- 1FILM N.G.22/09/03(土) 19:46:31
ONE PIECE FILM N.G. “孤独の歌姫”編
前スレ『ルフィ「おいウタ!!」 ウタ「え!? ルフィ!?」』
ルフィ「おいウタ!!」 ウタ「え!? ルフィ!?」|あにまん掲示板 何処かの海――― サニー号の選手で昼寝をしていたルフィのもとへニュース・クーのカモメがやって来た。「……んあ?」「クー!」「ああ新聞か? でもおれ読まねえしなー。要らねえ!」「クー!?」 いつも新聞…bbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 19:47:44
縦乙
- 3二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 19:48:20
立て乙 待ってた
- 4二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 19:51:11
たて乙
続き楽しみ - 5二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 19:56:00
待ってました
- 6二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 19:58:58
待ってました! まだ邂逅すらしていないので先が本当に楽しみ
- 7二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 19:59:33
立て乙
- 8二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 20:00:17
保守
- 9二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 20:01:12
まだまだあ!!保守だ!!
- 10二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 20:01:25
- 11二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 20:02:05
カイドウ「え?」
- 12二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 20:11:35
- 13二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 20:20:20
- 14二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 20:24:55
ほ
- 15二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 20:34:22
い
- 16二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 20:45:25
- 17FILM N.G.22/09/03(土) 21:28:25
- 18二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 21:29:10
- 19FILM N.G.22/09/03(土) 21:30:41
「―――“柔力強化(カンフーポイント)”!!! ハチャ~~!!!」
「ぶっ!? べっ!? ぐは~~!!?」
チョッパーは動物系悪魔の実による変形能力を応用、珍奇な体型からは想像出来ない高い格闘能力によって次々とノックアウトしていく。
「プリンセス・ウタのライブを観に来たんだ!!! お前らなんかに負けねえぞ!!!」
“わたあめ大好きチョッパー(ペット)”。懸賞金1000ベリー。
「―――行くわよ“ゼウス”! 違った!!! 行きなさい“ゼウス”!!!」
「な、何だ!? 雲……ってぎゃああああああああ!!?」
天候棒(クリマタクト)に宿った魂を持つ雷雲ゼウスに呼び掛けるナミ。そうして現れたゼウスと協力して放つ雷撃は雨のように降り注ぎ敵ごと大地を穿つ。
「わたしが可愛いからって油断してたでしょ?」
“泥棒猫ナミ”。懸賞金3億6600万ベリー。
「―――“鼻唄三丁”―――……“矢筈斬り”!!!」
「ぐわわ~!? いつの間に斬られ……さ、寒……凍……る」
死から黄泉がえり骨の体となったブルック。その特異性・異常性から魂の知覚と冥府の凍気を会得。それらを目にも留まらぬ高速の剣技にのせて敵を斬り捨てる。
「ヨホホホ。……友人同士の再会に、無粋は許しませんよ」
“ソウルキング”ブルック。懸賞金3億8300万ベリー。 - 20二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 21:39:31
まぁそりゃ歌姫攫いに来たら四皇とその幹部が居るなんて普通思わないよな…
- 21FILM N.G.22/09/03(土) 22:00:02
「―――“ストロング・ライト”ォオオーーーッ!!!」
「ぐわぁあ~~!!?」
フランキーが放つ拳は文字通り鉄拳。動力によって射出されたそれは凄まじい威力を発揮し迎え撃った敵を木っ端のように吹き飛ばす。
「ん~~~!! スーパー!!! おれを相手するには鍛え方が足んねえなー!!!」
“鉄人”フランキー。懸賞金3億9400万ベリー。
「くらえ“緑星”!!! “ドクロ爆発草”!!!」
「ぶへぇえ~~!!?」
ウソップがサイズ自在のパチンコ“黒カブト”から射出するのは不思議な植物の種“ポップグリーン”。刺激を受けて急激に成長するそれは爆発などを始め様々な効果を発揮し敵を撃ち抜く。
「お、おれだってやるときゃやるんだぞコンチクショ~~!!!」
“ゴッド”ウソップ。懸賞金5億ベリー。
「―――“千紫万紅(ミル・フルール)”、“スパンク”!!!」
「ぎゃあー!!? でっけー腕だぁ~~!!?」
ハナハナの実による肉体部位の生成。それを大量に行い一つの大きなパーツとして再生成、地面から“咲かせた”身の丈を遙かに越える巨大な腕によって敵を薙ぎ倒す。
「街を、かつて人が生きた足跡を無遠慮に壊すものじゃないわ」
“悪魔の子”ニコ・ロビン。懸賞金9億3000万ベリー。 - 22FILM N.G.22/09/03(土) 22:04:27
「―――“悪魔風脚(ディアブルジャンブ)”、“回転焼(ロティサリー)ストライク”!!!」
「うわ~~!!? 船の砲台が~~!!?」
発火を伴う高熱。それをまとって放たれたサンジの技は敵船に固定されていた砲台を蹴り飛ばし、回転しながら飛んでいった砲台が敵を巻き込んでいく。
「レディの誘拐を企てるなんざぁ……ブッコロすぞクソ野郎共が!!!」
“黒足のサンジ”。懸賞金10億3200万ベリー。
「―――“魚人空手”……“唐草瓦正拳”!!!」
「ど……っ!!? わぁあああ~~~!!?」
ジンベエの放った正拳が空を打つ。“魚人空手”の正拳はただの正拳に非ず。周囲の水分を制圧することを旨とする武術“魚人空手”によって打たれた正拳は空気中の水分から人体へとその衝撃を波及させて全てを砕く。
「なんじゃ他愛も無い。精進が足りん」
“海峡のジンベエ”。懸賞金11億ベリー。
「―――“二刀流”……“七百二十煩悩鳳”ォー!!!」
「ぎゃああああああああああ!!?」
二刀流によって放たれた飛ぶ斬撃。三刀流こそ本領のゾロだが最後の一本を抜くまでも無い相手に不敵な笑みを漏らす。
「……はっ! 喧嘩売る相手を間違えたな」
“海賊狩りのゾロ”。懸賞金11億1100ベリー。 - 23二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 22:05:12
今追い付いたけどこういうSS書ける人本当尊敬する
凄い良いなこういうの - 24二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 22:07:52
映画とかでたまにあるこういう冒頭の一味の懸賞金紹介パート好き
- 25二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 22:10:26
噛ませ犬海賊団かわいそう
まあ頑張ったよお前らは - 26二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 22:10:57
いいなあ、こういう全員で無双する感じ。最近だと格上に挑んでばかりだったから懐かしい。
- 27二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 22:11:50
そういや今回と前回の映画では懸賞金紹介なかったな
- 28二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 22:15:47
仕方ない。原作だと丁度更新されてた時期だったし。
- 29二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 22:46:47
🍢🔫🐉
🧊 - 30二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 22:54:17
一味のエミュが上手すぎるだろ
- 31二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 23:26:21
読んでると映像が浮かぶ浮かぶ
- 32二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 23:31:15
大量に降り注ぐ雷と咲き乱れる腕、多種多様な植物弾に高火力の兵器群を迎撃しながら、
凍てつく剣戟と灼熱の蹴撃、水を制圧する打撃、桜乱れる乱打に対応し、
二人の覇王の一撃に耐えなければならないという無理ゲー
本当に強くなった、本当に。 - 33二次元好きの匿名さん22/09/03(土) 23:52:49
四皇の幹部だもんなぁ
- 34FILM N.G.22/09/04(日) 00:01:35
遅まきながら、本当に遅まきながらアンダードッグ海賊団は気付く。
「ば、馬鹿な!? “海侠のジンベエ”に“海賊狩り”だとォ!!?」
「なんでこんな場所に“四皇”の一味が!!?」
「くそっ!?」
部下が慌てふためく中、ヌイセマカはゾロの二刀から辛うじて離脱するとそのまま距離を取る。
「逃げ足は一級品だな。なあウソップ」
「―――そこでわたしに振るとは断固抗議するぞゾロ君~!!」
「遠っ! いつの間にそこまで離れやがった」
遠距離から援護……そう言えば聞こえは良いが必要以上に距離を取っていたウソップにゾロは呆れ驚く。
「なにやってんのゾロ! そんな奴らとっととやっちゃいなさい!」
「お前もかよ」
ウソップの隣にはナミも居た。そこまで強くない敵でも自分の安全はしっかり確保して行動するあたりちゃっかりしている。
―――そうしている間にもヌイセマカはこの戦場から逃げようとしていた。
「クソが相手が悪すぎる!!? ここは一旦体勢を立て直す!!!」
船は既にサンジやフランキー、チョッパーに占拠され逃げ場を失っていたヌイセマカは丘や森の方へ身を隠そうと走る。 - 35FILM N.G.22/09/04(日) 00:03:02
「おや、敵の船長が逃げてしまいますよゾロさん」
「ああ? 構わねえよ」
ゾロはブルックの問いに笑みを返しながら刀を鞘に納める。
「あっちにはうちの船長が居る」
そう言った直後、ヌイセマカの進行方向から猛烈なスピードで向かって走ってくる人影が。
「―――ぅぉおおおおおおおおおおッ!!!」
「!!?」
「“ゴムゴムの”ォ~~~~ッ!!!」
後方へ勢いよく伸びる右腕。それはゴムの伸縮性によりぐんぐんと伸び……元の腕の数倍の長さになったかと思えば次の瞬間、一気に膨張して巨大化する。
「お、お前は!!? もしや!!? 四皇―――」
「“象(エレファント)”ォ~~~~!!!」
骨を膨らませる“ギア3(サード)”と併用する“覇気”の武装硬化によって黒く染まる巨人の腕。それが大気の唸りと共に打ち出され―――
「“麦わらのルフィ”~~!!?」
巨拳が炸裂した。
「―――ォオ~~~!!! “銃(ガン)”ッッ!!!」
「ッ!!? ッ!!?」
防御など無意味。圧倒的質量とパワーによる純粋な破壊の一撃。 - 36FILM N.G.22/09/04(日) 00:04:00
直撃したヌイセマカは凄まじい速度で吹っ飛び―――
「うっ、ぎゃぁああああああああああッ!!?」
そのまま自分の船をドゴン!!と突き破って船内に消えていった。
ルフィの突き出していた拳がひゅるひゅると縮んでいきバチリと元の大きさに戻る。そうして現場に到着したばかりの彼は意気揚々と声を張る。
「うっし!!! 次はどいつだ!!?」
四皇“麦わらのルフィ”。懸賞金30億ベリー。
「せ、船長~~~!!?」「うわ~~!? もうダメだ~~!!?」「手配書と顔違うじゃねーか!!?」「良いから逃げるぞバカ!!?」「逃げるって船占拠されてるよ!!?」
ただルフィのやる気に反してアンダードッグ海賊団は見ての通り戦意喪失していた。
「……ん? 何だ? もう終わりか?」
「ひぃいい~~!? どうか命だけは~~!?」「靴! 靴舐めますよ!?」「あばばば……本物の四皇……ガク」「恐怖で気絶した!!?」
船長をやられたアンダードッグ海賊団はもう無様に命乞いをするしか出来なかった。
それを前にしてルフィは怒鳴る。
「うるせえ!!! もう何もしねえから帰るなら帰れ!!!」
それにアンダードッグ海賊団は「い、良いんすか?」と確認する。
「やるんなら何度でも相手するぞ?」
「帰らせていただきます!!」 - 37二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 00:04:15
- 38二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 00:09:26
て、手下も靴舐めてる…
- 39二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 00:11:41
- 40二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 00:12:58
やっぱ四皇って怖えわ
- 41二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 00:13:22
>>「逃げ足は一級品だな。なあウソップ」
「―――そこでわたしに振るとは断固抗議するぞゾロ君~!!」
「遠っ! いつの間にそこまで離れやがった」
前スレから思ってたがエミュが上手すぎる。この辺とかも余裕で再生できる…
- 42二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 00:13:53
貴公本職か?
エミュも文章も完成度高すぎだが? - 43二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 00:14:26
手配書と顔が違う
そういえば手配書ニカだったな… - 44FILM N.G.22/09/04(日) 00:18:10
そこからはもう早かった。
ルフィの一撃から目を覚ましたヌイセマカは「いや本当にもうすいませんでしたホント」とぱんぱんに腫れた顔でペコペコしながら仲間を引き連れて船に戻り―――
「ご迷惑おかけしましたー」
全速力で海へと帰っていった。
遠く離れていく海賊船を眺めながらウソップはぽつりと呟く。
「……何だったんだあいつら?」
「さあな」
サンジは適当な相槌を打ちながら新しい煙草に火を点ける。続けてウソップが言う。
「座長がどうとか幹部がどうとか言ってたよな」
「言ってたな」
「…………」
ウソップはこれ以上この件を考えるのは非常に拙い気がした。
「よし! この件はこれで終わりだ皆! わかったな!? 変に深入りするんじゃないぞ~!?」
「いやあんたが一番気にしてんじゃない」
ナミはそう突っ込んだが彼女自身もあんまり面倒事には巻き込まれたくないタイプなので掘り返すようなことは言わなかった。
一件落着。
「飯~~~~ッッ!!! 弁当食うぞ~~~~ッッ!!!」
した途端にこれである。何処でもいつも通りなルフィに仲間達は呆れつつもその言葉に従い食事にしようと動き出す。 - 45FILM N.G.22/09/04(日) 00:25:17
その時だった。
「―――ねえ、君達さ」
風。
「もしかして海賊?」
その声はまるで海の彼方まで届くかのような。
「この島になんの用?」
吹き渡る風。
「もし目的如何(いかん)によったら……」
赤と白の長髪を左右対称に分けて結び、特徴的なヘッドフォンを身に付けた少女は、麦わら海賊団の面々を見下ろす位置で告げる。
「わたし、怒るからね。海賊、嫌いだし」 - 46二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 00:25:40
さては尾田先生インストールしてるな??
- 47二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 00:28:10
- 48二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 00:53:10
来た!
- 49二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 00:54:54
タイトル回収来るか!?
- 50二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 01:02:36
- 51二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 01:11:46
公式が正式に誤字だって告知してましたね
- 52FILM N.G.22/09/04(日) 01:17:35
彼女は砲撃の残滓が煙となって残る街を眺め、そして明確な敵意の光を瞳に宿して麦わら海賊団を睨み付ける。
しかし当の睨まれている彼らはそれどころでは無い。
「おいあの子、もしかして……」
「ま、間違いねえ。ぷ、プププリ……プリンセッ」
そう、彼らは彼女に会いに来るのが目的だったから。それに幾人かはファンでもあるのだ。本人を目の前にして平静ではいられない。
そんな海賊を前に少女は警戒を解けない。だから強気に出る。
「ここに来た目的は? どうして街を撃ったの? まさかライブの日にも襲撃を掛ける気?」
「ちょ!? ちょっと待てよ誤解だ!? これはおれ達の仕業じゃないって!!」
ウソップが慌てて無実を主張する。それにナミも同調して説得を試みる。
「そうよ! これはさっきまで居た別の海賊の仕業……わたし達はそれを追っ払ったの! だから信じてほ―――」
「信じられない!!!」
「ッ!!?」 - 53FILM N.G.22/09/04(日) 01:21:41
拒絶の声。海賊であれば聞き慣れた物であるが、彼女の声によって放たれたその言葉は何故か“響く”。
少女の警戒が強まっていく。余裕が無く、焦っているようにも見える。
「海賊なんて……信じられるわけ……」
少女は深く息を吸う。それはまるで何か特別な言葉を発しようとするような、大きな声……否。
ヘッドフォンからマイクが展開される。
歌が。
「さあ、怖くは―――」 - 54FILM N.G.22/09/04(日) 01:22:40
歌われようとした時。
「なあおい!!! やっぱりそうだ!!!」
「……?」
ルフィが満面の笑みで少女の前に立っていた。とても嬉しそうに。いや嬉しいのだ。会いたかった人に会えたから。
ルフィは訝しそうに見てくる少女に自分の顔がよく見えるよう麦わら帽子を上げて晒してやる。 - 55FILM N.G.22/09/04(日) 01:23:17
「おいウタ!! お前ウタだよな!! おれだよおれ!!」
「……え!? ルフィ!?」 - 56FILM N.G.22/09/04(日) 01:24:20
少女、ウタは目の前の相手がよく知った人物だと知って目を丸くした。
- 57二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 01:24:24
タイトルきた
- 58二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 01:24:47
タイトル回収熱い
- 59二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 01:25:52
2スレ目でタイトルかてぇてぇぜ
- 60二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 01:26:29
ブラボー、おーブラボー
- 61二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 01:27:08
これ冒頭だけ歌い始めたけどウタワールドに取り込まれてることになるのか?
- 62二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 01:28:28
映画なのにアニメの「To be continued」が見えてしまった…区切り方もワクワクさせてくれますねぇ!
- 63二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 01:38:35
やばい、ここまでのエミュ精度は久しぶりに見たわ
- 64二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 02:11:58
"歌われようとした時"だからギリギリセーフだと思われる
- 65二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 02:18:32
こんなの煮る釜が何個あっても足りないレベルなんだが?
語り継がなきゃシツレイだ - 66二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 02:20:40
神ss師が…!!!
- 67二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 06:57:40
ここで切るとか引き上手め
- 68二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 07:14:17
良いSSだ…!
- 69二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 07:35:30
- 70二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 08:26:07
最高すぎる
続きが待ち遠しすぎるぜ - 71二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 08:29:03
- 72二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 08:30:38
神SSスレに神絵師が降臨した
- 73二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 08:30:59
- 74二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 08:31:10
- 75二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 08:32:47
- 76二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 08:32:52
このレスは削除されています
- 77二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 08:34:23
このレスは削除されています
- 78二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 09:52:23
良いSSとイラストだ…
- 79FILM N.G.22/09/04(日) 09:59:01
素晴らしいイラスト……嬉しい!!
- 80FILM N.G.22/09/04(日) 10:04:20
やあ。スレ主だよ。
ルフィとウタの出会いを書きたい欲求が抑えきれず、書こうと思ってたシーンを飛ばしちゃってたの寝て起きてから気付いたよ。ライブ感で書きすぎだね
あとアンダードッグ海賊団との戦いの時点でウタが来るはずだったのにルフィ達だけで撃退しちゃったよ。強過ぎぃ!!
頭の中にだけ有るのは勿体ないから飛ばしちゃった未公開シーンを今から書いてアップします - 81二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 10:10:30
保守ゥ
- 82二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 10:13:33
マジでプロット無しで書いてるんだな…それでこのクオリティとは恐ろしい…(一般笛吹き民)
- 83二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 10:17:03
ルフィたちへの安心感は『五番目の皇帝』じゃなく『四皇』だからか
- 84FILM N.G.22/09/04(日) 10:24:08
ヤバ、予定入った。お昼ぐらいに上げるね?
ゆるしてくれるかい? ゆるしてくれるね。さよなライオン - 85二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 10:34:32
すげえSSを読ませて貰った……
FILMシリーズだからかセリフがアニメよりの表現になってるのも良い… - 86二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 10:46:59
- 87二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 10:50:24
釜屋が儲かる
- 88FILM N.G.22/09/04(日) 12:33:34
【Bonus track】
見送ったゴードンを待ちながら今度はボイストレーニングを始めるウタ。心配だ。もしもあれが危険の前兆であるなら自分が行けば良かったと考える。
「……やっぱり私も見に行こうかな」
そう考えた直後だった。
ドォーン……!!と、明らかに砲撃だとわかる音が遠く響いてきたのは。
「~~~~ッ!!? ……あ~もうっ!!! やっぱり私が行けば良かった!!!」
レッスン後の汗を流すのに用意していた水桶を持ち上げて頭から一気に被る。全身びしょ濡れになるが犬のように全身を震わせて水気を散らす。
水浴びをして気を引き締めたウタはそのまま駆け出す。目指すのはコンサートホールを出た廊下に有る一番近い窓。
ホールを駆け抜けながらウタは「すぅー……」と深く吸い込む。そして―――
【Ado】新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)
「―――新時代は―――」
歌い出す。その歌声は吹き抜ける天井から空へと響く。
扉を蹴り開け、直ぐに目に入った割れた窓へと一直線に走る。スピードを緩めることなく窓枠に脚を掛けたウタはそのまま外へと飛び出した。
「―――世界中全部―――」
―――エレジアで最も人気の有ったコンサートホール。それはこの国の城内に建造された国営ホールのことである。
エレジアの城は街を一望できる高い場所に建築され、それはつまりこの城が存在する場所は標高が高いことを意味する。
- 89FILM N.G.22/09/04(日) 12:34:26
【Bonus track】
城外を駆け抜けるウタの目の前には切り立った崖が広がり、そして―――
「―――変えてしまえばァーーー!!!」
一切の躊躇いなく断崖絶壁へと身を投げ出した。
「来て!!!」
ウタは落下しながら空に向かって手を伸ばす。
彼女の体に影が掛かる。その影とは―――
「ケェエエ~~~~ッッ!!!」
人間を丸呑み出来そうな程に巨大な鳥、怪鳥であった。
まるで鼠を捕食するかのように鉤爪を広げて迫り来る怪鳥。逃げ場の無い空中において危険極まりない状況。しかしウタの表情に怯えは欠片も無い。 - 90FILM N.G.22/09/04(日) 12:34:57
【Bonus track】
「ありがとう!!」
「クケ!! ……すぴ~~……キュケ!!」
怪鳥の脚を掴むウタ、その腕に爪は立てられず包み込むように掴むだけ。
「このままあそこ!! 煙上がってる街の方へ向かって!!」
「……すぴ~……すぴ~……ケケェエエ~~ッッ!!!」
怪鳥は大翼を羽ばたかせて飛ぶ。ウタが命じる方へ。“目を閉じ鼻提灯を作りながら”。
「…………」
怪鳥の翼によって空を飛びながらウタは鋭い眼差しで煙を上げる街を、騒ぎの中心である海岸を睨む。
「私はウタ……海賊嫌いの……ウタなんだ……っ!!」
自らに立てた誓いを崩さぬように、そう言い聞かせながら。
彼女は征く。 - 91FILM N.G.22/09/04(日) 12:38:24
やあ。これがバトル前に挟まる予定だったんだよ。書きてえって思ってたシーンなのにバカだよねえ
もしこれからも書き忘れとか出てきたら【Bonus track】扱いで差し込むと思います
思い付きで書いてるから仕方ねえよなあ!!? - 92二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 12:42:48
思いつきの上手さか…?これが…
- 93二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 12:46:15
能力の使い方も上手いし、何より文章読んでて映像が頭に浮かんでくるのがすんごい(小並)
- 94二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 12:49:15
完結したら真面目にハーメルンか何処かで公開するのをお勧めすることを教える
ここで埋もれさせるには惜しすぎる出来だ……もっと語り継ぐ人増えて欲しい - 95二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 13:00:07
ウタの最後の台詞が自分を野原ひろしと思いこんでる一般人みたいでちょっとワロタ
- 96FILM N.G.22/09/04(日) 13:35:24
「……ぁ……っ……!」
胸の内から溢れ出す様々な感情。色んな、色んな言葉が浮かんできた。だがその全てが声に出すことは出来なかった。
言葉に出来なかった様々な思いを押し退けて、ただ一つ表に出た感情。それは―――
「……ルフィ~~~~ッ!!!」
幼馴染みと再会出来た喜びだった。
ウタはさっきまでの状況など忘れたようにルフィに向かって抱き付く。
ルフィも笑顔で抱き締め返し……その体が少し震えていることに気付いたが、敢えて触れるようなことはせずに自分も再開の喜びを露わにする。
「おう! 本当に久し振りだな~! 10年ぶりか?」
「バカ!! 12年振りだよルフィ!!」
「そうか? いや~まあどっちでも良いよ!! また会えて良かった!!!」
「私も!!」
バッと抱き締め合ったかと思ったらパッと離れる二人。そうして互いに「あはははははは!!」と笑い合うもんだからルフィの仲間達はただ見ているしか出来ない。
ルフィとウタの二人は彼らが思っていた以上に親密そうだった。
「ル゛ブィ、ウ゛ダぢゃん゛ど会え゛で良がっだな゛……っ!!!」
「それには同感じゃが……なんでお主は血涙を流しておる?」
「放って置いて良いぞジンベエ。サンジは病気なんだ、心の」
「治せん病気か?」
「これはおれ治せねえ。筋金入りだ」
ウソップやチョッパーが好き勝手言ってるがサンジは感情の整理が付かず聞いていない。 - 97二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 13:36:44
また新入り君に教えることが一つ増えちゃった…
- 98FILM N.G.22/09/04(日) 13:59:30
その間もルフィとウタは旧交を温めていた。
「大きくなったんじゃない? ほら、もう私よりも背あるじゃん」
「当たり前だ。あの時からおれはめちゃくちゃ強くなってんだからな!!」
「本当に~? 勝負じゃわたしの方が183連勝中でしょう?」
「違う!! おれが183連勝中だ!!!」
ロビンが不思議そうに言う。
「見解の相違が甚だしいわ」
「両極端過ぎるな。何がどうなってそうなってんだ?」
フランキーもルフィとウタの謎戦績には髪型をハテナにする。
「12年前と言ってましたし、子供のころの可愛らしい勝負だったんでしょう。ヨホホホ!」
年長者らしい視点で見るブルックは微笑ましそうに二人のやり取りを見守る。
「―――へぇ、じゃあ向こうの皆はルフィのお友だちなんだ」
「そうだ!! 全員おれの大事な仲間だ!!」
「そっか」
ご機嫌そうなルフィ、だが逆にウタは目を細めて表情に一筋の冷たさを含ませる。
「ルフィはさ、もしかして今……海賊やってるの?」
「ああ。やってるぞ、海賊!!」
「……っ!」
その答えを聞いてウタの表情が明らかに固くなる。 - 99二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 14:01:48
あっ
- 100二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 14:06:25
大丈夫…映画の時はクソキノコのせいであんな対応だっただけなはずなんだ…キノコ食ってなくて落ち着いてるウタならあるいは…うぅ…
- 101二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 14:08:20
どっちにしろもう真実は知っちまって半ば壊れた状態だからなぁ……
- 102FILM N.G.22/09/04(日) 14:28:51
「そ、そっか……そうだよね。あれだけ海賊になりたいって……言ってた、し」
「……? おう」
「それはそうと帽子っ……それってシャンクスのだよねっ? もしかして来てるの?」
「シャンクスは居ねえ。帽子は預かってる……なんかお前息荒いぞ? 風邪か?」
「っ!! ……別に。ちょっと急いで来たから疲れてるだけ!」
ウタは自分の左手をぎゅっと握る。何かを誤魔化すように。
「ねえ、ルフィ」
それは再会してから最も弱々しい声で。
「……やめられないの? 海賊」
笑っているのに、まるで今にも泣き出してしまいそうな……そんな表情だった。 - 103二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 14:30:03
ネズキノコないから弱々になってる…
- 104二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 14:32:11
お前がいちばん分かってんだろ……
- 105FILM N.G.22/09/04(日) 14:42:45
「……何言ってんだ? お前」
「…………」
ルフィは心の底から何を言われたのかわからないと首を傾げる。ウタは視線を彷徨わせて答えあぐねるような仕草を見せる。
「なあウーター? だから今のどういう意味だよ? お前昔あれだけシャンクスと一緒に海賊になるーって言ってたじゃねーか」
「……それは」
「自分は“赤髪海賊団の音楽家だ”って、おれによく言ってきただろ?」
「ッ!!!」
ウタは目を伏せる。
「……ルフィにはわかんなよ」
その言葉はか細く耳を澄ましていなければ聞こえないような声。
胸の奥から無理矢理絞り出したような、痛みを堪えるような声だった。
「……? なあ。お前、おれに何か隠して―――」
ルフィがもう少し踏み込もうとした時だった。
「ウタ―!!! ウタ―!!!」
ウタの名を呼びながらばたばたと走ってこちらに近付いてくる男。
「ゴードン!?」
ゴードンだった。 - 106二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 14:52:02
ああああああ亀裂が
- 107二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 14:52:54
あっ……あっ……
- 108FILM N.G.22/09/04(日) 14:54:38
ゴードンが来たことでウタの意識は彼の方に向かい、ルフィとの会話はそこで切られる形となった。
「…………」
いや、これ幸いにとウタが望んで会話を打ち切ったという方が正しいか。ルフィはそんなウタをただじっと見つめるだけで声は掛けなかった。
「そんなに急いでどうしたのゴードン?」
「ぜっ、ぜっ、ぜっ……ウ、ウタ! 彼らは悪い海賊では無いんだっ……だから!」
息も絶え絶えといった様子。それほど慌てていたのだろう。ゴードンの必死さが伝わってくる。
「今も別に来ていた海賊を彼らが……ルフィ君達が……っ!!」
「……ああ、えっとさぁー……ゴードン」
ウタは気不味そうに頬を掻くとゴードンに言う。
「頑張って来てくれたのに悪いけど……もう誤解は解けてるから」
「は? え?」
「ルフィとそのお友だちってもう知ってるから」
「…………」
ゴードンは疲れ切ったように膝を着く。
「そうか……それなら、良かった……」
「あはは~……ごめんね、ゴードン。待ってるように言われたのに勝手に来ちゃって」
「ああ、構わないさ。君が無事なら……それで」 - 109FILM N.G.22/09/04(日) 15:16:00
ゴードンの気遣いにウタは気の抜けた笑みを見せる。
「……はぁ~~……よしっ」
それは深い溜息。まるで心の中にあった鬱屈した何かを吐き出しているような。ウタはそうして表情をさっきまでとは一転、明るく元気な物に変えた。
「ごめんね!! ルフィのお友だちのみんな!! ちょっと気が立ってひどいこと言っちゃった!! お詫びにみんなのこと歓迎したいんだけど……良いかな?」
ウタはルフィ達が街を襲撃していたと思っていた勘違いを謝罪し、その埋め合わせしたいと申し出た。
それにルフィは「いや~おれは別にどっちでも」とその申し出を断りかねない態度を見せた物だから、これに待ったを掛けるのは仲間達。
「おいルフィお前!!? せっかくプリンセス・ウタがおれ達を歓迎してくれるって言ってんだぞ!!?」
「そうだぞコノヤローが~!!!」
「ウタちゃん♡の頼みを断ろうとするなんざお前ふざけんなよルフィ!!?」
「そうよ! せっかくタダで歓迎してくれるって言ってくれてるのよ!?」
「いやお前は何タダ前提で考えてんだ」
仲間の一部から盛大に詰め寄られてさしものルフィも「わかったわかった!」と受け入れる方向で決めるしか無くなる。
「ん。じゃあウタ。おれら歓迎されるから」
「「「「いや態度っ!!?」」」」
明らかに歓迎される側の振る舞いじゃないルフィにナミ、ウソップが、サンジ、チョッパーが一斉に突っ込んだ。 - 110二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 15:53:23
🍲🔫🐉
- 111二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 15:54:49
>おれら歓迎されるから
ルフィは
お前みたいなやつだよ
- 112二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 15:55:36
ルフィエミュうまいな
- 113二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 16:39:44
一味でのコントの再現度合いが凄いな…
- 114二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 16:41:27
そっか。まだネズキノコ食べてないから、ある程度は理性があるのか……まあそれでも根本的には変わらないから、ルフィがウタを置いて大人になっちゃったことには変わりないけども……
- 115FILM N.G.22/09/04(日) 16:48:17
「あははは!! ルフィは本当に相変わらずだね!! ……うん。安心した」
ウタはルフィを優しい目で見るとくるりと背を向けてエレジアの城を指差す。
「じゃあ行こっか! みんなを持て成せそうなのってあそこのお城だけだから……良いよねゴードン!」
「勿論だとも。ルフィ君に皆、我が家に案内させてもらおう」
そうして歓迎の段取りを考えていたところ、ウタはたった今思い付いたことをルフィへ吹っかける。
「そうだルフィ!! どうせだったら久し振りに勝負しない?」
「あ~? ……お前が今のおれに勝てるわけねえだろ」
ウタが持ち掛けてきた勝負。しかしルフィはしれっと流そうとする。だがウタはそう返されるのを想定していたように煽る。
「ああー! 負けるのが怖いんだ~!」
「何をゥ!!?」
「じゃあ勝負する?」
「望むところだ!!!」
さっき流していたのは何だったのかと言うほど簡単に勝負に乗るルフィに仲間は呆れる。そんな彼らにゴードンは「ルフィ君はウタが案内するだろうから皆は私が案内しよう」と大人の対応を見せる。
そうしている間にもルフィとウタは勝負内容を詰めていく。
「久し振りだから懐かしい“チキンレース”!! ……って言いたいけど丁度良いのは無いから……」
「何だろうがおれが勝つ!!!」
「ふふ~ん? 言ったね。じゃあ“チキンレース”ならぬ―――」
空を指差すウタ。
「“バードレース”で勝負しよう!!!」 - 116FILM N.G.22/09/04(日) 17:02:31
“バードレース”。それを提案されたルフィは渋い顔になる。
「バ~ドレースぅ~? あれすっげぇええ面倒くせえんだよなぁ」
「なになに? やる前から負けを認める気?」
「んなわけねえだろ!!!」
「じゃあ決まりね」
ウタはルールの確認と勝利条件を伝える。
「ゴールはあの城。それ以外は昔やったのと一緒ね」
「わかった!」
そこでよみがえる幼少期の記憶。
まだまだ子供だったルフィとウタが事あるごとにしていた勝負、その中の一つであった“バードレース”の記憶。
『―――おーいウター! 勝負だ~! おれと勝負しろ~!』
『なーにまたー? 本当にあんたこりないわねー』
風車村から少し外れた場所、風が気持ち良い草原で二人は勝負を始める。
『勝負は“バードレース”!!!』
『ゴールは風車村な!!!』 - 117FILM N.G.22/09/04(日) 17:28:19
両者共やる気満々。それを離れた場所からハラハラ見守る今日は酒場がお休みのマキノとウタの保護者であり赤髪海賊団の大頭シャンクス。
『大丈夫かしら二人とも……』
『大丈夫さ。前やってた“チキンレース”みたいな危ない勝負じゃ無いだろう』
大人二人が見守っているのを余所にルフィとウタは“バードレース”の準備を始める。
『鳥を見付けて!!』
『脚にくくりつけた紐を掴んで!!』
『ゴールにどっちが先に辿り着けるか競争!!』
『鳥がきちんと飛んでないと無効だからね!!』
『望むところだ!!』
勝負内容の詳細を聞いたマキノとシャンクスは妙な表情になる。
『……本当に大丈夫かしら』
『……ちょっと仲間に声掛けてくる』
絶対にスムーズに終わらないなこの勝負。マキノの心配は深まり、シャンクスは万が一を考えて人手を集めて見守ることにした。 - 118二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 18:09:29
エミュが上手すぎ
- 119二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 18:14:11
- 120二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 18:28:09
- 121二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 18:37:16
- 122二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 18:50:32
いやほんとすごぉ……
- 123二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 20:13:52
今日もステキなSSありがとうございます
- 124FILM N.G.22/09/04(日) 21:25:43
そして始まる勝負。
『―――よーい……』
『『ドン!!』』
威勢の良い掛け声と共に走り出すルフィとウタ。
『わたしこの子にしよーと』
『チュンチュン!』
『おれこいつー!!』
『ポーッ!!』
ウタはまん丸スズメに紐を結び、ルフィはメガネふくろうに紐を結んだ。勝負はここからである。
『あの村に行ったらこのおやつ、もっとたくさんあげちゃう!』
『チューン!』
『あ~!!? “えづけ”はズルだろ!!?』
『だれもエサあげちゃいけないなんて言ってませーん』
『ぐぬぬぬ……こっちだって負けねえぞ!!! 行け“ふくろ”!!』
『ポー?』
ゆっくりとだが風車村に向かって進むウタ。対照的にルフィの方は気ままに飛ぶふくろうのせいで一向に村へ近付かない。
見当違いの方へ進むルフィにシャンクスは声を掛ける。
『おーいルフィ! そっちは森だぞー!』
『そんなのわかってるよ!!』
『ポッポッポー』 - 125FILM N.G.22/09/04(日) 21:27:10
シャンクスの心配を余所に森へと突っ込んで行くルフィ。
『……ちょっと見てくる』
『はい、お願いします』
頭を抱えて溜息を吐きながらもルフィの後を追うシャンクスにマキノは苦笑しながら見送る。
『あ?』
ルフィは直ぐ戻って来た。
『ぎゃああああああああああ!!?』
『ポォオオオオオオオオオオ!!?』
メガネふくろうと共に勢いよく森から飛び出してきたルフィ。その後ろからは―――
『ブェエエエエエエエエエエエ!!!』
頭にたんこぶを作った猪が怒り心頭で追い掛けて来ていた。
全力疾走で逃げるルフィ。必死すぎてシャンクスにも気付かず脇を駆け抜けて行く。その行き先は奇しくも風車村であった。 - 126FILM N.G.22/09/04(日) 21:28:22
『……ぷっ!! ……だっははははははは!!? 寝てる頭でも踏んづけたかあのバカ!!!』
それが可笑しくて可笑しくてシャンクスは腹を抱えて笑う。
『……はぁ~……これはどっちが勝つかわからなくなったな』
『船長さん!? 言ってる場合ですか!? ルフィが危ないですよ!?』
『大丈夫さ』
シャンクスは軽く手を出して猪の進路に割り込む。だが怒っている猪はそれを意に介さず、邪魔物は撥ねると言わんばかりに突っ込んで来て―――
『……止まれ』
『っ!!?』
一瞥しただけ。マキノからはそうとしか見えなかったが……猪にとっては違う。
シャンクスから放たれた圧力によって脚を前に出すことが出来なくなる。
『プ、プギィ……』
『よしよし良い子だ。そのまま森へ帰ると良い』
『ブー』
そうして怒り狂っていたはずの猪は大人しく森へと引き返して行った。
『……さて。あいつらの決着でも見届けようじゃないか』 - 127二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 21:40:44
めちゃくちゃかっこいいなこのシャンクス
- 128二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 21:47:35
エミュ精度が高すぎる…これが新時代……
- 129FILM N.G.22/09/04(日) 21:49:06
―――所変わり、風車村付近。
『ふふーん。これでわたしの連勝記録更新ね』
『チュンチュン!』
パン屑を使った誘導が上手くいって御満悦なウタ。そのまま余裕の足取りで風車村に辿り着こうとした……その時である。
『……何? ……悲鳴?』
後ろから聞こえてくる悲鳴、振り返って見てみると。
ルフィが必死な形相で走って来ていた。
『ぁあああああああああ!!?』
『きゃあああああ!!?』
勢いが勢いだったのでビックリしたウタは逃げるようにルフィの進路から避ける。
『な、何よあれ……』
しかしその行動がルフィに先を行かせる物だと気付いてウタは『あー!?』っと己の失策に声を上げる。 - 130FILM N.G.22/09/04(日) 21:54:08
『い、急ぐわよ!!』
『チュンチューン!!』
急いで追い掛けるも時既に遅し、ルフィの方が早く風車村へと到着していた。ルフィは疲労困憊といった様子で仰向けに寝そべっている。
『ぜえ、ぜえ、はあ、はあ……』
『……ル、ルフィ……あんた……』
『ど、どうだウタ~? おれの勝ちだろ~?』
へろへろの勝利宣言。しかしウタはルフィが“ルール違反”したことに気付いていた。
『……あんた鳥は?』
『ほへ?』
ルフィは自分の手に目をやる。そこにはしっかりと紐が握られていたが……
『ポッポ―。アホポッポー』
結んでいた紐はほどけ、結ばれていたメガネふくろうは村外れの木に止まっていた。
『あ~~!!? ふくろ!!?』
『は~い、一緒にゴールしてないからルフィの負け~!』
『ぇえええええええ!!?』
ルフィは疲れを忘れたように飛び起きるとウタに食って掛かる。
『負けてねえ!!! おれはまだ負けてねえ!!!』
『なによ、どっからどう見てもわたしの勝ちでしょ?』
『違うもんね~!!! ウタはズルしてたからウタの負けぇ~!!!』 - 131FILM N.G.22/09/04(日) 21:56:23
『でた。負け惜しみ~♪』
- 132二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 21:58:19
かわいい……
- 133二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 21:58:59
あぁ…かわいい……
- 134二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 22:00:34
かわいいな…
- 135FILM N.G.22/09/04(日) 22:06:16
『何をぅ!!?』
『何よ!!?』
う~っと唸りながら睨み合うルフィとウタ。
一触即発。勝敗に納得出来ない二人は次に拳で決着を求めようとした時、様子を伺っていたシャンクスが姿を表して間に割って入った。
『よう、どうだ二人とも! 勝負は着いたか?』
『あー! シャンクス―!』
そうして二人の標的はシャンクスに向かった。
『な~な~、シャンクスぅ~。おれの勝ちだよな~?』
『どう見ても私の勝ちよ。ねえ? シャンクス~』
『あー! わかったわかった! わかったからおれを登るな!!』 - 136FILM N.G.22/09/04(日) 22:21:25
シャンクスはよじよじと自分の体を登ってくる子供二人をあやしながら落ち着かせる。
『まったく。お前らは毎日毎日勝負勝負とよく飽きないな』
『何よその言い方。わたしだって好きで勝負してるんじゃないんだからね!』
『ウタが負けを認めねえからだ!!』
『うっさい! 今わたしはシャンクスと話してるの~!』
シャンクスにべったりなウタ。シャンクスの頭に張り付いたルフィはぶう垂れながら幾度も気にはなっていたことをまた聞く。
『やっぱウタ変だよなぁ……自分の父親のこと呼び捨てなんて』
『シャンクスはシャンクスだから良いの! だって私の父親であると同時に尊敬してる船長なんだから!! ……それよりあんたは何回それ聞くつもりよ』
『だって何回聞いても変だし』
『あんたのネーミングセンスの方がよっぽど変だと思うわ!』
きゃんきゃんと騒いで耳が痛くなりそう。そんな風に思ったシャンクスだが、それと同時にこの光景がどれほど穏やかで心温まる掛け替えのない物であると理解していた。
『なに笑ってんだシャンクス?』
『……いや。相変わらずバカやってんなと思ってな』
『あー! ルフィのせいでバカに思われちゃったじゃない!!』
『えええ!? おれのせいじゃねえよ!!』 - 137二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 22:24:46
可愛いな2人とも
- 138二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 22:31:52
素晴らしいのにこのあとエレジア壊滅が起こるんだと思うと胸が苦しい…
- 139FILM N.G.22/09/04(日) 22:38:07
シャンクス、ルフィ、ウタ。その3人のやり取りを少し離れた場所から赤髪海賊団の仲間がマキノや村長と共に眺めていた。
『こんな日がずっと続けば良いのに』
マキノが溢した言葉にベックマンは煙草を吹かしながら答える。
『……おれ達は海賊だ。辿り着く海ごとの生き方ってもんが有るのさ』
ベックマンのその言葉に村長は「ふんっ」と鼻で息を吐く。
『それでも! 子供が笑っていられる方が良いに決まっておる!』
『……違いない』
仰るとおりとベックマンは村長の言葉に笑みを浮かべた。
『―――はいはいみんな注目注目! ちゅ~もぉ~く!!』
ぱんぱんぱんと手を叩く音が響く。それをしたのはウタ。彼女はそうして周りの注意を引くと告げる。
『赤髪海賊団音楽家ウタ!! 今日もみんなを楽しませるために歌うわ!!』
それを聞いた全員が盛り上がる。
『良いぞ良いぞウタ!!』『よっ!! 待ってました!!』『酒開けちゃおう』『肉! おれ肉食いたい!』『うちの自慢の音楽家の舞台だ』『聴かなきゃ損だぜ』 - 140二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 22:40:00
この時間ずっと続くと思ってんですがね…
- 141二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 22:49:05
永遠は存在しない
- 142FILM N.G.22/09/04(日) 23:02:55
ウタはその歓声にドヤァと得意満面な顔をするとこれから歌を決める。
『いつもの歌も良いけど、今日は賑やかにあれを歌うわ! だからもみんなも一緒に歌いましょう!』
ウタが手を叩く。それは先程の注目を集めるための物とは違う、軽快なテンポを取って叩かれる手拍子。
『お、こいつは』『良いねえ』『おれらの定番だな』
歌う前から盛り上がってくる。ウタはその空気を楽しみながら歌い出す。
『ヨホホホ~! ヨホホホ~!』
曲名“ビンクスの酒”。
『―――ビンクスの酒を届けに行くよ―――』
古くから海賊達に親しまれてきた舟唄。
- 143FILM N.G.22/09/04(日) 23:03:23
『―――おれ達ゃゆくぞ海の限り―――』
ウタの幼いながらも力強い声に乗ってその歌は風車村に響き渡る。
『―――ビンクスの酒を―――』
赤髪海賊団の皆も一緒になって歌い出す。
『―――波がおどるよドラムならせ―――』
ルフィも元気いっぱい歌う。
『―――ビンクスの酒を―――』
シャンクスもウタを肩車して仲良く歌う。
『ヨホホホ~! ヨホホホ~!』
風車村の皆も歌い出す。海賊達と肩を組んで楽しく笑って酒を飲む。
日が暮れても、いつまでも。
笑って楽しく彼らは過ごした。 - 144二次元好きの匿名さん22/09/04(日) 23:41:16
ヒザをついて支援する以外になかろう……
- 145二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 00:51:11
ヨホ保守
- 146二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 03:59:45
ほ
- 147二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 05:55:16
Spotifyで配信されてるウタのビンクスの酒は声が「大人」なんだよな
こんな風にシャンクス達といた頃の幼い声じゃなくて、今の成長したウタっぽい声で
一体いつ歌ったんだろう 海賊嫌いで通ってるのに
それともシャンクス達と別れず今も赤髪海賊団の音楽家をやっていたらのIFなのか、と思ったら胸がいっぱいになるんだ - 148二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 06:34:59
でも"ソロ"なのよね…
- 149二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 08:13:10
より一層赤髪海賊団のビンクスの酒を聴きたくなった
どうか歌ってくほしい… - 150FILM N.G.22/09/05(月) 09:00:25
―――そんな思い出を脳裏に浮かべながら、大人になったルフィとウタはスタート位置に着く。
「またズルすんじゃねえぞ?」
「あんたこそ。負けても言い訳しないでよね」
両者スタート前から一歩も譲らず。そして―――
「よーい……」
「「ドン!!」」
“バードレース”が始まった。
ルフィはゴールまで力強く飛んでくれそうな鳥はいないか探し始める。
「強え鳥!!! 強え鳥はどこだ~!!?」
勝負を受けたからには絶対に勝つ。そんな気概を持って挑んだ“バードレース”だが―――
「あっれ~~? ルフィってばまだ鳥を見つけれてないの~~?」
「ああ!!? なんだお前その鳥!!?」
ウタは何処からともなく飛んできた巨大な鳥……人を丸呑み出来そうな怪鳥に掴まって空に羽ばたいていた。 - 151FILM N.G.22/09/05(月) 09:01:15
「おいズリ―ぞ!!! おれもそれが良い!!!」
「残念早い物勝ち~! ……レースもね!!!」
きちんと紐で繋いだ状態で怪鳥に掴まるウタはルフィの頭上から既に勝ち誇った顔で見下ろす。
「暗くなる前には城に来てよね~!! じゃあねおっ先~~!!!」
怪鳥が「ケケェエエ~~!!!」といななく。時折ぷく~と鼻ちょうちんを作ったり「すぴすぴ……ふがっ」とまるで寝ているような仕草をするが……何の問題も無く城に向けて飛行を開始する。
「くっそ~~!!! 負けねえ!!!」
圧倒的不利。だがルフィには負ける気など微塵も存在しなかった。
「184連勝はおれのもんだ!!」
ルフィは気合い十分「うぉおおおおおお!!」と吠えながら近くの森へと突貫していった。 - 152FILM N.G.22/09/05(月) 09:29:29
エレジアの空を飛ぶウタ。先程までルフィとあれだけ笑い合っていた彼女だが……今はその顔に楽しそうだった表情は一切無い。
「……海賊になったんだねルフィ。本当に……」
左手に意識が向かい、強く拳を握る。
「海賊なんて……碌なもんじゃ無いのにさ」
眼下に広がる荒廃したエレジアの街を見下ろしながら、ウタは“人々の嘆き”を思い出す。
『―――海賊が街を襲った!』『誰か助けて!!』『妻が殺された!!!』『海賊のせいだ……全部、全部!!!』『わたしの夫は海に沈められた!!!』『ああ……いつも泣いてばかりさ』『助けてくれない海軍も悪いよ……でも』『海賊が一番悪い!!!』『ウタちゃんの歌をずっと聴いていたいよ』『助けて、ウタ』『ウタちゃん!!!』『プリンセス・ウタは僕らを救ってくれる!!!』『ウタはわたし達民衆の救世主なのよ!!!』『おれを、家族を救ってくれ』『みんなが救われる世界はないのかな?』
聞こえる聞こえる聞こえる。
皆の声が。
こんなにも世界は苦痛に満ちている。身勝手な者達、海賊の手によって大事なものが奪われていく。
「……大丈夫。大丈夫だよみんな」
怪鳥の影の下。光差さない瞳でウタは告げる。
「わたしが絶対に……海賊もいない、誰も苦しまなくてすむ“新時代”作るから……だから」
だからお願い。
「この大海賊時代を終わらせる。私の手で」
その笑顔で、声で……私を引き留めないで。 - 153FILM N.G.22/09/05(月) 09:31:49
やあ。次の更新は夜になるよ
ここまで読んでくれて感謝です - 154二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 09:33:29
🍢🍲🐍🍶🐉<期待
🔥 - 155二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 09:34:44
楽しみに待ちます
- 156二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 12:56:33
- 157二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 13:10:42
少女1人に背負わせる重さじゃねえのよ
- 158二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 15:58:48
- 159二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 19:18:41
待ってるぜ
- 160二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 21:38:49
こっちはもう現実世界で邂逅できてるんだよな
こみ上げるものがある - 161二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 22:09:48
保守
- 162FILM N.G.22/09/05(月) 22:31:56
保守ありがとうございます。書けた分をまた上げていきます
- 163FILM N.G.22/09/05(月) 22:35:51
ルフィとウタが各々スタートをしたのを見送った麦わらの一味はゴードンの案内によって城へと向かっていた。
「しかしルフィの奴は大丈夫かね」
煙草の煙を吐きながらサンジはルフィが消えていった森を眺める。
「エレジアで危険な猛獣に遭うことは早々無いから……大丈夫だと思うが」
「ああ、違う違う。あいつが無茶苦茶やらかさねえか心配してるんだよ」
サンジはゴードンに別にルフィの身は案じていないことを教え、寧ろ厄介事を引き起こさないか心配していると伝えた。それに他の仲間達も同意する。
「トラブルを引っ提げてくるのに関しては天才的だからな」
「一人でほっつき歩いて何事も無いなんて有り得ないわよね」
「退屈しないわ」
「ルフィさんはそういう星の下に生まれてますよね」
変な意味での信頼はすごい厚い船長だった。仲間達からのルフィの評価を聞いたゴードンは「そ、そうか」としか言えなかった。
「それよりもゴードンさん」
「何かね?」
ロビンが気になったことを尋ねる。
「猛獣にそう出遭わないと言っていたけど……居るには居るのね?」
「ああ、勿論。ヌシと呼ばれるのは森の奥深くを縄張りにしてるから見掛ける機会はそう無いが」
「それは“鳥”かしら?」
「よくわかったね。確かにヌシはウタが呼んだあの怪鳥よりも更に大きい猛禽だが……」
ゴードンは「急にどうしてそんな質問を?」と考えていると―――ルフィの仲間達は空を見ていた。正確に言えば森方面の空を。 - 164FILM N.G.22/09/05(月) 22:36:34
「でっけー。なんじゃありゃ」
「ウタちゃんと一緒に飛んでった奴の軽く3倍はねえか?」
「トリノ王国に居た怪鳥たちぐらいでっけえ。懐かしいなぁ」
「つーかルフィの奴、咥えられてるぞ」
「まあ大丈夫だろルフィだし」
「梟かしら? 遠目から見れば可愛いわね」
森の上空、そこにはルフィの頭を咥えて飛翔する巨大な猛禽が。大きな翼だが静かな羽ばたき、だがそのスピードは恐ろしい程に速い。
「も、森のヌシ!!? 大変だルフィ君が!!?」
ゴードンもそう光景を見て慌てるが、だがやっぱり他の皆は気にした様子も無く落ち着いている。
「大丈夫大丈夫いつものことだから。心配するだけ無駄よ、無駄」
ナミがそう言っている後方ではルフィの「ぁあああああああ~~~~」という悲鳴のような声がコダマしていた。
「いや本当に大丈夫なのかアレは!!?」
どう見ても生命の危機である。
「本気で危なかったら自分で何とかするだろ。おれ達は先に城で待ってりゃ良い」
「ゾロー。そっち逆だぞ?」
「何でお前は案内が居て迷子になりそうになるんだよ」 - 165二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 22:51:42
安定のルフィとゾロである
- 166二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 23:22:33
あっこれ初期の食糧難のセルフ?パロディーか。懐かしい。
- 167二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 23:24:17
保守
- 168二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 23:26:31
またゾロが迷子になりかけてて草
- 169二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 23:31:48
あったな〜
デカい鳥に持ってかれたことw - 170二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 01:28:16
お前仲間全員と案内が居ても迷子になるんか…
いやゾロならなるわ(確信) - 171二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 03:48:47
保守
- 172二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 07:04:16
保守
- 173二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 07:07:51
ゾロは
オマエみたいな
ファンタジスタだよ - 174FILM N.G.22/09/06(火) 08:47:34
そんな風に仲間の誰からも心配されていないルフィ。そんな彼がどうしてあんな状態になってしまったのか、それには深い事情が―――
『あ!!! 居たー!!! でっけぇー鳥!!!』
『……ボー?』
『おれ今レースやってんだけどさー。お前手伝ってくれよ鳥!!!』
『ボー……』
『“ふくろ”思い出す鳥だな~。あいつの何倍もでけーけど』
『……くんくん……くんくん……ボー』
『あ? ……!!? おいダメだぞ!!? これはおれの弁当だ!!! 絶対にやらねえぞ!!!』
『……ボーボー。……!』
カプ。
『え?』
『レディ、ボー』
『ぁあああああああああああ!!?』
―――深い事情は無かった。 - 175二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 08:52:10
- 176FILM N.G.22/09/06(火) 09:02:31
そうして森のヌシの機嫌をちょびっと損ねたルフィは頭を咥えられて絶賛お空の旅中なのである。それを彼の仲間達はただただ面白い見世物でも見るように眺める。
「速いな。あれもう追い付くんじゃねーか?」
「お、並ぶぞ」
ルフィを連れて飛ぶヌシがウタの怪鳥に並ぼうとしていた。
ウタは目前にまで迫る城を見ながら自分の勝利を確信していた。
「流石にこれはもう勝ったしょ。ふふ~ん♪ 私の184連勝目~♪」
「ケケェ~~!! ……すぴすぴ……ふがっ」
ご機嫌なままゴールへと向かう、その時であった。
「―――ぁぁぁぁ~―――」
「……? なに?」
後ろから妙な声が聞こえた。不審に思って振り返るとそこには―――
「待てウタァああああ~~ッッ!!! 184連勝目はおれだァああああ~~ッッ!!!」
「キャアアアアアアアア!!? なにごと!!?」
超巨大梟に頭を咥えられた状態で猛追してくるルフィが居た。ちょっと意味がわからなさ過ぎて恐怖すら感じる光景だ。 - 177FILM N.G.22/09/06(火) 09:31:34
「なになになに!!? こわいこわいこわい!!? なにやってんのルフィ!!?」
「飛んでる!!!」
「食われてるのよ!!!」
戦慄するウタ。
(子供の頃よりおかしさに磨きがかかってる!!?)
幼少の頃からルフィは度胸試しで崖から飛び降りたり、近海の主が生息していると知りながらボートレースを挑んだりと頭のネジがちょっと緩かった。それが大人になって落ち着いているかと思えばこれである。
「ってヤバ!!? 抜かされた!!?」
森のヌシは速かった。かなり遅れてのスタートだったのにも関わらずウタの怪鳥に追い付いてきたのだ。その速度を維持したまま森のヌシはルフィを咥えたまま颯爽と怪鳥を抜き去る。
「マズい!! このままじゃ負け……負け……?」
急いで追い掛けようとするウタ。しかし直後に起きる出来事に目を丸くする。
「ボー。……ぺっ」
「おお?」
城を目の前にしてルフィを吐き出す森のヌシ。本当ならそのまま落下するだろうがルフィの手には鳥の脚に括り付けようとした紐が握られており、森のヌシはその紐を大きな鉤爪で器用に掴むと――― - 178FILM N.G.22/09/06(火) 09:32:06
「おお? ぉおおおおおおおおお~~~~!!?」
まるでハンマーでブン回すようにルフィを振り回し始めた。
凄まじい高速回転。ウタの目の前でルフィがビュンビュン回る。そうして回転速度が最高潮に達した時、森のヌシは待っていたと言わんばかりに―――
「ボ~~……ボッ!!!」
「ぉおおああああああああああ!!?」
城の一室目掛けてルフィを叩き込んだ。
「ルフィ~~~~ッ!!?」
強固な外壁を容易く砕いて城内へと叩き込まれたルフィを見てウタは悲鳴を上げる。
森のヌシはと言えば急に現れて面倒臭かった人間にお仕置き出来て満足したのか「ボ~」と一鳴きし、行きとは違って帰りはゆっくりと飛んで森へと戻っていった。 - 179FILM N.G.22/09/06(火) 09:33:26
- 180二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 09:34:25
- 181二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 09:37:54
- 182二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 09:38:44
続きは次スレになりそうな予感
- 183二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 10:34:56
面白い
- 184二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 10:37:12
テンポが凄まじすぎるんだわ
原作さながらのギャグパートが素晴らしくて爆笑してしまった - 185二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 11:26:12
いいね…
今この時は「四皇ルフィと歌姫ウタ」ではなく「やんちゃ坊主ルフィとお転婆娘ウタ」なのがいいね…
映画REDとは明確に異なる世界線
様々な差異がどのような変化へと繋がるか、楽しみです - 186二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 13:38:15
本当に面白いわ…
高レベルのキャラエミュ、台詞回し、地の文…さぞかし名のある文字書きと見受ける… - 187二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 14:05:32
レディ・ボーって主お前もレースノリノリじゃねぇか
超フクロウかなんかか? - 188二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 14:27:05
「飛んでる!!!」
「食われてるのよ!!!」
ほんと草 - 189二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 17:46:44
保守
- 190二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 20:32:10
ほす
- 191二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 20:36:22
保守
- 192FILM N.G.22/09/06(火) 20:49:52
保守感謝です
今から次のスレを立てます - 193FILM N.G.22/09/06(火) 20:51:42
ONE PIECE FILM N.G. part2“孤独の歌姫”編その1 完
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ONE PIECE FILM N.G. part3“孤独の歌姫”編その2
ルフィ「おいウタ!!」 ウタ「え!? ルフィ!?」 part3|あにまん掲示板ONE PIECE FILM N.G. part3 “孤独の歌姫”編その2前スレ『ルフィ「おいウタ!!」 ウタ「え!? ルフィ!?」 part2 “孤独の歌姫”編その1』https://bbs.ani…bbs.animanch.com - 194二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 20:51:58
埋めます
- 195二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 20:52:30
やったー!
待ってたぜ!! - 196FILM N.G.22/09/06(火) 20:52:42
- 197二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 20:52:43
梅の木
- 198二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 20:53:11
200なら主は鍋から回避できない
- 199二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 20:53:48
外道が…
- 200二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 20:54:26
200ならみんなで釜に入ろう