- 1二次元好きの匿名さん21/10/05(火) 01:11:23
いきなり雨が降ってきて、スカイさんと私は大慌てで近くの軒先に飛び込んだ。
「いや~、降られちゃったねえ」
「今日雨だなんて聞いてないわよ……はい、タオル」
タオルを差し出した先には雨でシャツがぴたっと貼りついたスカイさんがいた。
華奢な身体がいっそう強調されているみたいで思わずドキッとしてしまう。
「ちょ、ちょっとスカイさん!早く隠しなさい!」
「ええ~?そう言うキングだって透けちゃってるよ?」
私もシャツが貼りついていて、白いシャツの裏から肌色が透けていた。
慌てて胸元を隠す。
「別に他の人もいないんだから隠さなくてもいいんじゃない?」
「スカイさんが見てるじゃない!」
「なになに~?キングってばセイちゃんに見られて興奮しちゃった?」
「だからそういう問題じゃ……」
次の瞬間、光とともに轟音が鳴り響いた。
羞恥やら驚きやらで混乱してしまった私は。
スカイさんに抱き着いていた。
レースの後みたいにばくばくと胸が拍動している。
「き、キング!?」
さすがのスカイさんも動転しているみたいだ。
「ちちち、違うの!別に雷が怖いとかじゃなくて……そう!こうやって暖まれば風邪をひかないですむでしょう!?」
なにを言っているんだ私は。
ぐるぐると混乱する頭とは裏腹に感覚は鋭敏になっていく。
首元にかかる息。
熱さを増す体温。
そして、自分とは異なる拍動。
……そういえばなんでスカイさんは私を押し退けないんだろう。
目線を下におろすと、赤面するスカイさんの顔があった。
スカイさんと目が合う。
きれいな目だ。
まるで空みたいな瞳に吸い込まれるように私はスカイさんと─── - 2二次元好きの匿名さん21/10/05(火) 01:11:35
しばらくしてようやく雨が上がった。
そっとスカイさんから身体を離す。
目が合わせられない。
そのまま走りだそうとするスカイさんを呼び止める。
「す、スカイさん、これは……その……」
振り返った彼女の頬を水滴が一筋流れた。
そして彼女は駆け去ってしまった。
あの水滴が乾ききらなかった雨なのか、それとも涙だったのか。
涙だったとして、それがそんな感情で流されたものだったのか。
私にはわからなかった。
わかっていることは、この出来事は私の胸の奥で秘められ続けるだろうということ。
軒先から垂れた雨の残滓が私の頬を濡らした。 - 3二次元好きの匿名さん21/10/05(火) 01:12:04
たまには、ね
お目汚し失礼しました - 4二次元好きの匿名さん21/10/05(火) 01:15:17
グレイト…最高のシチュエーションだ