- 1二次元好きの匿名さん22/08/16(火) 22:28:42
- 2二次元好きの匿名さん22/08/16(火) 22:33:08
B「あ、そうなの」
A「えっ、全然驚かないじゃん。流石に多少ビビられるの覚悟してたんだけど」
B「あー、うん。私も秘密があるからね」
A「えー、なになに。うち以上の秘密とか超気になるんだけど!教えて教えて!」
B「私も除霊やってんだよね」
A「えぇ……」 - 3二次元好きの匿名さん22/08/16(火) 22:37:41
A「つまりBはバットで除霊してて」
B「Aはお札で除霊してると、初めて見た」
A「ウチのが初めてなんだけど!バットで除霊とかできるんだ!」
B「お札で除霊とか映画の世界かと」
A「バットで除霊のが漫画みたいなんだけど!」
B「そう?昔からこれで生活してるけどなぁ…」
A「漫画じゃん!」 - 4二次元好きの匿名さん22/08/16(火) 22:41:42
B「Aは?どうして除霊とかしてんの?」
A「パパママ、じいじもばあばもやってるからだけど…」
B「家族の呼び方かわいっ、そっちのが映画みたいじゃん」
A「うっせーし!ご先祖様からやってんだからしょうがないじゃん…」
B「いい子じゃん」
A「むう…。ところでここどこ?」 - 5二次元好きの匿名さん22/08/16(火) 22:54:56
B「あー、なんか学校帰り気付いたらいたんだよね」
A「一緒じゃん」
B「なんかあの人形怪しくない?」
A「なんもないのに人形だけあるもんねー」
B「ぶっ壊しとこ」
A「えぇ…うわっ、マジでやるじゃん!!こわ〜…」
B「バットで殴れば物は壊れる」
A「もしかしてヤバいやつなんじゃ…お札貼っとこ…」
キャ~! - 6二次元好きの匿名さん22/08/16(火) 23:00:04
B「あ、出れた」
A「雑だなぁ…ママにも言っとかないと…」
B「これからどうする?」
A「うちは家帰るけど…もう門限やばいし」
B「真面目じゃん…私も帰ろうかな、家帰っても1人だけど」
A「一人暮らしなの?ならうちくる?」
B「いく〜」 - 7二次元好きの匿名さん22/08/16(火) 23:19:33
A「ただいまー!」
B「お邪魔します」
A「うん、うん。友達!今日泊まるからよろしくね!」
B「あ、泊めてくれるんだ、嬉しい」
A「ウチお風呂入ってくるからBはお部屋で休んでてね!」
B「あ、うん。わかった。…いや、部屋可愛いな、ぬいぐるみたくさんじゃん」 - 8二次元好きの匿名さん22/08/16(火) 23:26:16
A「あったかかったー!」
B「すっぴんかわい。化粧してる時とイメージ全然違うんだけど」
A「綺麗系が似合う顔がいいんだよねー!」
B「どっちもいいと思う」
A「Bもお風呂行ってきていいよ!」
B「お借りします」 - 9二次元好きの匿名さん22/08/16(火) 23:35:44
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B「ご飯も美味しかった、ごちそうさま」
A「ママの料理美味しいんだよねぇ…痩せらんねえ…」
B「私はそういうのいいと思う」
A「そうかなぁ…まぁいいや、おやすみー!」
B「おやすみなさい」 - 10二次元好きの匿名さん22/08/17(水) 02:42:40
――ひた、ひた
なにかが這いずるような音に、Bは目を覚ます。
嫌な気配がする。夕方に出会ったあの怪異よりも、余程恐ろしい気配。滲む汗に服が肌に張り付く、その感触が気持ち悪い。
「A、起きてる……?」
隣のベッドに寝ているAに声を掛けるが返事はない
恐る恐る布団を捲ると、見たくはないものがBの視界に映った。
「ひっ……ぁ、う、っ……そ、……」
Aの顔は引き攣り、口からは泡が漏れ目からは血液とも違う、黒い液体がこぼれていた。
まずい、まずい。Bは枕元に置いていたバットを手に取ると立ち上がりAの部屋を後にする。
「ぱ、パパさんは……っ、ママさんは……!」
次にAの無事を確認するために家の中を早足で行く。しかしAの家は広く、初めて訪れたBにはどこにAの両親がいるかわからなかった。いや、既にそれすらも罠だった。
「は、っ……はーっ……お、おかしい……こんなにひろいわけない……」
いつまでも続く長い廊下、違和感を感じて暫くして独り言を呟くB。荒い呼吸を落ち着かせるために壁に寄りかかった瞬間、Bは壁に呑まれた。 - 11二次元好きの匿名さん22/08/17(水) 06:57:16
「は……?……な、にこれ……家の中、じゃない……」
辺り一面の闇、動揺するBが後退りをすると足元でとぷん、と水面が揺れるような音。
――ひた、ひた
また、あの音。恐らく、この現象の元凶。
こいつを倒せたなら、Aは兎も角自分は無事に出られるかもしれない。Bはバットの持ち手をきつく握り締める。
「あ、あんたが、Aを、こ、殺したの……?」
声が震える。おかしい、普段こんな事にはならない。友達が死んでしまったから?確かに、それは悲しいし動揺している。でもそれ以上にBは目の前の怪異を恐れていた。
怪異の大きさは然程でもない。夕方にあった人形と同等、脇に抱えられる程度しかない。見た目は、芋虫。芋虫に瞼が幾つもついている。だが、開く瞼はひとつだけ。ひとつが閉じればまた別の瞼が開き、閉じればまた別の瞼が開く。そうして、瞼が開いた時に見える黒い目はこちらを覗き、時折せせり笑うように目を細めていた。
怪異からの返事はない、それならもう消しにかかるしかない。Bは歯を噛み締めると勢いよくバットを振り上げ、その怪異目掛けて力強くバットを振り下ろした。
――ぶちゅ
肉の潰れるような嫌な音が聞こえた。恐怖に閉じていた目を開くと、バットは確かに怪異に当たり、潰す事に成功していた。 - 12二次元好きの匿名さん22/08/17(水) 06:58:29
――くすくすくすくすくすくす
潰れた怪異は小刻みに震え、甲高い笑い声を発する。次の瞬間、怪異は地面の闇に飲まれて消えてしまった。
「は、ぁ……はぁ……や、ったかな……」
ひとまず先程まで襲っていた嫌な感覚は失せた。あとはこの闇が晴れるのを待つだけ。すると、徐々にBは強烈な眠気に襲われた。眠気に抵抗する間もなく意識は落ちて、その場に倒れてしまった。 - 13二次元好きの匿名さん22/08/17(水) 06:58:46
……きて、…………おきて…………おきて!
Bは身体を揺すられ、声をかけられて目を覚ます。目を開くと、目の前には死んでいたはずのAの姿があった。驚きに目を見開きながら、衝動のままに目の前のAに抱きつくB
「わわっ、……ど、どうしたの……B」
困惑しながら、少し照れたように笑うAはBを落ち着かせるように彼女の黒い髪を撫でる。
「よか、ったぁ……いきてる、……A、生きてた……」
確かにAの息遣いと、体温を感じる。よかった、さっきまでのは夢だったのか。髪を撫でられてようやく落ち着いたB。
「安心したのはこっちだよー!Bったら、夜中に夜中に痙攣してるんだもん!パパとママ呼んだら何かに憑かれてたみたいでさ!さっきまで超バトってたの!!」
どうやら、怪異に取り憑かれていたのはBの方だったらしい。改めてBがAの様子を見ると確かに小さな傷が幾つも出来ていて、表情にも疲労の色が見えた。
「ごめんね、A。お陰で助かったよ……」
友達に救われた事実に申し訳なさと感謝の気持ちを抱いたBは小さくAに頭を下げる。頭を下げたBにAは慌てて顔を上げさせる。
「気にしない気にしない!私達友達なんだからさ!」
友達、Bはこれまで1人で生きてきた。故に本当の意味での友達というものに憧れを抱いていた。心が温かくなるような、そんな気がしていた。
改めてBはAと両親に感謝を伝えて家に帰る事にした。
「そういえば、私に憑いてたのってどんな奴だったの?」
ふと、自分に憑いていたものの正体が気になったBは玄関で見送ろうとするAに尋ねる。
「なんか、変な……腕みたいなのだったよ!」
どうも自分が見ていた怪異とは違う気もするが恐らく自分が見ていたのは夢だったんだろうと自分を納得させるB。扉に手を掛けてゆっくりと扉を開いた。
「A、また今度会えたなら嬉しいな。またね」
家を出る前にAの方に振り返り笑顔を見せるB。そんなBにAも返事を返した。
「うん、またあしたね」
くすくす、と笑い声を洩らすAに見送られながらBは家を出た。一歩、片足が地面に着いた時。
――とぷん
「やっほー、私ギャルA」
「ギャルB、よろしく」
おわり - 14二次元好きの匿名さん22/08/17(水) 13:59:26
無限ループ……?
- 15二次元好きの匿名さん22/08/17(水) 19:04:22
無限ループってこわくね?