【SS】高松宮

  • 1二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 14:34:34

    ※ローレルのキャラは捏造多分に含

    三冠ウマ娘_ナリタブライアンが『高松宮杯』に出走する。
    その噂は、瞬く間に校内…どころか、全国に響き渡った。

    「ねえねえ、聞いた?ブライアン副会長、短距離走るんだって…」
    「前走、天皇賞春でしょ?いきなり距離が半分以下になってる…」
    「何考えてるのかわからない先輩だったけど…これはほんとにわからないね…」
    …サクラローレルは、その声が少しばかり不快だった。

    屋上で一人空を見ていたブライアンを見つけ、声をかけた。
    「ブライアンさん」
    「…何の用だ」
    「…なぜ、何も言わないのですか?」
    …花開いた桜のような、強い目でブライアンを見つめるローレル。
    「私にはわかります。あなたは考えなしに、適性のないレースに出る人ではない…何か理由があるんでしょう」
    「…」
    「なら、なぜバカにされるままでいるのですか!…あなたは…あなたは、私の自慢の同期です。バカにされているのは気分が良くありません…」
    …怪我で走れない間、自分の世代を輝かせてくれたブライアンがバカにされている現状。ローレルはそれが辛かった。

  • 2二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 14:34:49

    「…確かに考えなしではない」
    不意にブライアンは口を開く。
    「!じゃあ、その考えを…!」
    「だが、そんな深い理由はない…」
    「え…?」
    「…走りたかったんだ。まだ見ぬ強者と」
    ブライアンはあくまで空を見つめたまま語る。
    「怪我も…かなり回復した。きっと『宝塚記念』なんかは勝てるだろうな…だが、そこには見たことのあるやつしかいない。自分の出ていないレースに、まだ戦ったことのない強者がいるんだ…私はそいつらと走ってみたい」
    ごく単純な理由。
    彼女が走る理由そのものに限りなく近い、『強者と走りたい』という願望。
    「…そうですか。私とでは足りないと?」
    「足りないわけじゃない。お前とも走るさ。これから何度もな…」
    「それなら安心しました。貴重な短距離戦、全力で味わってきてくださいね」
    「ああ」

  • 3二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 14:35:01

    そして『高松宮杯』当日。
    「レース中盤に差し掛かりました、注目のナリタブライアンは…」
    「…いくら三冠ウマ娘っていってもよ…適性のない短距離じゃ、さすがになぁ…」
    「もっと他に出れるレースいくらでもあっただろうに…」
    「レース中ですよ。集中しないと走っているウマ娘に失礼では?」
    「あ?なんだよお前…って!あんた、こないだの天皇賞勝ったサクラローレ_」
    「ほら、もう終盤ですよ!」
    「あ、はいっ!」
    そうして、彼女のゴールを見守った。

    「…ナリタブライアン、4着かぁ…」
    「前とのバ身差は結構あったけど…この中で4着は結構すごいんじゃ…ないか?」
    「も、もしかしたら…いつか、全距離制覇…とかするのかな、ブライアン…」
    「だとしたら…夢広がるな…!」
    …1着を褒め称える観客の中に、確かにブライアンを見ている人がいた。
    それを見届け、ローレルはブライアンの控室に向かう。
    最大の労いの言葉をかけるために。

  • 4二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 14:36:05

    コミカライズで「ブライアンの高松宮はギャグで流すしかないんじゃないか」って意見を見かけて、

    どうにかシリアスにしたかった。

    ローレル、実際どういうキャラなのか今から楽しみ…

    コミカライズの続報が待たれる!


    過去作まとめ

    【自作SSまとめ】とあるトレーナーのSS|あにまん掲示板SS読んでる?様にピックアップされたのをきっかけに作ってみたhttps://bbs.animanch.com/board/794102/?スレ画はバンブーだけどそれ以外も書くぞ!下10レスくらいは初S…bbs.animanch.com
  • 5二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 14:37:37

    こういう史実のウマ娘世界での独自解釈好き

  • 6二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 14:42:36

    >>5

    感想ありがとう!

    ウマ娘世界でしかできない解釈は楽しいよ

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