【SS】ひと夏の契り

  • 1二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 22:11:32
  • 2二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 22:12:30

    毎年メジロ家の保養所では7月1日に「海開き」「川開き」が行われ────令嬢や関係者たちが疲れを癒します。
    この時期のこの場所にはお楽しみがいっぱいです。
    そう……お楽しみがいっぱい……
    あいつにとってもきっと『お楽しみがいっぱい』……

    「楽しみですわ!大粒イチゴのかき氷に、カナダ産メープルのパンケーキ!」

    海へと続く田舎道を走る高級車の中には、色々なものがある。
    自分には不釣り合いなほど上質な革張りの座席、快適な温度、運転手、そして────美貌の令嬢。

    「ここのパーラーのスイーツがとにかく絶品なんですの!まずはこちらに向かいましょうか!」

    隣の席に座する、いつもよりもラフな服装の彼女は、色とりどりのスイーツの写真が躍るパンフレットを眺めながらこちらにぐいぐいと身を寄せてくる。
    確かに写真の中のスイーツは美味しそうだが、それよりもすぐ近くから漂うほんのりと甘い香りが気になって仕方がない。シャンプーを新しくしたのだと気づいたのは、長い付き合いの賜物だろうか。

    助けを求めるように運転席に目線を送るが、ハンドルを握る老人────メジロ家の”じいやさん”は、バックミラー越しに生暖かい笑みを浮かべてくるだけだった。

    「……はしゃぐのはいいけど食べ過ぎないようにな?現役の頃ほど動けないんだから」
    「わ、分かっていますわ!」

    少しからかうように言うと、彼女の身体がぱっと離れる。助かった、と思った。
    普通の車よりはるかに広いとはいえ、車内で密着してくる柔らかな肢体は理性にあまりに毒だ。

    「あとどれくらいで着くのかな?」
    「今横を通った看板が目印ですから、もう30分というところですわ。楽しみですわね」

    やれやれ、行きでこれでは先が思いやられる。
    ひとつため息をつきながらシートに深く背を預けると、トレーナー室の安いソファを明日にでも買い替えたくなった。

    「……ああ、本当に楽しみだ」

  • 3二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 22:13:09

    繋靭帯炎を患い現役を引退したメジロマックイーンは、卒業後に本人たっての希望でチーム・シリウスのサブトレーナーに就任した。
    シリウスが彼女にとって思い入れの深いチームであることは誰もが知っている。なので俺もチームのメンバーたちも、そして意外にもメジロ家からも一切の反対はなく、ちょうどスペシャルウィークの活躍を契機にメンバーが一気に増え、俺ひとりでは手が回らなくなったところにすっぽりと収まる形になった。

    とはいえ、彼女は近い将来メジロ家を背負って立つ存在だ。もう競技者ではなくなった以上、次期当主としての務めを果たさないわけにはいかない。チームよりもそちらを優先するようにとそれとなく諭しもしたのだが、マックイーンはチームとメジロ家、どちらも大事なのだと言って聞かなかった。
    彼女の意志の強さ、そしてそれを成し遂げんとする行動力は俺が誰よりもよく知っていた。
    チーフトレーナーとして、そして彼女の元トレーナーとして、この二足のわらじを履く生活を支えることを決意したのは今年の初めだったか。今のところ彼女は多忙極まる生活をうまくこなしている。
    ────少し、体重が増えたのは不徳の致すところだが。

    さて、チームのエースだった頃から立場は大きく変わったが、シリウスとマックイーンの関係性は驚くほどに変わらなかった。相変わらずゴルシの奇行には巻き込まれっぱなしだし、ライスや他のメンバーには先輩として教えを説いている。

    「今週はいよいよ新入生のメイクデビューだな」
    「ええ。勝ち負けも重要ですが、大事なのはいかに練習通りのレース運びをできるか、ですわね」
    「ああ、その通り。マックイーンもサブトレーナーが板についてきたな」

    こうやって練習後に部室でいつものように話していると、あの夜の────引退を決め、彼女に想いを伝えられた夜のことは夢だったのかもしれないとすら思える。

  • 4二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 22:13:41

    「そうですわ、トレーナーさん。ひとつお願いがありますの」
    「どうした?」

    仕事の相談も終わり、他愛のない話が始まってしばらく。
    唐突に話題を切り替えたマックイーンの穏やかな笑みが、ほんの少し蠱惑的な色を湛えた。

    「来週末にメジロの屋敷で懇親会がありますの。トレーナーさんには是非、私のパートナーとしてご同行いただければと」

    いつも通りの日常。しかし、そんな日常に挟まる非日常────こんな風にメジロ家の用事に付き合うことが増え、今まで知らなかった上流階級の世界に足を踏み入れるようになった。
    せいぜい学園関係者と記者くらいのものだった人脈も途方もないほどに広がり、伝説的なトレーナーOBに大企業の社長、URAの幹部役員……そういった相手と関わりを持つようになると、一介のトレーナーだった頃が遠い昔のように感じる。

    少しづつ自分の歩む道は変わりつつある。シリウスのトレーナーから、マックイーンの一心同体のパートナーに。
    ある意味聖域のようだった思い出の中の───ただのトレーナーとウマ娘として、愚直なまでに真っ直ぐに夢を追っていたあの頃にはもう戻れない。理由はどうあれ、俺は彼女の告白を受け入れたのだから。

    「……ああ、分かった。礼服だけ見繕っておいてくれないかな。失礼がないようにしたいから」
    「ありがとうございます!では、そのように」

    未だ慣れない接待や酒宴に気苦労がないわけではない。しかし、嬉しそうに手帳に予定を書き加える彼女を見ると、その願いを叶えてやりたいという気力が湧いてくる。
    要はそれだけ惚れ込んでしまっているのだ。メジロマックイーンというウマ娘に。

  • 5二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 22:14:34

    「そうですわ、トレーナーさんはどこか行きたい場所はありませんの?」
    「俺?」

    手帳を閉じると、マックイーンは唐突にそんなことを言い始めた。

    「ええ。メイクデビューが終わればしばらくスケジュールにも余裕ができますでしょう?せっかくですから、どこかでお休みをいただいてご一緒に旅行でもどうかと思いまして」
    「なるほど、それはいいね。お互いここのところ働き詰めだったし」

    自分が気疲れするということは、マックイーンはそれ以上に苦労しているわけで。
    秋になればG1戦線が再び始まって忙しくなるのは明白だし、ここらで羽を伸ばすのも悪くない。

    「マックイーンはどこに行きたい?やっぱりスイーツが美味しい────」
    「もう!トレーナーさんはいつもそうですわね!」

    机を叩く音。声を荒げたマックイーンを見るのは久しぶりだった。

    「マックイーン……?」
    「お出かけにお誘いしても、いつも私に行き先を任せるじゃありませんの!あなたがそういう気質なのは分かっていますけれど、たまにはトレーナーさんに選んでいただきたいのです!」
    「す、すまん……気遣わせてたかな」
    「いえ、本気で怒っているわけでは……ですが、いつも私の予定に合わせていただくというのも少し心苦しいのですわ。……それとも、私との外出は渋々付き合っていただけでしたの?」
    「いや、それは違う!断じて違う!分かったよ、たまには俺が決めさせてもらう」

    むくれそうになった顔をなんとか収めて、旅行の目的地について考える。

    休みの日に行きたい場所。
    マックイーンと行きたい場所。
    季節はもうすぐ夏の盛り。


    「────海に行きたいな。できれば人が少ない」

  • 6二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 22:15:17

    自然と口から出てきたのはそんな願いだった。
    かくして、某県の海岸にそびえるメジロ家保養所への1泊2日の旅が始まったのである。



    出発の日が近づくにつれてマックイーンは上機嫌になっていったっけ。

    ここに至るまでの経緯を思い返していると、車はやがて海岸沿いのコテージに着いた。今夜はここに泊まることになる。
    気温こそ高いが風がよく吹くおかげでジメジメとした感じはなく、不快感は少ない。絶好の海日和になりそうだ。

    「早くパーラーに参りたいところですけれど、まずは着替えを済ませましょうか」

    コテージの中はトイレ、寝室、キッチン、シャワー室が完備されていて、リビングは最低限の家具とちょっとした絵画が飾られている程度の簡素な内装だったが、しっかりと手入れや清掃が行き届いていて快適そうに見える。


    脱衣所で水着に着替え、外に出て待つことしばらく。
    ドアが開いてマックイーンが姿を現した。

    「ごめんなさい、遅くなりましたわ。日焼け止めを塗るのに手間取りまして」

    マックイーンが纏っているのは丈の長い、いわゆるワンピースタイプの白い水着。
    それだけなら彼女らしい清楚さを感じるだけだが、近くに寄って見てみるとひとつ違うことに気がついた。


    「マックイーン、それ……」
    「お腹は隠れるデザインにしていただきましたの。万が一、ということもありますので」

  • 7二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 22:16:16

    彼女はそう言ってはにかんだが、その言葉は真っ赤な嘘である。
    隠れている、と言ったが、実際は生地が半透明になっていてうっすらと中が透けているのだ。エメラルドグリーンの水着と、今日のためにトレーニングで引き締めてきたというお腹も見えている。

    なんだか下手に露出を激しくするよりも恥ずかしいんじゃないだろうか。
    思わず高鳴り始めた鼓動を悟られないようにして、無難な感想を絞り出す。

    「似合ってるよ。上品な感じでマックイーンらしいと思う」
    「まあ、ありがとうございます!」

    そう褒めると、尻尾をぱたぱたと振って、マックイーンは上機嫌だ。

    「ではさっそく参りましょう!まずはかき氷から────」
    「待った、マックイーン」

    走りだそうとしたマックイーンを呼び止めて、きょとんとしている彼女の頭に持っていた麦わら帽子を被せる。
    これで、遠目に見ればお転婆なお嬢様といった感じだ。

    「これは?」
    「風が吹いてるとはいえ暑いから。日差しは直接浴びない方がいい」
    「まあ、お心遣いありがとうございます。でも、トレーナーさんも気をつけてくださいましね。あまり運動もされていないのですから」
    「ああ、肝に銘じておくよ」

  • 8二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 22:16:51

    「これが噂の大粒イチゴのかき氷ですのね……!美しさも迫力も写真以上ですわ!!」

    かくして辿り着いたパーラーの一席。
    いつもより感嘆符多めのマックイーンは、待望のかき氷を前にして大きな瞳を輝かせている。

    「では、いただきますわ……!」

    震える手でスプーンを掴み、かき氷を口に含む。
    ────ぱあっ、とその表情が明るくなった。

    「美味しい?」

    返事は返って来ず、代わりにコクコクと大きな頷きが繰り返される。
    なんとも微笑ましい様子を眺めながら、先に頼んでいたアイスコーヒーを啜る。

    「トレーナーさんはスイーツは頼まれませんの?お代のことなら気にされなくて結構ですのよ?」
    「朝からあんまりお腹を冷やすと後で大変なんだ。昼ご飯が終わってからいただくよ」
    「そういうものですか?」
    「ああ……マックイーンも大人になれば分かるよ」
    「そうなりたくはありませんわね……ああでも、ひと口くらいならよろしいんじゃありませんの?」

    マックイーンがおもむろにスプーンでかき氷をひと口掬うと────その先端はこちらに向けられた。

    「どうぞ、トレーナーさん。ぜひご賞味ください」
    「えっ」
    「どうしたんですの?こういうことをするのも別に初めてではありませんのに」
    「いや、マックイーン、ここ外だから」

    そう言うと、マックイーンは怪訝そうに首を傾げた。この人は何を言っているのだろう、とでも言いたげに。

  • 9二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 22:17:25

    「……トレーナーさん、周りの方々は私たちを見ていますか?」
    「周り?」

    言われるがまま辺りを見回す。
    パーラーには人の数は少ない。メジロ家の関係者だろうか、何人か見知った顔がいるくらいで、そんな彼らも周りを気にせず思い思いにくつろいでいる。

    だからこちらも気にするな、ということらしい。

    「……見ていないな」
    「そうでしょう?ではでは、お早めにどうぞ。溶けてしまいますわ」


    「あー……」

    意を決してスプーンを口に含む。
    苺の爽やかな酸味と、特製シロップの冷たい甘みが口の中に広がった。

    「どうですか?」
    「……うん、甘いな。美味い」
    「それは何よりですわ!美味しいものはやはり共有したくなりますもの」

    満足げに頷くと、マックイーンは恐るべき速さで残りを平らげていった。

    「さて、ではそろそろ海に参りましょうか!まずは準備運動から、ですわ!」

  • 10二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 22:18:26

    せっかくの休みだというのに、ステイヤーの血が騒いだのかマックイーンは数時間もの大遠泳を行った。
    そんなマックイーンの遊泳に付き合ったこちらもすっかりクタクタになってしまって、途中からはもう浮き輪に乗って、少しづつ暮れていく空をぼうっと眺めていた。

    「泳ぎ疲れましたわね。お腹もすきましたし、そろそろコテージに戻りませんこと?」
    「そうだな、戻ろうか」

    コテージに戻ってシャワーを浴び、リビングに戻ると、スタッフが用意してくれたらしい豪勢な料理がテーブルに所狭しと並んでいた。
    それらに舌鼓を打ち、本当はアルコールを摂るつもりはなかったがマックイーンに勧められるまま瓶ビールを1本開けてしまい。思いがけずすっかり気分が良くなってしまった。

    「お食事も済みましたし、映画でもどうです?フィルム時代の秘蔵のコレクションがありますの」

    食事の後は映画鑑賞となった。マックイーンが用意してきたのは随分と古い作品ばかりで、果たしてどれにしたものか迷ったが、唯一知っていたタイトルの洋画があったのでそれを観ることにした。
    映画の内容は第二次大戦中のドイツ軍収容所から、捕虜たちが結託して脱走を試みるというもの。途中のバイクで柵を飛び越えるアクションシーンは時代を感じさせない迫力だった。

    「トムが発見されたときにはどうなることかと思いましたけれど、なんとか皆さん収容所から逃げられて……よかったですわ~!」
    「検問抜けるところはドキドキしたなあ……」

    ポップコーンをつまみながら感想を語り合っていると、ふと睡魔に襲われる。時計を見ると、いつの間にかもう23時を回っていた。
    ソファから立ち上がって伸びをすると、今夜の寝床をどうしようかという考えが頭に浮かぶ。

    「トレーナーさん、どちらへ?」
    「ちょっとトンネルを掘りに……」
    「もう!」

  • 11二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 22:19:23

    「ベッドが1つ……か」

    寝室のドアを開けると、そこにはダブルベッドが1つ。床で寝ようとも思ったが予備の布団の類もない。

    「ええ。もともとここはひとり用の宿泊施設ですもの」

    どうしたものかと悩んでいると、いつの間にか夜着────いわゆるネグリジェに着替えたマックイーンがドアの前に立っていた。

    「そろそろ休みませんこと?明日も行きたい場所がいくつもありますから」
    「……俺、ソファで寝るよ。いつも慣れてるし」
    「いけませんわ。明日の夜には帰らないといけないのですから、しっかり睡眠を取らないお身体に障ります」
    「しかし……」

    言い淀む俺に対して、マックイーンは鍵を後ろ手にかちゃり、と閉めた。そのままベッドまで歩いていくと、ゆっくりとその縁に腰掛けてこちらを見上げてくる。
    仄暗いベッドサイドのランプに照らされたその目は、まるで俺の内心を見透かしているかのようだった。

    「ねえ、トレーナーさん。遠慮なさる気持ちはよく分かります。私との将来を大事にしてくださっているというのも。────ですが、ここには誰も来ませんわ。清い付き合いをまるで爛れた関係かのように書き立てるマスコミも、立場を弁えない行動と糾弾する方も、誰もいません。ですから、トレーナーさんの率直なお気持ちを行動で示してくださいまし」

    耳に心地よく響くキャンディボイス。ポンポン、とマットレスを叩く所作に誘われるように隣に腰掛けると、マックイーンはそっと腰に手を回して身を寄せてきた。
    シャツ越しの腕に彼女の心音を感じると、自分はこれからどうするべきなのかがよく分かった。

    「さあ、あなたは私をどうされたいのですか?どんな望みでも、私には受け入れる覚悟がございますわ」
    「……分かった。でもその代わり、今夜のことは誰にも言わないでくれ」

    マックイーンがそっと頷いたのを見て、彼女の腕をできるだけ優しく引き剥がす。そして、ベッドに横になり彼女に手招きした。

    「おいで、マックイーン」
    「トレーナーさん……」

    嬉しそうに笑い、おずおずと隣に身を横たえた彼女の身体をぎゅっと抱き締めて────

  • 12二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 22:19:50

    ────抱き締めるだけで、それ以上は何もしない。
    そうして何分かじっとしていると、もぞもぞと腕の中から戸惑った表情が現れた。

    「あの……」
    「震えてるよ、マックイーン」
    「────気づいて、ましたの?」

    そう、マックイーンの身体は僅かに震え、胸の鼓動ははちきれんばかりに激しくなっていた。
    恐らくかなり無理をして誘ってくれたのだろうが、いつも通りの余裕を装っている姿がなんともいじらしい。何よりそれを愛おしく思うと同時に、自分には今のそんな彼女に熱を────長らく溜め込んでいる想いをぶつけることはできないのだと悟る。

    「間違いは起こせない。だから、今の俺にできるのはこうすることだけ。……俺は、ちゃんと君を愛せているのかな」

    腕の力を強めると同時に口から出てきたのは、自分でも驚くほどに情けない言葉。
    だが、そんな言葉がマックイーンの緊張には効果覿面だったようで────腕の中の彼女の震えが止まる。

    「そう、ですわね。実を言いますと、近頃は時々心配になることがありました。何度かアプローチをしてもトレーナーさんはいつも通りに優しくあしらってくださるだけで、結局私はあなたの心を惹き寄せられていないのではないかと。……でも、その不安は今日、杞憂だと分かりました」
    「と言うと?」
    「着替えてきたときも、泳いでいるときも……私の水着をじっと見てらしたの、気づいていたんですのよ?どこか熱っぽい目で、遠慮がちに。ですから、愛してくださっていることを疑ったりはしませんわ」

    だから掛かってしまったのですけれど、とくすくす笑う声。
    つられて噴き出してしまい、ふたりだけの寝室にはしばらくの間笑い声が響いた。

    「そうだな。これからも今までと変わらずゆっくり、俺たちだけのペースでやっていこう」
    「分かりました。ですが、いずれ必ず────トレーナーさんが自制などしなくてもいいと思えるよう、あなたを心から魅了してみせますわ」
    「……ああ、楽しみにしてる」

  • 13二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 22:20:39

    すっかり夜も更けて、日付が変わる頃までは熱心におしゃべりに励んでいたマックイーンも安らかな顔で眠りこけている。
    出会った頃からは比べ物にならないほど成長し大人びても、寝顔にはしっかりとあどけなさが残っているのだ。

    「大丈夫だよマックイーン」

    絹のような髪を撫でながら、彼女を起こさないように小さな声で語り掛ける。
    夢の中では届くように、そして己に言い聞かせるように。

    「俺はもう、とっくに────」

  • 14二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 22:22:31
  • 15二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 22:33:47

    ウワーッ!すごい文量!

  • 16二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 22:55:59

    スレ画のマックちゃんくっそかわいいよね

  • 17二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 23:02:09

    水着マックちゃん天井したけど後悔ないや
    ありがとうスレ主

  • 18二次元好きの匿名さん22/08/10(水) 23:37:13

    シリウストレ×マックいいよね

  • 19二次元好きの匿名さん22/08/11(木) 07:35:58

    マックイーン強いなほんと……

  • 20二次元好きの匿名さん22/08/11(木) 08:27:34

    良かった

  • 21二次元好きの匿名さん22/08/11(木) 08:37:51

    美しいものを見た

  • 22二次元好きの匿名さん22/08/11(木) 08:39:13

    前作見逃してたからあわせて読んできた
    すごくよかった

    水着マックちゃん、今からでも引けねぇかな…

  • 23二次元好きの匿名さん22/08/11(木) 17:57:52

    水着マックちゃんを目にしておいてさらに夜にここまでされて耐えるのは本物だ
    末永くお幸せにな…

  • 24二次元好きの匿名さん22/08/11(木) 18:55:17

    途中でパンツ脱いだけど早とちりだった
    良いSSをありがとう

  • 25二次元好きの匿名さん22/08/11(木) 19:15:45

    >>22

    このSSまではいかんけどトレと一心同体ぶりを見せつけてくるし気ぶりメジロとかいうおもしれーもんも見れるから、引換券出たら交換して損ないぞ

  • 26二次元好きの匿名さん22/08/12(金) 00:17:21

    メインヒロインはつよい。とうぜんのことだった

  • 27二次元好きの匿名さん22/08/12(金) 07:15:28

    >>26

    アッ!いつもありがとうございます!めちゃくちゃ可愛いです!

  • 28二次元好きの匿名さん22/08/12(金) 18:35:21

    >>26

    神絵師だ!海に引きずり込め!

  • 29二次元好きの匿名さん22/08/13(土) 02:50:17

    最高や...

オススメ

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