お前のおかげだよ

  • 171◆AUkGrsk3Ec22/09/07(水) 00:33:50
  • 2二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 00:35:02

    🍲🍢🐉温めしとくぞ
    🔥

  • 371◆AUkGrsk3Ec22/09/07(水) 00:37:59

     現実世界で赤髪海賊団が現れた。しかもウタワールドでは『バリバリの実』のバリアによって歌は封じられた。想定外の状況が次々と起こったのに加え、ネズキノコの毒の作用によってウタの冷静さはほとんど失われていた。声こそ聞こえないが、誰から見てもわかるほどに喚き散らしていたウタはうずくまった





    次の瞬間、鮮血のような色の光を目から走らせ、満面の笑みを浮かべながら『とある歌』を口にした。

  • 471◆AUkGrsk3Ec22/09/07(水) 00:40:09

     『とある歌』の歌詞が響いたその瞬間、黒い影は現れた。絶対無敵であるはずの『バリバリの実』のバリアは破られ、『赤髪のシャンクス』と『麦わらのルフィ』は影に呑まれ、それ以外は衝撃に吹き飛ばされた。麦わらの一味、赤髪海賊団及び各勢力は、異形の怪物『トットムジカ』と対峙する。
    チョッパー「ルフィが!」
    ゾロ「まずは目の前のでけェのからだ」
    ロー「さっさと片をつけて加勢するぞ」
    ロビン「アレを無視するわけにもいかないものね」
    サンジ「ウタちゃんのことは任せるとしようぜ」

  • 5二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 00:40:24

    🐉🍲🍢<これ絵師用の釜も必要か?
     🔥

  • 671◆AUkGrsk3Ec22/09/07(水) 00:41:12

    早速ですが急用が現れたので一旦止まります
    お願いします
    それまでスレを守ってほしいです!!!

  • 7二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 00:42:30

  • 8二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 01:00:50

    支援

  • 9二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 01:03:57

    保守

  • 10二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 01:36:31

  • 1171◆AUkGrsk3Ec22/09/07(水) 05:34:22

     影の中で、ルフィとシャンクスは見た。ウタだ。だが、明らかに様子がおかしかった。そのウタは、先ほどからウタウタの能力で出していたものより大きく黒い翼と黒いハットを携え、両腕はピアノの鍵盤のようなオーラを纏っていた。何よりもその顔は、右眼に赤い光、左眼に十字の傷というとても本人とは思えないものになっていた。
     そして、そのウタは口を開いた。
    ウタ?「我が名は、『トットムジカ』。人々の『想い』の化身。「寂しい」「認められたい」「見つけてほしい」、そのような『負の想い』が俺を形作り、こうして蘇らせた。」

  • 1271◆AUkGrsk3Ec22/09/07(水) 06:01:05

    〜ウタワールド〜
    ルフィ「お前が…『トットムジカ』…!」
    ムジカ「この時を待ち侘びたぞ。ウタウタの力はとうとう俺の手に渡った。ウタワールドにいる人々の心を留め、我が力の糧とし、現実世界の禍根を全て消し去ろう。そして至るのだ。ウタワールドこそが唯一の心の居場所となる『新時代』へ。」
    ルフィ「あっちの世界(現実)はどうなる?そんなもんは新時代じゃねェ。死んで骨が残るだけだ」
    ムジカ「消える。骨も残さん。だが心配するな。この子(ウタ)も言っていることだが、人は身体より心だ。肉体が消えようと精神がここ(ウタワールド)で生き続けるんだから良いじゃないか」
     わざとらしく「この子」と馴れ馴れしく呼び、それがルフィの神経を逆撫でした。
    ルフィ「そんなこと…させるわけねェだろ!絶対にお前からウタを引き離す!!」
    ムジカ「ならば…やってみろ。もっとも、ここでは『私は最強』だがな」
     巨大なランスと盾を発生させ、魔王は呟いた。

  • 1371◆AUkGrsk3Ec22/09/07(水) 07:27:32

    〜現実〜
    ムジカ「久しぶりだなぁシャンクス。確か12年振りだったか。今日までこの子は歌姫になるたm
    シャンクス「今、俺が話をしたいのはウタなんだ。邪魔しないでくれるか」
     言葉づかいこそまだ柔らかいが、彼の目つきは非常に鋭いものとなっていた。
    ムジカ「…この子とお前に話す余地は無い。俺の計画は遂に最終段階へ来たのだから」
    シャンクス「そいつは見過ごせないな。ならば邪魔させてもらおう」
     愛刀『グリフォン』を抜き、彼は一言放った。
    シャンクス「……来い!!!」
    ムジカ「望むところだ。俺もこの子と同じ……お前とは決着をつけたかった!!!」
     こちらでも、魔王は同じ武装を携えた。

  • 1471◆AUkGrsk3Ec22/09/07(水) 07:44:33

     どちらの世界でも、戦いは熾烈を極めた。ウタワールドを統べる魔王側が思うままの発想のもと常に展開を動かしていたが、数多の修羅場を潜ったシャンクスとルフィの方が明確に戦いを解っていた。その内容はほとんど互角、シャンクスに至ってはやや有利に戦いを進めていた。もっとも、互いに余力を残していたためあくまで見かけ上は。

  • 1571◆AUkGrsk3Ec22/09/07(水) 08:12:02

    スレ主の妄想:こんな睨み合いしてほしい

  • 1671◆AUkGrsk3Ec22/09/07(水) 08:33:17

    ムジカ「随分と急いでいるな?」
    ルフィ「じゃねェとウタが!死んじまうからな!!」
    ムジカ「?」
    ルフィ「ギア3!」
     『ギア3』の発動でルフィの腕は巨大化し、更にその拳は『武装色の覇気』によって黒く染まった。
    ルフィ「ゴムゴムの…」
    ムジカ「!」
    ルフィ「“象銃(エレファントガン)”!!」
    ガシィンッ!!!ビシビシッ
     魔王は“象銃”を正面から盾で受け止めた。

    ※↓はイメージ。描こうとしたけど断念

  • 1771◆AUkGrsk3Ec22/09/07(水) 08:49:37

     しかし、ルフィの攻撃は止まない。『武装色の覇気』を纏ったまま“ゴムゴムの鷹銃乱打(ホークガトリング)”を放ち、遂に魔王の態勢を崩した。その隙を逃すはずはない。
    ルフィ「ゴムゴムの…」
     魔王の顔面を捉え、拳は放たれた。
    ルフィ「“ジェットピスト
    ズゥン
    ウタ「!!!」
    ルフィ「!!!」

  • 1871◆AUkGrsk3Ec22/09/07(水) 08:55:51

     眼前に拳が迫ったところで、魔王が覆っていた『本体』を晒したのだ。すんでのところで“JET銃(ジェットピストル)”の軌道は逸れて地面を叩きつけた。
    ムジカ「おやおや。少し溜めが足りなかったか…」
     ウタの右眼を見せたまま、魔王は残念そうな口調で呟く。
    ムジカ「この子がお前を大切に想っているのは知っていたが、それはお前も同じのようだな」
    ルフィ「……」
     無言のまま、ルフィは怒りに震えていた。が、もう戦いは出来ない。

  • 1971◆AUkGrsk3Ec22/09/07(水) 08:57:51

    次は昼にやります
    昨晩は助かりました!

  • 20二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 09:29:36

    >>拳が迫ったところで、魔王が覆っていた『本体』を晒した

    ここからムジカの性格の悪さが見えてて楽しみ

  • 21二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 13:59:04

    ムジカ「どうした?俺を倒すんじゃなかったのか?このままでは、俺にやられてしまうぞ!!」
     魔王は喋りながら赤い光線で追撃を始める。ウタに見えている中で。
    ムジカ「この子がチラつくからか!?ここまで戦っておきながら!」
     撃ち上がったところを、更に盾で地面に殴り落とされる。そして魔王が勢いよく着地した時、ルフィはようやく異変に気づいた。
    ダンッ!ビキビシッ!
    ルフィ「!?」
    ムジカ「今の音か?この子の身体はお前たちほど強くないんだ。ここまで言えばわかるな?」
     ウタの眼は明らかに痛みに堪えているものだった。ウタワールドでのウタは最強に相応しい強さとなっているはずだ。が、今のウタにそれを感じさせる強靭さは無い。魔王がわざと身体の強化をしていないからだ。ルフィの怒りは更に増したが、より一層動けなくなった。

  • 2271◆AUkGrsk3Ec22/09/07(水) 14:07:22

    >>21は名前の付け忘れです…


    ムジカ「ところでだ。さっき『早くしないとウタが死んじまう』と言っていたが、猛毒を口にしていたんだな。だからこの子の様子がおかしかったと」

    ルフィ「そうだ。だからお前を倒さないとウタが」

    パチンッ

    ムジカ「はい、治った〜♪」

    指を鳴らし、魔王はウタの声で楽しげに言った。

    ムジカ「勝手に死なせはしないとも。この子には見届けていてほしい。『外』に決着をつけたい男がいるんだ」

    ルフィ「…シャンクスか」

    ムジカ「せいか〜い♪」(ウタの声)

  • 2371◆AUkGrsk3Ec22/09/07(水) 14:19:54

    ムジカ「お前とシャンクスは、今でもこの子にとって大切だ。だから目の前で殺す。そうすれば今まで感じたこともない悲しみにありつけるだろう…楽しみだ!」
     魔王は歩み寄る。ウタの顔を出しながら。ネズキノコの毒が抜けたウタにもう先ほどまでの殺気は無い。赤いエネルギーをルフィの前に突きつけた時、とてもか細い声でウタは口を開いた。
    ウタ「ごめん、ルフィ。でも…もう引き返せない…」
    ムジカ「さぁ、行こう!『新時代』へ!!」
     ウタと正反対の、あまりに快活な声色で魔王は光線を叩きつけた。
     
     ルフィは吹き飛ばされ、倒れた。

  • 24二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 15:07:28

    このレスは削除されています

  • 2571◆AUkGrsk3Ec22/09/07(水) 15:08:52

    ムジカ「死んだか?いや、念のため風穴を開けておくか」
     魔王はなおもトドメを刺そうとルフィに迫る。
    ウタ(ぃゃ…)
    ????「ウタああああ!」
    ウタ「!」
    ムジカ「?」
     男が1人、走ってきた。
    ウタ/ムジカ「ゴードン…」
     ゴードンを見つめる眼差しは2つ。1つは今にも泣き崩れてしまいそうな弱りきった眼差し。もう1つは凍りついてしまうほど冷たい眼差し。

  • 2671◆AUkGrsk3Ec22/09/07(水) 21:34:56

    ゴードン「すまない、私はずっと嘘をついていた!お前の心を傷つけまいと!あの日、エレジアを滅ぼしたのはシャンクスではなく、トットムジカだった!本当はあの楽譜を処分してしまうべきだったんだ!」
    ムジカ「……」ギリッ
    ゴードン「だが私はお前が傷つくことを恐れてずっと真実と向き合えなかった!向き合うのが恐かったんだ!本当に…本当にすまない…」
    ムジカ「ああ、知っているさゴードン」
    ゴードン「!?」
    ムジカ「お前を恨んだことは無い。むしろお前とシャンクスには感謝してもしきれない」
     その時、現実ではシャンクスとの戦いの結果、ちょうど意識の無いゴードンの身体の目の前にいた。

  • 2771◆AUkGrsk3Ec22/09/07(水) 21:40:09

    ゴードン「まさか…君は…!」
    ムジカ「確かに、この子に俺を歌わせたのは俺の計画だった。いつ出てくれば歌ってくれるかもいくらか考えた。だが、完璧だったと自惚れるつもりはない。運が良かったんだ」
    ゴードン「何だと?」
    ムジカ「まず、俺はロクに音も届かない地下に閉じ込められていたんだ。…何も聞こえないところでずっと独りでな。お前が国中に声が届くようにしていなければ、この子がいることにも気づけなかっただろう」
    ゴードン「ああ…」
     やっぱり私のせいだ。ゴードンの心で『罪悪感』が膨らむ。
    ムジカ「もっとも、ちょっと暴れてこの子が力尽きた時は結構ガッカリした。幼すぎて俺を最後まで維持出来なかったんだ。だがその後は完璧だった。俺自身がビックリするほどにな」

  • 2871◆AUkGrsk3Ec22/09/07(水) 21:46:26

    ゴードン「お前に都合のいいことをしたつもりは…!」
    ムジカ「お前たちは俺の罪を被ってくれただろう?『エレジアを滅ぼしたのはシャンクス』だなどとこの子や世間に嘘をついてな」
    ゴードン「それは!ウタを傷つけないために!」
    ムジカ「『傷つけないため』だと?」
     魔王の声色が険しくなった。
    ムジカ「なぁ…この子がシャンクスをどれほど信じていたか解っているのか?この子はエレジアで音楽を学ぶよりも、歌姫になるよりも、赤髪海賊団、シャンクスと一緒でいることを何よりも望んでいたんだ」
    シャンクス「!」

  • 2971◆AUkGrsk3Ec22/09/07(水) 21:51:11

    ムジカ「本物の親のように想っていた者が大罪人だったということが、どれほど幼かったこの子を傷つけたか、分かっているのか!!」

     2人とも、何も言い返せなかった。エレジアを離れる前日、すなわち魔王がエレジアを滅ぼす直前のウタの様子が思い起こされた。

    ムジカ「純粋なこの子はお前たちの嘘を疑いもせずに10年以上信じた。自分はシャンクスに裏切られたんだとずっと思っていた。何故こう言わなかった?『魔王トットムジカが全てやったんだ!幼い君を利用して!島をめちゃくちゃにしてしまったんだ!!!』とな」

     かつてゴードンがウタにやったかのような、実に大袈裟な演技で魔王は叫ぶ。

  • 3071◆AUkGrsk3Ec22/09/07(水) 23:13:39

    スレ主の妄想:大袈裟な演技をするムジカの影

  • 3171◆AUkGrsk3Ec22/09/07(水) 23:28:43

    ムジカ「娘を守ろうと嘘をついたお前らも、それを真っ直ぐに信じたこの子も、本当に良い人だなぁ。本当に優しくて!本当にバカだよ3人とも!!クッフフハハハハハ」
     魔王が大笑いする傍らで、やるせない気持ちが溢れた。
    ムジカ「ふぅ〜〜〜…さぁゴードン」
    ゴードン「……?」
    ムジカ「順番が来た」
     ウタワールドでは巨大なランスを、現実では小さなナイフを突きつける。

  • 3271◆AUkGrsk3Ec22/09/07(水) 23:29:47

    文章のストックが切れたので今はここまで

  • 33二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 09:21:10

    保守

  • 34二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 14:17:28

    保守

  • 35二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 15:46:45

    このレスは削除されています

  • 3671◆AUkGrsk3Ec22/09/08(木) 15:49:58

    ムジカ「じゃあ…やるんだウタ」
    ゴードン/シャンクス「!!!」
     魔王はほぼ完全に離れ、ウタの全身が姿を見せる。2人の身の毛がよだった。これ以上罪の意識を植え付けようというのか。
    ムジカ「簡単だ。ただ振り下ろすだけさ。どうせほっといても腐って骨になるだけのモノだろう」
    ウタ「でも…」
     もしネズキノコの毒があったら、もしかしたら下ろしていたかもしれない。しかし、今のウタは、ただの女の子でしか無かった。
    ウタ「………」
    カラン...
    ウタ「ダメ。私には出来ない。ずっと育ててくれたゴードンを刺すなんて…新時代はこんなことしなくたって…」
    シャンクス「それで良いんだウタ。今ならまだ立ち止まれる。みんなを元に戻そう」
    ムジカ「ウタ」

  • 3771◆AUkGrsk3Ec22/09/08(木) 23:47:09

    ウタ「ッ!!」ビクッ

     心の底に魔王は語りかける。

     それは、ずっとウタの心に残っていたもの。映像電伝虫を見たからあの日に起きたことは知っている。魔王がエレジアを破壊し尽くす姿を。シャンクスたちが魔王を止めるために立ち向かう姿を。けど、それを知った時には、もう状況が止まることを許してくれなかった。ウタはもう『海賊嫌い』の歌姫として有名になり過ぎた。数多いファンの期待を裏切ることは出来ない。何よりも、

    ウタ(あの日私が『とある歌』を歌わなければ、こんなことにならなかったんじゃないか)

     “後悔”が、止まることを許さなかった。

  • 38二次元好きの匿名さん22/09/09(金) 00:01:28

     離した凶器に、再び手が伸びる。

     心身が震える。視線もおぼつかない。ルフィの時とは違い、毒が抜けたことで「やればもう戻れない」と全身が反応している。

    シャンクス「ウタ……!!」

  • 3971◆AUkGrsk3Ec22/09/09(金) 00:17:59

     突然記憶が駆け巡る。

     ライブを開催した今日この日。映像電伝虫を拾った日。そして、



     『とある曲』を口にしたあの日。

  • 4071◆AUkGrsk3Ec22/09/09(金) 00:40:19

     ナイフ自体が心臓を貫くことは無かった。死ぬのにはそれなりに時間がかかるだろう。だが、魔王にとってそんなことは問題では無かった。肉親に等しい存在を自分の手で刺したという事実を目の当たりに出来た。それが楽しくて仕方が無かった。ウタは大粒の涙を流し、呆然としていた。シャンクスも少しの間呆然としたが、すぐに悲しみ、続いて怒りが湧き上がった。
     その直後、魔王は再びウタを影で飲み込む。
    ムジカ(流石にいつまでもそうされてると困るな。テンションを上げてやるか)

  • 4171◆AUkGrsk3Ec22/09/09(金) 00:42:30

    違う展開が思い浮かんだので今はここまでです
    保守してくださりありがとうございます
    もっと読みやすくしたいものです

  • 42二次元好きの匿名さん22/09/09(金) 00:49:51

    がんばれスレ主
    俺はこのドクズムジカの最後が見たい

  • 4371◆AUkGrsk3Ec22/09/09(金) 07:19:53

    朝になりましたが、展開の再構築が必要なのと、スレ内容を見返してて自分で悲しくなったので一旦区切ります
    続きはまた今度!

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています