- 1二次元好きの匿名さん22/08/22(月) 22:00:13
- 2二次元好きの匿名さん22/08/22(月) 22:09:37
なるほど悪くな…
待ってウタちゃん人が燃えるとこ間近で見てない? - 3二次元好きの匿名さん22/08/22(月) 22:10:37
なるほどな神作者を待つしかあるまい
- 4二次元好きの匿名さん22/08/22(月) 22:11:01
- 5二次元好きの匿名さん22/08/22(月) 22:11:30
- 6二次元好きの匿名さん22/08/22(月) 22:11:32
いい案を見た
- 7二次元好きの匿名さん22/08/22(月) 22:11:51
- 8二次元好きの匿名さん22/08/22(月) 22:12:57
- 9二次元好きの匿名さん22/08/22(月) 22:13:48
- 10二次元好きの匿名さん22/08/22(月) 22:15:14
クハハハハハ!
他の人間がハッピーエンドSSを書くのなら
俺はビターエンド気味でも問題ないよな? - 11二次元好きの匿名さん22/08/22(月) 22:16:07
火がトラウマになって料理できなくなってそう(ガスコンロなら)
- 12二次元好きの匿名さん22/08/22(月) 22:16:56
- 13二次元好きの匿名さん22/08/22(月) 22:19:03
バットエンドに…することもしないのか…
- 14二次元好きの匿名さん22/08/22(月) 22:22:17
- 15二次元好きの匿名さん22/08/22(月) 22:30:48
このレスは削除されています
- 16二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 01:57:04
「皆さん今日もよろしくお願いします!」
スタジオの扉を開け放つと同時に元気よく挨拶して頭を下げる。スタジオの雰囲気が良くないといい歌は歌えないし、何より私が歌姫として活躍出来ているのはここにいるみんなや関係者のおかげ、消して私一人の力じゃないという自惚れを防ぐための挨拶。
「おはようウタちゃん!」
「今日も元気いいね!」
「歌姫から挨拶してもらえるなんてやっぱり感激だべ〜!」
「おはようございます!」
こうしてみんなが笑顔で挨拶をし返してくれるのはこちらとしても気分がいい。挨拶の大切さを教えてくれた幼馴染の笑顔を思い出しながらいつもの席に向かう。
「おはよぉ、ウタちゃ〜ん」
「あっ、プロデューサーさん。おはようございます!」
「これ今日の分だからぁ、確認しといてねぇ〜」
「あっ、ありがとう...ございます...」
この人はプロデューサーさん、長い事この業界でやっているらしい、ふくよかな体型の中年...って言い方は良くないか。あんまり人の事を悪くいうのは好きじゃないけど...こうして会う度に距離を詰められて肩を触られるのは好きじゃないかな...。カバンに着けた幼馴染がくれたストラップを撫でて耐える。 - 17二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 01:57:26
「ウタ様お疲れ様だべ〜!今日の歌声も最高だったべ〜!」
それから何事もなくレコーディングが終わる。
「ふ〜っ、つかれたぁ...」
何度もやっているとはいえ流石に疲れる。朝10時にスタジオ入りして、そこから5時間休みなく話し合いや歌の確認、15時の昼休憩には弁当を食べる程度の時間しかなく、そこから今に至るまで5時間近くレコーディング。時刻はもうすぐ21時を示すところ。これから帰ってお風呂入ってご飯食べて家でも確認して...と先の予定を考えるだけでもうんざりする。今日は何時に寝れるのだろうか、早く寝たいな。とは口に出さない、きっとみんな思ってるから。自分一人だけわがままな事言う訳にはいかないよね。
「じゃあ皆さんお疲れ様でした!お先に失礼します!」
「お疲れ様〜」
「ゆっくり休んでね」
全員の方を向いて頭を下げ、挨拶をして立ち去る。今から帰りだと思うと少しだけ足取りも軽い。 - 18二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 01:57:52
「お〜い、ウタちゃ〜ん!待ってよぉ〜」
...急に重たくなった。溜息にも近い深呼吸をして後ろを振り返る。
「どうしましたかプロデューサーさん?何か...忘れ物してましたか?」
できるだけ穏便に済ませたい、できるだけ早く帰りたい、その思いを隠すために精一杯の笑顔を貼り付ける。
「ウタちゃんも最近ノリに乗ってきたしさぁ、もっと仕事欲しいんじゃない?」
そう言ってまた肩を掴まれ、撫でられる。
「そうですね...」
仕事...というか歌う事は好きだから歌う機会が貰えるなら有難い、そこに嘘はない。そして気がつけば逆らえないまま帰路とは別の道に進まされていた。
「じゃあさぁ、僕がぁ、仕事を紹介してあげようかぁ」
「もちろん、条件は分かってると思うけどねぇ?」
そうして不意に立ち止まる。 - 19二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 01:58:20
「ここって...」
顔が青ざめる、こんな人と1番来たいと思わない場所に着いていた。
「意外と初心じゃないんだぁ、想像の通りラブホテルだよぉ、入ろっか」
そう言ってお尻を触られたのが我慢の限界だった。無意識のうちにプロデューサーを突き飛ばしていたのだから。
「あっ、えっと...失礼します!」
その場に居られなくなって家の方向に走り出す。少し変だなとは思っていたけどあんな人だったなんて。
「振られた...ウタちゃんに振られた...人生終わった......」
そんな言葉は喧騒に巻き込まれて私の耳には届かなかった。
それからの事はあまり覚えていない。どの道を通って帰ったのか、帰った後にお風呂には入ったのか、ご飯は食べたのか、歯は磨いたのか。起きた時にはパジャマでベッドの中に入っていたので、もしかしたら案外冷静だったのかもしれない。 - 20二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 01:58:55
「行きたく...ないなぁ...」
そうは言っても行かないとみんなの迷惑になる。何とか自分に言い聞かせ、重い腰を上げて支度を済ませて家を出る。
「おはようございます」
力なく扉を開けて習慣にもなった挨拶をする。正直自分でも声が出てないなとは思った。
「あれウタちゃん?どうしたの?」
「今日元気ないね?」
みんなが口々に心配してくれる、申し訳ない気持ちで溢れかえる。
「いえ...大丈夫...大丈夫!」
なんとか調子を取り戻してもう一度挨拶し直す、今日はプロデューサーも近づいてこなかった。
「火事だべ〜!火事だべ〜!皆様早く逃げるんだべ〜!」
「えっ!?」
と落ち着いた雰囲気に包まれていたスタジオに慌ただしい声が響く、それと同時に火の手が迫る。みんなパニックになりつつも、速やかに避難していき、私も続く。
「あっ」
「どうしたんだべウタ様!?」
「ちょっと忘れ物!先に避難してて!」
カバンに着けたストラップ、幼馴染が作ってくれた拙いものだけど、私にとっては大切な思い出。火の手はそんなに大きくないし走って取りに戻れば間に合う、そう判断して急いでカバンを置いた部屋に戻る。 - 21二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 01:59:18
「嗚呼、よく燃えるなぁ!」
「何...やってるの...」
「見て分からないのかなぁ、ウタちゃ〜ん」
そこにはポリタンクを持ったプロデューサーが立っていた。
「君がぁ、僕の誘いを断るからこうなるんだよぉ、僕の顔に泥を塗ったからぁ、君の大切なもの全部燃やしちゃおうって」
「だからって!そんな、自分1人の勝手な感情で大勢の人を巻き込むなんて!」
「そんなの関係ないもんねぇ〜、そうだぁ、心中しよぉ、ほらおいで、炎の中抱き締めあって死ぬのってぇ、ロマンチックじゃない?」
プロデューサーが腕を広げて近寄ってくる、いつの間にか来た道は炎で覆い尽くされていて、逃げ場がない。
「いやっ!来ないで!」
偶然手元にあったマイクを投げつけると、避けようとしたプロデューサーがバランスを崩し倒れる。次の瞬間には
「うわあああああああああっ!熱い!熱い゛っ!助けて!熱いっ!ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!」
プロデューサーの背中に引火した。パニックになったプロデューサーが転げ回るとポリタンクが倒れ中からガソリンが溢れ、更に炎上する。嗅ぎたくもない肉と服を焼くえげつない臭いに鼻腔を襲われ吐きそうになる。 - 22二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 01:59:50
「ウタ...お前のせいで...熱い゛!この人殺し...!ァ゛ァ゛ァ゛!呪ってやる...!お前の愛するもの全てを焼いてやる!」
「なんでっ...私っ...!私何もしてないのにっ...!」
思わず過呼吸になり有害な煙を大量にすいこんでしまい、意識が朦朧とする。
(嫌だ...こんな所で死にたくない...身体動いて...動かない......やだ...死にたくない...助けてルフィ......)
「おい!大丈夫か!ウタ!!」
少しくぐもっているが聞き慣れた声がする、私どんだけルフィの事好きなんだろ、そんな都合よく来てくれる訳ないのに。
「あっちは...もう手遅れか...。待ってろよ!ウタだけでも助けるからな!」
そう言って誰かに背負われる、よく分からないけど大きな背中。
「最近の...三途の川って背負われて渡るんだ...」
「何馬鹿なこと言ってんだお前!いいから黙ってろ!」
「おいルフィ!お前はまた1人で突っ込みやがって!無茶ばっかりしやがる!他の人は!」
別の人がやってきてすれ違い様に会話するのが聞こえた。
「右奥の部屋にあと一人!もう丸焦げだった!」
「分かった、俺はその人を運んでくる!」
「もう...無理......」
最期にルフィの声が聞こえただけでも幸せだな...そう思いながら意識を手放す。 - 23二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 02:00:15
目を覚まして最初に見たのはルフィの顔だった、しかも間近で。それから唇が触れている事に気づく。
「んんっ...!」
反射的にルフィの背中を叩く。
「おいウタ!分かるか!お前の名前は!俺の事も分かるか!」
「私はウタ...で、ルフィ...?」
そう問答しながら急激に酸素が脳に周り視界が明瞭になっていく。
「ルフィ...ルフィ...!」
思わず飛びついてしまう。そのまま抱き締める腕に力を込めて、何度も頬を擦り付け生きている事を実感する。助かったんだ、と安心すると涙が止まらない。
「ひくっ...私...私もうダメかと...死んじゃうんだって...ひぐっ...それで...ひっく...ルフィの声がするから...ルフィの幻覚だって思って...」
「落ち着けってウタ」
私を落ち着かせようと、ルフィが優しく背中を撫でてくれる。それだけでもう幸せ。死んでもいい、今助かったばっかりだけど。
「今から病院行って、異常がないか検査するぞ」
そう言ってお姫様抱っこで担架に乗せてくれる。好き。 - 24二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 02:00:43
「えっ...ルフィは...?」
てっきり一緒に乗ってくれると思ってたのに、何事も無かったかのように戻っていくルフィに声をかける。
「いや俺やる事あるし」
「あー苦しい...苦しい...病気かも...死んじゃうかも...ルフィが一緒に救急車に乗ってくれないと死んじゃう...」
わざとらしく胸元を抑えて、チラとルフィの方を見る。この時の救急隊員の人の生暖かい視線は忘れられないだろう。
「行ってやれよルフィ」
「そうだそうだ!」
とソバカスの人を筆頭にルフィ以外の消防士は私の気持ちをくみ取ってくれた。
「面倒臭いの俺は書かないからな!」
結局消防着のままだけど乗ってくれた。好き。
しかも移動中手を握ってくれた。大好き。
結局私は数日検査入院する事になった。あの火事での死者は1人、あとけが人が数人。規模の割には大した死傷者は出なかったのは不幸中の幸いと言うべきか。仕事は...まぁ火事で焼けてしまってそれどころでは無いし、いい機会だから休みなさい、ってマネージャーも言ってくれた。それはそれとしてルフィが私に人工呼吸してくれてる所を待ち受けにしてるのは退院したら問い詰める。その写真私も欲しい。 - 25二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 02:01:12
このレスは削除されています
- 26二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 02:03:50
- 27二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 02:04:13
お気に入り登録した
- 28二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 02:07:35
- 29二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 02:09:35
ウタ×ルフィスレのお前いいやつすぎんだろ…
- 30二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 02:10:15
- 31二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 02:32:40
「ねぇルフィ」
「どうした?」
あれから数日後、私は退院して、マネージャーを問い詰めてから明日休みのルフィの家に転がり込んだ、お礼がしたいって言って。勿論嘘、ルフィが好きって自覚しちゃったから一緒に居たくなった。それと聞きたい事があったから。
「どうして人工呼吸してくれたの?ああいうのって基本救急隊員さんの仕事じゃない?」
「あーそれはな」
「なんか他のやつにさせたくないって思っちまったんだ」
見た事ないほど顔を赤くして逸らすルフィを見て、我慢できなくなってしまった。
「へー...そうなんだ...♡ねぇルフィ♡」
「んんっ!?何すんだ!」
「人工呼吸のお返し♡」
「やりやがったな!こんにゃろ!」
「ええっ!?ちょっ...!やめっ...ひゃん!♡やめてっ...♡」
「うるせえ!もう許さねえぞ!」
「ごめんってルフィ!♡許して♡」
火事現場より熱い夜を過ごした。 - 32二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 02:33:26
- 33二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 07:33:56
- 34二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 07:44:27
火災現場に助けに来てくれた消防士の幼なじみとかファンも祝福するしかないというかできすぎててドラマ作られるレベル
- 35二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 07:48:52
あのさ、
ちゃんと消防士の仕事してるルフィの描写がかっこよくて
狂っちゃったのは私なんだよね - 36二次元好きの匿名さん22/08/23(火) 11:51:08
これ人工呼吸の時野次馬に写真撮られまくってSNSで拡散されてるんだよね
ルフィは責任取るしかないと思ってんすがね