- 1二次元好きの匿名さん22/08/29(月) 23:16:37
- 2二次元好きの匿名さん22/08/29(月) 23:17:54
最高のライブを繰り返しているのに何処か物足りなく感じていたところにルフィ達がイレギュラーとして紛れ込んできた感じで
- 3二次元好きの匿名さん22/08/29(月) 23:18:26
ホラーかな?
- 4二次元好きの匿名さん22/08/29(月) 23:43:40
『U!T!A! U!T!A! U!T!A!』
観客の大歓声、高鳴る鼓動、心地よい疲労感、間違いなく確信できる。
『今回』のライブも大成功だった。
───なのにどうして、
満たされない、と感じるのだろう───
眩しい。
ライブは何度も、何度も何度もやった。
皆の恐怖や絶望を取り払うため、新時代を作るため、最高のライブが出来ればそれが出来ると信じていた。
眩しい。
時にはただ単に自分が楽しむためだけに好き勝手やってみたライブもあったけど。
眩しい。
それでも───結末は変わらなかった。 - 5二次元好きの匿名さん22/08/29(月) 23:53:00
いつまでも楽しいライブ、楽しむ観客たち、
「やっぱりプリンセス・ウタが俺たちの心の支えだ!」
「孫と一緒に見に来た甲斐があったよ!」
「はー疲れた!最高!ウタちゃん!ありがとう!」
「お母さんにも聞いてほしかったなぁ・・・!」
なのに───
「ありがとう!そろそろ仕事もあるから帰るよ!」
「また明日から頑張れるねぇ・・・」
「楽しかったー!!」
「さぁ!村に戻って頑張ろう!」
どうして?
ずっとここで楽しんでいればいいのに
辛い現実、楽しくない仕事、平和じゃない世界に何で戻ろうとするの?
眩しい。
ここにいればそんな不安も無くなるのに - 6二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 00:04:11
「・・・また、ダメだった。」
観客のいない会場のセンターステージでひとりごちる。
何がいけないんだろう?
純粋なライブ、私を狙ってきた海賊を演出の一部にしたライブ、天竜人も海軍もみんな平等に楽しめるライブ。
あの手この手を尽くして世界中のみんなが平和に、平等に、永遠に楽しめるライブを作ったつもりだった。
暴力的で不平等な現実という苦しみから逃れて欲しかった。
なのに、みんなは途中でライブから帰ろうとしてしまう。
なぜ?私の歌をずっと聴いていたいんじゃなかったの?海賊から助けて欲しかったんじゃなかったの?
幸せになりたいんじゃなかったの?
わからない。 - 7二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 00:20:14
「お疲れ様です、ウタさん」
誰もいないはずの世界に声が響く。
「此度のライブも素晴らしい出来でしたよ」
「嫌味はやめて」
「とんでもない、本心でございます。
しかし、貴女の満足のいくものではなかったようで・・・」
「いいからはやく、もう一回・・・!」
「・・・仰せのままに」
ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᚲ・・・ ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᛏ ᛏᚨᛏ ᛒᚱᚨᚲ・・・ - 8二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 00:20:56
カタストロフィフェチかよ!!
- 9二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 00:24:53
- 10二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 00:25:51
🍌と🦒かな?
- 11二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 00:31:24
- 12二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 00:47:34
新時代は この未来だ 世界中全部 変えてしまえば
何時もと同じ、それでいてステップにキレを、歌声にキレを、
観客に帰ろうとは微塵も思わせないように・・・!
『U!T!A! U!T!A! U!T!A!』
大歓声。掴みは良し。あとはこのまま・・・!
「・・・ん?」
突如伸びてきた腕がステージを掴み、麦わら帽子をかぶった男がステージ上に上がる
はぁ・・・また海賊か・・・。
どう演出に組み込もうか思案していると男が口を開いた。
「お前、ウタだろ!」
「え?」
馴れ馴れしく話しかけてくる海賊の顔を覗き込む
このライブに海賊の知り合いなんているわけ・・・
「ルフィ・・・?」
「やっぱりウタだ!俺だよ!ルフィだよ!」
「ルフィ!?なんでここ「おいルフィ!なんでプリンセス・ウタと親しげなんだよ!!」
「だってこいつシャンクスの娘だもん」
「あっ・・・」
「「「「ええええええ!!!!!」」」」
これは・・・どう演出に組み込もう・・・ - 13二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 00:50:39
区切りがいいからここまでにします。
しまった・・・オチしか考えていない・・・ - 14二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 12:29:28
保守
- 15二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 22:43:04
「赤髪に娘がいたなんてなぁ・・・」
「捕らえれば四皇の弱点になる・・・」
「売り捌いてもイイ金になりそうだぜ・・・」
ステージにつけられた小舟から別の海賊達が上がってくる
「なんだ?おめぇら」
あたしを守ろうとルフィが一歩前に出る
が、
「心配しなくていいよ、ルフィ」
「ん?そうか?」
「あたし、"最強"だから」
バンドメンバー達は目配せをし、音を鳴らし始める
みんなわかってる、大好き
それに、こいつらとは『何度も』戦った - 16二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 23:07:58
さぁ、怖くはない 不安はない
私の夢は みんなの願い
歌と共にウタの体に鎧が纏われていく
海賊達を宙に舞わせ、様々な光で照らしながら手玉にとる
海賊をただ倒すのではなく、パフォーマンスとして観客を楽しませることを第一に考える
皆を楽しませる、永遠に幸福な「新時代」に連れていく
それがあたしの使命だから - 17二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 23:46:59
「私は最強」
「アナタと最強」
海賊を譜面に張り付けて無力化する
「みんなー!悪い海賊は楽しい歌になってもらったよ!!」
「ワァーーー!U!T!A! U!T!A!」
「ここでみんなに嬉しいお知らせ!
今回のライブはエンドレス!!会場も!配信も!みーんなずっと楽しい時間を一緒に過ごそう!!」
「U!T!A! U!T!A!」
「それと、大事なお話!
海賊、海軍、世界政府の人達。このライブの邪魔をしないで。
このライブはみんなの幸せな新時代。
あたしは新時代を作る女、ウタ!その邪魔をするなら誰だって容赦はしない!!」
「ワァーーー!」
「それじゃ、次の曲行くよー!!」 - 18二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 08:47:11
保守
- 19二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 20:23:16
ルフィ達が来たことでどう変わるか
- 20二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 20:42:31
一年前、あたしは街で映像電伝虫を拾った
そこには業火に焼かれる街と人、それを引き起こす『魔王』、そして『魔王』と戦うシャンクス達が映っていた
そして、
「ウタという少女は危険だ!あの娘の歌は世界を滅ぼす!!」
エレジアを滅ぼしたのは───私? - 21二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 20:51:12
泣いて、嘔吐いて、苦しんで
この罪を償うには死ぬしかないと思った
だけど・・・
私にはファンのみんながいた
私の歌を聴き、救われ、生きる希望にしてくれてる人達がいる・・・!
私はここで死ぬわけにはいかない
辛い現実から逃げたがっているみんなを救うのは私しかいない!!
どんなことをしても、どんな手を使っても、
みんなを幸せにしてみせる!! - 22二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 20:53:48
私はその日からみんなを救うにはどうしたらいいかを考え続けた
そして、至った結論は・・・
───『魔王』の力を自分の物にする、だった - 23二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 08:37:33
保守
- 24二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 20:18:37
保守
- 25二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 01:17:51
その日から私はお城の書庫を調べ、罪悪感で気が狂いそうになるのを耐えながらエレジアを滅ぼした時の『魔王』の映像電伝虫を見返し、ウタウタの実で作り出せる世界の中で『魔王』の力の再現をしながら対策を練った。
そんなことを続けていたある日、ゴードンが隠していた古い楽譜を調べていると、
楽譜から「寂しさ」や「無念」といった思いが微かに伝わってきた。
『魔王』は破壊の力の権化などではない・・・?
封印方法が楽譜・・・歌によって封印が解ける・・・寂しさ・・・?
とにかく、『魔王』がただの破壊の権化ではないのであれば、正しい方向に力を導くこともできるはず!
希望を見つけた私は再度書庫をひっくり返した
そして・・・ - 26二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 13:00:17
保守
- 27二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 00:34:46
良い方向に向かってる…?
- 28二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 00:51:38
「見つけた・・・!」
『「寂しい」「認められたい」「誰かに見つけてほしい」といった歌を愛する人々の負の感情の集合体』
負の感情の集合体・・・なら!優しく認めてあげればもしかしたら・・・!
誰もいない私の世界の中で歌えば1対1で話せるだろう
破壊の限りを尽くす『魔王』として扱うのではなく、報われない世界を嘆くファンのみんなに語り掛けるように接すれば! - 29二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 02:54:24
誰も周りにいないことを確認し、私はお城の地下でひとり歌う
ウタウタの世界に入り、気持ちを落ち着かせる
大丈夫、この世界で何度もあれを見てきた
ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᚲ・・・ ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᛏ ᛏᚨᛏ ᛒᚱᚨᚲ・・・
まずは私の体を乗っ取ろうとするはず・・・!
しっかり意思を持って対話をするんだ!
私は新時代を作る女ウタ!!
みんなを救って幸せな世界を作るんだ!! - 30二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 03:21:20
語り継がれる……
- 31二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 15:13:48
このウタは強い
- 32二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 23:00:17
上手くいってくれよ
- 33二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 05:07:15
とぷん・・・
体が沈んでいくような感覚に包まれる、辺りは真っ暗で何も見えない、まるで深海にでもいるようだ
少し息を吸ってみる
「大丈夫、呼吸はできるみたい」
暗闇の中に禍々しい姿が浮かび上がる
胸らしき位置に浮かぶ髑髏、鍵盤で模られた腕、道化師の如き顔
「あなたが・・・『魔王』、トットムジカ・・・
聞かせて、あなたの・・・ってうわっ!?」
魔王の腕が腕を大きく振るわれ、ウタに叩きつけられる
間一髪で避けたものの、当たったらたとえ自分が作り出した世界の中とは言えただでは済まないだろう
「待って!私はあなたの歌を聴きたいだけなの!!
聞いてもらえない、認められないのはとても辛い事だけど!音楽を楽しもう!?私と一緒に!!」
魔王はウタの呼びかけが聞こえていないかのように再度腕を振るう
ウタは仕方なく鎧を纏い、攻撃を防ぐ態勢に入る - 34二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 12:12:13
まってる
- 35二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 22:55:38
金属音を響かせながらウタは魔王の腕を弾く
「トットムジカ!攻撃じゃない!あなたの歌を聞かせて!!自分の音楽が認めてもらえないのは確かに辛い事、だけど!それは時代や環境の違いで本当に必要な人に届かなかっただけ!!あなたの音楽を必要としている人は必ずいる!
そしてなにより、私が聴きたい!!!」
魔王の攻撃をしばらく捌いていると、唐突に魔王の攻撃が止み、姿が暗闇に消えていった
「トットムジカ・・・!」
しかし、ウタの訴えは空しく暗闇に溶けて消えた
次の瞬間、ウタはお城のパーティー会場に立っていた - 36二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 23:02:47
「え・・・?」
周りではあの時亡くなってしまったエレジアの国民たちが談笑している
「みんな?どうして・・・?」
国民たちはウタに気づくと笑顔で駆け寄り、呟いた
「お前が殺した」
「っ・・・!!」 - 37二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 23:05:56
「お前が殺した」
「みんな殺した」
「女も子供も」
「お前がエレジアを滅ぼした」
「このまま世界も滅ぼすつもりだろう」
「お前が魔王だ」
「悪魔」
「疫病神」
「殺戮者」 - 38二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 23:21:07
「っっっ・・・!!!」
動悸がする、胃液が逆流する、心が押しつぶされそうになる
言い返すことはできない、あの日起こったことは取り返しのつかない惨劇であり、それを巻き起こしたのは自分なのだから
「みんな・・・」
項垂れるウタのもとに男が歩み寄る
「ゴードン・・・」
「お前は悪魔だ、この音楽を愛する平和な国エレジアを滅ぼし、自分一人だけのうのうと生き、
あまつさえ民衆に救世主と崇められている。
笑わせる!国を滅ぼした大量虐殺者が!救世主と崇められる!そうやって信仰を集め、今度は世界を滅ぼすつもりだろう!!」 - 39二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 23:21:31
ゴードンさんがそんなこと言うか~~~~!!!!
- 40二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 23:36:01
「うるさい!!ゴードンが!エレジアのみんながそんなこと言うわけがない!!!」
「ほう!これはこれは面の皮が厚いことで!一夜にして愛した国民を皆殺しにされたこの男に恨み言を言わせることすら許さないとは!!なんと厚顔無恥な救世「みんなは私が殺した!!!」
「・・・」
ウタの剣幕に辺りが静まる
「あのころのみんなはもう戻らない、みんなを殺した私にそんな資格なんかない、そんなことわかってる
だけどそれがどうした!!それでも!それでも私はみんなを救うって決めたんだ!!
もういい・・・、あなたの寂しさを癒そうなんて上から目線だった。
私と同じような苦しみを味わった人を救うため!まだ苦しみを知らない人に苦しみを味合わせないため!
私の罪も!あなたの悲しみも!!世界の苦しみも!!!全部背負って私が救う!!!!
だから黙って!私に従え!!!」 - 41二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 10:40:11
保守
このウタ強い - 42二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 21:11:22
ほっしゅ
私、強いウタ好き!!(バアアアアン - 43二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 06:29:57
せめて1日に1回は更新したかったのに
疲れてて寝てしまった…申し訳ない… - 44二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 12:32:46
ええんやで、保守して待つわい
自分もシリーズ物の動画投稿してたことあるけど体調崩して2年くらい更新止めちゃったことあるし(白目) - 45二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 23:45:19
保守
- 46二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 23:50:40
威勢のいい啖呵が切られると、パーティー会場が消えていく
「!?」
ウタが呆気にとられていると、辺りは桃色の空に虹色の水が張った世界へと様変わりしており
そしてその中心には見知らぬ一人の紳士然とした男が立っていた
「あなたは・・・?」
「・・・貴女は今、『我ら』の悲しみを背負う、と仰いました」
「・・・」
「本当にその覚悟がおありですか?」
「・・・ある」
「幾万年の人間の負の感情の集合体であるところのこの『トットムジカ』の悲しみをですよ?」
「ある」
「更には唸る大海賊時代の全ての苦しみを背負うとまで言った。
世間に祭り上げられただけの小娘が本当の救世主になると?」
「なる!!!絶対になってみせる!!!!」
「・・・」 - 47二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 00:00:55
男はしばらくの沈黙の後
「『我ら』トットムジカ、救世主ウタ様のお力となりましょう」
ウタに跪いた
「・・・うん!よろしくね!トットムジカ!」
「あぁそれと一つだけ」
「?」
「今の『我ら』は単なる力、力の振るい方にはくれぐれもお気をつけて・・・」
トットムジカがそう呟くと、意識がブツリと途切れた
目が覚めると、ウタは自分のベッドの上にいた - 48おまけ22/09/07(水) 00:02:12
「トットムジカ、あなたゴードンと声似すぎじゃない?」
「わかります」 - 49二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 00:03:36
同じツダケンかよトットムジカ