トレーナー、ちょっといいか？

1二次元好きの匿名さん22/08/08(月) 20:51:27

なんだ、寝ているのか。ふふ、そんなに丸まっていると子供みたいだぞ？
……疲れているんだな、無理もない。この間のレースは私たちのすべてを出し切ったから。私は限界まで自分を追い込んで、トレーナーは食事や寝るのも忘れて仕事に励んでいたな。
そうやって今までの集大成をぶつけて……私たちはラストランを勝利で飾ることができた。勝てたのは確かにとても喜ばしいことだが、何より私にとっては君と3年間を共に走りきれたのが本当に嬉しかったし誇らしかったんだ。大事な人と別れてしまうほど悲しいことはないから……

天気がいいせいか、なんだか私も眠くなってきたな……トレーナー、失礼するぞ。
……む？これは私のぬいぐるみか。抱いて寝るほど気に入っているんだな……確かによくできているが、今は本物の私がいるんだ。君には机の上にいてもらうぞ。
……うん。私の方がぬいぐるみより温かいし、トレーナーの体温を感じられるのも私だけだ。

──あ、すまない。起こしてしまったか。眠りを邪魔するつもりはないんだ。ただ、一緒に寝てもいいだろうか？私も眠くなってしまったんだ。──そうか、ありがとう。では、お言葉に甘えさせてもらう。
……トレーナー、少し痩せたか？もっとご飯を食べないとダメだぞ。ただでさえ君は無理をしがちだろう。
そうだ、起きたら一緒に食事に行こう。この間タマにいいお店を教えてもらったんだ。お肉が美味しいらしくてな。きっと元気が出るぞ。
食べ終わったら散歩に行こう。今日はいい天気だから気持ちがいいはずだ。久々に軽く走ってみるのもいいかもしれないな。……いや、タイムまで測る必要はないんじゃないか？

まったく、トレーナーといるとレース以外にもやりたいことが尽きないな。引退したら寂しいものだと考えていたが、君がいてくれるなら私は大丈夫だと思う。だから、これからも私のそばにいてくれると……その、とても、嬉しい。
──うん。君ならきっとそう言ってくれると思っていた。ありがとう。
では、そろそろひと眠りするとしようか。……ああ、夢の中でも私たちはきっと会えるんだろう。

おやすみ、トレーナー。