- 1二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 12:24:29
あにまん民の幻覚ウマ娘ワットハイアちゃんのスレです。
震源地
貴女のトレーナーはイケメンだし才能も有って良いわよね!!|あにまん掲示板私のトレーナーなんてハゲてるし顔もイマイチで才能もない上にあにまん民なんだから!!!!bbs.animanch.com前スレ
【幻覚ウマ娘】私のトレーナーがあにまん民だった その46|あにまん掲示板あにまん民の幻覚ウマ娘ワットハイアちゃんのスレです。震源地https://bbs.animanch.com/board/1205125/前スレhttps://bbs.animanch.com/boar…bbs.animanch.comWiki
【幻覚ウマ娘】私のトレーナーがあにまん民だった【ワットハイア】 Wiki*wikiwiki.jp次スレは>>185が立ててください
※このスレに出てくる荒らしは全てワットハイアちゃんです。優しく丁重に扱ってあげましょう。なんなら♡も沢山つけてあげましょう
- 2二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 12:24:54
ワットハイアちゃんの名前の由来
https://bbs.animanch.com/board/1205125/?res=77
ワットハイアちゃん
中央所属のウマ娘。あにまん民。レスバが趣味。トレーナーをよくバカにする(特にハゲ煽り)が、他人にトレーナーをバカにされるのはなんか気に食わない。無駄に距離適性が広いうえ、脚質も迷子。GⅠ出走経験あり。トレーナーの書き込みとIPが被っている。愛称は「ワイちゃん」。
トレーナー
中央所属のトレーナー。あにまん民。ギリッギリで中央トレーナー試験に合格。若くしてハゲている。才能が無いなりにワットハイアのために頑張ってはいるが、ダイスでトレーニング内容を決めたり、仕事用PCであにまんをしたり普通にダメな点もある。通称は「ハゲ」。
基本は上記の設定のみです。それ以外は脚質・体型などすべて自由です。
上記以外で作品によってはそれぞれの作者が生み出したキャラが登場することもあります。
気になった名前が居たら以下で検索すると登場時の作品が読めます。
ただし、その設定を採用しなければいけないわけではありません(例:〇〇のレースでワットハイアに勝ったのは○○など)
自分の好きなように創作しましょう。
あにまん検索【非公式】素人の作ったクソ雑魚低性能なあにまん掲示板専用の検索ページです。管理人ちゃんとは一切関係ありません。animanman.github.ioスレを長続きさせる為にも節度を守って楽しみましょう!ハゲとの約束だぞ!
- 3二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 12:25:46
- 4二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 12:26:43
- 5二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 12:29:18
逆にハイアちゃんは日曜日にこんなスレ来てて良いのか?
- 6二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 12:29:45
しかし日曜日にワイちゃんで炎上してついにスレ絵になってしまったアオヤギトレーナーおいたわしや…
- 7二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 12:30:59
スレ絵がハゲてる…
- 8二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 12:36:31
日曜を満喫してるハイアちゃんとハゲってのも…いいよね…
- 9二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 12:36:51
- 10二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 12:38:11
いつも帽子をかぶってるキタハラを見て“超親友”だと勝手に思い込むハゲ?
- 11二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 12:39:36
- 12二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 12:39:57
- 13二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 12:40:13
めっちゃ分かる
- 14二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 12:42:17
顔と乳だけは上質なウマ娘とハゲがいちゃいちゃしてる現場なんて見たら…嫉妬と同時に浄化されちゃう
- 15二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 12:42:19
み、醜い…
- 16二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 12:52:10
ハイアちゃんがハゲを好きすぎる
- 17二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 12:54:43
- 18二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 12:58:29
そうなんだよな…ハゲでもハイアちゃんみたいなおっぱいデカいかわい子ちゃんと付き合えるのか?!とか勘違いしがちだけどアイツ普通に有能なんだよな…
- 19二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 13:08:43
あにまん民であることもハイアちゃんにとっては重要なんだよね
普通の有能トレーナーが付いてたら素を出せずストレス溜まって結果がでなさそうだし
ちゃんと指導出来るハゲであにまん民のトレーナーだからこそ気兼ね無くやっていけるんだよなぁ…
- 20二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 13:29:37
トレセン学園卒業後トレーナーになったワイちゃん概念を思いついたので供養
- 21二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 13:43:01
見たいけどSS書く気力が起きねえ…
- 22二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 13:51:54
#ワットハイアミニスカサンタ部
- 23二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 13:55:43
薄い頭のトナカイさんとセットか
- 24二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 14:00:46
出先で隣のやつが偶然あにまん民だったけど、ハイア民でもなければ美少女でもなかった
げんじつ - 25二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 14:20:07
- 26二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 14:34:05
まだ毛はあるやつだった…ヅラ?
- 27み22/11/20(日) 14:43:30
─最終コーナーをすぎて最後の直線、私は確かな手応えを感じていた。これまでは、ここで足が上がっていたけれど。今日は、今日こそは、このまま行けば確実に逃げ切れる。
「よし…このままっ!」
『先頭スウィートミモザ!まだ粘る!逃げ切れるか!後続各バ伸びは苦しいか!外からワットハイアが伸びてくる!先頭まで5,6バ身と言ったところ!』
スタンドから微かに聞こえて来る実況と共に、近づいてくる1人の足音。私は怖くなって後ろを振り返った。
「ふふっ…やっぱり来たね」
─間違いない。ワットハイアだ。
今週の最終調整で自己ベストを更新していた彼女。私とトレーナーが1番脅威になると考えていたウマ娘。
けれども、私だって。
「負けるものかぁ!」
『残り200を切って、まだ粘るスウィートミモザ!外からワットハイア!2人の一騎打ち!スウィートミモザ先頭!ワットハイアが襲いかかる!』
─坂を登って、見えてきたゴールポスト。あと少し、あと少しだけ粘りきれれば。信じてくれた、私の、トレーナーのためにも!
「はああああああ!!!」
『スウィートミモザ!ワットハイア!スウィートミモザ!ワットハイア!並んでゴールイン!……勝ったのは──!』 - 28み22/11/20(日) 14:43:51
─最終コーナーを外目で回り、直線に向いた時、5バ身前に1人のウマ娘が居た。
「届くかどうか…いや、いける!」
私─ワットハイアは全力のスパートを掛ける。春のクラシックも終わった時期の未勝利戦、ここで勝たなきゃ後は無い。
「うおおおおおお!!!」
『─外からワットハイアが伸びてくる!先頭まで5,6馬身と言ったところ!』
ふと前の子が後ろを振り返った。私と目線があった瞬間、彼女は笑みを浮かべた気がした。
そして、彼女がさらにスパートする。
「まだ余力残ってんのかよ!…上等だ!差し切ってやる!」
私も合わせるように加速していく。息は切れるし、足も苦しいけど、私なら差せると信じて。
『残り200を切って、まだ粘るスウィートミモザ!外からワットハイア!2人の一騎打ち!スウィートミモザ先頭!ワットハイアが襲いかかる!』
ゴールの手前で、ようやく並んだ。足は限界だけど、そんなの今は関係ない。後は─
「後は、抜くだけっ…!」
『スウィートミモザ!ワットハイア!スウィートミモザ!ワットハイア!並んでゴールイン!……勝ったのは──!』 - 29み22/11/20(日) 14:44:12
─結果から言うと、私は、ワットハイアは負けた。ハナ差の2着。悔しい。ただただ悔しい。
2着だ、2着。本来なら褒められる着順だろう。ジュニア級の時なら、次への自信になっただろう。だけど、今は未勝利の終わりも近づいている時期。勝てなかった、勝たないといけなかった。悔しさの中に、だんだんと焦りも芽生えてくる。
ふと目に入ったのは、私に競り勝ったウマ娘。嬉しそうに満面の笑みを浮かべ、耳は忙しなく動いている。
「ねぇ、なんで最後、貴女は粘れたの?」
気がつけば、彼女の目の前に立ち、そう言葉を発していた。
「…えっ?と、それは……」
「あ、いやいいの。なんでもない」
─私は何を言っているんだろうか。ほら、彼女も困ってるじゃないか。
けれど、彼女は戸惑いながらも口を開いてくれた。
「……えっと、ね。私が粘れたのは…トレーナーのため、かな?」
そうはにかみながら、彼女は言った。
トレーナーのため。トレーナーの。
……ハゲを思い浮かべ、私は無理だなと結論づける。
私がハゲのために走る。そんなこと、嫌に──
「えっ、いやいや。む、りに……」
私は、その時の感情に戸惑い、彼女への非礼を詫びることなどすっかり忘れていたのだった。 - 30み22/11/20(日) 14:44:29
─私が、勝った。写真判定の結果、私─スウィートミモザが1着だった。
とても嬉しかった。初勝利を挙げれたこと、ダメダメだった私を指導してくれたトレーナーへ恩返しができたこと、そしてワットハイアに勝てたこと。
周りから見れば、喜んでいるのは一目瞭然だっただろう。耳は忙しなく動き、尻尾は大きく振れまくっていた。
ふと、私の前に影ができる。なんだろうと見上げると、悔しそうな顔をしたワットハイアが居た。
「ねぇ、なんで最後、貴女は粘れたの?」
─いきなり何を言い出すのだ、このウマ娘は。
「えっ?と、それは……」
「あ、いやいいの。なんでもない」
なんでもない訳ないだろう。そんな鋭い目つきで、全身で悔しいですって言っておいて。
「……えっと、ね。私が粘れたのは…トレーナーのため、かな?」
この時の私の顔はどんな顔だったのだろう。照れ顔なのか自信に満ちた顔だったのか。分からないけれど、彼女の、ワットハイアの驚いた顔だけは鮮明に記憶している。
その後、ワットハイアが何やら考え込みはじめた様で、邪魔しちゃ悪いと思い、私はトレーナーの元へと向かうことにした。
私は、この時とても浮かれていたのだろう。右足が発する痛みに、気づくことはなかった。 - 31み22/11/20(日) 14:46:02
唐突にSS投げてすみません┏○ペコッ
夜中に降ってきた概念をSS化してみました。SSほとんど書いたことないので、拙いところが沢山あるかもしれませんが、ご了承ください。┏○ペコッ - 32二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 14:55:26
おっとこれは…さっさと自覚してしまえ!
- 33二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 14:59:55
ハゲって勇気あるよな
ハゲ隠さずに育毛剤とかで髪を増やす努力してるんたから
アデランスとかで植毛もやらない - 34二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 15:01:26
- 35二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 15:06:59
- 36二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 15:07:38
脇への熱いこだわりを感じる
- 37二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 15:28:13
お前船乗れ
- 38二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 15:35:11
クリスマスといえばパーティーにプレゼント、食べ物にデートそして有馬記念といったイベントがメジロ押し
もう11月も下旬だー - 39二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 15:37:19
チャンピオンズカップもよろしくね(何故か男塾とコラボしてるCM)
- 40二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 15:39:06
最高だ…ありがとう…
- 41二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 15:40:54
ソシャゲとかのめっちゃ短ぇ防寒性皆無のサンタコス見ると冬って感じがするなあ
クリスマスSS書くか - 42二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 15:55:49
初めてSS書いたみたいな人が居るのは嬉しいね
- 43二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 17:19:32
脇がすごく…すごいです!
- 44二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 17:51:00
もう冬?って思ったけどクリスマスまであと一ヶ月くらいか
クリスマスにはハゲと二人でどっかで食事してて欲しい - 451/222/11/20(日) 17:58:01
寮の自室、ベッドの上で、ウマホの画面をじっと見ている。
『──さあ各ウマ娘、ペースを保ちながら──運命の最終コーナーへと駆けていきます!』
いま、同室の子はいない。私は一人、画面の向こうを走るウマ娘たちの姿を見、実況の声を聞いている。
『最終コーナー、真っ先に飛び込んできたのは8番! このまま逃げ切れるか!』
賭ける思いは皆違えど、皆等しく一心不乱に駆けていく。見据えるのはただ一つ、勝利だけ。
『ここまで粘ったが12番は上手く抜け出せないか! 上手く進路を見つけたか、後ろから2番が抜けていく!』
端正な顔を歪め、艶めく髪を振り乱し、綺麗な勝負服を汗と泥で汚して。けれど、誰もそんなの気にしないで。
『後方から5番がスパート、一気に加速して先団へ迫る! 鬼の末脚で見る見る上がっていきます!』
勝ちたい。その一心で、他の思いなんて置き去りにして走り抜けていく。心を燃やして、ただ前へ。
『負けじと8番が粘る! 残りわずか! 5番と2番が迫る! 届くか! 届くか! 逃げ切れるか! 差し切るか!』
その火が、見ている者たちの心にも灯る。夢が、祈りが、願いが──思いが、一つになって燃え上がる。
『──ゴォォールッ! 熾烈なデッドヒートを制し、冬迫るレース場に大輪の花が咲きました! 勝ったのは──』
──電源を切り、部屋を出る。服は、いつの間にか部屋着から練習用のジャージに変わっていた。 - 462/222/11/20(日) 17:58:21
「──あれ? 何してんの」
「そりゃこっちのセリフだハイア。今日はオフだぞ?」
足早に校門へ向かうと、見慣れたハゲがそこにいた。
「いや、まあそうだけど……なんて言うか、ソワソワしちゃって」
「ああ、そうか……俺もだ。なんか気が逸ってな、外周のコースでもグルっと回ろうかと」
考えることは同じ、ということか。見ればジャージ姿のハゲの横には、走り込みで使う自転車が。
「そりゃ逸るでしょ。あんなの見せられちゃったら」
「だよなぁ……ま、じゃなきゃトレセンにはいないか。俺も、ハイアも」
話しながら、私は軽くストレッチ。ハゲも、ペダルに足を掛けた。
「……行こっか」
「……ああ」
ぐーたら出来ると喜んだはずの休日に、ハゲと並んで走り込み。
──不思議と、嫌な気はしなかった。 - 47二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 17:58:42
以上、レースの熱に中てられたワイちゃんとハゲのSS
アプリでもアニメでも、レースを見て憧れを抱いた描写が度々ありますね
G1ともなれば、その熱量も掛けられた思いも凄いもの。多分こんな感じの光景はよく見られるんじゃないかなぁ、と
来週はジャパンカップ、外国から来たウマ娘や観光客なんかに話しかけられて慌てるワイちゃんもいるんだろうか - 48二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 18:09:59
走ってたのは同室の子かな?なんだかんだで息が合う二人良いね…
- 49ハゲの優雅?な休日 1/322/11/20(日) 18:39:25
ハゲの休日は一杯のコーヒーを淹れるところから始まる。今日は昨日の帰りがおそったから起きたのは9時と遅め。まあ、休日くらい贅沢に時間を使ってもいいだろ。物を運んだり、自分で体を動かして試してみたりと意外と重労働なトレーナー業において、体は資本。そのためタバコはもちろん、酒もハメを外す時は除いて基本的には嗜む程度。だから自然とコーヒーが習慣となっていた。
豆はブルーマウンテンとか高い豆も買えなくはなく、そこらのコーヒー店で買った普通な豆。職業柄高い豆でも変えなくはないが、コーヒー店に行って買った方がいろんな種類があって比べるのも楽しいし、何よりお店の雰囲気もいい。それに、高くなくても自分で入れたいという気持ちは満たせるし、インスタントとは段違いだ。
まず湯を沸かし、豆をひく。手で引く方が本格的だという人もいるだろうが、手軽で続けやすいし今の機械は進化していて、引き具合も変えられるため迷わず機械だ。ひかれ、粉になり、落ちていく粉。立ち登る香り。これだけでも既に心が浮き立つ。
次にフィルターをセットし、粉を入れていく。ひきた時にもいい香りがしたが、やはり香ばしく苦くもどこか華やかなこの香りは直接嗅ぐに限る。 - 50ハゲの優雅?な休日 2/322/11/20(日) 18:39:42
そして湯を注ぎ蒸らす。この工程を焦ってはいけない。焦って入れてもまずいコーヒーになるだけだ。コーヒーを淹れるのは美味しい物を飲むことがもちろん最終目標だが、淹れる工程自体もゆっくりとした時間で、慌ただしい日常から離れた心安らぐ時間だ。
本格的に淹れる時が来た。これまたゆっくりとしていながらそれでいて同時に時間との戦いでもある。早すぎてもだめ、遅すぎても良くない。そんなバランスを日々探る。最初は不味かった自分のコーヒーが美味しくなる、そんな小さな愉悦。トレーナー業に着いたのもある意味似たようなところがあったのかもしれない。湯を注ぎ、待ち、また注ぐ。その繰り返し。豆、粉を嗅いだ時よりも丸く、より広がる香りがたまらない。
そして、注ぎ終わる。ここでこぼしたら一巻の終わり。慎重に机まで行き、おく。合わせるお菓子はエクレア。甘いものが食べたくなりふらっとよったお菓子屋でどうにも惹かれて買ってきてしまった。コンビニで買うより倍近く高かったがたまの休日、このくらい安いもんだ。 - 51ハゲの優雅?な休日 3/322/11/20(日) 18:40:55
冷めないうちに、啜る。苦い。でも酸っぱくもあり甘くもあり、おいしい。子供の頃はただ苦いと思っていたこの飲み物が、今となっては複雑な味に感じられる。部屋に広がる香りが心に安らぎヲ ピンポーン♪ハゲいますかー 聴き慣れた声。朝っぱらからな...そういえば寝過ごしていた。
とりあえず外で待たせるのもなんだから部屋にハイアを入れた。「あ、いい香り。コーヒー自分で入れたりするんだ。私の分ある?」いつも二杯飲んでるからもう一杯分あるしエクレアも3個入ったやつだから問題ないが...コイツ仮にも年上相手なのに遠慮全くないな?
牛乳は冷蔵庫にあるし自炊してるから砂糖もあると言ったが、ブラックで飲むと言うのでそのまま出した。「苦ーい!」案の定の反応だった。が、すぐ後の「でもいい香りだし嫌いじゃないな」といういつもより少し穏やかな顔。なんだかつい吹き出してしまった。
何笑ってんだという声をスタートに、秋葉原のアニメイトまで連れて行かされ、穏やかとは真逆の休日にはなったがこれはこれで悪くない休日だった。
ハゲがコーヒー入れてる姿を幻視したので。コーヒー入れてる姿って、なんか素敵。 - 52二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 18:44:32
ナチュラルに休日にハゲ宅に遊びに来てデートに引っ張り出すワイちゃん……
- 53二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 18:50:21
当たり前の様にアポなしでハゲの家に行く関係…良い…
- 54二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 19:03:56
コーヒー豆買いに行ってる店がマンハッタンカフェの行きつけで、ハゲとカフェがコーヒー談義に花を咲かせてワイちゃんの耳が絞られる展開は女々に御座るか?
- 55有馬記念とクリスマス 122/11/20(日) 19:27:51
「車出してよ。」
担当からそう言われたのはすっかり冷え込んだ12月半ば。年頃のウマ娘にこんなことを言われたら年甲斐も無く少しココロオドル
「どこに連れてけばいいんだ?」「ホームセンター。」色気が無い
「クラスでやるクリスマス会の買い出し。クリスマス当日はレース明けの子も多いし、地元帰る子もいるからさ。」そう言ってハイアはメモ書きを見せてきた。買う物が多い。これは車を使いたくなろう。しかし…「レースな…すまんなハイア、有馬記念出させてやれなくて。」そう、今回の有馬記念でワットハイアは票を集めることが出来なかった。最初の三年の締め括りでだ。決して戦績が悪かった訳では無い。『俺たち』にしては充分すぎる程の成果だ。1度ならG1も勝利した。しかし、G1戦線を走り続けるようなウマ娘達に太刀打ち出来るほどの競争ウマ娘に育ててやれなかった。ワットハイアに集まった票は全く足りなかった。本人も強く出走を望んでいたのだが……「気にしないでよトレーナー、それより早く行こうよ。」
--- - 56有馬記念とクリスマス 222/11/20(日) 19:28:27
買い物はつつがなく終わった。
「何処もクリスマス気分でキラキラしてるね。」「そうだな、友達と出かけると楽しいと思うぞ。」「そうする。」
帰りの車中で他愛の無い会話、いいや互いに言葉を投げ出しているだけだ。
今日はずっとこんな感じだ。俺たちはどこかすれ違っている。
「ホントはさ、有馬記念走りたかったよ。今年が最後だったから…」
分かってはいた。ハイアは有馬記念を目指して本気だった。
本当の自分が出せないから大衆ウケの良いキャラクター演じていた。票のためだ。
本当の自分をさらけ出せる場所からも距離を置いていた。トレーニングのためだ。
でも票は集まらなかった。
実積が足りなかった。
実力が足りなかった。
でも一番足りなかったのは、
俺の指導力だ。
もっと早く会えていたらなんとかなったかもしれない。でもそんな現実は無かった。
限られた三年間でそこまで育て上げられなかった俺のせいだ。
「私、有馬の応援終わったら実家帰るわ。年越しもそっちで済ませる。トレセンに戻るのは休み明けにする。」「分かった。親御さんによろしくな。」
そうだ、高等部のシニア期のウマ娘の殆どは、全てのレースが終わった後から進学か就職に向けて追い込みに入る。毎年、3年生のクリスマス会が早いのもそのためだ。レースを駆けた青春の後は皆バラバラになる。時期の違いがあれども有馬記念の応援を最後に切り替える娘が多い。 - 57有馬記念とクリスマス 322/11/20(日) 19:29:02
URAファイナルもあるが、あれは敗れた者達の願いを背負い走る者と俺は思っている。
ハイアのクラスでG1ウマ娘はハイアだけだ。でも想いを込めたURAファイナルに参加出来る見込みは無かった。だから有馬記念を求めた。でも駄目だった。
ハイアは悔しかっただろう。自分しか出来ない事を果たせなかったんだから。
「ハイア、あんまりこんな言葉使いたくないけど悔しい気持ちは分かる。でもクラスのみんなm「分かってないよトレーナー」」
「クラスは関係ない。アタシが有馬記念に出たかった一番の理由は違う。」
「違う?」
「そう、G1の冠でもグランプリの名誉でもない。」この展開は良くない。
「アタシはアンタ「ラジオ点けるぞ。」と!……最低……」「最低でいいぞ。」
何となく感じていた。ただ勘違いだと思っていた。せいぜい愛着や信頼といったものだと。
ただそれを言わせる訳にはいかない。互いの立場や年齢がある。そもそも俺はハイアを『そういう』目で見ることはあっても、『そういう』相手として見ていない。ここで終わらせてあげるべきかも知れないが、俺にその決断は出来ない。だから先延ばしにする。許せ。 - 58有馬記念とクリスマス 4〆22/11/20(日) 19:29:38
---
『明日の天気は雪ですが、23から25は晴れとなり有馬記念は良馬場になるでしょう。』
無言の車内でラジオだけが喋る。
ハイアに俺の意志が通じたのだろうか、何かを言うことなくじっとしている。彼女は聡い子だ。あとは時間をかければその気持ちを消化してくれるだろう。
もうすぐトレセンに到着する。彼女には悪いが、荷物を下ろしたら俺からも少し時間を置こう。冷却期間を設けたい。それと直接フられた訳でなくとも心のケアは必要だ。ハイアと別れたらたづなさんに相談しよう。俺には荷が重たすぎる。
「もうすぐ着くから、クラスメートを呼んでおいてくれ。俺は荷物下ろし終わったらそのまま帰るから。」「うん。」
学園に着くとハイアのクラスメートが集まっていたのでハイアと荷物を預けた。ハイアの顔を見て何かを察した者や食ってかかってきそうなヤツもいたが、そこは周りがそっと抑えた。良い友達じゃないかハイア。
その痛みを越えたら人として大きくなれる。がんばれよ。
俺は車を校舎裏に停め、たづなさんに電話をかけた。 - 59有クリ あとがき22/11/20(日) 19:33:16
筆者の世界ではハゲはトレーナーとして大人としてちゃんとあろうと心がけています。それが誇りであり、今回ハイアと話し合えなかった弱さだと思います。
告白や直接的にフるシーンは描写出来ませんでした。
人として経験値が足りない。
なのでこの先も書けないし、ハゲが有耶無耶にしなかったルートも無いんだ。
筆者にほんの少し人生経験があれば
でもそうはならなかったんだよ
だからこの話はここで終わりなんだ。 - 60二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 19:36:06
素晴らしいコーヒーssの後にこれを投げたのは
もしかして:罪 - 61二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 19:39:50
こう…結構心にクる物がある
でもハゲの気持ちも分かる… - 62二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 19:40:56
甘い話と苦い話が交互に来ると感覚ばぐりそう
両方好きだからいいけど! 好きだからいいんだけど! - 63二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 19:42:33
ほろ苦い感じで凄い刺さった…
こういう話とても好き - 64二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 19:48:27
コーヒーssの後にビターエンドssは来るね…
このハゲはトレーナーとして、大人として正しかった
だが、男としては正しくなかったんだ… - 65二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 19:52:48
このレスは削除されています
- 66二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 20:38:20
最初のスレだったら「あにまん民にすら振られてる、残当」とか言ってたのになあ…
- 67二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 20:56:01
- 68二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 21:03:26
- 69二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 21:08:59
トレーナーがちゃんと大人してるやつめっちゃ好き
- 70二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 21:12:35
>>68 それもまた実にいいですねぇ...やはりあにまん民とはいえ彼女も乙女...誰かが書いた概念は本人が嫌じゃない限り広めてくもの派なので個人的にはいっぱいしゅき
- 71二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 21:27:54
可愛らしい嫉妬でシットリ
- 72二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 21:50:43
ハイアちゃん基本素直じゃないのでハゲに当たったあとしょっちゅう後悔してそう…
- 73二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 22:20:02
あにまん民だから度胸がねえ!
- 74二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 22:36:20
- 75二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 22:46:22
本当に運命の相手というかなんというか…
- 76二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 22:50:44
「……トレーナーはん」
「…………はい」
「分かっとるよな、アタシが何を言いたいんか」
「………………ごめんなさい」
「アタシに謝ってどないすんねん。あーあ、可哀想やわハイアちゃんが」
「…………」
「何も言わへんのか」
「すみませ「だから謝る相手がちゃうやろ」……はい」
突き刺すような糸目は、普段よりも更に細い。瞼の奥の瞳孔が静かに俺を睨みつけていた。 - 77二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 22:51:01
12月も終盤に入った頃。俺のトレーナー室をノックし、返事も待たずにドアを開けたウマ娘――スピードラビットは、入るや否や俺を責め立てた。理由は……何となく分かっている。
「来週の日曜。何の日か知っとるよね?」
「……クリスマスです」
「せやね。有馬記念とかほざいたらぶっ飛ばしとったわ」
ゾッとするような声に背筋が跳ねた。彼女はやる。冗談でもなんでもなく。
「で。トレーナーはんはその日、何するんやったっけ? 言うてみ」
「…………宿直です」
「うん、うちのトレーナーから聞いとったわ」
トレセンにはトレーナーや教師を含め、たくさんの職員がいる。もちろん警備や設備の管理はそれ専門のスタッフがいるのだが、トレーナー室だけは別である。ウマ娘に関わる個人のデータ、次のレースの作戦などの機密情報が保管されているその場所の管理は、トレーナー達に一任されているのだ。
これは過去に、臨時の警備員がトレーナー室からデータを盗み出すという問題が発生したことに起因し、元々徹夜でトレーナー室に籠ることの多いトレーナーが当番制で兼任しようという仕組みになったのだが……それはさておき。
つまり、俺は12月の第4日曜日の宿直の仕事を任されたのである。奇しくもその日はクリスマス。更に言うと、有馬記念の当日だ。希望者などいるはずもなかった。
「あんなぁ。クリスマスだって分かってて立候補したん?」
「いや、その……全然考えてませんでした」
「せやろね。そんなこったろと思っとったわ」
宿直のシフトは、毎回前月の終わりに決めている。来月はレースや遠征が無いからと適当に希望を出した11月の自分を恨んだ。「まあでも今年はもうレース無いしなー」くらいに考えていた俺はバカだ。 - 78二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 22:51:20
「ハイアちゃんなあ、めっちゃ楽しみにしとってん。何着てくーとかどこ行こーとか、いつ誘ってくれるんかなーとか。トレーナーはんにも見してやりたかったわ。そりゃもう健気やで?」
「……別の日とかは」
「阿呆。そんなんただのお出かけや。いつも行っとるやろ」
ぴしゃりと言い放つラビット。後輩を想う怒りは不甲斐ない男に向かっていた。
「良い方法が、一個だけあんねん」
「っ、どうすればいい!?」
「教えたるわ。でも――タダとちゃうで」
にんまりと笑った細い目に、俺は鳥肌を立てた。
─────
「……まだかよ、あのハゲ」
あたしはスマホのLANEの画面を開いてそう呟いた。直前のハゲとのやり取りは、次のトレーニングの内容とかレースの動画ファイルとか、事務的なことばっか。こんな時期だっていうのに。
「よーっすハイア〜! 元気?」
「……あんた程じゃないよ」
「え、そう? えへへ、そんな元気に見える?」
そんなあたしに話し掛けてきた友人は、やけにテンションが高い。
「ねーねー聞いてよハイア! ウチのトレーナーがさー」
「あー分かった分かった、昨日も聞いたから。クリパの話でしょ?」
「そーなの。いやマジでハイアも誘いたかったんだけどさ〜」
友人を担当するおじいちゃんトレーナーだが、毎年クリスマスには元教え子達やその友人を集めてパーテーを開くらしい。流石トレセン、トレーナーまで老いて尚陽キャだ。 - 79二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 22:51:38
「でも彼氏持ちは誘えんわー。結局どうすんのクリスマス?」
「うるさい。彼氏じゃねーし」
「いーじゃん何でも。デートどこ行くの?」
「…………まだ決まってない」
「えー何それー? 決まったら絶対教えてよねー? んじゃあね〜」
「はいはいまた明日ね」
スキップしそうなくらい上機嫌な友人に手を振り、あたしはこっそり溜息を零す。今、一つだけ嘘を吐いた。
「……まだ、誘われてもねーし」
胸元のネックレスを何となく掴み、見つめる。いつかのクリスマスの日、勝手にお揃いで買ったっけ。
「――あっ」
するとハゲからLANEが来た。噂をすればというやつだ。思わず声に出してしまったが、即座にその内容に眉を顰める。
「…………は?」
そこに書かれていたのは、あたしの期待から大きく外れたお誘いだった。
─────
そして、来たるクリスマス当日。ちょっと奮発して買った冬用の私服に身を包んだあたしは、都内のオシャレなレストラン――ではなく、明かりの疎らなトレーナー室の区画にいた。
「何考えてんのあのハゲ……」
もちろんトレーニングのために訪れた訳ではない。今日のカレンダーに記していたのは、れっきとしたクリスマスの予定だ。
「まあいいや、寒いし入るか……こんばんわー」
安っぽいトレーナー室のドアをノックする。中からいつもの声がした。
「入るよー……うわっ」
いつものごちゃついた部屋を思い描いていると。
「「「メリークリスマス!!!」」」
そこは、煌びやかにデコレーションされたパーティー会場だった。 - 80二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 22:51:58
「いやー、たまにはこういうのも良いな! ほらハイア、野菜も食べろ」
「勝手に盛るなハゲ! ……まあ、いいけどさ」
「ほーらハイアちゃん、アタシの実家から送って貰った九条ネギや。たんとお食べ?」
「ちょっ、先輩も……てかなんでクリスマスに鍋なんすか」
「ラビットと彼の提案でね。寒いしちょうど良かったよ。悪いね、お邪魔して」
「いや、いいっすけど……」
トレーナー室であたしを出迎えたのは、ハゲ、ラビット先輩、先輩のトレーナーの三人。よく並走トレーニングもするから、見知った組み合わせだ。
「日本人なら冬は鍋だろ! ほら鶏団子も良い感じだぞ」
「だから自分でやるって! ああもう……あ、美味しい」
「だろ?」
「やるじゃん」
鍋奉行をするハゲはやけに張り切った様子だ。こんな所に呼んだと知った時は「クリスマスに何考えてだよ」とは思ったけど、案外悪くない。クリスマスツリーとリース、赤白緑の飾り付けの中央で鍋やってるのはシュール極まりないけど。
「よーし、〆のラーメン行くか!」
「クリスマスに鍋でラーメンかよ……美味いからいいけどさ」
「まあまあ、たまにはええやんこういうのも。せやハイアちゃん、後でプレゼントあるんや」
気付けば鍋も終盤、先輩はそんな事を言い出した。
「うっそ、あたし何も用意してないんですけど……」
「ええんよ、アタシが贈りたいだけやからね。後でトレーナーはんにも見せたってな」
「? まあ了解っす」
ニヤッと笑った先輩を不審にも思わず、あたしはハゲがよそったラーメンにありついた。 - 81二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 22:52:14
「ほな、またなハイアちゃん。トレーナーはんも頑張ってな」
「お邪魔しました。それとご馳走様。ハイアさん、またトレーニングの時には宜しくお願いしますね」
「あ、はい、こちらこそ。じゃあね先輩、プレゼントありがと」
「おう、またな二人とも。メリークリスマス」
手を振る二人を見送って、やけに和風なクリスマスパーティーは終わった。食後のケーキでなんとか雰囲気を取り戻せたのが幸いだ。
……あの二人、これからどこ行くんだろ。今度聞いてやろ。
「さて片付けるか。悪いな手伝わせて」
「いいよ、美味かったし」
「そりゃ良かった。うちの秘伝のレシピだからな」
「……スマホ見てたじゃん」
「うちは昔からクッ〇パッドだからな」
「秘伝の意味知ってる?」
「俺も最初知った時は親に同じ事言ったよ……」
しょーもない会話をしつつ、二人で鍋や皿を片付ける。なんか、いいなこれ。二人でご飯の片付けって……いやいや。何考えてんのあたし。
「そうだ。先輩に貰ったプレゼント、中身何だろ?」
「お、見せて見せて」
見るからにプレゼントっぽい布袋の包装を開き、二人で覗き込む。中身は赤と白っぽい……服? なんだこれ?
「「…………は?」」
薄い生地で作られたそれは。
有り得ないくらい丈の短い、サンタコスだった。 - 82二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 22:52:39
『後でトレーナーはんにも見せたってな』
『トレーナーはんも頑張ってな』
ラビット先輩の言葉が今更になって理解できる。あの女め、何が頑張れだ。ふざけんな。
「……えっと」
「着ないからな」
何か言いかけたハゲをすぐさま黙らす。誰が着るかこんなコスプレ。しかし彼は勝手に続ける。
「その、実はな……交換条件なんだよ」
「は?」
それはハゲと先輩の間で交わされた取引だった。
─────
「一人やとこないな所呼びにくいやろ」
「まあ、そうだけど……」
「ほなら、こういうのはどうや?」
ラビットの提案は、このトレーナー室で四人の小さなパーティーを開くことだった。確かにこれならハイアも納得してくれるし、俺もここを離れずに済む。
「あーあ、アタシも洒落たレストランに行こうかと思ってたんやけどなあ」
「……お願いします」
「まあここはハイアちゃんのために我慢したるわ。恩に着とき?」
「ありがとうございますスピードラビットさん……」
一も二もなく俺は彼女の提案を飲んだ。しかしこれで終わりではない。
「でもなあ、言ったろ? タダやないねん。これは取引や」
そう言うと、彼女はスマホの画面にとある写真を映した。ネット通販の商品ページだ。
「ハイアちゃんはなぁ、恥ずかしがり屋さんやろ? でも恥ずかしがっとる時がいっちゃん可愛いねん。トレーナーはんなら分かるやろ?」
「……まあ否定はしない」
「そんでや。これ、着せて欲しいねん。それでトントンにしたるわ」
彼女はスマホを俺に向ける。そこにあったのは―― - 83二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 22:53:23
「…………着た?」
「まだ。目開けたら殺す」
「………………もういい?」
アタシのミニスカサンタコスの写真を送れ。それが先輩から課されたミッションだ。どういう経緯なのかは教えてくれなかったけど、どうしてもハゲは先輩に従わなければならないらしい。意味分かんない。
「ふぅ…………いいよ」
意を決して、彼に合図する。
「――――おお」
「キモい。見んなハゲ」
感嘆の声を漏らしたハゲは、写真を撮ることも忘れてあたしを見ている。恥ずい。鼻の下伸ばしやがってこの変態。
「……早くして欲しいんだけど」
「あ、いや、すまん。撮るぞ」
スマホを向けるハゲ。なるべく意識しないように、そっぽを向いてシャッター音を聞く。シャッター音を………………まだ?
「ねえ、まだ?」
「いや動画だよこれ」
「は???? 消せコラふざけんなハゲ殺す!」
「あっちょっ待て! 動画もって言われたんだよ! ちょっ、痛い痛いっ、放せハイアっ」
「ざけんな変態!!」
「ちがっ、待てって! 服! 中見えるから! ヤバいからそれ!」
取っ組み合いになったが、今の自分の格好を思い出してハゲから離れる。その隙にハゲは動画を送ってしまったみたいだ。
「フーッ、フーッ……絶対許さんあのアマ……」
「すまん、俺に免じて許してくれ……」
「……もういいから。着替えるから出てって。つーか帰れ」
「いや、俺は帰らないぞ」
「は??」
ハゲは気まずそうにしている。またもや意味が分からない。さっさと出てけよ。帰らないって何?
「……実はな」
なんとも言いにくそうに、彼は事の真相を話し始めた。 - 84二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 22:53:42
「バカなの?」
「申し訳ございません。バカです」
「何考えてんの? クリスマスだよ今日?」
「……はい。存じています」
溜息が出る。やっぱりバカだ。クリスマスの日に宿直とか、ついに頭の外じゃなかて中まで老化したのかこのハゲは。
「……まあ、でも」
それでも。誰かがやる必要のある仕事なのは、理解した。結果的に貧乏くじを引いたのはコイツの責任だけど……トレーナーってのは大変なのかもしれない。あたしがいつかのクリスマスに出かけてた時も、有馬記念に出た時も。誰かが宿直をやってたんだって思うと、少しだけ許せた。……少しだけね。
「宿直ってさ、いつまでなの?」
「5時に警備の人が来て6時に施設が色々空くから、その時間までは居るよ。まあレースとか見てればすぐだからな」
チラリと見た時計は19時を指している。今から10時間以上、この部屋に一人で居るつもりなんだろう。このクリスマスに、仕事をしながら。
「ごめんなハイア、こんどどっか飯でも行くか。埋め合わせじゃないけどさ」
「……ううん、いいよ。別に」
仕事って大変だなとか、ハゲも大人なんだとか、あたしはまだ子供だな、とか。色々考えてたら、ちょっとだけ彼にもプレゼントをしたくなった。いや、あたしが貰いたかっただけかもしれない。 - 85二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 22:53:59
「……今日さ、同室の子居ないんだよ。実家帰ってクリスマスパーティーだって」
「そっか、いいな」
察しの悪い男だ。それとも分かってて黙ってるのか。
「……あたし、ここにいるから!」
イライラをぶつけるように、声を荒らげた。
「えっ?」
「クリスマスで一人寂しいアンタのためにいてあげるっつってんの! はいもう寮長にLANEしたからね。外泊届け出しましたー」
「いやお前そんな勝手に」
「うっさい、黙ってろ」
ドスドスと乱暴に歩いて、ハゲの座るソファの横に座り込む。ボフっとクッションが埃を立てた。
「……何やってんの」
「いや、だから仕事」
それなのにノートパソコンを開こうとするハゲ。こんだけ言って分かんないとか、どんだけ鈍感なんだよコイツ。もういい。恥ずかしいとか色々通り越したあたしは――
「…………あの、ハイアさん?」
視界を遮るように体を横に倒して。
「えっと……重……くはないですハイごめんなさい」
ハゲの膝に頭を乗せた。何か言いかけたのでキッと睨むとすぐに黙る。が、すぐに視線があたしの顔から下の方……胸に向いた。
「変態」
「流石に横暴だぞそれは」
しかし観念したのか、パソコンを閉じてソファにもたれかかった。あたしの言いたいことは分かったんだろう。わざわざ体張ってんだから、今日くらいは休め。 - 86二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 22:54:16
「……なんかクリスマスプレゼント、欲しい?」
ハゲは膝に乗ったあたしの髪を撫でながら呟いた。許可した覚えはないけど、まあ今日くらいは許してやる。
これも全部、お返しのつもりだし。
「……もう貰った」
「えっ、何かあげたっけ? 鍋? ケーキ?」
戸惑う彼を無視して寝返りを打つ。ハゲのお腹の方に顔が向いて……あたしは自然と両腕を腰に回していた。
「動けないんですけど」
「動くな」
「クリスマスに脅されるとか初めてだわ」
中身の無い会話をしつつ、人肌の温かさに次第に眠くなる。ああクソ、こんな所で寝るなんて………………
─────
『もしもしトレーナーはん♪ よーやっとくれたわ。おおきに』
「満足してくれたなら良かったよ」
ハイアが寝てしばらくしてから、ラビットから俺に電話がかかってきた。さっきの動画を見たんだろう。
『ほなら、アタシらもこれからデートやから。そっちも頑張ってな』
「頑張るって……」
『離したらあかんで?』
そう言われて、俺の両膝を占領するハイアの寝顔を見る。
「……俺が離しても、離してくれそうにないよ」
『ならええわ。じゃあハイアちゃんをよろしゅうな』
何を宜しくされたのか分からないまま、電話は切られた。
「……クリスマスプレゼントか」
一人で過ごすはずだった部屋に、温かい夜が流れていく。
聖夜は静かに更けていった。 - 87二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 22:55:48
クリスマスの話を思いついたので書きました。最初のプレゼントSSと同じ世界線ですが、二年くらい後の話です
ポイントは、友人ちゃんからデートと言われた時に否定しなかったことです。可愛いね - 88二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 22:57:24
よく見たらあにまん要素もハゲ要素も無いただのイチャイチャでしたね……許せ。
書きたいやつがいるんじゃ……こういう……のを…… - 89二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 22:58:37
あとスピードラビットさんを勝手にお借りしました。彼女のトレーナーの詳細はほとんど無かったので描写控えめで。良い先輩です
- 90二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 23:00:59
あああ゙あ゙あ゙!ありがとう…僕(>>55)には書けなかった幸せな世界…
救いはありましたぁぁ!
- 91二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 23:02:50
すごく…すごくすごいです!良いものを見た…
シリアスな話やる時くらいあにまん要素置いとけ置いとけ! - 92二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 23:09:33
あにまん民のくせにこんなクリスマス過ごせてずるい
でもそういうイベントに全く頭が回らないのもあにまん民らしい - 93二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 23:18:08
ラビット先輩も地味にトレーナーとのクリスマス楽しんでそうですね…
- 94二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 23:24:57
ちいかわ魔女あにまん民!俺とハゲを入れ替えてくれ!
- 95二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 23:29:45
- 96二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 23:44:11
- 97二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 23:49:44
- 98二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 23:54:44
>>97実はプレゼントシリーズの3つ目からいる古参キャラ。この人のSSだとたまに出てくるからそろそろ名前付けてもいいと思うわ
- 99二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 23:58:14
- 100二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 00:01:05
- 101二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 00:06:30
- 102二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 01:42:26
マジで土日は勢い落ちるな……
素晴らしいSSありがとう。どこかの絵師ニキがハゲに甘えるワイちゃん描いてくれんかの - 103二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 02:25:48
- 104二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 03:16:02
- 105二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 03:59:04
スピラビ先輩も幻覚ウマ娘にしてはめちゃくちゃキャラ立ってるもんなあ
- 106二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 04:26:15
「他の子ももっと掘り下げたい!」って気持ちと「ハイアちゃんメインだよな…」って気持ちが合わさって悩む
- 107二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 07:33:03
パラレルワールドって便利な言葉
矛盾とか気にしなくて良いよね! - 108勝負服を作る 1/522/11/21(月) 09:09:08
トレーニング後のミーティングを終えて帰り支度をしていると、PCを操作していたハゲが急に大声を上げた。
「どしたの? IP規制でもされた?」
「違ぇよまだ仕事残ってるからあにまんやってる場合じゃないっての。一つ忘れてたことがあった」
「トレーニングのこと?」
「それとはちょっと異なるんだが……ハイア、来週の休養日に予定入れてるか?」
「えっと木曜だっけ、特に予定はないけど」
午前の授業が終わった後は完全オフになる休養日。クラスメートと都心の方へ遊びに行くか、少しだけ自主トレを入れて残りはここで夕方までアニメでも見ようかとぼんやりと考えていた程度だった。
予定を聞いてくるということは私に何か用事でもあるのかな。ご飯でも奢ってくれるなら付き合ってやらないこともないけれど――
「じゃあそこに入れるか。打ち合わせ」
打ち合わせ? ハゲと私が何か打ち合わせるようなことがあったっけ? てかそれはいつものミーティングでは?
疑問が顔に出ていたのか、ハゲは「説明が足りなかったな」と頭を掻いた。
「デザイナーさんとのだよ。ほら、そろそろ動き出さなきゃいけないんだよ。勝負服作るには」
「勝負服って、次のレースはG2でしょ?」
7月の頭と末にそれぞれ1勝クラスと2勝クラスのレースを慌ただしく勝ち上がった私たちは、次走に格上挑戦となるG2・神戸新聞杯を選んだ。ハゲ曰く今の私の実力ならば勝てる可能性は十分にあるらしい。
正直な話、実感はない。重賞勝利を狙えるような実力が本当に私についているのか、と思ったりもしている。クラシック戦線に沸く世間をよそに未勝利戦を走り続けて突破したのが5月の末、そこから今まであっという間すぎて重賞勝利と言われてもピンとこない。私――ワットハイアというウマ娘と重賞勝利という栄誉が結びつくイメージが出てこないのだ。
でも、3つの勝利はどれもまぐれ勝ちではないこともまた事実だ。勝つつもりで臨んで、他のウマ娘たちを実力で蹴散らして勝ち取った。だから、トレーナーの言葉を信じて走ろうとは思っている。何だかんだで、ここまで私を導いてくれたのはあいつなのだから。
それはそうとして、G2出走と勝負服の作製に何の関係があるのだろうか?
「お前もうちょっと俺の話を聞いてくれよ……神戸新聞杯出るって決めた時に言っただろ? 『その次の目標は菊花賞だ』って」 - 109勝負服を作る 2/522/11/21(月) 09:11:05
「……言ったっけ?」
ぶっちゃけ覚えてない。重賞挑戦というインパクトで頭がいっぱいになってたぶん耳を素通りしていったのだと思う。菊花賞といえばクラシック三冠の最終戦、雲の上の戦いでしょそれ。
「言ったわ! まあ今はその話はいい。神戸新聞杯ってのは菊花賞のトライアルレースだ。3着までのウマ娘に菊花賞の優先出走権が与えられる。今のハイアの実力なら、この中に入ることは決してありえないことじゃない」
「てことは――」
「そう、その次はG1出走だ」
「じーわん……」
口に出して言うと、なんだか間抜けな響きだ。……あ、そうか勝負服ってそういうことか!
「気付いたか? で、さっきの話に戻る。勝負服の作製には最低1ヶ月かかる。これはかなりタイトなスケジュールを組んだ時の話で、デザインの修正とかフィッティングにだいぶ無理が出る。だから余裕を持たせて2ヶ月前には準備を進めなきゃならん……ま、全部先輩からの受け売りだ。俺も何せ初めてだからな……」
「菊花賞って確か10月だっけ」
「下旬だ。そんで、今が8月の下旬。まあ来週は9月になるんだがそこは誤差みたいなものと見てくれ。今回はURAからの紹介でデザイナーさんに来てもらって、打ち合わせの中で勝負服のデザインを決めることにした。他にも本人が出したラフをベースにデザインを詰めたりトレーナーが考えたりやり方は色々あるんだが……ハイアは特にその辺り考えてなかっただろ?」
不本意ながらも私はうん、と頷く。トレセン学園に入った当初は勝負服を身に纏う夢を抱いたりもしていたが、選抜レースで敗北を重ねる内に消え去って今は覚えてすらない。勝負服なんてのは遠い世界のことだという考えがいつしか根付いていた。
「でもまだ勝つとは決まったわけじゃ……」
「それでも、だ。勝ってから作ってたんじゃあちょっと出遅れだ。むしろ勝ってこれを着てやる! くらいの気概を持ってくれ。聞いた話だと、神戸新聞杯の出走者の内でクラシックG1に出てなかったウマ娘の大半は俺たちと同じく勝負服の作製を進めてるらしい。幻になる可能性はどこも承知の上だよ、もちろん俺たちもだ」
とりあえずまあぼんやりとしたイメージだけでも考えておいてくれ、というハゲの言葉に返事を返して私は寮に戻った。
- 110勝負服を作る 3/522/11/21(月) 09:13:45
この日以来、勝負服画像スレを巡回する頻度が増えたのは仕方のないことだろう。ハゲもどうやら同じことをしていたらしい。ハートが何度か重複することがあったからだ。向こうも気付いてるんだろうなあ、と思いつつもスレ巡回の手は止まらなかった。
そして打ち合わせの日。
「事前の要望は特に頂いてなかったので、ワットハイアさんの体格を元にして私の方で描き起こしたものをたたき台にさせていただければと――」
トレーナー室にやってきたデザイナーは思っていたより真っ当なOLのような人だった。勝負服のデザイナーといえばビューティー安心沢を筆頭に強烈な個性を放つ人が多いと勝負服スレには書いてあったので少し拍子抜けだった。いやまあ全員が全員そうじゃないというのはわかってるけど……。
見せてもらったデザインの案も奇抜というよりはきれいにまとまっている。白のパンツスタイルを基調に、上半身は薄紫のラインが入ったシンプルなオープンショルダーのドレスという組み合わせだ。ちょっと部分部分に露出があったり体型が強調されていたりするけど私としては許容範囲内だ。これでもスタイルには自信があるので。
「ハイア、どうだ?」
ハゲも特に引っかかるものはなかったようで、後は私に任せるつもりのようだった。
「うん……いいと思う」
「では、こちらをベースに進めていきましょう!」
ん、何か妙にテンションが高いな、と感じたのも束の間、私はこのデザイナーさんを勘違いしていたことを深く思い知ることになった。
「ワットハイアさんはとても眼力が強いですね! レース映像に目を通してる時から感じていたんですがとてもいい目をされているなあって。直接顔を合わせた今も思います! で、そうするともう少しワイルドな要素を勝負服に反映したいですね!」
そう言うなり右足のズボンが大胆にショートに切り詰められた。バッサリという音が聞こえて来そうなくらいに短くなった。ギョッとする私のことなどどこ吹く風、デザイナーさんは更に勢いを増してゆく。
- 111勝負服を作る 4/522/11/21(月) 09:15:10
「ワットハイアさんはスタイルいいですからね! 未勝利戦の最終直線なんか素晴らしいストライドの追込でしたもんね! 後方から一気に……と、すいません、脱線しちゃいましたね。ええと、だからこのまま生足もアリなんですが……ウマスタを拝見したところ、ゴシックパンクがお好きですよね? ですのでここに黒を配置する。どうです? 印象がガラッと変わったでしょう!?」
切り詰めた分が黒のロングソックスで覆われる。確かに白と黒のアシンメトリーになっていて格好いいですね。というか待って、私のウマスタまでチェックしてたの? 仕事とはいえちょっとやりすぎでは?
「後は――」
それからもデザイナーさんは次から次へと早口でまくし立てつつ衣装に変更を加えてゆく。どれも好みに当てはまっているので私は相槌を返すbotと化した。ちょくちょく飛んでくるどストレートな褒め言葉が刺さって恥ずかしくなっていたこともあるけど。
それはそうとして、私は確信した。この人火力高いヤバいウマ娘オタクだ、と。ちらりと横を見るとハゲも同じ結論に至ったようで、互いに目を合わせて頷いた。人を見た目で判断してはいけない、戒めにしよう。
「――ところで、今回のご依頼をお受けした時から気になっていたのですが、その耳飾りについてるのは何かのキャラクターなんですか?」
すっかり当初の案からは様変わりした絵を眺めていると、デザイナーがそんなことを言い出した。目線の先には私の紫の耳飾り、つまりあにまんまんの顔がある。小さいのであまり目立たないが、独特の存在感がある。
まずい、どう説明したらいいのかなこれ。いやどう足掻いてもアングラな電子掲示板の非公式マスコットキャラを耳飾りにつけてる痛い奴にしかならないって? 炎の剛速球はやめろダメージがデカい。まあほら、あにまんまんも見ようによってはどこかの村とか町のゆるキャラみたいに見えなくもないでしょ、たぶん。
「え、えーと。まあ、そんなところです」
なるほど、とやたら大きく首を縦に振るデザイナーさんに向けて私は心の中で祈った。そのままスルーしてくれ!
「では、それも勝負服に取り入れましょうか!」
え、と困惑している内に更に絵が描き足されていく。あにまんまんの角がカチューシャに、口元が首周りの装飾になった。
- 112勝負服を作る 5/522/11/21(月) 09:18:17
「ほー、いいんじゃないか、これ」
ハゲお前今さらっと言ったけど笑いそうになってただろ。ちょっと小刻みに震えてたのわかってるからな。
いや、でもこれ案外アリじゃない? うん、アリだわ。
「うん、いいですね」
マジか、とでも言いたげなハゲの目を睨む。これがいいんだよ。
「ありがとうございます! ではこちらを本案として作製の方に取り掛かりますね! 清書したものは明日にはお送りしますので――」
それからハゲと採寸やら何やらの日程を軽く話し合った後、ゲート直後のウマ娘もかくやという勢いでデザイナーさんは帰っていった。
「……なんとも、凄い人だったな」
伸ばしていた背筋を崩したハゲが、扉に目を向けつつ呟いた。私も同じようにソファにもたれかかる。なんというか、疲れた。
「やっぱ勝負服デザインする人ってあんな感じなんだなあって」
「選抜レースの映像まで目を通してたんだからあの人本物だよなぁ。てかハイア、あれで本当によかったのか?」
「あにまんまんのパーツが入ったのはちょっとびっくりしたけど……まあ、私がここまで来れたのってあんたのおかげだし、あにまんもそこに1パーセントくらいは貢献してるし、さ」
私とハゲが契約を結ぶことになったきっかけはあにまんであることは事実。それならば、勝負服に多少そんな要素を含ませたってバチは当たらないだろう。
「……意固地になって言ってるのかと思ったが、割と真面目な理由で安心したわ」
「はぁ? てか、さっきのあにまんまんの装飾見て笑いそうになってたの忘れてないからね、ご飯奢ってよ」
「あれは不意打ちすぎて腹筋がだな……いや飯奢るのと何も関係ないだろ!」
「あんたのせいで担当のご機嫌がナナメってんだから何とかしなさいって言ってんの」
ハゲのデコにぺちぺちと人差し指を打つ。
「あーもうわかったわかった。まあ晩飯にはちょっと早いが……何食いたい?」
「肉食わせろ。次は菊花賞なんでしょ? スタミナつける」
「……そうだな。じゃあ明日はプールトレーニングの量増やすぞ。それに、まずは神戸新聞杯だ」
「はーい」
ほら行くよ、と先に立ち上がって私はハゲを引っ張り上げた。
菊花賞、出ようね。
トレーナー室の鍵を閉める背中に、私は心の中でそう言葉をかけた。
おしまい
勝負服作るときにこんなエピソードあったらいいよね…という妄想でした
- 113二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 09:33:00
とてもいい……。
あの世界の勝負服デザイナーなんだから、そりゃ強火のウマ娘オタクだよな。
あにまんまんのモチーフが取り入れられたのも、そういう経緯だったんやな。 - 114二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 09:35:27
あの世界のプロフェッショナルだ、キャラが濃いのは当然だな(グルグル目)
そしてちゃんとハゲのことをトレーナーとして評価しててポイント高いですよ - 115二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 09:58:32
>
菊花賞、出ようね。
トレーナー室の鍵を閉める背中に、私は心の中でそう言葉をかけた。
はい死んだ!心の中のデジたんが10人は一斉に死んだよ!ダメだよこんなことしちゃあ…
いやごめんもっと書いてしゅき
- 116二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 10:05:54
確かにハゲと契約したのはあにまんがきっかけだからな……デザインとして取り入れる理由にもなるか。つーかやっぱりこの子、あにまんまん自体を普通に気に入ってない?
- 117二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 10:21:57
一応補足すると、オリキャラスレではスレによっては誰かがNPC登場させてそれで設定が決まるとそのNPCを使うのが原則なスレもあるから(例えば同室はAちゃん、みたいになったときにIFと記載しないで別キャラでストーリー書くのはNG)スレによって確認したほうがいい
このスレは誰かが同室Aちゃんで書いても別に同室Bちゃん、Cちゃんみたいな感じで出して全然問題ないけど
- 118二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 10:23:42
まあだから上のSSくらいの出し方が丁度いいんだろうな。気ぶりやがってこの先輩がよぉ
- 119二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 10:24:21
ストーリーとか設定ガチガチに決めるタイプのスレだとあいてるところにキャラ生やすのは問題ないけど、生えてるところに別キャラ置くのは乗っ取りって言われることもあるからね…
まあこのスレはメインキャラの体型すら不定なんだけどなHAHAHA - 120二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 10:24:33
確かな信頼を感じるss…
好き - 121二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 11:02:01
ハゲにあててんのよするハイアちゃんはいますか?
- 122二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 11:31:04
書け……
- 123二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 11:50:27SSまとめ - 【幻覚ウマ娘】私のトレーナーがあにまん民だった【ワットハイア】 Wiki*wikiwiki.jp
暇だったのでSS一覧と過去スレ一覧を更新しました。Googleアカウントがちょっと今使えないので、画像まとめはどなたか頼みます
なんか全体の速度は落ちてるのに、急にこのスレでSSの速度が上がってるのは何故? まあ自分も書いてるんですけど
- 124二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 12:01:48
書きたい時に書き、描きたい時に描き、語りたい時に語る
それで続いていくのがいいんじゃねぇのかな - 125二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 12:10:51
- 126二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 12:12:21
えっこれ横乳は生?まろび出ちゃわない?
- 127二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 12:17:23
- 128二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 12:30:29
- 129二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 12:34:18
存分に描いてストレス発散しなされ…うっ
- 130二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 12:41:16
これもう面積的に半裸超えてるだろ
- 131二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 12:43:04
- 132二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 12:43:19
- 133二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 12:47:06
- 134二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 12:47:41
- 135二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 13:03:11
- 136二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 13:23:41
- 137二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 15:04:49
- 138二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 16:03:33
- 139二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 16:04:32
ハゲがハイアちゃんの気持ちに気づいてる世界線だと良いな…
- 140二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 17:25:05
頑張る…
- 141二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 17:44:28
自分の気持ちに気づきかけてるけどそんなのありえない、勘違いに決まってる!って思いながらもやもやするハイアちゃん概念を受信した
- 142二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 18:09:19
クリスマスはサンタにトナカイ、ツリーに雪だるま
コスプレのネタには事欠かないね - 143二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 18:17:28
これ下の方も見たいっすね…
- 144二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 18:20:33
放送しろ
- 145二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 18:32:16
もやもやした気持ちを抱きながらもハゲに対して独占力を無自覚のまま出してるといい気がする
- 146二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 19:07:05
素晴らしい絵ですけど肌面積が完全に如何わしいお店なんだよなあ…
もしかしてハゲの謝罪会見ってこの恰好のハイアちゃんの画像が流出したせい?
(なお真実はハゲの前でのみこのバニー姿を披露しただけの模様)
- 147二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 19:23:53
- 148限界ハゲ1/222/11/21(月) 19:27:38
正直言って俺の担当ウマ娘はメチャクチャ可愛い。全ての要素が好きだ。こんなこと本人に言ったら殺されるし、その前に俺が死んでしまう。
まず顔。顔かよと思われるかもしれないが、人間第一印象のほとんどは顔というくらいで、顔は本当に大切である。きめ細やかで白い肌。夏の時期には小麦色に日焼けしていてその健康的な様にも何度目を焼かれそうになったことか。次に髪。そこそこ長くバサバサに見えて、手入れの行き届いた髪は透き通るように綺麗で...顔だけで原稿用紙30枚は軽く書けそうだが、なによりも好きなのは目。まつ毛はつけたりしていないのに長くて愛らしく、目も大きい。目つきが悪いと言われがちだが、その鋭い目線が全てを見通していそうでドキッとするし実際に結構細かいところまで見てて、自分ではインキャとか言っておきながら困っている子をすぐに見つけて助けてる。マジ無理、尊い。そんな目でいつも見つめられるモンだから視線なんて逸らしちゃう。合わせようモンなら尊死しかねない。
次にスタイル。絵に描いたようなボンキュッボンなその体は、もはや大量破壊兵器である。背も高く俺の方が高いけど同級生と比べても高く、もし俺が女だったら一眼見て王子様だと思ってただろうね。腹筋はうっすらと割れていて逞しさと女性的美しさ両方を兼ね備えていてもはや神々しいとまで言える。そしてなんといっても足。ターフをかけ地面を蹴り上げるその足は、実に力強く、汚し難く、筋肉質でありながらスッとしていてどんなGⅠバにも負けないほど美しい。そんな綺麗なボディを自分のスタイルに自信があると言わんばかりの、見せつけるコーデなんかするもんだからアイドルも真っ青なくらいの輝きようだ。 - 149限界ハゲ2/222/11/21(月) 19:27:55
性格ももちろん最高だ。オイハゲ こんなドブ以下の掲示板をやっていながら、夢を諦めずにこの学園で日々を過ごしている。よくレスバしていたりもするがそのくらい強かなくらいの方が頼れる女声って感じがして好きだ。深夜にもあにまんしてるのは正直練習に差し支えるところもあるが...彼女の好きに対する真摯さの表れだと思っている。オイハゲあんな感じだけど彼女はとても優しいのだ。疲れてトレーナー室で寝ていた時には毛布をかけてくれていた。彼女にしか合鍵を渡していないためかけてくれたのは間違いなく彼女だ。季節のイベントでもバレンタインチョコをくれたりする。義理だと分かっていても吐血しそうになった。こんなんもらったらお高い素材使ったお菓子手作りして返す以外ないじゃないほんと。
オイハゲッテバキイテル?そして何よりもこんな若くしてハゲててそこまで才能があるわけでもない俺のトレーニングにもついてきてくれる。もう天使じゃないだろうか。この夜に降り立ってきた天使では?いや神か。
こんなことを思いながら事務仕事してたらつい口からハイア大好き...と溢れてしまう。おいハゲってば!後ろには...この後小一時間ほど耳元で好きと囁かれる罰ゲームをされて無事死んだ。 - 150二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 19:29:52
イチャつき!
- 151二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 19:30:02
そして謝罪の瞬間誰もが彼女の頭…?を見て許しを与える
- 152二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 19:30:48
見えるな...
- 153二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 19:35:03
ああっダメですって!こんな濃厚なイチャコラされたら溶けて無くなっちゃいます!
- 154二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 19:46:02
盛り上るまでに鎮火しがちな月曜日こそギア上げて盛り上げてこうぜ!
- 155二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 20:39:14
いま気付いただけどハイアちゃん怒ってるように見えるのは恥ずかしい格好させられてるからじゃなくて
わざわざこんな格好してんのにハゲが見ないようにしてるからなんだね(幻覚)
この格好自体は先輩と何か賭けて負けた結果で嫌々やらされてるし何ならハゲ相手にも「見んなハゲ」って初っ端からキレたんだけど
ハゲが気遣いからスケベ心を押し殺して見ないようにしてるもんでそれはそれで「見ないのかよハゲ」って内心で思ってるんだ
そんで最終的には「見ろよハゲ」って感じでハゲの真正面で顔をホールドして自分から見られにいくんだよ
ぶっちゃけ全然見てこないことに半ギレで冷静さを欠いてやっただけだからいざ見られたらめっちゃ恥ずかしくなっちゃうのに
引き際がわからずそのまま真正面で見つめあっちゃうような構図になっちゃうわけだな
誰か書いてや♡(他力本願)
- 156二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 20:47:22
しれっといちゃついてんじゃねえ!もっと堂々といちゃつけ!
- 157二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 20:50:52
あいつ
- 158二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 21:22:51
- 159二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 21:33:41
トレセンは婚活会場ではないんだが?
- 160二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 21:38:22
普通のトレーナーだったらキモイって言われて終わりなんけど、ハゲはあにまん民だからまだマシに見えるマジック…
- 161二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 21:58:40
- 1621/322/11/21(月) 22:03:47
あらすじ。
私と同室の子、先輩とその友人。この4人でちょっとした賭け事をしました。
負けた人は罰ゲーム。全員で話し合い、『トレーナーの前でコスプレを披露する』に決まりました。
内容は省きますが、最終的に私が負けました。
あらすじおわり。
「……どうするハイアちゃん。どうしても無理って言うなら……罰ゲームの内容、変えてあげてもいいんだよ」
「そうじゃな。一度決めたこととは言え、無理強いは出来ん。ハイア嬢が嫌なら別の方法を模索するだけじゃ」
「事前の取り決めがあるとは言っても、後になって撤回したくなることもありましょう。如何します、先輩?」
ニヤニヤと口角を上げ、挑戦的な視線を向けてくる先輩。
心配そうに眉尻を下げ、妥協を提案してくる先輩の友人。
普段通りの澄まし顔で、あくまで自由だと言う同室の子。
……賭けに負けた挙句、みっともなく罰の変更をお願いするなんて情けない真似、流石にできない……!
「べ、別に無理でも嫌でもないですけどぉー!? わかりましたよやってやろうじゃないですかチクショー!」
嗚呼、私。一時のプライドの為に、すっごい恥ずかしい罰ゲームを受け入れた私。
負けず嫌いはこんなところで発揮せんでもいいんだぞ……なんて言っても後の祭り。
声高に宣言した私は、3人がキャッキャしながらネットで衣装を探しているのを、じっと見ているしかなかった。 - 1632/322/11/21(月) 22:04:31
ある日。いつものようにトレーナー室に向かうと、中からハイアの声がする。
なんかあーでもないこーでもないと言っているようだが、何かあったのだろうか。
一応ノックしてみる……凄い勢いでドンガラ、ガッシャン。
「……ど、ドチラサマデスカ」
「俺だよ、ワットハイアのトレーナーだ。中にいるの、ハイアだろ? 入るぞ」
全く、今度は何を……なんて呟きながら入室した俺が見たのは、
「み、見んなハゲ!」
滅茶苦茶恥ずかしそうにキレるバニーさん……もといバニー姿の担当ウマ娘、ワットハイアだった。
「……ど、どうぞ」
「あ、お、おう……」
ハイアがお盆からコップ(ストロー付き)を取り、俺の目の前に置く。
俺がそれに手を伸ばしながらチラリと様子を窺うと、一瞬目が合った。
「……見るなって言ったじゃん」
「……すまん」
正直、無理がある。
ただでさえウマ娘たちは容姿が整っており、中でもハイアは贔屓目なしにプロポーションが良い。
そこへ煽情的なバニースーツ、それも背中がバックリ開いた肌色面積マシマシの奴を着ているときた。
見ないようにするのがやっとで、まるで仕事に手が付かない状態ではあるが、それでも目を向けないように努力する。
本音を言えばガン見したい……が、それではハイアを傷つけてしまうかもしれない。
大人として、トレーナーとして。俺が自制しなければ。 - 1643/322/11/21(月) 22:04:51
──ああ、ハゲこの野郎! 折角私がこんな服を着てるのに、何で見ないの!?
見せるための服を見ないでどうする! いや見てほしい訳じゃないけど、断じてそういう訳じゃないけど!
いつにも増して硬い表情で机に向かうハゲの横顔を眺めながら、私は何故か無性に腹が立っていた。
大方、私のためにとか考えて必死に目を背けているのだと思うが……バレバレだ。何せさっきからまるで手が動いていない。
イライラが募る。見て満足するなら見ればいいのに、何を我慢しているのか。
武士は食わねど高楊枝ってかそうですかこっちは据え膳なんですけど!?
──ああ、こっちがもう我慢できない。
つかつかとハゲに歩み寄り、座っている椅子の背もたれを掴んで引っ張り……私の真正面へ無理やり持ってくる。
そして顔をガッチリと両手で挟み込み、言ってやった。
「──なに遠慮してんの」
「え、あ、えっとハイアさん?」
「──見たいなら見たいだけ見ろよハゲ……!」
「……アッハイ」
……。
……何言ってんの私?
あっヤバいハゲがメッチャ見てるいつも以上にダイレクトに視線感じるヤバいヤバい顔めっちゃ熱い
なんかハゲ顔真っ赤なんですけどどうしたんですか恥ずかしいことでもあったんですかお互い様ですねわかります
……どうしよう。
言い出した手前、私から「やっぱり見るな」とは言えず、ハゲの方も顔をガッチリホールドされてて動けず。
結局、私たちは顔を真っ赤にしながら暫く向かい合っていた。 - 165二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 22:06:26
- 166二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 22:06:52
LOVEじゃなくてLikeなハゲとワイちゃんも書いてええか?
わりとハイアちゃんはハゲのことが好き(LOVE)勢が多い気がしてちょっとためらってるんだが - 167二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 22:08:21
- 168二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 22:11:17
- 169二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 22:11:21
良き…
- 170二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 22:27:27
自分から見せに行ったくせに恥ずかしがってるのかわいすぎるな
- 171二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 22:28:05
あててんのよをこのバニースーツでやったら流石にハゲも我慢できんなとなる
- 172二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 22:36:50
クリスマスに奮闘するトレーナー達を書いたんだけど、ハゲもあにまんも一切入って無かったんだよね。
放流して大丈夫かな? - 173二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 22:44:59
かまへんかまへん
- 174パ!122/11/21(月) 22:46:58
最近の若者(俺もまだ若いが)は何でもパーティーと呼ぶ。
例えばタコパ。何だ?タコスの新種か?
たこ焼きパーティーの略称と知った時は驚いた。最近の若者は派手で絵面の映える物を好むのでは?と思っていた俺は自分が旧式の若者であることを実感した。
そんな俺でも何の略称か分かるものがあった。
クリパ、クリスマスパーティー。
家族や友人が集まっては飲み食いしたり遊んだりする場だ(国による)。
そしてここはトレセン学園。最新の若者が山のように集まるこの場所がこの機会を逃す訳がない。
鯨飲バ食
この言葉の通り、バの娘達が全てを食らい尽くすのだ。例えそれが数人程度の集まりでも変わらない。
俺はこれから同僚のトレーナー達と共にチキンを焼く。
この山のようなチキンを… - 175パ!222/11/21(月) 22:47:40
「合同クリスマスパーティー?」
同僚からの提案だった。
クリスマスもトレセンの食堂はフル稼働しているが、この日ばかりは供給が追いつかない。それに、教室やトレーナー室を会場にする者達も多いため収拾がつかないのだ。そして、普段は好きな物をガッツリ食べれない(ウマ娘基準)アスリートも有馬記念が終わればシーズンオフになる者も多い。食べ盛りの食欲が暴走する日なのだ。
しかし、流石のトレセンの食堂といえどもローストチキンやケーキ等を大量に用意することは困難である。なのでトレーナーや友人と一緒に作ったり、担当のためにトレーナーが腕を振るうのだ。だが、いかに人間を辞めたトレーナーであろうと専門の料理人でもない存在がウマ娘の腹を満たすのは不可能だ。だからトレーナー達は協同してクリスマスの夜を乗り越えるのだ。一部では最近、担当の視線が怖いという理由で二人きりになるのを避ける為というトレーナーもいるが割愛する。 - 176パ!322/11/21(月) 22:48:30
ーーー
「どうして…こう…」
12月23日夜、俺たちは空っぽの厨房で立ち尽くしていた。
ーーー
俺たち日々の激務の中、担当達を労う為のパーティーの準備をしていた。ある者は会場設営や飾り付け。またある者はイベントの企画。俺も会場を盛り上げる音楽や映像を選定していた。各々できる限りの努力を。
しかし
「食材が、遅すぎるぞォォーーー!!!」
そう、誰も食材を用意していないのである!!!
ーーー
それから俺たちは深夜だというのに街中を駆け回り電話を鳴らし続け食材をかき集めた。その結果が…
❗出遅れ
「何の成果も!!得られませんでした!!」
街中の食材はクリスマス商戦や他のトレーナー達に買い尽くされていたのだ!
スーパーにはもちろん、卸売業者にも在庫は無かった。
俺たちは希望を失い心折れた戦士となっていたその時!月の光が映し出したのだ、空を飛ぶ鳥の影を!
俺たちは気づいた
ー鶏肉じゃなくて鶏を買えば良いんだー
導きの月光により俺たちは啓蒙を啓いたのだ。 - 177パ!4〆22/11/21(月) 22:49:38
12月24日0300
コッコッコッコケーッコッコッケケーッ
俺たちはキセキ的に鶏を手配出来たが…
「おい、これ誰が捌くんだ?」
「手配したお前だろ?」
「はぁ?俺は手配っていう俺にしか出来ない仕事しましたー。」
「三人でやるしか無いだろ。時間が無い」
なんとか手配した鶏達を前に途方に暮れる男達がいた。
俺たちの担当は有馬記念の応援に行っているが誰も出走しないから俺たちは準備に時間を当てられる。しかし、今夜だ。今はいがみ合う時間すら惜しい。
三人の男達は鶏の群れを正面から睨み付けた。
ー大丈夫だ、俺たちにはベア・グリルスがついてるー
勇気を胸に、
ーこのチキンとっても美味しいね!ー
担当の笑顔を求めて、
ーこの美味しさはDNAに素早く届くー
至高の味を目指して…
ーーー
「間に合った…のか…?」
「ああ…俺たちは成し遂げたんだ…」
「やっと眠れ……」スヤァ
オレたちの眼前に広がるパーティー会場は煌びやかな飾り付けにクリスマスツリー、テーブルの上には蓋を被せたチキンの山がある。
もうすぐ担当達が臨場する。
彼女たちの驚く顔が楽しみだ………
こうして戦士達は各々の担当が来るまでつかの間の休息を経た後、パーティーを楽しんだとさ。
「やるか、会場の撤収。」
「ネカセテ…ネカセテ…」
「 」 - 178二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 22:51:21
書いてるうちに夢中になったらハゲ要素入れ忘れてたのん
ウマ娘ちゃん達にはお腹いっぱい食べて欲しいのね - 179二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:02:31
TSクライマックスの中で食堂スタッフのお話があったけど、あそこまでいかずともウマ娘の食事を用意するのは大変よね
よくやったな……後片付けも頑張れよ…… - 180二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:09:12
トレーナー業はきついなあ…
- 181二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:13:32
ハゲは下手なウマ娘担当にしたら力関係大変な事になってそう
そういう意味では対等?なウマ娘が担当で良かった - 182二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:20:17
対等(あにまん民)
- 183二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:40:57
「でもこいつあにまん民だぞ?」で全部台無しになるのひどい
- 184二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:45:42
事実だし…
- 185二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:46:12
立ててくる
- 186二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:48:19
- 187二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:48:34
このレスは削除されています
- 188二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:48:59
立て乙
- 189二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:49:01
【祝】実質50スレ
- 190二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:49:24
- 191二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:52:26
震源地+完走記念+48で50か
思えば遠くへ来たもんだなぁ… - 192二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:52:41
そろそろ3週間か?なかなか凄いな
- 193二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:54:57
SSはおよそ140。すげえスピードだ
- 194二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:55:00
3週間で50スレは芝
- 195二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:55:42
- 196二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:55:56
とはいえ、最盛期と比べるとやっぱ速度は落ちてきたな。
- 197二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:57:10
最盛期がおかしいだけなんよ
- 198二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:59:43
流れ早い日もあるからもう少し様子見た方が良さそう、一番伸びるの水木だし
- 199二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 00:00:34
- 200二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 00:01:35