実装すみのウマ娘

  • 1二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 12:50:02

    このおはなしは、ずゐぶん愛情の重いところからきれぎれに風に吹きとばされて来たのです。未実装がSSや概念やさまざまの二次創作の形をしてゐる位愛情が重い方から飛ばされてやつて来たのです。
    十月の八日の正午ぱかライブの告知を見て集まつた人たちが、どんな眼にあつたかきつとどなたも知りたいでせう。これはそのおはなしです。

  • 2二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 12:50:25

    カフェトレきたな……

  • 3二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 12:51:07

    ぜんたい十月の八日はイーハトヴはひどい騒ぎでした。
    掲示板の書き込みや議論はまるつきり黒だか金色だか変にぎら/\した幻覚でいつぱい、告知はひつきりなしに考察勢や待機勢を唸らし、予想も半分確信したやうになつてふら/\と掲示板を流されて行きました。
    夜の八時になつて掲示板に行つて見ますと議論の輪は愉快に赤く燃えあがり、件の話題に乗る人たちはもうその前にまつ黒に立つてゐました。
    何せ天井のぢき近くまで行くのですからみんなはすつかり用意してゐました。
    ジュエルはもうすつかり支度ができて懐が暖さうな息を吐き、客車にはみな明るく電燈がともり、赤いカーテンもおろされて、プラツトホームにまつすぐにならびました。

  • 4二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 12:51:50

    削り取られた分のジュエルはつめたくて実によく透り向ふではサポカの凸が耿々とひかり、
    その上の銀いろをしたつめたい扉にはまるでたつたいま消えた石の輝きを丸ごと吸い取つてしまつたかのような輝きをたたえていました。
    摩天楼の夢は青ぐろく見え珈琲の湯気は夢のやうに消えたのです。考察ツイと幻覚がまつ黒になつてちらちらTLを過ぎて行きます。
    じつと外を見てゐる若者の唇は笑ふやうに又泣くやうにかすかにうごきました。それは何か愛バに話し掛けてゐるかとも思はれたのです。みんなもしんとして何か考へ込んでゐました。
    まん中の立派な紳士もまたカードを手に持つて何か考へてゐます。けれども俄に紳士は立ちあがりました。カードを大切に沼に捨てました。それから大きな声で向ふの役人らしい葉巻をくはへてゐる紳士に話し掛けました。

  • 5二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 12:52:35

    『何せガチャは厳しいだろうね。』
    向ふの紳士が答へました。
    『いや、それはもう当然です。いくら厳しいと云つてもサポカのは相対的ですがなあ、キャラガチャはもう絶対です。熱意がちがひます。』
    『あなたは何べん行つたね。』
    『私は今度二遍目ですが。』
    『どうだらう、わしのジュエルの準備は大丈夫だらうか。』
    『どれ位ご使用なさいました。』
    『さあ、まあサポカの三幻神の上に、花嫁マヤね、デジタルね、ハロウィン仕様のライスシャワーね。』
    『大丈夫でせう、ずゐぶんいゝお支度です。』
    『それから理事長代理のすり抜けだけでこさえた完凸ね。』
    『大丈夫です。しかしすり抜けだけとはぜい沢ですな。』
    『天井四回分だ。どうだらう。こんなことで大丈夫だらうか。』
    『大丈夫です。』
    『わしはね、あのウマ娘でグレードの勝利をとつて来るつもりなんだ。プラチナ称号持つて来てみせるといふかけをしたんだ。』
    『さうですか。えらいですな。』
    すぢ向ひではさつきの青年が額をつめたい液晶にあてるばかりにして考察と公式の告知をじつとながめ、酒を呑のみ出した紳士のまはりの無課金勢たちは少し羨うらやましさうにこの豪勢なグレードまで勝負に出かける暢気な大将を見てゐました。

  • 6二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 12:53:04

    夜がすつかり明けて空の一番たかいところがまばゆくまつ白に光り育成ウマ娘の発表になつたとき話が俄にとまりました。みんな顔を見合せました。
    『どうしたんだらう。告知で待機勢が盛り上がらない筈がないし故障ができたんだらうか。』
    そのとき俄に板ががや/\してそれからいきなり扉ががたつと開きました。赤ひげがまるで違つた物凄ものすごい顔をしてピカ/\する告知をつきつけてはひつて来ました。
    『次のウマ娘はカワカミの御姫様だ。ふらちなやつだ。人気のウマ娘の実装を遅らせて俺たちから石を絞ろうというんだ。叩け。』

  • 7二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 12:53:27

    二番目の黒と白の斑ぶちの仮面をかぶつた男が廃課金の大将の首すぢをつかんで引きずり起しました。残りのものは油断なく車室中にピストルを向けてにらみつけてゐました。
    三番目のが云ひました。
    『おい、立て、きさまこいつだなあの菊花賞が近いから実装は確実だと云つたやつは。連れてかう』
    『うん、立て。さあ立ていやなつらをしてるなあさあ立て』
    紳士は引つたてられて泣きました。

  • 8二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 12:53:50

    俄に窓のとこに居た帆布の上着の青年がまるで天井にぶつつかる位のろしのやうに飛びあがりました。
    ズドン。ピストルが鳴りました。落ちたのはたゞの黒いろの上着だけでした。と思つたらあの赤ひげがもう足をすくつて倒され青年は肥ふとつた紳士を又車室の中に引つぱり込んで右手には赤ひげのピストルを握つて凄すごい顔をして立つてゐました。
    『おい、待機勢ども。きさまらの思ふことは尤もだ。けれどもなおれたちだつて仕方ない。彼女の実装を待つていた人もいるんだ。おまへたちがあのウマを待つやうなもんだぜ。
    あんまり無法なことはこれから気を付けるやうにして呉れ』
    『わかつたよ。まだ待つよ』外で熊どもが叫びました。

  • 9二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 12:54:00

    素晴らしいこえやかたちをしたウマ娘たちが桃色や青やぎらぎら光つて告知ツイートにぞろつとならんでゐたのです。
    これが風のとばしてよこしたお話のおしまひの一切れです。

  • 10二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 12:54:10

    ちょっと古めかしい文体の中にウマ娘とかサポカだとか急に出てくるのちょっと草

  • 11二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 12:56:07
    宮沢賢治 氷河鼠の毛皮www.aozora.gr.jp

    もつと石にあまりさへ在ればきつとあのお姫様を引いた、引いて王様との関係にたつぷりの幻覚を見たのにと、私はつらい気持ちでいつぱいになりました。けれどもあの人の実装が遅れてその分だけジュエルを溜めることが出来ると考えると、なんだかほつとしたような気持ちも同時に湧いてくるのでした。

    うまぴょいうまぴょい

  • 12二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 13:02:31

    カフェじゃない可能性は不通にあり得ると思っていたが、カワカミは予想外ってレベルじゃなかったな……

  • 13二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 13:03:37

    ユキノビジンも困惑
    南部杯実装しろ

  • 14二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 13:09:30

    初めて読んだことない作品が元ネタだった
    読んでくるわ

  • 15二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 13:13:54

    このレスは削除されています

  • 16二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 18:18:21

    > 花嫁マヤね、デジタルね、ハロウィン仕様のライスシャワーね。

    性癖が透けるな……

  • 17二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 19:29:16

    別にカフェとは一言も言っていないのに宮沢賢治=カフェのイメージが付いてしまった

  • 18二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 19:38:42

    小岩井牧場に昭和初期に行ってるからねえ…

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