- 1二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 12:23:43
こんにちは。この手紙はダービーに勝った一週間後に書きました。この手紙を読んでくれているのであればおそらく2008年宛のものも読んでくれていると信じています。
2009年の自分はまだレースに出ているでしょうか?シニア二年目なのでもしかしたらもうトゥインクルシリーズには所属していないかもしれませんがどうしていますか?もしかして海外にいったかトレセン学園を卒業して実家に戻ってるか…いずれにせよ元気で過ごしてくれてたら安心します。
それとライバル達はまだレース走り続けていますか?スカーレットやマーチャン、デコルテと一緒に走ってますか?後輩も出来ましたか?G1何勝していますか?聞きたいことが山ほどありすぎてここには書けないくらいです。
ファンやトレーナー、ウマ娘からカッコイイと思われるようなウマ娘になれていたら嬉しいです。
それでは、お体に気をつけて頑張ってください。2007年のウオッカより
敬具 - 2二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 12:25:23
ウワーッ!!
(手紙破壊) - 3二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 12:25:36
真顔で涙流しながら読んでそう
- 4二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 12:25:53
>それとライバル達はまだレース走り続けていますか?スカーレットやマーチャン、デコルテと一緒に走ってますか?
かなしい
- 5二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 12:27:19
可愛い後輩たちとなんかまだ走ってる先輩に会えたから…
- 6二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 12:33:29
「何これ…全然この手紙に書いてる事と違うんだけど」
手紙を読み終えたウオッカは手紙を封筒に入れて勉強机の奥にしまう。
「ばかだなあ。スカーレットもマーチャンもデコルテも、もういないんだっての。しかもダービーの後マーチャンとは一緒に走ってないし。」
今は4月。もうアストンマーチャンもダイワスカーレットもローブデコルテもとっくにターフに別れを告げていた。トレセン学園から去っていった彼女たちとはもう二度と同じターフの上を走る事は無い。
「G1は今の時点で4勝か。後輩は出来たけど…」
あれからウオッカにはディープスカイという後輩は出来たが、彼女は後輩と言うよりも自身を倒して世代交代を狙うライバルである。先輩にはカワカミプリンセスやカンパニーがいるが気軽に相談できる相手でも無い。どうしてもウオッカとは立場が違い過ぎるのだ。
「これ書いた時多分自分を慕う後輩が沢山出来るとでも思ったのかな」
「そういう後輩欲しくないと言えばウソになるけど」
長くなった黒髪を靡かせながら、ヴィクトリアマイルに向けて調整へと戻っていった。
- 7二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 12:33:57
孤高の女王…
- 8二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 12:36:01
これはもしかしてわたレッドディザイアがウオッカ様の心を癒す展開なのでは⁉︎
- 9二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 12:36:52
これはおぢさんが一肌💪🏻脱ぐ👮♀️😭しかないのかな😅
- 10二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 12:36:55
彼女と出会ったのはその年の年末間近――ジャパンカップでのことだった
- 11二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 12:39:28
- 12二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 12:45:39
ウオッカは無言でフィットネスバイクを漕いで汗を流す。カワカミプリンセスも縄跳びで汗を流していた。するとカワカミプリンセスがウオッカにゆっくりと近づき話しかける。
「次のレースはヴィクトリアマイルに出るそうですわね。」
「はい。そうです。」
「奇遇ですわね。私も同じです。」
ウオッカにとってはダービー後に挑んだ宝塚記念以来の再戦である。
「それにしてもあの頃から貴女は変わりましたわね。」
「そう、でしょうね。」
「もう、あの宝塚記念で私を励ましてくれたウマ娘は…いらっしゃらないのですね。」
「はい。もう彼女はいません。」
「ごめんなさい。貴女とこうして二人っきりで話すのは久しぶりでしたから」
「お互いベストを尽くしましょう。」
「はい。勿論です。」
- 13二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 12:52:43
ウオッカがトレーニングルームから出ていくと廊下であるウマ娘と出会う。ウェーブがかった黒髪を束ねている大人びたウマ娘…カンパニーだ。
「先輩お疲れ様です。」
「お疲れ様。トレーニングルームから出てきた所?丁度わたしもそこへ行くところだったの。」
「そうなんですか。今部屋の中にはカワカミ先輩がいると思います。」
「そう…」
「あなたはヴィクトリアマイルのあとどこに出るの?」
「去年と同じ安田記念を予定しています。」
「わたしと一緒ね。今度は負けるつもりはないから。」
「私も全力でお相手します。」
「楽しみね、ああそうだ。ディープスカイも安田記念出るみたいよ?」
「…そうですか。」
「じゃあ、お互い頑張りましょう」
カンパニーはそう言って去っていく。ウオッカはその背中をじっと見つめていた。
「ああ、スカーレットもいればなあ…」
- 14二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 12:55:33
カンパニー!
- 15二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 13:01:05
そうは言っても古馬では秋天しか戦ってないし…
その秋天のことを言ってるんだろうけど - 16二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 13:06:49
ウオッカには5歳時のジャパンカップの時は短髪に戻ってほしい
- 17二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 13:08:04
- 18二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 13:09:02
- 19二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 13:09:27
あっ
- 20二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 13:20:37
トレーニング後も座学に取材の対応、夜遅くまで練習と生徒会の仕事と多忙なスケジュールがウオッカを待っている。
「ねっむ…」
自動販売機で買ったブラックコーヒーを飲んで強制的に眠気を飛ばし、ほぼ休むことなく体に鞭打つようにスケジュールと向き合っていた。
あれから実績を積み重ねたウオッカは生徒会長であるシンボリルドルフと副会長であるエアグルーヴとナリタブライアンに認められた事で生徒会に選出され、今はエアグルーヴに変わって副会長の仕事をつとめている。ノートパソコンと向き合って書類を作っていると生徒会室のドアにノックする音が響く。
「入るぞ。」
「どうぞ。」
入ってきたのはエアグルーヴだった。
「もうそろそろ切り上げたらどうだ。貴様はヴィクトリアマイルに向けての調整もあるのだから」
「そうですね。この書類が終わったらぼちぼち引き上げようかと。」
「まったく。貴様は私から「女帝」を継承したのだから無理して倒れるような事があれば…」
- 21二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 14:10:41
孤高の女帝と化したウオッカを孤独にさせないために立ち上がる謎のおっさん
- 22二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 14:15:12
- 23二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 14:49:40
ひとりぼっちはやだな…
- 24二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 14:52:48
最後のG1で最初にして最後の1番人気を背負い期待に応えるおじさん
- 25二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 15:54:15
「すみません。以後気をつけます。」
「まあ私もそうだったからな…それと明後日の桜花賞の出バ表はもう読んだか?」
「ああ、はい。」
「…ちなみに貴様が気になるウマ娘はいるか?」
「…特には」
「そうか、なら私が教えよう。ブエナビスタとレッドディザイアだ。」
「ブエナビスタ、阪神JF勝ったウマ娘ですね。」
「そうとも。二人は同室のようだしいずれはよきライバルになるだろう。二人とも貴様に憧れてると言っていた。」
「特にディザイアは貴様の熱心なファンのようだな。ファンクラブにも入会しているとか。」
「そうなんですか。」
「そうだ。明後日は私とウオッカとドーベル、そしてラモーヌさんも視察に訪れる予定だ。」
「分かりました。」
エアグルーヴはそう言って静かに部屋を去っていった。
「憧れかあ…」
- 26二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 16:45:06
憧れとはなんだったっけとウオッカは帰り支度をしながら考えていた。ダービーの時のギムレット先輩?三冠を取った時のブライアン先輩?G1七勝を達成したルドルフ先輩?年間全勝を達成したオペラオー先輩?それとも天皇賞秋のエアグルーヴ先輩?色々浮かんだが今のウオッカにはこれと言って当てはまるものは無かった。というよりかはどれも当てはまっていたと言った方が正しいのかもしれない。
「あの時見た先輩方はかっこよかったなあ、威厳もあって、強くて。」
「カッコイイウマ娘というのは先輩方の事を言うのかもしんないけどさ、私はそこに当てはまるのだろうか」
「カッコイイウマ娘ってなんなんだろう。」
「憧れってなんだろう…」
最後に部屋の照明を消し一人退出していく。その背中は寂しく見えた。
- 27二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 17:03:28
孤高の女帝
それは己の理想通りだったのか、それとも違っていたのか、或いは成れの果てだったのか - 28二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 17:21:33
「ぜえっ…ぜえっ…」
「これくらいでへばるとはお前はそれでもタニノのウマ娘か!」
「ぐっ…!」
「ふん、お前のあこがれなどたかがその程度のものだったのか?!笑わせるな!」
「違うっ…違います!」
「ならば立て。ダービーに勝ち、強くなりたいのならば己の限界を打ち砕くのみ。」
「姉さまの言う通り…立て、ウオッカ。ダービーに勝ちたいのだろう?」
「はいっ…まだまだぁっ…!」
その夢はダービーに挑むために極限の追い込みをしていた頃の夢。タニノの名バ達がかわるがわる己を追い込んでゆく。厳しい追い込みの果てにとうとう悲願は成された。
「なんと、なんと!64年ぶりの夢かなう!ウオッカが見事に決めましたー!!」
ーああ、そうだ。
この時既に自分は壊れていたのかもしれない。いずれはこうなる運命(さだめ)だったのかもしれない。
夢を叶えた代償というやつなのか。これが。
「あっ…はあ…」
深夜、ふいにウオッカは目を覚まし、ベッドからずるずると這うようにキッチンへと向かい水を飲んだ。パジャマ越しからは今もなお全身には傷や痣が残る姿が見て取れる。
特別にキッチンやトイレ・シャワールームが完備された寮の個室でウオッカは窓辺へと近寄り星を眺める。
「今日はやけに綺麗に見えるな。」
星の光は冷たく光り続けている。
- 29二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 17:33:17
おつらい
- 30二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 17:57:06
- 31二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 18:32:06
孤高の女帝という二つ名がここまで似合うのはウマ娘ではウオッカだけかもしれん
- 32二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 19:20:34
- 33二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 19:24:22
流石タニノ名門にしてスパルタだ
- 34二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 19:41:29
燃え尽き症候群かな?
- 35二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 20:34:35
当たりです!
- 36二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 20:46:57
- 37二次元好きの匿名さん22/07/27(水) 21:22:31
あー、星見てるのってシーザスt(((
- 38二次元好きの匿名さん22/07/28(木) 08:05:08
- 39二次元好きの匿名さん22/07/28(木) 10:51:34
夏祭りは現地の人々や夏合宿に来ているウマ娘で溢れ帰っていた。ウオッカはダイワスカーレットに車イスを押されながらアストンマーチャンとローブデコルテと共に屋台を巡る。
「ウオッカは何か食べたいものある?」
「そうだなあ…」
ウオッカはダービー前から極限の追い込みによりタニノの名バから食事制限を受けてきたが凱旋門賞断念となった今どうするべきかという思いと半ばやけくそな思いの二つに板挟みされていた。
「食べていいのかな」
「そっか、そういえば食事制限受けてたんだっけ…」
「うーん、でもマーチャンは折角だし食べたいもの食べて楽しんだ方がいいと思う!」
「確かに私もマーチャンの意見に賛成ですわ。今日1日だけならタニノの先輩方も見逃してくれるかと。怒られたら私達も一緒に頭を下げますわ。」
- 40二次元好きの匿名さん22/07/28(木) 12:02:17
同期G1勝ちの牝馬は王道路線はもう居ないしピンクカメオもエイジアンウインズもスリープレスナイトも前年かこの年に居なくなって残ってるのはクイーンスプマンテぐらい
対してG1勝ちの牡馬はこの年でヴィクトリーが春、スクリーンヒーローが秋にリタイアするけどドリームジャーニー、アサクサキングス、ジャガーメイル、ローレルゲレイロ、ショウワモダンは健在
自分の周りはどんどん居なくなるのに自分に勝てなかったやつらは未だに仲良くわいわいやってるの見て「なんでお前らはそんなに気楽にやってんだ」って曇ってはいそう - 41二次元好きの匿名さん22/07/28(木) 17:07:04
「ちょっとデコルテ!ギムレット先輩ほんと怖いんだから…」
「ふふっ。でもスカーレットさんも同じお気持ちでしょう?」
「ええそうね。…正直ダービーの前からアンタの顔を見ていてどこか辛そうに見えたの。たまには息抜きも大事だと思う。じゃなきゃ壊れてからでは取り返しつかなくなっちゃうし」
「…そっか。」
「じゃあ、たこ焼きと焼きそばとフライドポテトと…りんご飴と鈴カステラと綿あめ、片っ端から食おうかな」
「そうこなっくっちゃ!」
「結構行くわね…よし決めた、アタシたちも楽しみましょ!」
「そうですわね。」
四人はわいわいと屋台をめぐり、各々食べ物を買ったり食べたりして進んでいくと最終的には人気の少ない海岸へとたどり着いた。
「へぇ~こんな場所があるんだ…」
- 42二次元好きの匿名さん22/07/28(木) 17:16:43
- 43二次元好きの匿名さん22/07/28(木) 17:30:07
- 44二次元好きの匿名さん22/07/28(木) 21:10:38
- 45二次元好きの匿名さん22/07/29(金) 01:13:04
一人で音もたてずにゆっくりとゆっくりと熱を喪って壊れていくウオッカを見たくはないけどほんのちょっとだけミタイヨ
- 46二次元好きの匿名さん22/07/29(金) 03:12:44
カンパニーに2連敗した時、陣営はめちゃくちゃピリピリしてたけど、このウオッカはVM前からこのレベルで追い詰められてるんじゃジャパンカップの時どうなってしまうのか···
ジャパンカップは血を吐きながら走ってたし、ディザイアびびってそう - 47二次元好きの匿名さん22/07/29(金) 03:36:22
- 48二次元好きの匿名さん22/07/29(金) 08:02:11
- 49二次元好きの匿名さん22/07/29(金) 09:27:30
そもそも秋天より長い距離走ったのが菊花賞と宝塚記念だけだし、2400mは長かったんじゃないかな
- 50二次元好きの匿名さん22/07/29(金) 09:31:59
マイルCSってJCの前週だし、JCに向けて色々追い詰められてるウオッカに「私のラストラン、見に来て」とだけ伝えるカンパニー
そして(トレーナーに無理言ってでも)京都まで見に行って、目の前で1番人気背負って鮮やかな差し切り勝ちして有終の美を飾るところを見るんだ
そこで「最後まで走り続ける」カッコ良さを知って欲しい
- 51二次元好きの匿名さん22/07/29(金) 11:50:14
執念でJCを勝って鼻出血でボロボロになるウオッカ
規定により有馬回避を余儀なくされる
それを聞いたドリジャがついポロっと「また府中以外からは逃げるのかよ」って溢す
ドリジャは軽い愚痴程度に言ってるだけなんだけど
ウオッカにはかなり重い言葉としてのしかかっていそう
いざ有馬になると07世代はドリジャだけ、08世代に至っては誰もいないという孤独な状態にもかかわらず
ドリジャが楽しそうに不敵な笑みを浮かべてるのを見て
「オレもお前みたいにこの状況を楽しめるほど強かったら…いや、オレも昔はそうだったんだな…」
って手摺りを握りしめてるウオッカもあると思います - 52二次元好きの匿名さん22/07/29(金) 12:14:34
日曜日。桜花賞当日。新幹線に乗るため朝早くにトレセン学園の正門付近でウオッカが待っているとエアグルーヴとメジロドーベルが歩いてやってきた。
「おはよう。随分と早いな。」
「そんな、丁度来たばかりですよ。」
「ラモーヌさんももうそろそろ来るみたいです。」
「そうか。ではこちらで待機するとしよう。」
エアグルーヴがそう語って間もなくすると黒い高級車二台が正門前に停車し、その内の一台の中から家政婦に付き添われてメジロラモーヌが車から降りてきた。ウオッカと同じような黒い長髪にスタイルの良い肉体はまさに「魔性の青鹿毛」の二つ名を想起させる。
「皆さんおはようございます。今日はよろしくお願いします。」
「おはようございます。ラモーヌさん。」
「では、こちらにお乗りください。駅までお送りいたします。」
メジロラモーヌの案内に従って各々車に乗車する。ウオッカはメジロラモーヌと、エアグルーヴはメジロドーベルと同じ車だ。
「ウオッカさんお久しぶりですね。今日はよろしくお願いしますね。」
「はい。こちらこそよろしくお願いいたします」
- 53二次元好きの匿名さん22/07/29(金) 12:20:46
ウオッカを早くクリフジおばあちゃんのところに連れて行くんだ、きっとあの人なら優しく抱きしめてくれる
- 54二次元好きの匿名さん22/07/29(金) 12:29:25
車の後部座席でウオッカは移り変わる景色を眺めている。その様子をメジロラモーヌは見つめていた。
「まるで墨で塗りつぶしたような瞳…前に会った時はもっと黄色がかっていたと思うのだけれど。」
「そうでしょうか?特にカラコンとかはしていませんが…」
「貴女は変わりましたね。その流星が無ければウオッカさんだとは気づかなかったかもしれません。」
「その黒い髪は私のものと同じ色。でも私とは違う何かを持っているように思えます。」
「…」
「貴女もひょっとして「魔性」になっているのかしら。誰も届かない領域へ…」
メジロラモーヌがそうつぶやくと運転手が駅に着いたと報告する。彼女に促されてウオッカは車から降り、運転手と家政婦に礼をすると運転手はそれではお気をつけてと言ってメジロ家の屋敷へと去っていった。
- 55二次元好きの匿名さん22/07/29(金) 13:18:26
四人は新幹線に乗り阪神レース場へと到着した。係員に付き添われ控室へと到着するとお弁当とお茶が配布され昼食を取る事となった。四人の間には少しピりついた微妙な雰囲気が流れている。
昼食を終えてしばらくすると係員の案内によって出走するメンバーを遠くから一人一人視察する事になった。その中にはエアグルーヴが目をつけるブエナビスタとレッドディザイアもいる。
「あれがブエナビスタですね。阪神JFを勝っている。おそらくは最も勝利に近いウマ娘と言ってよいかと。」
メジロドーベルより少し短いくらいの黒いロングヘアに半袖のシャツと黄色いベスト、リボンに赤と黒のタータンチェックのスカートはどこかアイドルを思わせる勝負服だ。そんな清楚な見た目をしたウマ娘がブエナビスタである。軽めのストレッチをしながら勝負服に目をやる視線は初々しい。
「そしてあれがレッドディザイアです。対抗バはこのウマ娘になると思われます。」
太ももまである長い黒髪を赤いリボンでツインテールにした様は同じ髪型のダイワスカーレットをほうふつとさせる。赤い長袖のジャケットに赤い下地に白い星柄の入ったスカートという勝負服は色こそ違うもののやはりダイワスカーレットのものとデザインは酷似している。もしかしたら同じデザイナーが作ったものかもしれない。先端がぱっつんに切りそろえられた美しい黒髪をコームで手入れしたり、蹄鉄を入念にチェックする姿がウオッカ達の視界に入る。
- 56二次元好きの匿名さん22/07/29(金) 15:58:45
ディザイアがダスカに似てるの中々に面白い
- 57二次元好きの匿名さん22/07/29(金) 21:21:15
「はたして誰がティアラ1冠目を取るのかしら…楽しみね。」
「はい。そうですね。」
メジロラモーヌはくすりと笑う。ウオッカは少し桜花賞の時の事を思い出していた。
あの時は四人が揃った最初で最後のレースであったとウオッカは記憶している。
「誰が一体勝つのでしょうね」
「そうですね…」
- 58二次元好きの匿名さん22/07/29(金) 22:09:13
おまけ漫画に出た推定レッドディザイア は赤いリボンで結んだ黒髪ツインテールだったけど、
リボンは実馬の赤い頭絡が由来ではないかと言われてたね - 59二次元好きの匿名さん22/07/29(金) 22:22:49
レッドディザイアがウオッカに宛てた手紙かと思って開いたら全然違ってて草
ダービー時のウオッカなら未来への自分宛でも「拝啓 2009年のオレへ」ぐらいフランクに書きそう - 60二次元好きの匿名さん22/07/29(金) 22:31:41
- 61二次元好きの匿名さん22/07/29(金) 22:32:29
- 62二次元好きの匿名さん22/07/29(金) 22:33:52
- 63二次元好きの匿名さん22/07/30(土) 01:13:05
このレスは削除されています
- 64二次元好きの匿名さん22/07/30(土) 08:01:30
孤高の女帝化したウオッカって事やろ
- 65二次元好きの匿名さん22/07/30(土) 08:15:36
このレスは削除されています
- 66二次元好きの匿名さん22/07/30(土) 08:30:59
このレスは削除されています