- 1◆y6O8WzjYAE22/09/07(水) 22:40:13
「はぁ……眠れない……」
布団に潜ってからかれこれ一時間くらい。同室のタイキの寝息は随分前から聞こえてきているというのに、アタシは未だに寝つく足掛かりすら掴めないでいる。
(明日は朝練もあるし、早く寝なきゃいけないのに……)
寝なきゃいけない、という意識が強くなればなるほど眠気は遠ざかっていく。
別に元々寝つきがいい、って訳でもないけどここ最近は悪くなっている気がする。
(トレーナー……)
目だけでも瞑って無理やりにでも寝ようとするけども、何故かトレーナーとした会話や顔ばかりが頭に思い浮かんでくる。
(明日はどんな話をしようかな……)
そういえばマックイーンからハロウスの期間限定茶葉をおすそ分けしてもらってたっけ。それを飲む約束とか? うん、悪くないかも。
(はぁ……やっぱり眠れない)
ずっとこんな感じで。寝る前にトレーナーとの事ばかり考えてしまい心が浮き立ってしまう。
それで目が冴えてしまい、寝つきの悪さに繋がってるんだと思う。
けどそれにしたって今日は酷い。ここまで寝つきが悪い事は流石になかった。
(ああ~もう! 早く寝させてよ……!)
焦る気持ちとは裏腹に、無情にも時間が過ぎていくだけだった。 - 2◆y6O8WzjYAE22/09/07(水) 22:40:33
早朝のランニングトレーニングを終え、コースの外で見ていたトレーナーへと歩み寄る。時計を見たわけじゃないから分からないけど、昨日は結局その後も30分くらいは寝付けなかった……。
(あれ? 普段こんなに呼吸を整えるのに苦労してたっけ……)
いつもはそんなことないのに、今日に限って倦怠感が妙に強い。単にトレーニングを終えた後だからかもしれないけど。心の中で気のせいだと片付ける。
「ドーベル、お疲れ様。……なぁ? 顔色悪くないか?」
「別に。普通でしょ」
きっとちょっと疲れてるだけで、心配されるほどの体調不良だとは思えない。
「本当に大丈夫か?」
「大丈夫だってば。心配し過ぎ」
「う~ん……? じゃあ俺の気のせいかな……まあ、いいや。はいタオル」
「ん、ありがと」
トレーナーからタオルを受け取り、汗を拭う。
……おかしい。妙に心臓が落ち着かない。流石にトレーニング後という理由で片づけられる範疇を越えている気がする。
「ついでに今日のトレーニ────えておこうか」
トレーニングを終えてそこそこ時間が経っているはずなのに、じとっとした嫌な汗が身体をつたう。
暑いから、という理由ではないのは確か。だって今は早朝でどちらかと言えば涼しいし、季節だって夏から秋に移ろい始めてる。
「次のレ────て、坂────ングを────こう」
ダメだ。トレーナーの言葉が全く頭に入ってこない。呼吸を整えようとしてるのに何故か動悸がする。大体、なんで呼吸をするのにこんなに意識を割いてるんだろう。 - 3◆y6O8WzjYAE22/09/07(水) 22:40:53
(アタシ今まっすぐ立ててるのかな)
いつもは気にもしないのにまっすぐ立っているという感覚がない。身体がゆらゆらと揺れている気がする。
「おーい──ル? 聞いて──?」
「…………」
「──ベル、や────色──って」
(……あれ)
スッー、っと。血の気が引いていく感覚。唐突に視界が暗転して、平衡感覚が保っていられなくなる。
(ちょっとまずいかも……)
不意に身体を支える足から、力が抜ける。
「おいドーベル!?」
気が付くとトレーナーの腕に抱き留められていた。
けれどトレーナーを支えにしても立っている事が出来ない。そのままずるずると地面にへたり込んでしまう。
「やっぱりどこか具合悪いのか!?」
「大丈夫っ……」
「こんな時まで強がらなくていいって!」
バクバクと、嫌に心臓の音がはっきりと聞こえる。身体から冷や汗が止まらない。
なんとか立ち上がろうとトレーナーを支えにしようとするも、実際には弱々しく服を掴んでいるだけ。 - 4◆y6O8WzjYAE22/09/07(水) 22:41:11
「はぁっ……はぁ……」
「と、取り敢えず保健室!」
今まで見たことがないくらいにトレーナーが動揺している。
そんなに心配しなくても大丈夫だってば。ちょっと身体に力が入らないだけだから。
トレーナーに心配をかけたくない。それなのに口から出てくるのは浅い呼吸ばかりで。
暗くぼやけた視界からでは、今どうなってるのかもはっきり分からない。
「ごめん! 嫌かもしれないけど抱えるぞ!」
背中と太ももに腕が差し込まれ、身体が宙に浮く。腕から落ちてしまわないように、無意識にトレーナーに縋りつく。
(結構力あるんだな……)
保健室へと向かうトレーナーの腕の中で揺られながら。
(なんだか安心する……)
ぼんやりと、そんなことを考えていた。 - 5◆y6O8WzjYAE22/09/07(水) 22:41:27
「恐らく起立性低血圧症でしょう」
「そうですか……」
ベッドに寝かされながら、保健室の先生とトレーナーの会話を聞く。
「季節の変わり目で体調も崩しやすいですし、昨晩しっかり眠れなかったそうなので寝不足が祟ったんだと思います」
先生の言葉にトレーナーが安堵の吐息を漏らす。
正直アタシも大きな病気とかじゃなくて内心ホッとした。
「取り敢えず今日一日安静にして様子を見ましょう」
(まあ、当然お休みかぁ……)
昨夜考えてたハロウスの紅茶を一緒に飲もうという約束は出来そうにもない。予定が潰されて、体調と共に気持ちも滅入る。
かと言ってこの後休まず授業を受ける元気があるかと言われたらそんな事はない。
「それでは私は一旦担任の先生に連絡してきますね」
「すみません、お願いします」
横になっているから見えないけど、保健室の扉が閉まる音で先生が部屋から出たのを認識する。
ベッドのそばに座っているトレーナーが申し訳なさそうな顔をしながら口を開く。 - 6◆y6O8WzjYAE22/09/07(水) 22:41:44
「ごめん、ドーベル。もっと早く気づいてあげれば……」
「ん……」
誤魔化したアタシが悪いんだからトレーナーが謝る必要はないのに。本当は言い返してやりたいけどそんな気力はアタシには残っていなかった。身体に付き纏う倦怠感を受け入れる他ない。
「今の具合は?」
「さっきよりは平気……」
倒れた時とは違い視界もちゃんとはっきりしている。ただ身体に襲い掛かってくる気怠さのせいか、はたまた寝不足だからか。睡魔が一気に押し寄せて来る。叶う事ならこのまま寝てしまいたい。
「眠たいなら寝ても大丈夫だよ。担任の先生にも連絡しに行ってくれたみたいだし。今はしっかり休もう」
「そうする……」
重そうな瞼を見て察したのか。トレーナーに促されるまま瞼を完全に閉じてしまう。
昨夜の寝つきの悪さが嘘のように。そのまま睡魔に身を任せて、意識を手放した。 - 7◆y6O8WzjYAE22/09/07(水) 22:42:00
「……」
「起きた?」
(傍にいるのは……トレーナー……? なんでトレーナーが寝てるアタシの傍にいるんだろう……)
微睡みの中で思考が上手く回らない。
(夢、かな……。夢か。アタシの部屋にトレーナーが入れる訳ないし)
「最近」
「ん?」
「夜寝る前に、よくアンタの事を考えるの」
「俺の?」
「今日話したこととか」
「はぁ」
「それでなんだか落ち着かなくて」
「……」
「昨夜はそれで寝付けなくて、それで……」
「……ドーベル?」
なんだかトレーナーの続きを聞きたそうな声がするけど別にいっか。どうせこれは夢なんだし。
(あれ……これ本当に夢なのかな……)
続く思考は浮かばず、代わりに意識はもう一度深く沈んでいった。 - 8◆y6O8WzjYAE22/09/07(水) 22:42:17
「…………んぅ」
「あっ、起きた?」
すっかり秋めいてきたひんやりとした風で目が覚める。
眠りに落ちる前よりも窓から差し込む日差しが強い。結構時間が経っている気がする。
「今、何時?」
「12時過ぎだよ」
「そう……」
倒れたのが朝だから多分4時間以上は寝てたと思う。よく眠れたおかげか、体調もかなり良くなった。
「具合はどう?」
「……多分平気」
今朝のような動悸はしない。まだ気怠い感じは残っているけども、今日一日休んでおけば良くなるだろうなと思う。
「どうする? 寮に帰る? まだ動けそうにないならここで寝てたほうがいいだろうけど」
「じゃあ……寮に帰る」
保健室と自分の部屋なら自分の部屋の方がリラックス出来るし、帰ってもいいのなら帰りたい。
起きない事には何も始まらないから取り敢えず上体を起こす。……うん。大丈夫。身体に力も入るし、ちゃんと歩けるはず。
身体を起こしたからか、意識もだんだん覚醒してきた。
「アンタ、ずっとここにいたの?」
「そりゃまあ。ドーベルが心配だったし」
「そっか……」 - 9◆y6O8WzjYAE22/09/07(水) 22:42:52
よく飽きもせずにそばにいられたなと思う。安静にしてれば治るんだし、わざわざずっといなくても。忙しいだろうに。
(あれ? 夢で何か喋ってた気がするんだけどあれって本当に夢だったの?)
ずっとそばにいた、って事はもしかして夢だと思ってた事もアタシが寝ぼけてただけで本当に言ってたんじゃ?
「ねぇ。アタシ、寝言で変な事言ってなかった?」
「いや? よく寝てたよ?」
「そう……」
じゃあやっぱりあれは夢か。内容はよく覚えてないけどとんでもない事を言っていたような気がする。
ベッドから足を下ろし立ち上がる。……よし、問題なし。
保健室の先生にお礼を言ってから、トレーナーに付き添われながら寮へと向かう。
「ねぇ。理由、聞かないの?」
「へ? なんの?」
「ほら……寝不足で倒れちゃったわけだし……。こういう事が続くとアンタとしてもよくないでしょ」
寮へと帰る道すがら。
正直、原因が原因だし注意されたっておかしくない。寝不足の理由くらいは聞いてくるものだと思ってたんだけど一向に聞いてくる気配がない。
「ドーベルは聞いてほしいの?」
「えっ? いや、そういう訳じゃないけど……」
「じゃあ聞かない」
思わず呆気に取られる。だってこういう時はむしろ原因を解決するべく乗り出してきそうなのに。 - 10◆y6O8WzjYAE22/09/07(水) 22:43:08
「まだ学生だしさ、色々考えちゃってよく眠れなかったとか。誰にだってあるよ」
トレーナーにもそういう時期があったんだろうか。深く詮索されないのは確かに助かるけど。
「俺に相談したい事だったら喜んで聞くよ。でも全部が全部そういう訳じゃないだろ?」
「まあ」
「頻繁にこういう事があったら困るけど。若いんだしそういう事だってあるさ」
「アンタだってまだ若いでしょ……」
そんなに歳が離れてる、って程でもないんだから。なんだかおじさんみたいな事を言いだすトレーナーに笑いが零れる。
「え!? ああ~、確かに?」
笑える程度にはアタシに元気が戻った事を安心してか。トレーナーも釣られて笑いだす。
そんなことを話しているうちに美浦寮の前に辿り着く。
「あの、ドーベル?」
「なに?」
「心細いのは分かるんだけど、そろそろ裾を離してもらえると助かるかな?」 - 11◆y6O8WzjYAE22/09/07(水) 22:43:20
無意識にトレーナーのシャツの裾を掴んでいた。よく見たらズボンから裾がはみ出しそうになっている。いつから掴んでたんだろう。いや……考えるのはよそう。
「あっ、ごめん……」
「いや、大丈夫だよ。ごめんな? 立ち入り禁止じゃなかったら側にいてあげられるんだけど」
前に部屋で看病してくれた時があったと思うんだけどあの時は確かタイキが無理やり連れてきちゃったんだっけ。ファン感謝祭の時にエアグルーヴ先輩の手伝いをしてたら無理が祟って倒れて、それで。あの時のリンゴ、美味しかったな……。
「じゃあ、お大事にな、ドーベル」
「うん」
手を振るトレーナーに見送られながら寮へと入る。途中で振り向くとまだトレーナーが立っていた。これはアタシが見えなくなるまでいるつもりだ。再び手を振って来たからこちらからも控えめに振り返す。
無事に自室へと辿り着き、ベッドに身体を預ける。
(ああ……。やっぱりまだ怠いかも……)
本当はお昼くらいは食べておくべきだったんだろうけど、それすら億劫で。布団に潜ってそのまま眠ってしまった。 - 12◆y6O8WzjYAE22/09/07(水) 22:43:44
翌日。すっかり調子も良くなっていつも通りに登校する。タイキが帰ってくる頃にはもうなんともなかったから凄く心配してくれたのが逆に申し訳なかった。
教室に入って席に座るなり、クラスの子が近づいてくる。
「ねぇドーベルちゃん! トレーナーさんにお姫様抱っこされた、って本当!?」
「お姫様抱っこ?」
身に覚えがない。いつの話だろう。
「昨日の朝見かけた子が何人かいるみたいだよ」
昨日の朝と言えば朝練の後で低血圧で倒れた。だとするとトレーナーが保健室に運んでくれた時だけど……。
考えているうちにはたと気づく。
「あ、あれは! その、具合が悪くなって座り込んじゃったから運んでもらっただけで。深い意味はないから!」
確かに、よくよく考えてみればあの体勢は紛れもなくお姫様抱っこだ。
しかもそれを誰かに見られていた、というのはかなり恥ずかしい。皆朝練を切り上げるタイミングだったろうし、見た子がいるというのは何も不思議な話ではないんだけども。
「どうだった!?」
「どう、って……」
気づけばアタシの周りには人だかりが出来ている。
「具合悪かったし、正直あんまり覚えてない……」
「ああ~……そうだよね~……ごめんね! 変なこと聞いちゃって」
曖昧なアタシの返答に興味をなくしたのか、クラスの子たちが散り散りになっていく。それぞれのグループで話が再開されるも、それでも話題はお姫様抱っこみたいだけど。
でもそっか……。お姫様抱っこされちゃってたのか、アタシ。もっと元気な時にしてもらえたら良かったのに。お姫様抱っこなんて漫画とかドラマでしか見たことないし、勿体ないことしちゃったかも。 - 13◆y6O8WzjYAE22/09/07(水) 22:44:06
(格好良かったな……あの時のトレーナー……)
血の気が引いた感覚と冷や汗、動悸でどんな感じか気にする余裕もなかったけど、アタシを抱えながら保健室に向かってくれるトレーナーが頼もしくて、格好良かった事だけは鮮明に思い出せる。
(って! 何考えてるんだろ!)
こんなこと考えるなんてまるでトレーナーの事が好きみたいな……。
(アタシ、トレーナーの事好きなのかな)
まさか。それこそ漫画やドラマの話じゃあるまいし。大人の人として尊敬してるし、そういう意味では好きだと思う。でも異性として好きと言われると違うと思う。だって好きだったら目で追ったりする、って言うし。……いや、追ってる。トレーナーの事を目で探してるなという自覚はある。
でもそれはレースに出る時にやってるルーティンの癖みたいなものだから。だから好きだから追ってるとかそういうのじゃ……。
……本当に? 本当にルーティンの癖という理由だけでトレーナーの事を目で追ってる?
(えっ!? ウソ、ホントにそうなの……!?)
一度答えに辿り着いてしまえば、ここ最近の事に全て説明がついてしまう。不意の笑顔に胸が高鳴ったり、寝る前にトレーナーの事を考えてしまうのも。それでなんだか落ち着かなくて中々寝付けないのも。
気づいてしまった途端、心臓が早鐘を打ち始める。ドキドキと高鳴る鼓動のせいで無性に落ち着かない。
(どうしよう……!?)
きっと病み上がりのせい。そんな言い訳が出来ないくらいに、この日の授業は全然集中出来なかった。 - 14◆y6O8WzjYAE22/09/07(水) 22:44:31
トレーナーからはお休みを言い渡されているけど、一応顔を見せにトレーナー室へと向かう。
そう、あくまで顔を見せに。昨日倒れちゃったんだし、体調が良くなった事を伝える為でもあるから。決してアタシが顔を見たいからとか。そんなんじゃないはず。
それとアタシがトレーナーの事が好きなのはもしかしたら勘違いかもしれないし。その確認の為でもある。
「トレーナー? 入るよ?」
扉を開けてトレーナー室に入ると、いつものように机で書類を片付けている。
「ドーベル? 今日のトレーニングはお休みって伝えたはずだけど」
「知ってる。顔を見せに来ただけ」
「そっか」
トレーナーと目が合い、微笑みで返される。それがなんだか無性に気恥ずかしくて。無意識に視線を逸らす。
(あれ……昨日までは目を合わすなんて普通に出来てた気がするのに)
昨日は出来ていたいつもどおりが、何故か出来ない。……まだ。まだアタシの勘違いかもしれない。
取り敢えずは昨日伝えそびれたことを伝えよう。
「その、昨日はごめん。心配かけて」
「いやいやいや! 君が謝る必要なんてどこにもないって! むしろ俺の方こそちゃんと謝らないと。ごめんな、具合悪かったのに気づいてあげられなくて。俺がもっとしっかりしてれば……」
深々と頭を下げられる。そんなに申し訳なさそうにされても、正直困る。アタシだって倒れるほど具合が悪くなるだなんて、朝練の後すぐには思いもしなかった。むしろよく気づいてくれた方だと思う。 - 15◆y6O8WzjYAE22/09/07(水) 22:44:47
「そんなに謝らなくてもいいから! その……嬉しかったから。保健室に運んでくれたの」
「そんなのトレーナーとして当然だろ。いやでもそれも本当は周りに助けを求めたほうが……」
「いいから! 大事にならなかったんだし! それでいいでしょ」
「君がそう言ってくれるなら……。本当に、ドーベルには敵わないな」
トレーナーもトレーナーで気づいていたのに未然に防げなかった事を相当気に病んでいたんだと思う。
深刻な事態にはならなかった事にようやく安心できたのか。くしゃっと、子供のような笑顔を浮かべる。
(──っ!)
不意の笑顔に心臓が跳ねる。自分でもはっきり分かるくらいに、頬が熱を帯びる。
紅潮した頬を不審に思ったのか、トレーナーが怪訝な顔を浮かべる。
「なあ顔赤いぞ? 本当にもう大丈夫なのか? 無理はしないでくれよ?」
机から立ち上がり、アタシの方に寄ってきたかと思えば不意に前髪をかき上げ、手のひらがアタシの額に当てられ。
「熱はないか……」
顔色を窺うように覗き込まれる。
(か、顔近いっ!) - 16◆y6O8WzjYAE22/09/07(水) 22:45:15
「う~ん、今日は当然お休みだけど明日も様子見よっか」
昨日倒れた時よりも、心臓の鼓動が激しい気がする。でも昨日のような嫌な感じはなくて。むしろ心地よくて。
「わ、分かった! じゃあアタシもう帰るから!」
「お、おう? そんなに元気なら大丈夫か。気をつけてな?」
逃げるようにトレーナー室を飛び出す。
(──~っ! ダメ! アタシ、やっぱりトレーナーの事っ……!)
初めて知ってしまったこの感情に折り合いをつける術を、アタシはまだ持っていなくて。
(明日からどうやって話せばいいの!?)
今はまだ、顔の熱を振り払うようにただ駆ける事しか出来なかった。 - 17◆y6O8WzjYAE22/09/07(水) 22:45:28
みたいな話が読みたいので誰か書いてください。
- 18二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 22:45:46
- 19二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 22:46:10
書いてんじゃねえかアホンダラ
めっちゃいい…好き… - 20二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 22:46:13
- 21二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 22:46:39
何つーかよ
今日はやたら良質なSSがそこかしこで散見するじゃん?これも例に漏れず良質じゃん?
どうした?(歓喜) - 22二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 22:47:21
完走した後にバトン渡されてもどうしろと…
- 23二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 22:59:00
完成されたものに何かを書き加えたりすることはまさに蛇足なんだ...良いSSすぎるんだ...
- 24二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 23:01:55
カレンチャン(にっこり……)
- 25二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 23:10:36
女の子が恋を自覚する瞬間に放出される物質からしか得られない栄養素がある
ベルちゃんはかわいい トレーナー白書にもそう書かれている - 26◆y6O8WzjYAE22/09/07(水) 23:25:24
好意を抱いてる前提な話は結構書きましたけど、好意を自覚する瞬間ってあんまりみないし自分も書いてないな、と思ったので書きました。
大人の人への尊敬と混同しちゃって恋心として自覚するには何かしらのきっかけが必要そうだよね、という事で。
ここまで読んでいただきありがとうございました。 - 27◆y6O8WzjYAE22/09/07(水) 23:25:49
それと私はお姫様抱っこが大好きです(隙有自語)
- 28二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 23:32:36
ブライトに早々に気付かれて「おめでとうございます~」とか言われて「な、なにが!?」ってなってほしい。
ライアンにも気づかれて「ドーベルが恋か~」とか言われて否定しようにも否定できないまま顔真っ赤にしてほしい。
アルダンが「ようやくですね」とか思いつつ口には出さず笑ってるのを見て「…気づかれてる!?」とか焦って欲しい。
パーマーに「甘酸っぱいねぇ」とか見透かしたように言われて「んもう!」ってなってほしい。
マックイーンは「甘酸っぱい?今日のお茶菓子は甘くておいしいですが、酸っぱくはありませんわよ?」ってお菓子もきゅもきゅしてる。 - 29二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 23:35:31
良いもの読ませてもらった
イッチさんありがとう - 30二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 23:37:12
ドーベルの二次創作なんていくらあってもいいですからね
- 31二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 23:39:55
解像度高くて助かる
毎回育成ストーリーのイベントとかが細かく盛り込まれてるのすごいわ……
トレーナー視点も気になるところ - 32二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 23:41:17
恋心自覚ドーベルちゃん可愛過ぎて砂糖吐いた
- 33二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 23:43:14
ブラックコーヒー飲んでたのに滅茶苦茶甘かったのは貴殿の仕業か
- 34二次元好きの匿名さん22/09/07(水) 23:48:08
この文字列はもしやと思ったが、いつもの作者さんじゃないか、、!
とても可愛いドーベル、毎度毎度助かってます…! - 35二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 00:05:43
相変わらず長いぜ…それがいいんだけども。いつもありがとう
- 36二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 10:13:25
隙あらばドーベルのSS投下してるイメージしかないなこの人
恋するベルちゃんはかわいい - 37二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 21:12:13
あなたの話が好きすぎる
- 38二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 21:26:28
ああ そうか これが 人が恋に落ちる瞬間をはじめてみてしまった まいったな
- 39二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 21:29:59
長いのにどんどん読み進めてしまった
あまあまSS助かる - 40◆y6O8WzjYAE22/09/08(木) 22:39:57
前作貼るの忘れてたけど帰ってきた時にスレ落ちてなかったらでいいか~、と思ったら落ちてなかったので前作です。
最近なにやらドーベルの様子が怪しいですわ~|あにまん掲示板 最近なにやらドーベルの様子が怪しいですわ~。時折スマートフォンを見ては乙女の顔? というものをしておりますの。 トレーナーさまとなにかあったに違いありませんわ~。「あっ! そこの洋食屋さんに入ってい…bbs.animanch.comこういうですますやお嬢様口調の子の地の文書くほど死ぬほど難しいですね……。
ドーベルの書きやすさのありがたみを知る。
- 41◆y6O8WzjYAE22/09/08(木) 22:40:33
書くほど→書くの です
- 42二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 22:41:20
読み逃してたっぽい奴だ
助かる - 43二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 22:46:44
手癖で育成ストーリーやプロフィールとかのネタを放り込んじゃうんですけど、これドーベル持ってない人置いてけぼりじゃない?と若干不安にはなりますね……。
- 44◆y6O8WzjYAE22/09/08(木) 22:49:41
- 45二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 23:05:51
>>40も読んできたけど、今回共々「みたいな話」のハードルが高すぎるんよ…。
- 46二次元好きの匿名さん22/09/08(木) 23:24:36
目を合わせるという行為が言い逃れ出来なくしとる…
- 47二次元好きの匿名さん22/09/09(金) 05:03:52
新作来てたのか!めっちゃ好き