エース!サボ!コイツ飼ってもいいか?感想スレ

  • 1二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 20:23:22
  • 2二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 20:25:44

    スレ立て乙!!

    この概念好きになっちゃったから話せる場所嬉しい

  • 3二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 20:30:17

    スレ立て乙です!

    イラスト面白くて爆笑した
    どうする?世経が写真を使いたいけどASLにカイドウバレしたらどんな報復が来るかわからないから苦肉の策で使った見出しがこれだったら

  • 4二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 20:36:31

    頂上戦争にカイドウではなくウォロロンとして参戦するの面白すぎる

  • 5二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 20:38:26

    もしちょくちょく龍化してイーストまで飛んできてたなら色んな島からの目撃されてたりするのかな
    今までは見間違いかな?とか思ってたのに電伝虫放送のせいで今まで見てただけの龍が海軍に火を吐くトンデモ龍だって知ってめちゃくちゃ恐怖する前半海域の一般人いそう

  • 6二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 20:40:26

    たまに見かける名物不思議生物みたいな扱いしてたのに正体が判明したら魔境扱いされる最弱の海さん…

  • 7二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 20:42:00

    盾乙でござる

    エースとルフィはどこでウォロロン=カイドウだと知るのだろう
    ルフィ自分で気付くとは思えないから誰も教えてくれなかったらワノ国編までウォロロンのまんまだぞ

  • 8二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 20:48:41

    元スレ読んできた
    滅茶苦茶わらった有難う

  • 9二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 20:49:29

    >>1

    前スレ193です

    描いたイラストにたくさん反応もらえた上、スレ画にまで使ってもらえてとっても嬉しい!また何かしら思いついたら描きますね

  • 10二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 20:56:59

    たておつ!
    一発ネタかと思いきや親和性激高で笑ってる

  • 11二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 21:00:10

    >>7

    少なくともルフィとエースはワノ国編途中までは分かんないままなんじゃないかな

    サボの参戦タイミングが後半以降だった場合、革命軍の情報とかで真相を知ったサボがネタばらし役になりそう


    「ルフィ、エース!そいつがあのウォロロンだ!!」

    「「え゛〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!??」」(エネル顔)

  • 12二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 21:02:43

    直接対面するまで分からないのもいいし、しれっと「ウォロロンはカイドウだよ」って言い出すパターンも見てぇ!

  • 13二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 21:04:11

    カイドウバレはサボ次第なところあるよね…

    元スレでも正体に気づいてる版とウチの子強い人に化けててえら〜い♡と親バカになるパターンがあるし

    再会もドレスローザでサボ生存が判明してウォロロンが大はしゃぎして来るルートもあるしワノ国編まで会わないのがある

  • 14二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 21:08:54

    >>13

    ドレスローザにウォロロンが来たらドフラミンゴは絶対自分を始末に来たと思うじゃん

    飼い主が生きてて嬉しくてテンション上がって思わず来ちゃっただけとは思うまいて

  • 15二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 21:11:46

    >>14

    まぁいずれにせよ鳥籠がボロブレスされる未来は避けられないでしょうね…(遠い目)

  • 16二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 21:12:44

    >>14

    大人しくしてたら飼い主に夢中で忘れてもらえたのによりによって(元)天竜人がかつて天竜人から守れなかった飼い主に懸賞金をかけるんですね

  • 17二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 21:13:58

    >>15

    「おいジョーカー!こんなもん張りやがって入れねぇつもりか!!!」

  • 18二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 21:23:00

    >>16

    かわいそうなジョーカー…!!ひとえにてめェがウォロロンの地雷を踏んじまったせいだが…

  • 19二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 21:23:52

    麦わら海賊団、ローのトラ男なみにウォロロン呼びが定着しそうだ

  • 20二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 21:24:43

    >>18

    龍だけに逆鱗に触れてしまったんだな……

  • 21二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 21:26:10

    一味の皆はシャンクスとかも名前聞いても四皇って知らなかったしウォロロンの顔見てもピンとこないからウォロロン呼び定着は普通にありえる

  • 22二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 21:59:39

    元スレ読んだ
    ウォロロン世界線、エースも白ひげも死なないし、ASLによって完成するカイドウさん良すぎる。スレ画かわいい

  • 23二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 22:01:34

    トラ男だけ四皇カイドウが何故このタイミングで!とかシリアス決めてるのか

  • 24二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 22:13:55

    >>23

    ル「大丈夫だトラ男、あいつうちのウォロロンだから!」

    エ「あいつ、俺たちのペットの龍なんだ!マリンフォードの時も助けに来てくれたんだぜ!!凄いだろ!!」

    サ「人に化けれるのは知ってたが、まさか四皇に化けてたとは驚きだったぜ!身を守るために今まで見た中で1番強そうなやつに化けたんだろうな〜偉いだろうちのウォロロン」


    ロ「は…?(困惑)」

  • 25二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 22:15:13

    そういえばこの世界だとトラ男同盟者ガチャURで完全勝利したな

  • 26二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 22:18:12

    そういえばこの世界だとハト麦同盟に治療からの信頼ブーストかからなくない??まぁなくてもルフィはいいぞ!!って言ってくれると思うけど…

  • 27二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 22:18:46

    ワノ国前にサニー号に遊びにくるウォロロンもあるかもしれない…

    ゾロと一緒に酒盛りをし、息子の反抗期に大泣きするウォロロン。ウン年後にヤマト登場でエネル顔になる麦わらの一味と読者

  • 28二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 22:19:23

    ウォロロンって倒したい相手(おでん)も満足に倒せず、守りたい相手(サボ)も満足に守らなかったんだよな……
    ASLへの愛着がエグいことになりそう

  • 29二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 22:24:50

    ASLはただでさえジョイボーイ(1Hit!)ロジャーに似てる息子(2Hit!)おでんみたいな生き方の無能力強者(3Hit!)だからな…
    ここに過去己を癒やしてくれた飼い主ブーストにプラスして自分の人生を完結させに来てくれたブーストが入るんだぞ

  • 30二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 22:26:29

    >>24

    サボ生きてたしASLが褒めてくれるからご機嫌だろうなウォロロン


    多分ローもウォロロン呼びが定着する

  • 31二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 22:27:41

    >>29

    フィーバーじゃん

  • 32二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 22:30:13

    >>31

    人生最大級のフィーバータイムで完結できるカイドウさん、めちゃくちゃ大満足そう

  • 33二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 22:47:38

    劇場版にも登場するんかな
    スタンピードでエース(生存)とサボがルフィの為に道を作るのを上空で満足気に見ているウォロロン

  • 34二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 23:01:20

    >>33

    え?ポ〇モン1話の黄金ホ〇オウみたいにチラ見せ登場するウォロロン?

  • 35二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 23:07:23

    >>34

    物語に区切りがついて宴するたびにチラチラ見切れてそう

  • 36二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 23:19:17

    正直海原に影が映るとかそういう匂わせでいいから三兄弟の旅路に顔出してくれないかな

  • 37二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 23:58:01

    そういえばせっかくだから元スレで書いたSS残したくてハーメルンにも載せました
    一応報告おるかな?と思って証拠付きで報告します

    ただ個人的に元スレの73のSSが大好きでな…!!
    あっちをSS師は支部かハーメルンに載せてほしいブクマしていつでも読めるようにしたい

  • 38二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 23:59:20

    FILM REDではエレジアに前乗りして酒盛りした結果、ライブがはじまっても泥酔してた長男2人とペット1匹

    長男達はトットムジカ第一形態で起きてウタワールド、ウォロロンは最終形態で起きて現実世界に別れて戦って最後にシンクロ攻撃して欲しい

  • 39二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 00:04:34

    >>37

    神SS師さんおつです!

  • 40二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 00:05:18

    >>37

    ありがとう神SS師…!貴方のその素敵SSで腹筋崩壊した者です改めて感謝を

    もし問題無ければ載せたSSのアドレスも置いてって欲しい、せめて閲覧数の足しになりたいので

  • 41二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 00:25:08

    >>38

    それはアツい!!

    トットムジカ戦での戦力が大幅アップするだけに、本編FILM REDより戦闘で早くカタが付きそう

    運が良ければウタちゃんの体力が残ってるうちに全部終わらせられるかもね

  • 42二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 02:28:11

    >>41

    褒めてもらったから冒頭だけ書いてみた初SS投下してみる


    ☆☆☆


    「ウォロロロロ!!まさか大人になった2人とこうして肩を並べて酒を酌み交わす日が来るとはよ〜〜〜!!!」


     歌姫の初ライブ前夜のエレジア。

     その廃墟の一画に男の泣き声がこだました。

     

    「相変わらずの泣き上戸だな、ウォロロンは!!あんまり泣いてるとまたエースにドヤされるぞ!」

     宥めつつ酌をすれば、巨漢のペットは更に大泣きして酒を煽った。やれやれと肩を諌めて兄弟に向き直る。

    「どうせ言っても聞かねェし、たまには目を瞑ることにするさ。おれだってお前とこうして再会できて嬉しいぜサボ!」

    「おれもだ!!」


    「しっかし、あの歌姫が赤髪のダンナの娘ウタなのか?」

    「ルフィから聞いていた幼馴染の特徴に似てるし、ライブの告知をしてから海軍・赤髪海賊団に動きがあったと報告があった。可能性は高いと思うぜ。」


     各所の動きが気になったので革命軍の伝手を辿ってチケットを3枚確保したが、いざエレジアに出発しようとしたら問題が起きて出航が遅れてしまった。これではライブには間に合わないと諦めていたが、丁度サボの様子を見にペットのウォロロンが来ていたのでエレジアまで乗せてもらうことになったのだ。残り1枚のチケット分、革命軍のメンバーを誘ったが全力で断られた。何故だ。

     ならばとモビー・ディック号に立ち寄りエースを誘い、道中で酒とつまみをたんまり調達してライブを観戦する運びになった。


     そして想定より早く現地入りすることとなり、つい酒盛りをはじめてしまった2人と1匹は大いに盛り上りライブに寝坊することとなるのだが、このことが歌姫の命運を変えることになることをこのときはまだ誰も知らなかったーーー。

  • 43二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 02:33:28

    >>42

    SSキタコレ!

    既に面白くて興奮してきたな!!!!

  • 44二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 08:41:23

    >>34

    ちょくちょくチラ見せして読者から密かに人気があるウォロロン、ワノ国での所業が掲載されたら邪悪なホ◯オウ呼びされるんですね

  • 45二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 10:43:06

    そういえばルートによっては7年以上子どもたちのペットをすることになるウォロロン、ワノ国での所業にも何かしら影響出てたりしませんかね?
    主に子ども全般の扱いに影響出てそうだと思うんですけども

  • 46二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 11:12:54

    >>45

    ペット(になる)セラピーでメンタルが回復したら、ヤマトの手錠に爆弾仕掛けるのは流石にやめるんじゃない?

  • 47二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 12:14:14

    でもセラピーは受けてもサボは守れなかったからな…
    弱ェ奴は外に出たら死に方を選べないなノリで出さないように手錠をするかもしれん

  • 48二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 12:42:22

    >>47

    爆弾はついてないけど、逃げ出して死んでしまったりしないようより堅牢な手錠にはなってそうだな…

    親父の内心や心境の変化を多少なりとも察せてるかどうかで変わるけどこの世界線のヤマト、原作より若干マイルドな処遇なぶん親父に対する感情複雑そう

  • 49二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 13:21:29

    >>42

    続きが書けたので投下します

    ウタワールドが浸水する辺りからの話


    ☆☆☆


     ゴゴゴゴゴーーー…


     夢うつつに歌声を微睡みのなか聴いていたサボだったが、突然の地響きに飛び起きる。

     何事かと慌てて周囲を見渡すと、海面が上昇しライブ会場を驚くべきスピードで海中に沈んでいくところだった。酒盛りをしていた廃墟の屋上は浸水していないが、このままだと此処も水に飲まれてしまうかもしれない。大急ぎで傍らで眠りこけている兄弟を叩き起こそうとするが、一向に起きる気配がない。


    「おいエース!!早く起きろ、寝てる場合じゃねぇぞ!ウォロロンはいねぇし、お前悪魔の実を食ってるんだからこのままだと沈んじま…」「寝てた」ごんっ!!!

    「〜〜〜〜〜っ??!」

     ノーガードだった顎をエースの頭でモロに強打されるサボ。痛みに蹲りたくなるが今はそれどころじゃない。呑気にあくびをする兄弟を尻目に、ウォロロンを探すが見当たらない。


    「ウォロロ〜〜ン!寝惚けてどこかにいっちまったのか?!まさか酔っ払って海に沈んじまってるのかもっ!」

    「落ち着けサボ…ウォロロンなら多分大丈夫だ。龍とはいえいい歳したおっさんなんだし、おれたちの自慢のペットはそんなマヌケな奴じゃないだろ?」

    「万が一があるかもしれないだろ!」

    「……相変わらずの親ばかっぷりだなサボは」


     やれやれ…昔からこの兄弟はペットに甘いのだと肩をすくめてからサボに手を差し伸ばす。


    「掴まれサボ。ここもいつ海に沈むかわかんねぇし、上空から探すほうが手っ取り早い。」


    ☆☆☆


     結局あたり一帯を探してみたがウォロロンは見つからなかった。かわりに弟と幼馴染の歌姫を遠方に発見したので一先ずそちらに向かうことにした。

     途中、麦わらの一味だけでなくローやルフィと仲の良い海兵…さらにビッグ・マム海賊団まで現れて歌姫を取り囲んでいたり、何故だか衣服が別物に変化したりに驚いて思わずサボを落としかけるなどハプニングはあったが無事騒動の中心に到着。近くにいたロビンに声をかけようとしたときだったーーー。


    『ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᚲ ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᛏ ᛏᚨᛏ ᛒᚱᚨᚲ ーーー』

  • 50二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 13:22:16

     歌姫の歌声に呼応するように、突如出現した異形の化け物。
    「ありゃ一体なんだ?!」
    「巨大な…ピエロ?」

    「サボ!エースも!!あなたたちもエレジアに来ていたのね」
    「ロビン!いったいどうなってるんだ、この状況は…あのデカブツ何なんだ?」
    「詳しい説明はあとで!今はあの怪物トットムジカムジカを倒すのを協力して!!」
    「わかった!」
    「任せとけ!」

     戦列に加わろうと拳を構えて、ふと視線を逸らすと真っ直ぐに幼馴染の少女を見つめる弟に気づく。
     あんなに真剣な眼をしたルフィを見たのは2年前…頂上決戦ぶりだな。エースは内心ひとりごちる。あの頃とは比べものにならないほど自分も弟は強くなったし、亡くしたと思った兄弟は今の隣にいる…己の無力を嘆いたあの頃とは違う!

     さて、弟の大事な幼馴染のためにひと肌脱ぐとするか!!!

  • 51二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 13:41:15

    とりあえず戦闘シーン前まで投下
    ウォロロン出てくるまで辿り着けなかった

  • 52二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 13:43:11

    >>50

    前回の冒頭に引き続き素敵SSに感謝、これはウォロロンサイドも気になりますな〜

    続き楽しみに正座待機!!

  • 53二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 16:50:19

    >>49

    親バカっぷりを披露するサボさんサイコー!

  • 54二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 23:47:30

    いや面白…
    魔王に取り込まれた幼馴染に無力を感じている時に来る兄
    これは頼りになる兄ちゃんですよ

  • 55二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 23:49:51

    ウォロロン時空、まさかFILM REDの顛末にまで影響出てくるとはこのリ〇クの目をもってしても…

  • 56二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 23:56:53

    >>50

    続き投下します。

    ウタちゃん紅白出演おめでとう!


    ☆☆☆


     現実世界のエレジア。

     ウタワールドから這い出るように出現した魔王トットムジカは歌姫を取り込み、その凶悪な力で世界を覆い被さろうしている。

     赤髪海賊団と海軍、そしてビック・マム海賊団スイート3将星筆頭シャーロット・カタクリは一時共闘することになり、トットムジカを迎撃にあたるもその力を止めることは未だ敵わずにいた。どう攻撃するか、誰もが攻めあぐねていた時だった。


     うぉ〜〜〜〜〜〜〜〜ん…!


     どこからか地響きに似た泣き声が聞こえきるかと思えば突如暗雲が切り裂かれる。

     そして上空に現れ出るは龍の巨体。


     どどんっ!!


    「あれは…カイドウ?!」

    「四皇、百獣のカイドウ!!まさかやつもこのエレジアに来ていただなんてッ」


     第三勢力の出現に緊迫する一同。一部の海兵はマリンフォードで振るわれた圧倒的な“暴力”を思い出して戦意を喪失する者までいる。

     何故この場にカイドウがいるのかと、その場にいる誰もが一瞬思考を停止し、そしてーーー。


    「無礼講だって言ってたんだから、酒の呑み過ぎでそんなに怒らないでくれよ〜〜〜!!無言で殴るなんてやめてくれよ〜〜〜ォっ!!!」


     ーーーなに言ってるんだこいつ??!!


     ジタバタ身をくねらせウォロロウォロロと泣きじゃくる最強生物(59歳子持ち)の姿に脱力したーーー。

  • 57二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 00:01:21

    本日の目標だったウォロロンまで出せたぞ!

  • 58二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 01:02:38

    >>56

    飼い主2人(ウタウタで眠らされてる)に殴りかかられて泣きじゃくる最強生物(59歳子持ち)は草

    そうだね、たらふく呑んで気持ちよく寝てたのにびっくりしたよね…

  • 59二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 07:35:49

    >>56

    続き投下します。


    ☆☆☆


     そんな混沌のなか、いち早く回復したのは同じく四皇である赤髪のシャンクスだった。見聞色を使いカイドウが現れた廃墟の辺りを探れば、ロジャー船長の遺児にしてルフィの兄であるエースともう1人、金髪の男がウタウタの力で眠らされ操られているのが見えた。あれは革命軍の…。


    「まさかカイドウにルフィの兄貴2人がエレジアに来てるとは思わなかったな……ベック!やつと話つけてくるからこの場は頼む!!」

    「かまわないが…ってもう行きやがった。やれやれ、大海賊ってのはどいつもこいつも…!」



     信頼する副船長にこの場を任せて泣いているカイドウの頭上まで跳躍する。


    「カイドウ!!」

    「ウォロロロ!今のおれはウォロロンだ!!その名を呼ぶんじゃ…ってなんだ赤髪。いつぞやの小競り合いぶりじゃねェか」


     シャンクスの足場に自らの手を貸すカイドウ、改めウォロロン。


    「お前の飼い主はあそこの魔王トットムジカの力で眠らされて操られているんだ」

    「魔王?真下にいるデカブツの道化師のことか??」

    「ああ。カ…いやウォロロン。おれは、おれたちは一刻も早くあいつを倒したい!今回だけでいい…どうか力を貸しちゃくれないか?」


     眼下の魔王から視線を移しシャンクスの方を見やれば真剣な瞳でこちらを見つめていた。それから深々と頭を下げる。

    「この通りだーーー頼む!!!」

    「ーーお前がこのおれに頭を下げる日がくるとは思わなかったぜ。」


    「大事なおれの娘のためだ。それくらい惜しくわねぇ!」


    「ーーーわかった、手伝おう。お互い子供には苦労させられるようだな…赤髪!!」

  • 60二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 07:42:20

    子どもには苦労って言うけどウタはちゃんと性別女の子だし頭おでんじゃねえから…!

  • 61二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 07:46:32

    電車乗ってるってのに(59歳子持ち)で吹きそうになったぞどうしてくれる

  • 62二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 08:13:16

    「今のおれはウォロロンだ!」で草
    ペット生活を満喫しやがって…

  • 63二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 08:32:15

    これ、もしかしてカイドウさんワノ国編後最終的に「百獣のカイドウ」としては死んだことにして「ペットのウォロロン」として生き直すルートもあったりする…!?
    いや、前スレのASLによって完成するカイドウさんとかサボがウオウオ食べて龍帝になる概念もどちゃしこに好きなんだけどさ、本誌でもマム再登場フラグ疑惑あったりするしそういうこともあるかなって…

  • 64二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 08:37:46

    当たり前のように飼い主呼びも草なんだよね
    もうお前(コルボ山に)帰れ

  • 65二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 09:42:33

    ペット(になる)セラピーって凄いんだなァ

    字面だけ見ると立場ある人が女王様のペットなSMプレイにはまってメンタル回復してるみたいだけど

  • 66二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 10:06:36

    実際には7歳児と10歳児のペットになる成人男性(当時47歳、子持ち)だけどな
    …もっと酷いな!!?

  • 67二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 11:01:37

    絵面はアウトだけどASLは全員生きてるしカイドウはメンタル救われてるからセーフ

  • 68二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 12:05:29

    "カイドウ"は完成してもウォロロンは未完で気ままなペット生活もいいよね

  • 69二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 19:30:15

    >>63

    いろんな√があっていいと思う


    私的には人生の完結を迎えるカイドウ→サボが能力引き継ぐ龍帝(竜王もカッコいい)√で、しれっとマスコットキャラに転生したウォロロンを想像してるよ

  • 70二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 19:52:27

    >>68

    "カイドウ"は最強生物で完成しなきゃいけない存在だったけど、"ウォロロン"はペットだからね、ずっと未完のまま飼い主達に可愛がられて気ままに生きてていい生き物なんだ…

    うそ、ウォロロン時空どこのルート辿ってもカイドウさん救われ過ぎ…!?凄いなペット(になる)セラピー…絵面はどうあれ実情がヤバいんだけどさ……

  • 71二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 20:08:46

    事実から目を背けたくなるペットのウォロロン概念しっくりきすぎて面白いんだけどカイドウさんが最強"生物"と原作でも人間扱いされてないからシフトしやすいんだろうなってのがねお労しすぎてな…

  • 72二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 22:56:19

    >>59

    続きでウタワールドサイドのSS投下します


    ☆☆☆


    「“火拳”!!!」

    「『竜爪拳』ー“竜王”!!!」


     エースとサボが放った技は巨大な火を纏った旋風となり古の魔王を直撃するも、その巨体を揺らすだけに留まった。


    「ちっ、この技もダメか?!」

    「ーー今のところ、他の連中の攻撃も効いた気配がないな…」


     エレジアの地下書庫にて魔王トットムジカについて書き記した壁画を解析したロビン曰く、ここはウタワールドという別世界で、あの異形を倒すためには現実世界でと同じタイミングで攻撃しなければいけないという。現実のエレジアにはシャンクス率いる赤髪海賊団が来ているそうなので戦力面に不安はないが如何せんタイミングがシビアなせいか、手応えを感じることができなかった。


     しかも歌が紡がれるごとに魔王の姿は変化し、強化されていくのを肌で感じる。

     一方的にこちら側が殴られ続ければいずれ押し負けることは明白だ。…そして何よりこのままではウタの体力が尽きて命を落としかねない。一分一秒でも早く、トットムジカを撃破する必要がある。


     サボは見聞色を使い戦場を見渡す。状況を打破するため、早急に次の手を打つ必要がある。


    「エース!!少し抜けるからおれの分もカバー頼む」

    「手短にな!」

    「おう!」

  • 73二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 22:56:46

     前線から離れ、目当ての人物の側に着地した。
    「よう、“ゴッド”ウソップ!」
    「おわーー!!って、ルフィの兄ちゃんかよ?!急に脅かすなよ!!」

     目が飛び出るばかりに驚愕するウソップ。

    「脅かす気はなかったんだが…と、それどころじゃねぇ!このまま闇雲に数を撃っても無駄に時間を消費するだけだ。見聞色を拡げて現実世界と視界を繋げてくれ!!」
    「現実世界と?!一体どうやって…」
    「目を閉じて意識を集中させろ!」

    「『麦わらの一味 狙撃手“ゴッド”ウソップ』ーお前なら必ずあちら側の景色が見えるだ!!!」

  • 74二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 02:20:46

    ☆☆☆

     一方前線に残ったエースが周囲の警戒し戦場を見渡すと、最後の避難誘導をしていたナミを死角から狙う影に気づいた。
    「やらせねェよ“火拳”!!」
     炎上網で音符の戦士を封じ込め、そのまま高温で焼き払う。

    「ありがとうエース、助かったわ」
    「気にするな!今サボが次の手を打ってるところだ。もう少し踏ん張れよ!」

     再び前線に戻ろうとして、ふと違和感に気づく。

    「その腰の剣はどうしたんだ?」
    「え?あ、これのこと?衣装が変わったときに付いてきたのよ」

    「使わねぇなら借りちまってもいいか?」
    「別にかまわないけど…」
     ナミは腰の剣を鞘ごと渡す。
     それを受け取ると次は妖刀鬼哭片手にトットムジカの攻撃をいなす医者に声をかけた。

    「ありがとよ!おーい、ルフィの友達!!」
    「トラファルガー・ローだ!!ちっ…なんの用だ火拳屋」
    「ロビンの腰につけてる剣、こっちに持ってこれるか?」
    「“シャンブルズ”…これでいいか?」
     舌打ちしながらすぐに要望に応えたエースの傍にロビンが持っていた剣を出現させたロー。

    「助かった!!」
    「剣を2本もどうするの?」
     エースが問いに答えようとしたときだった。

  • 75二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 02:21:17

    「ルフィ〜〜〜〜!!!!」
     ウソップが両腕を掲げ叫ぶ。
     どうやら反撃の準備が完了したらしい。
     弟を中心に戦力が再集結する。

    「野郎共ォ〜!気合い入れろォ〜〜!!!」

  • 76二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 07:57:28

    ss連続投稿、お目汚し失礼しました。戦闘シーン難しい…

    ウォロロン時空って白ひげ健在の旧四皇体制継続だから原作ほど治安悪化してないよね?

  • 77二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 09:27:58

    >>76

    素敵SSでした、連投お疲れ様!!

    剣はもしかして雷鳴八卦用なんです!?SSは一旦ここで終わりなのだろうか、ASLの雷鳴八卦見たかったな…見れますかね……?

    白ひげさん、前スレ的には頂上戦争後の修行期間のうちに引退して、エースに船長引き継いだあと故郷でのんびりしてるとかでご健在ではあったはず

    なんでそのままエースが四皇も後釜になったなら体制としてはさほど変わんない(幹部メンツの入れ替えはあるかも)と思われるが、まぁ違う奴が四皇入りする可能性もないことはないわけで…それこそシキが空から降りてくるとか一大勢力だったらしいロッキーポートの王直とか…ここでまた一つ話練れそうだな

  • 78二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 10:15:08

    >>59

    …娘の為に頭下げて力を貸してくれ!→ 今のおれはウォロロンだ!!お互い子供には苦労させられるようだな…赤髪!!ならよくある相手の面子を潰さない粋なフォローになったのに

    先にカイドウが今のおれはウォロロンだ!!宣言してるせいで友達のペットに頭を下げて頼み事をしているシャンクスになったの草

  • 79二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 15:15:34

    >>5

    東の海には千年竜がいるからセーフ(アニオリ

  • 80二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 15:28:49

    SS連投お疲れ様です!凄い、映画だ…!
    自分もSS書いちゃったから下載せます
    流れ切ってすまん

    ***

    ある冬が訪れ始めた日のこと、三兄弟がいつもの1人100戦を終えひと休みしている際に出かけていたペットが帰って来た

    このペットはとても強い龍だからか、何処かに自分の縄張りがあるらしくふらりと出掛けては疲れた顔をしてコルボ山に戻って来る
    そんなに疲れるならもっと自由に生きればいいのにと思うが、彼にも祖父と同じ強い者らしく色々と大変なんだなと納得する

    ならばと頑張って来たペットを労るべく、3人で彼の側に駆け寄り寒い中飛んできただろう体が少しでも暖まるように引っ付き、ダダンから盗んだ酒を渡してやる
    …別に最近見かけなかった家族が帰って来て嬉しいとかではない

    やたらとデカい図体で暖を取っていると、それまで少しボンヤリとしていたウォロロンがこちらを見つめ質問してきた

    「なあお前ら…もしおれが悪い奴だったらどうする?」
    「はァ??」
    「えェェーーッ!!?ウォロロン悪い奴なのか!?」
    「おいおいどうしたんだ一体」
    「…例えばだ!もし、もしおれがとんでもない大悪党だったらどうするかって話だ」

    ウォロロンが悪党…?自分たちのペットが悪いことをしている姿にピンとこないが、相手は真面目に質問している
    ここまで真剣に聞いてきてるんだからこちらも答えなければ飼い主失格だろう
    頭を使うのは得意ではないが頑張って考えてみるか

  • 81二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 15:30:22

    >>80続き

    "飼い主"たちは未だうーん、と唸りながら悩んでいる

    確かにコイツらの前では悪事を働いたことはないがここまで想像できないものだろうか。

    正体を龍と勘違いしていたとしても、どうあがいても自分の姿や力は化け物の"ソレ"なのに

    ……そういえばコイツらは最初からずっと己のことを恐れなかったなとふと気づく


    ーーーしばらくして、1人が顔を上げて正直よくわかんねーけど、と前置きし先程の質問に答える


    「ウォロロンが悪いことしたらだろ?そしたらおれが叱ってやる!」

    「ああ、確かにまずソレだな、盲点だったぜ」

    「悪さしたペットに説教するのも飼い主の義務だもんな」


    当たり前すぎて気付かなかった、と兄2人も頷く

    頭の隅で何かが灯った気がするが無視して重ねて質問をする


    「…それでも止まらなかったら?」

    「止まらねェのかよ!まあウォロロン結構我儘だもんなーなら殴ってでも止めてやる!!」

    「ウォロロン止めるの時間かかるかもしれないけどな。それでも飼い主はおれたちだからちゃんと最後まで面倒見るよ」 

    「しししっ!今はまだウォロロンの方が強ェもんな!けどおれたちもっと強くなるから大丈夫だぞ!!」


    反省したら一緒に酒飲もうなー!そう笑顔で言ってのけた子どもたちが眩しく、太陽を直視したかのようだった


    「ウォロロロロロ…そう、か、そうか…!!」


    胸の内を満たす何かが溢れそうになって思わず手に持っていた酒を浴びるように顔へ傾けた


    「うわっ、ウォロロン酒すげー溢してるぞ!」

    「あーっ!せっかくダダンの所からくすねて来たのに勿体無ェ!」

    「つーか酒臭ェよ!もっと丁寧に飲め!!」

    「ウォロロロロロロロ!!すまねェ!ついやっちまった!あー目にも入っちまった痛ェ!」

  • 82二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 15:30:53

    >>81

    ラスト


    あれから12年、今"四皇"カイドウの目の前に立つのはあの日約束した子どもたち


    背は伸び子ども特有の丸みはなくなり面影はあれど随分精悍な顔つきの青年たちへ成長した


    けれど、瞳の強さは過去と変わらず自分を真っ直ぐ見つめている


    ゾワ、と身体を何かが駆け巡る

    初めて知る(懐かしい)感覚に眉を顰ませるがふとその正体に思い至る


    ーーーああ、これは歓喜/闘志だ


    気付けば出てくるのは天をも震わす哄笑

    一頻り笑い、金棒を構えれば相手も同じく構えを取る

    後はもう言葉はいらない


    ーーー今ここに『最強』の座を決めるため(かつての約束を果たすため)両者は激突する!!ーーー


    "鬼のカイドウ"の人生が完成を迎える/救われるまであと少し

  • 83二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 15:36:04

    >>37

    78さん、150,151で勝手に続き書かせてもらいました…

    ふわっとASは頂上戦争前後ではウォロロン≠カイドウっていう認識で進めてしまった、解釈色々違ったら申し訳ない

  • 84二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 16:23:36

    >>83

    素敵SSにほっこりした、これは語り継がれる

    反省したら一緒に酒飲もうなって約束もあるので、この場合のカイドウさんは"鬼のカイドウ"の人生を「完成」させたのち"ペットのウォロロン"として生き直すルートかな、などと思った

    後々コルボ山の古巣に帰って(?)ダダンの酒くすねながらたまに飼い主達のとこに飛んで遊びに行ってくれ…まぁしばらくはマムと一緒にマグマの中だろうけど……

  • 85二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 16:51:55

    >>84

    勢いで書いちゃったので良かったです

    後方保護者面してASLたちの新時代見届けてくれると嬉しい

  • 86二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 20:11:15

    >>83

    元スレ78だけど、色んな解釈があっていいじゃない

    褒められて嬉しいし、書いてくれてありがとうございます



    >>40

    やったー!嬉しいですありがとうございます!

    正直貼り方わからないんですが

    ASLのペット「ウォロロン」 - ハーメルン某掲示板のネタがあまりに面白くて投稿したやつ 基本設定は「コルボ山時代ルフィが謎のツノが生えた酒飲んでるおっさんを拾ってASLのペットにした」です タグとかよく…syosetu.org

    これでいけるのかな…出来なかったらタグにウォロロン入れたのでお暇な時どうぞ!

  • 87二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 21:38:22

    >>86

    見れてるから大丈夫だと思う!!

    頂上戦争の「ウォロロロロ」揺れてて思わず吹いた🤣

  • 88二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 03:02:32

    このレスは削除されています

  • 89二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 06:23:46

    神SS師様がた乙です!素敵な作品ありがとう!!

    戦闘シーンよりも書きやすくてうっかり書いてしまったSSあるので投下します
    悪魔の実を食べてガチ泣きするサボの話

    ☆☆☆

    「ウオウオの実、もし見つけたらサボが食ってくれよ」

     麦わら帽子を深く被り、押し殺した声で頼み込む弟にサボは「わかった」と即答した。
     四皇であったウォロロンの実を欲しがる者は多くなるだろう。次の能力者がいけすかない奴になる可能性は大いにあり得る。
     そうなるくらいならと悪魔の実を食べる決断をしたサボは、革命軍参謀総長の肩書を使って搜索を開始。無事入手するに至った。
     
     ウォロロン、貰うぞおまえの力ーー!!!

     それが…まさかこんなことになるなんてーーー。

    ☆☆☆

    「おれはっ…おれは!ウォロロンみたいにカッコいい龍になりたかったんだ!!!これじゃ、ただのドラゴンじゃねェ〜〜か!うおおおおおお!!」

     ゴロゴロゴロ!!!

     竜に変身したまま地面を転がり回る兄弟の姿にポートガス・D・エースは脱力した。なんだそれ…コルボ山時代でもこんな癇癪をおこすのを見たことねぇぞ…。
     人の形をしていないがそれはルフィが駄々こねる姿に重なり、やっぱり義兄弟でも兄弟だから似るもんなんだなぁ…なんてエースは現実逃避した。

    「コアラがサボの一大事なんていうからストライカーかっ飛ばしてきたのに…」
    「違うわ『サボくんの所為で一大事』っていったのよ。このままじゃ全然仕事にならないからなんとかして、兄弟でしょ!じゃあ後はお願いね!!」

  • 90二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 06:24:27

     そういってコアラはさっさと行ってしまう。
     2人っきりにされ、どう声を掛けるか悩んでいたエースだったが、サボは突然ピタリと数秒止まり、ガバッ!!と勢いよく首をもたげた。

    「ハッーー?!まさかおれが『竜爪拳』使いだったからドラゴンの姿になったのか?!」

    「こんなことなら『ニューカマー拳法』…ガキのときに嫌がらずイワンコフから教えてもらうべきだったーー!!!」
    「おいサボ、迂闊なこというとニューカマーにされるぞ」

    「いいじゃないかよドラゴンでも。漢の浪漫があってカッケェーぜ?」
     項垂れたサボの蒼い鱗をウォロロンにもよくしてやったように撫でて慰める。慣れ親しんだものとは違う感触に寂しさを覚えたエースだったが、それを気取られないように明るく声をかけた。

    「…そう思うか?」
    「おう!ルフィは大喜びして乗せてくれって言ってくるぞ。おれも乗せてほしい!」
    「……でも、ウォロロンの方がカッコよかった」
    「おれたち自慢のペットだからな。あんな男前な龍は滅多にいやしないぜ!」
    「面と向かって言われると照れるな。サボのドラゴンも中々だと思うぞ」
    「いや、ウォロロンには負け…」

    「「ウォロロン??!!」」

    「ウォロロ、今回もうっかり死に損なったぜ」

  • 91二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 06:33:59

    当初サニーくんみたいなマスコットキャラにウォロロンをするつもりだったけど、妄想の余地を持たすために実際にサボが食べた実がウオウオだったのかとかボカして書いてます…読みづらくて申し訳ない

  • 92二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 06:54:51

    >>86

    良かった、こちらこそありがとうございます

  • 93二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 08:16:42

    >>90

    サボ確かに龍よりドラゴンの方が似合いそうだな

    ナチュラルに生きてるウォロロン笑う

    そこは死んどけよ人として

  • 94二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 09:10:21

    >>93

    死んで悪魔の実の力でトットムジカみたいに実体化みたいにする予定でした…でも生きてるのも捨て難かったからボカしちゃいました

    「俺たちのウォロロンは最強なんだ!」みたいなノリでカイドウなら何でもありかと…


    あと「ドラゴンなんて嫌だ!!」とサボが散々ゴネまくってドラゴンさん(人間)が落ち込むシーンも入れたかったけど収集つけられなくなって没になってます

  • 95二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 12:10:10

    >>94

    悪魔の実の前任者が原作や公式書籍で描写されてるパターン、例えばキリンは(SPのはカクカクしちゃったけど)一応どっちもキリンとしての姿残してることを考えるとサボは完全別モノの姿になっちゃってるのでおそらくリュウリュウの実幻獣種とかの別の実食べちゃったのかな、などとSS読みながら考察してた…そういうつもりで書いたんでないならごめんね

    このあとドラゴン姿で背中にエースとルフィ(予想通り大はしゃぎ)でも乗せてウォロロンと並んでお空散歩してくれサボくん…大きさ次第ではルフィは頭に乗りそう


    ドラゴン違いで落ち込むドラゴンさん(人間)かわいいね

  • 96二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 13:42:26

    >>95

    不親切設計のSSで申し訳ありませんでした

    ウォロロンとは別物だけど青龍…ぐらいのふわっと感でお読み下さい

    キトラ古墳の青龍みたいな感じで

  • 97二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 20:01:30

    前スレ、ようつべに出てきて笑っちまった

  • 98二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 00:45:10

    >>96

    いえいえ、考えてる時間も楽しかったので大丈夫です!世界線はなんぼあったっていいからな

    キトラ古墳の青龍、調べてみたんですが形状的には確かに西洋のドラゴンに近い感じなんですね…背中?肩?に羽根生えてるし

  • 99二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 07:07:23

    >>97

    見た

    編集無駄に丁寧で笑うわあんなん


    「カイドウをペットとして飼おうとする幼少期ルフィを楽しむネットの反応」

    コラ!まるでここのスレ民が頭おかしいみたいなタイトルを付けるのをやめろォ!

  • 100二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 11:47:22

    >>97

    マジか、見て来なきゃな

  • 101二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 12:07:38

    ようつべのコメで思い浮かんだ話なんだけどさ、故郷の誰かの入れ知恵でペットに芸を仕込んでたASLの世界線でのワノ国編なんだけど
    ASLに正体がバレたくないがために頑なに龍形態だけ出さないカイドウさん(もちろんルフィ達や読者視点では分からない、百獣の皆さんや侍たちはそれを不思議に思ったり警戒してる描写が挟まるかもしれないけど)に向かって何を思ったかルフィが「ウォロロン、お手!」って叫んだ瞬間条件反射で龍形態になってお手してしまうカイドウさん、多分ここがウォロロンのカイドウバレシーンになるしみんな目が飛び出る
    ここのルフィさんは酒呑みジジイ認識の時点でウォロロンをペットにしようとした猛者なので、カイドウさんの仕草とかから「もしかして…」と思えるくらい頭柔軟でいて欲しい

  • 102二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 13:22:08

    >>98

    個人的にはカッコよくて1番好きな青龍です。

    FILM REDの続きのSS投下します。よろしければご覧ください。


    ☆☆☆


     ルフィの号令に集った仲間たちはウソップの指示に合わせて、ゾロとコビーが魔王トットムジカに向けて大技を放つ。すると今まで攻撃を阻むように展開されていた障壁が割れ、いにしえの魔王の右足に直撃した。


    「よし効いてるな!ーーサボ!!」

     エースは剣の一振りをサボに鞘ごと投げて渡す。

    「ああ!他の連中に負けないように、おれたちもデカいの一発キメてやろう」


     左腕、左足ーー。仲間たちが攻撃を仕掛ける中、兄2人はルフィを中心に鏡合わせで並び立ち、腰を深く落として剣を構えて弟にいった。


    「お前の『新時代』ーあのデカブツからしっかり取り戻してこいよ!」

    「強くなった今のお前になら必ずできる!」


     真ん中右、真ん中左…そして右腕へと連撃を受け魔王は体制を崩す。

     エースとサボは剣の刀身に高めた覇気を纏わせ剣を振りかぶりーー。


    「「行けーーっ!!ルフィーーー!!!!」」


     ズッ!!!

     渾身の力で放たれた力は混ざりあい、圧倒的な“暴力”となって魔王の胴体へと繰り出された。


    「ーーーあぁ、行ってくる!!!!」


     兄に、仲間に背中を押され、ルフィは今の自分に出来得る最大限の一撃をトットムジカに向かって解き放つ。

     それは同刻、現実世界で繰り出されたシャンクスの剣撃と世界を越えて混ざり合い、グリフィンの姿となって飛翔する。その一撃は光となってトットムジカの身体を吹き飛ばし、ついに古の魔王は消滅したのだった。

  • 103二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 15:48:04

    今更だけど親父がASLのペットやってるって聞いたらヤマト、どう言うリアクションすると思う?

  • 104二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 21:51:27

    >>102

    煮込んだ…いつも素敵SSありがとう🐲👍 🔥🍢🔥

  • 105二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 01:37:26

    このレスは削除されています

  • 106二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 02:13:33

    ウォロロンの戦闘描写忘れてしまっていたのでASと同じタイミングで攻撃してたと脳内補完お願いします🙇‍♀️反省して煮込まれてきます…続きSS投下しますのでお納め下さい。

    ☆☆☆

     トットムジカの消滅を確認したウォロロンことカイドウはその場を離れ、飼い主である長男2人の下へと飛んだ。
     何しろ白ひげ海賊団2番隊隊長と革命軍参謀総長である。この混乱に乗じて命を狙う輩が現れてもおかしくはない。急ぎ酒宴をしていた廃墟の屋上まで戻れば、ちょうど2人は意識が覚醒したのか身体を起こすところだった。

    「ウォロロンがいるってことは現実に戻ってこれたのか」
    「ウタワールドにいなかったから心配したぞ。どこか怪我ーーーしてるだとッ?!」
    「なにィーーーッ??!!」

     よくよくウォロロンの巨体を見遣れば鱗には殴打の痕が残り、鬣からは焦げた臭いがする。
     まさか堅固さ随一のウチのペットにケガ負わせるなんて!!

    「あのデカブツ野郎、よくもウォロロンを…!!」
    「ウォロロロロ……寝起にいきなり(エースとサボから)攻撃されて油断してて何発かもらっちまっただけだ。気にするな」
    「気にするに決まってるだろ!ルフィも仲間とこのエレジアに来てる。船医のチョッパーに頼んで診てもらおうぜ」

     こんな傷なんて放っておいても直ぐに治るのだが、最強生物と呼ばれる自分に過保護な飼い主たちは一度決めたら梃子でも動かない。
     仕方ないかと諦めたウォロロンは、飼い主たちが乗りやすいようにと廃墟の屋上に背中を横付けする。

     飼い主2人を乗せ、ルフィとその一味を探すべく上空へと飛翔するウォロロン。
     見聞色を使いライブ会場周辺を探索しようとして、2人と1匹はその異常性に気づいたーーー。

    「ーーー観客が目覚めてない?」

     観客たちは身じろぎ一つすることなく、みな覚醒する気配がない。

    「なんで他の連中は寝てるんだ?おれたちは起きてるのに」
    「……多分、おれたち2人はウタワールドにいたのが短かったから直ぐ覚醒できたんだ。他の観客は歌を聞いてウタワールドに飛ばされたとロビンがいっていた。ライブ開始から数時間経っていてウタウタの能力に長時間影響を受けていて未だウタワールドに閉じ込められているのかも知れない…ウォロロン、行先変更だ!歌姫のところまで飛ばしてくれ!!」

  • 107二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 11:37:17

    >>106

    神SS師さんお疲れ様です!!

  • 108二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 11:59:30

    >>106

    まぁた気になるとこで区切っちゃってー!いつもありがとう神SS師!!

  • 109二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 21:39:27

    足された人数はせいぜい3人、あるいは2人と1匹なのに事件解決スピードが鬼のように早くなりそうなFULM REDでアラマキ生い茂る

  • 110二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 09:07:04

    >>109

    増えたのは2人+1匹?だけど四皇、海賊王の息子、革命軍No.2だから…

    あれ?今更だけどエレジアに各勢力のトップや幹部が集結してる…ウォロロン時空エレジアは特異点だった??

    SS続き投下します。


    ☆☆☆


     嘆き、怨み、憎悪ーーー。

     幾千もの負の感情が吹き荒れる暗き坩堝。その中心に俯き項垂れウタはひとり佇んでいた。


     家族のように…否、家族だった赤髪海賊団に置いていかれたのが悲しくて、辛くて、苦しくて、「海賊はキライ」なんて嘯いていたけれどまだ本当はシャンクスに…赤髪海賊団のみんなに会いたくて仕方なかった。

     エレジア海岸に流れ着いた新種の電伝虫、それを通して歌を届けるようになり、ファンのみんなと交流を持って、今の外の世界の惨状やシャンクスが四皇と呼ばれるようになったと知った。自分は騙されていて、本当は赤髪海賊団は悪い海賊だったんだ思い込もうとした。


     でもエレジアを滅ぼしたのはわたしで、シャンクスはその罪を被ってくれていただけ。

     右手を見ればアームカバーのマークもすっかりボロボロになってしまっている。子供の頃からの夢…『新時代』を創ることもできないわたし。


     わたしの12年って何だったんだろう。

     全部が無駄で、無意味で、無価値なものだったのかな?


    「そんなことねェ!!!!」


     暗い嵐を引き裂いくような一閃ともに顕われたのは、共に『新時代』を創ろうと誓った幼馴染の少年…ルフィであったーーー。

  • 111二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 15:25:57

    「お前の12年がなんだったのか、おれは知らねェけど!お前がどんな想いで過ごしてきたかッ、おれにはわからねェけど!!お前が過ごした時間が無駄だったなんて、そんなバカなことーーあるはずねェだろ!!!!」
    「ーーーほんとに、そう…おもってくれる?」
    「当たり前だ!!」

     俯いていたウタの肩に手を置き、彼女を真っ直ぐ見つめてルフィはいった。

    「ここで歌手になるために勉強続けてたんだってウタを育てたおっさんから聞いた。なぁウタ、ライブに来てた奴みんな笑顔で楽しそうにしての見てなかったのか?」
    「見てた。でもわたし…ファンのみんなを巻き込んじゃったし、シャンクス赤髪海賊団のみんなにも、酷いこと沢山いっちゃたの。許してもらえないかも…」

    「謝るばいいじゃねェか!悪いことしたと思うなら!!シャンクスたちも近くに来てるんだろ?だったら今までいえなかった沢山の言葉も伝えればいい!!だから…だからっーー!」

    「死なねェでくれよ!そっちの世界になんて行かないで、一緒に『新時代』を創ってくれよ!!!!」

     悲痛な叫びに思わず顔を上げてルフィの顔を見上げれば、ぼろぼろと大粒の涙を零し嗚咽を溢して泣いていた。
     その表情に唖然と固まってしまったウタだったが、そんな彼女が離れて消えてしまわぬよう、ルフィはウタを抱きしめる。

    「………いっぱい心配かけてごめんね、ルフィ」
     無言で首を振るルフィ。暫しの沈黙の後、ふと現実世界で自分を呼ぶシャンクスの声に気づく。
    「…シャンクスがそっちの側に来てるのか?」
    「うん…わたし、シャンクスに謝ってくるね…だからそれまで右手、握ってもらっててもいい?」
    「ん…。これでいいか?」
    「ありがとルフィ…行ってくるね」
    「待ってるからしっかり気持ち、伝えてこいよ」

  • 112二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 22:23:50

    >>106

    これは飼い主を庇う良い子なペットとペットを心配する優しい飼い主だな!ヨシ!(??)

  • 113二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 10:02:10

    ウォロロンしてる時のカイドウ本当に楽しそう
    この概念好き

  • 114二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 20:42:54

    本誌最強なだけのお労しい人だからね…ペットとしてでも楽しいならいいか…と思ってしまう

  • 115二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 21:00:13

    楽しそうにしてていいなと思う反面、実子との仲が余計拗れそうかなともちょっと心配

    定期的にワノ国の外に出て、その度にリフレッシュして帰ってくるとか、外に別の家族できたんじゃないかと思わないかなぁ?
    実際は別の家族(ペットと飼い主)なんだけど

  • 116二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 23:17:20

    >>115

    とはいえ少なくともストレスの原因の一つは実子の頭おでんだからね、仕方ないね…と言いたいとこだけど確かに余計拗れそうではある、負のループ出来ちゃってるじゃん……

    ちょっとそのあたりは実子とも仲良くなってた方の飼い主が橋渡しになることでどうにかなりませんかね…?

  • 117二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 09:30:51

    ワノ国カイドウ戦後、本編より父に対して複雑な思いのヤマトを慰めようとするASL
    しかし、うっかりウォロロンの世話になれていた3人はペット(にする)セラピーをしてしまい、甘やかし褒めまくり世話焼きまくった結果
    「ぼくもエースん家の子(ペット)になる〜!!」
    って駄々こねるヤマトの話思い付いたけど、先にREDを終わらせねば…

    続き連投します

    ☆☆☆

    「……ぁ、シャンクス?」
    「ウタ!!」

     トットムジカとの戦闘で破壊された夕焼けのエレジア港。
     必死に自分を呼びかける声に応えるべく、ウタワールドから現実へ意識を戻したウタは、シャンクスが自分を抱えてくれることに気づき顔を上げた。

    「…わたし、シャンクスに謝りたかったの。あの日から…ずっとシャンクスたちに逢いたくて仕方なかった…。置いていかれたことが辛くて、悲しくてシャンクスや赤髪海賊団のみんなを恨もうとした。みんなを信じられなくてごめんなさい…逢いにきてくれて嬉しかった。ありがとうーーー。」

     息も絶え絶えになりながらにやら謝るウタの姿に、シャンクスの胸には熱いものが込み上げてくる。

    「おれの方こそ…娘のお前に何も言わずにエレジアに置き去りにしてすまなかった。」
    「…わたし、まだシャンクスの娘でいてもいいの?」
    「当たり前だ…離れていても、お前は一生おれの娘だ。赤髪海賊団の音楽家だ…そうだろうウタ?」

     優しい言葉が嬉しくて、ウタの瞳からは大粒の涙が溢れる。シャンクスは静かにその胸を貸して、優しく娘を抱きしめた。
     仲直りできた親子の様子に赤髪海賊団の面々もようやくといった感じに肩を撫で下ろす。

     このまま暫くは2人っきりにさせてやりたい気がするが、ウタには早くネズキノコの解毒剤を飲ませてやらねばならない。
     それにウタの壁になるように海兵に撃たれてしまった観客の男…一時はかなり危険な状態であったが筈なのだが、魔王を倒して再び様子を見に戻れば傷はすっかり塞がっていたことをウタにも教えてやらないと。おそらくウタワールドと現実が重なって、ウタワールド内のみ使える“万能”の力をウタがトットムジカに囚われながらも無意識に使い、男の怪我を治したのだと思うが…詳しい理由なんてどうでも良い。これで少しはウタの憂を晴れるだろう。

     ホンゴウは解毒薬を手に親子の下へ向かうとして、そこでようやく観客の異常に気付いた。

  • 118二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 09:33:08

    ☆☆☆

    「どうして目を覚さないんだ!?」

     トットムジカ戦で赤髪海賊団と共戦していたビック・マム海賊団のカタクリは妹ブリュレの
    肩を揺り動かし、なんとか起こそうとするがまるで効果はない。

    「魔王を倒せば観客の意識が取り戻せるんじゃなかったのか!?」
    「なんで、わたし…もうウタウタの能力は解除してるのに…!」

     能力を解除したらすぐ目を覚ましていた筈だったのに、一体どうして?!
     力の入らない身体を起こそうとして、ふとシャンクスが空を見上げようとしていることに気付く。つられて目線を上げると大きな青い龍がこちらに降下してきてる。びっくりして眼を見開けば龍の背中から男の人が2人、わたしたちの隣に降ってきた。

    「取り込み中悪い赤髪のダンナ!」
    「そこの歌姫に聞きたいことががある!なぁアンタ、ウタウタの能力はもう解除してる。それで間違いないか?」
    「う、うん」
    「じゃあやっぱり、観客たちが目を覚さない元凶は魔王にあると見るべきか…」
    「トットムジカにみんなが囚われているってことーー?!」

     驚いて声を上げたウタだったが、突然激しい痛みが彼女を襲った。

    「無理するなウタ!ホンゴウがネズキノコの解毒薬をつくってくれたから、それを飲んで寝れば直ぐに身体も良くなる…ホウゴウ!!」
    「………ダメだよ。その前にみんなをこっちの世界に戻すために、歌わないと…!わたしは赤髪海賊団の音楽家、ウタ!わたしの歌を聴いてくれたファンのみんなを、このままになんでしておけない!!」

     確かにウタウタの力で魔王に干渉すれば、観客の心を現実世界に呼び戻せるだろう。
     だがウタは外傷は見当たらないが酷く衰弱している。ネズキノコを食べ、ウタウタの能力を行使し、身体を起こすのもやっとの状態になっている彼女がまた能力を使えばどうなってしまうか、火を見るより明らかだ。

    「だからってみすみすルフィの幼馴染を見殺しにするなんて真似できっかよ?!」

     エースのいう通りだ。ただ手をこまねいて、弟の幼馴染の少女が死にゆくのを指くわえて見てるだけなんて柄じゃない。なにか手はないかとサボは必死に頭を回転させーーー。

  • 119二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 09:33:21

    「ーーーぁ!そうだ、モビー・ディック号!!」

     エレジアまでの道中、エースを拾うべく白ひげ海賊団の旗艦であるモビー・ディック号に立ち寄った際、ライブ帰りに合流し易いように進路をエレジア近海を取ってやると、出発間際にマルコやイゾウたちが言っていたのを思い出した。1番隊隊長マルコの“再生の炎”なら他者の回復することができる…大きな回復力は見込めないが、少しでも可能性があるならそれに賭けた方がいい。

    「歌が終わり次第、解毒薬を飲まさせモビー・ディック号にウタを運び、マルコの“再生の炎”を使うーーー。これならどうだ?赤髪海賊団船医ホンゴウ」
    「…確かに!マルコの炎を使えればウタの体力回復だけじゃなく、解毒効果の活性も期待できる!!」

    「正確な距離はわからねェけど、多分モビーは近くまで来てるはずだし、ウォロロンに乗ればそれほど時間は掛からねぇ」
    「ウォロロロ……仕方ねェから飼い主に免じて背中に乗せてやるよ、赤髪」

    「ーーーやれるかウタ?」
    「…うん。ルフィにも死なないでくれって言われたから…お願い、わたしに歌わせて」

    ☆☆☆

    Q昏睡した観客が襲ってこないのは?
    A原作よりトットムジカが早く倒され、AS &ウォロロンの追加攻撃で力を削られ観客の体を操ることができなくなっていたから

  • 120二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 09:34:42

    このレスは削除されています

  • 121二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 10:56:54

    SSありがとうございます!

    白ひげ海賊団にしてみれば末っ子迎えに寄っただけなのに四皇赤髪が乗ったウォロロン(※四皇カイドウ)が四皇白ひげの乗るモビー・ディック号に向かってくるのとんだ災難すぎてほんと草

  • 122二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 18:48:30

    トットムジカが早く倒されたおかげでルフィとウタも原作よりちゃんとコミュニケーションとれてハピエン見えてきてるよかったね…って思ってたのによく考えたらエレジア近海に3/4皇大集合しちゃうの海軍視点的にあまりにも酷くて草
    (関係ないけどまたリンリンちゃんハブられてる…かわうそ……)

  • 123二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 00:32:46

    このレスは削除されています

  • 124二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 08:02:13

    >>122

    一応RED本編に出てるからハブではない、はず…

    SSの続き投下します。


    ☆☆☆


     シャンクスはウタを抱えて瓦礫を登る。

     沈む夕陽からの斜光に空も海も、すべてを染め上げ赤く燃えていた。


     地平線を一望することが出来るその場所にウタを下ろしたシャンクス。そのまま娘を支えるべく、自らに残された右手を差し出してウタの左手をとればそっと握り返された。モンスターが映像電伝虫を2人の前に設置したのを確認して、ウタは歌を紡ぐ。


     それは子守唄のように優しいその歌は風に乗り、海にーー空にーー世界中に響き渡る…まさしく天使の歌声だった。


     歌声は柔らかな光の粒子となって人々の下へと分け隔てなく降り注ぐ。

     空を仰ぎ、光の行先を見送っていたシャンクスだったが、ふと自分が立っているのと反対の側…ウタの隣へ視線をやる。見聞色越しにそこを見れば、己と同じようにウタに手を貸すルフィの姿が見えてシャンクスは口元を上げて静かに笑った。


    (ーーーああ。この世界に平和や平等なんてものは存在しない…。だがお前の、お前たちの創る『新時代』ならば、きっとーーー。)

  • 125二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 19:13:00

    >>117

    この時空のワノ国編後のヤマト、エースが白ひげから船長引き継いだ後ならかつてのおでんと同じ2番隊隊長にだってなれそうなもんだけど、親父と同じペット枠希望かぁ…いやどっちもとりたがるのかね

    まぁ頭おでんかペット志望どっちがマシかっていうと…どっちなんだろな……?(困惑)

  • 126二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 20:49:45

    >>125

    引き継ぐ前設定で書くつもりです。


    でも引き継いだ後だとしてもヤマト2番隊隊長なれるかな?たしか白ひげ海賊団女性の戦闘員乗せない掟あった筈…頭おでんだからOK?

  • 127二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 21:13:41

    >>126

    なるほど承知です


    ロジャーの過去編では女性クルーいたはずだけどね白ひげ海賊団、その後何かあったから掟ができたのかもだけど

    エースもヤマトやお玉ちゃん船に乗せる約束は以前してたし、引き継ぎ後掟に変更加えるなどしてなんとかしそうではある

    なんなら引き継ぎ後時空ならワノ国編の頃には海賊団の名前も変わってそう(白ひげ本人は引退したわけだしね)

  • 128二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 06:06:50

    次SS投下します

    ☆☆☆

     そしてその様子を海兵本部大将黄猿、藤虎の両名は静かに見張っていた。

    「このままだと重罪人ウタをみすみす逃すことになるが、こりゃ流石にしっかたないねェ〜〜〜〜〜…」
    「大将2人で四皇2人と四皇の幹部、さらには革命軍の参謀総長を相手取るのは分が悪い所の“賭け”じゃねェ…ただの悪手じゃございやせんか…。やめときやしょう、一派人の皆様もいる中で戦争をするのは」

     そもそも、カイドウがこのエレジアに居ると判明した時点で、海軍は詰んだも同然だった。
     今回の作戦に投入された者の大半は世界徴兵より前、マリンフォード頂上決戦に参戦していた者たちで、四皇カイドウが放った“熱息”の一撃によって崩落した海軍本部を目にし、戦意を喪失した者も少なくなかった。
     逆に相対していた白ひげ海賊団は、あまりの展開についていけず一瞬惚けはしたが、エースとその弟が離脱するのを確認してさっさと離脱を開始。海軍のみ大損失を受け、その結果マリンフォードを手放す羽目になった。海軍からすれば苦い記憶である。

     そんなカイドウと前回、停戦を各勢力に促し場を収めた赤髪海賊団が共戦して襲ってくる。しかもこの場には『白ひげ海賊団2番隊にして海賊王の息子エース』『ビック・マム海賊団スイート3将星筆頭シャーロット・カタクリ』、更には『革命軍参謀総長サボ』…そして寝てるとはいえ『最悪の世代』の3人まで揃っているのだ。

    「こんな戦力に差があったちゃねェ〜〜〜…」

     傍らでの無理転ける観客たちも、つい先ほどの死んでしまったかの様な眠りではなく、穏やかなものに変わっているーー。じきに眼を覚ますだろう。

    「歌姫を巡る今回の騒乱、これにて終いと致しやしょう」

     藤虎は仕込み刀をしまい踵を返し、黄猿はヤレヤレと肩を下げて起きている部下に撤退を指示。そして寝ているチャルロス聖を速やかに保護という名の回収を命じてその場を離れる。
     下手に藪を突いて四皇と革命軍、最悪の世代の同盟なんてされては溜まったもんじゃない。

  • 129二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 17:30:57

    >>128

    素敵SSに感謝

    改めてみると戦力の揃い方がエグすぎるな…大将全部揃ってても片付くかどうか分からんぞコレ

    良かったなウタちゃん、ファンも無用に傷つかなくて済んだぞ

  • 130二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 23:05:49

    保守

  • 131二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 09:21:01

    起きたら海戦するジンベイ、追加増員呼べるブリュレも大分ヤバかったですね
    続き投下します

    ☆☆☆

    「じゃあよろしくな!エース、ウォロロン!!」
    「おう!」
    「ウォロロロロロ、飛ばすからしっかり掴まれよ!!」

     解毒薬を飲み眠ったウタを抱えたシャンクス、ホンゴウ、そしてエースを乗せてウォロロンはモビー・ディック号を目指して天翔る。
     あっという間に巨龍の姿は小さくなり、黄昏空に消え、星は静かに瞬く。

    「あとはウタの体力次第だが…」
    「…信じようぜ、おれたちの娘を」

     しばらく龍が消えた方角を見守っていたベックマンはじめとする赤髪海賊団の面々であったが、こちらに近づく足音に視線を向けた。若くして革命軍参謀総長の肩書を男、サボである。

    「エースが戻ってきたら改めてモビー・ディックまで先導させてもらう。それまで出航準備でもしていてくれ」
    「ウチは直ぐにでも出航できるから大丈夫だ。気遣い感謝するぜ参謀総長殿」
    「それとこれはおれ個人として、あなた方に礼を。弟が世話になったみたいでありがとうございました!」

     ビシッと身なりを正し、シルクハットの鍔を持ち会釈する姿はいつぞやシャンクスに挨拶に来たエースに重なり似たもの兄弟だなとベックマンは笑った。ルフィもいい兄たちを持ったものだ。

    「こっちこそ今回ウチの娘が世話になった。お前ら兄弟がいてくれて助かった、感謝するぜ」
    「感謝ならおれたちでなくウォロロンに!ウォロロンが居なかったらエースもおれも、エレジアに来れませんでしたから」
    「………あーー、……いや。おれたちが言っても嫌がりそうだ。あとで船から良い酒取ってきてアンタに渡すから、それ渡すついでにアンタの方から言っておいてくれよ。」
    「????わかりました」

     ウォロロンと呼ばれペット満喫している四皇カイドウと前に、表情変えずに対面できる自信はベン・ベックマンにはない。ウチの船長じゃあるまいし。
     赤髪海賊団副船長は速やかに敵前逃亡したのであった。

  • 132二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 17:52:57

    神ssありがとうございます!!

  • 133二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 00:46:37

    いつも感謝や保守、❤️ありがとうございます!
    SS続き投下します

    ☆☆☆

     ウタの初ライブ翌日、発行されたニュース・クーではエレジアでの一件が一面で掲載されたのだが、事実とは異なる報道がされていた。
     
    『世界の歌姫ウタの初ライブ、謎の巨大生物の襲撃で中断』
    『巨大生物により観客が眠らされる』
    『海軍が軍艦を派遣され、現地協力者と共に巨大生物を撃破』
    『観客は海兵の迅速な行動で保護され被害者は0』
    『歌姫ウタは騒動に巻き込まれ消息不明』

     “ウタウタの実の能力”、“ウタワールド”、“古の魔王トットムジカ”
     それらの情報は世界政府に秘匿とされ、『ウタワールドでの出来事は巨大生物が見せた夢』であったと世界中に報じられた。

     これらは“能力者狩り”でウタウタの実の能力を黒ひげ海賊団に狩られることを危惧した五老星の指示で行われ、事実を知らない民衆たちは歌姫のただ無事を祈るのだった。

  • 134二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 07:54:18

    >>133

    感謝じゃなくて感想でした、いつもありがとうございます!

    あと新聞名ニュース・クーじゃ無くて世界経済新聞でした…度々間違えて申し訳ありません…続き投下します。


    ☆☆☆


    「赤髪海賊団やウタの能力のことはすっかり隠されたのね」

    「トットムジカのことが無くてもウタの能力は凄まじかったもの。仕方ないわ」


     大海原を駆けるサウザンドサニー号の甲板。

     ニュース・クーから新聞を受け取ったナミは一面の内容を確認し今回の事件が隠蔽された事に憤慨するが、ロビンはいつものこととばかり肩をすくめる。


     ナミが起きた時にはもうエレジアを出航して暫く経っていたようで、既に島は見えなくなっていた。

     一味の中でいち早く起きていたらしいゾロ曰く、海軍の主だった戦力は動ける戦艦を伴っていち早く帰還。残りは観客の保護にあたっていて特に揉め事は起きなかったらしい。

     ウタワールドで共戦したルフィの兄2人は挨拶もそこそこ、エース操るストライカーに乗り込み赤髪海賊団レッド・フォース号と共に早々にエレジアを出航したそうだ。


    「ウタ…無事ならいいけど」

    「そうね…」

     『歌姫ウタは騒動に巻き込まれ消息不明』と書かれた記事に眉を顰めて彼女の安否を案じた彼女たちであったが、先程まで船首の上で寝ていたルフィがこちらに気づいて腕を伸ばして跳んできた。


    「ウタなら大丈夫だ!死なねェって約束したし、それに……」

    「「それに?」」

    「内緒だ!!ししし!!!」

  • 135二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 07:54:40

     満面の笑みを浮かべて笑うルフィ。
     そしてそのまま踵を返し、

    「腹へった!!メ〜〜〜シィ〜〜〜ッ!!!」

     どーーーーーーーん!

     キッチン目指して船内への扉を元気よく開き、中へと一目散に駆けて行く。

    「ふふっ!すっかりいつもの調子に戻ったわねルフィ。見てたら私もお腹減っちゃったわ」
    「私たちもサンジ君になにか作ってもらいましょ?」

     ルフィのあとを追いナミとロビンも船内に入る。
     どうやら元気な船長の声につられて男性陣も食欲が刺激されたらしい。ナミたちが目的地に辿り着いた頃には、ダイニングは既にてんやわんやの大賑わい。こうして麦わらの一味は日常へと回帰していった。

  • 136二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 19:30:28

    保守

  • 137二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 00:12:31

    >>135

    此度も神SSありがとうございます!

    感謝の感想なのであながち間違ってないので大丈夫です!!

    そういえばこちら等のSSはどこかのサイトに格納のご予定はありますか?ハーメルンやPixiv、個人サイトなど色々方法はありますが、いずれかに残していただければまた見にいけるのでありがたいです…!

  • 138二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 11:26:33

    >>137

    ご希望でしたらpixivあたりに投稿アカ作って修正してから投稿します

    ウォロロンのタグ付けて投稿すると思うので、もしスレ落ちたらそちらで検索してください…どんなに忙しくても年内中には投稿しますので

  • 139二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 22:20:47

    続きSS投下します

    ☆☆☆

    「すまねェオヤジ」
    「どうしてもウタの治療にマルコさんの炎の力が必要で…。なんのご相談もせずに赤髪のシャンクスとその幹部ホンゴウをモビー・ディック号に乗船させてしまい申し訳ありませんでした」

     白ひげ海賊団・モビー・ディック号。
     人払いさせた船長室でエドワード・ニューゲートは、頭を深々下げて謝る末っ子とその兄弟から一連の騒動の報告を受けた。

    「…事情はわかった。グララララ、お前ら三兄弟は一ヶ所に集まるとよく騒動に巻き込まれるな。今回の件にしろドレスローザの件にしろ」
    「毎回ご心配をお掛けして重ね重ね申し訳ありません」
    「おれたちってかウチの弟が騒動の中心に居る事が多いから、おれもサボもウォロロンもつい手を出しちまうんだよ、心配で。」
    「一応エレジアに居た海軍大将が今回の事情を知っているので、白ひげ海賊団と赤髪海賊団の同盟と誤認することはないと思いますが…」

     2年前の頂上決戦から海軍、世界政府は四皇はじめとする有力海賊の動向を特に注意を向けている。

    (だからあのカイドウも今回はさっさと自分の縄張りに戻ったんだろうしな…。というかコイツら兄弟、一体いつになったらカイドウの正体に気付くんだ?)
    「「??」」
     一向にペットの正体に気付かない飼い主の兄2人は白ひげからの視線に小首を傾げる。この様子では自力で気付くことはなさそうだなと、ため息を吐いた白ひげであった。

  • 140二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 01:00:04

    >>138

    ありがとうございます助かります、楽しみにしてますね!!


    >>139

    続き来てる〜やった〜!!

    マジでこの兄弟、いつウォロロンの正体に気づくんだ…!?

    神概念に投じられる神作品ありがてぇ…もっとください(強欲)

  • 141二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 06:10:44

    >>140

    本当に神概念&素晴らしい先人、神SS師さま方のお陰で初SSながらちゃんと完走出来そうです…私ももっと色んな作品が読みたい(強欲)

    この世界軸ではウォロロン=強い四皇カイドウに化けている龍扱いされてますから…下手するとワノ国終盤まで気付かない可能性ありますよね…

    では続き投下します


    ☆☆☆


    「どうしたオヤジ、ため息なんか吐いて?」

    「……グララ、気にすんな。それでその歌姫は今どうなんだ?」

    「マルコに任せておれはストライカーでエレジアにトンボ帰りしたから詳しくはわかんねェけど、医務室で治療してるってウチの隊で起きてたヤツが教えてくれたぜ」


     白ひげ海賊団ではウタの初ライブ中継を観る為、丸1日非番にして居る船員が多かった。

     しかも食糧たんまり確保して大部屋を貸切りにし一処に集まっていた結果、最低限の人員で通常任務に当たっていた船員たちは今回の異変にまるで気付けなかったのだ。

     エースがシャンクス、ホンゴウ、ウタを引き連れてモビー・ディック号に帰還しても起きてる船員が少なかったがゆえ、大した騒ぎにもならなかった。エースは甲板に上がってきたマルコに赤髪海賊団3名を丸投げすると、サボと残りの赤髪海賊団をレッド・フォース号ごと回収するべく、単身ストライカー号でエレジアに急行した為、人伝でしか現状は分からない。


    「現状こちらから報告出来るのはこれくらいです」

    「医務室いってウタの様子見てしてくるからオヤジは少し待っていてくれよ」


     そう言ってエースが医務室へ向かおうと踵を返すと、そのタイミングで船長室の扉をノックする音が響く。


    「入るぞオヤジ!」

    「マルコ!」


     ヤレヤレと肩を竦めて船長室に入ってきたマルコは少し疲れた様子で白ひげたちに報告をする。


    「歌姫はウチで出来る処置は終わったからレッド・フォース号に赤髪が連れて帰ったよい。流石に四皇にいつまでも船内に居られるのはウチのヤツらの気が休まらねェだろうからな」

    「そうか…それで助かりそうか?」

    「ああ。いつ目覚めるかは本人の回復能力次第だが峠は超えた。ネズキノコの毒でだいぶ体力が削られていたから暫くはおれの炎を使ってやった方が良さそうだよい」

    「だ、そうた…グララララ、良かったな2人とも」

  • 142二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 06:11:03

     マルコの報告に我がことの様に喜ぶエースとサボ。

    「はい!ありがとうございますマルコさん」
    「流石マルコ!!」
    「おれだけの力じゃないよい。若先生が前に同じ症状の患者を診たことがあったらしくて助かった。今あっちの船に同行して経過観察してるから話が終わったら様子見に行ってこいよい」
    「デュースが…わかったぜ!」
    「デュースってスペード海賊団で副船長だったマスクド・デュース?」
    「おう!今は医療班に入ってるんだ。流石に1人でレッド・フォース号に居るんじゃ大変だろうから様子見に行こうぜサボ。その時に紹介すっから」

     まるで友達の家に行くかの様な気安さでサボを誘うエースに、まったくウチの末っ子は…とマルコは頭が痛くなるが、誘われたサボも嬉しそうに頷いてるからこちらも大概だ。
     アポ無しで単身、赤髪海賊団に突っ込んでシャンクスに挨拶しに行ったと以前エースから聞いたことを思い出し、本当にこの兄弟は…と大きなため息が出る。
     多分、いまだにゆっくり話したことの無い麦わらのルフィも似たモノ兄弟なんだろうな…と内心マルコが思っていると、白ひげがグララララ!!!とひとしきり大笑いしてから宣言した。

    「よし…エース!今回の一件はお前に一任するから今後のことは赤髪と話つけて来い!!」
    「いいのかオヤジ?」
    「そもそもおれは半隠居してるようなもんだからな…上手く采配してみろ」

  • 143二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 17:08:27

    面白すぎわろた

  • 144二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 21:23:10

    めちゃくちゃ楽しいことになってる

  • 145二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 00:48:21

    上手いこと言ってエースに全部押し付けたな?

  • 146二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 00:59:01

    原作で絡めなかったとこに絡みできるの楽しいな、ASLは相変わらず兄弟やっててそこも良き

    エースも順調に船長教育進んでるね、これには親父もそろそろ故郷での楽隠居生活見えてきてそうでニッコリだ


    >>145

    まぁそうとも言うww

    特にこの時空のASL兄弟のやることにいちいち首突っ込んでたらツッコミが持たないからな…

  • 147二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 07:54:57

    続きSS投下します

    ☆☆☆

     遠くから微かに聴こえるさざなみの音。
     眠りの淵にいたウタは、波音と左手に感じる暖かな温もりに引き揚げられるように意識を浮上させた。目蓋を開ければ思った通りの人物がいて、しっかりと手を繋いでいてくれる。

    「…シャンクス」
    「!ウタ、気付いたか?…本当に良く、頑張ったな」
    「…わたしはシャンクスの娘だもの」
    「ああ、流石おれの娘だ。…まだ起きてられるか?ホンゴウと医者を呼んでくるから」
    「今起きたばかりで眠くないから大丈夫だよ。いってらっしゃい」
    「すぐ戻る」

     そういって部屋を出たシャンクスの姿を視線で追えば、ふと今寝かされている部屋に見覚えがあることにウタは気付いた。

    「ここ…わたしの部屋?シャンクス、みんな…そのままにしてくれてたんだ」

     天蓋付きのベットに猫足の可愛らしいドレッサーやナイトテーブルにチェアー。昔、絵本のお姫様に憧れてシャンクスたちに我儘いって揃えてもらったわたしの家具たち。
     1人部屋をもらっても結局、いつもシャンクスの部屋に入り浸りだったから、ここで過ごした時間は短かったけど、それでもここはレッド・フォース号のわたしの部屋。

    (…ああ、わたし…“わたしの家”に帰ってこれたんだ)

     ずっと、ずっと帰りたかった場所に帰れたことが嬉しくて、たまらなくて、ウタは涙を止めることができなかった。

  • 148二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 18:59:20

    保守

  • 149二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 00:31:01

    >>147

    わァ……ぁ……

    ウタちゃんよかったねの気持ちがすごい…裏事情は結構おバカな事案()も多いというのに…

    そういやウタちゃんはウォロロンに乗ったのは覚えてるのかな?覚えてなくてもまた機会があれば乗せてもらいなね、多分飼い主たちに言ったらすぐだから

  • 150二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 07:54:42

    ウタはウォロロンに乗ったことは眠っていた為知りませんが、多分近いうちに乗る機会はあると思います。
    続き投下します。

    ☆☆☆

     ほどなくしてシャンクスはウタの部屋に戻ったたたてきたが、ベッドの上で止めどなく涙を流す愛娘の姿にギョッと目を見開き、一目散に駆け寄る。
    「どこか身体が痛むか?!」
     シャンクスは大慌てでウタの涙を拭ったが、涙は次から次に溢れ出てとまる気配がない。それに焦って手のひらでウタの目元を擦ってしまい、後からやってきたホンゴウに怒鳴られた。

    「やめろお頭!剣だこまみれのお頭の手でそんなにしたらウタの顔が腫れちまうだろうが!!ほら蒸しタオル用意してあるからこれで拭いてやれよ」
    「あ…!すまんウタ、痛むか?!」
    「ぐす…だいじょ…ぶ……。ありがとぅシャンクス、ホンゴウさん」
    「どういたしまして。気分は?気持ち悪くないか?」
    「…ん、泣いたら少し元気でた」
    「涙はストレス発散に効果的だが、今は体力がないんだからほどほどにな?」
    「うん」

     それからホンゴウはウタに軽い問診しながら脈や熱を測り、傍らに立つの白衣の男性に指示を出す。
     男性は慣れた手つきでスタンドに吊るされた点滴の調整をしていて、そこでようやくウタは自分が点滴を打たれていたことに気づいた。

    (点滴なんて初めてだな。…目元をマスクで隠しているから自信はないけど、たぶん見たことのない人だよね…この白衣の人。新しい船員の人かな?)

    「あの…お医者さまも、ありがとうございます」
    「おれたちからも礼を言う。アンタの知識のお陰で助かった」
    「そうだな。ウタがこんなに早く意識を取り戻せたのはアンタの経験もあってこそだ」
    「あ、いや…たまたま前に同じ症状を診たことがあっただけで……」

     世界の歌姫と四皇赤髪のシャンクス、そしてその幹部に揃って感謝される状況に白衣の男…マスクド・デュースはしどろもどろに応える。
     今更ながら大物たちと1人で対するというこの現状に大いに狼狽え、あり得ないほど緊張してしまったのだ。
     そんな時、トントンと扉を叩くノック音が部屋に響く。

  • 151二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 07:55:02

    (また大物が増えるのか?!)
    「入るぜ?」

     扉を開けて登場した赤髪海賊団副船長ベン・ベックマンの姿に、デュースの緊張感はいよいよピークに達し肩を強張らせるが、次いで現れた人物に、これまで張り詰めていた緊張の糸がどっと解れるのを感じた。
     テンガロンハットと雀斑顔。デュースがよく見知った男の姿。

    (やっぱお前って最高だよエース!!!)

  • 152二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 15:33:36

    デュースくんのエースへの信頼が天元突破してるの好き

  • 153二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 15:45:31

    デュースくん
    大物たち連れてきたのそいつです

  • 154二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 00:24:20

    この時空のデュースくん今もエース冒険譚の続き書いてんだろうなと思うとホッコリする、よかったね本当…
    多分ウォロロンのことも書いてるんだよねコレ、頂上戦争以降の内容カオス過ぎんか?大丈夫??

  • 155二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 07:46:18

    続き投下します

    ☆☆☆

    「?何してんだよ、デュース」
     九死に一生を得たとばかりの顔をして自分を見てくるデュースにエースは訝しみ、部屋の入り口で歩みを止めようとしたが、背後からひょこりと顔を覗かせたシルクハットに金髪の男に促されて入室した。
     シルクハットの男…サボを見たデュースは
    (そういやエースの兄弟とは話したことが無かったな…)
     と明後日の方向に一瞬思考を飛ばしかけたが、そこではたと思い当たる。
     エースの義兄弟のサボ=革命軍参謀総長

    (よく考えたら白ひげ海賊団2番隊隊長と革命軍No.2が増えただけだった…?!)
     むしろ悪化した現状にデュースの中で上がっていたエースの株はガクッと大きな音を立てて一気に大暴落した。目まぐるしく表情を変えるデュースに
    「なんか面白いな〜エースの友達」
    「だろ?」
     などと暢気に笑い合う義兄弟。
    (やめろッ!おれはオマエら兄弟のような面白ビックリ人間じゃねェ!少なくても四皇の一角をペットにしてるヤツらにそんなこと言われたくねェよ!!)
     デュースは心中激しく反論したが、この場にいる赤髪海賊団の面々からすでに面白い判定されていたりする。 

     そんな元副船長の様子に頓着せずに、シャンクスの方へ向き直ったエースだったが、ウタが起きたことに気づいて人好きのする笑顔を浮かべた。
    「目が覚めたみたいで安心したぜ。できたら今後のこと、本人交えて話し合いたいんだが…」
    「うん大丈夫」
    「おいウタ、1人で起き上がらせられないほど体力消耗したヤツが大丈夫な訳あるか」
    「でも今起きたばかりで全然眠くないし…わたしの話ならちゃんと聞きたい!」
    「…はぁ。本人もこう言ってることだし許可しようぜお頭」
    「……仕方ないな。あまり無理するなよウタ?」
     シャンクスから許可を得て、改めて入室した2人を視線を向けて確認するウタ。
    「えっと…ウタワールドでルフィと一緒に戦ってた人、だよね2人とも…?」
    「おう。おれはエースでこっちはサボ。」
    「おれたち2人、ルフィの兄なんだ。これからよろしくなウタ」

  • 156二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 17:31:45

    神SS感謝、続きを保守待機
    更なる神作家の降臨もまた望む(強欲)

  • 157二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 00:17:57

    個人的には四皇カイドウ本人に会ったことないだろうデュースくんはエースの言ってること鵜呑みにしてるパターンもあるかなとか思ってけど、このSS世界では流石にご存知だったか…
    こっちの「知らぬは本人らばかりなり」な感じのおバカAS兄弟パターンも面白くてアリアリのアリ
    まぁ世界線はなんぼあってもいいよな!!(ドン!)

  • 158二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 11:43:42

    保守

  • 159二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 19:34:25

    Youtubeから来たけどめちゃめちゃ面白いな??

  • 160二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 20:20:49

    >>159

    遠くから来てくれてありがとう!!

    初代スレから今まで色んな面白エピソード出てるし、そこから神々がたびたび絵やSS上げていってくれてるのでよかったら見て、そして語ってってくれると嬉しい

  • 161二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 03:48:28

    このレスは削除されています

  • 162二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 07:58:49

    中途半端ですが続きSS投下します

    ☆☆☆

    「ルフィの…お兄さんがいるなんて知らなかった。よろしくねエース、サボ!」
    「「おう!!」」
     そう声を揃えて笑うエースとサボ。ニカっとした笑顔がルフィにそっくりで、仲のいい兄弟なんだな…とウタは思った。

    「ウタは赤髪の旦那が四皇って言われているのは知っているよな?」
    「えっと…その、四皇って悪い海賊のこと…なんでしょ?」
     エースからの問いに、シャンクスを見上げながら少し気まずく答えれば、そんなウタに気づいてシャンクスは困ったように眉を顰めている。
     シャンクスは海賊だから海軍とも戦うことはよくあったし、赤髪海賊団のみんなも好戦的で強い人たちばかりだから、一般の人からは怖がられるのは知ってる。フーシャ村みたいに歓迎してくれる島ばかりじゃなかったし。

    「まあ世間一般ではそうだな。今はとりあえず海軍が戦いたくないぐらい強いヤツ…それが4人いるって考えてくれ。1人でも厄介な相手だから海軍や世界政府は四皇同士に仲良くして欲しくない。分かるか?」
    「うん」
    「でも今回、どうしてもウタの治療に四皇白ひげの幹部マルコの能力が必要だったから白ひげ海賊団のモビー・ディック号にウタたちを連れて来た」
    「白ひげ海賊団としても赤髪海賊団としても、海軍を刺激したくない…下手するとまた戦争が始まっちまうから。だから早々別の航路をとって離れたいけれど、そうなるとマルコの能力を使ってウタの治療が出来なくなる」
    「えっと…わたし大丈夫だよ?」

     今は身体が思うように動かせないが、そもそも死ぬ気でネズキノコを食べたんだから、こうして生きてられるだけでも十分だと、ウタは思った。

    (それにホンゴウさんは時間は掛かるけど全快するっていってくれた。最悪、前みたいに身体が動かせなくなったとしても仕方がないよね…わたしがした結果なんだし。ルフィとの約束は、守れなくなっちゃうけど……)

  • 163二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 16:59:40

    保守

  • 164二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 23:24:08

    保守

  • 165二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 00:28:45

    あ〜〜SSの続き気になるんじゃあ〜〜〜

  • 166二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 12:18:31

    ほしゅ

  • 167二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 19:57:51

    ほしゅ

  • 168二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 00:08:28

    SSの続きをドキドキしながら待ってる、どこに着地してくんだろう⋯ウタちゃんの行く末はいかに!?

  • 169二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 06:26:08

    続きお待たせしてしまって申し訳ありません…ちょっと忙しくて、SS投下します

    ☆☆☆

    「………ウタを白ひげ海賊団で預かってもらうわけにはいかないか?」
     シャンクスが問うがエースは首を横に振る。

    「それも考えたんだがウチは大所帯の上、男ばかりの海賊団でストレスかかるだろうからやめた方がいいだろうって話になった。逆にマルコを赤髪海賊団に行かせるのも無しだ。オヤジの治療がある」

     今まで静かにエレジアで暮らしていた少女に見ず知らずにの海賊団で治療を受けさせるのは酷だろう…と先のモビー・ディック号の船長室での話し合いでそのような意見が出た。
     レッド・フォース号に白ひげ海賊団1番隊隊長のマルコを連れて行かせる訳にもいかない。
     どうしたものかと一連の責任者となったエースが頭を捻らせたが、サボからとある案が出されてそれを採用することにした。

     それを聞いた白ひげは「ウチの末っ子どもはまだまだガキだな」と大笑いし、マルコは「修行中なにやってたんだ」と呆れられたが…
     出来れば直前まで秘密にしておきたかったとエースは思ったが、弟の幼馴染の命には変えられない。

    「俺からの提案なんだがウタ…赤髪の旦那たちも…しばらくオヤジと一緒に療養しに行かないか?マルコと赤髪海賊団の人間1人2人連れて、大体1ヶ月くらい」

  • 170二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 18:13:10

    保守

  • 171二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 20:17:17

    保守

  • 172二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 07:31:00

    保守

  • 173二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 13:15:36

    保守

  • 174二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 21:03:42

    保守

  • 175二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 07:29:54

    保守

  • 176二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 07:35:46

    保守ありがとうございます。
    前回から1週間程経ったあたりのSS投下します

    ☆☆☆

     レッド・フォース号での会合の後、ウタは別の船に乗り換えて見知らぬ土地で療養することになった。
     どの辺りにある島なのかはウタには皆目見当がつかなかったが、ここは周囲を切り立った山々に囲まれた場所らしい。外部から隠された草原広がる長閑な村。
     そんな村を一望できるように、少し離れた小高い丘の上に建てられたログハウス。ウタはその一室のテラスから車椅子に座り外の景色を眺めていた。
     広々とした平屋の木造建築で、診療スペースだけじゃなく食堂に談話室、他の部屋もたくさん、果ては大浴場まであるホテルみたいな建物。

     なんでも始めはルフィのお兄さん2人が修行の合間に建てた秘密基地、だったらしいのだが日々規模が拡大して今も増築中らしい。
     A、S、Lと書かれた部屋の近くに『ウォロロンの部屋』を見つけた時は、わたし以外の人が何ともいえない表情をしてたけど一体何だったろう?

    「…とくに白ひげのオヤジさんとマルコ先生…口をへの字に曲げて眉毛も顰めていかにも『イヤそう!!!』って顔してたな」

     医療カバンを持ったホンゴウさんはガクッと肩落としていたし、わたしの乗った車椅子を押してくれていたロックスターさんは
    「…お嬢、今は気にしないで身体を休めてください」
     って疲れた顔していっていて『ウォロロン』が何なのか、いまだに聞けていない。
     その時のロックスターさんは怪我してボロボロなのに…多分わたしがトットムジカを召喚した時の怪我だろうに車椅子押させてしまって申し訳なかった。
     エレジアでの一連の出来事を思い出して、胃のあたりがずっしりと重くなる。

    「はあ……わたし、こんなにのんびりしてていいのかな…?」
     世間ではわたしは行方不明あつかいになってるとレッド・フォース号にいた時に聞いたけど、あの事件の首謀者は間違いなくわたしだし、ファンのみんなからは失望されただろうな。
     そう考えると一段と身体や頭が重くなって、目の前が歪んだ気がした。

  • 177二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 07:36:08

    (でもそんなの気にしてられない。1日でも早く良くなって生きて償わなきゃ…許してもらえなくても、謝って生きていかなきゃ。ルフィやシャンクスと約束、したから)

     早く元気にならなくちゃ…そう思い、痛む頭をかぶり外に目をやれば、この建物に近づく人影を見つける。
     ファー状の帽子を被った細身の男の人、確かエレジアに来ていた…

    「えっと、ライブに白熊くんと来てくれていたルフィの友達?」
    「トラファルガー・ローだ。たく、麦わら屋の昔馴染みはどいつもこいつも似たようなことばかりいいやがる…」

    (麦わら屋ってなんだろう?帽子屋さん??それともシャンクスのこと??)

    ☆☆☆

    再会したテンションでコボル山の悪童返りした長男2人による秘密基地スフィンクス支部建設と、ストレスフルのウタちゃんの話でした

    Qロックスターは何故ボロボロなの?
    A赤髪海賊団幹部限定『チキチキ!第1回ウタの護衛決定ジャンケン大会』で優勝したため他幹部からボコられたから
     ちなみにシャンクスは船長権限で療養旅行について行こうとしてベックマンに即却下された

  • 178二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 09:17:05

    いつもSSありがとうございます!
    ロックスターがジャンケンに強かったばかりにお可哀想なことになって草

  • 179二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 11:51:56

    使えるものは存分に使って作っているんだろうなー買って(笑)
    いつの間にか『親父の部屋』『ウタの部屋』ができてそうな気がする

  • 180二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 20:02:20

    保守

  • 181二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 01:47:58

    下手に大人になって資金力が上がったぶん、より規模拡大して設備も充実してる秘密基地支部に笑うww
    子供時代のテンションに戻った大人あるあるではあるけどこの2人のことだから色々凄いことになってんだろうなぁ⋯(遠い目)

  • 182二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 07:51:08

    >>179

    秘密基地について少し補足を


     『オヤジの部屋』は既にあります

     『マルコの部屋』も診察・医療室の近くにあることでしょう

     秘密基地と銘打ってるものの規模が拡大してる為、既に隠れても秘密でもないです

     エースとサボはスフィンクスの住人に大工の兄ちゃんと思われてます

     参謀総長として人を使うこととインフラ整備の知識もあったサボが、スフィンクスに上下水道を引いたり、家具を発注したりしたのでスフィンクスに新たな雇用が生まれたりしてます


    プロジェクトASL〜挑戦者たち〜

     (主題歌「地上の☆」歌:ウタ)


     みたいなかんじの開拓小話もできたらSSにしたいです

  • 183二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 12:13:01

    このレスは削除されています

  • 184二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 20:42:15

    >>182

    179です

    文字の変換ミスしてすみません


    既にあった『オヤジの部屋』

    脳内でじいちゃんが「『じいちゃんの部屋』はどこじゃ?」って騒いでる(笑)

  • 185二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 00:35:29

    >>182

    またオヤジの故郷が豊かになっちまうな⋯

    プロジェクトASL素敵だな、劇的ビ〇ォーアフターinスフィンクスの可能性もあるな

    マルコ先生「なんということでしょう(白目)」


    >>184

    ASL「「「ンなもんある訳ねーだろーがッ!!」」」

    ⋯などと言っておきながら、後々本人に押しかけられて客間の1つが表札が無いながらも「じいちゃんの部屋(実質)」になってそうww

  • 186二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 07:35:17

    >>184

    >>185

    『じいちゃんの部屋』…イヤそうな顔の白ひげが思い浮かびました。少なくても隠居してからじゃないとみんな同じ顔しそう(笑)

    スフィンクス支部には無理でも匠となった2人がフーシャ村になら一軒家すぐに建ててくれそうではありますが…続きSS投下します


    ☆☆☆


    「ええっと、わたしは帽子屋さんの知り合いは居ないけど…麦わら屋さんってシャンクスのこと?」

    「赤髪屋のことじゃなく幼馴染の方のことだ」

    「(赤髪屋??)ルフィのこと?」

    「ああ」


    (ルフィ…海賊王になるっていってたのに帽子屋さんもしてるんだ。エースとサボも大工さんと海賊兼業してるから最近の海賊はみんなそうなんだろうな…わたしも麦わら帽子作ってもらおうとかな……)


     ローの話にあらぬ誤解をしたウタがぐるぐると思考を明後日の方向へ飛ばす。

     不思議そうにしていたウタにローが訝しんでその表情読み取ろうと凝視すると、ウタの顔色が青白くなっていることに気づいた。


    「おい歌姫屋!どこか具合が悪いのか?!」

    「?どこも悪くないよ」

    「ならそこで少しじっとしてろ!」


     急ぎ玄関へと走り込み扉を開けるロー。

     事前に秘密基地と聞いていたローは、普段陸に上がる時に泊まる宿より数ランクはレベルの高い内装に一瞬面食らうが、すぐに気を持ち直して「誰か居ないか!」と声を掛けた。

     するとそれに気づいたらマルコが近くの扉から顔を出す。


    「トラファルガー・ローじゃないか。オヤジとウタの治療でサボが呼んだと聞いてたが、一緒に来るんじゃなかったのかよい?」

    「…村人に捕まって話が長くなるようだったから先行して来た。歌姫屋の具合が良くねェみたいだが診察室は近いか?」

    「!!ああすぐ側だ」

    「よし…“シャンブルズ”!」

    「きゃっ?!えっ何なにナニ??!!」

  • 187二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 07:35:38

     ポケットに入れていた小石を取り出し、能力を使って車椅子ごとウタを入れ替えるロー。
     突然入れ替えられたウタはあわあわと周囲を見渡し、今にも飛び上がらんばかりに狼狽えている。

    「ウタ、コイツの能力で移動しただけだからそんなに慌てるんじゃないよい。身体に障る…おいホンゴウ!すぐに診察室に来てくれ!!」

     慌てるウタにマルコは落ち着くように諌め、廊下の奥に声を掛けてると奥から男の声で返事と、バタバタという足音が聞こえてくる。
     ウタの車椅子を押して奥へ行くマルコに続くため室内に上がろうとして、
    「あ、そこに室内履きの靴があるから履き替えて上がってくるよい」
     と振り返ったマルコに言われローは足を止めた。

     促された先に視線を向ければ、個別に番号が振られた扉と木の札の付いた下駄箱。
     よくよく見れば番号だけじゃなく白ひげや麦わら、果ては今はなきスペード海賊団のジョリー・ロジャーが付いた扉もある。
     ローは呆気に取られながら、適当に番号の付いた扉を開けてみた。中は上下二段に分かれていて上段には柔らかい毛皮で作られたスリッパが入っていて、靴底はしっかり滑り止めが施されている。
     下段に靴を入れ、ふわふわのスリッパを履き、靴箱の扉を閉めてから番号札を取りマルコの後を追ったローは思った。

    (どう考えても秘密基地ってレベルじゃねェだろうコレは!!!!)

    ☆☆☆

    Q何故サボは隠してる白ひげの故郷スフィンクスにローを呼んだの?
    A『ウタと白ひげの治療』が1番の理由ですが『ルフィの友達に四皇とのコネ』を作らせる為でもあります
     ウォロロンの頂上決戦乱入でおそらくローは多方面に貸しが作れてません
     当時マリンフォード近海までハート海賊団が来ていたことを知ったサボがルフィの友達にコネを作ってやろうと画策したのですが、要件人間なのでそのことを誰にも言ってないです
    (あと本誌のハート海賊団が不穏なので少しでも生存フラグ建てとこうと思って…)

  • 188二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 17:54:55

    保守

  • 189二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 00:28:19

    保守

  • 190二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 07:24:24

    すごい今更ですが今スレで完結しないなどうしよう…とりあえず続き投下します

    ☆☆☆

     あの後ロー、マルコ、ホンゴウから診察を受けたウタは今日は早々に休養するよう言い渡された。
     ホンゴウに付き添われ、ウタに当てがわれた個室へと戻る。ウタがベットに入り横になった時、個室の扉をノックしてロックスターが入って来た。
    「お嬢、よかったらお休み前に一杯いかがですか?」
     そういってベット脇のサイドテーブルに手にしたトレーを置く。その上には陶器のカップに入ったホットワイン。シナモンに八角、オレンジの薫りにウタは頬を緩めた。

    「すっごく美味しそう!」
    「それを飲んだら暖かくして寝るんだぞウタ」
    「うん。いただきます」
     ひとくち口にすれば広がるほっと安心する味。

    「…すっごく美味しいよ、ラッキー・ルウが作ってくれたのと同じ味がする」
    「お嬢に作ってやってくれとレシピを持たされましたから」
    「ふふ、ありがとうロックスターさん。ふぁぁ…何だか眠くなっちゃった」
    「おう寝ちまえ。あとで食事も持ってくるから、何かあればサイドテーブルのベル鳴らして呼んでくれよ?」
    「わかったそうするね。お休みなさいホンゴウさん、ロックスターさん」
    「お休みウタ」
    「しっかり身体を休めてくださいね、お嬢」

     そういって瞳を閉じるとウタの意識はあっという間に眠りの淵に落ち、しばらくすると規則正しい寝息が聴こえてきた。
     ロックスターはひと足先にトレーとカップを回収して静かに退出。眠ったウタを確認したホンゴウは布団をかけ直して、席を立とうと腰を上げた。が、ホンゴウはある事に気づき身体を強張らせ硬直する。
     先程までロックスターが持って来たトレーが乗せられていたサイドテーブル。
     
     今はベル以外なにも置かれていないはずのその上に、旧い羊皮紙に『Tot Musica』と記された楽譜が静かに鎮座していたのだ。

    ☆☆☆
    ♪とっとこ這い寄るムジカくん〜

  • 191二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 18:25:26

    保守

  • 192二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 21:08:41

    じいちゃーん、ちり紙(ムジカくんの楽譜)どうぞ

  • 193二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 01:12:16

    無限ちり紙くんオッスオッス

  • 194二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 07:22:06

    スレ主じゃなくウォロロン時空FILM RED SS書いてる人だけど次スレ立てていいのかな?
    他の人のウォロロンもっと見たい
    ここ感想スレだけど次スレ立てるならPart2とPart3どっちがいいんだろう?
    スレ立てた事ないから教えて欲しいです🙇‍♀️

  • 195二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 18:23:22

    スレの立てかた、わからないので保守

  • 196二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 19:07:31

    195過ぎたし次スレ立ててきましたhttps://bbs.animanch.com/board/1360903/?res=2


    Partは3にしてます

  • 197二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 19:26:07

    >>196

    ナイスたて乙!

    では埋めますね〜

  • 198二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 21:09:07

  • 199二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 21:16:15

    スレ立てありがとうございますm(_ _)m

  • 200二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 21:17:07

    ウォロロ〜お前らねんねしろ

オススメ

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