トーセンジョーダン「いつも付き合ってもらってごめんね、チケゾーさん」【SS】

1二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 23:43:12

「いいのいいの！気にしないで！」
快活な声で返事をしてくれるチケゾーさん。
でも、ここ最近先輩はあたしにつきっきりだ。
さすがに悪いかなあと思っていると、部屋のドアがノックされた。
チケゾーさんがドアを開けると、タイシンさんが立っていた。
「……チケット、遊びに行くよ」
「あー……ごめんね、今日はジョーダンと……」
「今日も、でしょ」
タイシンさんがチケゾーさんの服の裾を子どもみたいに握りしめる。
「……チケット、ずっと遊びの誘い断ってるじゃん。前はアンタのほうから誘ってきてたのに」
チケゾーさん越しにぎろりとにらまれる。
つい目をそらしてしまう。
「でも、今はアタシがついてないと……」
「だ、大丈夫だよチケゾーさん！」
あたしが声を上げると、チケゾーさんが心配そうな顔つきで振り向いた。
「ほら、最近は無理強いされることもなくなってきたしさ！だから今日はタイシンさんと遊んできてよ！」
「ジョーダン……」
タイシンさんとあたしを交互に見るチケゾーさん。
一つ息をつく。
「……わかった。でもなにかあったらすぐ呼んでね！」
タイシンさんと出かけるチケゾーさんをあたしはぎこちない笑みで見送ることしかできなかった。

2二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 23:43:23

みんなが点々とトレーニングをしているグラウンド。
あたしは内ラチに腰掛けながらマニキュアを塗っていた。
出来栄えを確認するために手を宙に向ける。
すると。
遠くから後輩たちがやってくるのが見えた。
にたぁ、とおもちゃを見つけた子どもような笑顔で。
指先が震える。
しっかりしろジョーダン！
チケゾーさんに大丈夫って言ったじゃん！
そう言い聞かせても手の震えは止まらなかった。
どどどどど、と足音が近づいてくる。
……どどどどど？
首をかしげていると真横から衝撃が来た。
呆気にとられつつ両脚で踏ん張る。
「おお～、やるじゃねえかジョーダン」
憎たらしいやつが憎たらしい表情と憎たらしい声を引っ提げて現れた。

3二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 23:43:38

「っ……！ゴ～ル～シ～！」
けらけら笑いながらゴルシが手を差し出してくる。
「？なにしてんの？」
「爪、塗ってくれ」
「はあ？」
あたしに構わずゴルシは手を差し出してくる。
ため息をつきながらマニキュアを適当に取り出す。
こいつの勝負服と同じ赤色。
塗っている間、ゴルシはなんでか得意げな顔をしていた。
「はい、できたよ」
「よっしゃあ！併走すっか！相手はお前らな！」
「わ、私たち！？」
気がつくと、後輩たちが近くまで来ていた。
「ジャージ着てんだからいいだろ？おら、行くぞ！」
追い立てられるように後輩たちが走り出す。
しばらく待ってからゴルシが地面を蹴る。
あっという間に後輩たちを抜き去っていく。
風になびく長い葦毛。
先を見つめる真剣な目。
あたしが塗った赤いマニキュア。
そのすべてがきらきらと輝いて見えた。
「っし！一着ぅ！」
もう一周してしまったようだ。
「どうよ！見てたかジョーダン！」
あたしが返事をする前に肩を組まれる。
ぜえぜえと息を切らしながら後輩たちが追い付いてきた。
ゴルシは黙って後輩たちにピースサインを向けた。
なぜか手の甲側を向けて。
あたしが塗ったマニキュアを見せつけるように。
憎たらしいはずのあいつにぎゅっと肩を抱きしめられて、あたしはどうしようもなく安心してしまった。

4二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 23:44:26

トーセンジョーダン「チケゾーさん！しばらくあたしのボディーガードになって！」【SS】｜あにまん掲示板チケゾーさんに両手を合わせながら頼み込む。「別にいいけど……なにかあったの？」「ええっと～……その～……」理由が理由だから言い出せないでいるとチケゾーさんがにこりと微笑んだ。「言いにくいことなら言わな…bbs.animanch.com

ビワハヤヒデ「遅いな、チケットとタイシン……」【SS】｜あにまん掲示板三人で買い出しに行った後でトレーニングをする予定だったが、私だけトレーナーとの話し合いが長引いてしまった。そのためチケットとタイシンの二人きりで買い出しに向かったのだが。「……いくらなんでも遅いな」連…bbs.animanch.com