【CPネタ】ジャック×バオファンという可能性

  • 1二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 22:48:59

    「おいジャック。最近ずいぶんご機嫌じゃねェか…。女でも出来たか?ウォロロロ!」

    そうカイドウさんにからかわれたが、実際の所本当に女が出来た。
    相手はバオファン。カイドウさんや、おれに対する飾らない態度にどうにも惚れちまった。

    ある時、どうせ断られると思い、酒の力を借りてバオファンに想いを伝えた所、意外にもOKだった。
    冗談かと思えば、覆面から少しだけ見える顔は真っ赤だった。

  • 2二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 23:06:53

    「バオファン。お前はおれが怖くねェのか?」
    「怖いんだったら流石に逃げてるよ。でもジャック様は私に乱暴したり酔ってぶん殴ったりとかしないでしょ」

    楽しそうに覆面の下で笑うバオファンを眺めていると胸の辺りが暖かくなってくる。
    うるティ、ブラックマリア、ヤマト坊ちゃん…あれらのクセの強さを見ていると、正直女だの恋愛だのに興味を持つ事は出来なかった。

    とことこ歩いて近付き、おれにぴったり寄り添おうとするバオファン。
    こいつを守りたい。

    破壊だけが全てだと思っていたおれにこんな思いが生まれるとは思いもしなかった。

  • 3二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 23:07:43

    続けてどうぞ

  • 4二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 23:12:44

    あれからしばらく経った。
    お互い仕事の分野が違う為、なかなか時間が合わない。
    「お互い秘密の付き合いにしよう」というバオファンの言葉に同意した為、日中は顔を合わせる事もない。

    夜に時間があれば向こうからおれの部屋を訪ねてくる。
    おれの至福の一時だ。
    今日こんな事をした。こういう飯を食った。こんな面白い事があった。
    毒にも薬にもならない話題だが、バオファンと会えなかった時間を共有しているみたいでおれは幸せだった。

  • 5二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 23:13:33

  • 6二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 23:14:57

    釜茹での準備とレスしようとしたら既ににられてた。…

    楽しみに読むぞな!

  • 7二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 23:20:53

    「ジャック。お前に仕事を頼みたい」
    「キングの兄御。どんな仕事だ?」
    「ゾウに向かい、雷ぞうという侍を探し出して消せ。出来るな?」
    「任せてくれ」

    付き合い始めてしばらく経ったある日、久々の長期遠征の仕事が入った。
    バオファンと離れるのは寂しいが、兄御の期待に背く訳には行かない。

    おれは部下に遠征の準備をさせてる間にバオファンに話をした。
    「えー!それじゃしばらく会えないじゃん!」
    「そう言うなバオファン。…おれだって寂しいんだ」

    覆面の下に動揺が見える。小さな体でおれに抱き着いてきたバオファンは、いつも以上に弱々しく見えた。

    「それなら、これを持ってってよ。私のお守り。私だと思って大切にして」

    そう言って小さなお守りを渡された。正直おれはお守りに縋った事など無かったが、これだけは大切にしようと思った。

    「悪いな、バオファン。帰ったら必ず返しに行くから」

    そして遠征が始まった。

  • 8二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 23:29:05

    遠征の結果、おれは敗北を喫した。
    海に沈みながら早く引き上げろとか、負けるのなんていつ以来だとか色々な考えが頭をよぎる。

    ゾウに吹き飛ばされた事を思えば、おれは命があるだけマシか。
    力の入らない体で懐にしまった例のお守りを探る。
    小さなお守りに触れた時、どうしようもなく安堵した。これがお守りに縋るという事かと自嘲する。

    広い海に1人沈んでいるとどうしても心細くなる。
    「バオファンに会いてェな…」

    自分の口から溢れた言葉に、自分自身驚いた。

  • 9二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 23:38:55

    しばらく後、味方に助けられワノ国へ帰還する。

    カイドウさんからは相手が悪かっただけだから気に病むなと告げられ、兄御2人にはギチギチに詰められた。

    正直、さすがに疲れた。とっとと帰って寝てェ。
    負傷した体を引き摺りながら自室へ向かう。
    扉を開くと中にバオファンが立っていた。

    「バオファン、お前なんで…」
    言い終わらない内にバオファンが胸に飛び込んできた。

    「バカ、本当に心配したんだよ!キング様からジャックが負けたって聞いて、もしかしたら死んだのかもって、ずっと怖かった!」
    「悪かった、バオファン。連絡が遅れた…」
    「ジャックが無事ならそれでいいよ!」

    小さな震えにようやく気付いた。おれはこいつを泣かせてしまったんだ。
    敵ならともかく、こんな事は初めてだ。どうしたらいいか分からなかったが、ふと思い出した。

    「バオファン。顔を上げてくれ」
    「…?」
    「見ろ。お前がくれたお守りがおれを守ってくれたんだ。ありがとうな」

    お守りを大事そうに抱き締めるバオファン。なんとかしてこいつを幸せにしてやりてェ。

  • 10二次元好きの匿名さん22/09/05(月) 23:50:31

    そこからしばらくは前と同じ日々が続いた。
    前と変わらず夜に語らう。おれにとっては幸せな日々。

    ある夜。バオファンが聞いてきた。
    「ジャックは私を抱こうとはしないね。どうして?」
    「…」

    その事は考えなかった訳ではない。だが体格差を考えればバオファンに相当な負担が掛かる事は間違いない。

    「やっぱり私が貧相だから?女らしくないから?魅力がないから?」
    「いや、そういう訳じゃ…」

    泣きそうになりながらおれにそう言うバオファンに、良い返しが思い付かない。
    まるでガキの様な、言葉にならない言葉だけが口から出て行く。

    女なんてFUNKに抱いちまえばイチコロだぜ!というクイーンの兄御を思い出す。実際に抱く訳にも行かないおれは咄嗟にバオファンを抱きしめた。

    「いいか、バオファン。おれとお前の体格差を考えろ。抱く所か死ぬかもしれねェんだぞ。おれにお前を
    傷付けさせるな」
    「私はジャックがそうしたいなら私は全部受け止めるよ」

    珍しくキザな言葉が出たもんだと自画自賛していたら強烈なカウンターを喰らってしまった。

  • 11二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 00:00:33

    「…おれはまだ半人前だ」
    「百獣海賊団の大看板なら十分立派だよ」

    「まだ…結婚もしてねェ」
    「そんなの今どき古いよ」

    「…」
    「言い訳はもう終わり?」

    口では勝てん。
    どうしたものかと悩んでいると、覆面を少しだけズラしておれの額にキスをしてきた。

    「意地悪言っちゃったね。今日はそれで勘弁したげる!」
    唖然とするおれを尻目にさっさと帰り支度をするバオファン。

    「悪かった、バオファン」
    ようやくそれだけ絞り出せた。

    「ジャック、いい?私はジャックのしたい事なら何でもしたげたいの!その代わりこれからは私もしたい事全部するからね!」

    そう言って部屋を出て行くバオファンの後ろ姿を見て、改めてこいつに惚れて良かったと思う。

  • 12二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 00:06:43

    そしてとうとうあの日がきた。
    侍どもの討ち入りの日だ。

    城内はあっという間に大混乱に陥る。そこかしこで雄叫びと断末魔の叫びが聞こえる。

    討ち入りからずっと不安が付きまとう。
    アイツは戦闘員じゃないからやられる様な事はない。
    いや戦闘員じゃないからかえって狙われる。
    だがアイツは機動力がある…

    迷いを振り切ってミンク族と戦う。
    今のおれは"旱害のジャック"として戦場に立たなければならない。


    「…お前が弱ェ訳ねぇんだよ」
    情けねェ。守るべきカイドウさんに庇われて戦線から離れる。
    アイツは無事だろうか。

  • 13二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 00:08:26

    読んでるぞ
    文章力があって楽しく読める

  • 14二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 00:12:50

    最低限の手当てを受け、再度戦場に立つ。
    時折メアリーズから聞こえるバオファンの声がおれを奮い立たせる。なんとか無事な様で良かった。

    …そうか。侍どもが強ェのは守りたいもんがあったからか。
    なら今のおれも少しは強くなっているハズだ。そう自分に言い聞かせ、痛む体に鞭打って戦場を走る。

    その時聞こえてきたのはバオファンの悲鳴。
    麦わらの仲間どもに捕まったらしい。

    瞬間的に頭に血が上り、奴らを消す事とバオファンを救う事しか考えられなくなった。

    だがおれの前にミンク族の王が立ち塞がった。

  • 15二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 00:26:05

    そこからはもうほとんど記憶がない。
    気が付けば兎丼の採掘場に居た。

    …百獣海賊団が敗れたと理解できるまで少し時間が必要だった。
    呆然とする中で1つだけハッキリした考えがあった。
    バオファンは無事か?
    生きてさえいればそれで良い。

    ズタボロにされた体に気合いを入れて採掘場を歩き回る。
    しばらく歩いてとうとう見付けた。見た所、幸い大きなケガは無さそうだ。

    「バオファン」
    「ジャック!」

    おれに飛び付くバオファンをしっかり受け止める。周りの奴らに見られているがそんな事どうだっていい。

    「バオファン。無事で良かった。お前を失うなんて考えたくもねェ」
    「ジャック!生きてて良かった!今度こそもう会えなくなるって思った!」

    カイドウさんを失った百獣海賊団のこれからとか、裏切ったプレジャーズだとか、やる事は山のようにある。

    だが、おれにはおれを愛してくれる小さな恋人がいる。こいつを守る為にもおれは頑張らねばならない。

    もうおれは1人じゃない。これからは2人で生きよう。
    そう固く誓い合った。


    おわり

  • 16二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 00:27:27

    釜に入れ
    語り継ぐから

  • 17二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 02:01:32

    これは非常にアリだ。面白かった。

  • 18二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 02:39:36

    凄くいい

  • 19二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 02:53:54

    控えめに言って最高

  • 20二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 13:01:52

    日常会はありますか?

  • 21二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 13:18:13

    ジャックのマンモス・・・♡

  • 22二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 13:22:40

    バオファンとの関係の中で侍へのリスペクトが生まれるの良すぎる
    まったく!!良いSSだった!!

  • 23二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 18:17:35

    とても良かった🥰

  • 24二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 19:47:23

    体格差顔隠しコンビ最高か?

  • 25二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 21:53:26

    いいじゃねえか…

  • 26二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 22:00:44

    おそらく本編ジャックも兎丼で捕まっているのだろうけど、バオフォンはどこにいるんだろうか
    メアリーズの謎も残っているし割と許されてたりしないかな

  • 27二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 22:09:38

    アリ

  • 28二次元好きの匿名さん22/09/06(火) 22:11:35

    ジャクパオ尊い……
    夜のラブラブセッ書いて♡

  • 29二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 07:47:17

    夜の2人は体格差あり過ぎてバオファンが全身でこするくらいしか出来なそう

  • 30二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 17:20:43

    保守

オススメ

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