【ss】何をご覧になっているんですか?トレーナーさん

  • 1二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 17:56:11

    そう言って興味深げに声をかけてきたのは、彼と共に暮らしている一人のウマ娘である。同居人である彼は広げたページを指差して彼女に見せるようにする。
    「ああ、これだよ」
    ひょいと覗き込んで彼の指先を目で追えば、数年前の自身の姿がそこにはあった。かつて両親に勝利を捧げたときの姿が。
    「今でもあの時の歓声、よろこび…色んなものが沸き上がってきます。」
    「ああ、俺も同じ気持ちだ。やっぱりあのレースは、君にとっても俺にとっても特別なものだったように思う。それが、こうして写真と記事を見て思い起こされてね」
    トレーナー稼業はもちろん今でも続けてはいるが、その中にあってやはりエイシンフラッシュとの道程というのは彼にとって鮮烈で掛け替えのないものだった。そのことが彼を苦しめたこともあったが、今は愛バとしてともにいた彼女が別の形で隣にいてくれることでポジティブに捉えることができるようになった。彼にとって隣の彼女は女神に等しい存在である。
    ウマ娘としての騎士然とした精悍さと学生としての初々しさを兼ね備えた写真の中の彼女と、パティシエとして成長しつつ柔らかさを兼ね備えた彼女をつい見比べるが、視線が写真の一点で止まってしまう。
    「どこを見ていらっしゃるんですか?トレーナーさん」
    ほんのちょっとの咎めるような色を滲まさせつつ、隣の彼女は彼に腕を絡める。写真でみていたそれが腕にあたると流石のトレーナーも狼狽する。
    「い、いや、そういいうつもりでは一切なくて」

  • 2二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 18:11:13

    「そういうつもりとはどういうおつもりですか?」
    咎める色は含まれてはいるものの、おたおたとする彼をどこかからかう色も含ませている。当時見せなかったこういうちょっとだけ情けない姿も、いまのエイシンフラッシュにとっては大好きな彼の一面である。
    「…以外とえっちですよね、トレーナーさんって」
    「うぐっ…」
    いくらなんでもトゥインクルシリーズ時代の彼女の写真を見てそんなことは考えない、と弁明したかったが、口にすればするほど墓穴を掘るパターンというのも見えてはいるので早々に観念する。当時は彼女の姿に見惚れることはあっても、そういう思いは抱かなかったが 、今は意識してしまうのは間違いない。
    「…こうしてみると、思ったより大胆に見えますね。勝負服」
    隣にいる本人も、改めて自分の衣装を振り返って頬を染める。その言にはトレーナーも賛成だ。とはいえその思いはトレーナーとしての目線でなく、想い人に対する目線だからこその思いではあるのだろうが。

  • 3二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 18:35:33

    「故郷の民族衣装モチーフですし、無論そういう意図はありませんが、トレーナーさんがえっちになってしまうのは頷けます」
    そのいいっぷりに罪悪感が増すトレーナー。しかし大きく開いた谷間、あるいは健康的かつ女性らしさを失わないしなやかな脚に目を取られるのは男としてはやむからぬことかもしれない。
    「…トレーナーさんにとっては、いまの私より輝いてみえます?この写真の私」
    さりげないが難しい質問を投げ掛けてきたフラッシュ。
    「難しい質問だね。ウマ娘のトレーナーとしては、レースを走ってる君がいちばん輝いてみえるのはそうだけど…」
    「けど?」
    そうして不安そうにする彼女をさりげなく腕で抱き寄せる。
    「一人の男としては、大人になった君の方が輝いてみえるよ」
    「…トレーナーさんったら」
    はにかむ彼女は彼に余計に身を寄せる。改めて彼と一緒にいることができてよかったといまの境遇を噛み締めるように。

  • 4二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 19:21:16

    身を寄せあいお互いの体温を感じながら、二人の間にゆっくりとした時が流れる。ただ互いを感じるだけで無為なこういった時間が、フラッシュもトレーナーもたまらなく好きであった。時計の針は気がつかない間に進んでいく。

    その静寂を破ったのは、身を寄せたまま彼の耳元でささやいた彼女の一言である。
    「みたくないですか?勝負服。今の私で…」
    「ん…?…え、ええ?」
    寝ぼけ眼になりそうだったトレーナーも思わず目を見開く。
    「あ、その、勿論貴方だけに、です」
    頬を赤らめる彼女の言外の意図にトレーナーはどうしたって想像をたくましくする。密着しているいまも感じる、あの時より女性的なやわらかさを増した彼女が、あの衣装を着る姿を脳裏に思い浮かべるのを止めるのは無理だった。
    「…楽しみにしててくださいね」
    優しい声色が、トレーナーには小悪魔の囁きにすら聞こえる。
    「…お手柔らかにね?」
    自身の鉄の理性が折れることを容易く想像したトレーナーは弱々しく呟く。その言葉を予想していたかのように、フラッシュはこう囁くのであった。
    「諦めて、お覚悟を」
    ああ、自分はこの娘にかなうわけなんてないのだと、トレーナーはまた今日も思い知らされるのであった。

  • 5二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 19:22:22

    というわけでプチフラトレでした!
    ありがとうございます。

  • 6二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 19:24:53

    はーっ!末代まで幸せになれよ!!

  • 7二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 19:28:31

    イチャイチャしやがる
    もっといちゃいちゃしろ

  • 8二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 19:30:47

    とても素敵なSSですね。ありがとうございました。

    ところで夜のうまぴょい伝説編マダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆

  • 9二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 19:42:29

    ありがとうございます

  • 10122/11/19(土) 19:48:05
  • 11二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 20:05:30

    >>8

    それはフラッシュが着こなしてみせちゃうやつなのか、それともサイズ的にあわなくなっちゃってるやつなのか

  • 12二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 20:06:07

    なんとなく見覚えあるなと思ったらあなただったか

  • 13二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 20:31:13

    谷間に吸い寄せられるのはしかたないね

  • 14二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 21:09:52

    わっふるわっふる

  • 15122/11/20(日) 00:20:54

    自室でトレーナーはワークチェアに腰掛けながらそわそわしていた。エイシンフラッシュはあの後22時に貴方のお部屋で、と一言添えたのである。
    先程も自分が自室に戻るときに目配せしてくれていた。彼が真摯で紳士なトレーナーであることに疑いはないのだが、ただやはり彼も男である。あんなことを聞かされてはそわそわしてしまうのも無理からぬことだ。

    時計の長針が頂点を指すそのとき、トレーナー室の扉がコンコンと叩かれた。
    「トレーナーさん」
    「…うん、入って」
    「いえ、その前に、ひとつだけ謝らせてください」
    「え?な、何をだい?」
    フラッシュの何かを圧し殺したような声にトレーナーはびくっとする。
    「…大言壮語は恥じます。自分からいっておきながら申し訳ありません」
    沈痛そうなフラッシュの声色にトレーナーは首を傾げる。
    「ど、どうしたんだい?フラッシュ」
    「…いえ、言葉を尽くすより、見ていただいたほうが伝わります。それでは、失礼します」
    そうして彼女はトレーナーの部屋のドアを開ける。

  • 16122/11/20(日) 00:42:04

    珍しく苦々しい顔をしながらも、凛とした姿と立ち姿にトレーナーは見惚れる。優雅なウォーキングは現役と見まがわんばかりで、まるでパドックに今から入らんとするかのようである。
    違和感も感じないではなかったが、それは現役を退いているからであろうと即断した。が、彼女がそのままベッドの前でパドックと同じように優雅な立ち姿を披露しようとしたところで、彼女の苦々しさの意図が理解できた。
    端的にいえば肉付きがよくなったのが「ちょっと」じゃないところがわかりやすくなってしまっていたのである。

    一際目を引く深い谷間を形作るそれは、窮屈さを緩和させるために白い紐が僅かに緩んでいる。それにもましてトレーナーの目を引いてしまったのは黒いストッキングである。太もものあたりが少し伸びて薄くなっているように見える上に、ストッキングに締め付けられて太ももに段差を作り上げている。お肉の乗り具合を視覚で訴えられたトレーナーは目線をそらすことができなくなってしまった。紳士なトレーナーの形無しである。

  • 17二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 00:55:02

    やっほーい続きだー

  • 18二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 01:01:15

    久々のSSだァ!!!
    成人後勝負服の良さはここに尽きるよね!!

  • 19二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 01:10:04

    「トレーナーさん…」
    「は、はい!」
    あまりにも失礼な目線を送ってしまったことへの咎めに聞こえて反射的に丁寧語で答えてしまう。が、彼女の口から紡がれたのは意外な申し出である。
    「記録をつけてください、トレーナーさん。」
    「…はい?」
    「この悔しさを覚えておくために。記録をつけておいてほしいんです」
    ちょっと涙目を見せる彼女の意図をトレーナーはようやく汲むことができた。
    「わ、わかった。記録だね」
    おもむろに立ち上がり、棚からメジャーとノートを取り出す。妙に真面目な質が災いしてトレーナーの挙動がおかしくなってしまう。
    「写真でもお願いします。悔しさを忘れないように…」
    その言葉に唯々諾々となりながらカメラまで用意するトレーナー。そして彼がメジャーを伸ばすとフラッシュもベッドに腰かける。アンスコをきちんと履いているのはわかっていてもスカートというものは意識をさせてしまうのでそちらへの視線は反らす。せめてもの紳士の矜持といったところだろう。

  • 20二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 01:37:15

    測るのに専念しようとしてもストッキングはいじめられてるのを主張するかごときになってて集中ができない。息を整え明鏡止水に至りながらメジャーを巻いてノートに数値を書き留める。お地蔵のような顔のトレーナーの姿がそこにあった。
    柔肌自体はトレーナーにとっては見慣れたものであっても、それとこれとは別である。
    「…計測終了」
    お地蔵さんモードを解除して一息つくトレーナー。フラッシュから労いのお疲れさまです、という一言を貰って余計に肩から力を抜く。トレーナーの小さな戦いは終わったのである。

  • 21二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 01:55:22

    続きを……

  • 22二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 07:01:39

    あえて事に及ばず淡々としてる感じが、より倒錯的に感じられていいですね!

    …いいですねじゃないんだよ!
    これもう手を出さない方が失礼まであるだろ!!
    女に恥を掻かせるな~~~!!!

  • 23二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 10:05:17

    フラッシュ小悪魔すぎない?
    トレーナーさんの欲望コントロールしてない?

  • 24二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 14:31:00

    卒業後フラッシュのpart7以降の後日談追えてないのでまとめてくださると助かります………

  • 25二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 17:23:57

    前に見たことあるのと似てるなと思ったら貴方でしたか…
    過去作てぇてぇなので続きも期待してます…

  • 26二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 21:31:14
  • 27二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 21:44:13

    >>26

    ありがとうございます

    持病の進行が止まりました

  • 28二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 05:56:37

    あ〜良き…
    大人フラッシュの色気にタジタジなトレーナーいい…

  • 29二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 12:16:20

    保守

  • 30二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 19:46:53

    保守

  • 31二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 00:59:43

    うおおすみません。
    ちょい続きは書こうと思うと先になりそうなのでおとしてください…

    また書けるようになったらプチssかいてくとおもいます

  • 32二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 01:33:34

    また今度書いてくれたら嬉しいんだぜ!
    待ってるぜ〜!

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