【SS】デジたんと4番ちゃんと天皇賞

  • 1二次元好きの匿名さん22/08/08(月) 17:13:44

    ”天皇賞・秋”。
    彼女の脚には、デビューした頃とは比べ物にならない重みが纏わりついていた。
    「はっ、は…やあああああああぁっ!」
    1人、また1人追い抜く彼女。
    (譲れない…!だって、今のあたしの背中には…!)
    「大外から追い込んできた!大外から_アグネスデジタル!」
    先頭を走る”世紀末覇王”すら…
    (あたし以外の思いも乗ってるんだから…!)
    「ああああああああ゛あ゛あっ!!!」
    「アグネスデジタル捉えるか!捉えた捉えた…!ゴールイン!!!」
    抜き去った。

    「トレーナーさんっ!!!」
    彼女はトレーナーの元へと駆けていく。
    「やりました、やりましたよ!!!」
    喜び合うトレーナーと彼女は、とても楽しそうだった。

    「…これならば納得でしょう…!」

  • 2二次元好きの匿名さん22/08/08(月) 17:13:54

    「彼女たちも…!」
    その声を聞きながら立ちつくす、1人の少女。
    …納得するしかない。
    自分が走っていても、”今、このレースで彼女に勝つ”ことは絶対にできなかった。そう思える走りだった。
    実際にかのテイエムオペラオーすら下してしまったのだから。
    そこに、不思議と悔しさはなかった。ほんの少しの興奮すらあった。
    ただこのレースにおいては、きっと役者は自分より彼女が相応しかったと、そう考えていた。
    「…ねえ、次のレースだけれども…」
    そう声をかけてくる少女のトレーナー。
    今日は、彼女が走ってきっとよかったのだろう。
    自分は…自分の道をゆこう。
    そう結論を付けて、少女はトレーナーと共にトレセンへの帰路を辿る。
    この興奮を、実力に変えるため。

    「…おや?」
    『どうしたんだ、デジタル』
    「いえ、今観客席に見覚えのある娘がいたような…」
    『…この後はライブだろ?その時に見えるんじゃないか?』
    「あ、確かに…!よーっし、今日もらった尊みと興奮をパワーにしてもう一踏ん張りしてきます!」

    アグネスデジタルは、確かに少女とそのトレーナーたちを「納得」させる走りをした。

  • 3二次元好きの匿名さん22/08/08(月) 17:22:50

オススメ

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