- 1二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 20:25:37
- 2122/10/08(土) 20:27:38
──────
「なんでまたこの中ァ……?」
「ウタ様の能力が分からない以上、ルフィ先輩を自由にさせるわけにはいかねェべ……」
「悪く思うな。船を丸ごとこんなマスコットにしちまうような能力だ、カラクリが解けるまでは大人しくしてろ」
「サニー♪」
偉く珍妙な姿になったコイツも恐らくウタの能力の影響下だ。無生物を生きた人形にしちまうなんて流石に馬鹿げてねェか?
「オエ〜……」
とは言え、麦わら屋もそろそろ色々と限界だ。いざという時にコイツがグロッキーじゃ戦況に影響が出る。
しかし港に海軍どころか誰もいなかったのは誤算だった。確かに連中を見かけたんだが……
ガチャ
「!?」 - 3122/10/08(土) 20:31:46
「何だべ!?」
「お、お前らは……」
「お久しぶりです、ルフィさん!」
「こ、コビー……?だして……ここから……」
……噂をすれば海軍か。
何故サイファーポールと一緒にいるかは分からねェが……
「コビー屋か。どうやってここが分かった?」
「ルフィさんの存在を感じて」
「見聞色か」
「あとはブルーノさんのドアドアの実の能力をお借りしました」
「便利な能力もあったもんだな」
「おめェも大概だべ」 - 4122/10/08(土) 20:35:29
「皆さんが知りたいのは、ウタの能力についてですよね?」
「ウタ様の能力、知ってるだべか?」
「こいつは棚ぼただな。やはり海軍は知ってたか」
「ええ。単刀直入に言います。
信じられないかもしれませんが、僕達が今いるこの世界は、現実ではありません」
「「「!?」」」
「げ…現実じゃないって、どういうことだべ!?」
「僕を含めて、皆さんが見ているのは、全てウタが『ウタウタの実』の能力で創り出した、意識の中だけの架空の世界なんです」
……参ったな。こいつはちょっと予想外だ。 - 5122/10/08(土) 20:39:01
「ウタウタの能力は、歌声を聞いた人間の心を『ウタウタの世界』に閉じ込める力。
心を取り込まれた人間は、現実の世界ではなく、ウタが望んだ世界で生きているような気になります。
まるで全員が、同じ夢を見ているかのように……」
「…歌を聞くのがトリガーだって言うなら、おれ達は初めからヤツの能力下にあったってことか」
「つまりおれ達は今、夢の世界の住人になっちまってるってことだべ!?」
「そしてこの世界の支配者がウタ……それなら諸々のデタラメな能力も頷ける」
「麦わらの一味の方々が手も足も出なかったのも仕方ない話だべ…」
「……そういやウタの奴、そんな力持ってるとか言ってたなァ」 - 6122/10/08(土) 20:43:18
「は?」
「え?」
「だからかァ。あいつの歌を聞くといつの間にかみんな寝てるんだ」
「知ってたんなら早く言って欲しかったべェ〜!!」
…珍しくバリア屋が代弁してくれた。
お前麦わら屋にツッコミなんて出来るんだな。
その後「忘れてた」なんて笑いながら抜かした時には斬ってやろうかと思ったが。
「……それで、現実の世界はどうなってる?」
「現実世界には、僕たちの身体だけが残っています。でもその身体は、ウタに支配されているはずです」
中でも外でも『支配者』か。『救世主』が聞いて呆れるな。 - 7二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 20:44:38
実際ロメオが過去1ルフィに失礼というかなんというか
そんな感じの態度だったシーン - 8122/10/08(土) 20:48:24
コビー屋の話によれば、外の世界のウタが眠ればこの世界は消えるらしい。
だが既にこの世界に取り込まれているおれ達は現実に干渉できないとのことだ。
既に海軍の連中も来てるはずだが、恐らく操られた観客を盾にして身を守っているんだろう。
……とはいえ、その気になればウタを討伐することは容易い筈だ。麦わら屋には悪いが……
まあ、海軍側も賞金首でもない女を殺すまではしないか。それよりまずはここから出ることが先決だ。
「悪魔の実の能力には必ず限界があるはずだが?いつまでも歌い続けられるわけも無いだろう」
「その通り。ウタウタの世界を維持するためには激しく体力を消耗する。
普通ならいずれウタの体力が尽きて眠り、この世界にも終わりが来るが…」
「普通なら?」
その後出てきた名前を聞いて、おれは顔から血の気が引いていくのを感じた。
「今回に限ればそれは難しい話だ。奴がライブ開始前に『ネズキノコ』を食べるのを確認している」 - 9122/10/08(土) 20:52:35
「……ネズキノコ!?」
「知ってるだべか?トラファルガー」
「ネズキノコ。名の通り食べた者は眠れなくなるという代物だ」
「眠れなくなるって、それじゃあこの世界は……」
「……それだけではありません。ネズキノコは強い毒性のある毒キノコでもあります。
体力が続く限り眠れなくなり、その間も毒は身体を蝕んでいって…
間も無く現実世界のウタは、体力が尽きて……
死にます」
「死ぬ!?ウタが!!?」 - 10122/10/08(土) 20:56:37
「のわァ!?」
「!?」
バリア屋のバリアが破られた。いや厳密にはバリア屋が吹っ飛ばされたから破れたのか?
不味いな、この状況で麦わら屋を自由にするのは…
と思ったが、麦わら屋は真っ先にコビー屋に食ってかかった。
「おい!!コビー!!ウタが死ぬってどういうことだ!!!」
「お、落ち着いてくださいルフィさん!まずは話を…!」
「落ち着いてられるか!!ウタが、そんな……!!」
「いいから一旦引け麦わら屋!!それを防ぐためにコイツらは動いてんだろうが!!」
「……あ、あァ……悪い」
…麦わら屋の必死な顔、今日初めて見た気がするな。
…………ん? - 11122/10/08(土) 21:00:27
「止めるために……か。察しがいいな」
「皮肉はいいから早く言え。能力者の命が尽きればおれ達はどうなる?晴れて無事解放されるのか?」
「いいや逆だ」
「逆?」
「ウタウタの実の能力者が命を落とせば、このウタウタの世界は閉ざされます。
そしてその時ウタウタの世界にいる人々…つまり僕たちはそのままになってしまいます」
「そのまま……つまり、永遠にこの世界から出られないってことだべか!?」
「ええ。そういうことです。
何でも望みが叶うこのウタワールドに、ファンを永遠に閉じ込める……自分の命を犠牲に。
それこそが、ウタの計画なんです」
ぎり、と歯を噛み締める音が聞こえた。
誰かは分からねェが、恐らくは麦わら屋のものだろう。 - 12122/10/08(土) 21:05:34
「い…イカれてるべ、そんなの…」
確かにイカれてる。要するに世界中を巻き込んだ集団自殺だ。
……だが、その一言で片付ける気には、おれはどうにもなれなかった。
「……コビー、どうすれば、ウタを止められる?」
いつになく真剣な眼差しの麦わら屋を見た。
コイツ、こんな顔するんだな。
「それを探るために潜入したのですが、何も分からないままです。
ただ戦力はあった方がいいので、今ヘルメッポさんがここにいる海賊を集めています。
それから、麦わらの一味には別行動を取ってもらっています」
「あいつら無事なんだな!」
麦わら屋は笑ってそう答えたが、無理に明るい声色を作って絞り出したのが丸わかりだ。
その声が震えているのを聞き逃すほど、おれの耳は遠くはなかった。 - 13二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 22:11:27
トラ男は何に気づいたんだ?
- 14二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 22:19:01
タイトルが先に好きになった方が勝ち
つまりルフィももしかして… - 15二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 22:55:06
このSS上質すぎる・・・!
- 16二次元好きの匿名さん22/10/08(土) 23:01:22
今のところ映画通りルフィが後手に回りまくってるな
- 17二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 05:54:52
続きが凄く気になる
- 18二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 07:45:37
四皇
- 19二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 10:13:46
保守
- 20122/10/09(日) 13:04:39
──────
「みんなー!海賊たちは放っておいて、私たちは新時代の到来を待とう!」
「うおおー!!」
ゴードンと別れた後、私はライブ会場に戻った。
どうせ逃げられるなら、いつまでもルフィを追いかけてても仕方ない。
それに、結局ルフィはどうやったって出られないんだよ。もう私の185連勝は決まってるんだ。
それより、私の本分はこっち。もっともっと楽しくして、みんなが笑って暮らせる新時代を作る。
「みんなー!今楽しいー!?」
「楽しいぞー!!」
「最高だー!!」
「ウタちゃーん!!」
……どうせ後で、また負け惜しみ言いにくる。それとも勝負しに来るかな?絶対勝てないのに。
来てごらんよルフィ 。何度だって負かしてあげる。それにいざという時は……
「ありがとー!!私も今すっごく楽しいよー!!」 - 21122/10/09(日) 13:09:39
──────
「……微かだがウタの声がライブ会場から聞こえてくる。ウタは会場に戻ったようだな」
「んなら、取り敢えずは安心ってことだべ?」
「油断は禁物です。ウタが生み出した音符の兵士は変わらず徘徊しています」
「それに微かでもウタの歌声が聞こえるということは、ここもヤツの能力の影響下にある。
完全に安全と言えるのは、ヤツの歌声が聞こえない空間ぐらいだろうな」
「ならおれの新技の出番だべ!見ててくだせェルフィ先輩、必ずやお役に立って見せますべ!」
「おう!頼むぞロメ男!」
切り替えの速さは流石だな。
さっきまでの声の震えも今はもう殆どない。
だが、一つハッキリさせとかないといけねェ。 - 22122/10/09(日) 13:13:26
「先に確認しておく。タイムリミットは?」
「タイムリミット?」
「現実世界でウタが死ぬまでの時間だ。後どれぐらいだ?」
「……残り2時間も無いはずだ」
「……ッ!」
麦わら屋の表情がまた悲痛なものに変わった。
おれ達としても残り2時間しかないというのはなかなかキツいが……
「2時間……短ェべ……」
「ですが、麦わらの一味の皆さんが手がかりを見つけてくれなければ、僕たちにはどうすることも……」
「……ウタ……」
……あまり関係はないが、この時おれの中で浮かんでいた一つの疑念が徐々に確信に変わりつつあった。 - 23二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 19:38:24
保守
- 24二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 19:44:38
見
お
語 - 25二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 19:45:49
語り継がれる
- 26122/10/09(日) 22:10:40
「……おれ達も何もしないワケにもいかないだろう。
だが今の麦わら屋をウタに会わせるわけにはいかねェ。コビー屋、何とか説得は図れないのか?」
「ウタ本人の説得は恐らく厳しいですが、何も知らないであろう観客達に真実を知らせればあるいは……」
「恐らくは一気にパニックになるな。それに下手にウタを刺激すれば取り返しのつかないことになる可能性もある。
それにこのウタワールドから出る方法もまだ分かっていない。もしかすると方法なんてものはそもそもないのかも知れない」
「ですが、ローさんの言う通り僕たちも手をこまねいているだけというわけにもいきません。
ブルーノさん、ご協力をお願いできますか?ドアドアの能力で僕と一緒にステージまで来てください。
御三方は麦わらの一味の皆さんとヘルメッポさん達との合流を優先してください」
「承知した。しのごの言ってる言ってる場合じゃないな」
「分かった。頼むぞコビー屋」 - 27122/10/09(日) 22:20:34
──────
「それじゃ次の曲!!行くよー!!」
\うおーーー!!!/
これで何時間ぐらい続けたかな?
こんなに続けて歌って踊っても、私は全然疲れてないし、汗ひとつかいてない。
ファンのみんなも疲れ知らずで、ずーっと楽しんでくれてる。
やっぱりこっちの方がいいよね。体があったらいつか疲れちゃうもん。
……新時代まで、あと一時間ぐらいかな。
もうちょっとだ。もうちょっと頑張れ私……
「だえ〜」 - 28二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 22:21:27
うわ出た
- 29122/10/09(日) 22:32:55
「え?」
何?また乱入者?
ルフィ達以外の海賊はみんな捕まえたと思ったのに。
……変な格好。昔本で見たあれみたい……
……何だっけ、忘れちゃった。
「気に入ったえ〜!うちに来てわちしの為に子守唄歌うだえ〜!」
……何言ってんのこの人?
子守唄?……というか、うちに来てって……
「て、天竜人だ……!!」 - 30122/10/09(日) 22:43:25
「?」
……あれ?みんな静かになっちゃった?
頭まで下げちゃって……
「ど、どうしたのみんな?」
「チャルロス聖様が貴様をご所望だ、ご厚意に感謝しろ」
「え?」
「10億でおばえを買うえ〜!」
ちょ、ちょっと待って?話が全然読めない、私を買うってどういうこと?
……いや待って、さっき何か聞こえたような……てんりゅう……
あっ!
「もしかして!あんたが天竜人っていうやつ!?」 - 31122/10/09(日) 22:54:33
「えっ!?」
「ちょ、ちょっとウタ!」
「まずいよ…天竜人相手にそんな…!」
「知ってるよ、本に載ってた!世界の支配者とか言って、誰でも奴隷にしたがる世界一の嫌われ者でしょ!」
「「「「!!?!?」」」」
「あ〜……!?」
「いい加減にしろ、天竜人の逆鱗に触れるぞ」
……何この空気?私何か変なこと言った?
まあいいや。それよりこの護衛の人たちは……
「あなた達海軍だよね?わざわざ休み取ってきてくれたんだね、ありがとう!」
「そんなことより、チャルロス聖様のお言葉に従い聖地へと……」
「やだ」 - 32122/10/09(日) 22:59:31
「はぁ!?」
そんなことよりって……酷いなあ。お礼言ったのに何か気分悪い。
いくらお金貰ったって、私は奴隷になんかならないよ。
私だけじゃない、もう新しい奴隷なんて生み出させないからね。
「ここではみーんな一緒!天竜人のおじさんも、みんなと同じ!これから仲良く過ごそうね!」
「おじさん!!?」
……おじさんじゃないの?めっちゃキレてるけど。
「この女、死刑だえ〜!!」
あーあー、怒っちゃった。
何したって意味ないのに。 - 33122/10/09(日) 23:09:56
ピストルの弾がたくさん飛んできた。
でもぜーんぶ、私に当たることはない。
だって防げちゃうから。ウタワールドなら私が最強なんだよ?
「だからぁ、そういうの意味ないんだって……」
パパン!!
「ぐっ……!!」
「……え?」
……なんで、護衛の人が撃たれたの?
「使えない奴はもういらないえ〜」
……は? - 34122/10/09(日) 23:20:16
「何てことするの!!?」
ありえない。おかしい。
自分の世話をしてくれてる人をこんな簡単に殺そうとするなんて。
「大丈夫?私が助けてあげるからね!」
ウタワールドでも、私以外はケガもするし、ひどいケガなら死んじゃうかも知れない。
だから私が助けてあげないと。私しか助けられないんだから。
「海兵ども何見てるだえ!!このガキを殺すだえ〜!!」
……何なのこいつ。 - 35二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 23:22:55
ワンピースパーティー最終回で記憶喪失よわよわルフィへの態度までとはいかないけど、「お前もちゃんと突っ込めるところは突っ込めるんだな…」ってなった
しかもパーティーみたいなスピンオフではなくて映画とはいえ公式でだ
- 36122/10/09(日) 23:28:38
「おい、いい加減に……」
「……っ!!」
腹立たしくて思わず地面を蹴ってしまった。
いつの間にか私は海軍に囲まれていた。休みなのか私服の人もいる。
どんなに大勢でかかってきても、私がこの世界で負けることはない。
……ないけど、ムカつく。
「……あんた達海軍は、正義の味方を名乗ってるんじゃないの?」
正義の味方がこんな横暴許していいわけないでしょ。
なんでこんなやつの言うこと聞くの?こんなのおかしいじゃん。
「……天竜人は、この世界の神に等しい」 - 37122/10/09(日) 23:37:39
神に等しい……何言ってるの?
神様なんてこのウタワールドにはいないよ。
みんな一緒なんだから。
……というか、この人たちも言うこと聞くの嫌そうだなぁ。
…………あ、なるほど。
「そっか!!みんなも本当はこんな奴の命令聞きたくないんだね!!」
「こんな奴!?」
「だったら大丈夫!!新時代は天竜人も奴隷もみーんな同じ!!仲間だからね!!」
「同じだと!!?穢らわしい!!おばえら、早く殺すんだえ〜!!」
んーもう、うるさいなぁ。みんな静かにしてよ。 - 38122/10/09(日) 23:44:12
私を取り囲んでた海軍の人たちはみんな歌にしてあげた。
天竜人のおじさんはなんかムカついたからボコボコにしてから歌にしてあげた。
……何故かさっき捕まえてたはずの海賊達がいなくなってるけどどこ行ったんだろ。
ルフィ達追いかけるのに必死で気づかなかった。みんなに聞けば分かるかな?
まあいいや、とりあえずは……
「みんな!もう天竜人なんて怖がることないよ!さあ、ライブを再開しようか!」
「「「…………」」」
……あれ?反応がない? - 39122/10/09(日) 23:50:35
「どうしたの?もう心配しなくていいんだよ?」
「……あの!やっぱりこんなことしたらまずいよウタ!天竜人に手を出したら、海軍や世界政府が襲ってくるよ!」
「大丈夫だって!!」
みんな心配性だなあ。『外の世界』ならそうかも知れないけど、ウタワールドなら大丈夫。
もし来たとしても、海軍でも世界政府でも何でも返り討ちにできちゃうんだから。
みんなよっぽど天竜人に酷い目に遭わされてきたんだなぁ。海賊とどっちが嫌われてるんだろ?
「……ごめん、ウタ!」
「ん?」
「僕、そろそろうちに帰らなきゃ!」
………………え? - 40二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 01:39:29
支援
- 41二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 02:10:06
支援
- 42二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 08:04:33
守
- 43二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 08:59:23
ああ…辛いシーンが来る…
- 44二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 10:58:04
ヨルエカくんのシーン全くそんな意図はない筈なのにタイミングのせいで初見の時天竜人に手を出したウタから逃げ出そうとしたのかと思ったな
- 45122/10/10(月) 13:14:57
「羊達の面倒を見ないといけないんだ。ありがとう、楽しかったよ!」
え。え。
なんで。待って待って。
「ちょっと待って!意味が分かんないんだけど?」
「……え?」
「なんで苦しくて辛い生活に戻ろうとするの?ここで楽しく生きていけるのに。
それよりさ、誰か上に捕まえておいた海賊知らない?誰かが逃したの?」
「「「………………」」」
ガチャ
「?」
「ウタさん……もうこんなことは、終わりにするんだ!!」 - 46122/10/10(月) 13:25:31
……また何か来た。
海軍の人と……何だろうあの人、本でも見たことないや。
「あなたも海軍?天竜人を助けに来たの?」
「僕はみんなを救うために来た!全ての人々の心を現実の世界に今すぐ返すんだ!!」
救ってるのは私なんだけど。
変なこと言うなぁこの人。
「どうして?みんなこの世界が楽しいって言ってくれてるのに。
みんな苦しんでるのに、辛い生活に戻る必要なんて無くない?」
「そ、それは……」
「コビー大佐!!」 - 47122/10/10(月) 13:33:34
「え?」
コビー……?この人の名前?
あの人、なんで知ってるんだろう?
「おお!コビー大佐だ!」
「本物だ!なんでここに?」
「コビーさーん!」
へー、すごい人気者だ。
海軍にもこんな人いるんだね。
「有名な人なの?」
「ロッキーポート事件で民衆を救ってくれた!英雄じゃよ!」
「そうなんだ。私ずっとエレジアにいたから普通のニュースよく知らなくってさ」 - 48122/10/10(月) 13:40:35
「あ、いや……」
照れてるような困ってるような反応がちょっと可愛い。
多分私より年下だよね?すごい人もいるんだなぁ。
「おい、英雄」
「!」
「おれは能力を使い過ぎた。お前から伝えろ」
「……はい!」
……?伝えるって何を?
「みなさん、聞いてください!
実は僕たちが今いるこの世界は、現実ではありません!!」 - 49122/10/10(月) 13:50:41
「現実ではない…?」
「どういうこと?」
「ワケわかんねェ」
「でもコビー大佐が言うなら…」
「ここは、ウタさんがウタウタの実の能力で作り出した……」
なんだ、そんなことか。
言う必要ないと思ってたから言わなかったけど……
別にいいでしょ?心だけの世界で、自由に楽しく生きられる場所。
……あいつは分かってくれなかったけど。
「……つまり皆さんは、騙されているんです!!」
……は?
「ここから今すぐ脱出するべき……」
「ちょ、ちょっと!何てこと言うの!?」 - 50122/10/10(月) 13:58:46
心外だ。騙したつもりなんて全然ないのに。
「ウタ!本当に騙して閉じ込めたの!?」
もう!あんたが変なこと言うから!
みんな信じちゃったじゃんか!
「騙してない!私はみんなを騙してなんかないよ!!
違うよみんな!!私はみんなが幸せになれるように導いてるだけ!!」
「導いてるって……」
「閉じ込められてるのは本当なの?」
「ウタ……どういうこと……?」
もう、みんなが不安がっちゃってる……
よーし、ここは一つ! - 51122/10/10(月) 14:04:04
「安心してみんな!!ここはみんなが望んでいたところだよ!!
大海賊時代はもうおしまい!!平和で自由な時代が来るんだよ!!
食べ物も楽しいこともいっぱいあるし!酷いことをする人や、病気や苦しみはないんだよ!!」
私がぽんと手を叩くだけで、何でも出せるし何でも出来る。
こんな素敵な世界なのに、なんでそうやってみんなを帰そうとするの?
「ああ、ここで生きて行った方が幸せか…!」
「私も!」
「帰りたくないよ!ここにいさせて!」
ほら、みんなもこう言ってくれてる。
やっぱりこの新時代は……
「だけど……仕事あるし……」 - 52122/10/10(月) 14:11:03
「だからあ!仕事なんてしなくていいんだってば!」
本気で分かんない。
何でそんなに辛い現実に帰ろうとするの?
ここにいた方が絶対楽しいよ?
「それでも、ずっとは困ります!」
「頑張ってきたこともあるし…」
「遊んでばっかりってのもなあ」
「いくらウタでもさ…」
……なんで?なんで!?
なんでみんなそんなこと言うの!?
私はみんなのためにこうやって……
「……ウタさん、あなたの計画を中止するべき……」
「ちょっと待って!!」 - 53122/10/10(月) 14:19:13
分かんない。分かんない分かんない。
今話しかけないで。分かんないから。
「みんな!!みんなは自由になりたかったんじゃないの!?
病気やいじめから解放されたいって言ってたのはウソ!?
海賊に怯えずに済む毎日が欲しいって言ってたじゃない!!」
「帰りたいっつってんだろ!!!」
………………
………………え。 - 54二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 14:22:03
来ちゃった
- 55二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 14:24:52
ネットの民
- 56二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 14:28:15
ここのコビーの伝え方も悪いよなぁ 騙されてるってまあそうっちゃそうなんだけど他に言い方ないんかって思っちゃった ウタ本人は騙してるつもり一切なかったし・・・
- 57122/10/10(月) 14:28:43
「やめなよ!ウタはみんなのためにやってくれたんだよ!」
「おれ頼んでねーし!!」
「私も帰りたい!」
「あんたらうるさい!!」
「ウタにさんせー」
「やだよ!」
「学校好きだし!!」
「それ関係ないでしょ!?」
「関係なくない!!」
「やりすぎなんだよウタは!!」
「ひどい!!」
「ああ!?なんだコイツ!?」 - 58二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 14:31:08
やめてくれ…
- 59二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 14:31:24
- 60二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 14:32:18
ここで刺激して良いことなんて何一つ無かったからなぁ…
- 61122/10/10(月) 14:34:33
……なんで……みんな、ケンカしてるの……?
ウタワールドなら……争いはないはず、なのに……
……もしかして、まだ足りない?
まだまだ、楽しいことが足りない?
足りないから、みんな怒ってるの!?
あはっ、そっかそっか!
私のせいか!!
「そっか!!ごめん、わかったよ!!
もっと楽しいことがあればいいんだね!!!」 - 62二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 14:34:39
>>26でパニックになるかもって言ってたじゃないですかー!英雄ゥ゛ー!
- 63二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 14:36:28
この辺見ててほんと辛い
- 64二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 14:40:00
でも観客が人形やおかしに変えられていく所の狂気が溢れ出す感じのBGM好き…
- 65二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 14:40:53
天竜人みたいな所業じゃ…
- 66二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 14:41:49
そう結論を出してからの私は、自分でも驚くぐらいすごかった。
ウタワールドってほんとになんでも出来るんだね。
ファンのみんなも、
海賊も海軍も、
天竜人も、
みんなおんなじ、楽しいものにしてあげた。
これなら、みんな楽しい気分になれるはず。
ケンカもしない。辛いことも苦しいことも感じない。
「みんなー!!平和で自由な新時代で、ずっと一緒に楽しく暮らそうねー!!!」
返事をする人はいなかった。 - 67二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 14:43:37
おつらい...
- 68二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 14:45:24
ようやく精神に隙が出来たぞ
ルフィ、救ってやれ - 69二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 15:54:23
世界の7割の人間がこの一瞬で物言わぬ物体に変えられたという事実
ラスボスかな - 70二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 15:55:08
ウタワールドにて私は最強
- 71二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 16:19:54
海軍ってテロ思想犯相手のネゴシエーター部門ないのかな
海賊相手には無意味だからないか - 72二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 16:20:56
基本火力で制圧してて、そういう交渉役の人は居ても少ないイメージ。
- 73二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 18:59:25
ここで変えた楽しいものが子どもの好きなものしかなくて、ウタの精神性が感じられるってのがまたツライ
- 74122/10/10(月) 19:42:41
──────
「……ライブの音が聞こえなくなったべ」
「それだけじゃねェ、人の声すら聞こえなくなった」
「あの海兵、説得できたんだべか?」
「さァな……」
ガチャ
「!」
「っと?あれ、狭い……んぎぎ……よいしょ!」
「何とか逃げられたな……」
……何の生物だこれは。
「お前誰だべ?」
「ブルーノ!」
……色々と察せた。 - 75二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 19:46:20
これビターになりそうだな...
- 76二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 19:47:08
- 77122/10/10(月) 19:50:51
「コビー、ウタには会えたのか?」
「……それが……」
「その反応とコイツの姿を見るに、どうやら説得は失敗だったようだな」
「……力及ばずです。すみません」
まあいい。元より可能性の低かった賭けだ。
牛屋はこんなんになっちまったが、戦力になり得るコビー屋だけでも残っていたのが救いだな。
「そっちは?戦力は集まったのか?」
「見るべ」
「「「うおおーー!!やるぜェーー!!」」」 - 78二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 19:52:01
それは...そうなんですが...
- 79二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 19:54:46
嫌だ! ウタには一生幸せであってほしい!!
- 80二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 19:55:22
ま、前スレ80と81とスレ主コメントを信じろ…
- 81122/10/10(月) 19:59:05
「最初にウタに捕まった連中に協力を取り付けた。恐らく今この世界で戦えるのはここに居る奴らと麦わらの一味ぐらいだ」
「ありがとうございますヘルメッポさん。これだけ居れば十分です」
……いや、ちょっと待て。
他の連中は兎も角、ビッグマムの所の奴らを麦わら屋に会わせるのは……
「ちょっと待て、麦わらと手を組むとは聞いてないぞ!死んでもゴメンだ」
案の定だ。このオーブンとやらは血の気が多くて熱くなりやすいと聞くが、評判通りだな。
隣にいる魔女みたいな奴も……確かブリュレ……だったか?意地の悪そうな笑いを浮かべてやがる。
「じゃあね!ウタを倒すのは勝手にやらせてもらうよ!」 - 82122/10/10(月) 20:05:48
「おい待て!!」
「放っておけ。連れ戻したところでああも反りが合わなきゃ邪魔なだけだ。余程の事がなけりゃな」
その余程の事が起きてるのが今なんだが。
まあいい、それより重要なのは……
「おれの仲間は?」
「まだ戻ってきてねェべ……」
ウタの弱点を探しに行った麦わら屋の一味の行方だ。
戦力があっても戦い方が分からなきゃ全部無駄になる。
もう時間がない、急いでくれ… - 83122/10/10(月) 20:13:21
「あいつらがウタの弱点を見つけてくれないと、勝負にならない」
「ああ、おれのドアドアの能力も、この身体じゃあ……」
「大丈夫だ、あいつらなら!」
麦わら屋の極めて普段通りな明るい声が、何故か妙に耳に刺さった。
コイツの精神状態も懸念材料の一つだ。シーザー屋やドフラミンゴの時のような覇気が感じられない。
まあ当然か。恐らくコイツはウタを連中と同じような『敵』と見做せてねェ。
真剣さならあの時以上にも見えるが……
……今なら少し時間があるな。
この際ハッキリさせておくか。 - 84122/10/10(月) 20:20:28
「……麦わら屋。少しいいか?」
「ん?何だトラ男?」
「お前の言うようにお前の仲間達がウタの弱点を見つけてくれば、おれ達はあいつに仕掛ける事になる。
その時に麦わら屋、お前は戦力として見做していいのか?」
「……あ?」
「トラファルガー、おめェ何言ってんだべ?ルフィ先輩が戦力にならねェって言いてェんだべか!?」
「そうじゃねェ。お前も気づいてるだろバリア屋、今の麦わら屋は明らかにいつもと違う」
「そ、それは……」
「……何が言いてェんだトラ男」
「分かった、なら単刀直入に聞く。
麦わら屋、お前はウタを殴れるのか?」 - 85122/10/10(月) 20:35:16
「…………」
「お、おいトラファルガー……」
「……何言ってんだ、トラ男」
「言葉の通りだ。今日のお前とウタのやりとりを見て浮かんだ率直な疑問を聞いたまでだ」
「………………」
「返答によっちゃ、決戦時もお前にはバリア屋こバリアに入っておいてもらう」
「おい、お前が勝手にそんな事決めるんでねェべ!!」
「つべこべ言うな。ただでさえ戦力がギリギリなんだ、これ以上足手纏いを増やすワケにもいかねェ」
「………………」
「…………どうなんだ、麦わら屋」
「………………分かんねェ」 - 86122/10/10(月) 20:41:38
「……分からない?」
「ああ、分かんねェ。
……というか多分、殴れねェ」
「る、ルフィ先輩……?」
「……そうか」
「……悪ィな」
「殴れない事自体を責めるつもりはない。話を聞くに随分と大事な昔馴染みなんだろ」
「……まァな。大事だ」
「……というわけだバリア屋、コイツを「けどなトラ男」……?」
「おれは大人しくしてるつもりもねェぞ……!!」 - 87122/10/10(月) 20:48:15
「…………」
「おおおお!!それでこそルフィ先輩だべ!!」
「……ハァ。それだけ元気なら大丈夫だ、心配して損した。
おれが聞きたかったのはお前が戦力になるかどうかだ。なるならウタを殴れるかどうかは大きな問題じゃねェ」
「ししし、任せろ!!」
今の麦わら屋の目を見る限り、そもそも心配する方が馬鹿だったらしい。
さて、あとはコイツの仲間が帰ってくるのを待つだけ……
「でもよ、トラ男が言うように何かヘンなのは確かなんだ」 - 88122/10/10(月) 20:54:12
「……何だと?」
「変って、何が変なんだべ?」
「いや、おれにも分かんねェんだけどよ……
さっきウタと会えた時、すげー嬉しかったんだ」
「そりゃあ、久しぶりの再会なら嬉しいはずだべ」
「そうなんだけどよ……
その後あいつと抱き合った時、何か分かんねェけど、『絶対離したくねェ』って思っちまったんだ」
「…………?」
「まーウタの邪魔しちゃ悪ィからその時は離れたんだけどな。
でもその後ずっとウタに追っかけられてる時も、何でか分かんねーんだけど……
あいつの顔、あんまりちゃんと見れなかったんだよ」 - 89二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 20:55:48
よし、作戦変更だな
- 90二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 20:56:08
おやおや
- 91二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 20:57:45
なんか高校の教室みたいなノリになってきたな
- 92122/10/10(月) 21:00:56
「………………」
「なんか顔が熱くなると言うか、息苦しくなると言うか……
これカゼってやつなのか?おれなった事なかったんだけどなー」
「……い、いやルフィ先輩、それは多分風邪じゃ
ねェと思うべ……」
「ん、そうなのか?」
「……いつからそうなってる」
「だからさっきウタに会った時……いや、違うか?
うーん、そういえば昔っからこうだったなァ。
フーシャ村にいた時から、たまにウタを見ると何かヘンになってたんだよな〜」
「………………」 - 93122/10/10(月) 21:07:49
気づけばおれはバリア屋と顔を見合わせていた。
コビー屋達も開いた口が塞がらないらしい。
「昔ベックマンに聞いたことある気がするんだけどなァ……何だったかなー?
なあ、お前らこれ何か分かんねェか?トラ男お前医者だろ?」
「あ、ああ……いや……」
「?」
(……なァトラファルガー、これもしかして……)
(……いや、十中八九そうだ。こんな話をしてる場合じゃねェんだが……)
「何コソコソしてんだよ、教えてくれよ!」
「……よく聞け麦わら屋。それは恐らく……」
ここでタイミング良く(悪く)麦わら屋の一味が戻ってきたが……
思わず舌打ちしてしまったのが聞こえていないことを祈るばかりだ。 - 94二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 22:10:44
あらあら
- 95二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 22:22:25
最高
- 96二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 23:07:59
素晴らしい...
- 97二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 23:59:49
急に青春が始まったぞ。
- 98二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 00:03:25
ルフィ(海賊)、ロー(海賊)、ロメオ(海賊)、コビー(海軍)、ヘルメッポ(海軍)、ブルーノ(CP0)、の面子で行われる、ドキドキ教室
- 99二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 06:30:56
ルフィからこんなこと聞かされるとか、呉越同舟でエネル顔を並べる案件過ぎる…
- 100二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 06:48:18
取り返しの付かないことになる前にはやく……
- 101二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 09:04:51
最高かよ
- 102二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 09:08:03
- 103122/10/11(火) 12:44:28
「お前ら!無事だったんだな!」
麦わら屋の興味は一瞬でそっちに持って行かれてしまった。
情報が宙ぶらりんな状態で放置するのも不味いか…?
「トラ男」
「ん?」
「さっきのは後でいい。全部終わってから教えてくれ」
「……仕方ねェな」
麦わら屋の目は既に切り替わっていた。
とりあえず杞憂だったことにしておくか。
「何だ、何を教えるんだ?」
「うるせェ」
……本人よりもコイツらに伝わる方が後々面倒臭そうだしな。 - 104122/10/11(火) 12:48:41
「チッ、戻ってくる羽目になっちまうとは」
「ゴメンね、オーブンお兄ちゃん…」
離反したはずのビッグマム海賊団の連中も戻ってきていた。一体どんな説得をしたんだ?
まあいい、コイツらなら戦力としても移動手段としても申し分ない。味方である分には頼もしい。
さて、本題はこっちだ。
コイツらに限って、まさかおめおめと逃げてきたワケでもねェハズだ。
何か掴めたから戻ってきたんだろうが……肝心のニコ屋の表情は浮かない。
「ロビンさん、ウタを倒す方法は分かりましたか?」
「昔の記録によると、ウタウタの世界に取り込まれた者は自分の力で現実に帰ることは出来ない。
……絶対に」 - 105122/10/11(火) 12:55:45
「!!」
……『絶対』と言い切る以上、先人達も色々試した上での『絶対』なんだろう。そこを疑う余地はねェ。
まあ覚悟はしていたがな。どこまでも出鱈目な能力だ。
「…しかしこうなるといよいよ手詰まりか」
「じゃ、じゃあ、おれ達はどうすれば…」
「ただし、ウタウタの実の能力者が『トットムジカ』を使えば、チャンスは訪れる」
「とっとむじか?」
「古代から続く、人の想いの集合体。
寂しさや辛さなどの、心に落ちた影。
単に、"魔王"とも呼ばれることもあるわ」
「それは、兵器なんですか?」
「触れてはならないもの、としか読み取れなくて……」 - 106122/10/11(火) 13:00:17
「それでそのトットムジカとやらをウタが使えば、どんなチャンスが?」
「トットムジカによって呼び出された魔王は、このウタワールドだけでなく、現実の世界にもその姿を現すみたい。
その時、魔王を接点として現実とウタワールドが繋がってしまうらしいの。
そこで2つの世界から魔王を同時に攻撃すれば、魔王を倒しウタワールドを消すことができる……」
「本当かい?」
「上手く行ったことがあるから記録として残したんだろう。やってみるしかねェ」
「でもそれってつまり、同時攻撃以外での撃破は出来ないってことじゃあ……」
「んなら、現実の世界で誰がウタ様を攻撃するんだべ?」 - 107122/10/11(火) 13:03:43
「確かに、おれ達は全員ウタウタの世界にいる。
現実世界のウタを攻撃できるとすりゃあ、海軍かサイファーポールぐらい……」
「無理です。一般市民を傷つける恐れがある以上、海軍は手を出せません。
折角の情報ですが、やはり現実世界に誰かいなきゃ……」
……とりあえず誰か来れば何とかなる話にも思えねェがな。
ここにいる奴らと釣り合う戦力なんて、それこそ七武海……いや、『四皇』クラスの勢力でも来なけりゃ……
「1人いる」 - 108二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 14:31:11
オレらも立ち直れねぇよ(メタ的に)
- 109122/10/11(火) 14:56:20
- 110二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 15:01:48
それにしてもウタとルフィのあれこれだけじゃなく映画の展開を丁寧に拾っていくSSだ
- 111二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 15:02:58
- 112二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 15:03:15
お前は語り継がれている
- 113二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 16:20:41
市の外科医による青春教室
- 114二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 20:13:48
アオハル味がある
- 11510222/10/11(火) 21:07:01
- 116二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 21:08:45
これで助けられなかったら映画より傷跡深いだろ……
- 117122/10/11(火) 22:19:52
「?」
「誰だ?」
「キャプテーーン!!」
「…………」
ぽてぽてと気の抜ける足音が聞こえてきた。
ゴードン屋を乗せた車椅子を引っ張るベポだ。
事が始まる前に合流できてよかった。
「ゴードンさん、それにクマ!無事だっただべか!」
「ああ、彼に助けてもらった。彼は素晴らしいクマだ」
「アイアイ!」
「…………フン」
……まあ、仲間を褒められて悪い気はしないか。 - 118122/10/11(火) 22:27:48
「誰だこのおっさん?」
「ウタ様の育ての親、ゴードンさんだべ」
「え?」
「ウタちゃんの?」
気になるのは分かるが、今重視すべきはそこじゃないだろう。
その辺はゾロ屋が一番分かってるらしい。
「おい、1人いるってのは誰のことだ?」
「……シャンクス」 - 119122/10/11(火) 22:33:47
「「「!!?」」」
……これまた大物海賊の名前が出たな。
まあ、ウタや麦わら屋との関係を考えればまだ来ていないことの方が不思議なぐらいだが……
「シャンクス!?」
「シャンクスが来れば、現実世界のウタを止めてくれるはずだ……
……来れば、の話だが……」
またゴードン屋が言い淀んだ。
どうもこれはこの男のクセらしいな。
「……なあおっさん、シャンクスとウタにやっぱ何かあったのか?」 - 120122/10/11(火) 22:42:16
おれも気になっていた部分だ。ゴードン屋は結局肝心なところを話さなかった。
何故ウタがこの島に残されることになったのか。そこが分かれば、倒すだけでなくあるいは……
「………………」
「おっさん!!」
……何故そこで黙る?そこで黙るのは悪手だぞゴードン屋。
今の麦わら屋をこれ以上焦らすような真似をすれば……
「……っ!!!」
ダァン!!
……行っちまった。案の定だ。 - 121122/10/11(火) 22:48:41
「あーーっ!!やばいべ!!ウタ様のところに行ったんだべ!!まだ勝てねェのに!!」
「止めたって無駄だ、ウチの船長は」
「どっちみち時間がねェんだ、おれ達も行ってカタをつけちまおう」
「でもどうやって……?」
「同時攻撃が必要って言うんなら、ひたすら攻め続ければいい。
現実世界で攻撃が始まり、こっちとタイミングが合うまでな」
慣れたもんだな。自分のところの船長の扱いをよく分かってやがる。
……何となくコイツらの思考回路を分かり始めている自分が嫌になった。 - 122122/10/11(火) 23:01:49
「ビビってたおれァ情けねェ!!麦わらの一味の皆さんがいれば負ける気がしねェべ!!」
「やるしかないのう!!」
「うん!」
「……彼が行ってしまったのは私のせいだ、すまない……」
「あんたが謝る必要はないさ。おれ達は一人で突っ走ってったアホな船長の尻拭いに行くだけだ」
「ヨホホホ、人ならば胸にしまっておきたいことの一つや二つあるものです。あ、私しまう胸ないんですけど」
「…………シャンクスは……」
「?」 - 123122/10/11(火) 23:08:47
「……シャンクスは、ウタを止めることまでは出来るだろう。
だが、今のシャンクスとウタの関係では、きっと止めるのが精一杯だ……」
「止めるのが精一杯って、それ以上何かあるのか?」
「……先程、少しだがウタと話す時間があった。
計画についてはもう聞いているだろうが、彼女は並々ならぬ決意でこの計画に臨んでいる。
私では止めることすら出来なかった。ウタの眼中には、最早私など入ってもいなかった……」
「……………」
「……だが、彼なら。ルフィ君なら……」
「ルフィが?」
「……今のウタを救えるのは、恐らくだがもうルフィ君だけだ……
どうか、彼の援護をしてやってほしい。そして、願わくば……
……ウタを救ってくれ……頼む……!!!」 - 124二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 23:32:21
ゴードンさんも辛いわね
- 125二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 05:41:24
盛り上がってまいりました
- 126二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 07:51:53
続きが気になる
- 127二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 11:54:39
二人は幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし
となる着地を期待しております - 128122/10/12(水) 12:05:00
──────
「………………」
綺麗だけど、静かな世界。
私が歌わなきゃ、誰の声も聞こえない。
私の足音、私の呼吸音、私の心音。
今のこの世界で聞こえるのは、私から出る音だけ。
ねえみんな、たのしい?
私の新時代、楽しんでくれてる?
私は楽しい。楽しいはず。
だってこれが、私が望んだ新時代なんだから。
……あんまりにも静かだから、私以外の足音にもすぐに気づいちゃった。
やっぱり来たね、ルフィ。負け惜しみ言いに。 - 129122/10/12(水) 12:10:44
「………………」
「何しに来たの?何度戦っても私には勝てないよ」
「……まだ決着はついてねェ」
「出た!負け惜しみ〜♪」
「…………」
……真剣な顔しちゃって。
分かってるよルフィ。ルフィも私に負けたくないんだよね。
「……じゃあ、昔みたいにケンカで勝負するしかないね」
私だって、ルフィには負けたくない。
どうにかしてルフィと決着をつけなきゃ、私の計画は成らないんだ。 - 130122/10/12(水) 12:15:50
私がパチンと指を鳴らせば、音符が無限に湧いてくる。
その無限の音符を、ルフィがびよんびよんと蹴散らしていく。
すごいんだねルフィ。さっきも見たけど、ほんとに強くなってるんだね。
まあそれでも、私には勝てないんだけどね。
「ウタァ!!!」
「!」
一際大きく膨らんで音符を吹き飛ばした後、ルフィは一気に私の近くに来た。
ナイフでも突き出せば、刺さっちゃいそうなぐらいの距離。 - 131二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 12:17:01
スレ主のメンタル維持能力を信じやしょうや
- 132122/10/12(水) 12:20:38
「おおあああ〜〜!!!」
ルフィの右足が、見えないぐらい高くまで伸びていた。
このまま振り下ろす気かな。当たったら痛いんだろうなぁ。
「……当てる気もないくせに」
「……っ!!」
私の隣に振り下ろされた足が水飛沫を上げた。
図星だったみたい。
ルフィがこんな攻撃外すわけないよね。私動いてもいないのに。 - 133二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 12:23:33
重い・・・!
- 134122/10/12(水) 12:25:19
「お前は間違ってる!!」
真っ赤になりながらルフィが言った。
私が間違ってる?なんで?
「それはルフィだよ」
「ぐわっ!」
私がちょっと指を動かすだけで、あんなに強いルフィでもすぐ戦えなくなっちゃうのに。
そんなんじゃ海賊王になんてなれないよ。そもそもルフィが海賊王なんて目指すのが間違ってる。間違ってるのに。
「なんでそんなに、海賊王になりたいの?」
シャンクスの帽子を見せびらかしながら煽ってみる。
ねえルフィ、どんな高尚な目的があるか教えてよ。
「『新時代』を作るためだ!!」 - 135122/10/12(水) 12:30:16
…………は?
新時代を作る?
この後に及んで何言ってるのルフィ?
今私がその『新時代』を作ってるじゃん。
なんでそんなこと言うの?
「……ルフィ!!!」
……流石にちょっとムカついた。
もういいよ、ルフィ。
やっぱりあんた、私の『新時代』には…… - 136二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 12:31:49
もうこの辺で止めてやらないと、映画と同じ展開になっちまう…
- 137122/10/12(水) 12:36:05
「うわ!!」
悪党をぶっ飛ばして、処刑準備の完了だ。
海水で濡れたルフィはされるがまま。
「……あんたみたいに海賊王を目指す奴らがいるから、この酷い時代が終わらないんだよ。
ロジャーの処刑で始まった大海賊時代……
ルフィ、あんたの処刑を持って終わりにする!!」
……ルフィがいなくなるなら。
『これ』ももう、要らないよね。
握った両手に力を込めると、
ぶち、と濁った音がした。 - 138二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 12:48:49
分岐点どこ...ここ...?
- 139二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 13:03:59
この世界線のウタはまだルフィを「いらない」と口にできていないのでそこに希望はあるハズだ
- 140二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 13:08:43
原作レッドの数倍ルフィのメンタルが痛めつけられてる
- 141122/10/12(水) 14:15:34
- 142二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 14:17:03
ないんだろう・・・〇〇が・・・
- 143二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 15:20:41
なんか言えや!
- 144二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 16:42:49
どういう顔だそれは!!
- 145二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 19:44:02
どういう感情!?
- 146二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 19:45:05
こいつ…! もてあそんでやがる、俺たちを…!
- 147二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 19:46:07
- 148二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 19:48:25
映画ではそろそろシャンクスが来る頃だっけ
ちょっと待って下さいお父さんこの2人多分まだ自分の気持ちにも気付いてないんです - 149二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 19:49:46
まさか分岐させないつもりじゃあないだろうなあ
- 150二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 19:52:15
スレ主ーー!早く来てくれ!!(画像は張り方わかんないので略)
- 151122/10/12(水) 20:15:27
「やめろ……!」
やめないよ。
これがルフィが海賊になった原因なんでしょ?
だったら尚更消さないと。
それに、個人的にももう見たくないし。
ぶち。ぶちぶち。
小気味いい音を鳴らしながら帽子が千切れていく。
シャンクスが見たら、どんな顔するんだろうなぁ。
「ウタアアアーーー!!!」 - 152122/10/12(水) 20:20:17
「………………」
「お前!!あんなに!!あんなに赤髪海賊団が好きだったじゃねェか!!」
好きだったよ。
「シャンクスが大好きだったじゃねェか!!」
大好きだったよ。
「なんで海賊を嫌いになったんだ!!!」
「……シャンクスのせいだよ」
なんでだろうね。 - 153122/10/12(水) 20:25:55
「……え?」
「……っ、私は……シャンクスのことを……!!
実の父親のように思ってた!!!」
ルフィはいいよね。シャンクスからこんな宝物託されて。
ルフィはいいよね。そんなに真っ直ぐにシャンクスを信じることができて。
……私には、出来なかったのに。
「ウタ……?」
「私はあの船も仲間も!!みんな家族だと思ってた!!大好きだったんだよ!!
でもそれはアイツらにとってはウソだった……だからシャンクスは私を捨てた!!
このエレジアに!!私を1人残して行っちゃったんだ!!!」
……どうして視界がぼやけるんだろう。 - 154122/10/12(水) 20:30:31
「それは、お前を歌手にするためによ……」
「違う!!」
────ひとつだけ、分からないことがあった。
あの悪夢のような映像を見ても、分からないことがあった。
あんなに大好きだったのに。
あんなに離れたくないって言ったのに。
あんなに泣きながら、置いてかないでって言ったのに。
どうしてシャンクスは、私を置いて行ったの? - 155122/10/12(水) 20:37:15
大歓声と、割れんばかりの拍手。
素晴らしいって褒めてくれた、たくさんの偉い人たち。
次々と手渡される、素敵な歌の数々。
あの時の私は、確かに幸せだった。
でも、家族といる幸せは、何者にも変え難かった。
そうだ。フーシャ村で待ってるルフィに、今日のことを自慢してやろう。
いつも私の話をキラキラした顔で聞いてくれるルフィ。
そんなルフィの顔を思い浮かべながら、私はベンチに置いてあった楽譜を手に取った。
全部壊れた。 - 156二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 20:41:36
- 157122/10/12(水) 20:44:40
──────
しっかりシャンクスを悪者にして、私の過去を聞かせてあげた。
せめてルフィが、もう会えないシャンクスを嫌いになれるように。
でも、ルフィは全然曲げなかった。私よりシャンクスを信じた。
「シャンクスがそんなことするか!!お前だって知ってんだろ!!」
「じゃあ私の12年はなんだ!!シャンクスに捨てられて、歌しか無かった私の12年は何だ!!!
ルフィ!あんただってシャンクスにとってはただの道具なんだよ!!いつか捨てられるに決まってる!!」
嫉妬混じりの暴言を投げつける。
そう思わないとやってられない。なんでルフィばっかり。ずるい。
「……シャンクスは来る」 - 158122/10/12(水) 20:50:13
「あんたを助けに?」
「お前を助けるためだ!!」
「私を?なんで?」
「娘がこんなことやってるのに!!シャンクスが黙ってるわけねェだろ!!!」
…………こんなこと、か。
やっぱりルフィは、最後まで分かってくれないんだね。
「……それによ」
「何?」
さっきまであんなに熱くなってたルフィの声が、急に凪いだ海みたいに静かになった。
「ウタ。お前、何かウソついてるだろ」
「……え?」 - 159二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 20:50:36
分岐ktkr
- 160122/10/12(水) 20:56:24
「……なんでそう思うの?」
「昔はウタのことずっと見てたからな。覚えてたんだよ、ウタがウソつく時のクセ。
……やっぱり、あの時と変わってねェんだな、ウタ」
ずっと見てた?私のことを?
私にそんなクセあったの?ルフィのくせに、私より私のこと知ってるの?
「く、クセって……て、適当なこと言わないで!私はウソなんか……!!」
色んな感情に揺さぶられて、動揺が隠せない。まさかルフィがそんなこと……
持っていた麦わら帽子も落としてしまった。真っ直ぐなルフィの視線が、私に深く突き刺さる。
「いいよ別に、言いたくないことがあるなら無理には聞かねェ。
……でも、一つだけ教えてくれ。
そのウソは、ウタがつきたくてついてるウソなのか?」 - 161122/10/12(水) 21:03:32
私の動揺が伝わったのか、音符の兵士も動けずにいる。
そんな兵士を吹っ飛ばして、ルフィが歩み寄ってくる。
「……来ないで」
「ウタ……」
半分千切れた麦わら帽子が拾い上げられ、ルフィの頭に収まった。
ボロボロになったはずなのに、不思議とルフィによく似合う。
「来ないで!!」
「おれにウソつくのは構わねェ。何か事情があるんなら詮索はしねェ…!
……でも、ウタがそんな顔してる理由がそのウソなら、おれはそれを許せねェ!!
ウタのそんな顔見たくねェ!!何があったか知らねェけど!!
自分にウソつくなよ!!!ウタ!!!」 - 162122/10/12(水) 21:09:20
「…………あ……」
両肩をがっしり掴まれ、ルフィの真剣な眼差しに射抜かれる。
そんな顔って、どんな顔?私今、どんな顔してるの?
頬を何かが伝わるのが分かった。何かは分からなかった。
目の前にいるはずのルフィが滲む。何故かは分からなかった。
何か言い返そうにも、思うような声が出なかった。
漸く声を絞り出せたのも、涙を涙と認識できたのも、『外の世界』の私だけだった。
「…………出来ないよぉ……!!」 - 163122/10/12(水) 21:14:16
このまま両手を振り下ろせば、『目の前』にいるルフィは消える。
ほんの一瞬で済む話だ。準備は万端だったのに。
その一瞬の覚悟すら、ルフィは奪い去って行った。
みっともない。惨めだ。
たった一人の幼馴染に、全てを賭した新時代の夢が揺さぶられる。
……もういいよルフィ。私の負け。
私じゃあ、ルフィを新時代から追い出せない。
だって気づいちゃったんだもん。
やっぱり私、ルフィのことが好きだって。 - 164二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 21:16:35
勝ったな
風呂入ってくる - 165122/10/12(水) 21:20:23
こんな状況で気付きたくなかったなぁ。
もう引き返せないのに。
普通のカップルみたいに、デートとか、お泊まりとか……
そういうの、やってみたかったなぁ。
……両思いなの前提だけど。
あ、でもウタワールドの中で出来るか。
よかった。ウタワールドがあって。
大丈夫だよルフィ。だからさ。
「……一緒に、新時代に行こうね。」 - 166二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 21:27:41
まさかのヤンデレルート
- 167122/10/12(水) 21:33:35
計画変更しよ。
新時代に連れて行ける人は減っちゃうけど、仕方ない。
キノコの毒でこっちから消えるのを待ってたら、ルフィが逃げちゃうかもしれない。
ウタワールドからは逃げられない?それは分かってる。
でも怖いの。ルフィがいなくなるのが怖いの。
首と心臓、どっちがいいかな?
心臓にしよう。
ルフィを消す覚悟は出来なかったのに、自分を消す覚悟は簡単に出来た。
自分の左胸に狙いを定めて、ドンと一突き。それで終わり。
今度こそ失敗はしない。思いっきり振りかぶって…… - 168二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 21:36:47
- 169122/10/12(水) 21:37:50
また、振り下ろせなかった。
今度は、誰かに止められた。 - 170二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 21:37:55
実際自分を捨てた理由として「化け物を召喚したから」がハマるからな・・・
- 171122/10/12(水) 21:40:08
「久しぶりに聴きに来た。
お前の歌を。」
- 172二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 21:49:57
俺は今、伝説に立ち会っている…
- 173二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 22:24:05
昔からずっと見惚れてたからこそ気づける違和感ですか
- 174二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 22:29:17
お前が船だ
- 175二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 22:42:59
この素晴らしい作品をリアルタイムで読めている喜び
- 176二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 23:04:26
おいやめろ。その言葉はフラグだ
- 177二次元好きの匿名さん22/10/12(水) 23:10:05
RED思い出して泣きそう
- 178122/10/12(水) 23:30:33
嘘やん
3スレ目普通に行くやん - 179二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 00:36:45
スレタイ好き
- 180二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 00:40:54
油断したな!アンタの作品はそういうものだ!!
- 181二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 06:47:26
保
- 182二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 07:31:57
地味にこの時点で帽子回収してんのな
- 183二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 07:42:02
トゥルールートktkr
- 184二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 10:56:13
逆に例えばもしあと10レス程度で完結せたらキレる俺がいる事を教える
いやそれでも全然いいんだけど全然よくない - 185122/10/13(木) 11:50:00
多分今日の夜に次スレ建てるわね
- 186二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 12:18:07
このレスは削除されています
- 187二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 12:24:21
Mr.Children 「Sign」 MUSIC VIDEO
このルフィからこの曲が響いてくる
- 188二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 13:18:03
ウソつくときのクセ
(髪わっかが下がってる) - 189二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 17:24:49
唯一と言っていい友人を殺すのを止めるシャンクスと
自殺を止めるシャンクス
どっちが辛いんでしょうね - 190二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 17:27:05
- 191二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 17:47:28
- 192二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 17:57:57
- 193二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 18:03:19
- 194122/10/13(木) 20:20:56【SS・CP】「先に好きになった方が勝ち!」PART3|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/board/1089814/https://bbs.animanch.com/board/1114407/の続きですbbs.animanch.com
次回予告:最後ぐらい名前呼びたいよね
ところでなんで勝手に曇ってんだお前ら
- 195二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 20:21:50
たておつ こっちは埋めっすね~
- 196二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 20:23:22
- 197二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 20:24:45
やだサムネが不穏...
- 198二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 20:26:00
うめ
- 199二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 20:26:16
何だあの不穏なスレ画は
- 200二次元好きの匿名さん22/10/13(木) 20:26:54
不穏だ