- 1二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 20:04:05
真夏に差し掛かろうとする七月上旬、エアグルーヴのトレーナーである僕と生徒会長ことシンボリルドルフ、そしてそのトレーナーの三人は車で夏合宿へ向かっていた。僕が運転する車に乗ってもらうと言ったとき二人とも遠慮していたが、担当に二人を乗せてくるよう強く言われていたのでこちらも引くわけにはいかなかったのだ。
会長のトレーナーとはあまり喋ったことはなかったが、寡黙で真面目な人だというのは知っていた。まさかこんな暑い日に軽装が推奨されているにもかかわらずスーツを着て生徒会室から出てくるとは思わなかったが。
移動中の二人はとても忙しそうだった。トレーニング用具の必要数だとか、熱中症対策のことだとか、食事の不足分のことだとか色々なことを話し合いながら予定表と睨めっこしていた。真面目に生徒会長を補佐するその姿は格好も相まって社長と秘書のようにすら見えた。残念ながら自分の担当のことでいっぱいいっぱいな僕には運転の方が向いているような気がする。難しい会議が背後で進行する中、目的地まではもう半分を切っていた。
到着する頃には仕事もひと段落ついたみたいで涼しい空調と車の走る音だけが車内に満ちていた。もう少しで着くところで彼が会長に話しかけた。
「なあルドルフ、今回の合宿の挨拶の諸注意についてなんだが………、どうだ?」何かを耳打つ。
「ふふっ、妙案だな。面白い」
難しい話のようだ。僕にはわからない。
ちょうど見えてきた目的地に着いたら二人を下ろして駐車場へ向かう予定だ。彼らの到着が予定より遅かったため少し予定が押しているらしい。後でエアグルーヴに怒られるな。なんてことを考えながら先を急いだ。
僕が合宿の挨拶に着く頃にはもう生徒会長の番が回ってきていた。朝礼台の少し横に座っている生徒会副会長と目が合ったが睨まれた。気まずいので目を逸らして挨拶をしている生徒会長に目を向ける。激励が終わると諸注意が始まる。
「…各自脱水症状には気をつけてほしい。あと日差しが強いので帽子はちゃんと被るようにお願いする。帽子を外すのは御法度、ということだ。」
生徒会副会長たちが頭を抱える。隣で挨拶を聞いていた娘は笑いを堪えるのに必死なようだ。さらにその隣のトウカイテイオーが生徒会長を白い目で見ている。いつも無表情の彼はどこか楽しげに見えた。
こうして今年の夏合宿が夏の日差しに照らされながら始まりを迎えた。 - 2二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 20:05:56
読んでくれてありがとうございます。ひとくちssです。キャラと文字数がちょっと増えたのであらがあるかもしれません。
- 3二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 20:08:53
日差しを帽子で防止するようにのほうが良かったかな。
- 4二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 20:09:34
真面目ふたなりってなんだろうと思って…
- 5二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 20:35:47
よう兄弟
- 6二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 22:17:53
良かった。キツく当たるよりも一緒に駄洒落考えるトレーナー君の方が好き