【CP・閲覧注意】ハンコック「……ルフィ?」【SS】

  • 1二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 18:49:11

    【注意】原作の未来の世界を描く都合上、妄想・捏造が多分に含まれています。ご了承の上で閲覧をお願いします。

  • 2二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 18:51:20

    “麦わらのルフィ”ことモンキー・D・ルフィが“海賊王”になって早20年。世界中を巻き込んだ巨大な戦いの末、世界政府ないし天竜人による歪な統治体制、蔓延る海賊による理不尽の横行は、根底から覆されていた。

    かつての“偉大なる航路”前半の終点付近に位置する国家、アマゾンリリーは、その影響を最も大きく受けた国の一つであった。島内では女性しか生まれず、男性は周囲3kmに立ち入ることも許されない、外洋での略奪行為によって生計を立てる、そのようなあまりに特殊な国の在り方は、当然変わらざるを得なかった。

    元“海賊女帝”ボア・ハンコックは、そんな激動の時代の中で、アマゾンリリーの長として日々膨大な業務に追われていた。かつては圧倒的な強さでもって国民を守るだけでよかったが、今や政治や外交の能力も一定以上の水準が求められるのである。元々そのような経験は皆無に等しかったため、基礎的な知識を学ぶところから始める必要があった。

    しかし、自身の頂点に立つ者としてのプライドや、妹や先々代・先々々代皇帝をはじめとした側近たちの助力もあり、幸いにもこれまで国の運営に重大な危機が迫ることはなかった。とはいえ、20年間も物理的・心理的なストレスを抱えて働き続けるハンコックの苦労は測り知れない。

    そんなに彼女にも、唯一といっていい至福の時間があった。それは──

    「はあ……。次にルフィと会えるのは2週間も先か……」

  • 3二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 19:03:37

    良いぞ‼

  • 4二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 19:33:41

    ハンコックには20年来の想い人がいた。それこそが“海賊王”モンキー・D・ルフィである。世界一と名高い美貌も、絶対的な君主としての地位も、そして、消せない忌まわしき過去も、全く意に介さずに対等に接してくれた初めての人間だった。

    ルフィは“海賊王”となった後も、世界中を冒険したいと船に乗り続ける選択をした。また、ハンコック自身も多忙を極める身であるため、おいそれと簡単に会うことはできなかった。

    そこで、ハンコックはルフィに映像電伝虫を半ば強引に押しつけ、月に一度だけ、30分間通話をする権利をもぎ取ったのである。

    会話の内容は大体いつも似たようなものだった。ルフィは1か月間の冒険を楽しげに語り、ハンコックは仕事で溜まった愚痴を漏らす。残り5分になると決まってハンコックは結婚を持ち掛け、ルフィがあっさりそれを突っぱねる。そして、残り1分を切るとハンコックはまだ終わりたくないと駄々をこね、ルフィがまた1か月後会えるからと笑顔で答えながら通話を終了する。

    これまでの20年間で、通話が30分で終わったことは、一度もなかった。

    「早く明日にならんかのう・・・。ルフィ、そなたに会いたい…」

  • 5二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 19:38:14

    期待

  • 6二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 20:52:42

    保守

  • 7二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 21:36:00

    まれにアマゾンリリー近海にルフィが近付く際は、ハンコックはどれほど忙しくても仕事の隙間を縫って会いに行った。そんな熱狂的な行動を毎回していれば、新聞のネタにされるのは当然だった。『“海賊王”と“海賊女帝”、洋上で秘密の逢瀬』、あまりに魅力的な見出しである。

    その時から、ハンコックの業務に新聞記者の対応が加わった。だが、彼女にとってはむしろ好都合であった。ルフィとの関係を聞かれれば嬉々として彼への想いを語った。流石に嘘をつくことはできなかったし、ルフィの方も結婚はしないと断言していたが、噂は尾ひれをつけながら瞬く間に広まっていった。

    “海賊王”となったルフィは、人々の、そして、世の女性の憧れの的だった。彼が行く先々では必ず、数多の女性が金、名、そして色を山車にして彼に言い寄った。しかし、やはりルフィは結婚はしないと甘言を一蹴していた。そこに追い打ちをかけるように“海賊女帝”との噂が立ったため、ルフィを狙う者は少しずつ減っていった。

    かなり歳を取ったとはいえ、自分の美貌は誰にも負けないという自信がある。ルフィを想う気持ちの大きさも長さも、一番だという自負がある。それでも、20年もこの関係を続けていると、ハンコックは、自由を愛するルフィが自分の結婚の申出を受けることはないだろうと、何となく分かっていた。

    しかし、ハンコックにとってはそれでも十分だった。月に一度だが顔を見て話すことができる、頻度こそ少ないものの実際に会うこともできる。ルフィもその関係を喜んで続けてくれている。他の者にはないルフィとの特別な絆がある、そう感じられるだけで幸せだった。

    「あと5分・・・。もうすぐそなたに会える・・・」

  • 8二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 23:22:37

    定刻になると同時に、ハンコックは映像電伝虫のスイッチを押す。いつもならルフィは少し遅れてやってくるが、珍しく向こうも同時に通話を開始していたたようで、すぐに最愛の人の姿が映し出された。

    「ルフィ~♡会いたかったのじゃ~♡」

    「……ハンコック。」

    「?どうしたのじゃ、そんなに改まって。」

    「…お前に話がある。」

    「…!!もしかして、ついにわらわと結婚を──」

    「もう、電話は今回で終わりだ。」

    「……え?」

    「会いにくるのもやめてくれ。」

    「…ど、どういうことじゃ!?わらわが何か気に障るようなことを──」

    「今までありがとう、ハンコック。」

    「ルフィ、待っ──」

    必死の懇願も虚しく、ルフィの姿はぷつりと消え去った。ハンコックの眼前にあったのは、物言わぬ無機質な壁と、突然別れを告げられた絶望だった。

    ふと気が付くと、ハンコックは仰向けで天井を見上げていた。何が起きたのか一瞬分からなかったが、すぐに直前の記憶を思い出した。胸が張り裂けるほどに痛んだ。涙が溢れて止まらなかった。頭が沸騰しそうなほど熱く、身体は凍えるほど冷たかった。

    その日の夜は、一睡もできなかった。

  • 9二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 23:29:42

    支援

  • 10二次元好きの匿名さん22/09/29(木) 23:37:40

    まさかルフィお前…

  • 11二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 01:47:56

    次の日の朝、ハンコックは全ての業務を側近達に委ね、ビブルカードを握りしめてルフィの元へと向かった。何故ルフィが突然自分に別れを告げたのか、その理由が知りたい。もし自分に非があるのなら、許してもらえなくてもよい、面と向かって謝りたい。その一心だった。

    ビブルカードの指す方向から、彼のいる場所には大体の想像がついていた。“凪の帯”を渡り、“赤い土の大陸”を超え、“偉大なる航路”後半の海を最高速度で進んだ。

    何日もの航海の末、辿り着いたのは、“偉大なる航路”の終点、水先星島だった。だが、ここは目的地ではない。ここからでないと行けない場所がある。かつて“ひとつなぎの大秘宝”のあった場所、ラフテル。そこにルフィはいる。

    船を岸につけて陸へと上がると、島の中からこちらを窺う複数の気配を感じた。こちらは気付いているぞと覇王色の覇気で威圧したが、どの気配も一切動じる様子はない。しかも、島の中を進めば進むほど、それは自分の向かう先に集まっていくようである。

    気配の主には薄々感づいていた。こんな辺鄙な島に、自分を待ち構えるように潜んでいる人間など、候補は限られている。しかも、それが複数となるとなおさらだ。開けた場所に出ると、ようやく気配の主が姿を現した。

    「……やはり、そなた達か。」

  • 12二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 02:31:42

    ハンコックの目の前にいたのは、九人の元海賊達だった。20年前、ロジャー海賊団に次いでラフテルに辿り着き、“ひとつなぎの大秘宝”を手にした、まさしく生ける伝説。

    そう、“麦わらの一味”である。海賊団としては事実上解散し、今は世界各地で各々の好きなことをして過ごしているはず。それが全員ここに集結しているとなると、どうやらよほどの理由があるようだ。

    「……ルフィに会いに来た。通してはくれぬか?」

    「悪いが、この先には近付かせないよう言われてるんでな。」

    「君の頼みなら喜んで、と言いたいところだけど、珍しい『船長命令』なんでね。」

    「どうしてもというのであれば、わしらが止めるしかないのう。」

    「……そなた達を倒していくのは、流石に骨が折れそうじゃな。」

    「ってなわけでよ、どうにかここは退いてもらうってことはできねェかな…?」

    「なにもおれ達ァここでドンパチやりたいわけじゃねェ。ウチの船長も随分と世話になったみてェだしな。」

    「…では、せめて教えてくれぬか?わらわがこの先に行けぬ、その理由を。」



    「…………」

  • 13二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 02:34:33

    どうしたんや!

  • 14二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 02:37:35

    うーわ、もう寝なきゃなのにすげえ気になる

  • 15二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 03:04:37

    ハンコックが問いを投げかけた途端、“麦わらの一味”は皆揃って口をつぐんで下を向いた。やはり、のっぴきならない事情があることは明白だった。

    だが、しばらくの沈黙の後、返ってきた答えは、一縷の望みをも容易くへし折るものだった。

    「……『会いたくない』、だそうですよ。」

    「……!」

    「!ちょっと、大丈夫!?」

    「……本当に、本当にあのルフィが、わらわと『会いたくない』と、そう言うたのか…?」

    「…残念だけれど、本当のことよ。あなたがどれだけルフィのことを想っているかはよく知っているわ。でも、これが彼の答えなの。」

    「………」

    「だから悪いけど、大人しく引き返して──って、おい、大丈夫か!?・・・みんな、早くサニー号の医務室に運んでくれ!」

  • 16二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 11:20:39

    保守

  • 17二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 14:38:12

    皆が言いにくいことを引き受けるブルックいいなあ...

  • 18二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 14:58:36

    蛇姫様………

  • 19二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 21:07:43

    ふと気が付くと、ハンコックは仰向けで天井を見つめていた。つい先日も似たようなことがあったが、今回は柔らかいベッドの上に寝かしつけられており、枕元には“麦わらの一味”の船医が佇んでいた。

    「……良かった、目が覚めたみたいだな。」

    「…ん、ここは・・・」

    「突然倒れたからほんとにビックリしたぞ。幸い頭を打ったりはしてないみたいだから、しばらく安静にしてれば大丈夫だ。」

    「…そうじゃ!わらわはルフィに・・・!」

    「ダメだ!しばらく安静にって言っただろ!これは医者から患者への指示なんだ!」

    ベッドから起き上がってルフィの元へと向かおうとしたが、肩を掴んで押さえつけられた。普段ならばこの程度の力は簡単に振りほどけるが、心身共に疲弊した今のハンコックにそのような気力はなかった。

    「うぅ・・・、ルフィ、何故じゃ……」

    「……とにかく、容態が安定するまではおれが看るから。…快復したら女ヶ島に帰ってくれ。」

    「……」

    ・・・何が『特別な絆』だ。月に一度の通話を始めたのも、近くに寄った時に会いに行くのも、隙あらば結婚を迫るのも、全部自分の押し付けではないか。ルフィは優しいから付き合ってくれていただけではないのか。昔助けられた恩があるからと無理をしていたのではないのか。

    ルフィは何よりも自由を愛している。自分はそのことを理解し、尊重しているつもりだった。だが、そもそも自分の存在自体がルフィの枷になっていたのではないか。自惚れと願望でルフィを縛っていたのを、身勝手に絆と信じていただけではないのか。

    今までのルフィとの思い出が、音を立てて崩れ落ちていくようだった。

    「うっ・・・ひぐっ……、ルフィ……」

  • 20二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 23:27:41

    眼が真っ赤に腫れ、涙が枯れるまで泣いたハンコックは、少しだけ冷静になっていた。ルフィに別れを告げられてからここまで、何も考える暇もなく突っ走ってきたが、改めて彼が自分に『会いたくない』理由を考えることにした。

    不可解な点は一つあった。会いたくないのだとすれば、世界中を逃げ回れば良い。ハンコックは一国の長である以上、ずっとルフィを追いかけ続けることはできない。ましてや、ハンコックはビブルカードを持っているのだから、一か所に留まるのは悪手でしかない。

    なにより、自由と冒険が大好きなルフィが、ハンコックに会わないためだけに、第二の人生を謳歌している仲間を呼び戻し、それでいて島の中でじっと大人しくしているなんてことは、まず有り得ない。つまり、そうせざるを得ない事情があるはずだ。

    一つ進展があったところで、気分転換もかねて周りを見回すと、医務室が泥棒でも入ったかのように荒れていることに気付いた。机の上には使用中のビーカーやフラスコなどが所狭しと並び、本棚は至る所が歯抜けになっており、その中身は床を埋め尽くさんばかりに散乱していた。

    整理整頓や清潔保持が重要な医務室が、普段からこんな有様なはずはない。それに、ショックで気を失っただけの人間の看病にしては、あまりにも大袈裟だ。まるで、難病の患者の治療法を必死に模索しているかのような──

    「………まさか。」

  • 21二次元好きの匿名さん22/09/30(金) 23:38:00

    あー…これはルフィお前…

  • 22二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 00:04:31

    お辛い...

  • 23二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 09:52:25

    お労しや…

  • 24二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 12:29:56

    ハンコックが一つの可能性に辿り着いた、丁度そのタイミングで、席を外していた船医が戻ってきた。ゆっくりと扉を開けて恐る恐る様子を窺うように入ってきたが、ハンコックが大人しくベッドに寝ているのを見て安心したようだ。

    「……どうだ、体調は良くなってきたか?」

    「…まずまずじゃ。」

    「そっか。それじゃあ、もう少ししたら──」

    「…ルフィは、どこか具合が悪いのか…?」

    「……!!」

    船医はハンコックの言葉に驚いたが、すぐにその表情をこちらから隠すように俯いた。しかし、身体が小刻みに震えているのが分かった。やはりルフィに何かあったのかと追求しようとしたが、呼び止める間もなく船医は医務室から飛び出していった。

    そのただならぬ様子に、ますます嫌な予感が高まってくる。心臓の音が自分でも聞こえるほどに大きくなっていく。呼吸がどんどん浅くなり、頭が回らなくなってくる。

    そんな永遠とも思えるような、時間にして十数分の後、再び医務室の扉が開いた。そこにいたのは、船医を含めた“麦わらの一味”全員であった。

    「…そなた達、一体何の用じゃ・・・」

    「…薄々勘付いてるとは思うけど。」

    「……」

    「全員で話し合って、伝えようって決めた。」

    「……」

    「────ルフィが、倒れた。」

  • 25二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 13:46:08

    おお、もう・・・

  • 26二次元好きの匿名さん22/10/01(土) 20:58:37

    でもいつもめちゃくちゃムリな戦い方してたからなぁ…

  • 27二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 00:47:51

    このレスは削除されています

  • 28二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 01:13:00

    聞きたくなかった。外れていてほしかった。信じたくなかった。嘘だと言ってほしかった。
    また目の前が真っ暗になりそうだったが、歯を食いしばって踏みとどまった。何もそう慌てる必要はないはずだ。ルフィが病に倒れたというのが事実だとしても、解決できる者が目の前にいるではないか。

    「…チョッパー、そなたがおるじゃろう!?そなたであればルフィを・・・!」

    「……」

    「チョッパー・・・?」

    「…ルフィはさ。これまでめちゃくちゃ無理してきたんだ。ギア2ndを習得したばかりの頃は、心臓や血管にとてつもない負担をかけてた。頂上戦争では、エースを助けるためにボロボロの身体をイワンコフの能力で叩き起こした。ワノ国では、カイドウに止められた心臓の鼓動をゴムゴムの実の覚醒で無理やり鳴らした。その後も──」

    「ルフィはその度に立ち上がってきたじゃろう!?そなたはどんな傷も病も治してきたじゃろう!?それがどうして…」

    「……寿命だ。」

    「…寿命?」

    「人間は、絶対に寿命には抗えない。今言ったのは、全部その寿命を削る行為だったんだ。あいつは“海賊王”になるために、人生を何倍も圧縮して駆け抜けてきた。……だから、ルフィは……ッ」

    「……ルフィは・・・?」

    「…どうあがいても、あと数か月しか生きられない……!」

    「…そんな、嘘じゃ…。きっと、何かの間違いじゃ……」

    「ごめんな……!」

    「おれ、やっと、“万能薬”になれたのに…!一番助けたい奴の前で、何もできねェ・・・!」

    「…チョッパー……」

  • 29二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 01:17:54

    >>27

    >>28

    コピペミス&画像添付忘れがあったので再投稿しました

  • 30二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 02:52:06

    ちょっと辛すぎませんか・・・?

  • 31二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 03:11:01

    支援

  • 32二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 11:26:04

    ここからきっと巻き返しが来るはずだ...来るよね?

  • 33二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 11:36:25

    会わせてもええやん

  • 34二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 18:55:01

    ゾオンはタフだから2年前の寿命の話全部ノーカンになるとおもってんけど…
    実際2年後で寿命の話全然しなくなったし

  • 35二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 01:02:36

    保守

  • 36二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 01:16:38

    保守

  • 37二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 01:33:35

    >>34

    チャラになったとも言われてないからなぁ……

    毎度大技使うたびに寿命のくだりをやるのもね、となってるだけかもしれないし

    使い始めは体に無理をさせて寿命を削ってたけど今は強くなったから代償なしに使えますよ〜っていうのが積み重なってるかもしれん


    要するに現状はそれぞれの解釈次第

  • 38二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 12:00:03

    果たしてどうなってしまうのやら…

  • 39二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 12:03:11

    >>37

    ペルには悪いがペル程度の練度で通常種ゾオンの能力者があの規模の爆発で生存するほどタフなんだったら、自分の能力の応用での自爆ダメージくらいノーカンになってもいいと、思うんすがね…


    イワンコフ治療の時のやつはまだ残ってるかもしれないと、思うんすがね…

  • 40二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 13:18:47

    泣き崩れる船医を目の前にして、ハンコックは呆然と立ち尽くすしかなかった。

    つられて涙を流す者、唇を噛み締めて堪える者、俯いて拳を握り締める者、肩を落とし顔を覆う者、静かに遠くを見つめる者。皆の反応は様々だったが、一様に自分の無力に打ちひしがれていた。

    しばらくの沈黙の後、一人が再び口を開いた。

    「……とにかく、そういうことだ。分かったら大人しく帰ってくれ。」

    「……何故じゃ!ルフィが病に臥しているとしても、わらわがここを通れぬ理由にはならぬはずじゃ!」

    「…さァな。おれ達はただ、君と『会いたくない』から、としか言われてねェんだ。」

    「……そうか。」

    「…分かってくれたか!会わせてやりたいのは山々なんだけどよ、こればっかりは──」

    「……わらわが、ルフィを救う方法を探し出してみせる。」

    「!?ちょっと、さっきの話聞いてたの!?」

    「…わらわは海賊じゃ。欲しいものがあれば、何としてでも手に入れる。そなた達にとっても悪い話ではないはずじゃ。」

    「おれ達も色々と考えたが、・・・・・・っておい!どこへ行くつもりだ!」

    「1分1秒が惜しい。何か見つかればすぐに連絡する。」

    ハンコックは踵を返すと急いで船へと戻った。前回の通話までは何ともなかったことを考えれば、この1か月の間に問題が発覚したと考えるのが自然だ。そんな短期間であれば、まだ見逃しているものがあってもおかしくはない。まだ猶予は残されているのだ。

    「ルフィ、わらわが必ずそなたを・・・・・・」

  • 41二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 13:21:11

    ハンコックかっこいい…

  • 42二次元好きの匿名さん22/10/03(月) 20:54:38

    これルフィにメロメロ効くなら先延ばしは出来そうなんだけどなぁ…

  • 43二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 07:53:17

    石化保存ができればなぁ
    20年政治外交頑張った甲斐が出るのでは?

  • 44二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 08:16:07

    かつて“白い町”と呼ばれた国、フレバンス王国。約40年前、珀鉛病と世界政府によって悲劇的な末路を迎えたが、技術の発達、採掘量の制限などによって問題はほぼ解決し、現在では観光地としても人気の高い活気ある街となっている。

    ハンコックがこの地に降り立ったのは、もちろん観光のためではない。街の一角にあるとある小さな診療所に、ルフィを治せる可能性のある者がいるのだ。『本日休業』の看板を横目にドアを開くと、脚を組みながらカルテをひとり静かに読む男がいた。

    「……女帝屋か。わざわざ何の用だ、…と言いたいところだが、大方予想はつく。…麦わら屋のことだろう?」

    「!!何故それを・・・」

    「おれもトニー屋から既に話は聞いている。…できることならどうにかしてやりたいが、医者でも人間の寿命には勝てねェよ。」

    「それは分かっておる!だがトラファルガー、そなたの能力なら、と…!」

    「…たしかに、オペオペの実の究極の技、不老手術を使えば、命は助かるだろう。」

    「な、ならば・・・!」

    「だが、不老手術をした術者、つまり俺は死ぬ。」

    「!?」

    「それに、あくまで『不老』手術だ。病状まで回復するわけじゃない。手術が成功しても、患者は苦しみを抱えたままただ生き永らえるだけだ。」

    「……」

    「……麦わら屋に会えたら伝えてくれ。『色々と世話になった』、とな。」

    「…礼ならそなた自身で申せ。『たまにはフレバンスにも顔を出せ』、それだけなら伝えてやろう。」

    「…そうだな。」

  • 45二次元好きの匿名さん22/10/04(火) 18:41:48

    トラ男〜〜!(泣)

  • 46二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 03:41:15

    死の外科医じゃなくて市の外科医になったかトラ男…。そうだよな20年以上経ってるんだもんな。

  • 47二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 14:04:00

    支援

  • 48二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 23:38:57

    未来島、エッグヘッド。そこではかつて500年先のものと言われていた発明が次々と現実に産み落とされている。その背景には、著しい科学の発展はもちろん、世界秩序の破壊と再構築による人々の交流の活性化や自由な活動の保障があった。

    ハンコックが会いに来たのは、この地を拠点として日夜研究に没頭する、世界最大の頭脳を持つ天才科学者である。ルフィを救う方法は何も医学だけではない。個人的には過去のとある一件もあって苦手な相手だったが、選り好みする気は毛頭なかった。

    「……懐かしい顔だな、ハンコック。」

    「ベガパンク、そなたに頼みがあって来た。」

    「お前が遠路はるばる、しかもそんなに血相を変えてやって来るとは、相当なことだな。・・・面白そうだ、是非聞かせてくれ。」

    「実は────」


    「……なるほど。」

    「…どうじゃ?」

    「…結論から言うと、わしにはどうすることもできん。」

    「!!・・・世界最大の頭脳であろう!何故そう簡単に言い切れるのじゃ!」

    「…モンキー・D・ルフィのクローンを作ることは可能だ。お前の血統因子を利用して、セラフィムを作ったときのようにな。今なら記憶もそのまま引き継ぐこともできる。」

    「それは……」

    「…人間として生まれた以上、寿命は逃れることのできない枷なんだ。わしのようにクローンや機械への人格と記憶の移転に躊躇がないなら話は別だが、お前達はそうではないのだろう?」

    「……時間を取らせた。」

    「…力になれずすまないな。健闘を祈るよ。」

  • 49二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 06:36:50

    保守
    ハンコックが報われてほしい

  • 50二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 06:42:20

    若さの秘訣じゃだめなんですか…救いどこ…

  • 51二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 15:36:10

    助けて…

  • 52二次元好きの匿名さん22/10/06(木) 22:39:40

    他にどうにかできそうなやついるかなあ...

  • 53二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 10:37:10

    新世界に位置する小さな島、スフィンクス。世界最強の海賊と呼ばれた“白ひげ”エドワード・ニューゲートの故郷であり、彼が後に作った村はこの激動の時代の中でも変わらぬのどかな生活を送っている。

    この村には、白ひげ海賊団の船医を長年務め、彼の亡き後もリーダーとして仲間を引っ張ってきた男がいた。見慣れない来客に興味津々の村人や動物達に視線を注がれながら、ハンコックは彼が住む小さな家の戸を叩いた。

    「……珍しい客だな、ボア・ハンコック。」

    「…わらわがここに来た理由は、分かっておるな?」

    「ああ、俺も相談を受けた。…だが、それなら、おれの答えももう分かってるんじゃねェか?」

    「……マルコ、そなたの経験を頼っておるのじゃ。何か少しでも、望みはないのか?」

    「そうだな……。寿命ってのはおれ達には制御できねェもんだ。時を止めでもしない限り絶対に避けることはできないんだよい。」

    「時を、止める・・・・・・」

    「…皮肉なもんだな。仲間を失ってばかりの不死鳥と、愛する人を射止められない世界一の美女。……でもよ、それでもいいんじゃねェか?」

    「…どういうことじゃ?」

    「次の時代にバトンを渡して退場するのがおれ達旧世代の役割だと、昔は思ってた。だが、こうして生き残っちまった以上、次の時代を育て、見届けるのもおれ達の在り方なんじゃねェかって思えるようになったんだ。」

    「わらわの役割・・・・・・」

    「かつて船医だったおれには、麦わらを失いたくないお前の気持ちはよく分かる。だが、アイツが作った“新時代”を守っていくことが、きっと残されたおれ達がすべきことなんじゃねェか?」

    「・・・・・・」

  • 54二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 13:31:36

    保 守

  • 55二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 16:25:10

    マルコはもう65くらいか、そりゃ仲間もどんどんいなくなってるよな

  • 56二次元好きの匿名さん22/10/07(金) 17:56:15

    メロメロの石化はある意味時を止める力だけも、ルフィの時だけは止められないの皮肉で好き

  • 57二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 01:47:26

    ルフィもハンコックも39歳と51歳だからな。本当にこうしてみるとハンコックも見届ける側になってしまってるんだなぁ…。
    ところでワンピ世界って高齢出産とか大丈夫なんだろうか?ビッグマムの出産歴見ると還暦ぐらいまでは産めるっぽいけどビッグマムだからノイズになりすぎてる…。

  • 58二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 02:34:29

    >>57

    20ヶ月妊娠したルージュとかしらほしを産んだオトヒメとかもいるし、あの世界の出産事情はかなり謎だわいな

  • 59二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 03:20:03

    ルフィを石化しても、ハンコックが先に死んだら誰も解除できないと言う……

  • 60二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 07:49:27

    保守

  • 61二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 17:50:24

    どうなるんやろなぁ…

  • 62二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 17:51:42

    ノロノロ光子…ノロノロ光子に頼るのだ!

  • 63二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 18:27:49

    その後もハンコックはさまざまな地を巡った。医療大国と名高いサクラ王国の医者集団、自然治癒力を活性化する力を持つトンタッタ族の女王、年齢を自在に操る最悪の世代の紅一点。ルフィを救うことができそうな者は手当たり次第に訪ねた。

    だが、いずれも帰ってくる答えは同じだった。人間の寿命を延ばすことはできない、この世の理に逆らうことはできない。何の成果も得られないまま1か月の時が過ぎた。ルフィの寿命が数か月というのが真実なら、もしかするとひと月程しか猶予は残されていないかもしれない。

    とはいえ、業務を側近達に全て任せきりにはできないし、ルフィのことを世間に知られるわけにもいかない。移動中は電伝虫を使って遠隔で執務をこなしたり、目的地までの道中で寄り道して外交に向かったりと、まともに息つく暇もなかった。

    ルフィが自分と『会いたくない』理由は未だに分からない。だが、実際ルフィは門番をつけてまで距離を置こうとしているのだ。結婚は断られ、仲間にもなれず、終の間際にも立ち会えない。ルフィにとっての何者にもなれないという現実は、ハンコックの前に厳然として立ちはだかっていた。

    心身ともに限界に達していたハンコックが取るべき選択肢は、一つしかなかった。

    (───もう一度、ルフィに会いに行く。)

  • 64二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 22:32:37

    保守

  • 65二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 10:05:47

    保守

  • 66二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 10:19:04

    「……やはりまた来たか。何度来てもわしらの答えは変わらんぞ。」

    「それとも、私達を倒していくつもりかしら?」

    「伝説の海賊団の一味相手にそれは難しかろう。それに、ルフィの仲間と戦うのは気が進まぬ。……きっと、ルフィもそれを分かっていてそなた達に任せたのじゃろうな。」

    「…それでは、どうなさるおつもりですか?」

    「…海賊なら欲しいものは何としてでも手に入れるなどと大層なことを抜かしたが、ルフィを救う方法も、船長命令を受けているそなた達を説得する方法も未だに見つかっておらぬ。……今のわらわにできることは、正直思いつかぬ。」

    「じゃあ、一体何を───」

    「………頼む。………この通りじゃ。」

    「「「「「「「「「!!??」」」」」」」」」

    それはハンコックにとって、忌まわしき過去を、支配と服従の日々を、耐え難い屈辱を象徴する行為だった。だが、それでルフィと会えるというのであれば、そのようなものは些末事にすぎなかった。

    ・・・・・・しかし、こんなことで通してくれるほど、“麦わらの一味”が甘くないことも内心分かっていた。彼らは船長であるルフィに全幅の信頼を置き、そして忠誠を誓っているのだ。それでも、ハンコックには何もせず引き下がるわけには、こんなところで諦めるわけにはいかなかった。

    「…今生の願いじゃ。どうか、どうかルフィに・・・・・・」

    ハンコックがひたすら懇願の姿勢を続けていると、奥の方から新たな気配がやってくるのを感じた。地に伏せているハンコックからはその姿は見えなかったが、その瞬間、断固として沈黙を貫いていた“麦わらの一味”が、無言ながらも一斉にざわつくのを感じた。





    「……わりい、みんな。『船長命令』、・・・撤回だ。」

  • 67二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 20:26:39

    ルフィ出てきてくれた!

  • 68二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 20:32:08

    ハンコックが1番やりたくない事をやらせてしまった時点である意味ルフィの負けなのかもしれねぇ…

  • 69二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 00:35:04

    流れ変わった...のか?

  • 70二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 06:31:06

    ルフィ……

  • 71二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 14:44:31

    ハンコックが誠心誠意ぶつかってきたんだから答えないとな…

  • 72二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 19:21:04

    気配の主はハンコックの前で立ち止まると、跪いている彼女と腰を落として視線を合わせた。それは、ハンコックが会いたいと心から願った男、モンキー・D・ルフィその人であった。

    「簡単に諦めないとは思ってたけど、これはもう餓死してでも帰ってくれなさそうだな。」

    「……ルフィ!・・・会いにきてくれたのか…?」

    「みんな、わざわざ集まってもらったのにごめん。あとはおれ自身で話をつける。」

    その後ルフィは“麦わらの一味”と少し言葉を交わし、ハンコックについてくるように促した。物言わずひたすら進むルフィの背中を後ろから追いかけていくと、彼が療養に使っているであろう場所に辿り着いた。

    「……ふう。あ、ハンコックもそこら辺に適当に座ってくれ。」

    「…あ、ああ。」

    『話をつける』という言葉の意味は分かっていた。ルフィはハンコックがここまで来た理由を、ルフィがハンコックに『会いたくない』理由を、話そうとしているのだ。なんとなく想像はついているが、いや、想像がついているからこそ、その答えを聞くのは怖くて仕方がなかった。

    しかし、船長命令を撤回してまで自分と直接会ってくれたルフィに、真っ直ぐ向き合わなければならない。しばらくの静寂の後、ハンコックは震える声で話を切り出した。

    「……ルフィ。…何故わらわと、『会いたくない』と・・・・・・?」

    「ん~・・・、そうだなァ。…まあ、簡単に言うと、お前のことが・・・・・・嫌い、・・・だからだ。」

    「…………」






    「……ふふ、そなたは本当に、嘘が下手くそじゃ。」

  • 73二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 23:26:14

    こんな顔してたんだろうな・・・そりゃバレるわ

  • 74二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 06:39:28

    まあルフィだからな、嘘はつけねぇよな……

  • 75二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 16:42:19

    ルフィは嫌いな時とかは本当にスッパリいったりするし第一ハンコックは嫌な時の態度初対面の時に一回見てるからルフィが本当に嫌いなわけじゃないってわかるんだろうな。すげぇ苦虫噛み潰した顔でルフィ言ってそうだし。

  • 76二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 22:00:46

    ええのう

  • 77二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 01:10:13

    随分と歯切れの悪い返答に、ハンコックは心から安堵した。自分が感じていたルフィとの『特別な絆』は、自惚れでもまやかしでもなかったのだ。涙を浮かべながら微笑むハンコックを前に、ルフィはばつの悪そうな表情で頭をかいた。

    「…だから会いたくなかったのによ。やっぱりすぐバレちまった。」

    「だが、なぜこのようなことを・・・」

    「突然こっぴどく追い払えば、おれのこと嫌いになるだろ。そしたら、おれのことなんかきっぱり忘れて──」

    「馬鹿者!!」

    「!?」

    「忘れられるわけがないじゃろう!ルフィ、どれだけわらわがそなたのことを・・・・・・」

    「…だけどよ、おれはもうすぐ死んじまうだろ?ハンコックが悲しまないようにするには、こうするしかなかったんだ。」

    「……そのようなこと、聞きとうない・・・」

    ルフィとの絆を確認したのも束の間、ハンコックは再びどうしようもない難題に直面せざるを得なかった。改めてルフィを見ると、精悍な顔つきが、逞しい肉体が、少しやつれていることに気づく。あのルフィでさえ打ち克てないものがあることを、まざまざと見せつけられる。

    ルフィがいない世界など考えたくない。これからも世界中の冒険の話を聞かせてほしい。太陽のような笑顔で照らしてほしい。海のような広い心で包みこんでほしい。永遠に今が続いてほしい。


    このまま、時が止まってほしい。





    「────メロメロ甘風。」

  • 78二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 01:30:17

    その想いは、ハンコックの身体を自然に動かしていた。だが、ルフィを石にしたところで、気休めにもならないことは分かっていた。一時的にタイムリミットを延ばすことはできるが、ただそれだけだ。なにより、ルフィ自身がそのようなことを望まないだろう。

    「……すまぬ、野暮なことをした。どうか愚かなわらわを許してほしい。」
















    「………ルフィ?」

  • 79二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 10:38:16

    >>78

    お?石になったか?

    メロメロだったか?!

  • 80二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 19:35:15

    ルフィは…恋愛感情あったから会いたくなかったんだろ!?

  • 81二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 19:39:47

    流れ変わったか…?

  • 82二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 19:56:48

    ハンコックは事態を理解するのに数秒かかった。それほどまでに、目の前の光景は信じられないものだった。しかし、そこにあるのは確かに、自身の能力によって石となったルフィだった。

    いつから“こう”だったのか、何がきっかけだったのか、全てはルフィ本人にしか分からない。だが、きっとルフィは、自由と冒険のために、そしてなにより、年齢差を考えるとおそらく遺されるハンコックのために、そのことを隠していたのだろう。

    様々な感情でぐしゃぐしゃになったハンコックは、物言わぬ最愛の人の前で膝をつき声を上げて泣いた。しばらくして涙と呼吸が落ち着くと、ハンコックはルフィの頬にそっと口づけをして、その唇を離しながら息を吹きかけた。

    「……ハンコック、今おれ・・・」

    「…やはり、効かなかったか。…悔しいが、わらわにはそなたを魅了することはできぬようじゃ。」

    「………そっか。」

    「……」

    「……のう、ルフィ。」

    「なんだ?」

    「ひとつだけ、わがままを聞いてはくれぬか?」

    「…うん。」

    「……そなたの最後の冒険に、わらわも連れて行ってほしい。」

    「…ああ、もちろんいいぞ!!バレちまったからもう引き籠ってる必要もねェしな。そろそろ退屈で死にそうだったところだ!」

    「ルフィ……!!」

    「よ~し!じゃああいつらも呼んで今すぐ出航だ!!!」

  • 83二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 23:51:50

    こんなタイミングでルフィからの想いに気がついちゃうんだ…
    嬉しいことの筈なのに素直に喜べないの辛いな

  • 84二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 06:38:18

    うわああああ、切ない……

  • 85二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 09:28:46

    元奴隷の海賊女帝と解放の戦士の海賊王ってお似合いすぎる肩書だな

  • 86二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 09:36:17

    ルフィもずっと慕って貰えて嬉しかったんだろうけど一回断ってる事がずっと引きずってるのとハンコックが国の為政者になったからそんなこと出来ないから結婚出来なかったのかな…。
    ごめん…ちょっと泣くわ。なんでこうお互いを思いやりすぎて辛い方向にいくの…?

  • 87二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 13:16:07

    ハンコックが電伝虫で側近に事情を話すと、慰労休暇という体裁で快く送り出してくれた。彼女達に深く礼を述べて、ハンコックはルフィ達の船、サウザンド・サニー号に乗り込んだ。

    ルフィたっての希望で、風呂と寝室はルフィとハンコックが二人きりになるように手配された。もう世界貴族も奴隷も過去の制度となっていたが、気遣いをしてくれるルフィに、深く追求せず了承してくれた“麦わらの一味”に、心から感謝した。

    サニー号は、ルフィ達がこれまでに関わった国や島をはじめとして、未開の島や辺境の土地にも繰り出した。人生の殆どの時間を女ヶ島の中で過ごしたハンコックにとって、ルフィとの冒険は初めての経験だらけだった。“海賊女帝”として君臨し続けてきたハンコックに何の気兼ねもなく接してくれる“麦わらの一味”、これも初めての経験だった。

    そして、寝ても覚めても、愛するルフィが隣にいる。これほど幸せなことはなかった。





    ───しかし、その時は突然に訪れた。

    ある日の夜、寝室代わりにしていた医務室で、明日の冒険の準備をしているときだった。つい先ほどまで寿命のことを忘れるほど元気だったルフィが、膝をついたと思うとそのままゆっくりと床に倒れこんだ。



    「……!!ルフィ!!!」

  • 88二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 13:40:20

    あぁ・・・
    誰か・・誰か助けて下さい・・・!!

  • 89二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 20:42:51

    す、救いは!?救いはないんですか!?この状態からでもハッピーエンドになれる保険はないんですか!?

  • 90二次元好きの匿名さん22/10/14(金) 00:28:16

    すくいは、。すくいは。。

  • 91二次元好きの匿名さん22/10/14(金) 06:24:33

    ついにこの時が...

  • 92二次元好きの匿名さん22/10/14(金) 18:18:02

    保守・・・・・・

  • 93二次元好きの匿名さん22/10/15(土) 01:29:04

    続きが気になりすぎる

  • 94二次元好きの匿名さん22/10/15(土) 11:00:48

    「待っておれ、今すぐ皆を・・・」

    「…いや、大丈夫だ。」

    「し、しかし……!」

    「“ここ”で、いい。」

    「………そうか。」

    「心配してくれてありがとな。」

    「…よいのじゃ。随分と忙しない旅路だったものな。たまには休息も必要じゃ。」

    「ししし、そういうことだ。」

    「…ならば、わらわの膝を貸してやろう。」

    「ありがとう。……ああ、あったけェな…」

    「ふふ、そなただけの枕じゃ。」

    「……うん。」

  • 95二次元好きの匿名さん22/10/15(土) 11:50:28

    「……なあ、ハンコック。」

    「なんじゃ?」

    「お前との結婚、ずっと断ってきただろ。」

    「………」

    「ほんとは、おれも──」

    「わらわは、」

    「…?」

    「そなたと出会えて、そなたに救われて、そして、そなたを愛せて。……本当に果報者じゃ。」

    「…そっか。……そうだよな。」

    「…?何がおかしいのじゃ?」

    「そんなこと言ってくれるのは、ハンコックだけだからな。……嬉しいんだ。」

    「ルフィ……」

  • 96二次元好きの匿名さん22/10/15(土) 23:25:43

    「──ちょっと、喋り疲れてきたなァ…」

    「いつの間にか夜もかなり更けておるようじゃ。そなたの冒険の話を聞いておると時間を忘れてしまうのう。」

    「…そろそろ、ひと休みした方がいいかもな。」

    「…………っ!」

    「わっぷ、・・・苦しいぞ、ハンコック。」

    「……こうしておる方が、暖かいじゃろう?」

    「…たしかにそうだ。じゃあおれも・・・」

    「…ふふ、なんだか照れくさいのう。」

    「……ハンコックとこうしてると、あったけェし、すげえ安心する・・・・・・」

    「わらわもじゃ、ルフィ…」

    「……やっぱり、“ここ”で、よかった………」

    「……ああ、わらわ、本当に幸せじゃ。ルフィ、ありがとう。」

    「…………」

    「ルフィ……?」

    「…………………」

  • 97二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 01:09:29

    「……さよならは、言わぬぞ。また会いたいからの。」
















    「おやすみ、ルフィ。」

  • 98二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 01:13:22

    う、うわあああああ…(泣)
    ひどいよ…あんまりだよ…

  • 99二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 01:30:55

    うわあああああああん

  • 100二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 01:34:00

    ハンコック「という夢を見たのじゃ」みたいなオチだろ…?頼む

  • 101二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 01:34:55

    😢😢😢
    切なすぎる、、

  • 102二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 02:02:28

    モンキー・D・ルフィ。若干19歳にして“海賊王”となり、混沌の大海賊時代と世界政府の統治を終結させた男である。

    彼はわずか39歳という若さでこの世を去ったが、その波乱万丈で奇想天外な人生と、現在の世界の基礎を作った功績から、研究対象としても、偉人としても、数世紀が経った今なお非常に人気が高い。

    “ひとつなぎの大秘宝”のあった島、ラフテルにある彼の墓は、僻地にもかかわらず観光客で日夜賑わっている。

    しかし、その墓について、研究者を長年悩ませる問題があった。それは、彼の堂々たる墓の隣にぽつんと佇む、小さな墓である。名前も生没年も記載されていない質素なこの墓の持ち主は、一体誰なのか。

    彼の仲間であった“麦わらの一味”は、全員どこに眠っているかが判明しているため、候補から外れる。彼の家系には不明な点も多いが、親族の墓にしてはあまりに粗末なためこれも可能性は低い。

    唯一の手掛かりは、墓の裏に刻まれた


    『願わくば、またそなたと共に』


    という一文である。

    そのため、彼は生涯独身を貫いたという記録が残されているものの、この墓の主こそ彼が密かに愛した者だったのではないかというのが通説となっている。

    最も有力視されているのは、“海賊女帝”ボア・ハンコックである。彼と生きた時代が重なっており、“海賊王”の対とも言える二つ名を冠し、そして、何故かアマゾンリリー歴代皇帝で唯一霊廟に祀られていないことが、この説の主要な根拠だ。しかし、二人の関係を記した文献が一切見つかっていないため、未だに決定的な説とはなっていない。



    隣りあう二人の墓は今日も、世界の果てから大海原を見渡している。



    おわり

  • 103二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 02:12:19

    スレ主お疲れ様でした。
    オチ含めてすごく綺麗なSSだった。
    ルフィがハンコックの前で倒れた辺りから涙が止まらなかった。
    他にも色々言いたいけどこんな素敵な作品出してくれて本当にありがとう。

  • 104二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 02:14:18

    めちゃくちゃ遅筆にもかかわらず、最後まで読んでくれた方、いいね・保守・感想くれた方、他スレで紹介してくれた方、皆様本当にありがとうございました!

    ストレートなハッピーエンドを期待してた方には大変申し訳ないです。

    スレタイとラストのためだけに書いたのでガバガバだったかもしれないけど、『聞こえねェな…』してくれると助かります。

  • 105二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 02:21:22
  • 106二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 02:24:15

    >>105

    安いもんだ…俺の立てたルおかスレがこんな神作に昇華されるんなら…。

    とりあえずこのスレは永遠に語り継がせてくれ。

    深夜だからかさっきから涙止まらねぇんだ…。というか自分の建てたスレでも半分泣きそうになってたからこんなの出されたら耐えられねぇんだ。

  • 107二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 02:29:04

    >>106


    こちらこそありがとう、めっちゃいいスレだったのに落ちてしまって悲しかったから、そう言ってくれて嬉しいです

  • 108二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 02:39:50

    しっとりした雰囲気が最高でした
    特に最後の2人の会話が切なくも美しくて凄く良かったです
    スレ主さんに拍手&感謝!

  • 109二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 06:34:22

    最高でした。

  • 110二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 10:33:21

オススメ

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