キングヘイロー「ストレッチするわよスカイさん!」【SS】

  • 1二次元好きの匿名さん21/10/07(木) 22:49:52

    えー、と文句を言っているスカイさんを引っ張っていく。
    「お昼寝の途中だったのに~」
    「一緒に練習するって約束したでしょう!ほら、背中押して」
    腰を下ろして前屈の姿勢をとる。
    押されるのを待っていると、急に背中をつうとなぞられた。
    「ひゃわあ!?」
    なんとも情けない声がグラウンドに響く。
    面白がっているのかスカイさんは私の背中をなぞり続け、私はその間ずっと身悶えることになった。
    ようやっとスカイさんが離れた。
    息も絶え絶えになっている私にいたずらっぽい声が降りかかる。
    「キング~?なんて書いてたかわかる~?」
    「し……知らないわよ……」
    「ヒントはね~、キングのこと」
    「ぜえ、ぜえ……そうね、“一流”かしら?」
    「正解は“へっぽこ”でした~♪」
    「スカイさん!」
    今度は怒声がグラウンドに響いた。
    スカイさんはまったく気にしてないようだった。
    「じゃあ次はキングの番ね」
    「はあ!?なんで私が……!」
    「やってくれたら練習するから~」
    私の返事を聞く前にスカイさんが背中を向ける。
    ため息をつきつつ指でスカイさんの背中をなぞる。
    小柄でほっそりとした、それでいてしっかりと筋肉のついた身体。
    指先だけでもそれがわかる。
    しまった、なにを書くか決めていなかった。
    まあ自分の名前でいいか。

  • 2二次元好きの匿名さん21/10/07(木) 22:50:07

    『キ』
    わかりやすいようにゆっくりと書く。
    『ン』
    スカイさんが少しだけ身じろぎをした。
    『グ』
    指をスカイさんの背中から離す。
    ふと自分の持ち物に名前を書くよう幼いころお母さまに言われたことを思い出した。
    急に顔が熱くなる。
    まるでスカイさんが私のものだと思っているみたいで。
    「キング~?」
    「ななななにかしらあ!?」
    声が裏返ってしまった。
    振り向いたスカイさんはニヤニヤとした笑みを浮かべていた。
    「キングってばセイちゃんのこと好きすぎじゃな~い?キングの名前を書くなんて独占欲強すぎだよ~」
    別にそんなつもりじゃない。
    そう言えばいいのに、私の口は開いてくれなかった。
    「えっ、冗談なんだよねキング?」
    顔がますます熱くなってうつむいてしまう。
    お互いに無言の時間が流れた。
    スカイさんの指が私の指に触れる。
    びくっと反応してしまう。
    指が絡みつき、彼女の手に包み込まれる。
    暖かい。
    「キング」
    恐る恐る目線を上げる。
    スカイさんの顔が薄桃色に染まっていた。
    スカイさんの瞳に映る私の顔も薄桃色に染まっていた。
    私たちは繋いだお互いの手にそろって目線を落とす。
    絡み合う指がひどく艶めかしく見えた。

  • 3二次元好きの匿名さん21/10/07(木) 22:51:21

    背中に指で名前を書くってなんかいいなあって思ったので
    お目汚し失礼しました

  • 4二次元好きの匿名さん21/10/07(木) 23:31:25

    このカップリングもいいよね!

  • 5二次元好きの匿名さん21/10/07(木) 23:33:16

    トレウンスにフラウンスにセイキン…ウンスってもしかして罪な女?

  • 6二次元好きの匿名さん21/10/07(木) 23:34:20

    良家のお嬢様と異端児のカップリングいいぞ…

  • 7二次元好きの匿名さん21/10/07(木) 23:35:50

    しっとりセイキンからしか摂取できない栄養をありがとう

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