ウマ娘百物語『どこにでもいるチケゾー』

  • 1二次元好きの匿名さん22/08/15(月) 12:07:40

    「……これ、アタシが放課後いつものように昼寝をしに屋上に行ったときの話ね」

    「屋上のドアを開けようとしたら、そのドアの向こうから聞き覚えのあるうるさい声が聞こえてきた」

    「まさか、と思ってドアを少しだけ開けて屋上を覗き込むと……チケットがアタシと昼寝をする歌をうたってたの」

    「アタシはげんなりして、他の場所に昼寝をしに行った」

    「えぇえー!?なんでアタシがいたら場所変えるのさぁー!?」

    「話してる途中に口挟むなっての」

    「グラウンド横の大きな木、その下で寝ようと思ってそこに向かった」

    「……大きな木に近づくとまた聞き覚えのある声がした」

    「チケットが今度は木の下で、アタシと昼寝をする歌をうたってたの」

  • 2二次元好きの匿名さん22/08/15(月) 12:15:35

    「ツイてないな、まあそういうこともあるか、って次は西棟の人の出入りが少ない部屋に向かった」

    「またチケットがいた」

    「寮の仮眠室に向かった」

    「……またチケットがいた」

    「なら逆転の発想、ってことでまた屋上に行ってみた」

    「……、そこにも、チケットがいた」

    「さすがにここまで来ると妙な寒気がして、でも昼寝はしたいし……」

    「ってことで、少し遠いけどトレーナーの家で寝ようと思ったの。合鍵持って、歩いて10分くらいのそこに向かった」

    「さすがにここにはいないはず……と思いながらドアを開けた」

    「……」

    「アタシと昼寝をする歌が聞こえてきて、そこで目の前が暗くなった」

  • 3二次元好きの匿名さん22/08/15(月) 12:20:01

    「目が覚めたとき、トレーナーの家のソファでアタシは寝転がってた」

    「あ、夢だったんだ、って。そりゃそうだ。あんなに先回りされて、それどころかいつの間にかトレーナーの家にまで入ってるなんて夢じゃなかったらなんだっての」

    「そう思うとなんか面白くなってきて、笑えてきちゃってさ」

    「ひとりで笑ってたら、ソファの後ろから」

    『あー!タイシン大丈夫!?急に玄関で倒れるからビックリしたよー!!こんな暑い日にあれだけ歩き回ったから、疲れちゃったんだろうね!』

    「……」

    「アタシの話はコレでおしまい」

  • 4二次元好きの匿名さん22/08/15(月) 12:23:54

    「はいはーい!質問!!」

    「いや、百物語に質問タイムなんてある?……なによチケット」

    「なんでそんなにアタシと昼寝するの嫌がるのさー!!たまには一緒に寝ようよぉー!!」

    「わざわざ言わなきゃいけない?ただでさえ暑いのに、アンタまで近くにいたら寝苦しくて仕方ないっての」

    「ひっどーい!!!そんなこと言わなくていいじゃんかー!!ね!?タイトレさん!?」

    「……チケットの言ってることはひとまず置いておいて、俺からも質問いいか?」

    「……なによ」

    「なんで、渡してないはずの合鍵なんて持ってるんだ?」

    おわり

  • 5二次元好きの匿名さん22/08/15(月) 12:25:38

    乙。思わず、ひやりとしたがのう

  • 6二次元好きの匿名さん22/08/15(月) 12:26:25

    ヤンレズストーカーチケゾー概念か...

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています