- 1二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 20:10:52
- 2二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 20:12:15
ルフィと再会しても、抱きにいかなさそう
- 3二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 20:12:49
あたしが悪い子だからシャンクス達に捨てられたんだってずっと目の光ないやつやん
- 4二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 20:13:14
良くて廃人声帯セルフネグレクト
悪くて自殺RTA - 5二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 20:13:46
生涯を賭けて贖罪のためトットムジカの永久封印あるいは完全消滅を目指してるかもしれない
- 6二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 20:15:26
失声症になるパターンにしか思えない…
- 7二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 20:15:40
もしかしたらトラウマと罪悪感で声出なくなってんじゃね?
- 8二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 20:18:19
映像でんでん虫見つけても配信しようとはならずよくてネットサーフィンする引きこもりに…
- 9二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 20:21:12
少なくとも海賊を嫌いにはならないか?
- 10二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 20:22:57
スレ画のシーンがシャンクスは危険な化け物の自分を捨てたんだってなるやつじゃん
ゴードンがメンタルなんとかしないと自殺しかねんぞ - 11二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 20:24:02
目覚めたらシャンクスは罪を被ってるし、ゴードンは迫真の演技
- 12二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 20:25:55
ビームで殺してるからそこまで感覚が体に残ることはないだろうという心も、それでも気に病むよなという心もコントロールできない
- 13二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 20:25:58
シャンクスがゴードンにウタを託す会話は聞くことはないから・・・捨てたと思うのだろうな
- 14二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 20:26:16
- 15二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 20:28:51
目覚めてすぐひたすらごめんなさいしてそうだからゴードン気づいてシャンクスに連絡とるんじゃない?
- 16二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 20:29:40
- 17二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 21:21:25
しばらく海軍と逃避行中ですねぇ
- 18二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 21:37:56
ただこのスレの設定の方がルフィの説得が難しいことには変わらないけどまだ救いの芽はあるんじゃない?
- 19二次元好きの匿名さん22/09/01(木) 21:43:41
辛くてたまらないのに歌おうとするとフラッシュバックするからウタワールドにも逃げられなくなってそう
- 20二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 00:13:48
エレジアで暮らし続けるの精神的負荷やばいな
- 21二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 00:35:33
- 22二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 01:09:39
- 23二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 08:45:07
- 24二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 14:00:36
一応保守
- 25二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 15:47:32
保守
- 26二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 19:33:51
- 27二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 19:45:27
- 28二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 20:02:15
拗らせる以前にライブまで生きてけない気がしてきた
- 29二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 00:08:08
歌姫になるかすら怪しいところ
でも何かしらでルフィとシャンクスとは再会してほしいな - 302122/09/03(土) 11:47:19
昨日の夜にと言ったのに大幅に遅刻してしまって申し訳ない。SSを投稿させていただきます。
皆様御笑覧下さいませ。 - 31二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 11:48:05
きたぜ!
- 32二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 11:48:07
油を煮て君を待つ!
- 332122/09/03(土) 11:48:29
燃え上がる街。崩れ去る我が国を背に赤髪の船を見送る。
これしかない……これで良かったのだ。あの子に背負わせる必要などないのだから。
そう思いつつも後悔が絶えず溢れてくる。
あの時、伝承を思い出していれば
あの時、国中に歌声を届けなければ
あの時、楽譜に気がついていれば
けれどもう遅い。今の私に出来るのは少しでもあの子の負担を和らげ寄り添う事だけだ。
後ろから足音が聞こえてくる。ウタが起きたのだろう。
もはやこの国に残っているのは私と彼女しかいないのだから。
私は努めて冷静に声をかける。
「起きたのかい、ウタ」
「ねぇ……シャンクスは?」
来た……言え、言うのだ私!
たとえこれが彼女を傷つけるのだとしても、国を滅ぼしたという罪を背負わせるよりはマシなのだ! - 34二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 11:48:35
このレスは削除されています
- 35二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 11:50:53
- 362122/09/03(土) 11:51:53
「全て奪われた……みんな殺された……あの赤髪に!」
「……違う」
「赤髪はこの国に近づき略奪するために君を利用していたんだ!」
「違う」
「君もあいつらにとってはただの」
「違う!!」
ウタの叫びに思わず口を閉じる。
ウタの目には大粒の涙が溢れていた。
「私……私っ!覚えてる……私がっ!怪物になって!みんなを……みんなを!殺しちゃったんだ!」
……なんてことだ。彼女は全てを覚えていた。
呆然とする私を脇に彼女は走り出す。1拍遅れて私も彼女を追いかける。
───────────────
「シャンクス!ジャングズゥゥゥゥ!!」
「待て!待つんだウタ!」
追い付き彼女が海に飛び込もうとするのを何とか押さえる。
それでもなおウタは暴れて赤髪を追いかけようとしている。
「置いてかないで!二度と歌なんて歌わないから!置いてかないでぇぇぇぇ!」
- 372122/09/03(土) 11:52:49
「落ち着くんだウタ!シャンクスは君が嫌いになった訳じゃないんだ!君の為に囮を買って出てくれたんだ!」
「なんで!?シャンクスは何も悪くない!悪いのは私なのに!」
海軍がすぐそこまで迫る。
下手すれば我々の声も届いてしまいそうな距離だ。
「私が悪いの!私が歌を歌ったから!私が国をめちゃめちゃにしちゃったの!」
「いかん!叫んではいけない!」
「私がぼ!?」
無理矢理手で彼女の口を塞ぐ。
ウタは振り払おうと首を振りながら私を睨む。
「堪えてくれ……辛いのは分かる。だがここで叫び続けてしまえば海軍はこの国が滅びた原因に気がついてしまうかもしれない。そうなればシャンクスの努力は水の泡となってしまう。堪えてくれ……!」
我ながら卑怯な言い方だと自嘲する。しかし確かに効果はあった。
シャンクスを引き合いに出せば彼女は止まる。そしてそれはその通りであった。
ウタは大粒の涙を流しながら、シャンクス達の船が見えなくなるまで静かに海を見続けていた……。
- 38二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 11:53:50
このレスは削除されています
- 392122/09/03(土) 11:54:10
エレジアが滅びてから半年。
我々は被害の少ない家屋に居を移し暮らしていた。
あの後海軍や記者等が事情聴取に来た以外は何も変わらない日々が続いている。
いや、変わったことが一つあった。
ウタが歌わなくなった。
あれだけ歌が好きだった彼女が、一切歌わなくなった。
楽譜や楽器にすらも近づかなくなってしまった。
幸い……と言っていいのかわからないがどうやら声を喪ってしまった分けではないようだ。会話は滞りなく出来る。
だが、やはり彼女は目に見えて衰弱してる。
あんなことがあった後では無理もないが、このままでは彼女は死んでしまいそうだ。
何とか彼女を元気付けようと音楽以外の事を試してみた。
料理や裁縫、玩具など色々やってみたがあまり効果は芳しくない。
このままではシャンクスとの約束を果たせない。それどころか彼女の生存すら危うい。何とかしなければ……。
- 402122/09/03(土) 11:54:55
- 412122/09/03(土) 11:56:24
「ウタ!何処にいるんだ!?返事をしてくれ!ウター!」
城、城下町、港、ライブステージ。
島の隅々を走り回りウタを探す。
「ぜぇぜぇ……ウタ!どこだー!」
年はとりたくないものだ。走り回ったせいで息が早々に上がっている。
しかし止まっている暇はない。万が一を考えればこれでも遅いくらいだ。
とにかく早くウタを見つけなければ!
───────────────
方々を走り回りようやくウタを見つけた。彼女は海がよく見える丘の上で佇んでいた。
ウタの視線は崖に向けられている。まさか、本当に自殺を!?
必死になって駆け出し、声を掛けようとして思わず足を止める。
「この風は⠀どこからきたのと──
問いかけても⠀空は何も言わない──」
そこで彼女は、歌っていた。
一切の音楽を避けていた彼女が、その歌声を風に乗せていた。
私は感動のあまり声を掛けることも忘れ聞き入っていた。
彼女の歌う姿はここ半年の生活の中で一番生き生きとした姿だった。そう、あの日、エレジアの最後の日に見せたウタの姿がそこにあったのだ。
- 422122/09/03(土) 11:57:37
「大海原を駆ける⠀新しい風になれ──」
ウタが歌い終わる。
やはり彼女の歌は素晴らしい……この誰もいない島で腐らせておくのはもったいない程だ。
私は自然と拍手を送っていた。
歌うのに夢中になっていたのだろう。拍手の音で漸く私の存在に気がついた彼女は驚きながら振り向いた。
「ウタ、素晴らしい「ご、ごめんなさい!」」
「……なに?」
私の称賛の言葉を遮り、ウタは頭を抱えて踞り謝罪の言葉を口にした。
何故だ?彼女は歌っただけだ。何も悪いことなどしていないのに。
「歌ってごめんなさい……もう、勝手に歌わないから……捨てないで……置いていかないで……!」
「落ち着くんだウタ、別に私は怒ってなどいない。むしろ素晴らしい歌だったと思う。
何をそんなに怯えているんだ?」
いや、そんなことは解りきっている。
解っている筈なのに、この時になるまで気がつく事が出来ていなかった。
私は屈んでウタを宥めるように優しく声を掛けた。
- 432122/09/03(土) 11:58:52
「だって、私が歌ったら、エレジアはめちゃくちゃになったし、シャンクスもいなくなっちゃった……それに、ゴードンさんもあれから、楽器も楽譜も見せてくれなくなっちゃったから、私は歌っちゃいけないんだって、思って」
泣きながら事情を話す彼女は怯えきっていた。今にも壊れてしまいそうな程に体を震わせている。
気遣いだと思っていた行動は、逆に彼女を追い詰めていただけだったのだ……音楽の島の王が聞いて呆れる。
私がすべき事は、彼女の音楽への恐怖を払拭する事だと云うのに、それを怠っていたのだ。
ならば、やるべき事は明白だ。
「ウタ、落ち着きなさい。私は全く怒っていない。君は決して何も悪くないんだ」
「でも……でも!」
「先ずは私の話を聞いてくれないだろうか?この国に伝わる『魔王』の話を。それからでも遅くはない」
「…………」
無言の首肯。
それを見て私はウタに話し始めた。
- 442122/09/03(土) 11:59:47
「……と、云うのがこの国に伝わる話だ」
「……」
「つまり、君自身に恐ろしい力があるわけでは無いし、君が歌ったからといって何かが壊れるという事はないんだ」
「でも、ゴードンさんは楽器も楽譜も」
「それは私の勘違いなのだ。あの日から、君が音楽を避けているのではないかと、私が勝手に思い込んでいただけなのだ」
「でも、私は、あの歌を、自分で」
「あの日は君に沢山歌をお願いしていたからね。そんな中見知らぬ楽譜が置いてあれば歌ってしまうのは無理の無い話だ。それに、君は誰かを傷つける為に歌ったわけではないのだろう?」
「そう、だけど」
「悪いのは君を利用して暴れた魔王トットムジカなんだ。君が悪い訳じゃない。だから、そんなに思い詰める必要はないんだ」
「……」
「……ウタ、君は何がしたいんだい?君の望む事ならば私は全面的に協力しよう」
暫し無言の時間が流れ、ウタはおずおずと口を開く。
「歌いたい」
「……」
「沢山歌いたい。もっと沢山の歌を歌いたい。もっと沢山の人に私の歌を聞いて欲しい!私は!皆を幸せにする歌を歌いたい!」
- 452122/09/03(土) 12:03:09
堰を切ったようにウタの口から願望が溢れ出す。
泣きながら叫ぶように願いを口にする姿は幼く、しかし強い輝きを放っていた。
これだ、これこそが彼女の本来の姿だ。
まだ以前の彼女には遠いが、それでも戻りつつある。私はその事に思わず涙が溢れる。
よかった、これで彼女も徐々に元気になっていくだろう。
「歌いたいか。なら私の全てを使って君を世界一の音楽家にしよう。そのためにも」
クウゥゥゥゥ~……という音が不意に鳴る。
緊張が切れて安心したせいなのだろう。音の元はウタのお腹からだった。
ウタはお腹を押さえながら赤面している。
「……そのためにもまず、帰ってご飯にしよう。朝からご飯を食べていないだろう?」
「うん……」
「ご飯を食べたら、音楽の勉強をしよう。覚えることは沢山あるぞ」
「うん……ゴードンさん」
「なんだい?」
「ありがとう」
「こちらこそ」
私はウタの手をとり帰路についた。
その時の私は自然と足取りが軽くなり、明日はより良いものになるのだろうという確信に満ちていた。
- 462122/09/03(土) 12:04:26
- 47二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 12:05:32
素晴らしい…
ゴードンさんマジでよくやった - 48二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 12:05:35
この世界線のウタちゃんが取りあえず歌を歌えるようになって良かったと思います
- 49二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 12:09:29
- 502122/09/03(土) 12:20:33
一応この後にコンクール編と出港編も考えていますが、今回みたいに完成に時間がかかると思います。
なので投稿出来るかは未定ですので期待せずお待ちください。 - 51二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 12:21:07
(無言のスタンディングオベーション)
- 52二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 12:47:16
- 53二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 13:02:16
- 54二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 20:19:36
目指せハッピーエンド
「海賊嫌いの歌姫」にはならないだろうけど
「海賊に苦しめられてる民衆を歌で救いたい」にたどり着いたらどうなるだろうか - 55二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 07:40:38
新世界は実行するのだろうか
トットムジカだけは歌わなそうだけど - 56二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 09:27:48
楽譜出現の度に破り捨ててそう
- 57二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 09:28:49
- 58二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 14:20:01
- 59二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 02:23:46
このレスは削除されています
- 60二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 11:42:31
本編のゴードンもメンタルケア出来てたらなぁ…
- 61二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 12:45:01
- 62二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 23:32:19
- 63二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 08:08:17
保守
- 64二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 18:15:43
- 652122/09/06(火) 22:39:28
未完成ですが、冒頭だけ出来たので投下します。
- 662122/09/06(火) 22:41:04
※今回はウタ視点でお送りいたします。
※オリキャラが出ます。御注意下さい。
「……よし、今日はここまでにしよう。ウタ、だいぶ上手くなってきたよ」
「当然でしょ。私は赤髪海賊団の音楽家だからね」
ニヒヒと私は胸をはる。
レッスンを初めてから一年半。
つまりエレジアが滅びてから二年がたった。
今でこそ普通に歌えるが最初の半年は酷いものだった。
どうやら私は人前で歌うことがトラウマになっていたらしい。ゴードンとの最初のレッスンで全く声が出なくなり、気がついた時にはベッドの上だった。
ゴードン曰く私が歌おうとしたら喉を押さえて踞り、喉を空気が通り抜けるような息をしながら気絶したらしい。
うろ覚えだけど必死に歌おうとしていたのは記憶にある。
声が出ないのに無理矢理声を出そうとして呼吸が出来なくなったのかもしれない。
その後は歌うレッスンはなくなり、体力作りと声だしのレッスンばかりになった。
ゴードンの前で歌えたのは半年も たってからだった。
それでも私はちゃんと歌えている。このまま練習を続けていつか必ず平和な世界を作る歌姫になるんだ! - 672122/09/06(火) 22:41:20
「では私は夕御飯の準備をしてこよう。ウタ、洗濯物は頼んだよ」
「任せて、ピッカピカにするから!」
洗濯は元々ゴードンがやっていたが、それだとゴードンに負担がかかりすぎる。なので私がやるようにした。
最初はゴードンはやらなくていいと言ってくれていたが、私が反対を押しきって洗濯を担当するようになった。
「夕御飯、美味しいのをお願いね」
「ああ、今日はウタが上達した記念だ。腕によりをかけよう」
ゴードンの料理だが、二年前はお世辞にも美味しくはなかった。不味くはないだけだった。
まぁ、ずっと王様だったらしいし料理出来なくても仕方ないとは思う。シャンクスだって料理はルウに頼りきりだったし。
「……ところでウタ、夕飯の時でいい。少し相談したいことがあるんだ」
「え?いいよ?私が力になれるなら」
「ありがとう。では夕御飯を作ってくる」
ゴードンはそのまま厨房へと向かった。私も洗濯しなくちゃ。
─────
───
─
- 68二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 08:41:07
ホシュホシュの実
- 692122/09/07(水) 12:48:33
「「いただきます」」
待ちに待った夕御飯の時間が来た。今日のご飯はパエリアと言うらしい。私はスプーンでご飯と具を一緒に掬って口に運んだ。
「どうだね?上手く出来たと思うのだが」
心配そうにこちらを覗き込んでくるゴードン。大きな体なのに小さな子供の様なその姿がおかしくってつい笑ってしまう。
「美味しいよ!ルウにだって負けないくらい!」
「そうか!それは良かった。努力した甲斐がある」
私が褒めるとぱっと笑顔になるゴードン。
レッスンの時は真面目な大人なのにこういうところはシャンクスみたいだ。
……………………………。
いけないいけない、また勝手に落ち込むところだった。何か話を……そうだ。
「そういえばゴードン、話って何?」
「あぁ、それなんだが……ミラーボールアイランドという島は知っているかい?」
「ミラーボールアイランド?」
少し考えたが、やっぱり聞いたことのない島だった。その島に何があるんだろう。
- 702122/09/07(水) 12:49:01
続きは夜か明日です。
- 71二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 12:51:48
ダンスパーティーの舞台か!
- 722122/09/07(水) 22:42:56
「ミラーボールアイランドとはね、ダンスが盛んな島なんだ。エレジアとはまた別種の『音楽の島』でもある」
そんなところがあったんだ……全然知らなかった。
「その島がどうしたの?」
「……今度、その島で歌のコンクールがあるんだ。ウタ、出てみないかい?」
「……え?」
予想外の言葉に思わずスプーンを持つ手が止まる。
だって、それは、私が人前で……。
「ウタの実力に関しては問題ないだろう。ここから更に上達するなら沢山の人に聞いてもらうのが一番なんだ」
「…………」
「無論、ウタが人前で歌うのがトラウマになっているというのは重々承知している。それでも、いずれ世界に自分の歌を発信するなら避けては通れない道なんだ」
ゴードンの言う通りだ、人前で歌えなければどれだけ上手でも意味がない。だけど、私は……。
「……コンクールの規模はそこまで大きなものではないし、お医者さんも直ぐ近くに待機してくれる。人前で歌う練習にはもってこいだろう。応募期限までまだ時間はあるんだ、ゆっくり考えてみてくれ」
ゴードンが話をそう締めくくり食事を再開した。
私もご飯を食べる。だけど、私はコンクールの事で頭がいっぱいになり味が分からなくなってしまった。
- 73二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 10:41:41
保守
- 74二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 12:41:55
保守
- 75二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 21:25:30
ホシュホシュ
- 762122/09/08(木) 21:28:21
ご飯も食べ終わり自分の部屋に戻った私はベッドの上でずっとコンクールの事を考えていた。
『更に上達するなら沢山の人に聞いてもらうのが一番なんだ』
『世界に自分の歌を発信するなら避けては通れない道なんだ』
ゴードンの言葉を頭の中で繰り返す。確かにゴードンの言う通りだと思う。沢山練習しても、結局人に聞いてもらわなきゃ歌声の評価なんて自分ではわからない。
でも、本当に歌えるの?……人殺しの私が、沢山の人の前で?
「う……」
あまり考えないようにしていたあの日の惨劇が脳裏に浮かび、全身に悪寒が走る。今でもたまに夢に見て飛び起きる事がある、恐ろしい記憶。
皆が私を見ていた。期待に満ちた目、楽しそうな目、嬉しそうな目。それら全てが驚きと恐怖に染まり次の瞬間には……。
「うぅ……!!」
耐え難い恐怖に私は自分を抱きしめる。ゴードンは言っていた、私のせいじゃないと。トットムジカが全て悪いのだと。けれど、私はトットムジカを歌ってしまった。それだけは確かに私が悪いのだと思う。だから、やはりあの惨劇には私にも責任があるのだ。
歌いたい、歌いたくない、沢山の人の前で歌いたい、人の目が怖い、多くの人を幸せにしたい、私にはそんな資格がない。様々な思いが綯交ぜになって頭の中をぐるぐると渦巻く。
色々な情景が脳裏に浮かんでは消えていき考えることさえ苦しくなった時、一つの光景が浮かんだ。
『さぁて、うちの歌姫のステージだ。ご静聴願おう』
『ヒュー!』『待ってました!』『今回も頼むぜ』
『ウタが歌うのか!おれ、ウタの歌好きだぞ!』
赤髪海賊団の皆とフーシャ村のルフィ、皆が私の歌を楽しそうに聴いている光景だった。
それはもう取り戻せない光景、暖かな記憶だった。
そうだ、なんで忘れていたんだろう。私が歌うのはこんな風に皆を笑顔にしたかったからだ。幸せな歌を届けて新時代を作るためだ。
なんだ、私の答えは最初から決まっていたんだった。
- 772122/09/08(木) 22:05:25
……いつの間にか眠っていたらしい。
気がつけば小鳥の鳴き声と朝日が窓から差し込んでいた。
ならあのシャンクス達は夢だったんだ……夢だけど会えてよかったな。
よし、と息を調えてベッドから出て服をパジャマから普段着に着替える。鏡の前で顔と髪の毛を確認したら準備OK。
私は部屋を出てゴードンを探し始める……いた。
「おはようゴードン!」
「あぁおはよう、今日は早起きだね。少し待っていなさい。あと少しで朝食が出来るからね」
ゴードンは厨房にいた。ゴードンはコックの服に身を包んでいた。「形から入ることも大事だ」とか言って料理するときはいつもこの格好だった。
今日の朝御飯はスクランブルエッグとウィンナーとトーストかな?いい匂い……ってそうだそうだ忘れる前に言わないと。
「ゴードン、私コンクールに出たい」
昨日の今日ですぐに言ったからかな?ゴードンは目を丸く……サングラス着けてるからわからないや。まぁたぶん目を丸くして驚いていた。
「そうか、出たいか!よかった。しかし、いいのかい?私が進めた手前こう言うのは変なのだか、大丈夫なのかね?」
ゴードンが私のトラウマを心配する。なんでこの人は体が大きいのにいちいち小さく見えるのかな?
「大丈夫だよ、止まってなんかいられないからね。だって私は」
「赤髪海賊団の歌姫、ウタだからね!」