- 1二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 22:46:08
そんなことはナンノブマイビジネスです
"ライブありき"という考え方には与しません
まず"レースありき"です
本スレは「自分がウマ娘だったら」を妄想するスレです。
スレを開いたあなたも自分のウマ娘になった姿を想像してみましょう。
前スレ
あにまんウマ娘になりたい部Part149|あにまん掲示板もうウマ娘になるしかなくなっちゃったよ本スレは「自分がウマ娘だったら」を妄想するスレです。スレを開いたあなたも自分のウマ娘になった姿を想像してみましょう。前スレhttps://bbs.animanch…bbs.animanch.comアーカイブ
@Wiki
umamusumeninaritai @ ウィキ【12/15更新】@wikiへようこそ ウィキはみんなで気軽にホームページ編集できるツールです。 このページは自由に編集することができます。 メールで送られてきたパスワードを用いてログインすることで、各種変更(サイト名...w.atwiki.jp - 2二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 22:46:26
参考になりそうなもの↓
https://bbs.animanch.com/board/199950/?res=3
自分みたいにお絵描きできない人向け
https://bbs.animanch.com/board/199950/?res=4
https://bbs.animanch.com/board/246596/?res=141
診断メーカー↓
ウマ娘になったらの診断をプログラミングして作った!|あにまん掲示板https://shindanking.wixsite.com/my-site-1おかしくなったから立て直した画像のような結果が出ますbbs.animanch.com※入部希望者へ※
際限なくウマ娘が増えてしまうことを避けるため、原則一人一ウマ娘でお願いします!
次スレは>>190を踏んだ人が建てること!
建てられない場合は他の人にスレ建て代行をお願いすること!
スレの管理ができなくなるモバイル回線で建てないこと!
いいー?
- 3二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 22:51:42
- 4ヨゾラギャウサルのうまそうる22/10/09(日) 22:52:02
この風流な埋め方良いよねいちおつ
個人的には花なら白い侘助が好きです - 5二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 22:53:40
- 6二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 22:54:54
レースもエゴとエゴのぶつかり合いだと思ってるので実際そう
- 7ヨゾラギャウサルのうまそうる22/10/09(日) 22:55:01
- 8二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 22:57:28
頭を垂れろ
- 9二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 22:58:09
サマーウォーズとBLEACHと花の名前で混沌としてきた
- 10二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 23:06:50
馬運車スレあったんだけどレース場までチームカオス専用の豪華なバスを用意してほしいです、はい
- 11フラなんとかのひと22/10/09(日) 23:11:18
- 12ヨゾラギャウサルのうまそうる22/10/09(日) 23:11:26
調べたら侘助じゃないけど芯まで真っ白な月の雫って白椿が有るんだね
これは良い…… - 13二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 23:15:25
- 14クアドラプルグロウ22/10/09(日) 23:16:02
チームカオスのチムレ気になりますね
(チームカオスっていうのはここの部員のこと) - 15ラプラスの中身22/10/09(日) 23:16:34
光のラプ中「ラプ中よ…脳内に浮かんだシーンは全てSS化するのです…文量こそが正義を表現するのです…」
闇のラプ中「そんな面倒なことをするなラプ中…大筋だけSSにして後から補足すればよいのだ…」 - 16ヨゾラギャウサルのうまそうる22/10/09(日) 23:17:01
(ギャウちゃんはトレーナーの運転する乗用車で乗り込むのではと思っている顔)
- 17二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 23:18:37
バスの中はファーストクラス並の快適度合いでレースまでゆっくり過ごしていただけます
3場開催だと3台必要になります - 18二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 23:22:17
- 19二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 23:22:45
でもこういうバスに乗りたい…乗りたくない…?
ドリームスリーパー東京大阪号 | 関東バス株式会社www.kanto-bus.co.jp - 20二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 23:25:48
ぶっちゃけ馬運車的設定も活かしたいタイプなのではい
- 21二次元好きの匿名さん22/10/09(日) 23:43:32
- 22ラプラスの中身22/10/09(日) 23:57:29
SS投下予告投下!
- 23ラプラスの中身22/10/09(日) 23:58:30
男には特権と資産、それに才覚があった。
男にはまた、願望もあった。
やがて願望は叶えられる。特権と資産、そして才覚が偉大なる祭典を作り上げた。
紆余曲折が、あるいは運命が、祭典に男と同じ名を与えた。
人はいずれ命の終わりを迎える。
男は人である。
故に、男が既にこの世の存在でないのは必然である。
しかし、彼の願望がこの世に遺した祭典は、人々に夢を与え、それそのものが人々の願望に変遷していった。
熱狂、感動、驚愕、そして歓喜が、気が付けば海を飛び越えて、この国にもたどり着く。
歴史は、こういう風に産声を上げた。
この国のレースの頂点。
現実という連環の物語の中のクライマックス。
東京優駿、日本ダービー。 - 24ラプラスの中身22/10/10(月) 00:04:17
「積極的に逃げるのは…まあこの子でしょう。皐月賞と同じハイペースの逃げを狙ってくるはずです。もちろん貯めるような逃げ方をするかもしれませんが、相当慣れがいりますからねアレ」
「うん」
5月下旬、トレーナー室での会話。ラプラスとそのトレーナーによるそれの内容は、迫りつつある日本ダービーに向けてのものだ。
「やっぱりレースは控えた位置の方が良いでしょう。もちろん持久力のトレーニングはしてきましたが、根本的に私にはクラシックの距離は長い…ハズですし」
「うん」
「とはいえ枠順にもよりますがね。内側ならできるだけスタートを良くして前に行きたいし」
話を聞き終えたトレーナーが切り出す。
「思ったんだがな」
「何でしょうか」
「こういうレース展開の話し合いって、トレーナー側が積極的に提示していくのが普通じゃないかな」
「…平均に準拠させます?」
「いや結構。個性の尊重は近年の教育の重要課題だしな」
「ふうん…と、もう40分ですね。えーっとリモコン、リモコン…これか」
トレーナー室の小型のテレビの電源を付ける。映ったのは、東京レース場2400mコースのスタート地点。ティアラ路線最大のレース、オークスの始まりが近づいている。
「来週、君もこの場に立つんだな。あったりするのか?感慨とかそういうの」
「そりゃあ、言われたらそんな気もしてきますけども…まあ、ひとまずは見るのを楽しみましょう。異論はあっても、少なくとも見る側の視点からすれば、間違いなくトゥインクルシリーズは娯楽なんですから」
「それもそうか…お、8番の調子が良さそうだな。足取りがしっかりしてる」
1週間。7日間。168時間。不可逆が過ぎ去り、章のタイトルが物語に印字される。 - 25ラプラスの中身22/10/10(月) 00:07:36
昨年以来の東京レース場の控室。
普段から穏やかかつ動じないラプラスとて、この舞台を前にしては動揺を感じないはずがない。まだ時間的余裕があるにもかかわらず、勝負服をきっちり着込まなければ、なんとなく不安で滅入りそうなほどに。
鏡を見る。見慣れた顔と、「かっこいい奴で!」と曖昧な注文を出した結果完成した勝負服に包まれる肉体が知覚される。
見つめながら、朧げな、しかしそうでありながらも明瞭な記憶が脳裏に再生された。
視界の先にある、今使っているもののひとつ前のテレビ。
画面には壮絶な消耗の結末として、鮮やかな緑の世界を舞台にした決戦が映されている。何度も見直した映像と変わりはない。けれども、それでもなお、あの時の思いの再現は不可能だ。
後方から追い込む一人のウマ娘の力強さ。そして、先頭に立つウマ娘の力強さが、それを凌駕する瞬間。声を張り上げる実況と、タイムを見たスタンドの大歓声。そして映し出された、汗を拭いながらガッツポーズをする王者。
まだ幼い少女の知識には、興奮という言葉は刻まれていない。けれども、その文字だけでの表現を拒む「熱」が、確かにこの時、少女に取り憑いた。
自分をここまで持ってきた根源の場所に、どういうわけかたどり着いてしまった宿命を、思わず笑いたくなる。そして、自分がダービーに対して緊張しながら、それ以上に期待を抱いているのだ、ということに、彼女は気づく。
「ここで勝てたら、私は引退してもいい」
「あそこでの勝利が、彼女を燃え尽きさせたんだ」
「今なら世界中に伝えられる、私はダービーを勝ったウマ娘のトレーナーなのだと」
それなりに広大な知識の中にある台詞の数々が反復する。
様々な言葉を投げかけられるに相応しい一戦。自分は見物人ではなく、当事者として存在する。何をどこで間違えたら、不愉快な感情など生まれるのだろうか?
時計を見れば、本番が近づいているのが容易に分かる。勝っても負けても思い出に残してやろうと思いながら、彼女は一つ深呼吸した。 - 26ラプラスの中身22/10/10(月) 00:08:11
一旦完成済み部分のみ投下。まだまだ続きがあるぞい
- 27ライトニングホラーの人22/10/10(月) 00:13:46
ホーラSS載せますわ ラプラスさんの後は気がひけるが
- 28ライトニングホラーの人22/10/10(月) 00:14:18
大量のDVDを前にホラーは考え事をしていた
映画鑑賞会をチームカオスのメンバー全員でやるためにいい映画はないか調べているのだ
たまたま、トレーナー着たトレーナーがホラーに声をかけた
「ん?トレーナーちゃんも手伝うの?ライトニング⚡️なの選ぼう!」
こうして2人で探すことになった
この映画は.......クソ映画にも程がありますので流石にサメ映画に人の手足が生えてビル登るとか槍使い出すのは.........ライトニング⚡️ではないよ
トレーナーちゃんあとで一緒に見てみる? うん、顔で察したよね
ヒーロー物、コレはライトニング⚡️な作品だよね
アクションも物語もよし⚡️盛り上がること間違いなし........て思いましたけど、これシリーズ物なんですよね 流石に10作以上見るのは皆さんの気力が寝不足になって怒られてしまいます
ホラーものは選ばないのか?流石に皆さん耐性がなすぎるので却下というか 阿鼻叫喚 死屍累々になるのは目に見えてるというか
これは有名なやつだけど何回も放送してるし、みんな絶対見てるし みんなで見るにはありきたりすぎて詰まらないし
トレーナーちゃんさ、真面目に選ぶ気ある?え?沢山ありすぎ? うーーん、そっか 多すぎたか流石に500以上は トレーナーちゃんなんで引いてるの?多すぎ?みんなコレぐらい持ってるでしょ?え、持ってない?ま、まあ コレぐらいないといいの巡り合えないていうか
あ、キミも探してくれるの
恋愛もの?うーーん、ホーラは慣れてないけど
てこれ、失恋者ではないですか エスキーちゃん、フワりんちゃんのこと分かってます?エノラちゃん、カラレスちゃんもですよ
え?人生にはそうゆうことがある戒め?流石に楽しいことでそれは ホーラも恋愛を学べ?
トレーナーちゃんどうしたの?何と話してるのか?あ、トレーナーちゃんは見えないか
ちょ、トレーナーちゃん距離取らないで!大丈夫、大丈夫だから!危害ゼロだから映画決めないとトレーナーちゃん〜〜!
なんとか、映画を決めることはできたがホーラさんと話してた方は一体 - 29ライトニングホラーの人22/10/10(月) 02:01:02
> トレーナー着たトレーナー ミスったトレーナーが来た 何でこんなミスを
- 30メジロエスキーの人22/10/10(月) 06:42:33
新スレ立っててしかもSSいっぱいで……なんだこれ……(歓喜)
- 31キタサンアイドルの人22/10/10(月) 07:10:01
みなさんの小説しゅき…&小説投下!!
ちなトレーナーさんはかなりの変わり者です。
【第一歩、踏み出して】
[タイム更新よ!]
「!やった…!!」
アイドルは覚えが早い。だからこそ教える側の技量が必要になってくる。そしてクラシック級の目標を立てておこうと思い、こんな質問をした。
[アイドルはどっちの路線に進みたい?]
「…正直悩んでいます。ティアラにも進みたいけど菊花賞も行きたいですから」
[菊花賞?]
「はい、私のお母さんは菊花賞を取ったんです。それを追いかけるのと、私的に長距離が向いているのかなと」
確かにティアラ路線に進むとしたら最初に立ちはだかるのがマイルの桜花賞だ。アイドルの持ち味は長く使える脚、スピード勝負には向かない。
しかしオークスなら力を発揮できるだろう。
[三冠路線はダメ?]
「ダメ…というわけではないですがティアラ路線に憧れます。強く優しく美しく、まさにプリファ…あっ……///」
[もしかしてプリファイ好き?]
「うう…やっぱり子どもっぽいですか…?」
[そんなことない、プリファイはとっても良いもの。良かったら見る?色々とあるよ] - 32キタサンアイドルの人22/10/10(月) 07:20:00
「良いんですか…?」
[同士が居た!!(もちろん!)]
…本音と建前が逆だ。彼女よりはしゃいでいる…。
「…ふふ、好きなアニメも同じで似ていますね」
[そうだね。……っといけないいけない!同士が居たことに興奮して本題をわすれてた…]
「あっ、すみません…」
[良いよ、私の悪い癖だし。それでひとまず考えたのが皐月賞、オークス、菊花賞だけどどうかな?]
「はい、それで良いです」
[決まりだね、かなり特殊なローテーションだから世間の目が向くだろうけど気にしないで。その時は自分の好きなことをして何が悪い!って言えば良い]
「良い言葉ですね。トレーナーさん」
[そうね、自分を抑えるより出し切っちゃった方が良いや!って開き直った時の言い訳よ]
「トレーナーさんは自分を見つけているんですね。尊敬します。…所でジュニア級はどうしますか?」
[ふふ、ありがとう。ジュニアに目指すのはホープフルSだけどコンディション次第かな。ジュニア級は色々なことが起こりやすいし]
「そうなんですね、ではメイクデビュー後に」
[オケ!じゃあメイクデビュー目指してー?]
「が…頑張るぞー!!」
「[おーー!!!]」
こうしてメイクデビューに向けての第一歩を踏み出したのであった。 - 33キタサンアイドルの人22/10/10(月) 07:33:12
- 34メジロエスキーの人22/10/10(月) 07:52:43
皐月→オークス→菊ってまた凄いローテだ……いろいろ大変だろうけど頑張ってほしい
- 35メジロエスキーの人22/10/10(月) 08:06:56
連レス失礼します。今日の分のSS投下します
- 36メジロエスキーの人22/10/10(月) 08:08:11
─────
レース後のウイニングライブも終わり、トレーナーの家に戻る。用事があると先に家に帰ったトレーナーを追い、家の鍵を開けると、
「ただいまー……ってうわっ!?」
「おめでとう、エスキモー!」
とクラッカーを鳴らしたトレーナーに祝福の言葉を送られる。驚いたのも束の間、部屋に上がり食卓の方に目を向けると、それは豪華な食事の数々が並んでいた。その真ん中にはケーキも私が主役と言わんばかりに鎮座している。
「もしかして先帰るって言ってたのってこれのため?」
「当たり前だろ。初めてのG1勝利、しかもそれが日本ダービー。盛大に祝わないとむしろ周りから恨まれるよ」
そう言ってどうだと言わんばかりに胸を張るトレーナー。いつもよりちょっぴし子どもっぽいところにクスクスと笑いが溢れるも私のためにここまで用意してくれたことに感謝を伝える。
「ありがとね、トレーナー。やっぱり私トレーナーのこと大好きだよ」
「そう言ってもらえて嬉しいよ。それじゃ盛大に祝うとするか! 今日は夜ふかしも許す!」
「えぇっと夜ふかしってもしかして……そういうこと? 私、今日可愛いの着てきてないけど平気……?」
トレーナーって結構大胆に誘うんだって少し頭をぽわぽわさせていると、正気を取り戻させるためか私の頭に軽くチョップが振り下ろされた。
「痛っ! ちょっとトレーナー何するの!」
「脳内ピンクなお嬢様にはこれぐらいしないとな。しょうもないこと考えてないで早く始めるぞー」
「ちょっと、脳内ピンクってどういうこと!? って無視しないでよ!」
この話は終わりだと言わんばかりにくるっと後ろを向いて食卓に向かうトレーナーの背中をポカポカと叩きながら私も一緒にキッチンへと向かう。
あぁ、いつになったらトレーナーは私に手を出してくれるのかな…… - 37メジロエスキーの人22/10/10(月) 08:09:01
─────
食事の後片付けも終わり、2人並んでソファに腰かける。
「食べた食べた! 少しは残るかと思っていたけど、結局全部食べちゃったなー」
「レースだった私はもちろんだけど、トレーナーも結構食べてたよね。普段そんなにガツガツ食べてるところ見ないからちょっと意外」
ダービーまでのお互いの苦労と努力を労い、少しばかり食べさせ合いもしながらその手を止めることなく食べ続けた結果、来た時は食べきれるか不安だった量があっという間に2人の胃袋に全て収まってしまった。それほどまでに体が栄養を求めていたんだろう、なかなかお腹いっぱいに食べることが少なかったこともあってか、久しぶりに感じる満足感と満腹感に2人とも気分がいつもより高揚している。トレーナーは私の前では珍しくお酒も飲んだからだろうけど。
「こう見えても結構食べるんだぞ? 学生時代はスポーツやってたしな。腹筋もほら……って今は腹いっぱい食べたばかりだから駄目だな」
そう言ってチラリと服を捲るもすぐさまお腹を隠したトレーナー。ただ私は一瞬見えた筋肉質のお腹が目に焼きつき、もう一度見ようとそっとトレーナーの服を捲ろうと試みる。
「ねぇトレーナー、もう1回見せてくれない……? もう1回だけでいいから……」
「えぇっと……いいけど今は食べたばかりだし、最近はトレーニングそんなにできてないから見てもよく分からないと思うんだが……」
トレーナーの後半の台詞はスルーして早速上半身の服をペラリと捲り、そっとその筋肉質な体を撫でる。触った瞬間トレーナーの口から声が漏れた気がしたけどそんなことが気にならないぐらい私は恍惚とした表情を浮かべていた。
「これがトレーナーの体……素敵……」
「おい、そんな何度も触らなくても……ってエスキモー、オレの声届いている?」
「もうちょっと見せてほしいな…、ねぇ、上全部脱いでくれない?」
「いやいやそれはいくらなんでも駄目だって! ってやっぱり力強いな……!」
トレーナーの抵抗もむなしく服を脱がし上半身を露わにさせる。腹筋と同様に全体的に整った筋肉質な体を目の当たりにし、頭の中がクラクラして自分が今何をしようとしているのかも分からなくなっていく。
- 38メジロエスキーの人22/10/10(月) 08:10:07
「ねぇ、いいでしょ? 私今までいっぱい我慢したよ? だから今日ぐらい……ね?」
「駄目だって言ってるだろ……ってうわっ!」
トレーナーの体が横に倒れ、私が上に覆い被さる格好になる。いつの日にかトレーナールームで同じ体勢になったのを頭の片隅で思い出しながら、持ちたる力でジリジリっとトレーナーとの距離を縮めていく。
「なんか体があつい……ちょっとだけ制服ぬいでもいーい?」
「おいこら止めろ……自分が何しようとしてるのか分かってるのか!? 服に手をかけるな!」
「えーどうしよっかなートレーナーがチュってしてくれたらやめてあげてもいいかなー」
「分かった、分かったから……ほら顔をこっちに寄せて……」
「やったあ、とれーなーだーいすき……ちゅー……」
そう言ったところで部屋の電気が消えたかのように意識がプツリと途切れ、夢の世界に落ちていく。あともう少しだったのになと後悔を滲ませながら。
─────
「はぁ〜〜〜、焦った……今回は本当に危なかった……」
すんでのところで意識を手放してくれたエスキモーを静かに寝室に運び込みふんわりと布団を掛けてあげる。スゥスゥと寝息を立てているのを確認したところで音を立てないようこっそりとリビングに戻る。そうして彼女に脱がされた服をもう一度羽織り直したところで、全身の力が抜けたかのようにソファにバタッともたれかかる。
「なんだか今日のエスキモー艶かし……じゃなくてテンションおかしかったよな……なんでだ?」
目を閉じ、酔った頭で彼女が部屋に来てから食事が終わるまでの間の記憶を必死に辿っていく。
「部屋に上がった時はいつもどおりだったし、食べ始めた頃も少し気分良かった気がするが、あれは純粋に祝勝会を開いてもらえての喜びから来ていたもののはず。ということは考えられる可能性としては……酒か?」
自身が酔っていたせいもあってか、いつもなら違和感を覚えるほど相手が高揚しているのを感じ取ることができなかった可能性はあるがそれだけとは思えない。
と、そこまで考えたところで1つの可能性が浮かび上がる。
「今日オレ酒飲むペース速くなかったか? その割には酔いがそれほど回っていないような……もしかして……」
- 39メジロエスキーの人22/10/10(月) 08:11:24
せっかくだからとスパークリングワイン1本と缶チューハイ数本を買って冷蔵庫に冷やしていた。ただ流石に全部飲み干すことはないだろうと、残ったらまた今度飲めばいいかと思っていたんだが……
「綺麗に全部無くなっていたんだよな……そういうことか」
確かに食事中何度か席を離れる時間があった。学園や同僚や先輩たちからの電話、それにお酒のせいで近くなったトイレ……それぞれ数分間席を外していたのは間違いない。
「よし、明日エスキモーが起きたら説教だな」
そう決意したところで風呂に入り、彼女より先に起きるために早々と寝室へ向かい眠りにつく。もちろんタイマーをセットすることも忘れずに。
─────
次の日の朝、なぜか制服のまま眠っていた事実に驚くとともに、謎の頭痛に困惑しながらそっとかけられていた布団を剥がし、リビングへと向かう。いつもなら私の方が先に目が覚めるのにトレーナーが横におらず、不思議に思いながらその姿を探していると、ソファに目をつぶり腕を組みながら腰かけている様子が目に入った。
「えっと、トレーナー、おはよう? 今日は私より早かったんだね?」
そんな私の声には直接返事をせず、目の前の床を指差しこう告げた。
「エスキモー、正座」
「えっ、正座……?」
「早く」
「う、うん、分かった……」
有無を言わさないその声に反抗する言葉も思いつかず、言われたままにトレーナーの方を向いて正座をする。
私が正座したところを確認すると、質問──いや尋問の方が正しいか──を投げかけられた。
「昨日の夜のこと、覚えているか?」
「えぇっと……楽しくおしゃべりしながらご飯を食べてそれで後片付けをして……」
「そこまではいいんだ、いや良くはないが……じゃあそこから先は何をしていた?」
「確かトレーナーが筋肉がーって言ってきて、私が少し触らせてって言ってそれで……あっ」
- 40メジロエスキーの人22/10/10(月) 08:12:07
全てを思い出し、頭が急激に熱くなるのを感じる。まさしく沸騰状態。そんな私を見て静かに淡々と、されどその圧を全面に押し出しながらお叱りモードに入る。
「前に話したこと覚えているか? まだ早いって、いくらなんでも中等部なんだからって」
「はい……覚えてます……」
「それを? 無視して? オレに襲いかかって? 約束はどうした?」
「あの時はなんでか分からないけど頭から抜けちゃってて……ごめんなさい」
「謝るのはそれだけじゃないよな? 酒、オレに隠れてこっそり飲んだよな?」
「えぇーっと……その……はい……」
「酒を残したまま席を離れたオレも悪い。だけどな、成人するまで飲むなって授業で教えてもらわなかったか? アスリートなんだから特に気をつけなさいって」
「やりました……受けました……」
「それなのに興味本位で口にして、挙げ句の果てには力を制御できずに人を襲いかけて……」
「はい……ごめんなさい……」
返す言葉もない。トレーナーが美味しそうに飲んでいるのを見てどんな味なんだろうと興味が湧いた。トレーナーにバレたら絶対怒られるからって隠れてこっそり口にした。その結果我を忘れ、結んだ約束が頭から零れ落ち、トレーナーに襲いかかり……委員長失格だ。
「本当に反省しているのか?」
「はい……これからは絶対こんなことはしません……」
今にも泣き出しそうな私を反省度合いを確かめるようにじーっと見つめて小さく頷く。
「分かった。今回はG1に勝ったこと、オレの注意不足に免じて学園には報告しない。頭も痛いんだから体調不良ってことでオレの方からクラスに連絡しておく。薬も机の上に置いてあるから飲んでマシになったら寮に戻れ。ただし、」
「ただし……?」
「次G1に勝つまでオレの家に泊まるの禁止な。その代わりオレもそれまで酒は一滴も飲まん」
「なんでトレーナーまで……? 私が全部悪いのに……」
「管理者責任だ。仮に君が全部悪いとしてもオレには君を立派なウマ娘にする責任がある。それを怠ったんだから当然のことだ」
「うぅ……本当にごめんなさい、トレーナー……」
ぽつぽつと床に水滴が落ちるのを見てトレーナーが立ち上がり、私の目元の涙をそっと拭ってくれる。
- 41メジロエスキーの人22/10/10(月) 08:12:40
「君は賢い子だから一度反省したらもうしないのは分かっている。だからオレは心配してない。次からは大丈夫、そうだろ?」
「うん……うん……っ!」
「泣くな、泣くな。せっかくの綺麗な顔が台無しだ。ほら、こっちにおいで?」
そう言って両手を広げたトレーナーの胸の中に勢いよく飛び込む。また押し倒した格好になってしまったけど、今度はもう大丈夫。約束は忘れない、二度と。
「泣き虫で寂しがりやで……こういうところは中等部なんだよな」
天を見上げながら私の後ろ髪を優しく撫でてくれる。
──あぁ、やっぱりこの人がトレーナーで良かったな。
─────
そんなすったもんだの騒ぎからはや数ヶ月。最初はぎこちなさが残っていたけど、夏合宿も終わり秋もすぐそこまで近づく頃になると、もうすっかり元の関係に戻っていた。
「おはよう、エスキモー。朝ご飯もうできてる?」
「おはよ、トレーナー。もう準備できてるから早く顔洗ってきて!」
「はーいっと。ちょっと待っててな」
先に椅子に座り、この夏のことを少しばかり頭の中で振り返っていると、私がお願いしたとおりすぐにさっぱりとした顔をしたトレーナーが部屋に戻ってきた。
「おまたせ、じゃあ時間もないしすぐ食べよっか」
「お寝坊さんがもう少し早く起きてくれたらゆっくり食べられるんだけどな」
「悪い悪い……はい、じゃあ手を合わせて」
「「いただきます!」」
──いつもどおりの日常をまた2人で。
- 42メジロエスキーの人22/10/10(月) 08:13:09
今日はここまでです。それではまた明日
- 43二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 08:20:10
- 44ツキノミフネの背後霊22/10/10(月) 08:20:54
色々感想ありましたがやっぱりインパクトの前では消し飛ぶんだなぁって……
うん、なんといいますかエスキモーちゃん……トレーナーさんができた人でよかったね……おしゃけ怖い - 45ツキノミフネの背後霊22/10/10(月) 08:26:20
それにしてもエスキモーさんとトレーナーのイチャイチャは染み渡りますね
この前の悪徳記者とかにすっぱ抜かれないといいのですが…… - 46ダンスローバストの中の人22/10/10(月) 08:34:39
SS載せますね
素敵なSSが沢山でハロウィンデジたんみたいになりそうですが - 47ツキノミフネの背後霊22/10/10(月) 08:36:56
プリーズー!!!
- 48ダンスローバストの中の人22/10/10(月) 08:39:15
【ストーリー第1話 どうか手を取って】
_____仮眠をしていて、昔の夢を見た。
出張帰りにレース教室のレッスンをやっているところを見て、特別に見学させてもらった_____。
「トレセン学園に入るのは大変だけど、頑張ってね。私、待っているから。」
「ほんとう?!…うん、私頑張るね!よし、早速頑張ろっと!」
一人のウマ娘の走りに目を引かれて、いつの間にか一対一でレースのこと、走法のこと…色々教えてもらった。
「…将来の夢は、たくさんレースで勝てるウマ娘になること?」
楽しそうに、そして真剣な顔で力強くコースを走る姿を見て、思わずそう尋ねると……彼女は思いがけない大人っぽい微笑みを浮かべた。
「私の夢は_______。」
ある日、トレセン学園のコース場にやってくると賑やかな人だかりができていた。
「先輩!私ようやくトレーナーさんが決まったんですよ〜!!」
「ねぇ先輩、一緒に併走してくれませんか?少し自分の実力を知りたくて。」
「あら、おめでとうございます。頑張ってくださいね。いいですよ、だけど少しお待ちを。すぐに蹄鉄の手入れが終わらせますから。」 - 49ダンスローバストの中の人22/10/10(月) 08:40:11
複数人の後輩に重ねられて話しかけられてもそれを聞き取り返す並行処理能力、そして迅速な行動…それに呆気を取られてその光景を眺めていると______ついと彼女と目があった。
「ッ…!あなたは…!」
「…え、私?」
「そう、そこのトレーナーさん!」
「貴女は…、私の運命の人…!」
「私…ずっと貴女を探していました!」
「え、え…?えっ…?」
「私、貴女とダンスパートナーになりたいっ!」
突然向けられたオーラに呑まれそうになったが…我に返った。トレーナー契約は勢いで結ぶもの、一目惚れで結ぶものではない。しっかりとした信頼関係に結ばれた上で結ぶもの。怒涛の3年間を過ごす相手なのだから、ちゃんと見極めないと。
「貴方も夢があるんでしょ?」
「夢、ですか…。」
「…もちろん、ありますよ。私がこの学園に来たのは…。」
「この手で、自分で。とても素敵な物語を作る為です。自分と同世代、或いは上の世代や下の世代と、…お話を切り拓いて行くんです。」
真剣な眼差しで語る彼女に圧倒され、先ほどの押しが強い姿からは想像できない重みのある言葉に頭をガツンと打たれた気がした。…彼女の言う「物語」とは何なのか。
「…まあ、とにかく。私がレースで輝く為には、あなたがいなきゃいけない。」
「だから、お願いします。私のトレーナーになってください…!」
「えっと…。」
正直、その気迫に気圧された。でも、それだけじゃない。彼女が放つ雰囲気に、心惹かれるものを感じた。それはまるで……あの時の、彼女のような_______。 - 50ダンスローバストの中の人22/10/10(月) 08:41:32
「決まり…で良いですかね?今日からよろしくお願いしますねっ!トレーナーさん。」
気がつくと、いつの間にかトレーナー契約を結んでいた。鮮やかな手際に自然な話題変えの流れ…、想像以上にこの娘は能力、素質持ちかもしれない…。
「改めて、初めまして。ダンスローバストと言います。…私、トレーナーさんのダンスパートナーとして、担当バとして頑張りますねっ!」
一つ一つの行動から彼女が注目株だと思えるが、実際まだ選抜レースも、デビューも、体力テストも受けた事のない娘だ。実力はまだベールに包まれている。
_________そして迎えた翌日の体力テスト。期待に満ちた視線の中、ダンスローバストは秘めた実力をはっきりと見せつけた。
「ダート1600m!た、タイムは…!」
コース場がどよめきに包まれる。新人ウマ娘としてはどうやら破格のタイムだ…!全力で走った後も耳をピンと立てながら余裕綽々な様子を見せている。どうやら彼女は天性のスプリンターかマイラー…いや、どちらの能力も兼ね備えているかもしれない。
「トレーナーさん!どうでしたかっ?!素敵な物語の幕開けに、貴女のダンスパートナーとして相応しい走りでしたか?」
目を輝かせて聞いてくる。…ダンスローバスト、一体どんな能力を隠し持っているのだろうか。ひとまず、トレーナーとして彼女を支えていこうと思った。 - 51ダンスローバストの中の人22/10/10(月) 08:43:25
- 52ツキノミフネの背後霊22/10/10(月) 08:48:54
いつも長文感想を披露してくれるミラージュさんみたいにはいきませんね!背後霊残念!未熟を痛感するばかりです!
でも、どうしても感想をお伝えしたく思います
ダンスローバストさん、志も大変素晴らしいお方ですね!
物語を作るため、ある意味で上位者的思想! これは強い!
そしてきましたね……! 恋愛強者! 捕まえたら逃さなぬ者……! 鮮やかな手腕に感服致しました! - 53メジロエスキーの人22/10/10(月) 08:56:25
- 54二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 08:57:57
キタサンアイドルちゃん逆ウオッカローテなのか……って思ってたらSSが乱れ飛ぶ魔境に入り込んでしまった
- 55キタサンアイドルの人22/10/10(月) 09:11:27
ダンスローバストちゃん強い…アイちゃん横になりますね…。そしてトレーナーさんの婚期が危ない。
【果への道へ。……暗雲】
メイクデビュー戦当日の控え室…
[いよいよだね]
「…はい」
[緊張してる?]
「そうですね、心臓の鼓動が激しいです」
「…でも緊張と言うより……武者震いの方が正しいです」
[楽しんで行っておいで]
「…はい!」
仕上がりもメンタルも良し。
順調に勝ち上がれる……
はずだった。
『各ウマ娘一団となって大混戦だ!』
最終コーナー、彼女は先頭目掛けて加速する。
…その時だった。
【ドンッ】 - 56キタサンアイドルの人22/10/10(月) 09:14:59
『っ!?衝突事故が起きました!多くのウマ娘が巻き込まれて…』
………大規模な衝突事故が発生した。
アイドルは巻き込まれていないだろうか?
どうにか抜け出していてくれ…でもあの位置は…
…このようなことを永遠に繰り返していた。
落ち着いた後に聞いたがやはり…アイドルは…。
〜しばらく経った後〜
[(アイドルが目を覚ましたらしい!)]
私はすぐに急いで病院に向かった。
[入るよ]
「…はい」
[…どう?体調は]
…お見舞いに行く前、医師から言われた。
(医師「奇跡的に体には大きな怪我は見つかりませんでした」
[(良かった…)]
医師「…しかし、心の怪我は大きいです」
医師「トレーナーさん、キタサンアイドルさんを支えてください。今彼女に必要なのは心の拠り所です」
[……はいっ!]
アイドルを支えることは最初に出会った時から決めている。涙を拭き、落ち着いてから彼女に会いに行こう。
…このみっともない姿では彼女も頼れないだろうから。) - 57キタサンアイドルの人22/10/10(月) 09:17:05
[焦らなくて良いよ。ところでお腹は空いてる?]
「…はい」
[良かった。ゼリーを持ってきたから好きな時に食べて]
食欲は良好。…今後どうしたいのかを聞きたいが…
[(さすがに酷ね…)]
そう考えていた所、アイドルが口を開いた。
「…あの、トレーナーさん」
[何?]
「…ワタシ、レース…もう一度出たいです」
「怖い…けど、諦めたくないんです!」
[!]
そうだ、契約をした時に一緒に果てを見に行こうと約束した。決意をしながらも彼女の瞳は揺れ、今にも泣きそうな顔をしている。やはり怖いのだろう。
[(担当が勇気を出して立ち向かおうとしてるのに…私は諦めようと思ってたなんてトレーナー失格ね)]
大きな怪我はないと聞いた。それなら…
[様子を見ながら再来月のメイクデビューに出よう]
「…!はいっ!!!」
こうして波瀾万丈のメイクデビュー初戦は終わった。 - 58キタサンアイドルの人22/10/10(月) 09:23:49
幸運の重戦車発進!!
ケガはあまりしてないけど事故はしていないとは言ってないですから☆
【実馬での設定】
牝馬でありながらそこいらの牡馬より馬体が大きい。
かなり気難しくプライドが高い。
しかし気を許した相手にはとことん甘え、なぜか良いことが起こるということからかキタサンアイドルに好かれた人は幸運を手にすると呼ばれた。
そしてキタサンアイドル自身もケガをあまりしない。
二つ名の幸運の重戦車は馬体とこうした逸話から。
尻尾に巻かれている水色の紐が特徴的ですぐにわかる。(ウマ娘の姿の髪に巻いてるやつ) - 59二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 09:35:18
- 60メジロエスキーの人22/10/10(月) 09:53:12
- 61ラプラスの中身22/10/10(月) 11:35:22
昼頃にダービー編続きを投下するのだわ
- 62二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 11:37:15
実馬の親子関係で性格が似てるのエモいと思います(KONAMI感)
ところで最近深夜から早朝までIP規制がかかって朝になると解除されるっていうのが毎日繰り返されるんだよね、怖くない? - 63メジロエスキーの人22/10/10(月) 11:42:41
- 64ラプラスの中身22/10/10(月) 12:25:53
よし、続きを投下!
- 65ラプラスの中身22/10/10(月) 12:27:05
『現在の人気投票の状態です。1番人気は京都新聞杯を勝ったローズプライム。2番人気に最優秀ジュニア級ウマ娘、皐月賞3着のグロリアスブレイズ。3番人気は皐月賞馬娘グランドカプリース。以下アドマイヤラプラス、サトノアルビオン、ナウオアネバーと続きます。詳しくは下の表をどうぞ』
-とある情報サイトより引用
「いよいよ始まります、レースの祭典、日本ダービー。1番人気はダービーに絞ってきたローズプライム。ついでジュニア級王者アグロリアスブレイズ、大穴ながら皐月賞の勝者となったグランドカプリース」
「全員おさまりました。さあ、トゥインクルシリーズで最も偉大な2分半、夢を掴むために走れ!」
「スタートしました!」
ラプラスの予想は正確である。
2番と言う絶好の枠を味方につけたあるウマ娘は、やはり皐月賞のように先頭に即座に並びかける。状況として異なっているのは、今回は逃げ争う相手がいないことだろうか。観察すれば、やや出遅れたと見える。
この状況の各自の位置、推定されるペース、全てプラン内に織り込み済み。
ブレイズはやはり後方。ハイペースに備えるという点で間違いなく正解だろう。グランドカプリースも同じようなレース運びだが、やや後方につけすぎている。
こちらも後方にいるローズプライムに関してだが、実は彼女はそこまで意識していない。京都新聞杯では確かに強い走りを見せていたが、あれは展開に助けられた部分も大きかったと見える。加えて2200であれだけの走りをすれば、疲労は確実に蓄積されているだろう。
今回はスタミナ消耗を抑えるため、いつもよりは後ろ、中段に近い位置取りで運ぶ。最終直線で加速し、そのまま粘りこむのがプランだった。勝ち筋は見えているなら、それに正確に走る。そうすれば、勝利はこちらにすり寄ってくるに違いないのだから。 - 66ラプラスの中身22/10/10(月) 12:31:20
気づけば向こう正面までレースは進んでいく。風のすり抜ける爽快さを感じる余裕をどこかにあった。「走ることは楽しい」という名選手たちの感情に、少し共感するくらいの余裕だ。
コーナーが見えてくる。決着が、1秒ずつ18人を追い詰めている。
ふと、疑問が生まれた。何かが違う。何か食い違う違和感。高速で流れている雰囲気を感じられない。
ハイペースにもかかわらず、先にいる彼女の体力が尽きる雰囲気がない。いつの間に息を入れていたのか。
テレビ中継が大ケヤキをとらえたあたりで、違和感は氷解した。
ああ、こういうレースを、これまでに自分は見たことがあるのだ。自分は今まさに、翻弄される側として走っているのだ。
これはそもそもハイペースではない。ハイペースに擬態した、スローによる逃げ粘り。後から振り返れば喝采を送られそうな、精密なレース展開。自分の予測を通り越した先に、相手はいた。
彼女は「経験を積む必要がある」というラップ調整型の逃げの難点を、きわめて単純な対応法で解決してみせたのだ。
そう、純粋な練習の積み重ねである。
一方で、打開策は存在する。本来決定していた加速タイミングより早めに動き、前の位置につけること。このような逃げになることまでは想定外ではあったが、それでも2番のウマ娘がスローで走った場合のプランそのものはすでに考案済みだった。
考えた後に時間はない。コーナーの途上、早めに加速を始める。周囲のウマ娘たちの動きが、それにつられて速さを増すのが分かった。
視界が開かれる。眼前には直線、坂、離れた場所のゴール板と、それに相対する観客席。
(ここからが…長い!)
ある種の絶望感を感じつつ、ラプラスはそれでも前に進む。速度が最高点に近づき、前方の逃げウマ娘が急速に接近してくるように錯覚する。いくらこのための経験を積み重ねても、この距離を逃げ切ることの困難さは全く揺るがない。速度は徐々に落ちていった。
それでもなお湧き上がる賞賛の意を感じながら、彼女に並びかける。先頭の景色が、世界となって広がっていた。 - 67ラプラスの中身22/10/10(月) 12:33:20
ラプラスは気づいた。最も恐れていた彼女のことが、妙に頭から抜け落ちていたことに。
[灼光 Lv1]
外からブレイズが迫ってくる。読めていた事態だが、圧力が何か、何か違う。
どこかで感じた、既知の感覚…そうだ、東スポ杯。
いや、比にならない。あの脅威感をさらに拡張した、勝利への執念が形成する驚異。
抵抗しようとするが、意思に肉体が抵抗している。脚の乳酸が量を増していき、ただ踏み出すことすら苦痛に思われる。ラプラスもともと足が長く続くタイプではあるが、それでもなお疲労に邪魔をされ、その間に。彼女は迫ってくるのだ。
ふと、思い浮かんだ。
勝てない。
そういう運命だったのだ。グロリアスブレイズが、その夢を叶えるのは。アドマイヤラプラスが、それを見届けるのは。
そんな諦めの瞬間に、ブレイズは外からラプラスを追い越していった。早いな、という極めて単純な感想が、心中に生まれた。
3着争いに混じりながら、ゴール板を通過した。
東京レース場に歓声が鳴っている。勝者がもたらす熱狂。息が上がりながらブレイズが上げた右手が、それをさらに爆発させた。
呼吸を荒らげながら、ラプラスはそれを見るだけだった。どこかで人を引きつけ、何かで人を魅了し続ける彼女を。その強さを。
勝者への悔しさも無念さも、嫉妬すらも存在する。けれども、妙に素直な祝福の思いが、それを蹴り飛ばしてしまう。
少なくとも、今はそれでいい。この悔しがれないのが自分の弱さかもしれないが、この弱さを捨てたくもない。そう思いながらラプラスは出口に向かった。 - 68ラプラスの中身22/10/10(月) 12:45:05
「いやー、かっこいいライブだったなあ…本当に。彼女が夢を叶える様、特等席で見れましたよ」
「まあ、ひとまずお疲れ様。もちろん君ならわかっているだろうが、3着だって立派だとも。ライブ練習が無駄にならなかったしな」
「そりゃそうですが、やっぱりセンター用の振り付けをしたかったなー、とは…
「良いんですよ、過ぎたことです。そういう運命だと思えば…ね。ともかく、これでレースとは数か月離れることになりますが…次の舞台は計画通り、ですよね」
「ある意味ではダービーより厳しい場所だな。距離は合ってるにせよ」
「逆に勝てれば歴史的有名人ですね。かっこいいし」
「だな。この夏はそのためにも重要になるぞ。もちろん脚のケアもしながらの必要がある」
「それでもやってみます。無事之名ウマ娘…ってのは好きな言葉ですが、ガラスの脚で一つの時代を作り出したウマ娘もたくさんいる。少なくとも私は、実力も体もそこまでは弱くない…はずだし」
言い終わってラプラスは、いったんこの場をたたむ必要があると感じた。
「まあ後の事は置いといて、今は解散としましょうか。ブレイズの祝勝会があるので」
「おう、また今度。楽しんで来いよ」
そんなふうな会話が、この日の二人の最後の会話になった。
「あー、脚疲れた…お腹すいた…」
次の大目標。
この国のレース体系の頂点の一つたる、歴史あるレース。
天皇賞・秋。
「あのブレイズってのマジヤバいわー!はっや!つっよ!」
「ですね。あれがダービーウマ娘というものです」
「うんうん、2着3着もすっごい!逃げてた子もガチやばい!かっけー!」
「強かったですね。努力の成果です」
「アタシもアタシも!アタシだってガチ強いんだから!あの子らに負けらんない…ってか勝ったらスゴくない!?」
「凄いですよ」
「だよねートレちゃん!よっしゃ、アタシの無敵っぷり見せたげるよー!!」
「…まずは秋華賞。地力をつけていきましょう」 - 69ツキノミフネの背後霊22/10/10(月) 12:45:18
ラ、ラプラスさんが理解らされてる……
許されていいのか……こんなことが…… - 70ラプラスの中身22/10/10(月) 12:46:00
最後ちょい時間がかかってすまない
ともかくダービー終わり!次まで気持ち間隔空くかも - 71ツキノミフネの背後霊22/10/10(月) 12:47:35
しかも新たなライバルの予感!?
これは……どう予想しましょうか……展開にわくわくしてしまってヤバい……! - 72キタサンアイドルの人22/10/10(月) 12:50:54
トレーナーさんの色恋沙汰を書いたら止まらなくなったキタサンアイドルです。
【恋愛とは】
休憩時間の時…
「トレーナーさんはその……結婚とかは考えたことはありますか?」
[うーん、正直興味ないね。素敵だとは思うけど私にはウマ娘…あなたと一緒に居る方が良いから]
色恋沙汰には興味がない、私はウマ娘一筋だ。
「そうですか。それではトレーニングに戻ります」
そう言うと彼女はトレーニングに戻った。尻尾が高く振っているのでおそらく嬉しいのだろう。
[…アイドルは強いな]
心に計り知れないほどのケガを負い、それでも立ち向かう姿。しかしその心のケガは一人で背負えるものではない。それを支えるのがトレーナーの仕事だ。
[あなたのことを一生支えるからね、アイドル]
それにしてもなぜ彼女は結婚のことを言ったのだろう。まあこれくらいの女の子には良くあることなのだが、性格上どうしても知りたくはある。
[(まあプライベートなことには口を出したくないし、喜んでるみたいだから良いかな)]
そう思いながら今日もメイクデビューに向けての新たな作戦を作るのであった。 - 73ツキノミフネの背後霊22/10/10(月) 12:56:33
く、にぶにぶクソボケトレーナーだ……
というかしれっと見逃してしまいましたがキタサンアイドルさん!?!?!?
身体は無事だったのがせめてもの救いですが……心も……いや割と強いのかも……? でもやっぱり心配です……
- 74メジロエスキーの人22/10/10(月) 13:12:20
- 75キタサンアイドルの人22/10/10(月) 15:09:25
【心の傷は……】
復帰後はしばらく基礎トレーニングを繰り返していたがここまでで良いだろう。
[そろそろ本格的なトレーニングをしよう]
「…!はい!」
いつも通りの様子だが気丈に振る舞っていると見た。彼女は密集した場所を元より苦手になっているからだ。
[この1800mのコースをいつものペースで走って]
「わかりました、行ってきます」
…そしてウマ娘によってはフラッシュバックして減速してしまう場合もある。それを確認しておきたかった。
[(ここまでは順調…最終コーナーでどうなるか)]
彼女は最終コーナーに差し掛かった。…その時
「っ!?」
[アイドル…やっぱりあなた……]
悪い予感は的中した。
「はあ…!はあ…!」
[そこまで!!]
これ以上は心も体も危険だ。そう思い静止した。
〜🕛〜
「最終コーナーでぶつかった衝撃が走って…」 - 76キタサンアイドルの人22/10/10(月) 15:12:06
[うん、それ以上は良いよ。辛かったね]
原因が聞けただけでも嬉しいし、辛いことを思い出させるのは返って悪化させてしまう可能性がある。
「……ワタシ、走れなくなったの…?」
[大丈夫、念のため用意した作戦があるわ]
トラウマは簡単に振り切れる物ではない、ゆっくりと解決していく物だ。だからその間はこれで行くしかない。
「……大逃げ」
[最終コーナーで減速するのは痛い、だから早めにスパートをかけて走り切ろうってこと]
[アイドルは覚えが早いしスタミナもある。今からでも十分間に合うわ]
「…トレーナーさん、ありがとうございます。トレーナーさんのためにも精一杯頑張ります!」
[ありがとう、でも自分のことと大切にね]
「はい!」
〜🕛〜
[併走とトレーニングありがとう、キタサンブラック]
今日は仲が良いというキタサンブラックとトレーニングをした。その中で併走をしようということになった。 - 77キタサンアイドルの人22/10/10(月) 15:14:43
キタちゃん「いえ、こちらこそ!アイさんの大逃げ凄かったです!」
「ありがとうございます。次は…負けませんから!」
大逃げもだいぶ形になり、最終コーナーでのフラッシュバックが少しマシになっていた。
もちろんキタサンブラックにはあらかじめ事情説明をし、そのことは言わないよう約束した。
キタちゃん「またいつか併走をしましょう!」
「はい!よろしくお願いします!」
大逃げは彼女の本質ではないが、ラップタイムの意識やスタミナ管理能力などは差しにも役立つだろう。そう彼女にはモチベーション向上のため言ってある。
例えこの先に困難が待ち受けていようとも彼女と果てを見る。もう一度心に深く刻んだ。
___
キタサン被りなのでキタちゃん表記です。仕方ないね。
さて最終コーナーのフラッシュバックはマシになっているがどうなんだ!?そして大逃げ戦法でやれるのか!?乞うご期待!! - 78メジロエスキーの人22/10/10(月) 15:21:31
フラッシュバックは仕方ないとはいえそれで大逃げを提案するとは中々やりますねえ……いつの日かアイちゃんがトラウマから解放されることを願って
- 79ライトニングホラーの人22/10/10(月) 15:21:42
忙しくって全然入れない めっちゃSSが沢山出てて嬉しい
大逃げ戦法てかなり賭けだな どうなるのかワクワクだ - 80二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 15:35:13
さてはトレーナーさん超絶有能だな?
…恋愛以外 - 81ツキノミフネの背後霊22/10/10(月) 15:37:24
やっぱりフラッシュバックは避けられませんでしたか…… でも、道は完全に閉ざされたわけじゃない!
素晴らしいです! 続きが気になる〜! - 82フラなんとかのひと22/10/10(月) 15:39:47
新人さん早速ガンガンSS書いてくださって嬉しいですわー!キタサンさんの物語にもっとのめり込みたいですわ!プロフィールとか好きな物とか教えて頂いても良いですかしらー!
- 83レッカの構成因子22/10/10(月) 16:09:10
新人さん書くの早くて凄いね…
- 84キタサンアイドルの人22/10/10(月) 17:09:45
ご要望がありましたので書きました!わりと適当。
書くペースについてはラフを書き溜めているのでまだあります。
誕生日 4月18日(誕生花と誕生石を調べてみて☆)
身長 168㎝
体重 微増(現在進行形で成長中)
学年 中等部
所属寮 美浦寮(同室、シンボリルドルフ)
得意なこと 物事を理解すること。早起き
苦手なこと 人が多い所。絵
耳のこと 興味のあるものに向く
尻尾のこと 集中か集中している時は全く動かないが動く時はものすごく動く
家族のこと 母は長距離で大活躍したウマ娘。
ヒミツ ①実は、かなりの画伯②実は、髪飾りは父からのプレゼント
マイルール 朝はライオ…ルドルフさんを起こす
スマホ壁紙 近所で撮影した猫
出走前は… トレーナーに行ってきますと言う
得意科目 数学
密かな自慢 猫に好かれやすいこと
よく買うもの 動物の写真集 - 85ダンスローバストの中の人22/10/10(月) 17:15:37
SS書けたので投下致します〜
まとめて出来たので一気にやります - 86キタサンアイドルの人22/10/10(月) 17:16:21
恋愛強者ダンスローバストちゃん!
- 87ダンスローバストの中の人22/10/10(月) 17:17:28
【ストーリー第2話 夢想のラプンツェル】
「っはあ、はぁ…_____インターバルトレーニング終了…!」
「トレーナーさん、次は何をすれば?さあ、早く早く!!」
想像以上に能力を持っていたダンスローバストとのトレーニングは思ったより順調に進んでいた。独特の大きく対空時間が長いストライドにしなやかに柔らかく動く体、一切体がブレない強い体幹…素質も十分で、将来には大いに期待が持てそうだ。
「ちょっとトレーニングのレベルを上げようか。」
「はい、分かりました!物語を作る為には、良い役者づくりをしないといけませんから…!!」
そんなある日のこと____
「…あ、『種目別競技大会』の申込書早く出さないと。」
「『種目別大会』?」
「え、ご存じない?…まあそうですよね。まだ貴女が学園に来て開催されたことが無かったですから。」
「年に2回開催されるトレセン学園の一大行事です。学園生徒の全員が、好きな種目に登録してレースに出るんです。」
「学園外からもお客さんがいっぱい来て、当日は学園中が活気付くんですよ。」
「…あ、それにそれに!デビュー前のウマ娘も参加できて、デビュー済みの強い方々とも戦える貴重な機会なんです!」
「少し楽しみですね、その為にトレーニングも負荷を増やしていかなければ…!」
「それじゃ、今日はお休みして明日から本格的に頑張ろっか。」
「え、良いのですか?…それでは、私の行きたい所へ行っても…良いですか?」
こうして、ダンスローバストに連れられて外へリフレッシュしに行くこととなった。
「えへへ、お腹空いちゃって先にご飯を食べてしまいましたね。」
「…ん、あれは…?」
ダンスローバストが釘付けになっている視線の先を辿ると、店頭に堂々と置かれている無数の本の山があった。 - 88ダンスローバストの中の人22/10/10(月) 17:18:00
「スポーツ科学の本みたいだね。」
「スポーツ科学…ですか。図書館にも何冊かはありますが、追加されるのは先になるはず…。」
「せっかくだし買う?」
「…え、良いのですか?」
〜🕔〜
「…すみません。私が色々目移りしてしまって、一冊には抑えきれず…。」
「大丈夫だよ、私も読んでみたい本もあったし。」
「…それ、ダービーウマ娘が出版した本だよね。」
「え、あ…!?そうなんです、…前から読みたいと思ってたのですが、買う機会があまり無かったので。」
「それに、自分が初めて見た年のダービーウマ娘さんの本でしたから。」
「お母さんが連れて行ってくれたんです。私をレースの世界へ。」
「お母さんがレースに会わせてくれたんだね。」
「ええ、"ウマ娘たるものダービーは見なければ損"と言われて連れていかれました。」
「最初は意味が分からなかったけれども_____。」
「…ゲートが開いた瞬間、多くの歓声、そしてウマ娘の気迫、スタンドに張り詰める独特の緊張感に驚きました。」
「そこからゴールまで瞬きすら忘れていたでしょう。『勝ちは譲らない』『1着は私のもの』『前に行かせてもらう』って、出ていたウマ娘全員からそんな雰囲気を出していて…!」
「まるで、一つのレースを見ただけなのに。とても重厚感のある物語のように思えてきて…!」
「いつまでも、そのレースの映像が事あるたびに脳内で繰り返されて…。ダービーを見て、自分もああなりたいと思ったものです。」
「それで、自分もレースに出たいと思ったんだね。」
「…はい、けれども本格的にトレセンに入ることを志したのはレース教室に入ったあとです。」
「…ふふっ、良い気合いが入りました。ありがとうございます、トレーナーさん。」
…そんな彼女の一面を知れたお出かけの翌日。 - 89ダンスローバストの中の人22/10/10(月) 17:18:34
いつものようにダンスローバストとトレーニングをしていると…。
「あ、ローバストさん!種目別競技大会に出るんですよね?申込先、変更しなくて良いんですか…?今ならまだ受け付けてもらえますから。」
「今更…?どうして競技の変更を?」
「…でも、スプリンターのローバストさんに2000mはきついんじゃ…。」
「いきなり、2000mを走るの…?」
「ええ、そう言えば行ってませんでしたね。…でも、。」 - 90ダンスローバストの中の人22/10/10(月) 17:19:35
【ストーリー第3話 彷徨う赤ずきん】
種目別競技大会まであと数日___。
「ねぇ、芝2000mの第10グループ、ローバストさんが出るんだって。いくらローバストさんでもあの距離は長いでしょ…。」
「聞いた聞いた!確かあの人最長で身体テストで1600mから1800mぐらいまで走った事ないからスタミナ切れてバテちゃうんじゃない…?」
「…そんなことになっているんですね。けれどもこれは自分が決めたこと…。」
「…大丈夫?」
「何が、ですか?…まさか、『辞退しろ』なんて言いませんよね?」
「確かに、自分でも1600m…良くても1800m、マイルが限界でしょう。」
「走法、体付きから見ても明らかな差があり、展開についていけても掲示板以内…。」
「だとしても、辞退はしません。」
「辞退しないのは、『物語を作る為』だから?」
「…よく分かっていらっしゃいますね。素敵な物語を作る為には、最高の舞台が必要です。こんな所で怯んでいては、到底物語など作れません…!」
「さあ、行きましょう!トレーナーさん。本番も近いんです、しっかりと鍛えなければ!」
こうして、トレーニングに打ち込むダンスローバストを見守る日々が続き_____。
いよいよ、競技別種目大会の当日がやってきた。
「…足の具合は大丈夫。蹄鉄も良し、靴紐も良し…。」
「あとは、展開とスパートのタイミングを読んでレースを進めるだけ…。」
「先輩、今からでも辞退したくなったら言ってくださいね?私、実行委員会に掛け合って来ますから。」
「…大丈夫ですよ。もうここまで来たら、引き返す訳には行きません。勝って来ます。」
「_____素敵な物語の為に!」
地道にスタミナトレーニングを積み重ねて来たダンスローバスト。しっかりとペース配分を読み、中距離の展開に惑わされなければそこそこの結果になるはず。一抹の不安をよそに、レースが始まろうとしていた。 - 91ダンスローバストの中の人22/10/10(月) 17:20:46
「勝ってくるって言ってたけれど…。まさか、本気で勝つつもりでいるのか?」
「ダンスローバストは十分素質があるんだがなぁ…。しかし、この距離じゃ…。」
「…。」
そして、とうとうダンスローバストのレースが始まった。
(____ガコン!!)
「…はっ、はっ!!」
(いつもの走る距離とは全然違う!あとで加速する為に、スピードは抑えて、スタミナの消耗を軽減しないと…。)
「ダンスローバストは中団先方の位置に付けていますっ!中団で待機して前を狙う形になるでしょうか!!」
逃げウマ娘がいないスローペースのレース、それでも焦って加速することなくダンスローバストは足をしっかり溜めていた。
そして、レース終盤____。
「はぁっ、はぁっ…!!」
(もうそろそろスタミナも切れて来た、まだ距離はあるけれども、今まで溜めてきた足を使って____!!) - 92ダンスローバストの中の人22/10/10(月) 17:21:20
「…やあああああっ!!!」
「来ました、ダンスローバスト!ここでスパートっ!!少し早いと見たか!!」
(もう前に来た以上逃げるしかない…!こうして、後ろが今でも追って来ているいるんだからっ…!!)
「しかし後ろから来ているぞ!!ダンスローバスト、苦しいか?!ダンスローバストここまでかっ!?」
「…無理、これ以上速く走れないっ…!!」
…ダンスローバストは、残念ながら3着に終わってしまった。
「一瞬あるかと思ったが……さすがに無謀な距離への挑戦だったか、ダンスローバスト。」
「適切な舞台…スプリントかマイルを選んでおけば、圧勝だっただろうに。」
「ちょっと、いい加減彼女を侮辱するのは…__!」
「どうしたんですか、トレーナーさん。そんなに怖い顔をしてしまって。折角の美人が台無しですよ?」
「ローバスト…。」
「良いんです。…仕方がありませんよ。」
「今の私…。物語の主役に、トレーナーさんのダンスパートナーには、全然相応しくはありませんから。」
『そんなことはない』…そう伝えようとしたのだが、ダンスローバストはすぐその場を立ち去って行ってしまった。 - 93ダンスローバストの中の人22/10/10(月) 17:21:50
【ストーリー第4話 継ぎはぎだらけのシンデレラ】
種目別競技大会の翌日。ダンスローバストは初めて、時間になってもトレーニングに現れなかった。
「そこのトレーナーさんっ!ローバストさんをお探しですかっ!?」
「あ、貴方は…!」
コース場の辺りを見回していると、目の前にスプリント界の最強格、神速のスピードの持ち主、サクラバクシンオーが目の前にいた。
「ローバストさんは河川敷にいると思いますよ、多分!河川敷から見る夕暮れはいつまでも見られると言っていらっしゃったので、黄昏れるなら絶対そこでしょう!!」
「少し落ち込んでいるのを見て、共にバクシンしましょうと誘ったら…この有様です。えへへ…。」
「けれども、トレーナーさんが声をかけたらきっとトレーニングに戻って来てくれると思いますよっ!私だけでは、彼女の気落ちも治せなかったので…。私の後輩を励ませるのは貴女だけ、お願いしますよっ!!」
そう言ってサクラバクシンオーはコース場からお礼を言う前に去って行ってしまった。ひとまず、ダンスローバストのいる河川敷へ向かうことにした。
「…あ、トレーナーさん。」
「トレーニングの時間だよ。」
「…え、あぁ。少し景色を見入ってしまったようですね。すみません、すぐ学園に戻って準備して行きますね。」
「ねぇ、黄昏ているだけじゃなかったんでしょ?」
「…もう、こんなことも知られてしまうなんて。トレーナーさんは凄いですね。」
「実はと言うと、少しトレーニングに行きたくなかったんです。…そう思った理由、トレーナーさんじゃなくても分かっちゃいますよね。」
「少し、一人にしてください。今の私、トレーナーさんのダンスパートナーに相応しくありませんから。」
「どうしてそう思うの?」 - 94ダンスローバストの中の人22/10/10(月) 17:22:25
「本当に勝てるって思ったんです。途中までは素敵な物語が見えて…。まるで、あの時のダービーのように、一つの物語のようなレースになったみたいって思いました。」
「けれど、終盤なんか追うのを諦めてしまいましたっ…!前にすごい差を付けられて…、『無理』って思ってしまったんです。」
「ダービーでは、ダービーに出ていたウマ娘は…!1人も諦めず、自分の物語を追い続けたのに。私は、私はっ…!!」
「ローバスト…。」
「…ッ。ダメですね、こんなんじゃ…。」
「私…、到底素敵な物語を作れっこない…!」
ダンスローバストはすっかり自信を失ってしまっているようだ。だが、レースでは雰囲気、思いは人一倍に強いものを持っていて、『素敵な物語』に賭ける思いは抜きん出ている。
「…ううん、きっと作れるよ。今ボロボロだって。」
「え、え?」
「今がローバストにとって、『物語』に相応しくない部分だったしても、まだまだ『物語』はこれからだから。」
「どの物語も、幸せや栄光は最後に訪れるでしょ?」
「…だから、ゆっくり進んでいけば良い。歩みを進めていく内に、いつかそれは『素敵な物語』になるから。」 - 95ダンスローバストの中の人22/10/10(月) 17:23:05
「………っ!こんな、状況でも?トレーナーさんにとって、物語にとって私は…!」
「それに、ローバストは私のダンスパートナーにとても相応しいよ。いや、担当になった時からずっと。ローバストは私のダンスパートナーだったから。」
「…もう、トレーナーさんったら。私が欲しい言葉、全て言ってくれて…!!」
ローバストの瞳からいつの間にか一粒の雫を流していた。それは夕日に照らされて、酷く輝いているように見える。
「ありがとうございますっ…。こうなったら、今すぐトレーニングを始めなければいけませんね。」
「じゃあ、ちょっとだけ距離を伸ばした2000mのコースを走り込もうか。」
「…ええ、早く戻りましょう。そして、始めましょう?」
「_________私たちの物語を。今が幕開けの時です。」
ダンスローバスト。最初は得体の知れないウマ娘だとは思っていたが、今日、ダンスローバストと言う1人のウマ娘の存在を理解した。…そして、改めてダンスローバストのトレーナーになれたのだった_____。 - 96ダンスローバストの中の人22/10/10(月) 17:25:20
以上です!
ちなみにローバストは皐月→ダービー→秋華のローテでクラシックに挑む予定です
忠実ではスタミナが足りない理由で菊花回避してそう… - 97キタサンアイドルの人22/10/10(月) 18:10:35
頑張れダンスローバストちゃん!あとトレーナーがダンスパートナーならぬベストパートナーすぎて尊死&バクシンおじいちゃん…しゅき……
皐月、ダービー、秋華賞…なんだか親近感が湧きますね。お互いティアラと三冠を走る者として頑張りましょう。 - 98メジロエスキーの人22/10/10(月) 18:25:31
- 99カラレスミラージュの人22/10/10(月) 18:46:58
昨日の夜からSSじゃないレスを探す方が難しいくらいの豊作……!!
一本一本楽しませていただいています、感想が追い付かないくらいの歓喜……
というわけで拙作ながら私も投稿させていただきますね!
一応こちらが過去作+新作2話の載っているページになりますので参考になれば
というわけで、連載SS第5話 “亀裂入りのプリズムと分光現象の一考察”、よろしくお願いします! - 100カラレスミラージュの人22/10/10(月) 18:48:19
「──ああ、経過は良好。お前の見立てともズレてない」
「──当分は泳がせておくさ、そう焦る必要もないだろう……暫くは様子見で行く」
「──連休前に悪かったな、場合によっちゃ連絡入れるが基本無いと思ってくれ。じゃあな」
「……というわけで、当初の予定通り明日からはプールでリハビリしましょうか!」
「その流れで本当に私を『泳がせておく』相談だったってオチあります????」
皐月一日は土曜日、前日が平日であることに目を瞑れば7日連続休日の黄金週間。出走レースの決め方次第では時間がたっぷり生まれることもあって、チームでの旅行だったり実家への帰省だったりが多く見られる時期。
そんな昼下がり、私はトレーナーさんと2人で学園のプールを占拠していた。……実際には利用者申請が他に無かっただけなんだけど。まあリハビリ目的での利用、普通に泳ぐわけじゃないから人が少ないのはむしろ大助かり。
『繰り返しますが、無理だけは禁物です。少しでも不調が見られたらすぐ止まってください』
「はい! 報告と相談は基本中の基本ですからね!」
『では初めてください。腕を使うことを意識してくださいね』
耳に嵌めた防水型イヤホンから、トレーナーの声が響いてくる。内蔵のマイクは、誰もいない空間に放った私の声も問題なく拾ってくれていた。
両腕を揺すり、水の中で人混みを掻き分けるように。浮遊感につい跳ねながら前進したくなるけど、足への負担を考慮して一歩一歩進む。鼻を衝く塩素の香りと冷たい水滴に、少しばかり瞬きを重ねながら。今後の私達の行く末のように、一歩一歩。
『とりあえず、まずは歩行訓練からです。ついでに持久力も付けば御の字ということで』
トレーナーさんの発案で行われた、水中歩行トレーニング。浮力のお陰で体重の負担は減るし、前進方向には水の抵抗が掛かるお陰で普段より疲労が激しい。足だけでなく上半身も使うことで、負荷を偏らせることなく短時間で効力が得られるという話。なんだけど……
「退屈だなぁ……」
そう、このリハビリ、滅茶苦茶退屈なのだ。これが普通にタイムを競う類の特訓なら、呼吸のタイミングとかフォームとか意識すべき点は沢山ある。けど今は歩いているだけなので……うん……ね?
『こら、そんなことを言うものではありませんよ』
「すみませーん、けど本当に退屈なんですよ。考えることも少ないですし」 - 101カラレスミラージュの人22/10/10(月) 18:48:50
思わず漏れていた声を咎めるトレーナーさん。けどその声音に、怒っていたり呆れていたりといった気配は含まれていない。多分彼自身も自覚しているんだろう。だから。
『であれば、泳ぎながら相談でもしましょうか』
「いいですね! けど、一体何を相談するんです?」
少しでも気を紛らわそうとしてくれたんだろうか。けれど、話す内容が全然ピンと来ない。皐月賞の反省は前に少し行っているし、重要な点はリハビリ明けにもう一回伝えると聞いていた。それをこのタイミングっていうのは考えにくい、じゃあ何か聞くことあったっけ?
『「私の足は正しく付いているか」……貴方があの日見たものについて、聞いていませんでしたから』
「ッ……」
思い出した。問題の最終直線、あの瞬間に起こった出来事について。朦朧とした状況で譫言を呟いてはいたらしいが、素面の状態であの話を持ち出されることは今まで無かった。
『もし嫌であれば強要はしませんが、診察の第一歩は相談から。言葉で表現しにくい不定愁訴にも、疾病解消のヒントは含まれていますからね』
普段悪態を吐いてくる相手とは思えないくらい、優しく私に話しかけるトレーナーさん。もしかして患者さんの前ではこんな感じだったのかなと思いながら。
「……分からない」
『はい?』
「本当に自分でもよく分からないんですよ、あの時のこと。話すとなってもめっちゃ支離滅裂になるんじゃないかと」
『それで構いません。まずは聞かせてください』
私の心配もバッサリ切り捨てられ、先を促される。そこまで言うなら仕方ないと、水音を立てながら一つ一つ記憶を辿っていく。
最終直線、ラストスパートを掛けて前方の3人を追い抜こうとする。突如、3人から“とても気に障る”圧を感じ、次の瞬間には悠然と加速していた。思わず諦めそうになったが、こなくそーと内心で悪態を吐いて食い下がろうとした。そうして足を踏み込んだ瞬間……“右足が暗闇に沈んだ”。
急いで足を持ち上げようとしても、全く抜け出せる気配はなく。それどころか、下は地面のはずなのに、“ずぶずぶと全身が沈んでいく”。なんなら、泥沼に足を突っ込んだ時のような、耳に残る粘性音さえ記憶している。
最終的にレース場を割く歓声で意識は戻ってきたが、右足だけは依然沈んだまま。移動中もライブ中も例外ではなく、最後に眠りへ落ちたその瞬間まで……私の足は、其処に無かった。 - 102カラレスミラージュの人22/10/10(月) 18:49:16
『なるほど……』
「意味分からないですよね、私自身がそうなので……」
放った返答は、あまりにも投げやりに空気中へ溶けて行って。うん、我ながらやっぱり意味不明過ぎる。やっぱり思いっ切り足に力込めてバキ折ったせいで脳内麻薬にラリったんじゃないかなーなんて。
『気に障る重圧……もしかして……』
だというのに、トレーナーさんは私のこんな与太話を聞いてから、何かを考え込んでブツブツ言い続けている。私専属の“かかりつけ医さん”は、どうも患者の申告に思い当たる節があるみたいで。
突如、プールの静寂を切り裂く電子音。トレーナーの携帯から鳴っているそれは、貸出時間が残り僅かであることを示していた。
『……時間ですね、とりあえず上がって着替えてください』
「……はい!」
ひとまず片付けから、ここで時間超過して今後に差し障るとか色々と損だからね! パパッとシャワー浴びてパパッと着替えてササッと退出! どうせトレーナーさん以外に会わないだろうし、髪型とかも適当でいいでしょ!
「……もう少しどうにかならなかったんですか?」
前言撤回、ダメらしい。
「あはは……それで、何か心当たりでもあったんですか?」
とりあえず話題を逸らしがてら、さっきの違和感を尋ねてみると、ハッとした様子で手を叩いた。
「えぇ、とは言っても確信では無いですが……とりあえず、リハビリ時以外のトレーニングを変更しようと思いまして」
「ふむふむ」
「当初は歴代の追込ウマ娘を中心に、古今東西様々な戦術を勉強してもらおうと思っていたのですが……下手に座学を絡めるより、実際のレース映像を見る方がミラージュさんには勉強になるでしょう」
……暗に“座学だけじゃ理解できないバカ”って言われてない? 否定しにくいけど!
「なので今晩にでも動画ファイルを送りますが……さっき話していた『とても気に障る圧』があったら教えて下さい。動画越しなので分かりにくいとは思いますが」
「……分かりました!」
ここで言いたいことが分かった。再現性……あの幻覚の引き金が、何処にあるのかと言うこと。それを見るための手段なんだと。
「いい返事ですね。それでは一緒にもう一つ……」
そう言いながら、トレーナーさんが取り出したのは2枚のチケット。光沢のある紙の表面には、“東京レース場”と記載があって。
「5月末、ちょっとした『運』試しをしてみませんか?」 - 103カラレスミラージュの人22/10/10(月) 18:49:34
クラシック級限定レース・GⅠ第2戦、日本ダービー或いは東京優駿。東京レース場・芝2400mを舞台とするこのレースは、皐月賞、菊花賞と比べても頭一つ抜けた格を持つ。この一戦のために故障や引退の可能性すら見据えて仕上げてくる辺り、関係者の思い入れというものは凄まじい。『最も運のあるウマ娘が勝つ』と謳われる本レースは、欠けが発生した17人で実施される。
「というわけで、改めて今日の予想を振り返っておきましょうか」
「はい!」
『運良く』ゴール板の前の座席を取れた私達は、適度に水分を取りながら膝の上でノートを広げる。情報収集に来ていたことがバレないよう、変装もばっちりキメて。伊達メガネが思ったよりしっくり来たのが意外だったな。トレーナーのお下がりって聞いた時は色々と驚いたけど。
それで出走者の話だ。正直皐月賞の結果も今一度振り返っておきたかったしね。リハビリ中にも聞いたけど、あまりにも実感無かったし。
「1番人気、7枠13番ミツバエリンジウム。言うまでも無く無敗の皐月賞ウマ娘ですね。同じ先行スタイルを取りながら、他の2人に1/2バ身差を付けて押し切った姿に期待が集まっています」
「ミツバさんにとって2400は微妙に長いんじゃないかなって思うんですけど」
「それは今日次第でしょうね。それで2番人気は3枠6番ヘルツマタドール、前走3着。他2人と違ってリステッドからの参加でしたが、決して見劣りすることなく2着にクビ差まで迫った実績が考慮されたのでしょう」
「クラシック戦線の初重賞がGⅠでしたからね、すごく……すごかったです!」
「語彙力無くしていますよ。そして最後が3番人気、8枠17番ガーネットスクエアは前走2着。これに関しては……大外でなければ2番人気もあり得たと思うのですが」
「誰が指摘するまでもなく、外枠不利なレースですからねコレ……」
一つ一つの要素を拾い上げながら、準備を整えていく出走ウマ娘を脇に見る。今名前を上げた3人は、それこそ皐月賞で輝かしいデッドヒートを魅せてくれたということで、前評判も最高潮。さっきもチラッとインタビューを聞いたけど、
『前は惜しかったけど、今度こそ出来る限りの最善は尽くすよ。不甲斐ないところはもう、ね』
『以前と同様、全身全霊で勝ってみせます。トレーナー様のためにも、皆様のためにも』
『勝つ!』 - 104カラレスミラージュの人22/10/10(月) 18:49:57
3人が3人とも、しっかり自分の勝利に向けてコンディションを整えていた。……けど、何か違和感があったような……
「っと、いけないいけない! それでトレーナーさん、実際今日のレースってどうなると思います?」
私の勘なんてそうそう当たりはしない、それよりデータと分析に裏打ちされた推量の方が重要だ。まあ自分が出走しないのもあって、リハビリに専念していたから丸投げになっちゃってるけど。
「脚質は前から数えて2-4-7-4。前走同様にスティールドラムとハオウコラールが牽引する形にはなるでしょうが……中山と違って、コーナーが上り坂にならない分抑えられる体力消費がどう響くか」
「ふむふむ」
「いずれにせよ、前走と違って周囲も先行集団、というか3人の中に入るのは嫌うでしょう。500mにも及ぶ最終直線で、後方からのもしやがあるかもしれない……すみません、中山はホープフルSと皐月賞でガッツリ見ていたんですが東京レース場はまた勉強しておきます」
あっ、これ「お前も一緒な?」のパターンだ。いや東京2400m、ダービーは無理だったけど将来的に走る機会あるかもだしね。理解できるかは別として、勉強することは嫌いじゃないし。
「あ、そろそろ出走ですよ!」
そんなことを話していたらちょうど良いタイミング。場内にはファンファーレが響き渡り、いよいよ栄光を懸けた一戦が始まる。
【すべてのウマ娘が目指す頂点、日本ダービー! 歴史に蹄跡を残すのは誰だ!】
……はっきり言って。「こうなってしまった」ことを悔やんだ日は、一度や二度ではない。けれど、その原因が全て私にあるのだとしたら。それは甘んじて受け入れる必要がある。
今の私が為すべきことは、ただ一つ。この勝敗の行く末を、目に焼き付けること、ただそれだけ。
【ゲートイン完了、出走の準備が整いました】
【今スタートが切られました!】
ゲートの音と共に、最高潮に達した会場の熱気が──
【各ウマ娘、揃って綺麗なスタートを……おおっと!? これはなんということか!?】
「なっ……おかしいだろ!?」
「これ一体どういうこと……!?」
──一瞬にして、驚愕の絶叫と悲鳴で塗り潰された。 - 105カラレスミラージュの人22/10/10(月) 18:50:13
【先頭を行くのは……ガーネットスクエア!? ガーネットスクエアです9枠17番! 逃げ表明の2人を置いて、4バ身5バ身とグングン差を広げていきます!】
過去5戦全てで模範的な先行押し切りを見せていた、ガーネットスクエアによる大逃げ。本人を除く誰にも予想できない状況から、レースの幕が切られた。
「いや、よりによって逃げ馬が勝ってないダービーのしかも大外枠から逃げ打たせるか普通!? ……スクエアのトレーナーの顔色は他2人と比べても変わってない、なら計画済みか!」
「というかトレーナーさん! 良く見たらヘルツちゃんの場所もおかしい! あれ明らかに後方集団!」
「はぁ!? ……本気(ガチ)か、いや違いない! 身内同士で心理戦おっ始めてんじゃねえよ!」
あまりの状況に素の顔が見えているトレーナーさんを宥める余裕もないまま、淀みなく……いや明らかに淀みまくってるレースを見る。全く余裕のない顔で逃げ続けるスクエアちゃん、前方を見据えて愕然としているミツバちゃんとヘルツちゃん……
周囲のウマ娘にも困惑と動揺が広がり、およそまともな状況ではないまま序盤の直線とコーナーを抜け。1000m通過56秒9なんて正気とは思えないアナウンスが流れた。
さて。……こんな状況を仮面被ったまま理解するなんて不可能だ、一度落ち着こう。思考を整理する。
前走の皐月賞、例の3人は全員が先行脚質で勝負に出ていた。普段の練習風景から見ても、それが彼女達にとってのスタンダードだって周りから思われていたし、きっと互いにもそう思っていたはず。大体の位置取りは前からミツバ-ヘルツ-スクエアが相対的に最後方。
レース場への適性こそあれど、この前提は崩れないと思われていた。故にこその、先行4。この3人が固まった時に何が起こるかは、他ならぬ私が一番良く知っているし。
翻って今回は、ヘルツが差しに移行し、何を血迷ったかスクエアが大逃げに打って出た。この時点で0-2-4-7-4と想定されていた展開は1-2-2-8-4に大きくズレ込む。まして先頭は前走2着、掲示板から溢れた逃げ2人とは危険度が違い過ぎる。それを不意打ちで行ってしまえば、一体誰が止められるというのか。
本当にこれを狙ってのことなら……ん?
『前は惜しかったけど、今度こそ出来る限りの最善は尽くすよ。不甲斐ないところはもう、ね』 - 106カラレスミラージュの人22/10/10(月) 18:51:11
【ガーネットスクエア、差はここまでで8バ身! 彼女のスタミナが続くか、後方が意地を見せるか!?】
「分かった、違和感の正体……」
感情が篭り過ぎて聞き取りにくいとすら思える実況の裏で、私の記憶に一枚のピースが嵌まる。出来る限りの最善は尽くす、確かに誰が聞いても違和感のない抱負だ。けれど。
「その『最善』が『今まで通り』なんて、一言も言っていない……!」
〜〜
『メイクデビュー勝って、華々しくトゥインクルシリーズに殴り込むまでは一回離れよう。トレーナー共々、中央で成長した姿で互いに再会しようって』
ウマ娘もトレーナーも元々交流がある同士、ジュニア級までは個々でやっていたらしいけど、クラシック入りに合わせて練習は時々一緒にしているらしい。
〜〜
過去の記憶を掘り返す。この時はあくまで、強豪3人が容易く手を組める環境の方に意識が向いていたけれど、考えてみれば。互いのトレーニング状況を知る機会が、半年以上減っていたことも意味している。だったらこの間に、何があったとしても……「自分以外が知る由」は無い!
【さあ最終直線も残り200m! 後ろから追い上げてくるのはやはりミツバエリンジウムとヘルツマタドール!】
【しかしガーネットスクエアも負けていない! ペースは落ちているが依然として3バ身を残している!】
【さあ逃げ切ってみせるのか差し切られるのか! 残り100m!】
あろうことか、大逃げウマ娘がこんな局面まで勝ちの目を見ているという異常事態。あわや世紀の一瞬を見られるか。熱狂するレース場の中で、多分私だけが、冷ややかにこの状況を見つめていた。だって。
「……勝った」
蓋を開けてみれば、このレースは緻密に綿密に組み上げられた独演劇だ。大外枠を引いたのは彼女にとって不幸だっただろうが、それすらもブラフに使って引っ掻き回した2分間。
16人いる他出走者の中で、この作戦が正しい意味で突き刺さったのは2人だけ。何せ下手すれば1年以上前からの準備だ。それがここまで露呈しなかったというなら。或いは、それを隠し切れたことが「幸運」だと言うのなら。
【ガーネットスクエア、今1着でゴールイン!】
【過去十数年以上に渡り現れなかった逃げ切りダービーウマ娘! 8枠17番、ガーネットスクエアが絢爛なる蹄跡を刻み付けていきました!】
……これで勝てずして、誰が勝つというのか。 - 107カラレスミラージュの人22/10/10(月) 18:51:29
『光の速さで駆け抜ける衝動は』
『何を犠牲にしても、叶えたい強さの覚悟!』
皐月賞に引き続いての1着から3着独占、無敗皐月賞ウマ娘の陥落に逃げ切りダービーウマ娘の誕生……記憶と記録に灼け付くほど刻み込まれた熱狂は、会場を歓喜の渦に包み込んでいた。水色と黄色の灯に支えられ、空間が赤い光に満ちる。散りばめられた仮初の模造石も、大量の光を浴びて本物さながらに輝いているように見える。
winning the soul、クラシックレースの勝者のみが歌唱を許されるライブ曲。レースの時から人々の目を捉えて離さなかった彼女は、今高らかに舞台の中心でその栄誉を歌い上げた。
観客席から見るライブというのは、ステージ側から見るそれと当然違った印象を与える。順当に行っていれば「観客として」見る機会の存在しなかったこのライブに対し……感慨よりも先に、無用な思考ばかりがぐるぐると脳内を占めていた。
「はぁ……」
仮に私が18人目として出走していたとして、あの爆逃げを止めることが出来た? 当然無理だ、何せ前方脚質の2人──ヘルツマタドールは差し切り体勢に移行していたけど──ですら最後の最後に食い下がるのが精一杯だったのだ。前もって把握しておけば対応できた面があったにせよ、私が冷静だったとしても周囲はそうじゃない。そもそも私の実力で、気付いていたところで役に立ったというのか?
「はぁっ……はぁっ……」
ぐちゃぐちゃに狂い狂った集団を躱しながら喰らい付けるか、かなり自信がない。勝負は始まる前から決まっていた? だとしてもヒントはあった、なら普段からもっと相手のことを観察しておけという話? そうだとして相手を外していたら? 観察するべき場所が違っていたとしたら? そもそも相手にこちらの作戦や秘密が抜かれるリスクは? それ以前に──
「はぁ、はぁっ……ひゅっ……こひゅッ……かっ……」
──そんなことをする必要があるのは、私が弱い証左でしょう?
……頭と首の周りに、粘り張り付くような感触。目の前は真っ黒の筈なのに白く霞んで、少しずつ喉が締まっていく。顔が上を向く、手が首に伸びる。振り払えない、抜け出せない。
「はっ、うぐッ……げぇッ……」
水の中とは全然違う、苦しさしか感じない窒息感。口を開いても無意味、ただ思考と肉体が絡め取られ、底も知らぬままにずぶずぶと沈んでいくような── - 108カラレスミラージュの人22/10/10(月) 18:51:55
「……大丈夫。大丈夫です。ここには私と貴方しかいない。だから大丈夫。大丈夫……」
──大きな手。少し硬く張った節々から、じんわりと広がる体温。払うように、均すように、拭うように。背中を撫でる手の動きと耳元に響く声に、少しずつ意識が浮上していく。
目の前に広がる景色は、すっかり照明の大多数が落とされて薄暗くなったライブ会場。言葉通り周囲に人の気配はなく、ただ痛いほどの静寂が周囲を支配していた。
「撤収が始まっても一向に動く素振りがありませんでしたからね。もしやと思って人払いを頼んでいましたが……何がありました?」
ライブの前くらいから平静さを取り戻していたトレーナーさん、さっきまでの姿を見ていたので少し違和感がある……なんて余計なことに気付ける程度には、自分も落ち着いていることに気付いて。
「また、幻覚を見ていました……真っ黒の」
「やはり……『右足』の時と、同じ?」
「はい……あれ、『やはり』って……?」
前と違って今度は2度目。トレーナーさんもすんなりと受け入れてくれて話が早い。それよりも気になったのが、今「私が幻覚を見ていたことを知っていた」ような反応が見えたんだけど……
「……それは帰ってから落ち着いて話しますが。ミラージュさん、恐らく幻覚の正体が分かりました」
「えっ……!? 本当ですか!?」
あまりにも予想だにしなかった発言。先月からずっと頭を悩ませていた難題、思わず前のめりになる。けれどトレーナーさんは、お世辞にも嬉しそうな顔には見えず、それどころか苦悶とさえ言っていいような表情を浮かべているような。
「ミラージュさん……カラレスミラージュ。念のため、私の質問に『正直に』……『正直に』答えてください」
「……? はい……?」
何か、重大な余命宣告を下すかのような。物々しい雰囲気でトレーナーさんに念を押される。いつの間にか肩に乗せられていた手には、指の痕がくっきり残りそうなほど力が篭っていて。
2秒、3秒、4秒……ついに決心が付いたのか、彼は改めて口を開いた。その内容は──
「今日のレース観戦中と、皐月賞の日のレース走行中……██に██が████いた瞬間がありましたか?」
「────『はい、その通りです』」 - 109カラレスミラージュの人22/10/10(月) 18:53:06
以上です! よく見たら上でリンク貼るの忘れてました(ウソでしょ……)
というわけで本編第5話と幕間第5話“英雄譚から身を置いて”、共々によろしくお願いします……!
無彩の少女、虚飾の果て - uma-musumeになりたい部 @ ウィキ【8/25更新】▽タグ一覧 SS カラレスミラージュ Repetition does not transform a lie into a truth. —Franklin Delano Roosevelt 概要 カ...w.atwiki.jp - 110ライジョウドウの中の人22/10/10(月) 19:20:48
- 111ツキノミフネの背後霊22/10/10(月) 19:23:32
今日はSS祭りだ! 嬉しいです! 名作揃いだ! ヤッホイ!
ダンスローバストさんの物語は本当にもう美しくて……これぞウマ娘! って感じですね! 語彙力がなくて申し訳ないのですが! 続きを楽しみにしております!
ミラージュさんはもうすごくて……ミラージュさん自身がレースをしていないのにこんなに読ませる物語を書けるなんて、技量の高さとミラージュさんのキャラクター造形の上手さに舌を巻きます
菊花賞がどうなるのか、わくわくでお待ちしておりますね! - 112キタサンアイドルの人22/10/10(月) 19:27:55
カオレスミラージュちゃん…おつらい…
- 113二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 19:35:18
ライジョウドウの目の前でフラワリングタイムにクソ記者をけしかけてやるぜぐへへへ…
- 114ライジョウドウの中の人22/10/10(月) 19:38:19
エノラちゃんは連勝するほど視界が白くなる肉体症状悪化する。
ミラちゃんは不調になるほど視界が黒くなる精神症状悪化する。
美しい対比関係だなあ。
オタクはこういう対比構造コンビすきだろ?かげんしろばか。
ボンバイエ流しながら記者さん向かってダイブするかもしれない。
- 115二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 19:47:16
フラワリングタイムが左耳に青い花でライジョウドウが右耳に赤い花になってるのと
靴下の装飾が首飾りのダイヤ型の宝石とそっくりになってる - 116メジロエスキーの人22/10/10(月) 20:01:08
仲間を出し抜くトリッキーさ、それを本番まで見られないよう、悟られないよう親友相手にすら隠し通した強かさ、しかもそれをほぼぶっつけ本番でやってのけ勝ってみせた実力の高さ、どれを取ってもお見事。まずは勝者に祝福と称賛を
それに対して傍観者たるミラちゃんとトレーナーは何かを掴めそうな気配。果たしてこれが夏、そして秋に向けてどう繋がっていくのか非常に興味深い。今後の展開が楽しみですね - 117二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 20:01:24
- 118メジロエスキーの人22/10/10(月) 20:01:43
……なんか混じってない?
- 119ライジョウドウの中の人22/10/10(月) 20:07:38
スレさかのぼっていたらアイちゃんカジッちゃんの姪っ子だったんですね。(エスキーの従姉妹の娘でもある)
クアちゃんと二頭で、近親来ない部を作って虎視眈々と勢力拡大を図る。 - 120ライジョウドウの中の人22/10/10(月) 20:17:55
- 121ヨゾラギャウサルのうまそうる22/10/10(月) 20:21:45
2着入線しましたわ!
- 122二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 20:26:02
ウイポやってるとイェーツとかストラディバリウスみたいなステイヤー憧れるよねわかる
- 123メジロエスキーの人22/10/10(月) 20:29:53
アスコットは走れるけどその距離はちょっと……ある程度準備期間をもらえればあるいはって感じ
- 124キタサンアイドルの人22/10/10(月) 20:45:13
- 125ライトニングホラーの中身22/10/10(月) 20:49:40
キングジョージは行けたけどその距離は未知数すぎる
- 126ツキノミフネの背後霊22/10/10(月) 21:02:46
- 127ヨゾラギャウサルのうまそうる22/10/10(月) 21:07:17
未来血統に近親なんて来るわけ無いやん()
- 128二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 21:11:01
クインちゃんは血統の3/4が変則的にデアリングタクトと同血なので実質近親
エピカメサンデーやる人がいるなら多分近親になる - 129二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 21:27:15
意外と近親少ない気がするバラカ
しかし中の人が血統詳しくないから気づいていないだけかもしれない―― - 130メジロエスキーの人22/10/10(月) 21:27:43
一応未来血統だけど牝系は既存の馬たちだからいることはいるな。それこそエスキーだったらスノーフォールとか
- 131ライジョウドウの中の人22/10/10(月) 21:57:17
- 132ラプラスの中身22/10/10(月) 22:05:32
ラブリーデイやボッケリーニ、ユーキャンスマイルとかと3/4同血、大叔母にはオークス馬エリンコードがおります
- 133フラリンの人22/10/10(月) 22:16:53
あれ……もしかしてライジョウドウも結構フラリンに対して重い……?(喜びの顔)
- 134二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 22:36:50
なんだこのボバーが作ったような致命のダメージジーンズ
- 135二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 22:42:20
トレーナーへの罰ゲームやめろ
- 136二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 22:49:55
たくわんを光らされ
取り返しのつかないダメージジーンズ履かされるボバトレ - 137二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 22:54:59
まだ放送できるレベルなのでお咎めなし
- 138一般通過ウマ娘22/10/10(月) 22:55:56
- 139二次元好きの匿名さん22/10/10(月) 23:12:23
キミも此方側なのでは?
- 140二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 00:37:26
ボバーは革ジャン着てるって本人言ってたけどオネエトレ(ライジョウドウ)に彼奴に似合いそうなコーデとかお聞きしたいっス
- 141二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 04:18:02
おはよう。うちのウイポで活躍した競走馬でちょっと妄想してみたよ
名前:トリアンクラリス
身長:154cm
体重:微減
誕生日:4月21日
スリーサイズ:77-55-79
学年:中等部
所属:栗東
得意なこと:柔軟運動、早押しクイズ
苦手なこと:一人になること、工事の音
サトノダイヤモンドと同世代。無敗でトリプルティアラを達成するが香港カップと(最強馬決定戦指名中の)香港ヴァーズを間違えて11着と初の大敗を喫してしまう。
その後ヴィクトリアマイル連覇、香港カップ制覇でG1八勝を挙げラストランにジャパンカップを選ぶも調整ミス(心肺強化未使用)で7着。
キタちゃんにクソデカ矢印を向けられてるからダイヤちゃんに無自覚にライバル視されている。
競走馬情報
父:レインフォール(サイレンススズカ×キャンペンガール)
母:テンマアスコット(ダンシングブレーブ×ファインモーション)
性別:♀
毛色:栗毛
脚質:自在差し
気性:普通
性格:臆病
距離適性:1400〜2200
特性:直一気、強心臓、大舞台
戦績:18戦12勝
主な勝ち鞍:牝馬G1完全制覇、ヴィクトリアマイル2連覇、香港カップ
ライバル(史実馬のみ)
キタサンブラック:0勝4敗、アドマイヤリード:6勝0敗
関係性(史実馬のみ)
キタサンブラック→恋仲、アドマイヤリード→仲良し、(調教パートナー)マカヒキ→仲良し - 142ツキノミフネの背後霊22/10/11(火) 07:19:14
し、新人さんだーー!!!
囲め囲め〜!!! - 143メジロエスキーの人22/10/11(火) 07:22:01
新人さんいらっしゃいませ、メジロエスキーとメジロエスキモーの中の人です
……次レスからいくつか失礼しますね - 144メジロエスキーの人22/10/11(火) 07:25:19
─────
朝ご飯も食べ終わり、着替えを済ませ、2人歩いて学園へ向かう。もちろん人通りが多くなる道までは2人手を繋いで。
「ねぇトレーナー、聞いた?」
「何をだ?」
「何って、ほら、サートゥルヌスさんのこと。菊花賞出ないんだって」
「でも彼女、次神戸新聞杯走るんじゃなかったっけ?」
「それがサートゥルヌスさん、菊花賞は距離が長いから、シニア級が相手になるけど秋の天皇賞狙うってこっそり教えてくれたの」
9月に入り、クラシック級やシニアを問わず秋の大舞台への切符を賭けた戦いが始まっている。私が出走するセントライト記念は2週間後で、サートゥルヌスさんが走る神戸新聞杯はその1週間後。同じ週にはオールカマーも控えていて、またその次の週にはクラシック級の子とシニア級の先輩たちが実質初めて激突するG1、スプリンターズSも開催される。
「そっか、彼女がどこまで走れるのか興味あったんだけどな。ダービーは何かあったみたいだし」
「あーっ! それってサートゥルヌスさんがちょっとミスっちゃったから私が勝てたってこと!?」
「違う違う、そんな膨れた顔でこっちを見るな……あれは君が強かったから勝てたんだ。あの子は関係ない」
「ふーん……それならいいんだけど。だからね、たぶん私が菊花賞1番人気なるんじゃないかーって思ってね」
「あっ、もしかして前に話したジンクスのこと気にしてるのか? ダービーと菊花賞の2冠ウマ娘はほとんどいないって話」
「……まあそんなとこ」
ダービーを勝ったすぐ後はそんなこと完全に頭から抜けていた。ただいわゆる夏の上がりウマ娘も多くなく、かつ有力候補だったサートゥルヌスさんが天皇賞へ向かうとなればダービーウマ娘の私が支持されるのは必然。まだ3000mのレースを走ったことがないのは不安だけどそれはみんなも同じ。もちろん前哨戦の結果次第でガラリと入れ替わることもあるだろうけど、余程の惨敗とならない限り1番人気に推されるだろうとは火を見るより明らかな話だった。
そんな不安がっている私を励ますようにトレーナーは空いた手で私の髪をクシャクシャっと少し乱暴気味に崩す。 - 145メジロエスキーの人22/10/11(火) 07:27:11
「そんなこと気にしなくていい。合宿である程度のスタミナは鍛えられたし、3000mの走り方についてもちゃんと勉強した。もちろん油断していい訳じゃないが自信を持って走ってこい」
「分かった、ありがと……髪崩したのはちょっとおこだけど」
「ごめんって、ほらこれで……うん、可愛い」
サッと撫でるような手つきでパパっと崩れた髪を直してくれる。その仕草も褒め方も慣れているようなのは少し癪だけど、可愛いって言ってくれたから許す、うん。
「その前にセントライト記念だから忘れないでね」
「任せとけって!」
「ほんと? ……なんて冗談。頼りにしてるからね」
夏も終わり少しずつ日射しが遠慮し始めたこの季節、日本の悲願が果たされる日ももうすぐそこまで近づいていた。
─────
『もしもしエスキモーちゃん、聞こえますか?』
「うん、聞こえてるし顔もばっちり見えてるよ」
『良かったです。日本はもう夕方なんですよね?』
「うん、トレーニング終わって今トレーナーの部屋にいるよ」
『……イチャイチャしないんですか?』
「外でする訳ないでしょ、もうっ!」
『……中ではするんですね?』
「あっ……ってそうじゃないから! からかうだけなら切るよ!?」
『ごめんなさーい、エスキモーちゃん』
こうしてLANEのビデオ通話でエスキーと話すのも何回目だろうか。エスキーとドーベルさんが年が明けてすぐにパリへ旅立ち数日経ったある日の夕暮れ時、部屋で何気なしに携帯を見ていると突然あの子の名前が画面に表示され、慌ててアプリを開くと「顔を見てお話しませんか?」とメッセージが送られてきたのを覚えている。
それからお互いのレースの終わった後とか、なんか顔が見たくなったときにメッセージを入れて通話するというのが新たに日々の習慣となっている。
- 146メジロエスキーの人22/10/11(火) 07:29:26
「それで今日はどうしたの? そっちももうすぐレースなんじゃなかった? 調子はどう?」
『調子はバッチリですっ! むしろこちらの方が走りやすいんじゃないかってぐらいっ!』
「なら問題なさそうだね。私のレースはエスキーの2日後だし体調のことも考えたら生では見れないけど応援してるからね」
『ありがとうございます、エスキモーちゃんっ! お互い頑張りましょうねっ!』
「うん、もちろん! 2人ともいい報告ができるように頑張ろうね!」
─────
その後2つ3つとりとめもないことで笑いあって通話を切ったタイミングでトレーナーが部屋に戻ってくる。
「何やら外から楽しそうな声が聞こえてきたけどエスキーと話していたのか?」
「うん、いつもと一緒で中身があんまりない話。だけどこれで気合はバッチリ入ったかな」
「週末のレース、期待してるからな」
「もちろん! 任せてよ!」
そう言ってトレーナーに向けて親指を上にグッと突き立てる。
足も軽いし気力は十分。負ける気なんて全然しない。あとはレース当日を迎えるだけ。
─────
昨日──感覚的に言えば2日前だが──の夜、またもやエスキーが海外の地で新たな偉業を達成した。
『──さあ残り200mで頭一つ抜け出したのは日本のメジロエスキー! すぐ後ろからアイルランドのドレフトゥールが追ってくる! 最後方からはもう1人の日本のウマ娘ケルトが追い込んでくるが、さらに差を広げる! リードを1バ身、2バ身近く開いたところでゴールイン! またしても日本のウマ娘が海外のビッグタイトルを獲得しました! 次はいよいよパリロンシャンをも制するか!』
─────
その翌日の朝、レース結果を確認しようと携帯を見ると、日本時間での深夜から朝方までメッセージが大量に届いていた。誰が送ってきたのかは見なくても分かる。
- 147メジロエスキーの人22/10/11(火) 07:31:15
『エスキモーちゃん、寝ちゃってますか?』
『実はわたしまた勝っちゃいましたっ! ぶいっ!』
『ケルトさんとも仲良くなれましたっ! ケルトさん、ずっと海外転戦してるのですっごく外国語得意なんですよっ! 今度一緒にご飯行こうねって約束しちゃいましたっ!』
『起きたらまたメッセージくださいね。わたしは姉さまから早く寝なさいって言われちゃったので、返事できるのそっちの夕方になっちゃうかもですけど……』
『お返事、待ってますね? おやすみなさい、エスキモーちゃん』
文字を目で追いかけているだけで伝わる勝利の喜びと新しい友達ができた嬉しさ。そして少し浮かれていても相手をしっかりと気遣える優しさ。
「それでこんなに強いんだもんね……凄いな……私も見習わないと」
改めて明日のレースに向けて気を引き締めてベッドから起き上がる。レース直前な私を気遣って自分のベッドでこっそりと夜ふかしをしてエスキーのレースを見てくれていたカジっちゃん先輩はもう少し寝かしておいてあげて、私は静かに朝の支度と早朝のトレーニングに向かうのであった。
- 148メジロエスキーの人22/10/11(火) 07:32:06
- 149二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 12:28:24
チィッ なんだってウマ娘ワールドでも有力馬が秋天に流れるんだよヒュンカッカッ
- 150二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 17:51:26
落ち着いて聞いてくださいね。
三冠王手でもない限りケガのリスク高い菊花賞なんて止めとけ止めとけ案件じゃないですか
オーソクレース(去年2着)もディヴァインラヴ(同3着)も既に引退したし、ステラヴェローチェ(同4着)も未だ次走未定なんですよ。
タイトルホルダーはめっちゃピンピンしてるけど
- 151二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 17:56:14
菊花賞の故障率が高いソースはどこにも無いんだ
悔しいだろうが仕方ないんだ - 152カラレスミラージュの人22/10/11(火) 19:25:35
日本の四季は冬夏夏冬(妄言)
部屋に泊まれなくなってもイチャイチャは止まらない、まあ自明
ここまでGⅠ戦線を3連戦していたサーさんと道を違える時、適正に従って挑むのが順当とはいえ少しばかり寂しい
というかこう見ると8月9月で大分違うな……夏競馬がわざわざ夏競馬って括りにされるのも納得
2冠ジンクス(ですので)、正直メジロ家のダービージンクスが粉微塵に粉砕されている時点でそれほど心配でもない
というか菊花賞3000mは何度見ても長いと思うんですけど(個人の感想)、まあサーさんエスキモーさんでクラシックディスタンス最強格を争っていた以上片割れが抜ければそうなるよねとは
髪をクシャクシャにされても「おこ」までで許せるのは砂糖、しっかり直してあげるところまで含めて甘い甘い
久々に登場した気がするエスキーさん、冷静に考えると時差のギャップがすごそう
>『調子はバッチリですっ! むしろこちらの方が走りやすいんじゃないかってぐらいっ!』
素直に恐怖を感じた(つよすぎてつよい)
戦う場所は違っても向かう先は同じ、互いに応援し合える間柄が尊い
そして前作で語られた後とはいえ、偉業も偉業をあっさりナレ処理させるえげつなさに笑う
レース結果がどうこうじゃなくて他の娘がどうだの何だのをメッセするの、負ける可能性を微塵も考えていなかった自信の表れがみえる
それを見て気を引き締めるエスキモーさん、実に好循環
ちゃんとカジッちゃん先輩への心遣いも忘れない委員長の鑑
夏は消し飛び迎えた秋、新たな道に進むライバルともう一つの冠を目指す主人公……
明日も楽しみです!
- 153ダンスローバストの中の人22/10/11(火) 19:26:55
SS投げまーす
ちょっと短めですが - 154ダンスローバストの中の人22/10/11(火) 19:36:21
【育成開始 ダンスローバスト登場!】
トゥインクルシリーズへの挑戦に向け、ダンスローバストととの本格的なトレーニングの日々が始まった。
「やあ〜〜〜〜っっ!!」
スプリント適性の高いダンスローバスト。短距離を走らせてみればその実力は明らかで____。
「トレーナーさん!どうでしたか?出せるだけのスピードを使って走ったのですが…。」
「良い走りだったよ。」
今後、集中してスプリンターとしての能力を伸ばしていけば、間違いなくスプリント路線でトップレベルを目指せるだろう。だが_____。
「次はスタミナトレーニング、行って来ても良いですか?それと、バテない為にタイヤ引きも…!
自分の『物語』を作るために適性が合わないクラシックディスタンスの距離に憧れを抱き、自分の物語を作っていく彼女を、どうサポートしていくかが鍵になりそうだ。
「ローバスト、この後なんだけれど…。」
「よしっ…!1800m走り込み、今はラップタイムを意識して…!」
「…あっ、ごめんなさい。少し走り込もうと思っていて。恐らく、初日だから基礎練と今の実力を確認しておきたかっただけ…。ですよね?」
「まあ…。」
「では、走って来ますね。自分の体内時計が出来上がっている自信がしないので…計測、お願いしても良いですか?」
ストップウォッチを渡すとすぐさまスタートを切って行ってしまった。本当は今後の方針についての打ち合わせもしたかったのだが……真剣な眼差しでターフの先を見つめながら走るダンスローバストの姿を見て、その日は飲み込んだ。 - 155ダンスローバストの中の人22/10/11(火) 19:37:29
というわけで後日。『話がしたい』と、改めて言いダンスローバストを呼び出した。
「こんにちは、お話とは…。何でしょうか?」
「ローバストの目標を聞かせてほしい。」
「もちろん、トレーナーさんたち、同期のウマ娘……いえ、私に関わるすべての方々と『物語』を作ることです。それも、とても素敵な物語を…!」
「レ、レースは…?」
「レースの目標、ですか…。そう言えば、しっかりとはこのレースを勝ちたいとは思ったことはありませんね。…そうですね、目標とするレースを挙げるとするならば_____。」
「日本ダービー、です。」
「日本ダービー…?!」
____『皐月賞』『日本ダービー』『菊花賞』。クラシック三冠の一角のレース、日本ダービー……。その中でも、多くのURA関係者、ファンが想いを寄せ、世代の頂点を決める日本のレース界隈でも最高峰のレースが日本ダービーだ。
『日本ダービー』は2400m。スプリンターの彼女にとってはかなり厳しい道だ。
しかし、そのことを伝えると_____。 - 156ダンスローバストの中の人22/10/11(火) 19:38:02
「とりあえず、どれだけ距離を伸ばせるか試してみましょう。」
「まだ私のトレーニングは始まったばかりです、方向性を決めるのは早いかと。」
「…そう。1200mから1400mはバッチリだから、少し長い1600mを走ってみようか。クリアして行ったらそこから1800m、2000mと距離を伸ばして行くことになるけれども、良い?」
「はい、素敵な物語の為には、どんなことでも挑んで見せます。」
「…物語を作る為には、山場が必要です。その山場を作るためには、どうせなら頂を目指すのが良いかと。そう思いませんか、トレーナーさん?」
彼女に目指したい夢があるのなら、トレーナーとして、彼女のダンスパートナーとして支えて行くほかない。
「うん、ひとまず様子を見よう。」
「分かりました。私、トレーナーさんのダンスパートナーとして、頑張りますね。」
やる気に満ちている様子のダンスローバスト。このトゥインクルシリーズで『物語』のために多くのレースに挑む。だが、しっかりと彼女に合った、彼女自身が望むレースを走っていかなければならない。ダンスパートナーとして、トレーナーとして、相応しい選択をして行こう。 - 157ダンスローバストの中の人22/10/11(火) 19:38:43
【デビュー戦に向けて】
いよいよダンスローバストとメイクデビュー。やはり最初は緊張しているだろうと、声をかけようとすると…。
「そのウマ娘は誰よりも速くお城の庭を走って行きました。それを見た王子様は一緒にガゼボでお話ししよう、とウマ娘の手を取り、星空の下で隣に座って話しました。」
「楽しい時間を過ごしている内に、12時の鐘が鳴ってしまいました。それを聞いたウマ娘は、あわててお城の階段を降りて行きました。しかし、途中で靴のガラスの蹄鉄が外れてしまいました。拾おうとしましたが、王子様が追いかけて来ているのを見て泣く泣くガラスの蹄鉄を残し、家に帰りました。」
「ある日、城の使いが家を訪ねて来ました。城の使いは、ガラスの蹄鉄を手がかりに、王子様が惚れた女性を探していました。ウマ娘が落としたガラスの蹄鉄は、姉2人も含めて、そのウマ娘以外の靴のサイズには合いませんでした。そして、とうとうウマ娘の番です。恐る恐るあの夜に履いた靴に打ち付けてみると、ぴったりサイズが合いました。」
「『おお、貴方こそ私のお姫様だ。結婚してください!』ウマ娘は照れながら言いました。『ええ、喜んで。』ウマ娘は王子様と結婚してお妃様となり、幸せに暮らしたのでした。めでたし、めでたし…。」
「…ふふっ、いつ読んでも素敵なお話です。」
「…緊張してる?」
「あ、トレーナーさん…。勿論です。だってここから、私たちの物語が始まるんですから。」 - 158ダンスローバストの中の人22/10/11(火) 19:39:52
小さな絵本を手に持つダンスローバスト。確かに緊張している……恐らく落ち着く為に絵本を持って来たのだろう。少し手が小刻みに震えている。
「時間、ですかね。それじゃあ…。」
「行ってきます。素敵な物語の序章の始まりに相応しい走りをしてきますね!」
〜🕔〜
スタンドでひたすら彼女の無事、そして実力が発揮できることを祈って、メイクデビューのことを考えているとすぐにレースは始まった。
(…もう終盤間近、仕掛けどころを見極めれば…!)
スタートダッシュを綺麗に決め、3番手、4番手の好位置に付けて。ハナに立っているウマ娘が400のハロン棒を通過すると、しなやかにダンスローバストは加速して行った。
(このまま、先頭に立って突き放す!!)
逃げウマ娘を交わして先頭に立ち、並んだのはほんの一瞬だった。みるみる差を付けて行き、ゴール板を通過した。
結果、2着に3馬身差半を付けて勝利。1600mでこの着差、スプリント界隈の新星として名が広まった。しかし、物語の行く先は決まっている。ただただ、遠くから見えた彼女の輝いた表情を見て、幕開けにしては豪華すぎる展開だ、と思い控室に戻って行った。 - 159ダンスローバストの中の人22/10/11(火) 19:43:02
【デビュー戦の後に・はじまり、はじまり】
ダンスローバストは、無事デビュー戦を勝利した。
「…トレーナーさん!私、勝ちましたよっ!!
「上出来だったよ、ローバスト!」
「私たちの物語が、始まりましたね…!ようやく、ようやく!!」
レース前と比べて顔つきが随分落ち着いている。よっぽど緊張していたんだろう。
「…けれども、ここからが物語の展開が左右されます。トレーナーさん、私は物語の主役になりたい。だからこそ、強気でクラシックに挑んでいきましょう!」
「トレーナーさん、私が次に狙うレース、分かりますか?」
次に狙うレース…。スタミナトレーニングが順調に行ったとして、200mほど距離を延長したレースに挑戦するか、もう一度実力を確認する為、再びマイルレースに出走するか…。
「____1400m?」
「このレースより短いじゃないですか。中距離路線よりも、スプリント路線に行く展開になってしまいますよ。」
「____1600m?」
「同じ距離、悪くはありません。けれども、物語としては少し展開に味気がありません。」
「もしかして、1800m?」
「…そうです!距離を伸ばしたレースへの挑戦を重ねれば、中距離へ挑む展開のお話になります。1800m…、距離を延長したレースに挑みたいです!」
「それで…、ジュニア級で1800mのレース、出来るだけグレードの高いレースはありますか?」
「『東京スポーツ杯ジュニアステークス』だね。」 - 160ダンスローバストの中の人22/10/11(火) 19:43:58
ジュニア級G1への滑走路となりやすいマイルG3。デビューが早ければ札幌ジュニアステークスにも出走できたのだが…。たらればは禁止だ。直近のレースで言えば、東京スポーツ杯ジュニアステークスだけだろう。“府中の千八展開要らず”の通り、枠順や展開に左右されにくいコースで、実力で勝ち負けが決まりやすいレースだ。しかも、ローテーション的にここを走らなければダービーまで府中のコースを経験できなくなる、ということを伝えると____。
「なるほど。日本ダービーへ、クラシックへの繋ぎ目となり得るレースですか…。」
「分かりました。東京スポーツ杯ジュニアステークスに出ましょう。貴重な府中のコース体験が出来るのが、1番の魅力ですね。」
- [ ] 「さあ、クラシックの章にお話を繋げる為に、ジュニア級のレースを制して幸先良くしましょう。物語は、"これから"ですから!!」
ひとまず、次の目標は東京スポーツ杯ジュニアステークス。クラシックの中距離路線に向けて、彼女の物語は進もうとしていた。トレセン学園への帰り道、ローバストのゴールの瞬間が酷く輝いているように見えて、頭に焼き付いて離れなかった。 - 161ダンスローバストの中の人22/10/11(火) 19:45:57
以上です!
近日中に続き投下したいと思っています
いやークラシックの章が楽しみですね〜 - 162二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 19:55:58
祝日だった昨日と違って進行がゆっくりだねぇ
海外転戦が多いケルトのトレーナー、エイダンオブライエンみたいなイメージがついてしまった…
ところでうちで東スポ杯の人気かなり高い気がするんだけど気のせいか? - 163クアドラプルグロウ22/10/11(火) 19:56:42
み、短めとは…
クラシック楽しみにさせていただきます! - 164二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 20:02:41
新参です!お邪魔してもよろしいでしょうか?
- 165二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 20:03:10
どうぞ!
- 166クアドラプルグロウ22/10/11(火) 20:04:00
どうぞです!!!
- 167二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 20:05:24
ありがとうございます!それじゃあ、これから考えてたウマ娘ちゃんの設定を投げますね。
- 168二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 20:21:29
アラシュパーパス
(Arash purpus)
中等部 栗東寮
誕生日:4月10日
身長:160cm
体重:盗み食いにより増量?(調整中!!)
スリーサイズ:B73・W54・H80
芝A ダートG
短距離G マイルC 中距離A 長距離A
逃げG 先行A 差しA 追込G
『あたしは、アラシュパーパス!え?冷蔵庫のプリンが消えてた…?な、なんのことかな…?』
ボイス
『あたしの夢を勝ち取るために!トレーナーよろしくね!』
秘密→実はプリンよりマカロン派
父:メジロマックイーン
母:イクノディクタス
性別:♀
毛色:芦毛
エリザベス女王杯で1位になることを目指すウマ娘
普段はおとなしいらしいが、食のことになると人一倍目を輝かせ
食卓に着くとのこと...テーブルマナーは非常にいい。
日常的に、時間外の飲食をしていて、怒られた数は100以降数えてない... - 169二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 20:22:02
まだ、設定を詰めきれてないんですけど。一応こんな感じの子を考えてます。
- 170クアドラプルグロウ22/10/11(火) 20:26:36
マクイクの子だー!
よろしくお願いします! - 171クアドラプルグロウ22/10/11(火) 20:38:35
ちょろーっと3サイズをいじります
ほんのちょろっとね - 172二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 20:46:52
ひゃっはー新人だー囲めー!
エリ女を目標とは珍しいなぁ - 173アラシュパーパス22/10/11(火) 20:49:49
路線を考える時にG1の表をみて一番最初に目に止まったのがエリザベス女王杯だったので
- 174フラなんとかの人22/10/11(火) 20:58:43
ヒャッハー新人さんですわ!囲い込みますわ!よろしくお願いしますわ!最近新人さん多くて覚えられませんわー!
- 175メジロエスキーの人22/10/11(火) 21:00:50
新人さんだあ!
……多くて覚えられない…… - 176二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 21:07:39
マックちゃん族の新人さんだー
珍しく近縁(?)が出てほんのり嬉しい野生のバラカドボナール(推定ステマ配合)ですよろしく - 177ラピッドホライゾンの人22/10/11(火) 21:08:39
新人さんだー。いらっしゃいいらっしゃい
- 178ラプラスの中身22/10/11(火) 21:09:36
熱烈歓迎!
- 179キタサンアイドルの人22/10/11(火) 21:29:05
マクイク!マクイク!マクイク最高!!
しばらく諸事情でssあまり載せれなくなりますが私は忘れてもキタサンアイドルちゃんのことは忘れないでください。犯人はヤス - 180ダンスローバストの中の人22/10/11(火) 21:37:30
新人さん!!いらっしゃい!!
マクイクの子だぁ…
ドーベルみたいに憧れを越えるシナリオになりそうですね - 181ヨゾラギャウサルのうまそうる22/10/11(火) 21:38:21
(未だにドーベルで春天勝てない奴)
- 182メジロエスキーの人22/10/11(火) 21:40:41
(ドーベルで春天も有馬も勝った奴)
- 183クアドラプルグロウ22/10/11(火) 21:53:19
暇を持て余したtipsの精霊が現れましたわー!
今なら身長と3サイズを申告すればウィキのtipsに載せてきますわ! - 184アルケミー22/10/11(火) 21:56:20
気づいたら新人さんいっぱい来てる…
そしてさらに増えるマック因子継承者
マックもイクノさんも好きなのでアラシュパちゃん応援させていただきますけみ - 185レッカの構成因子22/10/11(火) 22:00:11
新人さんようこそ
最近?の入部ラッシュが凄い - 186二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 22:02:11
急激に増えすぎた人口は覚えようと思っても覚えきれないので
そのうちカーズは覚えるのをやめた(覚える努力をしろ) - 187プログレスの人22/10/11(火) 22:04:04
ごきげんよう!!!!!!ごきげんようですわ!!!!!!!
私は父マックちゃん様母ラモーヌお姉様のメジロプログレスですわ!!!!!!!同じ父マックちゃん様芦毛ウマ娘嬉しいですわ!!!!!!!!!!
- 188二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 22:05:03
ちょっと次スレで一回全員まとめて名乗ってもらっていい?
- 189二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 22:05:29
スレ建ての時間だゴルァッ!
- 190二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 22:05:58
- 191二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 22:08:13
梅酒
- 192二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 22:08:32
梅田駅
- 193二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 22:08:53
200なら何してもらおうかな
- 194二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 22:09:00
梅毒
- 195二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 22:09:25
改めて自己紹介しろ
してくれ() - 196二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 22:09:29
梅ちゃん先生
- 197二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 22:09:38
梅島
- 198二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 22:09:50
全員アフロ
- 199二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 22:09:51
問題は定着するかなんだよなぁ
- 200二次元好きの匿名さん22/10/11(火) 22:09:53
うめうま