- 1クソ姉22/08/24(水) 23:14:03
別に夢女子じゃないけどサカズキの姉になりたい妄想をメモ帳に書きなぐったのであげてく。2500字くらいあるから別ける。
俺はサカズキの少し歳の離れた腹違いの姉。生まれは北の海の治安の悪い街。父親は海賊で、仲間と海に出て全然戻ってこないし、帰ってきたところで親らしいことなんてしてくれない。俺の本当の母親はもう死んでて、2番目の母親は弟のサカズキを産んでからしばらくはちゃんと育ててくれたけど、俺が10歳くらいの時に苦しい生活が嫌になって男を作って出ていってしまった。
幼いサカズキと2人きりになってしまったけど、子供2人じゃまともに生活できるわけもない。治安の悪い街じゃ近所の人達から優しくしてもらえるわけもないし、盗みとかしてどうにか飯にありつく日々。そのうちサカズキに当たるようになる。何度も殴ったりとか、撮ってきた飯のゴミみたいなとこばっかり食わせたりとかするようになった。俺が外に出ている時、弟も勝手に何かしていて、度々自分で飯とか金とか手に入れてきて、俺がそれを分捕ったりもした。弟はそういうことしても無反応というか、なんでもないような態度で不気味に思えた。 - 2クソ姉22/08/24(水) 23:14:51
そんな生活をしていたある日、弟が家に帰ってきた時、被ってる帽子に妙な言葉が書いてあった。ボロボロの帽子に手書きで書かれた「正義」の文字。最近この街に流れ着いた海兵崩れとよく話をしていたのを知っていたので、その影響かと鼻で笑った。ただそれから少しして、弟がおかしくなった。狂気に取り憑かれたと言ってもいいかもしれない。
きっかけは、弟が血まみれになって帰ってきたことだった。見た時は思わずぎょっとしたし、さすがの俺も心配になったが、よく見ると身体に傷はなかった。片手には同じように血まみれのナイフ。何しとったと怒鳴ったら珍しく口を開いた弟は「悪に生きる価値は無いじゃろ」と返してきた。正直怖くて殴る気も起きなかった。俺はすぐに家を出て、帰らなかった。帽子に書かれた正義の文字が嫌にはっきり思い出せた。次の日何人かのチンピラ達が死体で見つかったと聞いた。近くには弟が懐いていた海兵崩れの死体もあったらしい。 - 3クソ姉22/08/24(水) 23:16:00
それから俺は家に帰らず、街をぶらぶらしては男を捕まえて、身体と引き換えに衣食住を用意してもらう日々を送っていた。最低な姉な自覚はあったが、弟のことが気にならないわけじゃなかった。けれど度々「チンピラが刺された」「海賊の死体が見つかった」という話が聞こえてきて、戻る気が起きなかった。
そんなある日俺は街に来ていた一人の海賊の男に出会って、お互いに恋に落ちた。そのまま一緒に海に出ようと誘われ、その誘いに乗ることにした。
海に出る準備のために、久々に家に戻った俺は、ある物を目にした。それは、見るも無惨な父親の死体だった。犯人が誰かなんて明白で、しかしその場に弟は居なかった。俺はいよいよ、本当に弟が恐ろしくなった。もし今弟と対面したら、弟はなんの躊躇いもなく俺を殺すだろうと思ってしまった。急いで荷物や金をカバンに詰め込んで、男の船へと向かった。街では海賊が暴れていたが、海賊の女になった俺は逃げ惑う人々とは別方向に走っていた。海賊船に乗り込んで、俺は悲鳴が響き燃え盛る街を見ていた。船に乗るまであった恐怖は消え去り、妙に落ち着いた感覚だった。そのうち金目のものを持って海賊達が戻ってきた。船が出る時、脳裏に弟の姿がチラついた。何故か不思議と弟の無事を祈っていて、俺も姉なんだなと我ながら思った。見捨てたことに変わりはないのに。 - 4クソ姉22/08/24(水) 23:16:26
それから俺は恋人の海賊団で、女海賊として、街を襲い人々から沢山のものを奪ってきた。物だけでなく、命も。生きるためといえば聞こえはいいが、正直俺はそれらの悪行を楽しんでいた節がある。
それから十数年たって、俺は船長の女になっていた。そしてある日、一人の若い海兵の噂を耳にした。なんでもとんでもなく強いらしく、海賊相手に容赦などないその苛烈さから恐れられているそうだ。なぜその噂が俺のとこまできたかというと、その海兵の訛りが俺の訛りと似ていたからだった。俺は「まさか」と思った。
もしも生きていたなら、普通は嬉しいはずなのに、俺の中にはまたあの時のような恐怖がふつふつと湧いてきた。恐る恐る、俺はその海兵の名前を聞いた。俺に話をしてきた仲間が言った名前は、「サカズキ」だった。嫌な予感というのは的中するものだと、この時強く感じた。
とはいえ、まだ本人であると決まったわけでは無いと俺は自分に言い聞かせ、海賊として過ごした。 - 5クソ姉22/08/24(水) 23:16:50
それから数ヶ月後、俺らの海賊船が海軍の船に見つかった。乗り込んできた海軍の兵士の中に、俺は一際目立つ男を見つけた。海軍の帽子を被り、赤いジャケットを着て刀を構えた男。子供の頃に着ていたのと似た色合いの服装だった。男は俺の仲間の海賊達を次々と斬り殺していく。俺は思わず名を叫んだ。「サカズキ!!」
男は俺の方を向いた。歳の割に老けているように見えたが、精悍な顔つきはあの頃のままだった。間違いなく、俺の弟、サカズキだった。あっちも俺が誰なのか気づいたようだったが、表情は変わらなかった。そしてもちろん、再会を喜べるような状況では無かった。
俺の方を向いていた時間はほんの少しで、すぐに襲ってきた海賊達に意識を戻してしまった。そりゃそうだ。だってあいつは海軍で、それが仕事なんだから。俺もかかってくる海兵達をどうにかいなした。
仲間の数はどんどん減っていく。戦況は明らかに不利だった。そして今度こそ、サカズキが俺の方に意識を向けた。一瞬で間合いを縮めてきた弟は、躊躇うことなく俺に刀を向けた。俺は腰が抜けて、へなへなと座り込んだ。 - 6クソ姉22/08/24(水) 23:17:13
「ま、待て。サカズキ。わかっちょるじゃろ。俺はお前の姉貴じゃ」
俺は酷く引きつった顔をしていたと思う。あの時のような弟への恐怖。死にたくなくて、口から出たのは浅ましい言い訳と命乞い。
「色々酷いことをした。げに申し訳もできゃぁせんゆぅて思うとる。じゃが、俺はわれの姉貴じゃ。家族なんじゃけぇ、殺しとぉなかろ。見逃してくれんさい。死にとぉない」
「言いたいこたぁそれだけか」
無表情のままで、サカズキは刀を振り下ろす。
「悪に生きる価値は無いんじゃ」
前にも聞いた言葉だった。 - 7クソ姉22/08/24(水) 23:17:48
長々失礼しました。これで終わりです
こんだけ書いたけど俺は夢女子では無いです。 - 8二次元好きの匿名さん22/08/24(水) 23:19:31
めちゃいいですね。クソ姉の最後の命乞いが人間味があって最高です。好き。
- 9二次元好きの匿名さん22/08/24(水) 23:21:25
なんか……こう……すごいね
文才が羨ましい
なんかめちゃくちゃ妬ましくなってきた - 10二次元好きの匿名さん22/08/24(水) 23:24:03
- 11クソ姉22/08/24(水) 23:36:49
サカズキが俺の事どう思ってたかはわからんが、周りからクソ姉と言われる自覚はある。きっと俺のことは嫌いだっただろうな。当たり前だ、俺だって俺みたいな姉がいたら絶対に殺したいくらいには恨むと思う。
まぁ正直なところ、殺されても仕方がねぇって言われたらそうかもしれない。俺はいつだって自分本位で弟のことなんかほとんど考えていなかったし、勝手に弟にビビって逃げたくらいだ。どうしようもないクズだ。
あの後サカズキがどう過ごしたか俺は知らない。酷い目にあったかみしれないし、優しい家族に拾われたかもしれない。
ともかく、あいつはきっと俺を殺したことを未来永劫傷になんかしないだろう。
クソ姉貴の最後の願いは、お前がこれから俺のこと思い出さずに生きることだ、サカズキ。 - 12二次元好きの匿名さん22/08/24(水) 23:36:51
凄く良い…サカズキの身内になって殺されたいの分かる…
新兵の時の格好と幼少期の格好絡ませるとこ、うめぇ〜って思った。なるほどなあ - 13クソ姉22/08/24(水) 23:44:05
ありがとうございます。グラコレのフィギュアだと本当に幼少期みたいな赤いシャツ着てて、なんていうか「子供の頃から根底が変わってないんだろうな」感があって好きです
サカズキの身内になって殺されたいのわかってもらえるの嬉しい……! 普通の身内でも例えば目の前で海賊の人質とかになってもその時それが最善手なら海賊ごと殺しそうなのほんま最高なんじゃぁ
- 14クソ姉22/08/25(木) 02:56:06
この文章にはちゃんと書いてない設定みたいなのもあったりする。
ふと自分でなんで考えてなかったんだと思ったけど、クソ姉のビジュアルどんなんだと思います? - 15二次元好きの匿名さん22/08/25(木) 11:21:20
1晩たって見直したら普通に恥ずかしくなってきたな……(夢女子ではないのでこういう妄想をするのに耐性がない)
なんか……こういうのって夢っていっていいのかわかんないんですけどどうなんですかね? - 16二次元好きの匿名さん22/08/25(木) 11:28:52
- 17二次元好きの匿名さん22/08/25(木) 11:30:40
- 18二次元好きの匿名さん22/08/25(木) 18:27:13
- 19クソ姉22/08/25(木) 18:30:17
- 20二次元好きの匿名さん22/08/25(木) 19:54:13
夢女子じゃないけど、って普通に夢女子sageてるから使わないほうがいいよ
- 21クソ姉22/08/25(木) 22:30:12
確かにそう取られても致し方ない表現でしたね……申し訳ない。気をつけます