップされたのをきっかけに作ってみたhttps://bbs.animanch.com/board/794102/?スレ画はバンブーだけどそれ以外も書くぞ!下10レスくらいは初S…bbs.animanch.com