- 1二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 00:58:41
- 2二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 00:59:23
「うわ~もう真っ暗。早く部屋に帰らないと……」
私スレッタ・マーキュリーは今、夜のアスティカシア学園を歩いています。
エアリアルの調整と、それに付き合ってくれたニカさんとお話(9割以上ニカさんからのエアリアルに関する質問だったけど)をしていて、気付いたらすっかり遅くなってしまっていました。
夜の学園は昼間の活気が嘘だったかのように静かで、それがほんの少し不気味で怖くて、そしてそれ以上に新鮮な感じがしました。
私は早く帰らなきゃいけないと思いつつも、まるでエアリアルのライブラリで見たアニメの探検隊のような気分で見知った場所をまわるのでした。 - 3二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 01:00:09
途中で見回りをしてる警備の人に注意されたりもしましたが、探検隊気分を満喫した私は最後に校舎の外にあるミオリネさんの菜園を見に行くことにしました。
ミオリネさんのお母さんが作ったトマトを始めとして、ミオリネさんの大事なものが詰まった空間。
この探検の終わりとするにはなんとなく相応しい気がしました。
「……あれ?」
ですがその菜園には予想に反して明かりが付いていました。 - 4二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 01:00:42
「もしかしてミオリネさん、まだ中にいるのかな?」
菜園を形成する二つの球状の壁は曇りガラスなので、中の様子はぼんやりとですが窺えます。
じっと見てみると、中で誰かが動いているような様子が分かりました。
「ミオリネさん、まだ作業してたんだ」
この菜園に入るにはロックを解除するキーが必要です。なので中にいるのはミオリネさんでまず間違いはないでしょう。
もうかなり遅い時間です。とりあえず様子を確認して、必要なら手伝いをしようと思いました。 - 5二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 01:00:59
以前までの私だったら、外からノックなどをして中から開けてもらうしかありませんでした。
しかし、今の私は違います。私の端末には、解錠のためのキーがあるのです。
何度も菜園の作業を手伝っているうちに、最初は入れてももらえなかった菜園の中に入る許可をもらい、今ではそのロックを解除するキーをもらうまでに至ったのです。
「えへへへへへ……」
こういう、信頼の証、とでもいうようなものに憧れていた私は、今でも思い出してはついついにやけてしまいます。
まあミオリネさんは『いちいち扉開けるの面倒だから』と言っていましたが、それでも嬉しいものは嬉しいのです!
そうして収まらないにやけ顔のまま、私は菜園の扉のロックを解除したのでした。 - 6二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 01:01:33
「……っ!?嘘ッ……!?」
扉が開くと、中から驚いたミオリネさんの声がしました。
「ミオリネさん!どうしたんですか?何か手伝いま……」
私の言葉は途中で途切れました。
中にいたのは間違いなくミオリネさんでした。
白く長い髪に、凛々しい瞳。
そしてまるで陶磁器のように白く柔らかな肌。それが普段とは比べ物にならないくらいに、見えてました。
つまるところ────全裸でした。 - 7二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 01:02:16
「うぇええっ!?ご、ごごごめんなさい!?」
「はっ……早く出ていきなさい!」
「は、はい!分かりましたっ!」
私はもうとにかく急いで菜園の外に出ました。
頭の中を疑問と驚きと、そして今さっき見た映像が暴れまわり、もう何が何だかわかりません。
そうして永遠とも一瞬とも感じられた時間の後──
「…………入って」
ミオリネさんの言葉と開いたゲートに導かれて、再び菜園の中に入りました。
そこにいたのは肌を制服やタイツで包んだ、いつも通りのミオリネさんでした。 - 8二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 01:03:14
「おっ、お着換え中だった、ですか?」
「……そう、着替えよ、着替え。いきなり入ってくるから驚いたわ」
「す、すいません……」
「…………」
「……………………」 - 9二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 01:03:39
少しの間続いた沈黙の後、私は口を開きました。
「……本当は着替えじゃ、ない、ですよね?」
「……っ!」
「本当に着替えなら、し、下着は脱ぎません、よね。も、もし下着まで着替えなきゃいけないほど汚れたなら、その、汚れた服があるはず、ですし……」
単なる着替えとして、触れずに誤魔化すことも出来たと思います。
でも、それではいけないと、それは『逃げ』だと、私は思いました。
『逃げれば1つ。進めば2つ』
進んだ先に何が得られるのか全く分かっていません。
それでも私は、『進むこと』を選びました。 - 10二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 01:05:17
このレスは削除されています
- 11上は範囲ミスにより削除22/10/22(土) 01:06:43
「……よ」
「え?」
「そうよ!着替えなんかじゃない!私は、こんなところで裸になって気持ち良くなってる変態よ!」
「ミオリネさん……」
「軽蔑したでしょう!?周りに言いふらすなり、無視するなり好きにすればいいわ!どうせすぐに退学するんですもの!そうよどうせ…………私なんてどうせ──!」
「ミオリネさんっ!」
「──っ!」
「それ以上……自分を傷つけることを言うのはやめて下さい……」 - 12二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 01:07:20
「……アンタのエアリアルのことなら私が出来る限り──」
「今はエアリアルの話はいいんです!今は──」
そうだ。今は──
「──ミオリネさんの話をする時です」 - 13二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 01:08:18
それからミオリネさんは、少しずつ話してくれました。
お父さんから受ける扱いの酷さ。ピアノをやめさせられたこと。
お母さんが亡くなったこと。
それらによるストレスに耐えきれなくなりそうだったこと。
自分がお父さんの恥となるようなことをすれば、痛い目を見せられると自棄になり、裸になることを思いついたということ。
自分の部屋で裸になった時に感じた、束縛を忘れられるような感覚が癖になり、今回のように人の目が無いところで裸になるようになったということ。
ゆっくりとですが、しっかりと話してくれました。
「はぁ……アンタにこのことを話すなんてね……」
話しているうちに落ち着いたのか、ミオリネさんは普段の様子にかなり近くなったように見えました。 - 14二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 01:08:40
「このことは絶対誰にも言いません。ミオリネさんが傷つくようなことは、絶対したくないですから!」
「…………」
「痛っ!?」
何故かデコピンが飛んできました。
痛いです。訳がわからないです。
「まったく………………まあ、アリガト」
ミオリネさんは照れくさそうに、そう言いました。
それを見て私は、『進んだこと』は間違いじゃなかったと、心から思い笑ったのでした。 - 15二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 01:10:17
「そうだ!そ、それにほら、もう私達、し、親友みたいなものじゃないですか!」
私はどさくさに紛れて、リストの最難関項目の攻略を図りました。
ですが──
「…………違うわよ」
「ま、まだダメなんですか〜?」
──ミオリネさんが言ったのは全く予想外のことでした。
「親友なんかじゃ足りない。アンタには——」 - 16二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 01:10:54
「——共犯者になってもらうわ」
- 17二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 01:14:33
共犯者はこの世で最も親密な関係なんですって。
まだ思想的には露出趣味じゃなくヌーディストなミオリネさん。
まだ。
ダブスタクソ親父のせいで特殊な性癖してそうなミオリネさんが悪いんだよ……
一旦終わり。罫線(──)の打ち間違えは脳内で変換してください。続きは急ぐ。 - 18二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 01:14:59
- 19二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 02:41:28
お尻ペンペンの人!お尻ペンペンの人じゃないか!
- 20二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 04:30:15
あっ君かぁ!
- 21二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 05:12:28
お見事
- 22二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 05:23:09
ガラガラとかお尻ペンペンとか
あげくに露出だとか
つくづく美少女は業が深いな!! - 23二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 06:22:55
フハハハ、怖かろう(まんじゅう怖い的な意味で
- 24ガラガラの人22/10/22(土) 06:54:35
朝から良いものを見た
- 25122/10/22(土) 11:35:27
今日の夜(深夜含む)には続きの室内露出編を書き上げたい
- 26二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 12:06:29
これは...良いものだ!!!
- 27二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 15:24:26
ほしゅ
- 28二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 23:21:04
冒頭部分書くだけでかなりかかってしまったので一旦投稿。
- 29二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 23:22:17
──その日の深夜、ミオリネの部屋
「ふぅ……」
ベッドで1人溜息をつく。
今夜は、本当に色々なことがあった夜だった。
スレッタに私の裸を見られたこと。
今まで誰にも言えなかった自分の胸の内をさらけ出してしまったこと。
それをスレッタは受け止めてくれたこと。
朝起きた時には予想もしなかったことがいくつも起きた、そんな夜だった。
だけども私はこの夜を、その結果を、やり直して変えたいとは思っていなかった。 - 30二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 23:23:07
「言って……しまったわ……」
けれど漏れ出る何度目かになる後悔の言葉。
さっきから何度も同じことを繰り返している。
自分でもバカなことをしていると思うけど、どうしても止まらない。
何度考えても、このことだけはやらかしてしまったという結論にしかならない
「共犯者……かぁ……」
私はずっと「共犯者になれ」と言ったことだけを、後悔し続けていた。 - 31二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 23:23:41
そもそも別に、私にはスレッタを共犯関係にしなければいけない理由は無かった。
共犯関係は確かに秘密の厳守に繋がる。明かされてはいけない秘密の共有。これは互いの頭に銃口を向け合っているようなものなのだから。
ただそんなことをしなくても、スレッタが私の秘密を話すことは絶対に無い。
これまで見てきただけでもそれは確信出来ることだった。
水星という過酷な環境で育ってきたとは思えない底抜けに優しいアイツが、私を傷つけるようなことをするのは最早想像すら出来ない。 - 32二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 23:24:42
でもそれは、優しさから来るもの。
他に同じような状況があったなら、スレッタは迷わず同じことをすると思う。
私が何か──特別なわけじゃない。
スレッタが「親友」と言ってきた時、それをハッキリと自覚してしまった。
だから私はつい言ってしまった。
よく考えもせずに言ってしまった。
『共犯者』
「この世で最も親密な関係」とも言われている、その言葉を。 - 33二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 23:26:00
ただその言葉を言った時の私は想像力が足りていなかったと言わざるを得ない。
共犯者になるということは、スレッタに私の秘密の行為の片棒を担がせるということだ。
秘密の行為とはもちろん今日のような行為を指す。
それはつまり──
「スレッタに裸を見られるってことじゃないっ!」
そのことを想像するだけで手や足がジタバタと暴れ出すのを止められない。
そして落ち着いたら後悔の言葉へと繋がる無限ループ。
結局そんなことを繰り返している内に、目覚まし時計はけたたましく鳴り、夜が終わったことを知らせるのだった。 - 34二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 23:26:29
一旦終わり。
明日の昼までに室内露出編書き上げられたらいいなあ
一応ちゃんと閲覧注意な内容になるはず - 35ガラガラの人22/10/23(日) 07:18:28
ほしゅ
- 36二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 18:52:00
やっとできたので投稿。
4話はまだ見れてない。 - 37二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 18:52:32
朝になり、今日も私スレッタ・マーキュリーは校舎へと向かいます。
その途中、同じく校舎へと向かうミオリネさんを見つけました。
昨日の夜、かなり色んなことがありましたが、そんな時こそ元気な挨拶というのが大事です。水星でも挨拶は大事でした。
「ミオリネさん!おはようございま……」
「……あぁ、おはよう……」
元気な挨拶は、ミオリネさんのとっても眠そうな様子にしぼんでしまいました。 - 38二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 18:52:51
「ミ、ミオリネさんっ!?だだ、大丈夫ですか!?」
「ちょっと眠いだけだから大丈夫よ……」
そう言いながらも少しフラフラしてる様子はあまり大丈夫には見えません。
そう思っていると、ミオリネさんは私の肩を引き寄せて耳打ちしてきました。
「今夜、私の部屋に来てちょうだい」
それだけ告げるとミオリネさんは、フラフラと経営戦略科の教室へと向かって行きました。 - 39二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 18:53:29
授業を受けながらも、私はミオリネさんのことを考えていました。
(ミオリネさん、やっぱりまだ不安なんじゃないかな……)
あの様子から、ミオリネさんはあまり眠れていないはず。
おそらく自分の秘密が私に知られたことがまだ心配なんだと思います。
私は昨日、秘密は絶対に誰にも言わないと言いました。
しかしそれは口だけのこと。
水星でも口だけでなく行動で示さなければ、信頼を得ることなんてできませんでした。
ミオリネさんもそう思っているからこそ出た言葉が『共犯者』なんだと思います。 - 40二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 18:53:54
(でも、行動で示すってことは……つまり……)
そのことを想像すると、身体が熱くなるような感じがします。
年頃になってから家族にすらしたことの無い行為です。
躊躇う気持ちが無いと言ったら嘘になります。
でも……
(進めば2つ……だもんね!)
そうして私は覚悟を決めたのでした。
「はい、じゃあこの問題を……スレッタさん。分かりますか?」
「ひゃ、ひゃいっ!?」
あと授業はちゃんと聞くことが大事だと思いました。 - 41二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 18:54:44
「ミオリネさん、野球拳をしましょう!」
「…………はぁ?」
夜、私の部屋に入るなり目の前の赤いたぬきはそう言ってきた。
「アンタ、野球拳って意味分かって言ってんの?」
「も、もちろん!エアリアルのライブラリにあったアニメでやってました!」
どんなアニメ入れとるんだ。
「それってつまり、ジャンケンで負けたらアンタも脱ぐってことなんだけど……いいの?」
「は、はい!もちろん、ですっ!……こ、こういうのは、行動で示さなきゃ、ですもんね……」 - 42二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 18:55:05
スレッタはスレッタなりに、私の言った『共犯者』という言葉の意味を考えてきてくれたようだ。
その結果が野球拳なのはちょっと発想が飛んでる気もするけど。
ただこの申し出は私にとっても渡りに船だった。
こんな状態が続いては身体が壊れると思い、今朝勢いに任せて「自分の部屋に来て」と言った。ただ実際に何をどうするかは結局考えがまとまっていなかった。
そんなこんなで私とスレッタによる野球拳勝負が始まったのだった。 - 43二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 18:56:11
『ジャンケンポン!』
「……アンタ、ジャンケン弱すぎない……?」
「ジャンケンに強いも弱いも無いですよ〜……」
どうなるかと思いながら始まった野球拳。私はスレッタに3連勝していた。
私達の服は上着、シャツ、ズボン、ブラ、パンツの5つ。(枚数を平等にするため私のタイツはズボンに含めた)
つまりスレッタは今、私の前に下着姿を晒していた。
スレッタの下着ということで脱ぎ始めるまでは少しドキドキしていたが、実物を見てその感情は消えていった。
シンプルな形や色に動物のキャラの顔がワンポイントというとても(子供向けな意味で)かわいい下着だった。 - 44二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 18:56:55
「アンタの下着、それ……」
「お、お母さんが用意してくれたもの、です!」
「下着に関しちゃお母さんが用意してくれたは普通にマイナスポイントよ」
「……ですよね」
「今度自分で下着買ってきなさい。……必要なら、選ぶの手伝うから」
「あ、ありがとうございます!」
そんな気の抜けるような普段通りの会話に、私はすっかりリラックスしてしまっていた。
そんな風に油断したからか
私はその後──2連敗した。 - 45二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 18:57:39
上着を脱いでシャツになるのは別に何の問題もなかった。グエルやシャディクみたいに上着の前を開けて着る生徒もそんなに珍しくないのだから。
ただシャツを脱いで上半身下着だけとなった時に、その状況は一変した。
裸になった時に近い、肌を空気が撫でる感覚。
そして今まで感じたことのない、スレッタから感じる焼き付くような視線。
あの時一瞬見られたのとは違う、じっと私の肌を見つめる視線。
今までとは全く違うことをしているのだと、身体の熱さが伝えてきた。 - 46二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 18:58:04
『ジャンケンポン!』
私はまた負けた。3連敗だ。
つまりそれは、スレッタと同じ下着姿になるということだ。
私はズボンを脱ぎ、そして脚全体を覆っているタイツを脱いでいった。
張り付くタイツを剥いていくごとに、露わとなる私の肌。
今私はその肌を、スレッタに見せるために脱いでいるんだと思う度に、心臓は高鳴り呼吸は荒くなっていった。 - 47二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 19:00:36
そうして私達はお互い下着姿の状態で立っていた。
スレッタの瞳はどこか熱を帯びたように見えた。
そしてそれは私もだろう。
当然だ。
次の勝負でどちらが勝とうと、下着の中を晒すことになる。
それは遊びの域を完全に超えた行い。
秘密にしなければいけない、イケナイこと。
私とスレッタを『共犯者』に変える領域の行為だ。 - 48二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 19:01:02
そうして迎えた勝負。
負けたのは──スレッタだった。
「…………」
スレッタは何も言わず、顔を赤らめながら胸を覆う下着を取った。
柔らかな膨らみが露わになった。
形の良い曲線と頂点に位置する桜色の蕾。
(綺麗……)
誰かの胸を見てそんな感想を抱いたのは、初めてのことだった。
「あ、あのミオリネさん……。あんまり、じっくり、見ないで……ください……」
「あ、ああ、ごめんなさい……」
スレッタに言われハッとした私は、勝負を再開することにした。 - 49二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 19:02:21
次の勝負。負けたのは私。
私もブラを取り、上半身裸となる。
スレッタと比べて小さな胸。
そのことを気にしたことなんて今までなかったけど、スレッタの胸を見た直後とあっては少し気後れしてしまった。
ただそんな胸でも、スレッタの瞳はより強い熱と共に私を見つめていた。
それはとても恥ずかしかった。
そしてそれ以上に、見られることの悦びが強かった。
だからどれだけスレッタが見つめてこようと、それを止めようとは思えなかった。 - 50二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 19:03:20
お互いの下着は残り1枚。
野球拳のルールに則るならば、どちらかの衣服がなくなった時点で勝負は終わりになる。
私はもうそれは嫌だった。
スレッタの全てを私に見せて欲しい。
私の全てをスレッタに見て欲しい。
その2つを叶えたいわがままな私は、1つの提案をした。
「最後の1枚は、一緒に脱ぎましょう?」
──スレッタは黙ったまま頷いた。 - 51二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 19:03:42
野球拳などという言い訳はもう要らないと、私達は互いに理解していた。
私はすぐに身体を覆えるくらいの大きめのタオルケットを2枚持ってきて、片方をスレッタに手渡した。
パンツを脱ぐところを見るのも見られるのも、色んな事情でよくないと思ったからだった。
そうして身体を包んだ状態でお互いに下着を脱ぎ終えた。
「いい……?」
「はい……」
そして私達は、全てを見せ合った。 - 52二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 19:05:11
スレッタの胸もお腹も脚も、少し濃く茂った秘部も、全てが見えていた。私はその身体から目を離すことが出来なかった。
それはスレッタも同じで、誰にも見せたことのない私の身体の全てをしっかりと見つめていた。それを肌で感じる私は、どうしようもない快楽と興奮に包まれていた。
やがて私達は目が合った。
瞳同士が磁力を帯びているかのように、目を離せず見つめ合った。
瞳の磁力に導かれるようにして身体も引き寄せられ──
ヴーーッ!ヴーーッ!ヴーーッ!
「……っ!?」
「うぇえっ!?」
その音が私達を現実に引き戻した。 - 53二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 19:05:46
音はスレッタの脱いだ服から鳴っていた。
スレッタはパタパタとタオルケットを羽織って音の鳴る方へ行き言った。
「……ニカさんからのメッセージの着信音でした」
その時私は驚きで、タオルケットで全身を包み、部屋の隅で借りてきた猫のように縮こまっていた。
高鳴っていた心臓に急ブレーキがかけられたような衝撃。
確実に寿命が数年は縮んだと思う程の衝撃だった。
「……わ、私喉乾いちゃったので、お水頂きますねっ!」
スレッタはそう言ってキッチンの方へ駆けて行った。
「はぁーーーーっ……」
私はどうにかなりそうな身体を落ち着けようと、深い溜息をついたのだった。 - 54二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 19:06:14
「……ごくっ。……んっ。……んくっ」
私スレッタ・マーキュリーは水を飲んでいました。
突然のニカさんからの連絡でなんとなく気まずい空気になったのもありますが、本当に喉がカラカラでした。
そんな喉の状態に気付かない程に、あの時はミオリネさんの身体を見ることに夢中になっていました。
覚悟を決めてこの場に臨みましたが、それでもここまでのことになるなんて想像もつきませんでした。 - 55二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 19:07:03
エアリアルのライブラリで見たアニメや漫画では、雷にうたれたかのような表現や、呼吸が止まりそうな程心臓がドキドキしている表現がありました。
そんな感覚本当にあるのかなと、見ていて思っていました。
本当にあるんだと、この日分かりました。
「じゃあこの感情って……恋なのかな?」
誰かに恋をすること。
やりたいことリストに書きはしたものの、自分でも現実的に思えなかった項目。
今もまだ恋とかはよく分かりません。
でもそれはもしかしたら、思ったよりも身近なものなのかもしれないと思いました。 - 56二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 19:08:16
「ミオリネさん、お水ありがとうございました」
キッチンから戻って声をかけるも、ミオリネさんからの返事がありません。
見ると、ミオリネさんは先程までと同じように部屋の隅で丸くなっていました。
ただ──
「すぅ……。くぅ……」
ミオリネさんは眠ってしまっていました。
朝の時点でも眠れていない様子だったので、ビックリしたのを落ち着けている間に眠くなってしまったんだと思います。 - 57二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 19:08:47
「…………よいしょっ」
このままだと風邪をひいてしまいそうだったので、私はミオリネさんをベッドへ連れていくために持ち上げました。
(……軽い)
お年寄りが多かった水星では、介護に近いことを経験することも多くありました。その時に人は想像以上に重いということは分かっていました。
だけどミオリネさんはとても軽い。
(こんな華奢な身体で、あれだけのことに耐えてきたんだ……)
昨日聞かされた今までのミオリネさんの苦しみが思い出されました。
「ミオリネさんは……凄いです……」
ベッドにしっかりと寝かせて、独り呟きます。 - 58二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 19:09:50
「すぅ……。くぅ……」
ベッドに眠るその姿は、まるで絵本で読んだお姫様のようでした。
そう思ったからなのか。
私は浅く息をしているミオリネさんの唇に──
──自分の唇を重ね合わせていました。 - 59二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 19:10:28
「……えっ?」
私が気づいたのは、唇はが触れ合った後でした。
(えええええええっ!?)
やりたいことリストの1番目。
「ファーストキスをする」が達成された瞬間でした。 - 60二次元好きの匿名さん22/10/23(日) 19:11:27
ここで一旦終わり。
やっと4話が見れる……
続きの「校内露出徘徊編」とかぼんやりと考えてはあるけど、当分は4話見てそれについて騒いででスレミオ欲は満足しそうな気がするので、スレが残ってたら書くぐらいな気がしてます。