【SS】クリスマスif【トレウマ】

  • 1二次元好きの匿名さん22/08/26(金) 04:50:51

    今日は楽しいクリスマス。だというのにセイちゃんは一人寂しく、主のいないトレーナー室を飾り付けていました。

    「……はあ」

    トレーナーさんと駆け抜けた三年間。その中であの人はセイちゃんのこと以外にも、ライトハローさんと一緒にグランドライブの復活に尽力してきていた。
    その過程でライトハローさんとトレーナーさんは仲を深めて、この間はついにハローさんのご実家にお邪魔したらしい。

    「かなわないなあ、あの人には……」

    大人と大人。大人と子供。この二つには超えようのない壁がある。
    教え子とトレーナーとの関係は、世間にはあまり歓迎されない。なんせ未成年なのだから、大人が節度を持たなきゃいけない。その点大人同士なら、誰の許しも必要ないのだ。
    加えて、彼女はとても魅力的なウマ娘だ。ふくよかで凹凸のある身体もさることながら、人格のほうもちょっと抜けているけれど真面目で、誰にでも優しい。ちょっと似たところのある二人は、きっとお似合いだろう。

    「……あれ」

    気が付けば、目から涙が零れ落ちていた。

  • 2二次元好きの匿名さん22/08/26(金) 04:51:16

    「メリークリスマース☆」

    ……トレーナー室に帰ってくると、部屋がプラネタリウムになっていた。
    よく見るとクリスマスの飾りつけもされている。スカイが気を利かせてくれたのだろう。

    「ほらほらっ、きれいな星空でしょう?セイちゃんからのクリスマスプレゼントでーす☆」
    「ああ、本当に綺麗な星空だ」

    ここ最近有馬記念とグランドライブの準備で働きづめだった自分のために、前々から準備をしてくれていたのだろう。そして彼女の手が自分の手を引いてくる。

    「でもでも、プレゼントはこれだけじゃないんですよ!ほら、あそこ見てください!」

    そう言って彼女が指さす先には、ひときわ輝く星があった。
    握られた手に力が込められて、光のほうへと引っ張られていく。

    「さあトレーナーさん、二人で一緒にあの星を捕まえに……うわあっ!?」
    「うおっ!?」

    こちらを向いて手を引いていたスカイが躓き、それに引っ張られるように自分もこけてしまった。慌てて左手で携帯を探し、ライトをつけて、彼女のほうを照らした。

    「だ、大丈夫かスカイ!?どっかぶつけたりとか……」
    「いやどこも痛めてないです、全然大丈夫ですから……あっ」

    暗い部屋の中で彼女の素顔が照らされる。充血した瞳と、うっすらと残る涙の跡。
    スカイは、泣いていた。
    たぶん、今さっきのこととは違う要因で。

  • 3二次元好きの匿名さん22/08/26(金) 04:52:03

    星空の下、静かに互いを見つめあう。その内に、スカイが口を開いた。

    「……寂しかったんですよ、トレーナーさんが、私から離れて行ってしまうのが」
    「え?」

    自分には思いもよらぬ答えだった。確かに最初の三年間は終わるが、彼女から離れるつもりは毛頭なかったのだが……

    「この間、ライトハローさんの実家に行ったそうですね」
    「この三年、ずっと仲良くしてましたから、そういうところまで行っちゃいますよね」

    ……なるほど、結構な思い違いをされているようだ。

    「……わかってますよ、私じゃあの人みたいにはなれない」
    「だから、私なりのやり方で、あなたに伝えたかったんです、大好きだって……」

    止まっていた涙がまた零れ落ちていく。

    「でもダメでした、ぜーんぶ自分で台無しにしちゃいました」
    「やっぱり、偽物じゃ本物には敵わないんですね……」

    彼女の手には、小さなアクリルアイスの星が握られていた。

    「……ごめんな」
    「いいんです、わかってますよ。これが勝手な独りよがりなことくらい。」

  • 4二次元好きの匿名さん22/08/26(金) 04:52:19

    ……違うのだ。
    彼女を傷つけるために謝ったわけではなかった。

    「……スカイ、落ち着いて聞いてほしい」

    いつからか、ずっと心の中にあった思いを、自分も晒さなければならない。
    勇気を出して思いを伝えてくれた彼女のためにも。

    「……俺が愛しているのは、スカイ、君だけだ」
    「…………えっ」

  • 5二次元好きの匿名さん22/08/26(金) 04:52:40

    「ごめんな、本当は俺が先に言わなきゃならないことだったのに」
    「嘘、うそ、そんなこと……」

    彼女はまだ信じられていない様子だった。

    「だって、嘘ついて練習さぼるし……」
    「その分、本番で頑張ってくれるだろ」
    「怖くなって逃げちゃったことだってたくさんあるよ?」
    「最後にはちゃんと立ち向かえるじゃないか」
    「身体だって、その、ライトハローさんみたいに魅力的じゃないし……」
    「今のままでも十分素敵だよ」

    応酬を繰り返すうち、スカイが踏み込んでくる。

    「本当に、本気なんですよね、なら……」

    彼女が手の中の星を空に掲げる。

    「なら、こんなちっぽけな星でも、キレイだって言ってくれますよね、トレーナーさん?」

    今日まで、何度も星を見た。いろんな場所で、いろんな人とともに。
    それでも、目の前のこの小さな『偽物』の星が……

    「俺が知ってる中で、一番キレイな星だ」

  • 6二次元好きの匿名さん22/08/26(金) 04:56:34

    なんかめっちゃ冗長になったけど何が言いたいかというと、
    ライトハローさん5回目→クリスマスイベ
    の順番だとめっちゃトレセイ来てるってことが言いたかったんですね。
    眠すぎて文めっちゃぐちゃぐちゃですけど。

  • 7二次元好きの匿名さん22/08/26(金) 05:33:05

    乙です
    ハローさんいろんな意味で強いからトレウマSS環境も大変だね

  • 8二次元好きの匿名さん22/08/26(金) 07:19:49

    いいじゃない…。

  • 9二次元好きの匿名さん22/08/26(金) 09:04:37

    良いね。好き

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