- 1二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 00:40:22
きっかけはシリウスシンボリが校舎裏で拾った一冊のメモ帳だった。
「なんだこれは…マル秘ネタ帳…?」
どこにでも持ち歩けそうな小さなメモ帳。
ぽつんと落ちていたそれを拾ったのはただの興味本位であったが、それを手にしたとき遠くから誰かがこちらに向って駆けて来る足音が聞こえた。
「うぅ…ない!ない!ないいい!!絶対に見つかってはいけないウマ娘ちゃんネタ帳がああああ!」
足音の主はアグネスデジタルであった。
デジタルは近くにいるシリウスにも気づかない様子で地面を見回すと、地面を這いつくばり始めた。
「…おい。」
「あああああああ!アレがもし誰かに見られてしまったらあたしはアルカトラズ!?インペルダウン!?アズカバン行きになって──」
「…おい!」
「ふぇ…?」
シリウスがやかましい声に耳をぺたんと畳みながらデジタルに声をかけると、デジタルはきょとんとした顔で目線を上げた。
「ひょ、ひょわああああ!?シ、シュリウスシンボリしゃん!?」
「私を無視するとは…いい度胸してるじゃないか、お前。」
「す、すすすすすみませええん!私としたことがなんたる不覚を…ッ!?」
「まぁいい、ところでお前が探してんのは…コイツか?」
シリウスが先ほど拾ったメモ帳をデジタルに見せると、大きく何度も首を縦に振った。
「そ、それです!あ、あああああの…つかぬことをお聞きしますが中身を見たりとか──」
「さぁ、そいつはどうかな?」
シリウスは中身を見てはいない、しかしあえてそう言ってはぐらかすとデジタルの顔から一気に血の気が引き、大きく崩れ落ちた。 - 2二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 00:41:38
「は…あははっ…終わった…デジたんの冒険はここで…終わってしまった…。」
その様子を見ながら"一体何を書いていたんだこいつは…"とシリウスが呆れていると、デジタルは今にも土下座しかねない勢いで地面に手を着きながら縋るような目を向ける。
「お願いしますぅ…!後生ですからメモ帳のことは内密にぃ…何卒、何卒!」
「お、おう…。」
「お願いします!なんでも!なんでもしますからぁ!?」
デジタルが思いがけずそう口にした瞬間、畳んでいたシリウスの耳がピクリと反応した。
「ほお…なんでも、ねぇ?」
「あっ…あたしとしたことが…言ってはいけない台詞を…。」
咄嗟にデジタルが口を塞ぐが時すでに遅し。
シリウスはにやりと笑みを浮かべながら、デジタルのことをじっくりと見つめなおした。
アグネスデジタル。
未だジュニア級ではあるが芝、ダートとコースを選ばない走りを見せるオールラウンダーだ。
選抜レースでは期待を裏切らない走りを見せ、トレーナーたちやURAからは期待の新鋭として注目を集めている。
その一方、熱狂的なウマ娘マニアの一面を持ちその脚質も相まって裏では"変態"という不名誉な異名を付けられているが、どうやらシリウスはその一面の深い部分に偶然ながら触れてしまったらしい。
「…芝、ダートを問わないオールラウンダーか。」
「は、はぃ…デジたんが目指すところはたしかにそうですがそれがどうか…?」
「ふっ、おもしろい…いいことを思いついた。」 - 3二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 00:42:12
シリウスは笑みを浮かべるとお決まりの仕草で掌を上に向けながらデジタルを指さした。
「ひょッ!?」
「メモは返してやる、口外はしない、ただし…一週間だけ私に付き合ってもらう、いいな?」
そう交換条件を提示した。
しかしデジタルは返事をせず、シリウスのことを眺めながら目を大きく見開いている。
「……。」
「…おい、どうした?」
シリウスが怪訝そうに眉をひそめると、デジタルは急に頬を赤らめながら表情をとろけさせた。
「な──」
「な…?」
「生で初めてみちゃいましたぁ…シリウスさんお決まりのポーズ…これはみなさんメロメロになっちゃいますよねぇ、うぇへっ…えへへへ。」
「…。」
どこか別の世界に飛んで行ってしまったかのように天を仰ぐデジタルを見ると流石のシリウスも閉口するしかなかった。 - 4二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 00:42:52
私の名前はアグネスデジタル、どこにでもいる普通のウマ娘。
しかし愛するウマ娘ちゃんたちのレースに対する熱い想いをその身で感じるため、オールラウンダーとしての一歩を踏み出そうとしていた。
その矢先に──
「よしお前ら、コイツが今日から一週間トレーニングに付き合ってもらうアグネスデジタルだ。」
どうしてこんなことになってしまったんですかねぇ!?
全ての発端はウマ娘ちゃんたちの尊いあれやこれやを書き留めておいた大事なネタ帳を落としてしまったデジたんの不徳が致すところですが、何ゆえこんなところに!?
目の前にいるのはシリウスさんの取り巻きさんたち。
ワイルドな雰囲気のウマ娘ちゃんたちもそれはそれで良き…とは思いますが"OTAKU"のあたしにとってはやっぱりこう…ビクッと来ちゃう本能的な恐怖がありましてですね。
クローズやろくでなしブルースの世界にきらら漫画のキャラを放り込んだようなもので違和感がマックス有頂天な訳ですよ。
「ふ、ふひひ…アグネスデジタルですぅ…よ、よろしくお願いします…。」
うっわぁデジたんすっごい変な笑い方しちゃってますねえくぉれは、あたしを見る取り巻きさんたちの目がすっごい怖いですもん。
「まぁ見ての通り癖の強い奴だが実力は本物、芝ダート両方走れる期待のオールラウンダー様だ、精々利用してやれよ。」
「も、勿体なきお言葉…このデジの字にできることでしたら協力させてもらいますので。」
「じゃあさっそくこいつらと並走してもらうか…ちなみに手を抜いたりしたら、分かってんだろうな?」
「はいい!全力全快一意専心天元突破で務めさせていただきますぅ!」
しかしこれもきっとデジたんに課せられた使命であり試練!
新たなウマ娘ちゃんたちとの交流の中できっと新たな道が拓かれ── - 5二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 00:44:02
期待大
- 6二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 00:44:03
「チッ…まぁ先輩の連れて来た奴ならいいけど…。」コソコソ
「あーあ…先輩と並走したかったなぁ…噂の変態じゃん。」コソコソ
あっ、心が一発で折れそうっ。
しかしかろうじて致命傷で済みました、ええいままよ!根性トレーニングだと思って頑張りますよおお!
そうやって挑んだ並走トレーニング。
最初はウマなりに流して──なんて思ってたら皆さん一杯に追って来るんですよねえ。
そりゃサイドキックスの集団にナードがしゃしゃりこんで来たら全力で叩きのめそうと思いますよ、しかしこの熱気、敵意、ビンビンに強い気持ちが心に突き刺さって来るうううう!
「うひょおおおおお!!!!!」
「うぉっ!?何コイツ!?」
「嘘でしょ!?二人でマークしてんのに簡単に抜け出すじゃん!?」
むふふふふ、あたしとスクール・カーストに差異はあれどやはりウマ娘ちゃん。
やはり走ることに対する想いは誰も一緒なんですねえ、デジたん燃えてきましたよ!
「ふぅ~、まずは一本。」
「ぜぇ…ぜぇ…くそっ!!全然追い付けなかった!!」
「おい!一本でへばったなんていうんじゃねえぞ!次はあたしだ!」
「は、はいい!どんとこいですよ!」
気合を入れなおしてもう一本!
そのまま何度も並走に付き合ってるうちにシリウスさんも参加してもうね、デジたん大興奮ですよ。
いやーもう流石というかなんというか、先行させてもらって粘ったんですけどコーナーでまくられてそのまま直線で競り負けちゃいましたね。
でもおかげで取り巻きの皆さんも大盛り上がり、結局日が暮れるまで並走並走また並走──嗚呼、幸せぇ…。
う~んしっかしなんでシリウスさんはあたしを練習相手に使ってるんですかねえ、シリウスさんさえいれば大丈夫な気がするんですが。 - 7二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 00:45:24
「ぜぇ…ぜぇ…さ、さすがのデジたんもそろそろ…。」
「お疲れさん、ほらよ、私からの餞別だ。」
あたしがくたくたになってグラウンドにへたりこんでたら、なんとシリウスさんがスポーツドリンクをくれたじゃありませんか!
「ひょえっ!?いいんですかぁ!?」
「いちいちうるせえ奴だな…ほら、いいから飲めよ。」
「あ、ありがたき幸せぇ…!」
このペットボトル…洗って保存してもいいですかねえ…。
なんて邪なことを考えてたらシリウスさんがこちらを見ていてハートブレイクショットを喰らったかと思いましたよ。
「どどどうしましたシリウスさん、あたしは別に何も変なことは──」
「お前、今日あいつらと並走してみてどう思った?」
「え…皆さん気合が入ってて良かったんじゃないですかねえ。」
「そんなお為ごかしが聞きたいんじゃねえ、正直に話せ、全部だ。」
「あ~…えっと…そうですねえ…。」
ギラっとした目で見られてついついデジたん目を逸らしちゃいましたよ、はい。
しかしそう言われたからには嘘はつけませんし、ここは正直な感想を言うしかないみたいですねえ。
「皆さん気合は入ってるんですけどぉ、正直まだ基礎ができていない感じがしましてですね…。」
「ほお?」
「三人で並走していて牽制しようとしてるんですが…あたしが抜け出そうとするとあっさり抜け出せちゃったんでまだ走るだけで精いっぱいなのかな~なんて。」
「…。」
「走り方的にダートが良さそうな方もいましたがまだまだ走りなれてなさそうというか…えーっとデジたんが思ったのはこれくらいで。」
「ふっ、どうやら私の直感は冴えてたみたいだな。」
あたしの話を黙って聞いていたシリウスさんはそう言うとですね、なんとあたしに向って手を差し出して来たんですねはい、急に。 - 8二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 00:46:24
「お前、明日から約束の日まで私の代わりにあいつらにトレーニングを教えてやれ、返事は"YES"でいいよな?」
いや~吃驚仰天ですよ本気で。
そんなこと言われましてもねえ責任取れないじゃないですかあ。
トレーニングの知識自体はあってもまだまだジュニア級のウマ娘ですよあたしは、いくらメモ帳の件があってもそんなそんなたいそれたこと──
「はいい!不肖アグネスデジタル!返事はYESしかございませんよ!!!」
いや無理、無理ですよ、あの顔ですよ?
シンデレラの王子様も裸足で逃げ出すあの美貌のシリウスさんに手を差し出されてみてくださいよ。
こんなの明日までにフルカラーの原稿を製本して納品しろとか言われても喜んでYESって言いますよ、徹夜だろうがなんだろうがあの顔と手に触れた感触だけで七十二時間月月火水木金金戦えちゃいますよ。
「で、ですがなんであたくしめにそんな大役を…?」
「私はダート含め専門外のことも多い、それにこうやって顔役なんてしちゃあいるが教えるのが得意って訳でもねえ。」
むふぉ…そう言って少しばかり自嘲したように微笑むシリウスさんの美しさよ。
いかんいかん、ここでよだれなんか垂らすわけにも行きませんよ。
「とはいえコイツら相手にわざわざ時間を割きたがるトレーナーもいねえ、残念ながらな。」
「そ、そんなことは──」
「あるんだよ、ま、だからお前みたいな奴がちょうど欲しかったんだ。」
そう言ってシリウスさんは…ひええええええ、あたしの顎に指を!?
こ、これはああああああ、顎くいッッッッ!!?
「期待してるぜデジタル先生。」
Oh…ダメです、今度こそ心臓止ま…る──
こうしてデジたんの熱血スクール☆ウォーズが始まったのであった。 - 9二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 00:47:33
この物語は、ある学園のイケメンにほいほい誘われて先生役を務めることになったどこにでもいる一人のウマ娘の教育の記録である。
「ねえねえデジたん~、ダートの走るコツみたいなのある?スクワットで足鍛えたんだけど上手くいかなくてさぁ~。」
「う~ん、そうですねえ…スクワットよりダートを走りこむ回数を増やすのが先決だと思います。」
「へぇ~、先輩はガンガンスクワットとかやってるけどどうなん?」
「それはですね、おそらくシリウスさんはもう本格化を迎えて身体がしっかりしてるんですよ。同じトレーニングをするのはまだ厳しいかと…。」
「そっかぁ~、まぁデジたんダート走れっから、その通りやってみるよ。」
「はいっ!頑張ってください!また質問があれば気軽にどうぞ!」
「おーいデジたん!並走したいからこっち来てくれよ!」
「はいっ!あたしにお任せあれ!」
「デジた~ん!その次こっち来て~!」
い、忙しい!
やることが、やることが多い!
でも皆さんあたしの実力を認めてくださったのかありがたいことに大分優しい雰囲気になってますねえ。
いつのまにか"デジたん"だなんて渾名で呼んでくださってますしぃ…うぇひひ…いいですなぁこういうのも。
「よぉ、随分人気者じゃねえか、デジタル。」
「ひょ!?シリウスさん!?お陰様で頑張れてますう。」
「後で私にも付き合えよ、私なりに差しのコツ教えてやる。」
「ありがたき幸せぇ~!」
いや~最初はどうなることかと思いましたけどどうにかなるもんですねえ!
おまけにあのシリウスさんと並走ですよ、いやはやなんたる僥倖。
ウマなりから一杯まで何度も走ってもらったうえにコツまで教えて貰えちゃいましたよ。
重バ場を苦にしないパワーから繰り出される力強いコーナーワークと位置取りの上手さ、レース映像は何度も見たことあるのに身近で見ると迫力が段違いですよもう。
先行させてもらって距離が開いていたのに遊びはおしまいとばかりに追い上げて来られたときのドキドキといったらもう、辛抱たまらんですねえ! - 10二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 00:48:00
そんな風に過ごしていたら光陰矢の如し──あっという間に約束の一週間ですよ。
デジたん先生もこれでお役御免、寂しくなりますがその分いい経験もたくさんできました。
「マジで!?デジたんもう終わりなの!?」
「はい、ちょっと事情があって一週間だけという約束でしたので~…。」
「んじゃあ今日の放課後付き合えよ、多分先輩がいいとこ連れてってくれると思うからさぁ。」
「い、いいとこ!?」
ひぃぃ~そんなドキドキするワードを口にしながらめっちゃボディタッチしてきますやんこのお方たちは~!
陽キャ特有のスキンシップってやつですかこれが!?
あ~無理無理無理、ウマ娘ちゃん特有の良い匂いに練習上がりのほんのり漂う健康的な汗の香りが相まってもう凶器ですよ凶器!
いかんいかん…このままでは鼻からウマ娘ちゃん愛があふれ出てしまう。
深呼吸深呼──したらダメですねこれは、心拍数爆上がりしますよこんなん。
「おいおいお前ら、好き勝手言ってくれんじゃねえか。」
「あ、せんぱーい!今日はデジたんと一緒に遊びに行きましょうよ!」
「仕方ねえなぁ、いつものビリヤード場でもダーツでもどこでも連れてってやるよ。」
「さっすが先輩!」
おおう…これがジョック…いやクイーン・ビー…いやいやいやそれらの要素を含めたカリスマの懐の深さってやつですかあ!?
眩しい!所詮ナードのデジたんにはあまりにも眩しすぎますうううう!!
「…あの~先輩、すいませんけど今日はあたし…その~…。」
おや、取り巻きさんの一人が申し訳なさそうに手を挙げました。
先日あたしにダートのことを熱心に聞いて来たウマ娘ちゃんですね、どうしたんでしょうか一体。 - 11二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 00:48:45
「…どうしたんだ、言ってみろよ。」
「いや、その~…。」
「私は嘘つきは嫌いだ、言えよ、正直にな。」
お決まりのポーズで取り巻きさんを指さすシリウスさん、すると決心がついたようで。
「今日はもうちょっと練習して帰りたいなって思って~。」
「へぇ、気合入ってるじゃねえか。」
「す、すいません~!せっかくみんなで遊びに行こうとしてるのに~!」
「気にすんな、ここで妙な嘘ついたら張り倒してるとこだったからよ…で、遅練のために届け出は出してんだろうな?」
「…あ~。」
「バァカ。」
そう言いながらシリウスさんが取り出したのはまさか…まさかぁ!?
「ほらよ、私の名前で延長許可はとっといた、好きなだけ走ってこいよ。」
「先輩~!!」
あああああああ!!!なんたるイケメンムーブ!!!!なんなんですか!?実はすっごく可愛がってるんですね取り巻きちゃん一人一人のこと!
尊いぃ…尊いぃ…まさかこんな景色が見られるなんてえ…うぅ…ちくしょう、目から汗が滲み出て来やがるぜ今日はよお!
「あ、あのぉ!お誘いはありがたいんですけど…デジたんも付き合っていいですかその練習に!」
「え~マジでデジたん!?」
「熱血してんじゃん、しゃあないなぁ…デジたん今度の放課後空けとけよ、あ、てかLANE教えてよ、今度遊びに行こーぜ。」
「私めでよろしければ喜んでぇ…楽しんでくれるか分かりませんが。」
やっべえよ、ついに陽キャとLANE交換しちゃいましたよデジたん。
しかし感慨に耽るのはまだ早い!
最後までみっちり練習に付き合って、デジたん先生の仕事を全うしますよ!! - 12二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 00:49:07
ふう、トレーナー室で仕事をしていたらすっかり遅くなってしまった…新人の自分も、担当ができたらもっと忙しくなるのかなぁ。
流石にこの時間になると誰もいないし…あれ、まだグラウンドに誰か残ってる!?
"ぜぇ…ぜぇ…これでダートのフォームは大分よくなったと思いますので…。"
"はぁ…はぁ…あ、ありがとう~デジたん~おかげでまだあたし…トレセンで頑張れそう。"
"へ、へへっ…嬉しいこと言ってくれるじゃないですか…熱血ティーチャーでバーニングハートした甲斐がありました。"
"ははっ…相変わらずわけわかんないこと言ってんね~デジたん~。"
あれはアグネスデジタルと…一体誰だ?
いや誰でもいい、こんな時間まで熱心にトレーニングをしてるのにウマ娘同士でなんて…まさかトレーナーがいないのか?
分からない、けど──
【思い切って声を掛けに行ってみよう…!】 - 13二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 00:50:25
「「「え~!?担当ができたって!?」」」」
「そうなんだ~昨日デジたんと練習してたら声かけられちゃって~。」
「ほぉ、よかったじゃねえか。」
嬉しそうにシリウスさんと取り巻きの皆さんに報告するウマ娘ちゃん。
そしてその後ろでクールに腕を組み、後方(似非)トレーナー面をするあたし。
一週間頑張った甲斐があったというものです!さて、ここは皆さんで感動を分ちあってもらってデジたんワゴンはクールに去──
「じゃあ、お前の居場所はもうここにはねえ。よく頑張ったな。」
…なんですと!?
まさかのシリウスさんの言葉にあたしも去るわけにはいかなくなりました。
「…え…あの~先輩、どういうことで~?」
「言葉通りだ、お前はもうここに来るようなウマ娘じゃない、担当トレーナーがついた一端のウマ娘だ。お前の居場所はもう別にある。」
「そ、そんな…あたしは…そんなために頑張ったんじゃ──」
「いいから行けよ、もう、ここには、関わるな。」
厳しい口調で突っぱねるシリウスさんに周囲の皆さんも戸惑いを隠せない感じで…。
「あ、あの先輩…。」
「なんだ、私に口答えするつもりか?」
「い、いやそんな…。」
「だったら黙ってろ。」 - 14二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 00:50:48
あ~一発で黙らせられちゃいました…そりゃそうですよ、今のシリウスさんこの一週間で見たことない顔してますもん。
ここで声を上げられる人なんて誰もいませんよそんなの…。
「ちょっと待ったあああああああ!!」
「あん…?」
いるさ!ここに一人な!!
って思わず声出しちゃいましたよあたし!!
「なんだ、こいつらは私の群れだ、お前には感謝してるが口答えされる義理は──」
「あ、あああありますとも!あたしだってこの一週間ここにいたんですし!口くらいは出しますともええ!」
あ~もう自分でも何言ってるか分かりませんねえ!
しかしここで黙っていちゃあ熱血ティーチャーじゃありません!伊達にスクール☆ウォーズなテンションで挑んでないんですよこちとら!
「シリウスさんの気持ちは分かりますよ!どうせ自分の役割はもう終わったとか勝手に思ってるんでしょうね、ええ!」
「あぁん?」
「でもねえ!ここに居場所がないなんて大嘘なんですよ!取り巻きの皆さんも担当ができたことすっごく喜んでくれてたじゃないですか!」
「……。」
「デジたんは短い間でしたがここにいたから分かります!ここがいかに尊みに溢れた空間か…そして貴女がどれだけ皆のことを可愛がっているかもね!」
「勝手にこっ恥ずかしいこと言いやがって…さっきも言ったがこれは私の群れだ、私の群れのことは私が──」
「だったら言わせてもらいますけどねえ!群れに引き入れて──惚れさせた責任くらいとってやれって言ってんですよあたしはあああ!!」
「!?」
シリウスさんの表情が崩れた!ここを攻めない手はないですよ! - 15二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 00:50:58
wktk
- 16二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 00:51:42
「皆さんもうシリウスさんに惚れこんでるんです!それを担当ができたから勝手に役目を終えたと思ってるのならねえ、見当違いも甚だしいですよこいつは!」
「惚れさせた責任…かよ…。」
「はいそうですよ!デジたんだって最初はなんでこんな場違いなとこにと思いましたけどねえ!今ではここが大好きですよ!貴女も!みんなも!」
「…。」
「だから勝手に居場所を奪わないであげてください!きっと…悪いようにはならない筈です!あたしには分かります!」
「はぁ…。」
い、言い切った!
心の赴くままに言い切ってしまったああああああ!!
ああ恥ずかしい!!!でもいいんです、ここで何も言わなかったらきっとデジたん一生後悔してましたからねえ!! - 17二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 00:52:17
「おい、デジタル。」
「な、なんですか…。」
「ふっ、私の負けだ…たしかに、惚れさせた責任はとらなきゃいけないよな…おい!」
か、勝った!?デジたんが勝った!?
取り巻きちゃんに呼び掛けるその目が…優しい!!
「は、はい~!」
「いつでも遊びに来い、ただし…くだらねえ弱音を吐いたらこんどこそ蹴りだしてやるからな。」
「せ、先輩~!!」
ふっ…これにて一件落着、ですね。
さて今度こそデジたんはクールに去るとしま──
「デジた~~ん!!あんたやるじゃんシリウス先輩に啖呵切るなんてさ!!」
「ほんとほんと!私なにもできなかったのに~!」
「な、なんですとウマ娘ちゃんたちの波がぁ!?あば!?あばばばばばば!!?」
うっひょおおおおおお!!!みんながめっちゃがハグしてくるんですけどおおおお!!!?
やばい!!むぎゅって!?むぎゅ~って柔らかい何かがぁ!?あっは、あっはっはっはっはぁ!?
「ひょええええええええええええ!!!!!!!!」
こうしてデジたん初めての熱血先生体験は、むぎゅむにな結果に終わったのだった……。 - 18二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 00:53:07
「そういやあいつ、メモ帳に何書いてやがったんだ…。」
「…思った以上にろくでもねえこと書いてやがる…が、まぁいい。」
「お礼くらいするつもりだったからな、一つくらい、このシチュエーションを叶えてやるか。」
第一部完
次回「デジたん御褒美編」
(多分)続く - 19二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 00:55:00
うおおカッコよかった
- 20二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 01:05:18
コイツぁ良いSSだぞ…エミュ精度たけえし話自体も面白かった
乙 - 21二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 01:25:48
乙、面白かった
- 22二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 09:00:46
読みやすいし引き込まれる良い文章
すごく面白かった! - 23二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 09:14:26
いい話だった
- 24二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 16:50:43
うおおー良作SSありがとう
- 25二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 16:55:41
ありがたい…ありがたい…
五臓六腑に染み渡る尊み… - 26二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 16:55:42
俺までデシたんになっちまうよ…
- 27二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 17:15:41
デジたんエミュが上手い上に内容も面白い
続編も期待 - 28二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 17:16:05
デジたん漢気見せたなぁ
面白いSSありがとう - 29二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 17:27:17
長いのにスラスラ読めるのすごい
- 30二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 17:52:18
素晴らしいものを読ませていただいた……
- 31二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 18:39:36
アウトローとオタクの組み合わせは健康に効く
もっとシリデジ増えろください… - 32二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 18:46:00
デジの字の語感好き
- 33二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 19:00:13
デジたんがガチ、これはいい。
- 34二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 19:29:43
あたしの名前はアグネスデジタル、なんやかんやでイケウマ娘ちゃんに目を付けられた普通のウマ娘。
今日はなんやかんやの発端となったネタ帳をシリウスシンボリさんから返してもらうべく、LANEで指定された場所へと向かっているわけですが。
「え~っと…指定された場所ってここですよねえ…。」
何故か指定された受け渡し場所が人気のない放課後の教室なんですよねえ。
しかしデジたんにはほんのり嫌な予感と同時にそれ以上のワクワク感があってですねえ、一体どんなイベントが起こるのか気になってしまう訳ですよ。
「…失礼します~。」
「おう、来たなデジタル。」
教室の中には案の定シリウスさんが一人。
ふむふむ、これはシリウスが取引の現場が見られないように気を遣ってくれたんですねきっと!いや~やっぱり優しいですねえ。
「これがお前のメモ帳だ、約束通り返してやる。安心しな、中身は見てねえ。」
「なんと!?それは助かりました!!」
「と言いたいところだが──」
「ひょ…?」
「見ちまった。昨日な。」
「へ?」
え?
ええええええええええええええええええええ!!!!!!???
なんなんですかそれ!!?上げて落とすってやつですかこれ!!?
悔しい!!でもシリウスさんにされたらドキドキしちゃう!!自分が憎らしい!!!! - 35二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 19:30:02
「〇月×日、今日はキングさんの元に行列が。なんとウララさんが耳かき名人として喧伝してしまったらしく──」
「ああああああああああ音読しないでええええええ!!!」
「私のことも書いてあんなぁ、△月□日、カワカミさんにシリウスさんがまさかの顎くい&お姫様呼び、これは証拠の…ってお前、写真まで撮ってやがったのか。」
「くぁwせdrftgyふじこlp!!!!!1!1!?????」
なんで写真まで撮ったんだあの時のあたしいいいいいいい!!
まずい!これはまずい!!一週間のご奉仕程度じゃ許されないくらいまずい!!
このままじゃデジたんの健全なトレセン学園生活が…いや自業自得ですけども!!
「お願いします許してくださいいい!!なんでも…はできませんが蹄鉄くらいならお舐めしますからああ!!」
「おいおい、別に怒っちゃいねえよ…とんでもねえ奴だとは思ったけど。」
嗚呼…若干哀れみを含んだような目が痛い。
いっそ養豚場の豚さんを見るが如き冷たい目で見てくれた方が気が楽ですよこんなん。
「それに、お前には取り巻きの件で借りもあるからな。」
「え…それはあくまでメモを返してもらうためってだけで…。」
「ばぁか、期待以上の仕事をしてくれたってことだよ。ありがたく思いな、その礼に今日は私がお前にご奉仕してやるよ。」
「へ?」
WHAT?WHY?
GO HO U SHI !?
「あの~…デジたんの耳が悪くなければですねえ…シリウスさんがご奉仕してくれるって聞こえたんですけども…。」
「あぁん?二度も言わせるな、そう言ったんだよ私が。」
うっそだろお前。
シリウスさんと言えばうら若き乙女たちを熱狂させる美形だらけのこの学園でも十本の指に入るイケメン、つまりイケメン十傑集ですよ。
それがこの冴えないオタク少女にご奉仕?これなんて乙女ゲー? - 36二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 19:30:38
「いいから座れよ、私が直々に耳かきしてやる。好きなんだろ?耳かきとかな。」
そう言ってメモ帳をちらつかせやがるんですよこのイケメンは。
はぁ~~だめですよデジたん!
いいですか、貴女は所詮この学園ではモブもいいところなんですよ?
シリウスさんがこんなことするとすればですねえそれ相応のウマ娘ちゃんがいる訳であたしがこんなご褒美をもらえるなんて解釈違いもいいところですよ身の程を知りなさ──
「お、お願いしましゅ…。」
断れるわけあるかんなもんんんんんんんん!!!!!!!
デジたんだって女の子なんですよおおおおお!!!!!????
無理!身の程なんて今は忘れます!!!!
「ふっ、いい子だ…お姫様。」
うわこれやっば。
椅子に座ったら後ろにシリウスさんが立ってくれてるんですけどね、わざわざ耳元で囁いてくれるんですよ。
ほんのり吐息がデジたんの耳を優しく撫でるだけで心拍数上がるのにお姫様ですよ。
ったはぁ~~、恋愛漫画でよく見るシチュですけどいざ自分がやられたらヤバいですよこれ。
「じゃ、まずブラッシングからだ。耳のついでに髪も梳かしてやるよ。」
言いながらデジたんの髪をすーーっとですね、何かがすり抜けるわけですよ。
これブラシじゃなくて指ですね。
以前デジたんの顎を持ち上げてくれた綺麗な指が今度は髪に触れてるんですよ。
そのまま何度か指で梳いたうえでスッと持ち上げられて── - 37二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 19:30:55
「へぇ…いい匂いすんじゃねえか。」
嗅 が れ て る ! ?
デジたんがやったら一発で監獄どころか絞首台行きのことをこやつめ~!
ドキドキするじゃないですかぁ!!!
「もしかして、私に合うために念入りに手入れしてきたのか?」
「え、いや、その…あたしはいつも手入れは欠かしませんので…不快に思われたくないですしぃ…。」
「ばぁか、そこは嘘でも頷いとくんだよ。」
はぁぁん選択肢を間違えた!?デジたん一生の不覚!!
「ま、私は嘘が嫌いだ。正直なとこは嫌いじゃねえ。」
ゆ、許された!
心臓止まるかと思いましたよも──
「ちなみに私は、お前のために爪の手入れはばっちりしてきたぜ。」
………
ふう、予備の心臓がなければ即死でした。
つ、爪て!爪て!?一部のジャンルのマニアは爪の手入れに関してはめっちゃ目ざといんですよ!?
あ~だめですだめです、そんなこと言われたら心臓の一つくらい止まりますよこんちくしょー!!
そんなことを思ってるうちに今度はブラシで髪を優しく梳いでくるんですよ!
あの並走のときの力強い走りとは真逆!デジたんの髪をガラス細工とでも思ってんですかってくらい優しく扱ってきてぇ…蕩けるぅ。 - 38二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 19:31:43
「よし、ブラッシングは終わりだ…次は耳、拭いてやるよ。」
「は、はひ…ひゃうぁっ!?」
耳に冷やっこい感覚が来て思わず声出しちゃいましたよ。
流石にお湯は用意できなかったんで水で濡らしたタオルで拭いてくれたんですねえ、いやいやお恥ずかしい。
「なんだ、耳弱いのか?」
「は、はい…ごめんなしゃい変な声を…。」
「可愛い声だすじゃねえか、少し苛めたくなっちまった。」
あっ、一発で夢女子になるっ。
心なしか耳を拭く強さがちょびっと強い。
柔らかいタオルを使ってくれてるのに耳の皮膚にしっかり触れてる感覚があるくらい擦られて、その度にぞわぞわっと心地よい感触が背筋を突き抜けてぇ。
「どうだ、気持ちいいか?」
「ひゃい…気持ち…いいですぅ…。」
そのまま耳をマッサージですよ。
耳周りの小さな筋肉を一つ一つ解すようにじっくりとタオルで擦られてるうちに冷たかったタオルも常温になっちゃいましたねえ。
つまりそれくらい長い時間ずーーっと耳を丁寧に弄られた訳ですよ!あの指で!
耳しか触られてないのにもう身体中がぽっかぽかしてますよ!
頬は熱いし胸はドキドキしてるし尻尾もびくびくしてるし…あ~!!もうあ~~!!!!あ~~!!!!!!!!
叫びたい!
この行き場のない熱を叫んでどこかに逃がしたい!
渇いた叫びで爆発しそうな胸をどうにかしたい!! - 39二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 19:32:07
「さて…そろそろお待ちかねの耳かきの時間だけどよ、お姫様。」
「な、なんでひょうか…はわぁっ!?」
ななななななんかデジたんの後頭部に柔らかいものがぁ!?ボリュームがある柔らかいものがあああ!!?
これもしかして後ろからあたしにもたれかかって、アバーーーーーッッ!!!!?
「今から選択肢が二つある、一つは普通に耳かきを使うこと、もう一つは──」
あ、あたしの肩越しにシリウスさんのお手々が目の前にぃ、しかも本当に爪が綺麗に手入れされてぇ…。
「私の、指で、直接愉しませて欲しいかだ。」
「指で!?直接ぅ!?」
「ああ、マッサージが余程お気に召してくれたみたいだしな…どうする。」
ああああああああ!しかもその指先が私のく、唇に、触れ、触れッッ──!?
「答えろお姫様、可愛がってやる。」
「ゆ…指がいいれしゅう…。」
「いい子だ。」
指がそっと優しく、あたしの唇に触れて、すぐに離れちゃって、次の瞬間後ろから──
チュッ
って音が…ってこれ、まさかぁ!!!? - 40二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 19:32:22
「か、かかか間接キキキキッス……!?」
「おや、バレちまったか。」
………
「エ───」
「え?」
「エンダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」
「うぉっ!?」
「いやああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
「エイドリアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンンンンン!!!!!!!?????」
前略オフクロ様。
デジたんは今日、もしかしたら大人の階段を一歩上がってしまったかもしれません。 - 41二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 19:32:55
一方その頃、生徒会室
「ふう、すまないエアグルーヴ、仕事が一段落着いたから少し席を外すよ。」
「それは構いませんが会長、何かご用事が?」
「いや、先日シリウスの友人に担当のトレーナーが着いたようでね、自己満足になるかもしれないが、せめて一言祝わせてもらいたいんだ。」
第二部完
次回完結「風雲龍虎編」 - 42二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 19:34:32
良薬も分量次第で劇薬に変わるからねえ…
- 43二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 19:39:20
デジたんが幸せそうなSSはなんぼあってもいいですからね
- 44二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 19:39:54
そして新たな宇宙が生まれた…
- 45二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 22:28:45
えっちだった
- 46二次元好きの匿名さん22/09/02(金) 22:43:48
こういうオタクと不良の少しずれた恋愛は鉄板ものですからね(少し違う気がするけど)
- 47二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 00:11:05
- 48二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 02:36:48
続きがきてる!!!
- 49二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 02:43:39
デジたんビックバン起こしてるやん
これは完結編も楽しみだわ - 50二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 11:35:31
次のデジたんはカイチョーとシリウスに挟まれてシンボリサンドされるのかあ…捗るわね
- 51二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 17:59:22
誰もいない教室に、荒い吐息が漏れる音が響く。
その吐息が不意に少し大きくなったかと思えば衣擦れの音が鳴り、微かな嬌声が耐えきれないとばかりにあふれ出た。
「ひゃッ…!」
「おいおい、次デカい声出したら…分かってるんだろうなお姫様?」
嬌声の主とは別の、低く、色気を含んだ声がそっと空気を撫でる。
言葉には圧がありながらも声自体には気が付けば心に踏むこまれそうな優しさが混じっていた。
まるで悪戯をした子犬を叱るように優しく──それでいて力関係を如実に感じさせる語り方。
飼い主とペット。
ペットは飼い主に叱られたことで身を縮こませるが、飼い主はそんな様子が一層可愛らしく見えるらしい。
そっと、ペットの耳に口元を近づけ、息を吐いた。
「んんッ…!」
ぶるり、とペットの身体が震える。
耳に触れた吐息にはそのまま全てを融かして脳にまで流れ込み、蕩けさせてしまう熱がある。
その熱を直に受けたのだ。
今まで体験したことのない悦びがペットの身体に沁みこむ。
同時にこの飼い主は、身体に悦びを与えてくれる存在だという"躾け"もまた沁み込んだ。
ペットの耳に飼い主の指が触れる。
触れられた瞬間ペットは身体を縮こませるが、決して逃げ出さない。
もう、躾けられてしまっているのだから。
耳の淵を指の腹が撫でる。
乾いていない、潤いを含んだ指が輪郭をなぞり、撫で、じっくりと耳の内側に向っていく。
焦らすように、弄ぶように。
耳は内側にいくほどに感覚が敏感になる。
じわじわと耳が飼い主の潤いで染まっていく。
ペットが思わず股を閉じ、スカートの端を握った。 - 52二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 18:00:00
もどかしいのだ。
一思いにもっと敏感な部分を飼い主の指で触って欲しい、けれどもペットにそんなことを命令する権利はない。
そしてなによりこの焦らされている感覚もまた間違いなく心地よいのだ。
可愛がられている。
弄ばれている。
気持ちいい。
もどかしい。
優しい触れ方。
意地悪な触れ方。
続けて欲しい。
やめて欲しい。
相反する気持ちがいくつも重なる。
否定も肯定もできない気持ちは耳を嬲られるたびに混ざり合い、感覚を狂わせていく。
「…耐えろよ。」
「へ…?」
もう快感以外の感覚が朧げになって来たころ、不意に飼い主の声がペットの耳に響いた。
「んんぅッ…!?」
するりと飼い主の指がペットの耳の敏感な部分を突いた。
しっとりと指の腹で撫でられたかと思うと、手入れされた爪の先が痺れるような感覚を与える。
痛みにも似た心地よさ。
微かに痛みを含むその感覚が、痛みに悦んでしまったかのような背徳感を与える。
痛いのに気持ちいい。
それを自覚した途端ただでさえ熱を帯びていた身体がさらに熱くなり、スカートを握る手にも力が籠る。
しかしそんなことをしてしまえば、自身が悦んでいることなど飼い主からすれば一目瞭然であった。 - 53二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 18:01:06
「気持ちいいか…?」
「あっ…うぅ…そのぉ…。」
「言えよ、ほら、どこがいいんだ?」
またしても敏感な部分を飼い主の指が擦る。
しかし足りない、ペットだけに分かる自身の心地よい場所はそこではなかった。
「もう…少し…奥を、つ、強め…にぃ…。」
「へぇ…もしかして、痛いくらいが気持ちいいのか、お姫様は。」
「変態。」
飼い主の言葉と、爪先が、同時にペットのツボを突いた。
羞恥心は瞬く間に悦楽に代わり、微かな痛みは快感を帯びた痺れとなって全身を駆け、震えとなって溢れ出た。 - 54二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 18:01:58
「はん、可愛い反応するじゃねえか…いいぜ、もっと見せろよ。」
「だ、だめでッ──シリウスさ──!」
「き、君たち…何をしているんだ…シリウス…アグネスデジタル…。」
「あん?」
「ひょ?」
二人きりで彩られた蜜月の空間に割り込んだその声の主は、シンボリルドルフであった──
………
ってぇ!なんなんですかここまでのモノローグは!?地の文は一体!?
いや急に雰囲気が変わったのはデジたんも良く分かってましたけどぉ…まぁその大人の階段一歩上っちゃったイキり的なアトモスフィアが全て悪いんであってですね。
というかそれよりもこの状況ヤバいすぎないですかねえ…はい…いや耳かきしてもらってただけなんで何も悪いことしてないんですけど。
ペットと飼い主の疑似的なプレイ?知らない子ですねはい。
「おやおやおや、これはこれは皇帝サマ、応接不暇なアンタがこんなところにどうしたんだ?」
「その…君を探していたんだが、この教室から不審な声を聞いて来たんだ。しかし奇々妙妙…何故君がここに?」
というかヤバいですよこの状況!
シンボリルドルフさんといえばこの説明不要の皇帝!生徒会長様!この学園を統べる太陽が如き王!
一方シリウスシンボリさんはアウトローを束ねる夜空に輝く一番星が如き王!
幼馴染(ここ太字)であると噂ながらも袂を分かった二人が出会った時、我のような下々の民はただ光に灼かれるしかぁ…ひょえええええ!!! - 55二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 18:02:32
「私はこいつにちょっとした礼に耳かきをしてやってただけだぜ。アンタがナニを想像したかは知らねえがな。」
「そ、そうか…それならいいんだ。」
「それより私を探してたってのは、いったいどういうことだ?」
「いや、君の友人に担当トレーナーができたと聞いてね、前程万里、一つ祝いの言葉を贈ろうと思ったのだが──」
「有難迷惑──私からアンタに返す言葉はそれだけだ。それに、アンタが何かを贈るとすればコイツだ。」
そう言ってあたしの肩にシリウスさんが手を──ってあたし!?
デジたんが何をしたって言うんですか!?
「コイツがウチの群れのトレーニングに付き合ってくれたから、アンタが言う全てのウマ娘の幸せに一歩近づいたんだぜ。」
「アグネスデジタル、君が?」
「それに、私に向かって啖呵まで切りやがった。理解るか?私たちに必要だったのは四角四面なだけのアンタじゃねえ、コイツみたいな奴だったんだよ。」
なにって、ウマ娘ちゃんのトレーニングに遅くまで付き合って担当を付けたうえに友人と離れ離れになるのを防いだだけだが?
うわ~これはやっちゃってますねえデジたん、ネタ帳を落としただけなのに。
「そうか、ありがとうアグネスデジタル、改めて君にも礼をさせてもらいたい。」
「いえ、そ、その…あくまで身から出た錆の結果と言いますか…。」
「気はすんだか?じゃあさっさと消えな、私はまだこいつに礼を──」
「シリウス、私にも耳かきを渡してくれ。」
「「は?」」
……あれ~、デジたん今は耳かきしてもらったばかりで聞き間違えるとは思えないんですがねえ、耳かきを渡せとおっしゃいましたか会長様は?
「耳かきが礼なのだろう?ならば、私もやる義務がある。」
「んだと?」
「シリウス、君が言ったはずだぞ、私の言った全てのウマ娘の幸せにアグネスデジタルは貢献してくれたと。」
「てめぇ…!」
「どうかな、アグネスデジタル。できれば私の気持ちを受け取って欲しいのだが…。」 - 56二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 18:02:52
はぁ~~だめですよデジたん!
いいですか、貴女は所詮この学園ではモブもいいと(ry
「お、お願いしましゅ…。」
いやもう無理ですってDA☆KA☆RA!!
あの学園の王がですよ!?ファン感謝祭でその御姿を見たファンが卒倒して倒れたイケメンかつ学園の王がですよ!?
このオタク女にご奉仕させて欲しいと懇願してるなんて無理無理無理!!無理ですって!!!!!
気持ちを受け取ってなんてそんなもん無条件降伏するしかないじゃないですかあああああ!!!!!
「チッ…勝手にしな、ほらよ。」
「すまないなシリウス、では…失礼するよアグネスデジタル。」
そう言って受けとった耳かきを手に会長様が、あ、あああああたしの耳に触れてええええ!!
でも耳かきが耳の入り口に触れた途端手が止まったんですね。
「すまないアグネスデジタル…その…他人の耳掃除など初めてでね…痛くしないように努めるから、どうか許してほしい。」
……
いやダメですよ。
もうなんか、その…あえて言葉にはしますまい。
シリウスさんとは正反対のドキドキとハチャメチャが押し寄せてきてボク元気ですよ。
そしてその手つきがですね、これまたおっかなびっくり弱々しい動きで普段の威風堂々とした会長様とは正反対なんですよ。
慣れてないんだなあ、ってその動きがキュンキュン来ますね、汝皇帝の隠された可愛さ垣間見ちゃいました。
Utubeでマタタビもらって猫みたいなリアクションしてるライオンさんの動画見た気分ですよ、はい。 - 57二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 18:03:20
「なかなか難しいな…もう少し奥も掃除した方がいいのかい?」
「お、お願いしま……痛ッ…!」
「す、すまない!大丈夫か!?」
「あ~大丈夫ですよ、ちょっとびっくりしちゃっただけで…。」
いや~この会長様のリアクションだけでどんぶり三杯はいけちゃいますねえ!ごはんですよも裸足で逃げ出しちゃいますよ!
「ふっ…下手糞。」
「くっ…!」
「皇帝サマのくせに、悦ばせ方の一つも知らねえたあ情けねえな。」
いや悦ばせ方て!?言い方!言い方!!いや間違ってないんですけどね!!
「いいか、こうやるんだよ。」
「んひゃッ!?」
シリウスさんがまたデジたんの大事なと──じゃなくてえ!耳の!いいところに!いきなり!指を!
じわっと奥の内側を軽くなぞってからさらに奥の気持ちいいポイントに!
「んんっ!だっ…しょ、しょこはぁ~!!」
「どうだルドルフ、お前にはできないだろ。」
も、もしかしてシリウスさん…ちょっとジェラシー感じてくれちゃってます?
いやそんな畏れ多いことあり得る訳がないですし、きっと会長様へのライバル心のせいだってわかってるんですよ。
で、でもなんかさっきよりも指の動きが激しいというかぁ、荒っぽい感じがまた…い、いかん、このままでは新しい世界の扉がぁ──
「デジタル、私の方が気持ちいだろう?」
「しょ、しょんなころぉ…。」
「言えよ、お ひ め さ ま。」 - 58二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 18:04:03
あー…
「シ──」
「シリウスさんの方が気持ちいですぅ…。」
やっちまいましたねえ、全てのウマ娘ちゃんは平等に尊く貴賤の無い存在なんですけどねえ、初めて不等号つけちゃいましたねデジたん。
なんか大人の階段というか一つ世界の心理を悟ってしまった気分ですよ。
世界から争いが消えない理由が一つ分かってしまったような、嗚呼…ごめんなさいオフクロ様…デジたんは少し汚れてしまったかもしれません。
「どうだルドルフ、久々に味合うんじゃねえか、敗北の味ってやつを。」
「……そうだな。」
「消えな。ここに、もう、あんたがいる必要はな──」
「ふふっ…。」
「…なに笑ってやがる?」
あれ…なんでしょうかねこの雰囲気。
なんか会長様の雰囲気が少し変わったような、というか…笑ってます?
「シリウス。」
「あん?」
「やはり、やはり敗北の味とはなんであれ同じだな、未来永劫慣れることない味だ。」
「…何が言いたい。」
「そんな味を忘れるために、私がどうしてきたか知らない君ではあるまい。」
そう言いながら会長様があたしの耳を──あれ~ちょっとばかしさっきより掴む力が強いといいますか、指先から熱を感じますねえ。
「てめえ…!」
「ジャパンカップ…天皇賞秋…あのときの敗北の味は忘れられなかった、だから──」 - 59二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 18:05:01
「きっちりと、勝利の味を奪い返したよ。」
うひょああああああ!!?寒気がするほどの声色と共にゆ、指があ!?会長様の指がデジたんの(耳の)中に入ってきたぁ!!
さっきみたいなおっかなびっくりの動きじゃないいい!!荒々しく、力強く、貪るみたいにデジたんの(耳の)大事なをところをぉ──
「アグネスデジタル、どこか良いのか言ってみてくれ。」
「ひぅ…そ、その…。」
「君を悦ばせたいんだ、彼女よりもね──奥の方が好きなら、ここかな?」
「ひゃ、ひゃい…しょこがいいれ──」
「それとも、こちら側かな?」
「ひぅんっ!?」
「ふふふ…良い反応をするんだな、君は。」
あああああああああ!!!あかん!これあかんて工藤!!!
か、かきまわされるううう!!!かき乱されるううう!!!!!
眠れるライオンを目覚めさせてますよこれ!もう!動きが!肉食獣!ケダモノ!!
あばばばばばばあたしとしたことが脳内とはいえ会長様をケダモノ扱いだなんて酷いことを──
「ふむ、ならばこのポイントを中心に──」
「ひぅっ…そこダメ…。」
「強めに擦るほうがいいようだね。」
「あっ…くぅッ…んん…!」
「そして少し間を置いた後──」
「ふぅー…ふぅー…」
「もう一度、同じ場所を強く。」
「んんッ…!や、そ、そこはぁ…ッ!!」 - 60二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 18:05:39
ケダモノ!
ケダモノですよこんなん!!
シンボリは肉食獣!!デジたんみたいな草食獣は一度牙に捕らえられた時点で終わりだったんですよ!!
でもくやしい!骨になるまで貪られたい欲求がとまらない!!
「どうかな、シリウスよりも私の方が気持ちよくは無いか?」
「き、決められましぇ──」
「ほう、まだ足りないようだな、デジタル。」
「んぁッ…!!?」
「チッ…自分だけで楽しんでんじゃねえぞ、ルドルフ。」
「シ、シリウスさぁん…。」
「こいつはもう私の獲物だ、鳩居鵲巣…お前には渡さねえ。」
「優勝劣敗…君が勝てば済む話だろう。勿論、そうさせる気はないが。」
あああああああああデジたんの左右の耳を!会長様と!シリウスさんが!それぞれ!弄んで── - 61二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 18:06:18
「私を選びなお姫様…もっと、気持ちよくさせてやる。」
「私の手をとれデジタル、より高みへと連れて行く約束をしよう。」
「さぁ。」
「さぁ。」
「「私を選べ、アグネスデジタル。」」
あ、やば…もう…鼻から…ウマ娘愛が…そして…
意識…が──
嗚呼…
世界は、美しい。 - 62二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 18:06:40
あたしの名前はアグネスデジタル、昨日なんやかんやでイケメンウマ娘ちゃん二人に身も心も滅茶苦茶にされた普通の…普通のはずのウマ娘。
昨日はデジたんのウマ娘愛が鼻からオーバーフローし、保健室に緊急搬送されちゃいましたが今日も元気です。
こうしていつも通りカフェテリアで尊い現場が無いか見回しながら食事をしている訳ですが…はて、心なしか周囲がちらちらとあたしを見ているような。
「よぉデジタル、昨日は大丈夫だったか?」
「ひょわあ!シリウスさん!?」
「いい加減慣れろよお前…本当、おもしれー女だな。」
ま、まさかデジたんがその言葉を授けられるとはびっくりですよ。
「まぁいい、デジタル、今度の休み空けとけよ。」
「へ、あ~取り巻きさんたちと遊びに行く話ですか?でしたら──」
「ちげえよ、私と、お前の、二人で出かけるつもりだ。」
…は、今なんと?
二人でお出かけ?シリウスさんと、二人で?
お出かけって言うのはその、まさか、二人で好きな場所に遊びに行ってご飯を食べたり映画にいったりするあの──
「回りくどかったな、私とデートに行くぞ。待ち合わせ場所はまた連絡する、じゃあな。」
「え、ちょ、し、シリウスさん!?あ、あのぉ~!!?」
ったっはぁ~!!答えも聞かずに去っていっちゃいましたよあのイケメンはぁ~!!
断られるとか思ってないんですかねえ~!!!まぁ断れるわけないんですけど~!!!!!?
し、しししししかしデ、デートっておま、び、美容院の予約を、いつもの店の電話番── - 63二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 18:07:19
「やぁ、アグネスデジタル。昨日は大丈夫だったかい?」
「か、会長様ぁ!?」
「そうかしこまらないでくれ、元気そうで良かった。」
うっひゃあ~昨日のことがあったとはいえやはりドキドキしますねえ、いつ見ても。
「ゴホン…それでだ、昨日は少々羽目を外しすぎてしまってすまなかった。全く、シリウスがいるとつい子供のようになってしまう。」
「い、いえいえ~、昨日の会長様もあれはあれで魅力的でしたし、デジたんなにも気にしてませんから!」
「そうか、それで、なんだが…。」
そう言って会長様が取り出したのは…あれ、何かのチケット?
「え、えっと会長様、それは──」
「"ウマ娘歴史展"のチケットだ。二枚分いただいてしまってどうしようかと思っていたのだが、お詫びも兼ねて一緒に見に行かないか?」
「あ、あたしとぉ!?」
「ああ、むしろ君だからこそ、かな。君と共に巡る展覧会は楽しそうだからね。」
「で、デジたんでよろしいのでしたらたとえ日の中水の中お供いたしますとも!」
「そうか、では今度の休みに行こうか、楽しみにしているよ。」
え、今度の休み?
さっきシリウスさんにデートを誘われたのもたしかあああああああ!!!? - 64二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 18:07:32
「では、失礼するよ。」
行かないでええええええ!!!
ちょ、待てよ!
お忙しい皆のですもんでそうですもんねでもちょ、待てよ!待ってくださいいいいいいいい!!!!
「か、会長様待っ──」
「今の見た?あれってやっぱマジなの?」コソコソ
「昨日シリウス先輩とルドルフ会長が二人でアグネスデジタルを保健室に運んだって話…マジっぽいよね。」コソコソ
「なんかデートとかチケットとか聞こえたんですけど…モテモテじゃん…すっご」コソコソ
あたしの名前はアグネスデジタル、トレセン学園の生徒会長と一番星にデートに誘われただけの普通の、普通のぉ…
「普通のウマ娘なのにいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!!」 - 65二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 18:08:45
これにて完
コメントや♡くださった方々ありがとうございました、とても励みになります - 66は か の な か に い る22/09/03(土) 18:15:57
ありがとうございます
肺がんが綺麗に治り命がさらに延びました - 67二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 18:27:51
ありがとう
鬱が治った! - 68二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 18:41:42
こんなの心がデジたんになる…なった
ありがとうありがとう - 69二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 18:58:42
これ自体デジタルのネタだったりしないかな
- 70二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 21:25:47
デジたんエミュはめちゃくちゃ難しいのに違和感なくすっと読めた
本当にありがたいSS - 71二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 21:46:53
素晴らしいものを見た…
これで心置きなく成仏できる - 72二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 00:19:05
しゅき
- 73二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 08:56:42