- 1友よ、強く在れ22/10/16(日) 20:58:20
「何を言って───」
「わかるのだ」
来客を見送った後、二人だけの場で語らいがあった。
「永く、永く戦ってきた。お前と共にだ、龍淵。培った予感とも言うのだろうな、恐らくだが儂は来たるであろう動乱にて、この身を討たれるだろう」
「…! 信じ難いが、お前が言うなら信じるに値する。して、どうする? そのまま予感とやらに従い、討死することを選ぶのか?」
軍師の言葉には、期待が込められていた。それが何に対する期待なのかはわからない。
ただ分かりきっていることは、一つだけ。
「───ああ。儂は、次に託す。若き者らの礎となるなら、喜んでこの戦乱に生きた命を使い切ろう」
龍淵はこの瞬間、大いに絶望した。
彼の期待は薄氷のように砕け散った。
「何、を」
「幸いにも、後進は頼り甲斐のあるものばかりだ。外から来た客人達にも、大いに見所がある。お前の力もあれば、きっとこの先の動乱も乗り越えられる」
「何を言って…!」
「現氷水帝も、永くは無い。コスモクロアも儂も、お互い、次に託すべき時が来た。それだけなのだ…こんな話、親友のお前にしか打ち明けられなんだ」
「───ふざけたことを抜かすな承影!! 己は認めん、認めんぞ!! お前はそんな弱い男では無かったはずだ!! そのような男を友と認めた覚えはない!! 予感など、動乱などお前の剣で乗り越えろ!! そして君臨し続けるのだ、それが己の知るお前だ!!!」
友からの言葉に、大公は笑った。
「お前が友だったことは、儂の幸せの一つだったぞ」 - 2■よ、■く■■22/10/16(日) 21:00:02
- 3████?22/10/16(日) 21:00:47
───
わからぬ わからぬ わからぬ
「随分と悪趣味な姿になったなぁ。ゴルゴンダに呑まれたか? それとも死んだから再利用か。まぁ、今となってはもう何でもいいけどな」
おもいだせぬ おもいだせぬ おもいだせぬ
「…大公は腹を割ったが、お前は口を閉ざした。
役者としてはクソにも劣る。台詞がないのは黒衣だけで充分だってのに。
〝友よ、お前は覇を成す強者であれ〟なんて簡単なセリフすら言えないのは、中々滑稽だったが。
勝手に願って、それを打ち明けもせずに、勝手に裏切られた気になる…お前を味方にしなくて良かった」
おのれはなんだ ともとはなんだ
「ま、道化にもなれなかった、裏切り者にはお似合いの末路。氷水共と存分に潰しあってくれ、ここから先にお前の演目はもうない。
───俺にも、もう、時間がないもんでね。俺が導化でいられる日々も、じきに終わりだ」
うりぎりものとはなんだ?
─── - 4二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 21:03:47
この感じ好き
空回りする龍淵って人間の弱いとこ集めたみたいなとこあって好き - 5二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 21:06:07
何と言うか、全てにおいてお労しくて好き
- 6二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 21:06:11
何だいここ最近、龍淵のスレが立ってるじゃないか…
- 7二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 21:07:32
あっ終わりです!
龍淵さん腹を割って話せなかった+承影との今と先しか考えられなかった感があったから勢いで書いたやつ - 8二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 21:08:23
私は良いと思う
- 9二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 21:25:38
デスピア側があくまで駒としか見てないなすき
お労しい - 10二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 21:26:47
名前欄の芸が細かくて好き
- 11二次元好きの匿名さん22/10/17(月) 02:54:34
強くあって欲しい龍淵と次に託したい承影
友でも見据える先は違ったんやな…