- 1二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:30:26
- 2二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:32:09
数人科捜研とか鑑識に回ってそう
- 3二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:33:15
土方さんはまあ警察組織の副長だったし違和感はない
- 4二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:33:18
潜在犯みたいな感じでもなく普通に警察か…
…この街自体やばくない? - 5二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:33:51
監察医・家永
死体には興味なさそうだから優秀かもしれない - 6二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:35:11
科捜研の生物部門の研究員・姉畑と化学部門の研究員・関谷までは考えた
- 7二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:35:55
交通事故より犯罪率が高そうな街
- 8二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:36:51
なぜか誰よりも早く殺人現場にいる辺見刑事
- 9二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:38:01
- 10二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:39:05
アカン(アカン)
- 11二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:42:37
ウイルクには捜査一課の警部になってもらってゴリゴリに推理してほしい
- 12二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:43:14
鑑識・平太師匠
ちらっと見ただけで状況把握できそう
それはそうとしてちゃんとやる - 13二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:44:53
このレスは削除されています
- 14二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:46:12
警察犬訓練士の二瓶と上ヱ地
相棒のリュウとジローはそれぞれ災害救助犬、麻薬探知犬 - 15二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:47:17
PSYCHO-PASSの執行官みたいな感じもいいな、毒をもって毒を制すみたいな
- 16二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:47:52
毒をもって毒を制した結果、普通に最初の毒以上の猛毒で死にそう
- 17二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:47:55
上に出てた動物大好きな科捜研の研究員・姉畑
一応人もやるが基本的に動物関係しかやらない - 18二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:48:16
- 19二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:49:12
- 20二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:50:39
「チンポ先生」として子供になぜか人気がある牛山刑事
- 21二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:51:33
交番勤務で落とし物対応して「財布落ちてませんでしたか?」的な問いに「財布なら落ちてたよー」とか言いながらも全く違う財布を出してガッカリ顔を楽しむ、上ヱ地。
上司の牛山あたりに背骨を折られる。
でも犬の捜索だけは真面目にやる。 - 22二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:55:51
- 23二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 21:58:27
逃走した犯人を走って追いかける稲妻刑事
たとえ車で逃げても追いつく - 24二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 22:00:29
スレ画の白石めちゃかっこいいんだけど両津勘吉みたいな巡査長してほしい
- 25二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 22:10:08
そういう時に限って呼ばれる白石
- 26二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 22:25:20
ワタシならここを攻めますネーって怖いことサラッと言ってて欲しいな
- 27二次元好きの匿名さん22/08/30(火) 23:33:44
イノシシとか猿とかの物獲りに駆り出されて必ず頭を噛まれる白石巡査
- 28二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 05:32:44
役に立たねえな!と言われて帰ってくる
- 29二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 07:36:05
- 30二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 18:18:54
保守
- 31二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 19:11:14
警察のガラが悪すぎて逆に安全な街
- 32二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 20:22:59
海上保安庁の大沢隊員、なぜかあだ名は海賊…と思ったけど捜索専門の警察でもいいな
- 33二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 20:41:35
みんなでマル暴に配属される
- 34二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 20:46:52
- 35二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 20:47:15
機動捜査隊の稲妻
車から降りて直に追跡した方が早い - 36二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 20:59:50
白石は護送計画も立てられそう
どこから逃げられるか見抜くのが得意 - 37二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 05:35:07
趣味で現場に向かい何となく解決していく科捜研の二人
毎回鑑識に叱られる - 38二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 05:47:36
房太郎は海上保安官の方に行ってそう
- 39二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 11:58:56
捜査二課エリート刑事の鈴川聖弘
犯罪の才能を得てしまったけど警察になってそれを発揮した話が世にも奇妙な物語であったよね - 40二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 16:45:45
国際警察のくせに北海道にずっといるジャック
- 41二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 21:17:52
- 42二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 21:44:18
杉元がいないから、まじでほっとかれて終了だな…
- 43二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 21:56:23
本人も数時間したら帰ってくる
- 44二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 22:12:06
マル暴の牛山刑事
組の傘下にある風○店で情報収集
嬢から「チンポ先生」と呼ばれ親しまれる - 45二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 09:25:35
保守
- 46二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 19:26:36
麻薬捜査をする平太師匠の横でそっと小麦粉の入ったジップを置く上ヱ地
- 47二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 19:44:47
薬物事件で科捜研へ行った白石
そこにはサバゲー帰りみたいな泥?まみれの男!
白衣に十字架のペンダントとガスマスクの男!
白衣に血痕のついたほくろのセクシーな美女(?)!
一瞬で帰りたくなった白石!
科捜研がヤバいところになってしまう - 48二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 21:54:00
姉畑先生それまさかオソマ…
- 49二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 21:59:47
シートンは動物学の権威
関谷は薬学の権威
解剖医家永と協力関係を結べば大概の難事件は解決できそう - 50二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 00:12:55
毎度毎度「死体なんかより生きた人間の方を食べたいですぅ」とかぶーたれながら解剖する家永
- 51二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 06:10:25
科捜研にお客さんが来た時は家永がお茶出してくれるが関谷がこっそり一杯だけに変なもの入れてくる
後でめちゃくちゃ怒られる - 52二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 15:27:17
通報を聞きつけ向かったらさらに通報された稲妻刑事
- 53二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 17:36:26
拳銃を持った犯人に素手で対処できる(銃弾逸らせる)辺見刑事
- 54二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 17:38:58
- 55二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 20:06:17
競馬に行く白石刑事
仲良しの近くに住む小学生アシリパさん経由で牛山刑事にバレる - 56二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 21:50:27
警察署もだいぶヤバいのに科捜研が別ベクトルでもっとヤバい
- 57二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 22:27:24
警察手帳が本物かどうかをまず疑われる一同
- 58二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 23:51:27
科捜研組は学術方面の知性と人としてのヤバさが両立してる人達ばかりで仕事風景をぜひ見てみたいな 二次創作ならではの組み合わせで面白い
- 59二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 07:17:01
科捜研組は全員ヤバい奴だから警察組がツッコミに回りそう
- 60二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 07:27:56
専門的な部分は科捜研に頼みに行かないといけない師匠とか毎回胃が痛いだろうな…
- 61二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 16:47:31
潜入捜査で変装したら他の刑事からも見失われる鈴川
- 62二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 20:23:38
- 63二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 22:03:36
- 64二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 22:05:40
風○店に潜入捜査中の白石、女の子の相談に乗るうち本気で惚れられる
- 65二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 06:11:05
- 66二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 09:45:29
高速で逃げる犯人に自転車で追いついた稲妻刑事
後で交通局にこっぴどく叱られる - 67二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 14:19:03
土方さんが編成した特殊機動部隊の隊長・都丹。主に暗闇をフィールドにした突入を得意とする
- 68二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 20:05:59
- 69二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 20:09:35
めっちゃ見たい!!!
- 70二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 20:17:36
うおおおすげーー!
- 71二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 20:34:07
すごい!姉畑先生鳥かごごと行くんか?
- 72二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 20:35:17
かっこいー!!って思ったあと科捜研の『爺』に後から気づいて笑ってる
- 73二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 20:56:51
容疑者の似顔絵を描かせたら抽象的過ぎて怒られる熊岸長庵。
後でめっちゃ似てる事に気付かれる。 - 74二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 20:59:27
サイバー・ハッキング対策も元々ハッカーを雇って防衛させるって言うし、犯罪のスペシャリストな囚人に警察やらせる概念は正しいかもしれない。
でも酒飲みの後藤のオッサンはうだつの上がらない定年刑事かなあ。門倉と被りそう。 - 75二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 22:16:58
ちまちま科捜研組ss書いてる
「いいですねぇ!なんていい日なのでしょう!まさかこんなところにに出張だなんて!」
先陣を切って歩く姉畑はそれはそれは上機嫌だった。まさに天にのぼる気持ち、といったものだろう。
「陸にはエゾシカにキタキツネ、海にはクジラやイルカ、空にはシマフクロウやオジロワシ、果てはヒグマまで!ああこのあふれる美しい自然の中で、皆と仲良くしたい!」
軽くツーステップを踏みながらとは思えないスピードで、姉畑はずんずん前へ進んでいく。その後ろを間隔を開けて家永と関谷がついていった。
「あんなのに運を与えるとは、神は一体何をお考えなんだ…」
「さあ。あんな生き方、早死にしますよ…貴方の言うところの、裁きってものです」
終始ハイテンションな姉畑とは対照的に静かに橋を歩く二人の横を、エゾシカが通り過ぎていった。
この頃、北海道のとある森にて、貴重な動物たちが、不可解な死に方をしているという情報が警察から入ったのだ。真っ先に科捜研にいる職員全員が姉畑を疑ったが違うらしい。どうも人為的に毒を盛られたようだが、詳細がわからない、なので調査してほしいとのことで、三人とも出張に来ているのだ。
「姉畑さん、前ハゲワシがここにも来るって言ってましたよね。ハゲワシって胃が強いらしいですよ」
「…毒と姉畑にやられていなくて、怒られる覚悟があるなら好きにしろ」
本来なら、生物学専門の姉畑と化学専門の関谷の二人のみで来るはずだった。しかし、家永が「二人だけで行くなんてずるい。私も行く」という旨のことを言ってついてきたのだ。十中八九同物同治とやらで動物を食べる気だろう。行き先が自然遺産なら止めていたところだと仕方なく連れてきたのだった。
ちょっと長いので続く
- 76二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 22:17:47
続き
「あの白石と辺見という刑事たち、来なくて正解だったな。どうもあの二人は山において運が悪い、というより動物に好かれない」
本来はこの捜査に加わっていた辺見と白石は急な予定で来られなくなっていた。「まあ、」と関谷はつけたす。
「運の悪いのは、山に限らずか」
「…むしろ貴方は運がいい方ね」
呆れたように家永が言う。この関谷という男、科捜研を訪ねてきた客への飲み物のうち一杯だけに、毎回こっそり変な物を入れてくるのだ。家永も何度か当たってひどい目に合った事がある。常識人のふりして、実は誰よりもマイペースな男だ。
「もし、動物に紛れて人が死んでたら、その時は頼む」
家永が考え事をしていると、横から声が飛んだ。
「若くて健康なら少し…」
「ダメに決まってるだろ」
「一口だけ…」
「ダメだ」
少し、ほんの少し、と家永が交渉していると、ずいぶん前の方から別の声が二人を呼んだ。
「家永さん、関谷さん、遅いですよ!もうすぐで現場に到着します!」
橋の向こう側で満面の笑みで手を振る姉畑に、関谷はため息をついて、家永は少しワクワクした表情で足を早める。
今回もなんだかんだ早く解決しそうでなかなか終わらなさそうだ。
やっぱエミュうまくいかない - 77二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 22:24:04
これ以外にもちょっと書く気でいるので誰か書いてほしいもの言ってくれ
自分のアイディアが貧弱すぎる - 78二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 22:33:47
(((まあ…いいか…)))
- 79二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 22:48:03
- 80二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 23:57:36
多分一回ぐらいは容疑者の人に「テメェらの方がよっぽど犯罪者じみてるだろうが!」って言われてそう
- 81二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 00:23:38
ヤクザの事務所にガサ入れしたときにその様子を見た民間人から「ヤクザ同士の抗争?」とか思われる刑事たち…
- 82二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 02:53:50
囚人メンツ+門倉でやる怨み屋本舗とか見てみたい…。表向きは警察の仕事をしてるけど裏では持ち前の知識を駆使して人の怨みを晴らすという奴。
- 83二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 06:10:28
よく見たら姉畑先生の持ってる鳥かごの鳥、めっちゃ隅に寄っててダメだった
- 84二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 14:17:20
科捜研の絵がめっちゃ上手い
カノさんその注射器は何…? - 85二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 20:49:29
このレスもとにしてss書いた
相変わらず収まり切らないのは堪忍してほしい
北海道警察科学捜査研究所、略して科捜研。
今日も今日とて専門用語と怒号の飛び交う所内はいつものように荒れていた。
「またやったな!関谷輪一郎!」
一応客をもてなすスペースである応接間で、恐ろしくドスの効いた声で怒り心頭の家永が叫んだ。片手で口を拭い、もう片方の手で包丁を握り。壁際に関谷を追い詰めて睨みつける。
「何度言えばわかるんですか!客にも私にも変なもの飲ませないでください!」
「アンタに当たったのか」
一方で激昂した相手に包丁片手に問い詰められているにもかかわらず、関谷は冷や汗一つかいていない。視線も家永ではなく、その肩の向こうを見ていた。
「今回は家永さん、アンタと…そこの刑事さんも、運が悪かったなあ」
ソファに座っている白石がタオルで顔と服を拭いている。大方家永が吹き出したのが対面にいた白石に被弾したのだろう。
「ああ、今日は水だから大丈夫と高を括った私が馬鹿だった!貴方も入れた人数分だった時点で気づくべきでしたね!」
「関谷さん、こういうことする時必ず自分も入れますからねえ」
白石にタオルを渡していた辺見が会話に加わってくる。白石もやっと鼻に入った水が抜けたのだろう。顔を上げてこちらを見た。
「で、今回何入れたの?つーか俺引いてないのに何でこんな被害遭ってんの?」
「粗製海水塩化マグネシウム。健康にいいぞ?飲み物に混ぜるくらいだ」
「だからってストレートで飲ませる奴がいるか!あと普通ににがりって言えぇっ!」
ついに怒りのリミッターが外れた家永が関谷の首元スレスレに、後ろの壁へ包丁を突き立てる。その途端、ずっと静観していた辺見が一気に色めきたった。
「いいですねえ家永さん!ああ関谷さんもっと抵抗しましょうよ!あわよくば僕が代わりたい!いいなあ僕も煌めきたい!」
「辺見ちゃん、落ち着いて落ち着いて」
立ち上がった辺見を下から謎の光が照らす。すっかり慣れた様子の白石は辺見を無理やり席につかせると、ふとこぼれたコップの中身をしゃがんでじっと見つめる姉畑に気がついた。
- 86二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 20:50:43
続き
「……一応聞くけど、何してんの?」
「見てください、透き通ったこの水。まるで山奥の清流のようです。美しい…自然はこんなにも美しいのですね」
「うん」
「これは生命の源です。知床の方へ行けばこんな川があるのでしょうか。自然の美しさ、清らかさ、厳しさ。全てが…愛おしい」
「うん」
姉畑の演説に耳を傾けていた白石は、うっかり辺見を抑える手を緩めてしまったのだ。
「関谷さん家永さん!僕も混ぜてください!そして僕を思いっきり煌めかせてください!」
「あああ辺見ちゃーん!戻ってえ!」
未だに部屋の隅で攻防を繰り広げる関谷と家永の方へ一直線に向かう辺見を取り押さえに白石は急いで席を立った。
同時刻、科捜研のドアの前に松田平太が立っていた。鑑識として薬物の分析をお願いしてたので、結果を聞きに来た次第だ。何度か来ているがなかなか毎回胃が痛いことばかりだ。
「あのー、すみません、松田です…」
そーっとドアを開けると、一気に喧騒が流れ込んできた。
「というか貴方は何でいつも当たらないんですか!理不尽でしょう!」
「それは神のご意向なんだから俺がどうこうできる話じゃないだろう」
「そもそも原因作ったのはどこの誰なんですかね!」
家永が包丁を離す気配はないし、関谷もいつものことなので今さら動揺しない。姉畑はさっきから水を見つめて動かない。白石は辺見を抑えるのに精いっぱいだ。
バタン。
また警察署の廊下に静寂が戻った。
「明日でいっか…」
平太はドアがちゃんと閉まったのを確認すると、独り言を呟いてから、何事もなかったようにそこを後にした。
家永エミュが異常に難しい - 87二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 21:16:24
おつかれ
ss面白いよ - 88二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 21:48:38
お疲れ様です!
家永が終始ツッコミなの楽しい - 89二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 01:08:18
- 90二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 05:41:38
- 91二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 08:17:38
- 92二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 12:44:54
- 93二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 21:40:22
保守
- 94二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 22:52:50
よく考えたら科捜研まともに仕事してねーじゃねーか!って書いたss
「司法解剖の依頼が入った」
パソコンとにらめっこしていた関谷が、おもむろに口を開いた。その途端、ずっとしかめっ面だった家永の表情が目に見えて明るくなった。
「本当ですか?!いつですか?性別と年齢は?検死が入るということは状態はどうなんですか?」
「調べるための解剖だろ」
期待と興奮がまぜこぜになった表情で関谷に詰め寄る家永。関谷は面倒くさそうに上半身だけ家永からそらした。そこへ、研究所で飼っているインコの世話をしていた姉畑も加わる。
「それって人ですか?」
「人だな」
「……」
「分かりやすく落ち込むな」
黙ってインコの世話へと戻る姉畑に一言だけかけてから関谷もパソコンに戻る。
「いつですか?明日ですか?」
しかし、しつこく予定について聞いてくる家永にすぐ作業を中断させられる。このまま無視してても仕事は進まない。仕方なくパソコンを閉じると、関谷は無言でファイルだけ家永に渡した。
「なるほど…明後日ですね!ああ楽しみ!これで頑丈な若い男だったら何よりですね!でもやっぱり死体よりかは生きている人間の方が…」
ファイルを抱えて部屋中を踊るように歩き回る家永といつのまにか鳥かごごとインコを抱きしめている姉畑。相変わらずだが明らかにおかしい同僚に、ふと関谷は片頭痛を覚えた。
ちょっと続く - 95二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 22:54:21
続き
「それでは、これより司法解剖を始めます。この被害者に追悼の意を込めて、アーメン」
「関谷さん、被害者は仏教徒らしいですよ」
「なら、黙祷」
三人とも解剖をはじめる前に合掌する。正確には関谷は法医ではないので解剖中は見ているだけだが、一応やってくるのだ。
「顎が強そうですね。肌も綺麗です」
「やめてくださいよ、被害者食べるなんて」
姉畑が家永にツッコミを入れつつ、特に無駄口を叩かず監察は進んでいく。数十分経った頃、家永がふと口を開いた。
「肉…特に腹筋…」
さすがの姉畑も一瞬手を止める。そして手元に目を落として言った。
「おすすめの牧場ありますよ。ジンギスカン美味しい所です」
「そういう話を今するな」
機材を整えていた関谷が壁越しに抗議する。
「でもあそこの羊とか牛とか馬とか私は大好きですよ。仲良くしたいくらい」
「いいですね。今日は私も肉が食べたい気分です」
「……」
医者の精神とは。長く生きた人と医者として向き合わなかった結果だろう。二人にバレないように、機材の後ろで関谷はため息をついた。
その日の夜の行き先は、三人とも牧場だった。
関谷さんは自分を常識人だと思ってる
インコのくだりは>>68様の絵を借りました
- 96二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 00:07:34
うまく言えないけど「なら、黙祷」すごく好き
家永はベテランだからバレないように上手くつまめるのかな つまむな - 97二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 06:53:06
なんかお互い自分はまだマシだと思ってるの面白う
- 98二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 06:53:24
- 99二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 07:24:21
元敏腕刑事だった土方さんと用一郎
憧れている人がいっぱいいる - 100二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 08:47:27
関谷可哀想…と思ったけどこいつも無宣言強制ロ.シアンルーレット始めるんだったな
大概だったわ - 101二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 12:33:53
警察の柔道大会で毎年優勝するマル暴の牛山
不敗の牛山と呼ばれる - 102二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 18:49:30
相も変わらず刑務所で看守やってる門倉
運が悪いが毎回なんとかなってる - 103二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 18:54:38
個人的な偏見で申し訳ないが関谷はなんとなく門倉のこと嫌ってるイメージがある
門倉悪気はないけど地雷ぶち抜きそうで…
ただし門倉が依頼をしに行くと決まって応対するのも関谷 - 104二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 22:17:43
やばい眠すぎてssが全く進んでない
あとネタの引き出しが無さすぎて何も書けない
科捜研組の妄想でもこうだったらいいなでもいっぱい言ってほしい… - 105二次元好きの匿名さん22/09/09(金) 05:39:03
海上保安庁の房太郎
海から上がったところを一般人に通報される - 106二次元好きの匿名さん22/09/09(金) 06:23:45
囚人が警察の世界なら軍人は犯罪者やってる?
それとも一般人? - 107二次元好きの匿名さん22/09/09(金) 06:38:18
一般人でもいいし一緒に警察やってても楽しそう
公安鶴見と刑事土方さんの会話とかめっちゃ見たい - 108二次元好きの匿名さん22/09/09(金) 07:52:45
土方さんに(職員として)網走刑務所に来てほしい犬童
- 109二次元好きの匿名さん22/09/09(金) 12:34:20
- 110二次元好きの匿名さん22/09/09(金) 12:40:45
- 111二次元好きの匿名さん22/09/09(金) 21:51:01
科捜研の女見てるとデジタル関連の犯罪もやってるんだよね。声紋認証やデータの改ざんを見つけたり。
これが出来そうな囚人って誰だろう? - 112二次元好きの匿名さん22/09/09(金) 22:05:39
門倉とかやってそう
- 113二次元好きの匿名さん22/09/09(金) 23:48:58
宇佐美は確実にアウト
- 114二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 06:30:27
ちょくちょく捜査で刑務所に入り浸るのであらぬ疑いをかけられる警察一同
- 115二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 13:09:39
警察が現場荒らしまくるので毎回仕事が増える平太師匠
- 116二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 20:19:45
本編では名前しか出てこないけど、津山は原典通りなら相当な高学歴だよね。
キャリア組で頭が切れるけど、病弱で精神がキレやすい。容疑者に対してポン刀で一刀両断しそう。 - 117二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 23:03:59
リュウと二瓶と牛山がいたら、ヒグマが人里に出没してもちょっとした安心感がある
必ず仕留めてくれる - 118二次元好きの匿名さん22/09/11(日) 04:06:21
門倉さんは現代だったらキャリア刑事だよね。(その当時の看守部長の職業は家柄が良いエリートや薩長の人間が多かった)
- 119二次元好きの匿名さん22/09/11(日) 07:44:53
用一郎はボケてる風に見えて現役バリバリ
油断した犯罪者たちを一掃しそう - 120二次元好きの匿名さん22/09/11(日) 13:00:25
マル暴の親分
時々「姫」という連絡先から電話がなる - 121二次元好きの匿名さん22/09/11(日) 19:28:12
久しぶりにss投下
岩息in暴力団で雑ss
網走の警察署。
「今週は暴力団対策強化月間の一周目だ。特に気を張れ」
ホワイトボードの前で土方が朝礼で警官たちに告げる。一癖どころか二癖も三癖もある警官ばかり集まるこの部署をまとめるリーダーである土方は、一つ咳払いをしてから続けた。
「まあ早速だが…岩息、お前には捜査へ行ってもらう」
「了解しました」
「それともう一つ…やっていいのは気絶までだ。骨折るのも血出させるのもダメ」
「ラリアットは?」
「ダメ」
「なるほど…お任せあれ」
爽やかに笑って、岩息は部屋を後にした。
「いや、まだ朝礼中…」
ドアが閉まってから、白石がボソッと言った。
数時間後、とある暴力団の事務所の中は、熱気と血の匂いでむせかえっていた。もとより内部抗争が絶えないと言われていた組織だ。ささいなきっかけですぐに殴り合いとなっていた。
そのうち、殴られてよろけた下っ端が、壁際に一人男がいるのに気がついた。
「おい、テメー何者だ!何でここにいるんだ!」
下っ端が噛み付くと、後ろを向いていた男が振り返る。
「はぁっ☆」
「……う」
キラッキラの瞳で振り返った男、もとい岩息が満面の笑みを向けると、一瞬下っ端が黙った。しかし、次の瞬間。
「うわああああああ!岩息だ!岩息がでたぞー!」
逃げ惑いおののく団員たち。そのうち一人が固定電話の近くへやってきた。凄まじい勢いでキーを打っていく。ナンバーは110。
つながるや否や、その団員は大声でまくし立てた。
続く - 122二次元好きの匿名さん22/09/11(日) 19:28:48
続き
「が、岩息が出ました!助けてください!岩息がでました!」
『え、岩息さん…ですか』
呑気な声が向こうから聞こえる。
「そうですよ!ウチにいきなり入ってきて、組員がどんどんやられてます!」 そういう彼の後ろで、バラバラと他の団員が吹き飛んでいく。その爆心地は、着々と彼に近づいていた。
「は、早く!じゃないと、もう…あ」
「もっと、教えてくれ。、貴方のことを」
受話器を握りしめた彼の背後には、すでに大きな影が落ちていた。
ガチャン……ツー…ツー…ツー…
「あ、切られちゃった…」
電話応対していた辺見が耳から受話器を外す。
「なんだよ今の」
近くのデスクにいた稲妻こと坂本慶一郎がパソコンの向こうから顔を出す。
「さあ、ガンソクがガンソクがって、ずっと言ってて…最後に叫び声を上げて…はああ…煌めいてるんだろうなぁ…」
「……」
さっきの電話番号は位置的に暴力団の事務所。そして、予定通りなら岩息が捜査に行っている時間帯だ。
「白石、行ってこい」
「俺ぇ?!」
ソファにいた白石が飛び起きる。そして、いきなりキリッとした顔になると、カッコつけてジャケットを肩にかけた。
「ティッシュ一箱、よろしく」 - 123二次元好きの匿名さん22/09/11(日) 20:03:55
- 124二次元好きの匿名さん22/09/11(日) 20:16:37
ssにもなれなかったおまけ(ぶつ切り)
「…この骨、被害者さん本人のではなく、犬の骨ですね」
「通りで…あの場所からこの骨一本しか出てこない訳です」
またまた科捜研内で、姉畑と平太は応接間にいた。行方不明者の捜査で山の中から骨が出てきたとのことで、平太がDNA鑑定を頼んできたのだ。
「行方不明者は犬を飼っていたと聞いています。近くで切れたペンダントや足跡も見つかったので、山の中で何かあったのか、ただの失踪か、事件の可能性も否定できませんね」
平太はメモを書き終えてポケットに入れると、「ところで」と辺りを見回した。
「家永さんも関谷さんも今日はいないですね。いつもここにいると思ってたんですが」
「ええ、家永さんは少し交番に出かけています。関谷さんは、入り用で網走刑務所へ」
いつのまにか持ってきた鳥かごをいじりながら姉畑は言う。その発言に平太は驚いて身を乗り出した。
「え、刑務所って…大丈夫なんですか?」
「そうですねえ、ちょっと精神鑑定に行ってるだけですが」
何気なく言った姉畑に、平太は少し考えこんでからおずおずと口を開いた。
「あの…よかったら私が迎えに行きましょうか?用事で網走まで行きますし…」
「うーん、なんかすごく大きな勘違いしてるみたいですね」
関谷はなんか心理学もやってそうなイメージあるし、姉畑は法医の資格も法獣医の資格も持ってそうだし、家永は法医で科学もできそう - 125二次元好きの匿名さん22/09/11(日) 21:49:31
ss楽しく読ませてもらってます
関谷は本編だと元獣医なんだよな…
姉畑のことどう思って…いや、まあ科捜研組はお互いどうも思ってないか… - 126二次元好きの匿名さん22/09/12(月) 08:11:49
岩息さんが楽しそうでなにより
- 127二次元好きの匿名さん22/09/12(月) 10:38:20
110通報したら辺見ちゃんが応答に出ちゃってるの気の毒すぎて笑う
- 128二次元好きの匿名さん22/09/12(月) 13:15:27
- 129二次元好きの匿名さん22/09/12(月) 21:10:43
平太師匠まさか身元引受人になろうとしてる…?
- 130二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 06:10:53
稲妻のデスクには奥さんの写真が飾ってるんだろうな
- 131二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 17:05:32
殺伐としてるけど楽しそうな職場()
- 132二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 20:45:28
岩息SS、多分大きな影の中で目とむき出しになった歯茎だけが白く光っているところまでは想像した。
- 133二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 22:38:43
ただいまss書きだめ中です
あとこれからは区別できるように名前にトリップ入れます - 134二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 23:52:07
ありがとうございます!命が救われます!!
- 135二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 01:09:08
- 136二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 05:58:36
- 137二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 06:41:38
後ろの2人の表情が絶妙すぎる
- 138二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 13:54:21
保守
- 139二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 21:59:58
- 140◆RevGiOKgRo22/09/14(水) 22:07:39
- 141二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 22:09:39
- 142二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 22:23:05
- 143二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 01:12:23
- 144二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 08:14:29
岩息さん最後本当にどうでもいい話してるの笑う
- 145二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 19:11:58
保守
- 146二次元好きの匿名さん22/09/16(金) 01:04:43
警察無双シーンのオーバーキルが過ぎて爽快感ある
- 147二次元好きの匿名さん22/09/16(金) 06:24:30
比較的ほのぼの何にもない日が描きたかった
途中で寝落ちしてupが朝になったのは申し訳ない
北海道警察鑑識課のフロアに、誰かが入ってきた。海上保安庁隊員、大沢房太郎だ。海の安全を守る仕事なのに海賊とか言われているのは置いといて。
海賊はぬき足さし足、そっととあるデスクに近づくと、いきなり大声を出した。
「ワーッ!」
「うわあっ?!」
背後で叫ばれ、デスクで突っ伏して寝ていた平太が飛び起きる。遮光用に適当に被せていただけのキャップを机に置くと、呆れてため息をついた。
「なんだ、海賊さんか。暇なんですか?」
「なんだって何だよ。ちょっと遊びに来ただけだ」
海賊は誰もフロアにいないことをいいことに、隣のデスクから椅子を引っ張ってきて座り、睡眠を邪魔されて不機嫌顔な平太に向かって、にこやかに質問する。
「今回はどうだった?」
「どうって言われましても、いつも通りでしたよ。ただちょっといっぺんに沢山の事件の鑑識に行ったので、休む暇がなかったんです」
殺人事件の現場検証を終え証拠を科捜研に持っていったと思えば、今度は上ヱ地と共に麻薬捜査に繰り出される。息つく間もなく今度は強盗の犯人追跡と、今週特に目まぐるしく平太はあちこち飛び回っていたのだ。
「だからさっきまで久しぶりに休憩取れたと思って寝てたのに…」
「ごめんな」
さすがになんか申し訳無くなって海賊は謝る。今このフロアに平太と自分しかいないのも、鑑識課全体がキリキリ舞いなのだろう。そう思っていると、いきなりベルが鳴った。お昼時のベルだ。
「もう昼か。俺は今日暇だけど…平太は仕事あるもんな」
「席外してる時に呼び出しかかったら面倒ですし…」
「でも腹減ってきたよな。なんかあるか?」
「私は…確かこれが…」
平太はカバンをゴソゴソと探ると、クマの巾着を取り出した。中身はラップに包まれたおにぎり。
「人が握ったもの、食べられるのであれば」
「おう、ありがとよ」
海賊も一つ貰って早速食べる。中身は鮭だった。
「で、麻薬ってなんだったんだ?またその辺の店のか?」 - 148◆RevGiOKgRo22/09/16(金) 06:26:13
続き
おにぎりを頬張りつつ海賊が質問する。犯罪率と薬物の横行具合がやたらウエスタンなこの地域一帯には、ちょくちょく隠し商品として麻薬を売る店がある。時折検挙しているが、なかなか減らないものである。
「いえ、今回は初めてみるものでした。科捜研に送ったら、どうやら海外から密輸されたものらしくて」
「そうか。じゃあそこから後はジャックと俺らの出番だな…科捜研?」
「はい」
それが何か?と言った風に首を傾げる平太に海賊は眉をひそめた。
「科捜研ってちゃんと仕事してたの?」
「いやっ………!…してますよ!仕事はちゃんと皆さん真剣に向き合ってますよ!」
必死に平太が弁解すれば海賊は意表を突かれた顔をした。
「あ、そう。俺てっきり変態と奇人と狂人と電波と変態しかいないと思ってた」
「変態2回言ってますよ」
海賊も実は一回水死体を調べてもらうために行ったことがあるのだが、応対した男が電波過ぎて逃げるように帰ったことだけがある。くだらないがそんなことがあって全く近づこうとしないのだ。
「この職につく以上、科捜研とは関係を切っても切れませんし…」
「なんというかお前…結構頑張ってんだな」
すでに慣れきっている平太になんとなく貫禄すら感じる。そこへ、電話がいきなり鳴った。 - 149◆RevGiOKgRo22/09/16(金) 06:26:43
さらに続き
「ハイ、」
平太が受話器を取る。
『松田、いるか?!今すぐ来れるなら来てくれ!』
同僚の悲痛な叫びが耳元で響き、平太は思わず受話器から耳を遠ざける。
「今、ですか?」
『まあできれば今!』
「じゃあ住所教えてください」
メモを取り出し住所を書き留めると、平太は受話器を置いて、いそいそと準備をし始めた。
「すみません海賊さん、私また仕事入ったみたいです」
「うん、俺も聞こえてた」
それに聞こえていた住所はどうやら港の方だ。海難事故の可能性もあるかもしれない。もちろん港での事件かもしれないけど。
「俺も行く。海のことなら俺の方がよく知ってる」
「…まあ、いいですよ」
「お前今ちょっとめんどくさいって思っただろ」
「思ってないですよ」
キャップを被った平太の後ろを海賊がついていく。二人は急いで警察署を出た。
「あれ、車のキーどこにあったっけ」
「それはちゃんと管理しとけよ!」
この後、現場の検証素材を届けに二人仲良く科捜研に行くはめになったのは、多分偶然ではないだろう。
ほのぼのだと思う - 150二次元好きの匿名さん22/09/16(金) 07:17:18
今回のお話はほっこりで良かった
>>応対した男が電波過ぎて
誰のことだ…全員電波っちゃ電波で男だし…
- 151二次元好きの匿名さん22/09/16(金) 18:16:24
いつもSSの更新楽しみにしてます
誰が何の仕事してるのか少しずつ分かってくるのが楽しい - 152二次元好きの匿名さん22/09/16(金) 21:19:18
- 153二次元好きの匿名さん22/09/16(金) 21:48:34
いつもSSありがとう!にこにこしながら読みました
穏やかな空気感に週末の疲れがとれたような気がする - 154二次元好きの匿名さん22/09/17(土) 06:21:37
囚人たちが警察になったら割とちゃんと治安守れてそうなのなんかスゴいな
やればできるというか - 155二次元好きの匿名さん22/09/17(土) 14:38:58
平太師匠と海賊が楽しそうで何より
- 156◆yB7mChHoNw22/09/17(土) 18:31:56
基本的にギャグしか書けない奴がシリアスを書くとこうなる
警察犬リュウのいちにち
警察署には犬がいる。もちろんただの飼い犬ではない。犯罪や事件のため訓練された警察犬だ。その一匹が災害捜索犬のリュウ。ベテラン訓練士である警官、二瓶鉄造の相棒だ。
リュウの一日は長い。
朝五時。鑑識課のフロア近くで、リュウは二瓶と一緒に準備中だ。実は、警察犬およびその訓練士は所属としては捜査などを行うので鑑識課なのだ。それは置いといて。
「今日もいい天気だな!」
「ワン!」
やたらと声が大きい二瓶に負けず、大きな声で返事をするリュウ。犬舎で健康診断を行った後、朝のトレーニングをしていると、パタパタと誰かが入ってきた。
「おはよーございまーす…なんだあ二瓶さん先に来てたの?」
「おう」
同じく警察犬訓練士の警官、上ヱ地圭二だ。一瞬がっかりした顔をするが、さっさと犬舎の奥へ向かう。
「おはよー、ジロー」
「ワン」
一匹の犬を抱えてすぐに二瓶のところへ戻ってくる。麻薬探知犬のジローだ。一通り健康診断を終えると、上ヱ地はジローを床に降ろす。
「リュウもおはようね」
「ワン!」
リュウもジローもお互いを確認しあった後、それぞれの相棒の元へ戻る。
「上ヱ地、お前も体操入れ。やるぞ」
「はーい」
二瓶はラジオをつけると、リュウと一緒に体操を始めた。朝の始まりだ。
「1、2、勃起!2、2、勃起!」
「その掛け声やめてくんない?!」
続く - 157◆yB7mChHoNw22/09/17(土) 18:33:27
準備が終わったら、いよいよ仕事が始まる。朝七時。リュウの朝イチのお仕事は、小学生の通学路の見回り。
「あ、リュウくんだー!」
「ホントだ、リュウおはよう!」
近くの小学生であるチカパシとエノノカがリュウに手を振る。リュウも仲良しの友達を見て尻尾を振った。
「二瓶のおじさんもおはよう!」
「おう、気つけて行けよ!」
犯罪率が高いこの街で生きていく小学生もなかなか強かかつたくましい。ランドセルには通常の10倍音の出るように改造した防犯ブザーをつけて、幼稚園では護身術を習うという犯罪者にとってはオーバーキルな対策をとっているのだ。
「そろそろ帰るか」
小学生も減り、二瓶とリュウは歩いて警察署に戻った。
朝10時。朝礼を終わらせたらまたトレーニング。こうやって出動の時を待つのだ。暇で遊びに来た白石がリュウを撫でる。
「リュウの首回り手がどんどん沈んでくなー。モッフモフだぜ」
ウルル、とリュウがやめろと訴えてくる。
「おっと、ごめんごめん」
急いで手を離し、白石は謝る。
「鑑識は今日もいねーのな。今平太師匠と上ヱ地が麻薬捜査行ってるってよ。鈴川も潜入捜査中でさ」
「ここのところ事件が多いからな。特に薬物関係の。お前こそここにいていいのか?」
「今は俺休憩中。後で電話の当番あるけど」
「そうか」
するといきなり、二瓶の胸ポケットに入れてた携帯が鳴る。
「なんだ………ああ、…わかった」
一回耳から携帯を離すと、二瓶はリュウのリードを握った。
「呼び出しだ。行ってくる」
「あ、そう?いってらっしゃい」
白石も立ち上がって壁にかけた時計をみると、ゲッと顔をしかめた。
「やべっ、俺もう当番の時間じゃん!」
さっさと走って行った白石を一応見送る。リュウもリードを引っ張り部屋を出ようとした。
「さて行くか」
まだ続く - 158◆yB7mChHoNw22/09/17(土) 18:34:04
廊下に出ると、鑑識道具を抱えた平太とすれ違った。平太もリュウに気がついてスピードを落とす。
「こんにちは。今から仕事ですか」
「おう。さっきまで仕事か?」
「はい、さっきまで科捜研に…というか昨日から働き詰めで寝てないです」
「そりゃキツいな。寝てこい」
「そうします。リュウも頑張ってね」
平太と別れると、二瓶とリュウはパトカーに乗って現場に向かった。
「よう」
「おう、二瓶か」
先に現場に着いていた稲妻が呼びかけに振り向く。なんでも店に強盗が入ったとのことで、たくさんの警察や野次馬で辺りはごった返していた。
「犯人は現金や商品を根こそぎ持っていって車で逃走。店員も何人か死ななかったが襲われたって話だ」
「なんだってお前が居て犯人を逃がすなんてことないだろ」
「バカ言え。俺だって見失った後から追いかけるなんて芸当お銀相手以外は無理に決まってんだろ」
グチグチ言いながら稲妻は店の破れたガラス窓の近くへ行き、手袋をしたほうの手で何かを掴んだ。
「こいつが犯人が落としたもんだ。凶器もこれと見て間違いないだろ」
稲妻がしゃがみこんでリュウにそのハンマーを見せる。リュウはその臭いをかぐと、空中をキョロキョロと見回しはじめた。
「なんだ?」
「臭いの方角をたどっている。犬は賢いぞ?地面より空気の方が臭いを拾いやすいのをよくわかってる」
長いなこれ - 159◆yB7mChHoNw22/09/17(土) 18:35:32
ふいにリュウはある方向を向くと、それに向かってあるきだした。二瓶も稲妻も腰を上げてそれについていく。
「よし、リュウ。その方向に歩いていけ」
しばらく歩くと、店の前の大通りから、細い路地裏の方の道が見えてくる。その横には、雑に停められドアも開きっぱなしの車。
「どう頑張っても車が通れる隙間じゃねえな。車も多分盗車でバレるの防ぐため早めに乗り捨てて中身だけ取って逃げたか」
「小癪だが間抜けな奴よ。むしろ、リュウにとっちゃこっちが好都合だ」
そのとおり、リュウはさっきよりもスピードを上げて犯人の足跡をたどって行く。すると細い道を抜けて今度は小学生の通学路がある道に抜ける。
「危ねえな。まだ午前中で助かった」
「全くだ」
リュウの足はどんどん速くなっていく。それに伴い二人も早歩きから普通に走るようになる。いよいよ犯人が近いといわんばかりのダッシュを決めると、リュウは公園の植え込みの前で立ち止まった。
「よう、兄ちゃん。俺たちは網走警察のものだけどよ、ちょっと署まで来てくれねえか?」
なにかを抱え、息も切れ切れの男が驚きとか怯えとかそういうものが入り混じった顔で二人と一匹を見つめる。大人しく投降すると思ったその瞬間、男は更に奥へと逃げ出した。
「あっ待てこの野郎!」
続く - 160◆yB7mChHoNw22/09/17(土) 18:36:03
植え込みを飛び越えようとした稲妻より速く、リュウが飛び出す。そのまま器用に木をかいくぐり男の足に噛みつく。
「うわっ何だこの犬!」
男は足をブンブンと振りまくるが、リュウは離れようとしない。しまいに男は怒り出した。
「さっさと離れろ!」
「キャウ!」
足にしがみついたリュウを男が踏みつけ、思わず離れたリュウを蹴っ飛ばしてさらに逃走する。今度は持っていたものを全部落として、最高速で逃げ切ろうとしている。
「リュウ!あいつ、獣のエサになりたいのか!」
激昂した二瓶がリュウを抱えて吠える。リュウは骨こそ折れていないが痛そうな傷がある。
「おい待て!お前はリュウ見てろ!今のお前に追跡任せたら犯人が死ぬ!」
「あんなもん生かす価値もないだろ!」
「だとしても倫理的に警察が言ったらダメだろーが!」
ギャースカ二人が騒いでいるうちに、犯人は自転車に飛び乗り走り去ろうとする。それを見た稲妻が、リュウと二瓶を見てもう一度言う。
「ホントに今はお前リュウのこと見てろ!来るなよ殺すだろお前!」
そういって数十メートル離れた駐輪場へ飛び出す。目の前には爆走する犯人が乗った自転車。
「自転車ごときに、俺が追いつけない訳ねーだろ!」
ロケットのように稲妻はスピードを上げ、はるか前を走る自転車と並走し、遂に追い越した。すると即座に立ち止まり自転車のタイヤが通る部分に片足を出す。
「うわっ、」
それに引っかかり、自転車は男を乗せたまま前転宙返りをする。ガシャアンと自転車とともに落下した男を素早く稲妻は取り押さえる。
「やっぱ自転車遅かったな。右足噛まれて動かせなかったんだろ」
気絶寸前の男に後からやってきた二瓶が手錠をかける。
「…お前、ここが山じゃなくて命拾いしたな」
静かに言う二瓶の後ろで、リュウが元気に男に吠えかかる。すでに回復したようだ。
この時、男はもう何も言う元気が残っていなかった。
多分次でラスト - 161◆yB7mChHoNw22/09/17(土) 18:36:21
夕暮れの午後4時。といっても北海道は高緯度なのでまだ明るいが。
事件が解決し犯人の身柄を引き渡すと、稲妻は妻が待ってるとかなんとか言ってさっさと帰ってしまった。という訳で二瓶とリュウは一人と一匹で警察署に戻ってきたのだ。その入り口で、ばったり牛山と岩息に出くわした。
「よう二瓶。仕事帰りか?」
「ああ、お前らもか」
「そうですね、先程まで誘拐事件とやらでちょっとヤクザの事務所にお邪魔してました」
たはッ☆と笑みを浮かべる岩息の横で微妙な顔をする牛山。通りで。岩息のスーツはホコリとか諸々で汚いし、牛山も背広に掴まれた跡がある。この二人なら別に心配する必要もないだろう。
「おう牛山、お前なんでそんな萎えた顔してんだ。人質に怪我でもさせたか?」
「いや、事件自体は別になんともなんだが、その若山の奴人質を同姓同名の恋人と勘違いしてな、そいつがまた嫉妬深い奴でよ、後で報復しにきそうで…」
「あの若山も女房は怖いか。女ってのは、恐ろしいものだ。ぬははは!」
豪快に笑う二瓶に、牛山はさらに微妙な顔をする。
「いや女っつーか、まあ恋人らしいけどよ、いいやもう女で、うん」
夜。
犬舎でリュウは怪我を見てもらう。
「大丈夫そうだな。軽いものだ」
「ワン!」
「可哀想にね。その犯人リュウのこと蹴ったんだって?僕でも殺してたかも、ソイツ」
上ヱ地もジローをなでつつ見ない犯人に怒りを向ける。警察犬たちは、ここで夜を越す。その前に訓練士から一日を通して怪我や病気がないかチェックしてもらうのだ。
「今日ね、ジローは海外からの新しい麻薬を見つけて密輸入者も捕まえたんだ。すごいだろ?」
「それならリュウは蹴られても犯人に向かっていって犯人の足止めたぞ?」
褒められてほくほく顔のリュウとジローは、いつもなら駄々をこねて二人を足止めするところを、今日は大人しく自分から帰っていく。
「あれ、今日はもっとお利口さんだね。リュウもジローも」
「今日は疲れたんだろ。俺らも帰るぞ」
「おやすみー」
犬舎の扉が閉まり、リュウも寝っ転がる。
また明日も相棒と朝からお仕事だ。おやすみなさい。
おしまい - 162◆yB7mChHoNw22/09/17(土) 18:38:11
謝ります
テレグラフで書いたら段落の最初の子音と記号が重複される仕様になってて使いづらかったから普通にコピペしました
スレがどえらいことになっててすまん - 163◆RevGiOKgRo22/09/17(土) 18:42:38
よく見たらトリップの番号も変わってた
同一人物なのでご安心ください - 164二次元好きの匿名さん22/09/17(土) 21:00:31
お疲れ様
長いのかけるって尊敬する - 165二次元好きの匿名さん22/09/17(土) 23:44:22
リュウとジローもカワイイ!カワイイ!
警察やってても原作の価値観残ってるのいい - 166二次元好きの匿名さん22/09/17(土) 23:53:06
>1、2、勃起!2、2、勃起!
ここから声出して笑ってまともに読めない
ありそう好きすぎありがとう明日読む助けて
- 167二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 09:34:17
今出てる囚人まとめると
白石 巡査>>24
土方 警官(多分現役)>>99
牛山 警官(マル暴?)>>44
二瓶 警察犬訓練士・ハンドラー>>109
辺見 警官>>8
家永 監察医(科捜研)>>5
鈴川 捜査二課>>39
親分 マル暴>>34
姉畑 生物研究員(科捜研)>>17
都丹 特殊機動部隊(サイバー関係?)>>73
稲妻 警官(機動捜査隊)>>35
岩息 警官(マル暴?)>>9
用一郎 警官(現役)>>119
関谷 化学研究員(科捜研)>>49
平太 鑑識>>12
海賊 海上保安官>>38
上ヱ地 警察犬訓練士・ハンドラー>>14
ジャック 国際警察>>40
門倉 刑務所の看守>>102
後藤 警官>>74
津山 警官>>116
その他
ウイルク 捜査一課>>11
犬童 刑務所の所長>>108
熊岸 似顔絵捜査官>>73
鶴見 公安>>107
アシリパさん 近所の小学生>>55
- 168二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 09:37:00
- 169二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 13:52:51
保守
ssもイラストも待ってるぞ - 170二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 18:59:32
ここの絵もssも良質だから見ていて癒やされる
ところでss師さんって全部同一人物? - 171◆RevGiOKgRo22/09/18(日) 20:49:29
- 172二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 21:46:09
一人であの量書いてるのか…
- 173二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 05:33:37
保守
- 174◆RevGiOKgRo22/09/19(月) 11:14:41
SSかけた
久しぶりに科捜研(関谷)と門倉
毎度おなじみ科捜研にて。
コンコンと門倉がドアを叩く。すると十秒もしないうちに内側からドアが開いた。何度かみぞおちにドアノブが直撃したことのある門倉はサッと横へ避けた。
「………チッ」
「ひどくね?なんで開口一番俺舌打ちされなきゃいけないの?」
ドアを開けたのは関谷。普段包丁で殺されかけても眉一つ動かさないくせに、今日に限っては露骨に嫌そうな顔をしている。
「…どうぞ」
「…はい、お邪魔します」
気まずいながらも仕事だ。門倉は何回も見たことのある応接間に通され、ソファに座る。
「あれ、今日いつもの二人は?」
「姉畑は別件で捜査中。家永は病院で検死」
「そう」
「待ってろ」
そう言って関谷は給湯室に入る。どうせロクでもないもん入れるんだろうなー、と思いつつ門倉は大人しく待つ。程なくして関谷が湯呑みを2つ持ってやってきた。
「どちらか選べ。俺も中身は知らん」
「えー…じゃあこっち」
迷っててもしょうがない。門倉は一つ取って口をつける。
「ゔあああ!…オエッ」
案の定、門倉は吐き出した。気管に入りむせつつも、じっと黙って見ている関谷の方に顔を上げる。
「お前ッ…今度は何入れやがった!」
「塩」
「し、塩ってお前…緑茶に?」
科捜研ってのは、まったく。
門倉はため息をつくのを心の中だけにしておいた。警察の方にも変態変人奇人は多いが、科捜研はまさにその上澄みみたいな奴らだ。行動原理が本気で読めないし、頭は無駄にいい。
門倉はどっかりとソファに座り直す。関谷も反対側に座る。
「ったく、なんでお前は俺のことそんなに嫌ってるわけ?」
続く - 175◆RevGiOKgRo22/09/19(月) 11:17:08
「運の分配バランスを狂わせている。論理的にありえない。あと個人的な怒り」
「全部個人的な怒りじゃねえの」
適当に返せば、関谷はさらに眉間にシワを寄せる。それをみて門倉はいそいで取りつくろった。
「ああ、悪い悪い…まあ最後のは俺が悪かったよ」
数年前、また別件でお邪魔していた門倉は、荒ぶる姉畑を押さえつけ、家永をなだめすかす関谷をみて、冗談混じりで言ってしまったのだ。
『なんか、お父さんみたいだな、お前』
これが見事に地雷を踏み抜いてしまったらしい。的確に厄介なやつの地雷を踏み抜くのは、我ながらとんでもない凶運というか、自分の不注意というか。
まあとにかくこれが決定的に関谷に嫌われる要因となってしまったのだ。
「…それで、今日は何しに来た」
「えーっとな、服役してるやつらの精神鑑定を頼みたくて」
「……」
その依頼に黙り込む関谷。
「…あの」
「…俺が行くのか?」
「ま、まあ」
現時点で心理学の専門を持っているのは関谷のみである。したがって精神鑑定ができるのも彼だけだ。
「…で、行ってくれんの?」
続く - 176◆RevGiOKgRo22/09/19(月) 11:18:04
「…仕事だ。それに、これもまた何か神が与えた試練…いや裁きか」
「俺のこととことん嫌いだろ。嫌い過ぎだろ」
まあ了承してくれたし、ととりあえず日時と場所を書こうとペンを取り出す。しかし、こういうときに限ってペンがカッスカスだ。
「あ、あれ?昨日まで使えてたのに…」
「…」
関谷が仕方なく胸ポケットから万年筆をとりだして門倉に手渡す。
「お、ありがとう」
カリカリと書いたあと紙と万年筆を返す。これで門倉の仕事は終わりだ。
「そういえば、やっぱり囚人にも精神鑑定って必要なの?」
「必要に決まってるだろ。ただでさえ閉鎖空間だ。その中で一週間でも過ごしてみろ、並の人間ならどこかしらに異常が出る。それに、麻薬をやっている服役者が多すぎる。あんなの精神状態にモロに影響するぞ。罪を償う場所で、まともに動けもしない、じゃ刑務所としてなりたたないだろ。アンタ勤務して何年だ?」
「えー、七年かなあ」
最大限の皮肉にのらりくらり答える門倉に、ピク、と関谷は目の下あたりの筋肉が引きつるのを感じた。
小心で昼行灯のくせに強心臓。情けないのに貫禄があって飄々している。なぜこんなのが神に愛されているのか、本当にわからない。いや、愛されてはいなさそうにしても、なぜこんなに構われているのか。
「まあ、なんとなく分かったぜ。そりゃストレス溜めるように設計されてんだもんな」
「それと、アンタは生涯気にしなくていいだろうが、刑務官のメンタルチェックも定期的に行っておけ。囚人によく思われていない職だ。気づかないうちに溜まっていくぞ」
「検討しておく」
そう言うと、門倉は腰を上げた。
続く - 177◆RevGiOKgRo22/09/19(月) 11:19:38
「俺はそろそろ行くわ。あと五分でバスが来る。なかなかこねえんだ」
「ああ、そうか。せいぜい死ぬなよ」
「いちいち一言多いんだよ!お前は!」
関谷と門倉は廊下に出る。
「いっつも思うけどよ、なんで毎回応対が関谷、お前なんだよ」
「こっちが知りたい。神はなにを考えているのか…」
門倉を警察署の入り口まで見送り、関谷はまた科捜研に戻り、さっきの日時をパソコンに打ち込んで行く。五分もたたないうちにバタバタと足音が近づいてガチャリとドアが開いた。
「…門倉さん、アンタの5分は何分あるんだ」
「ち、違…財布わすれた!」
「は?」
息切れしながら答えた門倉に、関谷は何回目かわからない呆れた表情を見せた。
「あ、あったあった。…けど、こりゃ遅刻確定だな」
ソファの下に落ちていた財布をカバンに入れると、門倉は「じゃ」といって出ていった。
なんなんだ全く。
改めてまた画面に向かおうとすると、3分くらいしてまたドアが開く音がした。
「だから何回ッ……!…なんだ、帰ってきてたのか」
「おや、ずいぶんと荒れてますね。大方、門倉さんでも訪問されていたのでしょう」
はいってきたのは門倉ではなく姉畑。関谷は一度上げた腰を椅子に落ち着けた。
「……精神鑑定の依頼で今度刑務所まで行く」
「あらら、それは大変ですねえ」
たいして大変そうだと同情する気もなさそうな姉畑の返事が帰ってくる。
次でラスト - 178◆RevGiOKgRo22/09/19(月) 11:20:32
「アンゴラウサギでも連れてきましょうか?」
「やめてくれ」
ため息混じりでパソコンを使う関谷を姉畑はじっと見る。
「…門倉さんのことがずいぶんお嫌いなようで」
「運のバランスがおかしい。…あの失言も、今思えばそうとしか言えないタイミングだ」
いつもより不機嫌さを隠さない。姉畑は、今日の資料をめくりながら言った。
「門倉さんも中々運が悪いそうですが、あなたも大概ですねえ」
「いや、俺は門倉…さんの運が悪いと言ったわけでは…」
「大変です!」
最後まで言い切らせず家永がドアを勢いよく開けて飛び込んで来る。
「あ、おかえりなさい」
姉畑の声も無視して家永はここ数ヶ月触ってすらいなかったテレビをつける。映ったのはバスが事故を起こしたというニュース。たしかあれは、刑務所の近くに行くからと門倉が乗っていたのと同じ路線だ。
『──時──分、─にて、事故が起こりました。けが人などの情報は──』
「あらら、これは酷い…」
「ビックリしたんですよ!帰ろうとしたら黒煙上がってて!」
ふと関谷は電卓を取り出してテレビを見る。事故が起こった場所はそう遠くない。その場所から所要時間を逆算し、ここを出発した時刻を割り出す。カチャ、と音がして数字が表示された。ちょうどここで財布がないと騒いでいた時刻だ。
「…全く…だから嫌いなんだ」
無駄に心配はかけさせておいて本人はちゃっかり無傷。今だってバスが遅延して「えー、また遅れんの?」くらいのノリでバス停にいるだろう。
「……」
とりあえず、来週また顔を合わせなくてはいけない。そのことに、関谷は今日一番のため息をついた。
友人に校正頼んだらこれBL?って言われた
んなわけねーだろってキレてしまった - 179二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 11:29:08
お疲れ様
関谷の発言がいちいち皮肉効いてて好き - 180二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 11:33:42
お疲れさまでした!面白かった
互いに自覚ないまま終わったけど、確実に天敵というかなんというかだよな関谷と門倉は
実際門倉が助かったのを知ったらどんな反応したのかは気になるところ - 181二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 11:35:48
ssが面白いのはもちろん、最後の友人の一言で笑ってしまった
- 182二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 11:36:29
こんなにたくさん読めるとはなんて贅沢な連休なんだ!ありがとうございます
この世界線でも娘に何かあったのは辛い
門倉と関谷はいろいろ絶妙な噛み合い方してるからな…そう考えると御友人の言うことも…いや…うーん? - 183二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 11:53:40
最後の関谷さん、普通に心配してたのかただ運が見たかっただけなのか…
ご友人の言ったこともそこで分かって…くるかなあ - 184二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 12:56:39
面白かった!確かに凶運って関谷的には扱いにほんと困るよなあ
- 185二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 18:17:57
関谷が日常的に万年筆使ってるのおしゃれ
あとストレートに緑茶に塩入れてくるのは普通にまずそうで笑う - 186二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 22:06:35
読み返したらちょくちょく他のSSと話繋がってるのわかって感動してる
- 187二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 00:52:30
このレスは削除されています
- 188二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 01:17:48
- 189二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 05:31:46
- 190二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 07:48:39
保守
神絵も神SSも見れるすごい贅沢なスレ
どちらもキャラの解像度が凄まじい - 191二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 18:57:53
- 192◆RevGiOKgRo22/09/20(火) 19:23:36
残りレスも少ないので、SSもこれが最後かな
チョッキを着る。胸ポケットに手帳を挟む。
警察署のドアを開ける。
「おっはよーございまーす!」
「白石。今日はやけに上機嫌だな」
「どうせ昨日競馬で当てたんだろ」
すでに自分のデスクに座っていた土方が少し驚いたような顔をすれば、隣にいた牛山がつまらなさそうに吐き捨てる。そんな事意に介さず白石は鼻歌混じりで席につこうとする。
「おはようございます」
「わ゛ーー?!辺見ちゃん、いるなら言って!」
さりげなく背後にいた辺見に白石は分かりやすくリアクションをとる。辺見はにこにこ笑いながら話を続けてくる。
「今日はどんなことがあるんでしょうかね。例えば、包丁でめった刺しとか?他にはトラックで…」
「やめろ辺見。警察が不謹慎だぞ」
「むしろ今まで不謹慎じゃない事あったか?」
向かいで妻と連絡をとっていた稲妻が辺見を制した土方にツッコむ。警察としてアウトな発言ばかり飛び交うこの部署で、不謹慎だなんだいうのは今更ヤボだ。大人しく辺見がしゃべるのをやめた途端、ドアが跳ね返る勢いで開く。
「おはようございます」
「もう少し静かに開けろ。穴開ける気か?」
入ってきたのは岩息。早速というかなんというか、すでにスーツがうす汚れている。普段からバディを組んでいる牛山は特に気にしていないが周りは呆れたような、怪訝な顔をしている。
「喧嘩してきたのか」
「ええ、混ぜてもらった、が正しいですね。鼻血が出ない程度なのでご安心を」
「朝からお前は…」
続く - 193◆RevGiOKgRo22/09/20(火) 19:24:05
「どうも」
続けて1人入ってくる。左右対称にホクロの入った、やけにキラキラした目の男。
「「「誰?!」」」
牛山、白石、稲妻が声を揃える。辺見と岩息は全く思い出せないのか顔を見合わせている。男は思いだしたように言った。
「俺だよ、鈴川」
「あ、ああなんだ」
「びっくりさせんなよ」
「いや別に驚かそうとした訳じゃ…」
「うるせーぞお前ら!今何時だと思ってんだ!」
奥の部屋から都丹が出てくる。それに気づいた鈴川がカバンから書類を取り出す。
「ちょうどいいところに。これ例の件の…財政とか色々」
「悪いな。今から小樽に戻んのか?」
「まあ行きしなに寄っただけだ。ちょっと遅れるくらい、なんでもない」
そう言って鈴川は書類を渡すと出ていった。また室内が静かになる。
「あれ、若山は?」
「今日休むだとよ」
「そうか」
そう言って土方がおもむろに立ち上がる。
「揃った事だ。朝礼始めるぞ」
「はーい」
白石もデスクから立つ。
今日も犯罪者より危ない曲者たちと、ハードな一日が始める。
最後まで読んでくださりありがとうございました - 194二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 20:53:36
おつかれ様でした!
最後に鈴川が来てくれるとは… - 195二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 20:54:03
次スレいる?
- 196二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 21:15:10
完走しそうだね
お疲れ様でした! - 197二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 05:40:25
面白かったです
お疲れ様でした - 198二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 09:07:21
いい締め
面白かった - 199二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 11:45:43
最初は与太話として書き込んだけどそれをssや絵に仕上げてくださった方々に感謝…
面白かった - 200二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 12:44:11
200ならpart2始動…するかも