おすすめのSSの一押しシーンを教えてくれ

  • 1二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 19:40:18

    どのサイトかは問わない


    俺はこれ

    私たちは夢と同じもので形作られている - ハーメルンその儚い命は眠りとともに終わるsyosetu.org

     ナズナの背部から伸びた四本の腕を模した機械がスーツを押し返していた。


     オバディアがスーツを操作し、検索する。


     すぐにそれは見つかった。


     スタークインダストリー内の最先端医療、その集大成。


     万能型医療用マニピュレーター。


     


    「ドクター・オクトパス! 完成していたのか!」


     


    「まだ試作機です。永遠に続く、人類の発展のための第一歩」

  • 2二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 20:06:59
    ベルがひみつ道具を使うのは多分間違ってる - ハーメルンベルに不思議なポッケ的なスキルが生えたみたいな、そんなおはなしsyosetu.org

    〝物語の一ページ目〟(100話)


     ベルがひみつ道具を使うのは多分間違っている。


     


     彼が本来持たない力によって物語は大きく歪んだ。


     その果てにどんな結末があるかは分からない。


     ベル・クラネルと言う少年のたどるはずだった道は、彼自身の力で切り開くべきものだったのだから。


     


    (それでも)


     


     道を違えても。


     この先に待つ世界がどんなものであったとしても。


     彼は進み続けるだろう、とアイズは思う。


     間違えてしまっていても、それがこの世界のベル・クラネルの冒険だから。

  • 3二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 20:22:41
    『偽典』とある魔神の主神の槍《グングニル》 - ハーメルン上条当麻は二度目の死を迎えた。 それが意味するのは記憶の喪失。北極の海から雷神トールによって救出された『透明な少年』は、科学と魔術の融合結社グレムリンに加入する…syosetu.org

    14話:Welcomehome,hero おかえり、ヒーロー

    彼の心の奥底には、確かに灯る明かりがあった。それを彼は自覚した。炎と呼ぶには余りに弱く、だが決して消えることのない、小さな小さな明かり。それは篝火のように少年に進むべき道を示す。恐怖を上回る力が彼の中に湧いてくる。

    思えば、それを感じたのは初めてではなかった。

    例えば、オールーボーでイドゥンの魔術に苦しめられる不良たちを前にした時。

    例えば、夜の緑地公園でオッレルスに立ち向かった時。

    例えば、雪原でどうしようもなく悲しい少女と対峙した時。

    例えば、――――今。 自分が、一歩を踏み出せたのは何故だろう。踏み出しているのは何故だろう。 大した理由はない筈だ。ただ、目の前に理不尽があって、それを見て見ぬ振りができなかっただけだ。そんなちっぽけな理由で、今自分は拳を握ろうとしている。命を懸けている。 その事を彼は自覚して。

    そして。

    そして。

    「――――-ああ。――――そうか」

    ようやく、少年は理解した。

    何故、『上条当麻』が『ヒーロー』と呼ばれるに至ったのかを。 自分と同じ記憶を失った状態。何も持たない空っぽからスタートしたはずなのに、どうして、拳一つで世界を駆け抜け、『第三次世界大戦』を終結させるという偉業を成し遂げられたのかを。

    それは、彼が特別な能力を有していたからではない。 際立った主義・主張を持っていたからでもない。 何か壮絶な過去を背負っていたからでもない。 誰にも負けない強固な『核』を持っていたからでもない。

    「――――『上条当麻』も同じだったんだな」

  • 4二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 20:48:43
    夏空の下、ウルトラマンは、友をいじめた子供達を虐殺した - ハーメルン 西暦2015年の夏。  少年が巨人の力を手にした日、少年の目の前には、いじめる子供といじめられる少女が居た。  愛とは何か?  正義とはなんなのか?  力で勝…syosetu.org

     

    「俺はティガ。『ウルトラマンティガ』!」

     

     高らかに名乗れ。今や君は、闇を受け入れた光の巨人。

     

     其そは、幾多の絶望を越え、闇夜を照らす光の戦士。

     

    「―――闇を照らして、悪を撃つ!」

     

     君の名は、『ウルトラマン』。

     

     

     蘇る起源RE:ROOTS。『ウルトラマンティガ リ・ルーツ』。

     

     其は、超古代の始原のティガ。光にも闇にも転じ得る、風纏う光の巨人。

     

     今日までの奇跡は、時に砕かれ、時に敗北し、時に積み重ねられてきた奇跡は。

     

     死んでいった大切な仲間達が、後に残った仲間達に、竜胆に多くのものを託していったのは。

     

     全て、この一瞬のためにあった。

  • 5二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 21:52:24
    Fate/GRAND Zi-Order - ハーメルン  西暦2015年7月。 王様になることを夢見る常磐ソウゴ。 彼は中学3年生の夏休みに、人理保障機関カルデアに訪れた。 そこで爆発事故に遭遇し、タイムワープを経…syosetu.org

    どのシーンもよすぎて決まらないけど、とりあえず「強くてデカくて強い奴2016」よりこれ。


    ティアマトの肉体が崩れていく。

     それでも、最後の柱から彼女は離れない。

     アナザーディケイドとして、彼女は肉体を保ち続け――――


    〈ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト! ファイナルアタックタイムブレーク!!〉


    「オォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ――――――ッ!!!」


     地獄を突き破り、迫る人の魂の集合体。


     その一撃が、彼女の胸を打ち据えた。


     最後に残った命綱が、呆気ないほどに簡単に崩れていく。


     地獄の熱を突き抜けて。


     破壊者の力を破壊して。


     女神の肉体に、永遠の眠りを齎して。


     人の魂が確かに、大地に足を下ろして生還した。

  • 6二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 22:07:57

    書きたいけどクッソ長くなる

  • 7二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 22:14:30

    >>6

    (書けば)ええんやで

  • 8二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 22:15:47

    >>7

    画像にして添付って形でもオッケー?

  • 9二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 22:21:22

    >>6

    コピー出来ないの?

  • 1022/08/04(木) 22:28:27

    >>8

    OK

  • 11二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 22:46:00
    【完結】強キャラ東雲さん - ハーメルン力を求める少年が、力しかない少女と出会うお話(ただし少女は恋愛脳とする)syosetu.org

    完結済みISの二次創作なんだけど一夏が物凄い熱血主人公しててお気に入り

    特に一夏の初戦闘前のやりとりが好き(行数制限の都合でクッソ読みづらいの許して、あとこのシーンクッソ序盤だから読んで)

    「5話 ゼロからのスタート」

    「俺は、結局そうなんだ。結局ゼロなんだ。空っぽなんだ。何も持ってない」

     言葉はアリーナの音響に拡散され、客席にも響いている。

     ざわめいていた生徒らが口をつぐんだ。それだけの圧が、情念が宿っていた。

    「何で俺がこんな目にって。どうして俺ばっかり、面倒ごとをしょいこまなくちゃならないんだ、って。俺はそればっかり考えてた」

    「それは……ええ。そうでしょうね。貴方は世界の流れの濁流に押し流され、ここにたどり着きましたわ」

    「ああ。でも、嘘だったんだ。違うんだ。本当はすごく……羨ましかった。ここにいるみんな、理由があって、信念があってここにいる。その中に放り込まれて、俺はすごく、劣等感を抱いていた。惨めな気持ちだった」

     声色は暗く、重い。

     誰もが考えた。何も縁がなかったISという超兵器。その学び舎にある日突然放り込まれ、環境が激変し。

     何かを求められ。何かを期待され。何かを背負わされ。

    「――でも、それじゃだめなんだ。人間は……自分にできることを、その時にやらなきゃいけない」

    「……貴方」

    「まあ、受け売りなんだけどさ。でも俺も、そう思ったよ」

     だから、と彼は。

     世界で唯一ISを起動できる男子は続ける。

    「俺はゼロだ。俺は空っぽだ。故に、ここからだ。俺はここから積み上げる。俺はここから築き上げる」

    「……ッ」

     試合開始のカウントが始まる。

     セシリアは我知らず、歓喜に口端をつり上げた。

     目の前に存在するのは――踏み潰すに値する敵だ。

    「何もないなら――死に物狂いで、何かを手に入れるしかねえッ!!」

     カウントが刻まれ、そして、ゼロになる。

    「いいでしょう。わたくしが空っぽの貴方に――敗北を与えて差し上げますわッ!」

    「俺は自分の力でつかみ取るッ! 敗北なんていらない――勝利をッ!!」

     遠くに雷鳴が響く。

     それをゴングのようにして、一夏は爆発的な加速で飛び出した。

  • 12二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 22:50:02
    モモンガ様ひとり旅《完結》 - ハーメルンモモンガ様、ぼっちで異世界トリップなう。 しょんぼりしながら気ままに旅に出るモモンガ。そんなオーバーロードの明日はどっちだ!? ※ただし、ナザリックが存在しない…syosetu.org

    「守護者統括、アルベド殿。貴方は勘違いをしている。私はナザリックに忠誠を誓う守護者として生み出されたのではありません」


    「は……?」

     今、この領域守護者は何と言ったのか。アルベドは意味が分からなくて混乱した。……モモンガとて、パンドラズ・アクターが何を言っているのかさっぱり分からない。


    「私の存在理由――モモンガ様に生み出された創造理由は唯一つ。“モモンガ様の心を慰撫すること”です」


    「え――――」


    「だから、私には貴方達の気持ちなど分かりませんね。私は初めから、忠誠を誓いナザリック地下大墳墓を守るために創造されたのではないのですから。私はただ、モモンガ様の心の慰めになるために生み出されました。仲間がいなくなって寂しいと――そう悲しまれるモモンガ様の心を慰撫するために、私は存在するのです」


    「ですから、貴方の言う忠義を尽くせる御方の不在を恐れる心など分かりません。初めから、私はそのように創造されていないので。ですのでモモンガ様が至高の御方々と戦えと命じられれば、私は何の躊躇いもなくそれを実行に移すでしょう」

     パンドラズ・アクターの語る淡々とした言葉に、アルベドは呆然と目の前の異端を見つめた。震える声で訊ねる。


    「なら……なら、貴方はモモンガ様がナザリックからいなくなってもいいと言うの?」


    「モモンガ様がお望みなら」


    「忠義を尽くせなくなっても、それでもいいと、貴方はそう言うの?」


    「モモンガ様がお望みなら」


    「貴方は――――創造主に置いていかれても、それを“良し”と、そう言うの……?」

     アルベドの言葉に、パンドラズ・アクターは元の姿に戻って、敬礼して宣言した。


    「わが神のお望みとあらば」(Wenn es meines Gottes Wille)


    今まで見てきたオーバーロード二次の中で一番好きなパンドラズ・アクターのシーンと解釈

  • 13二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 22:53:20

    懐かしいの多いな…アベンジャーズ編完結してたのか

  • 14二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 22:54:57

    https://syosetu.org/novel/243352/


    あの警官の行動は無駄だったのだろう。

    警官の起こした行動で、逃げる事が出来た隊員の人達はアーカードとトバルカイン・アルハンブラとの戦いに巻き込まれて死亡していた。

     

    無意味だったのだろう。

    警官の行動は、結局の所、アーカードの残機を減らしただけだ。

    最終的にアーカードは残りの命を一つを除いた全てを減らす為、遅かれ早かれアーカードの命は減っていた。

     

    だが彼の意志は無価値ではない。

    例え誰もが彼を無駄や無意味と嘲笑おうと彼の価値は変わらない。

    彼の起こした行動が、その価値を証明している。

    彼の意志は無意味だった。

    彼の意志は無駄だった。

    彼の意志には価値があった。

     

    彼の意志が無意味や無駄に終わろうとも、別の誰かが彼の様にアーカードに挑み、アーカードを打倒するだろう。

     

    それがどれだけの時間が掛かるか分からない。

    だが、それでも彼の『化物を倒す』という意志は、いつかアーカードを倒すだろう。

     

    そしてアーカードは戦い続ける。

    いつか何処かの誰かに倒される事を確信しながら。

            

    「次はどんな曲を聞けるかな?」

     

    その『誰か』が織りなす人間賛歌を心待ちにしながら、アーカードは今日も戦う。

  • 15二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 23:02:40
    第五殺三章:情熱の赤 - 時に拳を、時には花を - ハーメルン 大赦のやっていることは悪辣だ、と少年は思っていた。  彼女らは大赦が捧げてる生贄だ、と少年は思っていた。  間違っていなければ、世界の存続のためならば、なんだ…syosetu.org

    第五殺三章:情熱の赤

    「自分より強い者に、勇気をもって立ち向かうのが勇者!」

     

     大赦は『友奈が初めて勇者になった時の話』を記憶している。

     当然、それは竜児にも伝えられたものである。

     友奈は初めて樹海に放り込まれた時、何が何だか分からないまま、とりあえず友人を守るために怪物に立ち向かったのだそうだ。

     

     誰かが傷付くこと、辛い思いをすること、皆がそんな思いをするくらいなら、自分が頑張る、私が勇者になる……そう叫び、彼女は殴りつけるように、蹴りつけるように、その身を勇者の姿に変えたのだという。

     "勇者になる"という宣誓が、彼女を強き勇者にしたのだという。

     

     それを聞いた竜児は、ああ、あの人は本当に勇者なんだな……と、思った。

     自分が何者になるかを宣誓し、変わる。

     それは古今東西どこにでもあるやり方だ。

     『メビウス』と叫ぶことで、ウルトラマンメビウスへと変わる者がいるのと同じように。

     

    「なら!」

     

     なりたい自分を、叫べばいい。しからばいつか、そうなれる。

     

     

     

    「僕も───皆を笑顔にできる勇者になる!」

     

      

     カテゴリーとしての勇者ではなく、システムとしての勇者でもなく、役目としての勇者でもない……"心の在り方としての勇者"。

     憧れた者に。

     勇気ある者に。

     なりたいという想い、いつかなるという誓いを、少年は叫んだ。

  • 16二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 23:05:06

    まどマギですよ

    この魔法少女どもはアホである。 - ハーメルン ごくごく普通の病弱少女である暁美ほむらは困っていた。なんせ味方がアホばかりなのである。 「これで究極のうどんが完成だああああ!」「鹿目さん、いいから戦って!?…syosetu.org

    ――さて、ここで星座の話をしよう。



    乙女座は、そも麦の穂を持つ豊穣の女神デーメーテールの似姿だ。この星々は、いわば小麦。

    くじら座は、エチオピアの海岸にポセイドンによって送りつけられた海の化け物だ。巨大な化け物は海を泳ぎ、たっぷりと水を飲み込んだ。この星々は海水を含む、つまり塩と水。


    まどかは転移し、現地へ赴き、これらの星々を砕いて混ぜ合わせ、適切な弾丸に成形した。

    小麦に塩を加え、水で練り、切り裂き形を整えた。そして大気圏に加熱され、アツアツの内に魔女へ届く。



    それを人は何と呼ぶか。

    嗚呼、私は知っている。このアホが執着したものを。

    筋肉痛で寝込んだ時に食べた、病床での救いの味を。


    そうだ、アホだ。ほむらは思う。

    実にくだらないが、これは、まごうことなき――。



    「一丁お待ちィ! これは――銀河系のチカラを込めたうどんだァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」



    うどんと言う名の弾丸状メテオが、ワルプルギスの夜に叩きつけられた。

  • 17二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 23:14:26
    転生チート吹雪さん - ハーメルン時は201X年、世界は変色海域に包まれた。海から命は消え、人々は砲撃に飲み込まれる。赤く染まった海から押し寄せる怪異の群れに成すすべもなく翻弄される人類は、だが…syosetu.org

    「9話 初めての○○」 伝 説 の 始 ま り


     結局自分に出来る事は時間稼ぎだけか、飛鷹は覚悟を決め、迫るイ級を正眼に置き全集中力を目に込める。こちらに向かい一直線へと進む敵艦を、挑んで来いとばかりに睨みつける。数秒の対峙、高速で航行する黒い船体の口内から砲塔が覗いた瞬間、飛鷹は全力で横へと跳んだ。


     一瞬前まで飛鷹の居た空間を砲弾が裂いた。一撃躱してやったぞ、と続く砲撃に晒されながら飛鷹は笑う。二射を海面に転がりながらさらに避け、三射目を髪に掠らせ、だが四射目はついに避け切れなかった。肩口から衝撃が走り、艤装が崩壊し服が弾け飛ぶ。ダメージを肩代わりされ飛鷹自身に怪我は無かったが、衝撃で倒れこみ、艤装もほとんどの機能を停止した。


     最早撃つ必要もないとばかりに砲塔を飲み込んだ敵艦が飛鷹を喰らわんと猛進する。よろめきながら起き上がり、どうにか避ける方法を模索するが、迫る巨体を前に、飛鷹は前後左右どこにも逃げようがないと悟った。もはやこれまで。だが、絶対に目は背けない。飲み込まれるなら、腹の中で暴れてやろうと歯を食いしばる。イ級が大口を開け水面を跳ね、飛鷹へ飛び掛かった。


     

     衝撃はやって来なかった。飛鷹の目前の空中で、それは完全に停止してしまっていた。いや、停止しているのではない。それはたった一本の腕で押し留められていた。


     数瞬の後、物理法則という名の常識を盾に、脳が理解を拒否していた光景を、飛鷹はようやく認識した。飛鷹よりも小さな体躯、細い手足、その大きくもない五指にイ級は掴み取られ、宙に固定されていた。



    「もう大丈夫」



     声の主が振り返る。頼もしげな笑みを浮かべ、安心していいとその態度で示す。頂点に近い太陽がその娘を照らした。見覚えのあり過ぎる顔、全ての疑問を置き去りにして彼女は宣言する。



    「私が来た!!」



     一層笑みを深くして、敵に向き直り、少女は腕を引くと逆の拳を叩きつける。イ級は轟音と共に四散した。

  • 18二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 23:15:58
    第XI話 友達さ - 最低不審者ドゥルーク - ハーメルン――――その日、高町なのはは人生最初の〝友達〟と出会った。syosetu.org

    『最低不審者ドゥルーク』、『第XI話 友達さ』(タイトル入れないと後でレス検索すら引っかからねえんだよな)


     〝友達が欲しい〟

     

     幼い頃の高町なのはが願った細やかな、けれど切実な願い。

     真理を突き抜けるほどの、切なる祈りは受諾された。此処に少女の夢想は、現実世界へと流れ出す。

     

    「やぁ、お嬢ちゃん。十年来の親友に絶交告げられたニートみたいな顔して何やってるんだい?」

     

     趣味の悪い青いスーツに、これまた趣味の悪い髑髏柄のネクタイ。覗き込むようなグリーンの瞳は猫のように爛々と光っている。年齢は……良く分からない。十代のようにも見えるし、二十代のようでもあるし、三十代のようにも思える。もし口を真一文字に閉じてさえいれば二枚目と断言できた悪魔的美貌の持ち主だが、おどけたように緩んだ口元と軽そうな雰囲気が外見的魅力を完全に相殺していた。

     フェイトもクロノもプレシアも、初めて見るその男に困惑を隠せない。だが高町なのはだけは知っていた。その男の正体を。


    「延長12回裏、3点差、ツーアウト満塁。一打サヨナラのチャンスで打席には主人公(エース)に代わり代打(ジョーカー)」

    「何なの、貴方……? ジュエルシードの思念体? それともそこの白い魔導師の仲間?」

    「どっちも不正解だよ。ボカァそんなもんじゃあないね」

    「なら、なんだというの……?」


     男は高町なのはを守る様に前に立つと、おどけたように言った。


    「友達(ドゥルーク)さ」

  • 19二次元好きの匿名さん22/08/04(木) 23:30:41

    タイトル 人類を救うのは俺ではないような気がする。(魚拓なので貼れなかった)
    「じゃあ俺が円卓の騎士だ!」

     リリィの顔をつかんで、無理矢理自分の顔を見せる。
    「お前はアーサー王なんだろうが! 円卓の騎士を決める権限はあるはずだ! 任命しろ!」
    「ルキウス……」
    「どうなんだ! それとも円卓の騎士は、身内で固めないと駄目なのか!」

     もう、誰に対して、何に対して怒っているのかもわからない。
    「聖剣持ってないと駄目なのか! 異教徒だと駄目なのか! 不満があるなら言え!」
    「……ないです」
    「もっとはっきり言え!」
     ルキウスも、もう自分で何を言っているのか、まるでわかっていないだろう。
     だが、それでも二人は言葉を交わす。

    「……ルキウス」
    「なんだ」
    「貴方を、私の騎士に任命します……」
    「―――」
    「私と一緒に戦って、死んでください」
    「ああ、任せろ」

     泣き止まない彼女をその片手で、胸元に寄せて抱きしめる。

    「白百合の円卓……俺、一名参陣だ、キングアーサー」
    「ルキウス……」
    「今だけは、俺だけが君の騎士だ」
    「はい」

    「一時だけの、そして今は俺だけの我が王よ……共に世界を救いましょう」

  • 20二次元好きの匿名さん22/08/05(金) 04:09:34
    弱きを助け、強きを挫く - 千紗希さんの悩み事 - ハーメルン 女子高生宮崎千紗希の身に、ある日突然降りかかった災い。  夜毎に蠢き、己れにつきまとう影。  恐怖に震える少女を救うべく、一人の男が立ち上がる――!syosetu.org

    「ほう、余の攻撃をいなすとは、やるではないか……先程の瞬間移動といい、いかなる妖術だ?」


     玄士郎が歩み寄りながら問い掛ける。どこか楽しげな声音だった。


    「一緒にするな。これは念法だ。人の思念を極限まで鍛えて、高めて、物理法則を超えた霊的な力に変える……それを武術に応用して、妖魔や悪霊を退治する。人間がお前等げな連中に立ち向かうために編み出した、人間の技だ」

    「ほうほう、つまり修練で得た力という訳か。人間もなかなか侮れぬではないか……しかし今のそなたは、身を守るのが精一杯のようだな」


     憂助は反論しなかった。実際に、玄士郎の言う通りだ。それどころか、今の攻撃にいたっては受け流せたかどうかも怪しい。もう一度やれと言われたら、十中八九失敗するだろう。

     玄士郎が歩みを止めた。

     木刀の届く範囲の、一歩外だ。


    「朧には悪いが、気が変わった。小僧、仲間を連れて引き上げるなら、そなた等の命は助けてやろう。近々幽奈と祝言を上げる予定なのでな、慶事の前の殺生沙汰は、余も好まぬ」

    「お断りだ」


     憂助は一ミリ秒の間も置かず、返答した。


    「意地を張るな。この龍雅玄士郎を――黒龍神を相手にしたのだ。逃げてもそなたの恥にはならぬ。敗北を認め、技を磨け。その方がよっぽど、そなたのためになるというものだ」

    「一昨日来やがれ」


     憂助は一ミリ秒の間も置かず、返答した。


    「何を意固地になっておる……そなた、幽奈と深い仲であったのか?」

    「馬鹿言うな。俺は幽奈さんの顔も知らねえ。赤の他人だ」

    「ますますわからぬ。ならば何故、ここに来たのだ?」

    「……大した理由じゃねえよ。そやけど、昔から言うやねえか、『強いやつはぶっ飛ばせ、弱いやつは助けろ』っちの。ガキが泣いて助けを求めようんなら、手ぇ貸してやるのが男っちもんやろが」


     その言葉に、玄士郎は幽奈と会った時の事を思い出した。確かあの場には、人間の娘に化けた一匹の小狸がいた。

     つまり、この木刀を持った少年は、あの小狸に懇願されてここに来たという事か……。

  • 21二次元好きの匿名さん22/08/05(金) 13:19:10
  • 22二次元好きの匿名さん22/08/05(金) 14:05:06
    名探偵マーロウ - ハーメルン エナジー・ドーパントの打倒から三ヶ月。  ある日鳴海探偵事務所に届いた依頼は、奇妙なものだった。  世界有数の巨大財閥鴻上ファウンデーション会長、鴻上光生の甥…syosetu.org

    名探偵マーロウ、Mにさよなら/マーニーの依頼


     皆の声が聞こえる。

     どいつもこいつも、どこか彼の記憶を刺激する者達だった。

     男が居て、女が居て。子供が居て、老人が居て。

     誰も彼もが、マーロウとマーニーを応援している。

     

     するとその時、ジョーカー・ドーパントが部屋のドアを破壊して飛び込んで来た。

     吹っ飛ばされたドアはマーロウをかすって壁にぶつかり、壁に大穴を開ける。

     怪物が開けた大穴が、部屋の風通しをよくしてくれていた。

     

     大穴から入る風が、部屋の飾りの風車を回し、マーロウの背中を優しく押してくれる。

     

    「なんだ? 切り札になる仲間でも来てくれたのか? 僕には勝てないけどねぇ!」

     

    「来てもらう必要なんてねえよ。声だけ貰えれば十分だ」

     

     少年はもうガイアメモリの侵食で、喋り方さえ怪しくなってきた。

     もはや救えないのか。

     それとも救えるのか。

     どちらでもいい。

     彼は既に、少年を救うと決めているのだから。

     

     救えないのなら、その運命さえ覆せばいいだけの話。

     

    「俺自身が―――切り札(ジョーカー)だからな」

     

    《 JOKER! 》

  • 23二次元好きの匿名さん22/08/05(金) 16:13:10
    ギスギスオンラインR15 VRMMO 勝てば官軍 負ければ逆賊 悪貨は良貨を駆逐する 地獄の沙汰も金次第 毒を食らわば皿まで 悪事千里を走る 人を呪わば穴二つ 友情 努力 勝利ncode.syosetu.com

    ギスギスオンライン セブン

    「セブン!」


     言下に、ウチの窓を突き破って一人の男が飛び込んできた。デカい矢に乗ってる。タオパイパイかよ。

     ロン毛の黒コート。【敗残兵】のサブマスター、セブンだ。

     高速で飛んできたので、ガラス片が容赦なくセブンを切り刻む。しかしセブンは動じない。


    「ふん……」


     つまらなそうに鼻を鳴らし、矢から飛び降りる。しかし飛び降りた先にはニジゲンがばら撒いた刃物が幾つも転がっており……。


    「ちィ……」


     剣の柄をアホほど踏んづけたセブンはテコの原理で跳ね上がった剣で串刺しになって一人で勝手に俺たちを残して逝こうとしている。

     前衛的なオブジェみたいになったロン毛に、俺たちはどうしていいのかまるで分からなかった。

     ……ぽつぽつと雨が降っている。

     ごふっ……

     静寂の中、剣山に埋もれるセブンが血反吐と一緒に呟きを漏らした。


    「効率悪いの嫌いなんだよ」


     効率厨をこじらせて階段から転がり落ちることをよしとする男。

     それがセブンだ。



     これは、とあるVRMMOの物語。

     闇は深い。


     GunS Guilds Online

  • 24二次元好きの匿名さん22/08/05(金) 16:14:54
    東郷美森は俺の彼女である【完結】 - ハーメルン清楚で黒髪で巨乳でかわいい、ちょっと大艦巨砲主義な彼女と、ひたすらイチャイチャする話syosetu.org

    「えがおのきみへ」


    「お疲れ様。牡丹餅よ」

    「ん? ああ、ありがとう。でも今は大丈夫……」

    「牡丹餅よ」

    「いや、それ結構お腹にたまるから……」

    「牡丹餅」

    「よかったら、これから東郷さんと一緒に夕飯でもって思ってたし……」

    「牡丹餅」

    「わーかったよ! わかりましたよ! 食べます! 有難く、いただきますから! だからそんなに寄るな! 圧が強いから!」

    「牡丹餅の勝利ね」

     

     本当にまったく……変なところばっかり図太くなって、彼女とは似ても似つかない。胸ばっかり成長しやがって……一体、何を食べてどう変化した結果、彼女がこんな風になってしまったのか。俺には見当もつかない。

     牡丹餅を口の中に押し込んで、溜息を吐きながら……でも、二人っきりで気を遣わず、牡丹餅を食える仲にはなったな、と。ふと思う。

     東郷美森は、鷲尾須美ではない。

     東郷美森は、俺のことをまったく覚えていない。

     それらの事実を踏まえた上で、俺は東郷美森という女性と、交流してきた。この馬鹿女が鷲尾須美ではないことはわかっている。この国防芸人が、俺のことをそこらへんの便利な男子程度にしか見ていないことは知っている。

     

    「東郷さん」

    「なに? 大山くん」

    「好きです。俺と付き合ってください」

     

     だからおれは、もう一度最初からきみに恋をした。


    本当はこの後の告白テイク2のが好きやけど今までの話の積み重ねが非常に重要やからネタバレ回避も兼ねてこっちにした。

    話自体は10話にも満たないので気になったら是非読んでくれ。ゲロのように砂糖を吐けるぞ。

    他にもそのっちとアリさんがお話するシーンとかもいいぞ。

  • 25二次元好きの匿名さん22/08/05(金) 17:35:57
    シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜R15 残酷な描写あり ラブコメ 近未来 電脳世界 VRMMO 神ゲー クソゲー バグ 主人公最強? ガチエンジョイ勢 スキル制 縛りプレイncode.syosetu.com

    シャングリラ・フロンティア スカイ・ハイ・テンション


    「ラストバトルは空の下の方が映えるだろ?」


    災害の煙で真っさらな晴天とは行かないが……吹き抜ける風は塵を運び、観客達から見ればさぞや映える光景だろう。


    「今この瞬間、俺たちは主要人物メインキャラなんだぜ? 端役モブじゃねぇんだ。脚本も兼任出来るってんなら盛り上げなきゃ損だろうが」


    「……そういうところまで似てるのかよリアルカースドプリズン」


    屋上の一角が熱でぐにゃりと曲がる。マグマの如くコンクリを溶解させて下の階から「戦乙女」が現れる。文字通り燃えてるねぇ、やる気十分ってか?

    役者は揃った、舞台も上々……あとは「座標」だけだ。


    「天を見ろ、太陽にすら負ける根性無しばかりじゃねーか。だが俺は違う! 俺こそが凶星、太陽すら霞ませる一等星だ!!」


    「格好付けてェんならそのまま華々しく散らせてやるよ!!」

  • 26二次元好きの匿名さん22/08/05(金) 17:46:50

    このレスは削除されています

  • 27二次元好きの匿名さん22/08/05(金) 17:48:26

    異世界転生掲示板ものでずっと名前が出てこなかっし掲示板越しで話してた主人公とヒロインが世界をかけた戦いみたいな感じで出会った場面。希望を失った主人公が出会う場面


    超天才魔法TS転生者ちゃん様監修@バカでもわかる究極魔法の使い方 - ハーメルン>1「助けて」 超天才魔法TS転生者ちゃん「全く君は僕がいないと何もできないねぇ」 【挿絵表示】 【挿絵表示】 小説家になろうにも同時投稿していますsyosetu.org

    「僕はアルマだ」

     

     その名を言う。

     次元世界最高の魔術師の名を。

     これまでずっとウィルを導いてくれた少女の名を。

     

    「アルマ・スペイシア」

     

     笑みと共に紅玉のような瞳が輝く。

     己の名を誇るように。

     もはやそこには倦怠も停滞もなく。

     あるのは出会えたことへの喜びだけ。

     出会ってくれてありがとうと、彼女は思い。

     こんなことってあるのかと、彼は思った。

     

    「メリークリスマス、ウィル。―――クリスマスプレゼントだ」

     

     聖夜の夜、真紅の瞳が漆黒の瞳を見つめる。

     

    「僕が君の――――希望(スぺイシア)だよ」

     

    ―――≪ウィル・ストレイト&アルマ・スぺイシア―――ボーイ・ミーツ・ガール―――≫―――

  • 28二次元好きの匿名さん22/08/05(金) 21:26:21

    とある科学の極限生存(サバイバル)

    第4章 揺れる刃の展開がおもしれーんだこれが

    とある科学の極限生存(サバイバル) - ハーメルン 苗字は2文字で名前も2文字。普通の高校生だった主人公は、気がつけばとあるシリーズの住人になっていた。原作にはない名前を与えられた主人公は、とある学生寮の一室で…syosetu.org



     意外そうな顔が目に付いた。まるで予期していなかったと、こちらの覚悟をぶち壊すような表情。だが、止まる気など毛頭ない。ここで前に踏み出すために、俺はこの言葉をこの身に刻んだのだから。


     どんな卑怯な手を使っても。誰を裏切ってでも目的を果たす。


     心を殺し、この身は唯の刃となる。


     たとえそれが、自らが信じ、自らを信じる……背中を預け合うような友だとしても。


    「───背中刺す刃」

     

     ───これは、誰にでも訪れる友情の終わり。


     魔法名と共に、凶弾を放つ乾いた音が鳴り響く。 


     大量に撃ち込まれる鉛弾が、その終焉を告げていた。

  • 29二次元好きの匿名さん22/08/05(金) 22:22:56

    >>25

    シャンフロはやっぱシャンフロやってないシーンのが好きだなあ

    短くまとまってて、かつ熱い

  • 30二次元好きの匿名さん22/08/05(金) 22:56:53
    銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(新版) - ハーメルン エル・ファシルの民間人脱出劇。それは天才ヤン・ウェンリーにとっては最初の栄光でしたが、アーサー・リンチ少将に従って捕虜となった将兵にとっては、「エル・ファシル…syosetu.org

    銀英伝二次の第84話で対クーデターの決戦場面。省略あり


    「俺はフィリップス提督に付いていくぞ!」「命がけで戦ったんだ! それなのにお払い箱さ! 年金は飯代にもなりゃしねえ! 技術を使える仕事はさせてもらえねえ! あんたらお偉いさんは兵隊を食い虫と思ってやがる! フィリップス提督だけが兵隊のために頑張ってくれたんだ!」

    「てめえらは『トリューニヒトに投票するのは馬鹿だ』と言ってるけどな! 馬鹿言ってんじゃねえよ! 面倒見の悪い政治家に投票する方が馬鹿だろうがよ! 仕事を欲しがるのが悪いか!? 年金欲しがるのが悪いか!? 貧乏人を舐めるんじゃねえ! 馬鹿野郎!」

    〜〈中略〉〜

    下品だが素ボクな叫びだった。

    人間は捨てたもんじゃないでしょと彼女がささやいた。「自分勝手だけどな」 ここにいる人は好きでエリヤを選んだのよと彼女は笑う。「言われてみるとそうだ。自分勝手な連中がみんな戦う気でいるんだ」彼女は私が言った通りでしょと自慢げになる。 「そうだな。人間は俺が思っているよりずっと強かった」 もっと信じなさいよと彼女は笑った。

    〜〈中略〉〜

    「私は戦うためにここにいる。公園にいる一〇万五〇〇〇人も同じだ。みんな、独裁と戦うために集まった。 では、諸君は何のためにここに来た? 祖国と民主主義を守るためか? ならば、諸君の敵はここにはいない。我々は祖国と民主主義を守ろうとしている。同胞を守るためか? ならば、諸君の敵はここにはいない。我々は同胞を守るために立ち上がった。自衛のためか? ならば、諸君の敵はここにはいない。我々は攻撃されたら抵抗するが、無用の争いは望まない。 今一度考えてもらいたい。敵はどこにいるのか? 与えられた命令は正当なものなのか? 何のために戦っているのか? 正義に反していないか? 諸君の良心が答えを出すはずだ」

    〜〈中略〉〜

    「俺はアマンシオ・バランディン! 地上軍伍長だ! たった今、部隊から脱走した! 一人の市民として戦いたい! 仲間に加えてくれ!」

    自由の波が再建会議軍を飲み込んだ。一個師団が戦わずして崩壊したのだ。

    「自由万歳! 民主主義万歳! 祖国万歳! エリヤ・フィリップス提督万歳!」

  • 31二次元好きの匿名さん22/08/05(金) 23:04:37
    「君の長所は、私を愛してることだよ」 - ハーメルン 少し照れたように、彼女はそう言った。  滅びゆく世界があった。  世界の全ては燃え尽き、怪物が星を埋め尽くし。  生き残った人類は、僅かに残った土地に引きこも…syosetu.org

    『君の長所は私を愛してることだよ』

     リュウは一度も泣かなかった。

     初日から今日に至るまで、一度も涙を流さなかった。

     絶対に泣かないと決めていた。

     涙で救えるものはないと思っていた。

     弱くない自分で居ようと、泣きそうになっても涙をこらえ続けた。

     

     泣いてはいけないと、自分に言い聞かせて、言い聞かせて、言い聞かせ続けて。

     

     頬を伝う雫があった。

     流れ落ちる透明な水滴があった。

     溢れ出た感情が、両の瞳から流れ続ける。

     己の手に涙が落ちるまで、リュウは自分が泣いていることにも気付いていなかった。

     

    『生まれた星は違っていても』

     

     彼らは消えていく。

     

    『共に創る未来は同じ』

     

     言葉を残して。

     

     

     

  • 32二次元好きの匿名さん22/08/05(金) 23:05:21

    『永遠の絆はここに』
     
     想いを残して。
     
    『我らは一つ』
     
     これは別れではない。
     
    『想いは一つ』

    悲しみの別れではなく、喜びの終わりのために、彼らはそれを選んだ。
     
    『魂はいつも共に』
     
     共に在る日々は、駆け抜けるような日々だった。
     共に在った時は長くても、心を通わせたのは数日だった。
     けれど、きっと忘れない。
     リュウはきっと、死ぬまで彼らのことを忘れない。
     
     怪物は謳うように、声を張り上げる。
     
    『高らかに叫びましょう主殿。我ら、宇宙の悪と貴方の愛が、勝ったのだと!』

  • 33二次元好きの匿名さん22/08/05(金) 23:53:01

    見返してみると好きなシーンがないお気に入り作品多いな
    作品の雰囲気とか文体とかが好きなのかな

  • 34二次元好きの匿名さん22/08/06(土) 09:25:38

    >>33

    特別名シーンはないけどなんとなく安心できる小説ってあるよね

  • 35二次元好きの匿名さん22/08/06(土) 09:41:52
    Fate/Advent Hero - ハーメルンライダーバトル。 それは自らの願いを叶えるために13人のライダー達が殺し合う戦い。 その正義など無い戦いに、己の願いを確立させ、壮絶に散っていった赤い龍の騎士。…syosetu.org

    【STRANGE VENT───】


    「認めよう、強き命よ。お前は滑稽な道化などではなかった。我が現世に呼ばれてさえいなければ、勝ち残っていたのは間違いなくお前だったであろう」


    「……この期に及んでも口を開かぬのか。……それとも、まだ諦めていないのか?」

     

    「──────」

     

    「四肢の自由を奪われて尚、戦いを止めようとせぬその執念。見事と言うべきか、哀れと言うべきか。……せめてもの手向けだ。この乖離剣を、死して拝せよ」


    「天地乖離す開闢の星───!」


    【───TIME VENT】


    「貴様、よもやそこまで───」

     

    【───FINAL VENT】

     

     己の弱さから目を背けたまま、弱きを助け強きを挫くなどと、誰が言えようか。

     自らに念じた言葉と共に、騎手は……仮面ライダーリュウガは、残された最後の一枚を召喚機に装填する。

     やがて、けたたましいエキゾーストノイズが閑静な郊外に響き渡った。

     その音に数拍遅れ、膨大な熱量の爆炎がギルガメッシュへと炸裂した。



    仮面ライダー×型月とかいう要素だけ見るとブラウザバック不可避な作品だけど濃厚な戦闘描写と熱い展開が魅力的

     

  • 36二次元好きの匿名さん22/08/06(土) 11:07:42

    >>16

    あげといてなんだなこれだけなんか浮いてるな

  • 37二次元好きの匿名さん22/08/06(土) 12:22:51

    >>36

    イチオシシーンを教えるスレだから

    自分が好きならそれでいいのよ

  • 38二次元好きの匿名さん22/08/06(土) 13:04:04
    お化け狩りの夜が廻る - ハーメルン狩人はリボンの少女を見捨てない。 夜の町に消えた親友を探す少女、ユイ。 彼女の前に現れたのは、ヤーナムの狩人だった。 これは二人の少女と一人の狩人が、それぞれの…syosetu.org

    それでも連中は、彼等は、貴方には無いものを持っていた。

     それは、己の欲を押し通す傲慢さであり、己の信念を貫き通す高潔さであり。

     ただ唯々諾々いいだくだくと他者の頼みを聞き、ただ自己犠牲を重ねるだけの貴方とは違って。

     結局のところ、それが貴方に足りないものだったのだ。


     それを、今になって思い出した。

     あの始まりの黄昏で、諦めてしまったもの。

     一度でいい。

     勝ってみたい。

     守ってみたい。

     あの少女たちの、笑顔を見てみたい。

     この身を、生き永らえさせたままで。


     ――導きの(My guiding)、


     その為なら、今だけ連中を信じてやる。


     その祈りも、信仰も、欺瞞も、導きも、己の物としてやる。


     少女たちの為だけではなく、己のために。


     勝つために!


     ――月光よ(Moonlight)!


     光が、炸裂した。

  • 39二次元好きの匿名さん22/08/06(土) 13:04:56
    「お前のダメボ(ダメージボイス)の音量がでかすぎてみんな気絶してんだよ!」と追放されかけたけど、大声出して誤魔化したら何とかなりました! 大声って最高! ~これからもこのギャグncode.syosetu.com


    「そりゃ二人のときは無傷だから構わねーかもしれねえが、全員揃ったときに傷を負ってダメボ(ダメージボイス)が出るならやっぱりてめーはどうしようもねーだろ!」



     テストは失敗だったが、と彼はここまでわざわざやってきた意味を根本的に消し去るような前置きをして、





    「てめーみたいな野郎は「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおうちおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおのパおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーティおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおに置おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおいておおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおけおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおねえ!追おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお放おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおだおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおァおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」





    「うるせーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!! 大声でなかったことにしようとするんじゃねーーーーーーーーー!!!!!」

  • 40二次元好きの匿名さん22/08/07(日) 00:42:49
    Muv-Luv Alternative ~take back the sky~ - ハーメルン―――オリジナルハイヴを攻略した白銀武は、因果導体から解き放たれて元の世界に還っていった。その中で望んだことがあった。 失った仲間達の事を誇りに思っている。共に…syosetu.org

    Muv-Luv Alternative ~take back the sky~、38話 : 企み、そして


     見事だな、と心の底からおかしそうに笑う。


     楽しくてしょうがないと、二人は笑った。


     ―――その腐れきった米国の謀に対する迎撃態勢が見事に整ったことに対して、快活に、獰猛に、攻撃的な笑みを浮かべた。

     

    「さて―――介六郎。見事に、こちらの危惧した事態が訪れてしまった訳だが」

    「はっ! しかし偶然が味方したとはいえ……このような迎撃態勢を組めたのは望外であるかと―――崇継様」

     

     本州は新潟から群馬に繋がる途中に、人の手によって作られた大きな道があった。そこは、上陸したBETAの7割が集結する地点であり。土煙を上げて進撃するその先に、立ち塞がる部隊があった。

     その中核に鎮座している機体名称を、Type-00Rという。その青のカラーリングがされた武御雷は、別の世界のJFKという空母の近くに出来たハイヴに攻め入った時と同じように、電磁投射砲を横に携えていた。

     改良を重ねられて、性能が向上し、道を全てカバーできるほどの数を揃えて。

     それを成した武御雷の衛士は―――臨時合同部隊の指揮官である斑鳩崇継は、片手を上げながら宣告した。

     

    『それでは、BETA諸君―――ご苦労だが、さようならだ』


    ここは読んでて完全に予想裏切られてうおおおおおっ!っとなったわ

  • 41二次元好きの匿名さん22/08/07(日) 01:03:02
    TS悪役令嬢神様転生善人追放配信RTA - ハーメルン悪役令嬢にTS神様転生して実は善人だけど追放されるRTAの様子を配信しようとした。 気づいたら金!血筋!権力!女!女!イケメンヤンデレ!暴力!暴力!暴力!って感…syosetu.org

    TS悪役令嬢神様転生善人追放配信RTA PART16 冠絶戦闘/ラスト・ミッション

     背中から三対六枚の、漆黒の翼が花開き。

     最後に、目の下に血涙が如き深紅のラインを走らせ。


    「完全解号ホールドオープン──虚弓軍勢マグナライズ・流星メテオ、ツッパリフォーム」


     全シークエンス終了。

     あちこちから過剰魔力が深紅の光となって噴射される。

     ふわりと、自然に脚が地面から浮いた。跳躍ではない飛翔。正真正銘の飛行能力。


    「feat.フィィイイチャリングゥッ!! ルシファァアアアアアアッ!!」


     ぐぐぐ、と握った右の拳を掲げる。それだけの動作で拳から紫電が散る。

     全身を凄まじい力が循環していた。今までにない感覚。

     何でもできる。誰が相手だって、戦えるという確信!


     だったら呼び名はこれしかねえ!


    「またの名を────」


     右の拳を開きながら水平に真横へ伸ばし。

     わたくしは混沌カオスを真正面に睨み、空中でサイコーに見得を切る!


    「────悪役魔法少女令嬢まりあんぬ★メテオォッ!! ですわッ!!」


    「なんて??」「なんて??」「なんて??」

    「なんて??」「なんて??」「なんて??」

    「なんて??」「なんて??」「なんて??」

    「なんて??」「なんて??」「なんて??」

  • 42二次元好きの匿名さん22/08/07(日) 08:17:48

    こういう、主人公が死を覚悟した時の会話に弱い

    「親友。」 - TS転生してまさかのサブヒロインに。 - ハーメルン────引きニートが死んだ時、物語は始まる。ハーレムを作りたい童貞は、異世界でどう生き抜くのか。 特に重いテーマとかは無いです。ドタバタギャグがメインの、軽い気…syosetu.org

    「ああ、流星が近い。」

    「だな、フィオ。もうすぐ終わりだ。」

     夜空に大きく輝くこの国を滅ぼす絶望を見上げて、バーディと短く言葉を交わす。

     ────ゾクリ。

     この時オレははっきりと死を意識したからか、急に身体がガクガクと震えだし止まらなくなった。必死で目を背けていた恐怖心が溢れ出し、凍り付くような孤独感に苛まれドサリと地べたに崩れ落ちる。


    「・・・会いたい。」

    「どうした?」

    「嫌だ、やっぱり、アルトに会いたい。」 


     我慢して口を瞑ろうとして、やっぱりダメだった。オレの口から、どうしようもなく情けない泣き言が零れてしまった。

     部屋を抜け出す時の、オレのあの覚悟はどこへ行ったのか。自分で望んだ最期の場所にたどり着いて、今から命を燃やそうとするこの場面で、オレは情けなくもビビっていた。


    「なぁ、なんでここにアルトは居ないんだ?」

    「そりゃあお前が黙って抜けてきたからだろ。」

    「だよな、何やってるんだオレは。死ぬ時くらい、人目を気にせず思いっきり甘えても良かったのに。アイツに甘える最後のチャンスだったかもしれないのに。」

    「泣くな泣くな、自業自得だ、親友。お前さんは変に自分を蔑ろにする悪癖がある、それも前世からだ。その結果がコレだよ。」


     バーディは呆れた顔で、そんなオレを罵った。死ぬ間際くらい優しくしろや、このブサイクが。


    「なぁ、バーディ。今から戻れば、少しくらいアルトに抱きつく時間あるかなぁ?」

    「うーん、見た感じ流星が地上に激突するまで10分くらいじゃね? 俺がお前を背負って全力でダッシュしても厳しいかな。」 

    「・・・だよな。もう、間に合わんよな。」


     ・・・当然、実際にバーディに背負って走ってもらうつもりはない。さっきの言葉は半分本気だが、残り半分くらいは言ってみただけだ。死ぬ間際にそんな見苦しい真似をする気は無い。


    「ああ。そうだな、じゃあそろそろ始めるかぁ。」

  • 43二次元好きの匿名さん22/08/07(日) 08:26:06

    やっぱここ好き

    非科学的な要素を含む犯罪事件を解決するために必要なものは何ですか? - 救われた少女R15 残酷な描写あり 日常 異能力バトル 女主人公 現代 チート 超能力 異能 犯罪事件 主人公最強格 掲示板 ドリコムメディア大賞ncode.syosetu.com

    「私の声は聞こえますか?」


     聞こえている。

     何重にもなったような不気味な声が、ステルの頭の中に響き渡っている。


    「私の姿は見えていますか?」


     見えている。

     二足歩行で立ち両手からは力を抜いている、ノイズが走る少女の姿が見えている。

     そして、その後ろには。



    「私は何に見えますか?」


     巨大で、人型で、口以外顔の無い巨人が目の前にいる。

     ステルは理解した。

     目の前のこれが顔の無い巨人なのだと、理解した。


    「――――貴方の世界は今、何色ですか?」


     世界は白黒で、空は赤くて、太陽は真っ黒に染まっていた。

  • 44二次元好きの匿名さん22/08/07(日) 08:53:33
    異世界の中心で「誘拐犯になりたくねぇ!」と叫ぶ異世界転生 異世界転移 身分差 ファンタジー シリアス 転生 異世界召喚 すれ違い 戦争 恋愛ncode.syosetu.com

    「俺は、ずっと悩んでいました。この世界に勇者を召喚することを。命を張って、戦ってもらうことを。誘拐犯にだってなりたくない、って心から思っていました」


     迷いを、恐れを振り払うように、スオンは力強く声を張り上げた。


    「だけどこの世界が、それだけ追い込まれているんだってわかっていました。この世界の人たちは、一生懸命生きていることを俺は知っています。だから、この世界が平和になってほしい、って心から思っていました」


     矛盾した思いは、どちらも大切で、蔑ろにできなくて。それでも、選ばなくてはいけなくて。どちらも正しくて、どちらも間違っているのかもしれない。


    「勇者を召喚すれば、俺は前世昔の自分に胸を張ることができなくなる。だけど、勇者を召喚しなければ、今世今の自分が胸を張れなくなる。どちらかを捨てることなんてできない。両方大切なもので、かけがえのないものだったから」


     だから、スオンは選んだ。どちらも捨てられないのなら、両方捨てなければいい。召喚される悲しみを増やさない道を、この世界を救う道を、両方を目指す道を選べばいい。その道の答えは、……たった一つだけあったのだから。


     できるのかなんてわからない。いずれ後悔だってするのかもしれない。それでも、この答えだけは胸を張って叫ぶことができた。過去と今を生きてきた彼が、今度は未来を真っ直ぐに生きるために。



     スオンは、空へ向けて手を翳し、人を超えた魔力を開放した。巻き起こった白き光が天を駆け、巨大な魔方陣がこの国全体へと広がった。


     淡い光に包まれた人々は、争いで傷ついた傷が治っていくことに驚愕する。身体の奥から力が溢れ、それとは反対に押していた魔国の勢いが止まった。人々の目に、確かな希望が宿ったのだ。


     たった一人の力で、形勢を覆す。そんなことができるのは、人間たちの最大の切り札である存在のみ。魔族の男はその姿を焼き付けるように、リヴィアは泣きそうな顔で、青年を見据えた。



    「……もう、わかっているのかもしれないけれど、改めて自己紹介をさせてもらう。俺は、スオン・レーゼス。この国のお姫様のお抱え魔法使いにして、この世界を救うために召喚された――勇者だよ」


     それが、スオンの出した答えだった。

  • 45二次元好きの匿名さん22/08/07(日) 16:18:56

    >>30

    ウィーアーユナイテッド演説やホーランドに会いに行った話も良い

  • 46二次元好きの匿名さん22/08/07(日) 16:23:29

    >>19

    これしか思い出せない名シーンきたな

  • 47二次元好きの匿名さん22/08/07(日) 18:08:35
    敬虔なるフランドールは祈りたい - ハーメルン「吸血鬼なのに神を信じるのか」問われて少女は苦笑した。 「たとえ神が私を嫌おうと、私は神の御心のままに。信仰とはそういうものでしょう」 その人は神に祈る生涯を送…syosetu.org


    「そう、これは報われない」


     これはとある世界のフランドール・スカーレットの話。


    「神が愛するような人がどれだけ増えても、どれほどの祈りが届けられようとも、私は後ろで見ているだけ」


     彼女の心は他の世界と少し違う。なんて言ったって、別人の心が入っているのだから。


    「神は信仰の祈りを聞き届けてくださるでしょう」


     その人に前世から継がれたものはほとんどなかったけれど、残ったものが少しだけあった。


    「それが罪人のものであろうとも」


     それは東方の世界の知識と、そして、自身が前世で信仰者であったという記憶。


    「それでも、私は吸血鬼だ。だから、私には神に祈る資格がない」


     悪魔の体に信仰の心、悪の体に善の心。相反する二つの間でその心は苦難に呻く。


    「多くの人を救った暁には、救われる事は無かろうとも膝をついて祈る権利くらいはいただけたら良いのだけれど」


     両の手を合わせる姿は何かを握るように見えた。


     きっと、それは永遠に触れる事の叶わない十字架であるに違いなかった。


     いつだって、敬虔なるフランドールは祈りたいのである。

  • 48二次元好きの匿名さん22/08/07(日) 18:51:13
    Human nature is evil - モモンガさん、世界征服しないってよ - ハーメルン さほど強くない大蛇がモモンガさんに従いながら、内政・外交、恋愛・結婚、殺戮、仲間探し、戦争・冒険などを行い、異世界を楽しむ話です。 ※一部に過剰な残酷表現、多…syosetu.org

     デミウルゴスは半端なところで言葉を切った。


     


     らしくない態度に彼を凝視したが、眉間に皺を寄せて難しい顔をする彼の考えは読めない。俺より高い知性を持つ彼の考えが分かるわけがない。馬鹿なりの視点でいえば、答えを言うことで何かが変わるのを躊躇っている、そんな雰囲気が出ていた。


     


    「……失礼いたしました。神は存在しません。我らがこの世で信じているものは設定された自身の存在定義、そしてアインズ様への絶対的な忠誠と敬愛。神が他にいるのなら滅ぼしましょう。ナザリック地下大墳墓の主神はアインズ・ウール・ゴウン様のみ。それがナザリックに生きる我らの存在意義と証明、創造主に悪として設定された私の主義です」


     最後の語尾が震えていたのを聞き逃さなかった。言い切った表情はとても晴れやかだった。意図がよくわからないが、アインズさんを優先することに決めたらしかった。NPCは創造主を優先すると思っていたので意外だった。


    「よくわからんが、ウルベルトさんよりアインズさんを優先するってことなのか?」


     全員の視線がデミウルゴスに集まった。


    「我らの忠誠はアインズ様に捧げる供物。絞り出される苦悩の雫、その最後の一滴まで、アインズ様の所有物です。創造主への忠誠まで献上してみせましょう。我々の忠誠はアインズ様にあれと、ヤトノカミ様から学ばせていただきました」


     突然に名前を出されて動揺した。高すぎる評価に、買い被り過ぎていると指摘できる空気じゃなかった。


    「それこそが、懐かしき栄光ある過去、アインズ・ウール・ゴウン黄金時代の残り火です。ナザリックの崩壊は至高の御方々の過去を侮辱する行為、万死に値します。我らはアインズ様並びに自身の創造主や至高の御方々が創造なされたナザリック地下大墳墓を永遠に守らなければなりません。たとえ……」


     言葉を切った。今、NPCは最後の一線を越えようとしている。俺は胸がすくような気分だった。


    「たとえ創造主、ウルベルト・アレイン・オードル様と敵対することになっても、私はアインズ様とナザリックを守り通してみせます! 敬愛すべき私の記憶、過去のウルベルト様を否定することだけは許してはならないのです!」


     それは、眩い光に包まれる円卓の騎士に見えた。

  • 49二次元好きの匿名さん22/08/07(日) 19:59:09
    比翼の王道2016 - Fate/GRAND Zi-Order - ハーメルン  西暦2015年7月。 王様になることを夢見る常磐ソウゴ。 彼は中学3年生の夏休みに、人理保障機関カルデアに訪れた。 そこで爆発事故に遭遇し、タイムワープを経…syosetu.org

    「……信じられるわけないだろ? だって俺は―――」

     

    「けど信じられるはずだ―――! だって、お前は俺なんだから……!

     お前の言ったことは、全部俺が思ってた事だ……!

     けど―――今言ったことだって、全部俺が思ってた事だ!

     信じられるわけないって気持ちも、信じたいって気持ちも、俺の中には両方ある!」

     

     何一つ、鏡の中のソウゴの言葉に嘘はない。

     彼がそう思った事は否定できない事実。

     それでも、と。常磐ソウゴはもう一人の自分に吼え立てた。

     前のめりになって叫ぶソウゴに、鏡のソウゴの方こそが一歩後退る。

     

    「過去の俺が積み上げてきたものを信じろよ!

     現在(いま)の俺の願いを信じろよ!

     ―――未来の自分は、最高最善の未来に辿り着けるって信じろよ!!」

     

     過去に積み重ねた全てが、現在の自分を作った。

     ならば、過去と現在を更に積み上げ続けて未来に至った時。

     自分の夢は、きっと願いに手が届くはずだと。

     そのために自分は、戦い続けることができるはずなのだ、と。

     

    「世界を全部よくしたい! みんなに幸せでいて欲しい……!

     そんな世界でいてほしいから、俺は王様になる事を夢に見たんだ!

     だから、これまでの夢で俺の願いを叶えるに足りないなら……!

     それを叶えられるものを夢に見る!

     俺は……この願いの重さに耐えられる、最高最善の魔王になってみせる――――!!!」

  • 50二次元好きの匿名さん22/08/08(月) 07:00:58

    保守

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています