メジロマックイーンと学ぶ芦毛猛将伝【スペクタキュラービッド】

  • 1◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 10:55:58

    皆様、お久しぶりですわね。メジロのスペクタキュラー、メジロマックイーンですわ。
    今回紹介させていただくのは、絶対の証明者 スペクタキュラービッドさんですわ!
    この方、どんな競走馬かといいますと、強さだけで芦毛の怪物1頭決めろと言われれば、満場一致でスペクタキュラービッドになるレベルですわ! 化物とか魑魅魍魎の類いですわね。

  • 2◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 10:56:27

    スペクタキュラービッドさんはアメリカ競馬史に燦然と輝く1970年代の最後、1978~1980年に活躍された方ですわね。
    そして圧巻ともいうべき生涯成績が、30戦26勝、GI 13勝ですわ!GI 3勝でもGII 3勝でもなく、GI競争を13勝ですわ! ちなみ1歳年上にはGI 14勝の3冠馬がいますわ。なんなのでしょうね、1970年代アメリカ競馬は

  • 3◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 10:56:59

    名前の由来ですが、単純に父親の「Bold Bidder」のBidと母親の「Spectacular」を合わせたのだと思いますわ。ちなみに血統的な評価は調べた限りまちまちで、競りに出品許可が下りないレベルで悪いとしているところもあれば、当時好調だった種牡馬と10戦4勝、ステークス戦にも入線している牝馬の子であるためまずまずの血統としているところもありましたわ。
    ただし彼を担当した調教師からの評価は非常に高かく、この出品許可を出さなかった競りも未来の3冠馬を出品させなかったりとやらかしていますわ

  • 4◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 10:57:24

    落札価格は3万7千ドルでして、山羊だ犬だ言われた競走馬(10万ドル)を買ったところの人間にネズミだなんだといわれたとかいわれなかったミスタープロスペクターさんの22万ドルが当時として破格の値といわれており、逆の意味で破格の値が付いたのがシアトルスルーさんの1万7500ドル、その中間あたりにフランス牝馬3冠馬にして凱旋門賞馬のアレフランスさんの16万ドルと、多分安いんだろうなという値ですわ。そもそも生産者がそのまま所有するパターンが多くて、平均的な値がわかりませんわ。ちなみにアナタはいくらでしたの?ほう、買手が付かずに生産者が1万7千ドルで買い戻されたあと、もう一回競りに出されてまた3万2千ドルで買い戻されたと。

  • 5二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 10:57:27

    うお懐かしっ

  • 6◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 10:58:14

    さてはてこの血統的にも落札価格も凡庸な競走馬は、2歳のデビュー戦に1978年6月30日に挑みダート5.5ハロン(だいたい1100m)を3と1/4馬身突き放して勝利しましたわ。続く一般競争(7月22日、ダート5.5ハロン)も8馬身突き放し、コースレコードタイの勝利ですわ!もうこれはスペクタキュラービッド軸でいきますわ!
    続くタイロステークス(8月2日、ダート5.5ハロン)4着! ドーバーステークス(8月20日、ダート6ハロン)2着!もうだめですわ。早熟馬に踊らされましたわ

  • 7◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 10:58:53

    続くG3 ワールドプレイグラウンドステークス(9月23日、ダート7ハロン)15馬身の1着。さらに初GI挑戦となるシャンペンステークス(10月8日、ダート8ハロン)を2と1/2馬身の快勝ですわ!私のジェネラルアセンブリー(父セクレタリアト、母父ネイティブダンサーの良血)軸がああああ!!!

  • 8◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 10:59:45

    続くヤングアメリカステークス(10月19日、ダート8.5ハロン)はクビ差の勝利。この悔しさ(?)をバネにGI ローレルフィーチュリティ(10月28日、ダート8.5ハロン)を8馬身半差の圧勝。さらにGII ヘリテージステークス(11月11日、ダート8.5ハロン)を6馬身差で勝利し、2歳時を9戦7勝、GI 2勝、GII, IIIをそれぞれ1勝という生涯成績と見間違える成績で終えましたわ!10月以降狂ったような過密スケジュールですわね。
    アメリカの年度代表馬を決めるエクリプス賞では、もちろん最優秀2歳牡馬に選ばれましたわ!年度代表馬?3冠馬がなりましたわ!よしんばこの3冠馬がならなかったとしても別の3冠馬が選ばれていたでしょうね

  • 9◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:00:24

    3歳時は2月のハッチソンステークスから始動し、ファウンテンオブユースステークス(GIII)、フロリダダービー、フラミンゴステークス、ブルーグラスステークス(いずれもGI)を数馬身つけての大勝。フロリダダービーでは、騎手の方が調教師にぶち切れられるほどの危険な騎乗を見せるなどしましたが、それでも4馬身半の大勝ですわ。挙げ句の果てに12馬身差をつけたフラミンゴステークスでは調教師が「私達の米国三冠達成を阻止することができるのは神の御業のみである」とまで言い出しましたわ。神がいるかどうかは分かりませんが、仮にいるのだとすれば確実にこの言葉を聞いていたでしょうね。

  • 10◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:01:14

    そして来るアメリカ3冠1つめの王冠、ケンタッキーダービー(GI, D10F)に全米からスペクタキュラービッドさんを含めた10頭が集結しましたわ。この出走数を少ないと書いているところがありましたが、1979年の前後10年間つまり1969~1989年の出走数をみると確かに下から3番目であり少ないことには間違いないのですが、突出して少ないかと言われると少し首をかしげますわね。一方で2000年以降の出走数の最頻値は20頭で、ここを基準とすると確かに異様に少ないですわね。
    10頭しか集まらなかった理由はオイルショックやアメリカ経済の低迷などが考えられますが、一番はスペクタキュラービッドさんが強すぎたことでしょう。事実、無敗の2冠馬マジェスティックプリンスさんは8頭、不滅のレコードセクレタリアトさんは13頭、史上初の無敗の3冠馬シアトルスルーさんは13頭、20世紀最後の3冠馬アファームドさんが11頭と突出した存在が出走する年のケンタッキーダービーの出走数は少ない傾向にありますわ

  • 11◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:02:01

    レース前の評価としては単勝オッズ1.6倍とスペクタキュラービッドさんが群を抜いていましたわ。それでも私はジェネラルアセンブリー軸でいきますわ!さてレース結果は2着のジェネラルアセンブリーさんに2馬身と3/4差をつけての圧勝ですわ。私のジェネラルアセンブリー軸がああああ!!!

    1979 Kentucky Derby

    しかし、動画で見ますと芦毛って本当にわかりやすいですわね

  • 12◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:02:50

    続く2つめの王冠プリークネスステークス(GI, D9.5F)でも2着と5馬身半差をつけての圧勝しましたわ。 

    100th Preakness Stakes - May 19, 1979

    ここまで2歳の敗戦から12連勝、「10ハロンまでならセクレタリアトよりも上」との評価がでるほどでしたわ。いくらなんでも盛りすぎでは?と思われるでしょうが、プリークネスステークスの当時の公式記録ではセクレタリアトさんよりも上でしたので、この評価もあながち見当違いでもありませんわ。騎手の方も「間違いなく3冠達成できる」と発言するなど自信満々ですわ!

  • 13◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:03:44

    さて、ここでスペクタキュラービッドさんの主戦騎手ロニー・フランクリン騎手についてお話をさせていただきますわ。
    この方、スペクタキュラービッドさんのデビュー戦からの付き合いでして、デビュー戦当時は18歳でしたわ。そしてエクリプス賞の優秀見習い騎手賞を1978年に受賞するなど将来を渇望されている若者でしたわ。この見習い騎手とは、少なくとも日本では免許の通算取得期間が5年以内、勝利度数が100回以下の騎手のことを指していましたので、新人騎手としての意味合いでしょうね。
    そしてアメリカ3冠挑戦当時は19歳。比較として武豊は19歳8ヶ月でスーパークリークさんとともにGI 初勝利を飾っていますわ。
    そう、19歳の若さで3冠に王手をかけてしまったのです。それも3冠が確実視されるほどの絶対的な能力を持ち合わせた競走馬とともに。加えて、前々年にはシアトルスルーさん、前年にはアファームドさんがアメリカ3冠を達成しており、3年連続のアメリカ3冠馬誕生に大きな期待がかかっていましたわ。
    この重圧もあってかロニー・フランクリンさんは、プリークネスステークスの言葉とは裏腹に、精神的に相当参っていたようで、負けた競走馬に暴行を働く、ほかの騎手と乱闘騒ぎを起こすなど問題行動を連発していました。
    そしてロニー・フランクリンに、神が笑いかけますわ

  • 14◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:04:23

    これはアメリカ3冠最後の王冠、ベルモンドステークス(GI, D12F)当日朝の話ですわ。心して聞いてくださいまし
    スペクタキュラービッドまさかの蹄を安全ピンで踏み抜く!
    調教師、まさかの怪我をロニー・フランクリンに知らせる!
    調教師、理外の出走決定!
    これでまともな精神状態で騎乗できる人間がいたとすれば、ことの重大さを一切理解していない馬鹿ですわ!
    ベルモンドステークスはアメリカ3冠最大の障壁とされている上に、ダート12ハロンは日本の3000m以上の長距離競走に相当しますわ!つまりめっちゃ廃れていますわ!それは見習い騎手のロニー・フランクリンさんにとって騎乗経験がほとんどないことを意味していましたわ!

  • 15◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:05:07

    そんな人馬ともに万全とはほど遠い状態で、むしろ絶不調の状態で勝てるわけもなく、コースタルさんの3着、私のジェネラルアセンブリーさんは7着でしたわ。 1979 Belmont Stakes (Spectacular Bid finishes 3rd)


  • 16◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:05:42

    そしてベルモンドステークスの9日後にコカイン所持で逮捕され、以降スペクタキュラービッドさんへの騎乗はありませんでしたわ。
    その後もスペクタキュラービッドさんの調教師の息子とともにコカイン所持で逮捕されるなど、薬物の魔力から脱することはできず、1992年を最後に騎手免許を剥奪されましたわ。2018年5月8日、肺癌で鬼籍に入られましたわ。
    テイオーとマヤノさんが頻繁に啓発活動をしていますが、薬物の使用は人生を壊しますわ。違法薬物、ダメ、絶対。媚薬は別ですわ

  • 17◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:06:25

    この後、アメリカ3冠は前年のアファームドさんを最後に、37年後のアメリカン……なんて読みますのこの方?そんな風に読みますのね。アメリカンフェイローさんまででませんでしたわ。なに笑っていますの?
    37年もアメリカ3冠馬がでないなんて不思議だなーなんて書いているところもありましたが、アメリカ3冠レースは、5月の第一週土曜日にケンタッキーダービー、2週間後にプリークネスステークス、その3週間後にベルモンドステークスという過密スケジュールの上に、ケンタッキーダービーのチャーチルズタウンからプリークネスステークスのピムリコ競馬場まで960km, ピムリコ競馬場からベルモンドステークスのベルモントパーク競馬場まで340kmの計1300kmの長距離輸送ですわ!直線距離ですが本州最北端から最南端よりも長いですわね。
    なにが言いたいのかと言えば、3冠馬がでる方が不思議なクソローテですわ

  • 18◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:07:28

    この安全ピンを踏み抜くという考えにくい事故について、当時の新聞にも載っているという記述を見つけたのですが、その新聞を見つけることができず四苦八苦しているところ、イクノさんがDeep Lを入れてくださり、ついでに英語版のスペクタキュラービッドさんのウィキペディアのURLを探していただいたことで、探し出すことができましたわ!( https://news.google.com/newspapers?id=_5EuAAAAIBAJ&pg=4672,3763129&dq=spectacular-bid+safety-pin&hl=en )

    え?英語なら自分に頼ってほしかった?そういえばアナタ、アメリカ出身でしたわね。

    まあそれはいいとして、真夏のダービー、アメリカ3冠の4冠目といわれているトラヴァースステークス(GI, D10F)にも出走していないことからもなんらかの傷を負っていたことは間違いないですわ。ちなみにこのトラヴァースステークスではジェネラルアセンブリーさんが勝ちましたわ

  • 19◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:08:53

    そして手術と休養すること2ヶ月、2ヶ月……?短すぎませんか?うわ、本当に8月26日のレースに出ていますわ……。
    復帰レースでは、鞍上に殿堂入り騎手のシューメーカーさんという本気の布陣で、一般競争に向かい17馬身の鏖殺をもって完全復活をしましましたわ

  • 20◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:09:29

    続く、3歳馬と古馬の対決がなされるマールボロカップ招待ハンデキャップ(GI, D9F)は、出走予定だったアファームドさんがスペクタキュラービッドさんよりも7ポンド(3kg強)重い斤量で戦えるかと、ウッドワードステークスに行きましたわ。さあ、全米の競走馬たちよ、勝てそうな方に出走しなさい

  • 21◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:10:01

    結果ですが、2着のジェネラルアセンブリーさんを 5馬身突き放して勝利ですわ。ウッドワードステークスはアファームドさんがベルモンドステークス馬のコースタルさんを2馬身と1/2差で叩き潰してましたわ。(実はコースタルさん、マールボロカップのほうにも出走しており、そっちでは3着でしたわ)
    さすがに学んだメジロは、スペクタキュラービッドさんとジェネラルアセンブリー軸でぶん回しましたわ。勝ちですわ!

  • 22◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:10:44

    そして次走のジョッキークラブ金杯(GI, D12F)、このレースは四頭立てながらもスペクタキュラービッドさんのほかに、怪我の影響とは言わせないとコースタルさん、勇気あるギャラントベストさん、そして3冠馬アファームドさんという豪華な面々が集結しましたわ。
    前年のジョッキークラブ金杯では、エクセラーさんがシアトルスルーさんとアファームドさんの2頭の3冠馬を破るという大金星をあげたこのレースはやはりこの年も大盛り上がりだったそうですわ

  • 23◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:11:27

    レースが始まるとアファームドさんが先頭に立ち、ほか3頭がマークするように後ろにつきましたわ。そして最終コーナー付近でスペクタキュラービッドさんとコースタルさんが、アファームドさんに並んで『しまい』ましたわ

    このアファームドさん、勝負根性がすさまじく、接戦に異様に強いという、順番が逆になってしまいますがアメリカ版テイエムオペラオーさんともいうべき方でしたわ。そのため並ばせないようにハイペースで先頭に立ち続けるか、並ぶ間もなく抜き去るかという、それができたら苦労はしないという戦い方を要求されますわ。

    そんな勝負根性、闘争心の塊に並んだ結果、アファームドさんがスペクタキュラービッドさんを3/4馬身差で下し、アメリカ3冠馬とは何かをたたき付けましたわ。

    Affirmed vs Spectacular Bid - 1979 Jockey Club Gold Cup


  • 24◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:12:02

    スペクタキュラービッドさんは敗北こそしたものの主戦場のダート10ハロンでリベンジを!とはならず、アファームドさんはジョッキークラブ金杯を最後に引退して行きましたわ。
    アファームドさんの血はトレセン学園ですと、ナリタトップロードさん、メイショウドトウさんに引き継がれていますわ。子孫が日本版アファームドに苦しめられましたのね。
    あとはメジロにもメジロダーリングがいまして、彼女はメジロでは珍しいスプリンターですわね

  • 25◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:12:58

    3歳最後のレースはメドウランズカップハンデキャップ(GII, D10F)に出走しましたわ。このレースにはなんかいろんなアメリカのご当地ダービーに勝ってきたスマーテンさんや、ヤマニンシュクルさんのおばあちゃんの半兄の重賞6勝馬ヴァルデスさんといった対戦経験がなかった同世代の強豪が出走しましたわ。
    結果はコースレコードのついでに2着のスマーテンさんに3馬身差の圧勝。
    3歳時の成績は12戦10勝(GI 6勝、GII, GIIIそれぞれ1勝)でエクリプス賞の最優秀3歳牡馬を満票で選ばれましたわ。
    年度代表馬は2年連続でアファームドさんが選ばれましたわ

  • 26◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:14:04

    4歳時は、空飛ぶスパゲッティモンスターではなくフライングパスターさん(GI 3勝)、マンノウォー系のか細い糸を繋いだ名種牡馬リローンチさん(芝のGIII 3勝)、日本とも結構縁のある名牝グローリアスソングさん(GI 4勝)といった名だたる方々を次々と下し、あっという間の8連勝。しかもハンデキャップ戦は130 ~ 133ポンドの酷量での勝利ですわ。この8連勝の内訳としては、GI 4勝、GII 3勝、GIII 1勝でしたわ。あとレコード4回ほど更新してますわね。特にチャールズ・H・ストラブステークスではダート10ハロンの世界レコード1分57秒8を記録しましたわ。

     

    これはサイレンススズカさんの金鯱賞(芝2000m)と同じ記録ですわね。ダートでそれも若干長い距離で出せるレコードですの? 後述しますがフライングパスターさんとリローンチさん、ヴァルデスさんはでなきゃよかったと後悔したでしょうね

  • 27◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:14:51

    次走はマールボロカップ招待ハンデキャップの136ポンドという酷量を避けて、ウッドワードステークスに出走を決定いたしましたわ。奇しくもこの流れは前年のアファームドさんと同じですわね。
    そしてこのレースにてスペクタキュラービッドさんは、己の絶対を証明いたしましたわ。

  • 28◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:15:28

    1980年9月20日 GI競争 ダート9ハロン ウッドワードステークス

    1枠1番 スペクタキュラービッド

    出走頭数1頭

    グレード制が施行されて以降GI級競争での単走レースはこの1回のみですわ

    Spectacular Bid's walkover in the 1980 Woodward Stakes

    を直訳したかのようなこのレースは、絶対の証明に他なりませんでしたわ

  • 29◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:16:19

    この単走レース、日本ではルール上発生しませんし、海外でも主要競争での単走となればコールタウンさんの1949年エドワードバークハンデキャップ以降実に31年ぶりの事件でしたわ。
    単走となった最大の要因は言わずもがなスペクタキュラービッドさんが強すぎたことですわ。実は先述のチャールズ・H・ストラブステークスですが、当初出走登録していたのがスペクタキュラービッドさん一頭のみであり、競馬場が他陣営に頼み込む形で4頭立てとなった経緯がありますわ。これがGI競争の姿ですの?

  • 30◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:17:04

    加えて、ウッドワードステークスが定量戦であり、斤量による勝ちの目が一切なくなったこと、同時期にマールボロカップ招待ハンデキャップがあったことがあげられますわ。
    アファームドさんが引退し、果敢に挑み続けたジェネラルアセンブリーさんやコースタルさんも引退した世界において、スペクタキュラービッドさんはあまりにも強すぎましたわ

  • 31◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:17:30

    これは当時のアメリカ競馬界への擁護ですが、このウッドワードステークスは結果として引退レースとなっただけでして、当初は前年の雪辱とダート12ハロンでの強さを証明するためにジョッキークラブ金杯への出走が表明されていましたわ。本気でスペクタキュラービッドに勝つつもりならば、こちらに焦点をあてるということは決して間違った判断ではないですわ

  • 32◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:18:19

    しかし、ジョッキークラブ金杯の当日に安全ピンを踏み抜いた左前足首の怪我が再発したため、出走は断念され、そのまま引退していきましたわ。
    そして1980年の年度代表馬に選出されましたわ

  • 33◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:18:50

    競走馬としてのスペクタキュラービッドさんの評価は極めて高く、脚質も逃げ良し、追い込み良しと万能でして、ラビットによるペースを乱すことが無意味であり、まぐれ勝ちもほぼほぼ起こりえませんでしたわ。また単勝オッズも1.05倍というアメリカ競馬における最小オッズを8回経験していましたわ。

    また20世紀のアメリカ名馬100選においては、3冠馬シアトルスルー(9位)やアファームドさん(12位)にも引けをとらない10位に選出されていますわね。

    ベルモントステークスの後から主戦騎手を務めたシューメーカーさんも、2006年3月30日発行のロサンゼルスタイム誌の取材において、「自分が乗った中で一番良かった」と語っていましたわ( 
    It was always a good day at the racesIN 1982, there was a wonderful documentary film about the Weavers, the blacklisted folk singers, subtitled, "Wasn't That a Time!"www.latimes.com
     )
  • 34◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:19:15

    種牡馬としては初年度から全米から名牝という名牝が集められ、そこそこの成功を収めましたが、スペクタキュラービッドさんを彷彿とさせるような大物がでなかったこと、名牝を集めた割にはさみしいといわざるを得ない結果となりましたわ。
    母父としては優秀でしてスペクタキュラービッドさんの血を引く方は、日本ですとアパパネさんやその娘のアカイトリノムスメさんがいますわね

  • 35◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:19:54

    種牡馬としての人気は下がってからも、競馬ファンからの人気は高く、繁養地がニューヨークに移ったこともあり、多くの競馬ファンが訪れ、ファンレターも届いていたそうですわ。カメラを向けられるとポーズをとるなどスター気質なところもあったそうですわね。

    ちょっと信じがたいのですが、好物はハムだったらしく、肉を与えたら食うんじゃね?などという評価をあざ笑うかのごとき好物ですわね……。あまりにも信じがたくソースを調べたのですが、マジでありましたわ。

    Spectacular Bid Dies at 27AP Sports Writerwww.ourmidland.com
     
  • 36◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:20:26

    スペクタキュラービッドさんは2003年6月9日に27歳という大往生にて心臓麻痺にて鬼籍に入られましたわ

  • 37◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:20:43

    GI競争単走という大偉業、獲得賞金の世界記録、ダート10ハロン以下における無類の強さは、芦毛の怪物というほかありません。
    以上! ハムといったらとうや湖ハムのメジロマックイーンがお送りいたしましたわ!
    あ゛あ゛ー長かった!

  • 38◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:21:12
  • 39二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 11:29:42

    すごいな…

  • 40◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:33:31

    >>28

    なぜかぬけていましたので

     『Eclipse first, the rest nowhere.』を直訳したかのようなこのレースは、絶対の証明に他なりませんでしたわ。

  • 41◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 11:45:25

    もうすぐ1周年も近いんで予祝がてらあげました

  • 42二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 11:52:02

    >>28

    1980年にG1で単走!?!?

    そんな事がありえるのか・・・

  • 43◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 12:20:46
  • 44二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 12:24:36

    掲示板のスレでは無くブログで纏める内容ですわ
    長文なのに面白く書いてくださって感謝ですわ

  • 45二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 13:11:07

    面白かったもん
    他に立てたスレあるもん?

  • 46◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 16:33:37
  • 47◆0X.mNoJI4c22/07/18(月) 16:44:38

    >>35

    このハムが好物という発言は、種牡馬生活後半の馬主であったデイヴィスさんの"He liked to ham it up,"という発言から来ているのですが、前後の文章が写真撮影やファンサービスに関することなので、いきなり好物の話になるのは疑問点ですわ。

    いちおうhamには「ももの後ろ側」という意味もあるので、その部分をなでられるのが好きだった、あるいは写真にはそっちを向けるのが好きだったという意味かもしれませんわ


    と思っていたら、ham it upには「賑やかす」という意味があり、「わいわいしているのが好きだった」という意味でしょうね、これ

  • 48二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 21:05:53

    暴力的な強さ=セクレタリアト
    完璧な強さ=スペクタキュラービッド
    こんなイメージがある
    脚質自在で攻略が極めて困難な最強馬ってカッコいい

  • 49◆0X.mNoJI4c22/07/19(火) 06:55:03

    >>47

    ham it upには誇張した演技を行うというものもありましたわ

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