ここだけさくらが大二に恋している世界 2

  • 1二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 23:35:02
  • 2二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 23:35:41

    前スレでは
    友達に大二のこと好きなんだね言われたり、大二が兄でなかったらどう思うと問われたりして、戸惑ったさくらが「大ちゃんは何があっても私のお兄ちゃん!」で落着
    〈第一部 完〉っぽく〆れたので、このスレは第二部ということで…

  • 3二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 23:37:07

    ※注意※
    ・さくらは大二を好きなこと現時点で自覚なし
    ・大二はさくらのこと妹と思っている(それ以上の感情はない)
    ・一彩(一輝✕彩夏)要素あり

  • 4二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 23:38:43

     さくらは兄ふたりと幼馴染の彩夏と夏祭りに来ている。

     しばらくは4人で屋台巡りをしていたが、人波に流されて逸れそうになるさくら。
     追いかけようとして…
     ぷつん――鼻緒が切れた。
     「痛っ」
     素足で下駄を履いていたものだから指も擦れたらしい。
    人混みにのまれ、一輝達の後ろ姿が遠ざかっていく。
     「待って…」
     喧騒にさくらの声は掻き消され、見えなくなる、その瞬間…
     「さくら!」
     声が、した。
     「…大ちゃん」

  • 5二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 23:39:06

     「どうした?」
     「鼻緒が切れて…」
     「怪我は?」
     「足の指がちょっと擦れてる」
     「見せて」
     言われるまま足指を見せる。
     「血は出てないみたいだな…
      そしたら…下駄、貸して」
     下駄を渡すと、大二はハンカチを捻って紐状にし、それを太い緒の中央部分をくくりつけ、下駄の前方真ん中にある穴へ通し結んだ。
     「履いてみて、痛くないか?」
     「…う、うん。痛くないよ」
     「取り敢えずの対処だから、後で専門の人にちゃんと挿げ替えてもらえよ」
     「わかった。大ちゃん、ありがとう」
     「……歩けるか?」
     「…うん、大丈夫」
     「兄ちゃんと彩夏には先に行っててって言ってあるから」
     「ごめんね」
     「いいよ気にしなくて。
      それより、どうする?家に帰るか?」
     「やだ」
     「…やだ、って…」
     「楽しみにしてたんだもん!
      足 痛くないし歩けるから、平気!行こう、大ちゃん!!」
     「……わかったよ」
     大二とふたりで縁日を行く。

  • 6二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 23:39:45

     「あ、かき氷!食べたい」
     「買ってくるから、ここで待って ―― 「私も並ぶ。何味か自分で選びたいし」
     (さくらはブルーハワイだろ)

     「ブルーハワイ2つください!
      大ちゃんもブルーハワイでいいよね?」
     「(やっぱりブルーハワイじゃん…俺の分、勝手に注文してるし…まぁブルーハワイ頼むつもりでいたから別にいいんだけど)あ、あぁ…」
     「お客さん、すみません…
      ブルーハワイは人気で、残りがもう…お一人様分しかないんですが…」
     「えー」
     「わかりました。
      それじゃあ…ブルーハワイ1つとイチゴ1つでお願いします」
     大二が注文し直す。

     「はい」
     大二にブルーハワイを渡される。
     「いいの?私がこっちで」
     「偶にはイチゴ味もいいかなって…」
     (大ちゃん…)
     こういうところなのだ。…大二のやさしさは。
     「いただきます(*^^*)」
     大二の気遣い、無碍にはしない。遠慮なく食べる。
     半分ぐらい食べたところで
     「ん」
     大二に差し出す。
     「そっちもちょうだい!交換しよ!」
     「いいけど…」
     「2種類 食べたら美味しさ2倍じゃん!」
     「…そうだな…」
     お腹も心も満たされ、笑みが溢れるさくら。

  • 7二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 23:40:52

     食べ終わったかき氷のカップとスプーンを捨ててくると露店の脇にあるゴミ箱へ行った大二を待っていると…
     「ねェ、君…一人?」
     明らかに、ナンパ。
     「いえ」
     「彼氏と一緒に来たの?」
     「違いますけど」
     「だったら、オレと遊ばない?」
     「待ってるんで!」
     「いいじゃんいいじゃん!彼氏じゃないんだろ?」
     空手でどうにかしようと考えるも、浴衣を着ているので動きにくい。
     「なぁ、行こうぜ!!」
     腕を掴まれる。連れて行かれそうになった、そのとき――
     「俺の妹に何の用?」
     大二がさくらの腕を掴んでいる男の手を振り落とす。
     「妹?チッ…兄貴と来るとかガキかよ…っ」
     男は捨て台詞を吐いて立ち去った。

  • 8二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 23:45:02

     「さくら、大丈夫か?」
     「うん。
      大ちゃん、いまの…少女漫画でよくあるやつ!」
     「は?」
     「『俺のカノジョに何の用?!』って、主人公の女の子がナンパ男に絡まれてるとこ助けるシーンみたいだった!!」
     「さくらは妹だろ」
     「うん、だから『俺の妹に何の用?』で合ってるよ」
     「あーそう…」
     「! じゃあさ、次からは…『俺の連れに何の用?』と言えばいいんだよ!連れは家族にも友達にも使えるから!」
     「そ、そうか…
      (ん…?『次からは』って…先刻みたいなことがまたあると…?もう、さくらがあんな目に遭っているところ見たくない…)
      さくら、俺から離れるなよ」
     「うん!」

     最後の会話、傍から見るとカップルである…が、ふたりともそういうつもりはない。

  • 9二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 23:45:19

     「大ちゃん、そろそろ花火の時間!私、いいスポット知ってるんだー!行こ行こ!」
     大二の手を引く。

     「…本当にいい場所だ…よく見つけたな」
     「クラスの男子が教えてくれた」
     「え… その彼、さくらと行きたかったんじゃないのか?」
     「うーん…一緒に行かないかって言われたけど、断った」
     「なんで?」
     「一輝兄達と行くの、前から決まってたじゃん」
     「それでも、クラスの子と行くならそう言ってくれれば… ―― 「大ちゃんは?」
     「?」
     「私がその男の子と行くって行ったら…大ちゃんはどうしてた?」
     「来ないよこの夏祭りには。
      兄ちゃんと彩夏の邪魔も、さくらとクラスの彼の邪魔も、俺はしないよ」
     「ほーら!大ちゃんならそうすると思った…私はそれが厭だったの!」
     「??」
     「大ちゃん、ずっと大変だったでしょ?ブルーバード発足の準備で…。
      だから、息抜きしてほしかったの!!
      彩夏ちゃんも更生施設を出たんだから、夏の思い出 作ってほしかったし…」
     (そういうことか…)
     さくらの気持ちを汲んで楽しもうと大二は思う。
     「ありがとう、さくら」

  • 10二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 23:45:56

     「花火、綺麗だったね」
     「あぁ」
     「大二!さくら!」
     「兄ちゃん」「一輝兄」
     ここで、一輝・彩夏と合流。
     「ふたりもここで花火 見たんだー?」
     「一輝くんがいい場所 知っているって連れて来てくれたの」
     「ふーん…一輝兄、リサーチしてたんだ〜(・∀・)ニヤニヤ」
     「…そ、それより!ふたりとも何してたんだ?!心配したんだぞ!」
     「あーそれは…(鼻緒が切れて足の指 擦ったなんて言えない…)」
     「さくらが、かき氷 食べたいって言うからさ」
     「ちょっと!大ちゃん!」
     「ふふ」
     「でもまぁ無事で良かったよ」

  • 11二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 23:50:04

     帰り道。
     「一輝兄、彩夏ちゃんを家まで送ってあげなよ」
     「お、おう…(いいのかな…)」
     一輝はドキドキしながら彩夏の方を窺う。
     「……お願いしようかな」
     「…っ、あぁ、勿論…」
     彩夏の家へ続く分かれ道、
     「じゃあね、彩夏ちゃん!」
     「うん、またね。さくらちゃん」
     「彩夏、おやすみ」
     「おやすみ、大二くん」
     彩夏と彩夏に付き添う一輝に手を振って、

     さくらは大二と夜道を歩く。
     「兄ちゃんに気づかれなくてよかったな…足の指が擦れてること」
     大二が、ぽつり。

     それでさくらは、そういうことか、と気が付く。
     先刻、大二が一輝達に「さくらが、かき氷 食べたいって言うからさ」と暴露したのは…――下駄の鼻緒が切れてさくらの足の指が擦れていることを一輝に知られない為。
     だって、指が擦れたと知ったら…一輝兄、おんぶするぞ!とか言い出し兼ねない…そんなの恥ずかしい…
     だから、だ。だから大二は、一輝が何してたんだ?!と訊いてきたとき、さくらがかき氷を食べたいと言ったと返して、長兄のそれ以上の追及を躱すことにしたのだろう。

  • 12二次元好きの匿名さん22/08/31(水) 23:50:37

     「足は大丈夫か」
     「…ちょっと…痛い…」
     問われて、急に痛み出した。
     大二が、少し眉根を寄せる。
     「さっきまでは楽しくて痛くなかったんだけど…」
     「いまになって、痛みを感じる…と?」
     「うん…」
     「歩けるか?」
     「……なんとか…でも、」
     「ん?」
     「手、繋いでもいい?」
     「?!」
     この年になって妹と手を繋ぐのはどうなんだ…そう思い掛け、暗いし…まぁいいかと、大二はさくらに手を差し伸べる。
     さくらは自分に伸ばされた大二の手に拒否されなかったと安堵して、その手を摑む。
     
     ―――小さいときはこんなふうに大ちゃんと手を繋いで家まで帰ってたなぁ…

     繋がれた手は、小さい頃と同じように、あたたかくて…幸せな気持ちになるさくら。

     空には満天の星が輝いていた―――。

  • 13二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 09:50:30

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  • 14二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 18:06:42

    甘酸っぱい…

  • 15二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 19:19:19

    自覚なくてこれだと自覚したらどうなるんだ…

  • 16二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 20:00:01

    「俺から離れるなよ」と素で言う大二…天然たらしでは…?

  • 17二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 21:19:00

    >>15 >>16

    さくらは思春期だから自覚したら恥ずかしさで大二の顔もまともに見れなくなって気まずくなるのじゃないかなと思っている

    大二は自覚するも何もさくらのこと妹と思っているので…

    尚、その妹に対して天然たらしの模様

  • 18二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 01:35:31

    >>17

    自覚したら気まずくて顔も合わせられなくて、同じ家に住んでるのに避けまくるんだろうな

    自室で「あんな態度取ったら大ちゃんに変なふうに思われる!」ってジタバタするさくらと、「なんか…嫌われた…?」って凹む大二

  • 19二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 02:17:00

    大さく(大←さく)、いいよね…

  • 20二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 12:43:01

    ほしゅ

  • 21二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 12:55:19

    兄ちゃん(一輝)みたいなタイプがさくらは好きなんだと思っている大二(一輝に恋しているとまでは思っていない)
    大二が――大ちゃんみたいなタイプでなく大二が好きなさくら(大二に恋しているのはさくら自身も気づいていない)

  • 22二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 00:19:00

     夏祭りの翌日、さくらは大二と履物屋に来ている。――下駄の鼻緒を挿げ替えてもらう為である。取り敢えずの対処をした大二も同行している。
     挿げ替えが完了するまでさくらは店内を見て回る。…と、‘ある’物に目が止まった。
     挿げ替えが済んだ。
     会計の際、これも、と言って、目に止まった、その‘ある’物を買う。
     鼻緒の挿げ替えをした下駄と‘その’商品を手渡されるとき、履物屋の女将に耳打ちされる。
     「彼氏さん、カッコいいですね」
     女将の視線の先には…――店の隅に佇んでいる大二の姿。
     「違います。彼氏じゃなくて…兄です」
     そう答えれば
     「付き合ってくれるなんて…優しいお兄さんですね」
    と返される。
     大二のことを優しい兄と言われ、満更でないさくら、
     「だから、これ…兄にお礼をって…」
     笑みが溢れる。
     修理と買い物を終え(挿げ替え代はママさんから貰っているが大二へのお礼の品は自腹)、さくらは大二と共に履物屋を後にした。

  • 23二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 00:20:15

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  • 24二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 00:22:00

     「大ちゃん、お待たせ〜」
     「直ってよかったな」
     「うん。
      大ちゃん、これ」
     はい、と大二に差し出す。
     「??」
     不思議そうな表情をしながらも受け取る大二。
     「鼻緒の応急処置で大ちゃんのハンカチ、だめになっちゃったでしょ?」
     「そんなの気にすることじゃ…」
     「今日も付き合ってくれたし。お礼」
     包装を開けると、矢絣のハンカチ。
     「ありがとう」
     有り難く貰うことにする大二。

     「大ちゃん、ごはんどうする?どっか食べに行く?」
     「いや、家で食べるよ」
     「あ、そっか、大ちゃん新しい組織づくりでずっと働き詰めだったもんね、久し振りに帰ってきたんだから家のごはんが食べたいよね」
     「…あぁ」
     「じゃあ…私、頑張る!」
     「ん?」
     「今日は私がごはん作る!」
     「さくら?!」

  • 25二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 00:25:00

     その日の夕飯は、さくら手製―ママさんに教えてもらいながら―のカレー。
     「はい、どうぞ」
     『カレーか!大二、代われ』
     「だーめ!これは大ちゃんに作ったんだから!!カゲちゃんのじゃない!」
     「…カゲロウ、後で代わるから。最初は俺が食べる」
     『チッ』「大ちゃん!」
     「ごめん、さくら…。あいつ…食べたがっているから」
     「(あんなに嫌ってた悪魔にも優しいんだから、もう…)しょうがないなぁ」
     「いただきます」
     手を合わせて、大二はカレーを一口。
     「どう?」
     大二の口に合うだろうか…――ドキドキする。
     「おいしい」
     「ほんとぉ?」
     「うん、おいしいよ」
     ―――よかったぁ…
     『大二ィ、早く代われ』
     「はいはい」
     大二の頭がガクッとなり。顔を挙げると…
     「いただくぜ」
     カゲロウはぱくりとカレーを口に入れる。
     「……足りねェな…刺激がよぉ」
     「言ったでしょ、大ちゃんの為に作ったって。
      ママに聞いて、大ちゃん好みの味付けにしているの」
     「ケッ お子さま舌の大二に合わせたのか…。
      おい、大二…あとはおまえが食べろ」
     カゲロウは意識の底へ。
     「本当に勝手だな」
     大二は身勝手な片割れの悪魔に呆れる。
     そして、さくらが作ってくれたカレーを再び食べ始める。

  • 26二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 00:25:19

     「ごちそうさま」
     大二が完食するのを見て、さくらはホッとする。
     「おいしかった。ありがとう、さくら」
     「こっちこそ…昨日・今日とありがとね」
     食べ終わった皿を台所まで運ぶ大二。
     「あ、後片付けはいいよ。大ちゃん、明日の朝早く出勤でしょ?」
     「そうなんだ。ブルーバードが無事に発足したから、次は寮室の荷解きをしないと」
     「だったら、お風呂に入って寝たら?」
     「そうさせてもらうよ」

  • 27二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 00:25:50

    このレスは削除されています

  • 28二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 00:50:55

    保守

  • 29二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 02:19:03

     風呂から上がった大二は冷蔵庫に‘アレ’があるのを思い出し、ダイニングへ向かう。

     幸い、さくらはまだそこにいて。妹に話し掛ける。
     「さくら、プリン食べるか?」
     「食べる!やったー!大ちゃん、買ってきてくれてたの?」
     「……家に帰ってくる途中で、食べたくなってさ」
     「あーはいはい、私の為に、でないのはわかってますー」
     「あ、いや…
      そういう訳でもないんだけど…(小声)」
     「兎に角、食べようよー」
     「あ、あぁ」

     さくらは冷蔵庫を開ける。庫内にはプリンが5つ。…これは、どう考えても…
     パパ・ママ・一輝兄・大ちゃん・私…――家族5人分。

     「大ちゃん、食べよ!」
     ふたりでひとつずつ食べる。おいしい。
     「おいしいね」
     「そうだな」

     こうして、
     今夜もやさしい時間が過ぎていく―――。

  • 30二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 14:04:02

    フェニックスの時は大二はしあわせ湯に住んでなかったっぽいけど
    (製作発表の時にさくらが「大ちゃん久しぶり」って言ってるし)
    またいずれブルーバードの寮かなにかに入るのかな
    だとしたら、さくらは寂しがるだろうな

  • 31二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 14:19:01

    デートだこれ…

  • 32二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 19:17:00

    >>30

    だから大二が偶に家に帰ってくるのを密かに楽しみにしているんだ…

  • 33二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 19:19:17

    >>31

    夏祭りはダブルデート

  • 34二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 01:08:37

    >>25

    カゲロウも大二の悪魔だけあって、鈍いんだろうか

  • 35二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 10:00:00

    >>34

    さくらの大二への無自覚な想いを勘付いていても、宿主と同じくそういうのに鈍感で気づいてなくても、どっちでもおいしい

  • 36二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 10:05:01

    このレスは削除されています

  • 37二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 19:17:17

     新学期、さくらと友達のおしゃべり中の一コマ。

     「そういえば…さくら、彼氏できた?」
     「ううん、いないよ」
     「あれ?そうなの?
      この前、ほらお兄さん達と行くからうちらとは行けないって言ってた夏祭りで、さくらが男の人といるとこ見たよ」
     友人Aは一緒に行った友人Bに、見たよね?と話を振る。
     「うん、見た見た!大二お兄さんによく似た人だった!」
     ねー、と盛り上がる友人ふたりに、さくらは「大ちゃんだよ」と返す。
     「‘その’夏祭り、大ちゃんと回った。だから、大ちゃんによく似た人.じゃなくて…大ちゃん」
     「「え」」
     「一輝兄と大ちゃんと幼馴染と私の4人で行ったんだけど、人が多くて途中はぐれちゃって…
      そっからは大ちゃんと…。
      祭りの最後の花火を見終わって一輝兄達と再会したけど」
     「………」
     「……そ、そうなんだ…」
     「?どうしたの?ふたりとも?」
     微妙な表情をしている友人達にさくらは首を傾げる。

  • 38二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 19:17:58

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  • 39二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 19:19:10

     「……いやさ、」
     なんとなく歯切れ悪い友人。もうひとりの友人がこう続ける。
     「その人…さくらに『俺から離れるなよ』って言ってなかった?
      それ聞いて、私達はてっきり…」
     「そうそう。さくらも、うん!ってにっこにこだったし」
     あれは付き合いたてのカップルの空気感…と友人達は思う。
     「だって嬉しかったし!」
     「「?!」」
     笑顔で応えるさくらに友人達は少々困惑。
     「見るからにチャラそうな男にナンパされてるとこを、大ちゃんが『俺の妹に何の用?』って言って追っ払ってくれたの。
      少女漫画でよくある、ナンパ男に絡まれた主人公を『俺のカノジョに何の用?!』って助けるシーンみたいでさ!大ちゃんにそれ言ったら『さくらは妹だろ』とズレた返事されたけど…大ちゃん、そういうのに疎いんだよねー
     だから、そんな大ちゃんに合わせて、次からは『俺の連れに何の用?』と言えばいい、連れは家族にも友達にも使えるから.と言ってみたんだけど…そしたら、大ちゃん…『さくら、俺から離れるなよ』って…。
     大ちゃんがどうしてそんなこと言ったのかはわからないけれど…嬉しかったから…うん!って頷いたんだー」
     ((お、おう…))
     一気に言葉が降ってきて、戸惑う友人達。
     (なにを聞かされているんだ…)
     (これ、惚気では…?)
     ((大二お兄さんって…もしかして…天然…??))
     「大ちゃんを好きになったら大変だよねー大ちゃん鈍感だから」
     「「そ、そだねー…」」

     もうなんと言えばいいかわからなくなる友人達であった―――。

  • 40二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 02:17:00

    保守

  • 41二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 12:15:03

    このレスは削除されています

  • 42二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 22:18:00

  • 43二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 22:18:18

  • 44二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 22:18:29

  • 45二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 22:19:00

    大二の「さくらは妹だろ」をズレた返事と判定できるのに、大二が「俺の妹に何の用?」とナンパ男を追っ払ったのを少女漫画でよくあるやつと言う自分はズレてると思わないのか…さくらよ…
    しかも、大二に「俺から離れるなよ」言われて嬉しかった て…

  • 46二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 10:06:10

    ほす

  • 47二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 10:10:00

    大二の為にカレー作る…しかも大ちゃん好みの味付け…さくらデレデレじゃん…
    大二も大二で「おいしいよ」って…さくらの手料理を照れずに褒めるし…
    この兄妹なんなの…かわいい

  • 48二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 22:00:00

    さくらが自覚してないからか今のところ仲イイねって微笑ましい感じだけどこのまま兄離れしないでいるとどうなるんだろ

  • 49二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 09:17:03

    保守

  • 50二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 09:38:59

    >>48

    無自覚イチャイチャが続く

  • 51二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 21:00:18

    ビヨジェネ久々に見たら「大ちゃんが心配」と未来についていくさくら
    このスレ見るまでは、そこまで何も思わなかったシーンなのに

  • 52二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 21:19:19

    ※注意※
    ・大二と花の仲を勘繰るさくら(さくらの思い過ごし)
    ・ほんのり玉置→花の描写あり

  • 53二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 21:21:55

     「ねぇさくら…大二お兄さん、彼女いるの?」
     「へ?大ちゃんからは聞いてないけど」
     友人に質問されてさくらは少し驚く。――大二は真面目である、恋人ができたなら家族に話すはずだ。
     「いやさ、昨日ツイのTLで流れてきたんだけど…」
     そう言って友人が見せてきたのは、とある女子高生のツイート。大二に逢いに行って一緒に写真撮ってと頼んだら断られたその後工事現場の人みたいなダサい格好した女子と談笑していてあんなのがカノジョなんて…といった内容の投稿だった。
     「なにこれ?!」
     「だよね?!私もそう思って、さくらに聞いてみた」
     
     工事現場の人みたいな格好した女の子ねぇ…――うーん、と腕を組んで考えるさくら。
     そして、ひとり、思い浮かぶ。
     ―――花…?

     「ちょっと聞いてみるね」
     さくらは友人にそう返して、話を終わらせる。

  • 54二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 21:33:30

     その日の夜。
     さくらは花に電話をかける。
     「花、久し振り!」
     「…久し振りね、さくら」
     「どう?ブルーバードは?」
     「居心地は悪くないわ」
     「そう…よかった…」
     「……なに…さくら、どうしたの?」
     よかったと言う割にさくらの声に元気がないような感じがして、花は尋ねる。
     「う、うん…
      変なこと聞くけどいい?」
     「なによ」
     先を促され、さくらは意を決する。
     「……花はさ…その、…大ちゃんと、付き合ってるの…?」

     訊いた…訊いちゃった…心臓がバクバクしてるー…――花の返事を待つ。答を聴くまでの時間が長い。…気がした。

     「………はぁ?」
     数秒後、花の心底 呆れたような声が返ってくる。
     「そんな訳ないでしょ!」
     「そ、そうだよね…
      玉置がいるもんねー…」
     「 玉置は関係ない!
      というか、急にどうしてそんなこと…」
     「あー…うん、実は…」
     さくらは、とある女子高生のツイートに[大二のカノジョは工事現場の人みたいな格好した女の子]と書かれていたと伝える。

  • 55二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 21:35:00

     「あー…、一緒に写真を撮りたいって言ってきた子、確かにいたわね」
     「それで、ほんとのとこはどうなのかなって…」
     「そんなの…フェイクニュースよフェイク、決まってるでしょ!
      写真 撮るの断られたから適当に流したんじゃないの?
      私は一緒に写ってあげればいいのに…って言ったんだけどね、ツイッターに載せると言うから断ったって…そのとき私と彼がしゃべってるの見て勝手に‘そう’思ったのかもね。
      そもそも、あの人…‘そういうの’より、ブルーバードのことで頭いっぱいみたいだし」
     「……そっか…大ちゃんらしい…」

     生真面目で真っ直ぐで直向き…それが大二で。さくらの、兄だ。――なんだか、とてもホッとして…ふふと笑みが溢れる。

     「さくら、」
     「うん?」
     「……何でもないわ…
      (そんなに心配なら変な女が寄ってこないよう見張ってようかと言おうと思ったけど、
       せっかく誤解を解いたのにまた勘繰られちゃうからやめよ…)」
     「……花、ごめんね」
     「いいわよもう…」
     「うん…。おやすみ」
     「おやすみ」

     花との通話を切って、さくらはベッドに横になる。
     胸のざわざわは落ち着いていた―――。

  • 56二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 09:30:19

    保守

  • 57二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 21:17:00

    ほしゅ

  • 58二次元好きの匿名さん22/09/09(金) 00:18:57

    >>55

    大二、ブルーバードで忙しくしてて、あまりしあわせ湯に帰ってないんだろうな

    たまに帰ってさくらに顔を見せて、安心させてやらなきゃ

  • 59二次元好きの匿名さん22/09/09(金) 12:00:02

     翌日。
     「大ちゃん、お付き合いしてる人いないって」
     ほくほく顔で友人に報告するさくら。
     「大二お兄さんに聞いたの?!」
     ツイッターの話をした友人Aは、まさか本人に直接…?!と慌てる。
     「ううん、大ちゃんじゃなくて、ブルーバードに勤めてる私と大ちゃんの共通の知人」
     個人を特定されないよう、花の名前は出さずに答える。
     「そう…
      よかった、ね…?」
     「うん!」
     ((うわー…メッチャ嬉しそう…))

  • 60二次元好きの匿名さん22/09/09(金) 12:10:02

     「…えっとー…さくらは大二お兄さんに彼女がいたら、厭なの…?」
     友人Bが、そっと訊いてみる。
     「厭じゃないよ」
     ((えー?!ウソでしょー?!))
     「そ、そうなんだ…」
     「真面目で優しい大ちゃんに素敵な恋人ができたら嬉しいでしょ」
     「昨日ちょっと気落ちしてなかった??」
     「それは…淋しかったから…」
     「「…ぇ?」」
     「大ちゃんから聞いてなかったから…
      大ちゃん‘そういう’ことはちゃんと家族に報告する人だから、なんにも聞かされてなくて…教えてくれないの淋しかったんだー…
      だから、別に落ち込んでた訳じゃないよ」
     「「へ、へぇー…」」
     「勘違いだってわかって、大ちゃんは家族に隠してたんじゃないって…私に内緒にしてたんじゃないんだって…ホッとしたの」
     「(『私に内緒にしてたんじゃない』ね…家族じゃなく自分って言い直してる…)
      ……」
     「(ホッとしたのは内緒にされた訳じゃなかったからって、マジで言ってる?!
       本当は大二お兄さんに彼女がいないとわかったからなんじゃないの〜??)
      ………」
     「ふたりとも、どうしたの?急に黙って」
     「…いやー、その… ねー?」「ねー」
     「??」
     「まぁ…その、…――さくら、兄離れしよ…」
     「それがいいよ」
     「なにそれ」
     友人Aにそう言われ、友人Bにも深く頷かれ、頭にクエスチョンマークが浮かぶさくらであった―――。

  • 61二次元好きの匿名さん22/09/09(金) 23:13:38

    >>55

    届け物とかでブルーバードの作業現場に行って

    大二と花が話をしてるのを、他の人が

    「あの二人、お似合いよね」

    なんて言ってるのを聞いて、またもやもやしてほしい

  • 62二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 00:19:50

    まさかの大花かと思いきや、さくらの勘違いか…
    いや、大二が自覚してないだけで大→花の可能性もなくはないんじゃないか

  • 63二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 00:30:00

    大さくいいな!と思っていたら、大花もなかなか…

  • 64二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 00:32:42

    この役者さんで恋人同士のドラマやってほしい

  • 65二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 12:19:19

    スレ主だけれど、個人的に花の無自覚片想いはありだなと思う つまり、大(←)花

    最終話エピローグで、大二に「感謝してる…猶予とチャンスと居場所をくれたこと」と告げているのを見て、花が素直にお礼 言ってる…!もしかして…デレてる?これ、フラグ…??ってなった…妄想たくましくてごめん

    花はアギレラ時代はギフの花嫁と担ぎ上げられていたから実は恋というのがなんなのかわかっていなくて他人(=さくら)の恋愛事情ならちゃんと見えているのに自分のこととなると疎くて自身の恋心に気づかないのじゃないかって思っている
    さくらに言わなくても大二に変な女が寄ってこないようしそうだし初めのうちはさくらの為と思って見張っていたけれどだんだん花自身の私情が混ざっていって“さくらの為”を言い訳に他の女を牽制するようになりそれなのに大二への想いに気づかないんだ…(強めの幻覚)

  • 66二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 12:19:50

    大二は自己評価が低くて兄・一輝が滅茶苦茶モテるから、自分を好きになる女の子はいるはずないと思っていそう
    加えて、過ちを犯した(平和の為に自由を捨てそれに従わない避難民を悪魔に襲わせた)っていう自責の念があって、今度こそ人類を護れるようブルーバードでの活動に勤しむだろうから、恋愛は二の次 三の次な気がする

    それはともかく
    デッドマンズ信.者の家族から批難される花を庇って花をキュンとさせたり(花は〈なにいまの…??〉って自分に起こった感情に戸惑う)、シェルター避難民だった人が「あの時は石を投げてごめんなさい」と謝ってきたら「無事でよかった」とか言ってときめかせたり、妹以外にも天然たらしっぷりを発揮する大二はきっといるし鈍感だから女の子をその気にさせていることに全く気づいていない(妄想過多)

  • 67二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 16:17:33

    >>65

    妄想ばんざい!

  • 68二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 19:19:00

    後々さくらと花が大二を取り合う展開くるのかー…ワクワクしてきたぞ

  • 69二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 19:19:19

    >>66

    大二、真面目すぎるだろ

  • 70二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 22:18:59

     今夜は仲秋の名月。

     大二がブルーバードに勤め始めてどれくらい経つだろう。一ヶ月は顔を見ていない気がする。
     尤も大二はフェニックスに入隊した頃もしあわせ湯になかなか帰って来なかったけれど。兄妹で仮面ライダー活動をしていた時期は対立期間を除いて作戦会議もあってちょくちょく帰って来ていたし、ブルーバードの立ち上げ準備でまた働き詰めで家に帰って来ない日々が続くなかそれでも夏休み最後の地元のお祭りの日に帰って来てくれたから、この一年は大二と実家で過ごす日も多かったなとさくらは思う。
     だから、一ヶ月と謂えど、なんだか長いこと大二と逢っていないと感じる。

     ―――淋しいなぁ…

     しょっちゅう電話やメールの遣り取りをする訳でない。大二は優しいけれどお節介でないからさくらに対して過度なお世話はしないしさくらも大二に過干渉でないので、お互い頻繁に連絡を取り合うこともない。
     ただ…今日が中秋の名月と知り、ふと思ったのだ。――大ちゃんがブルーバードに行ってから一ヶ月かー…大ちゃんにずっと逢ってないなー…、と。

     ―――淋しいよぉ大ちゃん…

     さくらは、満月を見ながら大二に想いを馳せる。

     と…
     思い立って、LINEをすることに…。

     〚月、綺麗だね〛

  • 71二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 22:22:05

    あげ

  • 72二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 22:25:19

     たった一言。
     スマホのカメラで撮った月の写真を添えて。
     メッセージを送る。

     大二も同じ月を見ているのだろうか…。
     なんてことを考えていると、返信が来た。

     〚そうだな〛

     大二からの返事はその一言だったけれど、月が綺麗ということに同意しているのだから、大二も見ているのだ…この夜空の下、さくらが見ている満月と同じ満月を。
     それだけで、大二と繋がっているような気がして。さくらは胸がいっぱいになる。

     逢いたい…。――不意にそんな思いが去来するけれど、それは我儘だから堪えて、別の言葉を綴る。

     〚おやすみ〛

     すると、相手からも寝る前の挨拶が返ってくる。

     〚おやすみ〛
     〚いい夢みれるといいな〛

     綺麗な満月を見ることができたから、きっといい夢が見られるよってことなのだろうけれど、いいことあるといいなって意味なのだろうけれど。…大二のやさしさが伝わってくるみたいで嬉しい。
     心が満たされて、
     これで、ぐっすり眠れる。そう思うさくら。

     夜空には満月が浮かんでいて。
     その月は優しくさくらを照らし、月の光は大二のやさしい心を届けてくれているようだった―――。

  • 73二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 22:30:19

    さくらが〚月、綺麗だね〛と大二に送信してますが
    有名な「月が綺麗ですね」の意味ではありませんのでご安心を

  • 74二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 23:50:20

    ロマンチックやな

  • 75二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 23:50:50

    今日は仲秋の名月でしかも今年は満月だというので…これ題材に使おう!と思ったんです

    『月の光は愛のメッセージ』をイメージしました(このネタわかる人いますか…)

  • 76二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 23:52:00

    >>70

    あ、漢字の変換ミス発見…


    ☓中秋の名月

    ○仲秋の名月

  • 77二次元好きの匿名さん22/09/10(土) 23:55:19

    “離れた所にいて、同じ月を見ている”ってシチュが好き
    離れていても心は繋がっている という感じがして

    それはそれとして
    いつかふたり並んで月を見てくれ…とも思う

  • 78二次元好きの匿名さん22/09/11(日) 11:29:15

    >>73

    さくらから話を聞いた同級生が、「え、それって…」となるパターンだ!

  • 79二次元好きの匿名さん22/09/11(日) 11:35:19

    このレスは削除されています

  • 80二次元好きの匿名さん22/09/11(日) 17:19:03

    このレスは削除されています

  • 81二次元好きの匿名さん22/09/11(日) 23:30:01

    >>75

    仲秋の名月の日が満月とは限らないらしいね


    >月の光は愛のメッセージ

    もしかして:セーラームーン

  • 82二次元好きの匿名さん22/09/11(日) 23:33:19

    >>76

    一緒にお月見する大さく待ってるよー

  • 83二次元好きの匿名さん22/09/11(日) 23:35:00

    これ、どのタイミングでどういうキッカケでさくらは自覚するんだろう

  • 84二次元好きの匿名さん22/09/11(日) 23:37:17

    >>82 >>83

    なるほど、自分の気持ちを自覚したさくらが大二と一緒にお月見して「月が綺麗だね」って言う日が来るんですねわかります

  • 85二次元好きの匿名さん22/09/11(日) 23:39:50

    さくら「月が綺麗だね」に対する大二の返事

    1 「今なら手が届くんじゃないか」
    2 「月はずっと綺麗だよ」
    3 「綺麗な月を見れて嬉しい」

    好きなの選べ

    (意味がわからないなら「月が綺麗ですね」で検索、返し方まとめを見るんだ)

  • 86二次元好きの匿名さん22/09/11(日) 23:55:33

    82だけどアンカミスごめん

    >>77

    一緒にお月見する大さく待ってるよー

  • 87二次元好きの匿名さん22/09/12(月) 11:17:02

    >>85

    言葉通りでも会話になる選択肢だな

  • 88二次元好きの匿名さん22/09/12(月) 12:25:35

    >>85

    「さくらなら手が届くんじゃないか」って言ってほしい

  • 89二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 00:12:57

    保守

  • 90二次元好きの匿名さん22/09/13(火) 12:10:00

    あげ

  • 91二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 00:00:58

     さくらは悩んでいた。空手でスランプに陥っている。
     平穏な日々が戻り。稽古に励んでいたが、力加減のコントロールができなくなった。スタミナが持たない。原因がよくわからず、混乱する。
     一輝に言うと、さくらなら乗り越えられる!頑張れ!と応援された。

     その後も鍛錬するけれど、上手くいかない。さくらは途方に暮れる。
     困り果て、大二に連絡することにした。

     〚相談があるんだけど…〛

  • 92二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 00:10:00

     夜。大二から電話が掛かってきた。
     「いま電話、大丈夫か?」
     「うん」
     「相談があるって?どうした」
     「…スランプなんだ」
     「スランプ…?」
     「力のコントロールが上手にできなくて…すぐスタミナ切れしちゃう…」
     「……そうか…」
     「やっぱり、もっと頑張るしかないよね…」
     今までできていたはずのコントロールもスタミナ維持も急に上手くいかなくなって気落ちしているさくらは、前向きに「頑張る」と言えなくなっていて。原因がはっきりしないから自分の所為なんだろうかと、後ろ向きな「頑張るしかない」なんていう言い方をしてしまう。

     「頑張ってるだろ」
     「ぇ…」
     あたたかい言葉が耳に入ってくる。
     「さくらは頑張ってるよ」
     携帯のスピーカー部から聴こえる大二の声はやわらかい。

     自分は誰かに「頑張ってるね」と言われたかったのかもしれない…いや言われたかったんだ…――さくらはそのことに気づき、何故か泣きそうになる。

     ―――大ちゃん…

  • 93二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 00:17:30

     「……コントロールが上手にできないって具体的には?」
     続けて大二に問われる。
     「抑えられないていうか…
      型の練習のとき力んじゃって道着が破れたり…瓦割りで床を傷つけちゃったり…――変に力が入ってるのかな…」
     「スタミナが切れるというのは…?」
     「練習試合ですぐに息が上がっちゃうの…」
     ダメダメだよね…と、つい気弱な発言をしてしまう。
     「思い詰めるなよ」
     気遣わしげな大二の声色に、視界が滲む。
     「…いまの話を聞くと、力が強すぎるのとスタミナが持たないのは関係ありそうだな。
      強大な力が出るがそれは力を抜けなくなっていることを表してて、一気に力を出し過ぎて持久力が低くなっている。――そう考えれば辻褄は合う」
     「……そうだね…
      そしたら私…空手、下手になっちゃった…のかな…」
     「自分を追い詰めるのは止めろ」
     「…うん…」

  • 94二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 00:18:19

  • 95二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 00:19:17

     「さくらは頑張ってる」
     「…」
     「俺はそう思っているよ」
     「…あ、ありがとう…
      ごめんね?愚痴っちゃって」
     「気にするな」
     やさしい声。
     「……うん…」
     涙が零れそう。
     「“精神力が大切”。――さくらが一番わかっているだろう?」
     「うん…」
     「話くらいまた聞くから…」
     「うん…」
     涙が溢れそうになる、から、うん、しか言えない。
     「さくら、」
     「うん」
     「………」
     「………」
     静かに、刻は流れる。
     「…大丈夫だ」
     「…っ、大ちゃん…!」
     感極まって声が上擦る。――泣きそうになってるってバレたかも。
     けれど、大二は気づかなかったようで(気づいていない振りしているのかもしれない)。「泣いてるのか」と訊いてこない。

     「おやすみ、さくら」
     「おやすみなさい」
     通話を終えて、ベッドに仰向けになる。

     沈んでいた気持ちがすっかり浮上して。
     あしたは穏やかな心持ちで朝を迎えられそうだ―――。

  • 96二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 11:31:15

    たまには実家に帰ってさくらに顔を見せてやってほしい

  • 97二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 19:00:00

    「頑張れ」と決して言わずさくらの頑張りを認め「大丈夫」と労る大二がいいお兄ちゃんしていてこれは…

  • 98二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 19:17:00

    ちなみに、さくらが急にスランプになったのはギフの遺伝子パワーが覚醒めた所為
    ライダーに変身したことでギフ遺伝子の力が覚醒してジャンヌとして闘っているうちにギフ由来の力が開放されていって力の出具合のコントロールが上手くいかなくなった…っていう妄想

  • 99二次元好きの匿名さん22/09/14(水) 19:19:19

    >>85

    ‘そういう’意味合いでこの返しなら両想い

    大二ならこういう文学的な返しもできそうだけれどさくらに大二の意図がちゃんと伝わるのかなぁ…なんて思わなくもない…

  • 100二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 00:19:00

     あれから――大二に「大丈夫だ」と言われてから、さくらは空手の稽古中、心にゆとりができるようになった。
     それに伴って、力加減のコントロールとスタミナ維持は少しずつ改善していった。スランプ前の状態にまでは回復していなくてその意味で思うようにはまだいかないけれどそれでも大二の「大丈夫」を思い出し自分を追い詰めることなく前向きに頑張っている。
     …大二の言葉ひとつでこんなに心が凪ぐなんて、自分でも単純だなと思うけれど。

     『“精神力が大切”。――さくらが一番わかっているだろう?』。――そうだよね。精神力が大切、だよね。うん、わかってるよ、大ちゃん。


     あすは久し振りに大会がある。
     父・母・長兄は応援に行くと言っていた。…大二はたぶん来ない。

     仕方ないよ。大ちゃん、忙しいもの…。

     ブルーバードは大二の再出発の拠点だ、しかも発足したばかり。大二は休みを返上して邁進していることだろう。
     大二に逢えないのは残念だけれど、淋しいと言うのは我儘だから逢いたい気持ちは胸の底にしまう。

  • 101二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 00:19:19

     そのとき――、スマホが鳴った。

     大二からだ。
     さくらの心は跳ねる。

     〚明日、大会だったな〛
     〚大丈夫。
      大丈夫だ、さくら〛

     大二の声が、蘇る。
     『“精神力が大切”』。
     『さくら、…大丈夫だ』。
     ‘あの’日、携帯のスピーカーから聴こえてきた、大二の声が。
     精神力が大切だから‘あの’日 大二は「大丈夫だ」と言ってくれたのだということ、さくらはわかっている。
     そして、いまも…。

     大会前日に〚大丈夫。〛とLINEをくれた兄の心遣いが嬉しくて。大二の、さり気ないやさしさに、さくらは包まれて。
     だいじょうぶ。
     心の中で呟いた―――。

  • 102二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 00:25:25

    いいね!いいね!
    用がなければ連絡してこない大二が試合の前に連絡してくれるの、最高!

  • 103二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 12:00:10

    これ、さくらにスランプの相談された後日談よね?
    じゃあ大二、相談を受けてからさくらのこと気に掛けていたってことじゃん!やさしー…

  • 104二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 23:19:00

    いつの間にか100レス超えてる…
    大さく好きな人、意外にいるのね

  • 105二次元好きの匿名さん22/09/15(木) 23:50:01

    このスレの大さくはほのぼのラブ系というかほんのり胸キュンな話が多くてほっこりするから好き
    この兄妹なごむわ〜ってなる

  • 106二次元好きの匿名さん22/09/16(金) 10:30:02

    わかるー
    ここのさくら、いつか自覚するんだろうけど、それまでは無意識いちゃいちゃ続けてほしい

  • 107二次元好きの匿名さん22/09/16(金) 21:41:25

    ラブコフ「さくら~、大二のこと好きらぶ?」
    さくら「うん、大好きなお兄ちゃんだよ!」
    といいつつ保守

  • 108二次元好きの匿名さん22/09/17(土) 09:19:55

    このままほのぼのいちゃいちゃしてほしい気持ちと

    >>18みたいに自覚したさくらが大二と顔も合わせられなくなって避けまくって「あんな態度取ったら大ちゃんに変なふうに思われる!」ってジタバタするとこも見たい気持ちがある

  • 109二次元好きの匿名さん22/09/17(土) 10:34:41

    ほしゅ

  • 110二次元好きの匿名さん22/09/17(土) 22:30:00

     空手大会当日。

     さくらはスタミナが切れる前に勝負を決めると意気込んでいた。
     気合い充分で挑んだ第1試合、前のめりが過ぎたのか審判から“忠告”との指導を受ける。

     家族の声援が聴こえる。
     さくらは俯いて〈だいじょうぶ〉と自分に言い聞かせる。

     顔を上げると、
     そこには…――大二の姿が…。

     ―――大ちゃん…?!

     幻視ではないかと瞬きをする。
     見間違いじゃない。大二は、いる。ちゃんといる。

     大二と、目が合う。

     すると、大二がひとつ、頷いた。
     それに背中を押されて、さくらは瞳を閉じて深呼吸する。
     大丈夫。――心の中で呟いて。
     さくらは対戦相手を見据えた。

     試合再開後、さくらはメンタルを保ち直し集中力が増して、第4試合まで順調に勝ち進み、見事 準々決勝進出を決め、本日の大会は終了。明日、準々決勝・準決勝・決勝が行われる。

  • 111二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 02:17:00

     大会一日目が終わり、

     「大二!来てたんだな!」
     一輝が弟に声を掛ける。
     「あぁ。ヒロミさんにちゃんと休暇を取れと言われてて…
      さくらの空手大会がある今日と明日お休みをもらったんだ」
     「そうなの!家族みんなで応援できてよかったわ!」
     幸実が笑み、元太がうんうんと肯く。

     そこへ、道着から着替えたさくらが一家の元に駆け寄る。
     「「「「さくら!」」」」
     「みんなの声、聞こえてたよ。ありがとう」
     両親と長兄にそう言ってから、さくらは大二の方を向く。
     「大ちゃんも…来てくれたんだ…」
     大二は忙しくて難しいだろうと思っていたから、とても嬉しい。
     「うん。休みが取れたから」
     「大二、ヒロミさんに頼んだったってさ」
     「兄ちゃん!やめてよ。
      …ヒロミさんには前から休暇を取るよう言われていたんだ、それで…」
     「ありがとう大ちゃん!」
     「ん」
     大二がシャイなのはさくらだってよく知っているから追求しない。素直にお礼を言う。

  • 112二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 02:22:30

     「それより…おめでとう」
     大二が、言った。
     「勝ててよかったな」
     「!!」
     さくらは、うん!と笑ってみせる。

     ―――大ちゃんのお蔭だよ…

     スランプであることを相談したら、大丈夫だって言ってくれて…昨日もメッセージくれて(きっと大会前日だからだ)…、しかも今日は忙しいだろうに見に来てくれた…。――大二は自分を気にしてくれている.ってことなんだろうか…。だとしたら嬉しい。

     けれど、
     〈大ちゃんのお蔭だよ…!〉なんて思いは胸の中に仕舞っておく(面と向かって告げるのは照れるから)。

     だから、さくらは、うん!とだけ返して。胸に仕舞った、大ちゃんのお蔭、という心の声を微笑みにのせる。

     『おめでとう』『勝ててよかったな』。――大二の、その言葉で、明日の試合も頑張れる。

     「大ちゃん、ありがとう」
     さくらがもう一度 感謝の気持ちを伝えれば、大二は微笑み返してくれたのだった―――。

  • 113二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 14:00:30

    素直なさくらも照れで素直になれない大二も可愛いな

  • 114二次元好きの匿名さん22/09/18(日) 23:36:20

    お互い相手の気持ちはきちんと受け取ってるふたりがいいね

  • 115二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 11:00:00

     大会二日目。
     さくらは準々決勝・準決勝で勝ち、いよいよ決勝戦。
     相手は小学生の頃から何度か対戦し、互角の勝負をしてきた所謂ライバル。
     負けられない闘いが始まる。


     序盤、さくらは“攻め”で圧していたが、なかなか“一本”が取れず、反対に相手が“技あり”の判定を受ける。
     中盤、嫌な流れで相手に“一本”取られ、さくらは徐々に追い詰められていく。

     『さくら、大丈夫だ』。――大二の、言葉を噛み締め、“精神力が大切”と自分に言い聞かせる。

     その瞬間…

     「さくら…!」

     声が、聴こえた。…大二の、声が。

     その、姿を目で探す。
     家族と共に観客席にいる大二を視界に捉える。
     両親と一輝が手を振ってくれているのがわかる。

     そこで、大二と視線が絡む。

     大丈夫。

     その瞳に、そう言われた気がして…。
     さくらは気迫を込めて両頬を叩く。

     そして、試合再開。
     終盤、さくらは“一本”を連取し。――勝利を摑んだ。

  • 116二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 12:17:17

     大会が終わって晩ごはんの買い物へ行く一家。

     五十嵐家の本日のメニューは、さくらの優勝を祝し、勿論すき焼き。

     「さくら、おめでとう」
     「頑張ったわね!」
     「感動したよ〜(涙)」
     「なに泣いてるの、パパ?!やだもー」
     おめでとうと言ってくれる一輝、労りの言葉をくれる母、涙を流して喜んでくれる父。――ちょっぴり恥ずかしいけれど、やっぱり嬉しい。

  • 117二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 14:17:17

     「さくら、」
     まるで家族を見守るみたいに、少し後ろを歩く大二に呼び掛けられ、足を止める。
     「優勝おめでとう」
     「!あ、ありがとう…(急にびっくりした…)」
     大二に、こんなふうにおめでとうを言われるとは思わなかったけれど…おめでとうを言う為に、わざわざ呼び止めたのだと考えたら…
     皆の前で言うのは照れるのかなー…――ふふ、と笑みが溢れる。

     「ここぞというときの“精神力”はさすがだな」
     「え、そう?(*´∀`*)」
     褒められて嬉しい。でも、ちょっと照れる。
     「何かほしいものあるか?」
     「ぇ」
     「さくら、頑張ったから。ほしいものがあれば…」
     「なんでもいいの?」
     「俺が買える範囲なら」
     「プリン!」
     「?!」
     「プリンがいい!」
     「…わかった」
     「やったー!」
     「……さくら…ほんとに好きだな」
     「うん!
      大ちゃんも一緒に食べよ?」

     ―――ほしいものならもうもらってるよ

     プリンは確かに好きだけれど、
     相談したら大丈夫だって言ってくれた。大会前日にメッセージをくれた。試合を見に来てくれた。――大二の気持ちがいちばん嬉しいからなんでもいい。
     
     大二と、好物のプリンを食べることが、いまのさくらには何よりのご褒美なのだ―――。

  • 118二次元好きの匿名さん22/09/19(月) 18:41:05

    >>117

    ニヨニヨする

    さくらの荷物は大二が持ってるんだろうな

  • 119二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 05:19:02

    このスレ読んで、大さくの想い出の味はプリンだなーって思うようになった

  • 120二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 15:03:31

    プリン10個買ってくれるのはどんな時だろう

  • 121二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 00:30:03

    >>120

    誕生日とか?

    勿論プレゼントはちゃんと用意しているのだけど、その上で10個セットになっているプリン買ってくる。みたいな

  • 122二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 12:17:00

    さくらの誕生日、いつなんだろう
    大二の誕生日も知りたい…公式設定あったっけ?

  • 123二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 20:34:12

    >>122

    誕生日が分かってるのは一輝とヒロミだけじゃないかな

    年齢も大二とさくらは公式には発表されてないよね

  • 124二次元好きの匿名さん22/09/21(水) 23:50:17

     さくらの空手大会優勝を祝し、すき焼きで家族団欒のひとときを楽しんだ、翌日。
     この日からブルーバード勤務に戻る為、朝早く家を出るという大二に、母が「身体に気をつけて」と声を掛け、それに大二が「わかってるよ。ありがとう、母ちゃん。いってきます」と返す。

  • 125二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 00:15:19

     さくらは、大二について行って、玄関の外まで出る。
     「さくら、見送りはいいから。家の中に入れよ」
     「ううん…見送るよ」
     「……そうか…。じゃあ、行くよ」
     「……う、うん…」
     大二が、歩き始める。その、後ろ姿を、さくらは見つめる。

     ―――待って…
     淋しいよ…――大二の、背を、じっと見ていたら、思わず零れ落ちそうになる心を、さくらは呑み込む。
     そんなこと言ったら、――大ちゃんを困らせちゃう…

     遠ざかる背中。
     さくらは、黙って、見つめ続ける。

  • 126二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 00:15:58

     大二が角を曲がる、瞬間…

     ―――大ちゃん…

     さくらは駆け出す。
     その背が、見えなくなる前に。走りながら、兄の、大切な兄の、名を、呼ぶ。

     「大ちゃん!」
     その兄は、振り向いてくれた。
     「!さくら?!」
     大二は心配そうにこちらを窺っている。

     そんな顔をさせていることに心苦しくなるけれど、同時にそれだけ自分も大切に思われているのかなって嬉しくなってつい「淋しい…行かないで…」と口走ってしまいそうになる。
     さくらは、本音が漏れないよう、何を言おうか頭を巡らせる。だけど、途端に言葉が不器用になって。上手いこと浮かばない。

     焦って、飛び出したのは…
     「頑張り過ぎないでね」

     ………。なに言ってるの、私…

     頑張り過ぎないでほしいのは大二に対して思っていること、確かにいつもそう思っている、思ってはいるけれど、
     こんなことを伝える為に、わざわざ呼び止めたのかと呆れられるだろう…。本当、何を言っているんだ…。

  • 127二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 00:17:00

     「!!さくら…」

     あー、これは引かれた…?ドン引き、かな…

     「…心配かけて、ごめんな」
     「!!」
     面目なさげな大二に戸惑う。
     「『頑張り過ぎないで』か…言われたことないな」
     「………」
     「『俺はこれから失敗を糧にやり直すんだ』って人に話すとさ、『頑張れ』とはよく言われるんだ…まぁそれはそれで応援しているんだろうなって思うんだけど。
      でも、いま『頑張り過ぎないで』ってさくらに言われて、ハッとした。…気負い過ぎてたのかなぁって。
      だから。心配かけてごめん」
     「…!謝らないでよ、大ちゃん!」
     「『頑張れ』と言われた時より、労られてるみたいで…なんか気持ちが楽になったよ。
      ありがとう…さくら」

  • 128二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 00:55:55

     ―――大ちゃん…!
     伝わってる…!伝えたかったことが伝わってる…!

     大二も頑張れと言わなかった。スランプ中のさくらに頑張れとは決して言わなかった。むしろ大二は『さくらは頑張ってるよ』と言ってくれた。それはきっと、大二がさくらが頑張っていることをわかってくれていてさくらの頑張りを認めてくれたから、と思っている。
     だから、――さくらも大二に頑張って!は言わない。だって、大ちゃん頑張ってるもの。だからって頑張らなくていいよと言うのも彼の頑張りを否定するみたいで違うと思うし。
     それで、出てきた言葉が『頑張り過ぎないでね』だったのだけれど…。

     ちゃんと汲み取ってくれて、嬉しい…

     大二に届いたようで、さくらの心は満たされていく。


     淋しさは消えないけれど、大二と実家で一緒に過ごせない淋しさはなくならないけれど、
     ―――だいじょうぶ
     離れて暮らしていても繋がっているから。
     さくらの伝えたいことを汲み取ってくれる大二なら、遠くにいてもきっと届く。だから、――淋しくても…もう大丈夫。

     これで、笑って見送れる。


     「大ちゃん、いってらっしゃい」
     さくらは笑顔で言う。やっと言えた。
     「うん。いってくる」
     大二が手を振って去って行く。

     その後ろ姿にさくらは手を振る。手を振り続ける。大二の背中が見えなくなるまで。にっこり微笑んで。


     そんな、秋晴れの空は綺麗だ―――。

  • 129二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 12:25:00

    保守

  • 130二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 15:05:24

    ほしゅ

  • 131二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 19:00:00

    大二もさくらも頑張っている人には頑張れと言わないタイプかー
    他人への気遣い方が似ているんだな…このふたり

  • 132二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 06:34:23

    保守

  • 133二次元好きの匿名さん22/09/23(金) 17:17:30

    あれかな、さくら…淋しいとか行かないでとか言って大二に子供っぽいと思われたらイヤ〜!って気持ちがあったりする??

  • 134二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 00:49:45

    復興のための大切な仕事だし、それを大二が必死にやってることも知ってるから
    寂しいなんて言って困らせたら駄目だという気持ちもあるのでは

  • 135二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 12:19:00

    >>133 >>134

    どっちもありそう

    復興に向けて一所懸命な大二に淋しいだなんて我儘を言って困らせたくない…嫌われたくない…そんなところかな

  • 136二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 19:35:45

    ほしゅ

  • 137二次元好きの匿名さん22/09/24(土) 20:13:54

    このレスは削除されています

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