- 1キッドの妹生やすよ22/12/01(木) 21:26:33
- 2二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 21:27:45
スレ立て乙だ!
さァ語ろうか!ギャレー...お前兄にどんな感情持っとるんや... - 3二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 21:30:03
このレスは削除されています
- 4キッドの妹生やすよ22/12/01(木) 21:30:19
- 5キッドの妹生やすよ22/12/01(木) 21:33:03
プロフィール(抜けがあったので再投稿)
名前:ユースタス・ギャレー
役職:偵察員
年齢:20歳
性格:コラソン並のドジっ子、激情家、意外とインテリ
出身:南の海
能力:トリトリの実 幻獣種:サンダーバード
鳥形態への変化によるフィジカルとギア5のように雷を槍のようにして扱う。
人獣形態には成長すれば変身出来る(現在はできない)
好物:カレーうどん
嫌いな食べ物:ロールキャベツ
趣味:鍛錬
加入時期:ドラム王国編
キッドへの好感度:44 キッドからの好感度:71
キラーへの好感度:21 キラーからの好感度:7
(麦わらの一味への(からの)好感度は3D2Y到達と共に自動的に100/100となる事とする) - 6キッドの妹生やすよ22/12/01(木) 21:36:54
まだ抜けがありました…
身長:160を次に記載する時は加えておきます
(前スレまでのあらすじ)
南の海の非加盟国出身の少女、ユースタス・ギャレーは故郷の治安が悪化したのを皮切りに海へと飛び出した
旅の過程で「D」に興味を持った彼女は「D」を名乗る海賊、黒ひげが襲撃した国ドラム王国へとやってくる
しかしドジを踏んでケガを負った彼女はドラム王国唯一の医者の元へ向かっている途中、モンキー・D・ルフィと運命の出会いを果たし…
現在はアラバスタにて反乱を防ぐべく上陸、エースと出会うも…?
- 7キッドの妹生やすよ22/12/01(木) 21:44:23
「──とにかく強ェんだエースは! ま、今やったらおれが勝つね」
だっはっは、と根拠のない話をするルフィ。その姿が逆にギャレーにとっては癒しとなった。
……誰にも話していないが、ギャレーは自分を船に誘ってくれたルフィを絶対に「海賊王」にすると密かに心に決めている。
あの日自分を誘ってくれた兄と同じ言葉で、しかし兄よりも強い想いで旅に誘ってくれたルフィの夢を必ず叶えようと。
……だから幼い頃の話とは言え、ルフィが負けた話など聞きたくはなかった。のに。
「──おまえが」
「誰に勝てるって?」
ルフィの背後に身軽な影が迫り、それに驚きルフィは前に倒れる。
そこにいたのは先ほどルフィ、ひいては自分達の危機を救ってくれた男……エースだった。 - 8二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 21:45:26
兄に対して複雑な気持ち抱きすぎの狂犬、ルフィ強火担
- 9二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 21:46:43
ルフィ大好き女の子ギャレーちゃん。
可愛い... - 10キッドの妹生やすよ22/12/01(木) 21:50:32
「エ~~~~~~ス~~~~~~~~っ!!!」
「よう」
大げさに喜ぶルフィ、それに気安く、しかし嬉しそうに返事を返すエース。
そしてそれを全く面白くなさそうな顔で見つめるギャレー。一部の空気だけが妙なことに気づいたチョッパーだけがこっそりとおろおろしている。
「さっきは助けてくれてどうも、……うちの船長と兄弟ということだが?」
「あァ、こいつァどうもみなさん。ウチの弟がいつもお世話に」
「や、まったく」
つい探るような言い方でギャレーが言葉を投げれば、エースはにこやかに、更に礼儀正しく一味に向かって頭を下げる。 - 11キッドの妹生やすよ22/12/01(木) 22:01:01
「エースはなんでこの国にいるんだ?」
「なんだおまえ、ドラムで伝言聞いたワケじゃねェのか。まぁいいさ、大した問題じゃねェから」
そう言って笑ったかと思えば、エースは真剣な表情を浮かべる。
「とにかくまァ、会えてよかった。おれァちょっとヤボ用でこの辺に来てたんだけどな、おまえに一目会っておこうと思ってよ」
「……ルフィおまえ、ウチの"白ひげ"海賊団に来ねェか? もちろん仲間も一緒に」
そうエースが言った瞬間、ギャレーは全身の血が沸騰したような感覚に陥る。
よりによって、てめぇ、そんなことを──……!
バチリ、と小さく電気が鳴り──しかし、それは一瞬で霧散した。
他ならぬルフィが「いやだ」とエースの誘いを一蹴し、それに対して「だろうな!」とエースも笑い飛ばしたからだ。 - 12キッドの妹生やすよ22/12/01(木) 22:08:15
「だがルフィ、おれはおまえじゃなくて白ひげの親父を"海賊王"にしてやりてェんだ」
「いいさ、だったら戦えばいいんだ!」
そう迷いなく言い返すルフィにギャレーはほっと安堵の息を吐く。
そしてルフィがそう言うなら遠慮なく、と言わんばかりにエースを強く睨みつけた。
しかしその視線にもエースはどこ吹く風、寧ろより楽しそうに笑う。
「おまえのとこの船員……なかなか骨のあるやつを集めたみたいだな」
「ああ、スゲーだろ! ゾロは剣が強いしナミは航海術がスゲェ、サンジの飯は美味ェしチョッパーは七段変形面白トナカイで医者! ウソップは嘘が吐ける!」
「オイ」
「ギャレーも鳥になれるんだ! バチバチでかっけぇ~んだこれが!」
「ギャレー……ってのはそこの赤髪か。……ん?」 - 13キッドの妹生やすよ22/12/01(木) 22:09:00
「……どっかで見た、いや似たようなやつを見たことがあるような……ないような」
- 14キッドの妹生やすよ22/12/01(木) 22:15:39
「おい、長話なら中でどうだ? 茶でも出すぜ」
「ん、あァいやお気づかいなく。俺の用事自体は大したことじゃないから」
エースはそう言って会話を切り上げると懐から何かを取り出し、ルフィに向かって投げる。
それは変哲もない、何も書かれていないただの一枚の紙きれだ。
「ルフィ、そいつを持ってろ。ずっとだ!」
「その紙きれがおれとおまえをまた引き合わせる」
そう言うとエースはルフィ、そしてその背後の船員へと目を向けた。 - 15キッドの妹生やすよ22/12/01(木) 22:21:40
「──できの悪い弟を持つと……兄貴は心配なんだ」
「おめェらもコイツにゃ手を焼くだろうが、よろしく頼むよ」
それだけ言うとエースは自分の小船に下り、そのまま出港準備を始める。
ルフィは慌てたように「もうちょっとゆっくりしてけばいいじゃねェか!」と声をかけるも、エースは「おまえに会いに来たのはコトのついでなんだ」と返す。
聞けばエースは今、船で仲間殺しという大罪を犯した重罪人を追っているらしい。
「じゃあな、ルフィ。……次会う時は海賊の高みだ」
そう言って、エースはそのまま去っていく。
それを見送りながら「あんな常識のある人がルフィのお兄さんなワケない」「てっきりルフィにワをかけた身勝手野郎かと」「海って不思議だ」と散々な言葉が船員の中で飛び交っている。
しかしギャレーには一つだけ引っかかる事があり、それに加わることができなかった。
「……似たような顔を見た事がある、だって? ……一体どこの誰の話だよ」 - 16キッドの妹生やすよ22/12/01(木) 22:28:49
エース邂逅編はここまで
ギャレーがここまでルフィ大好きになるとは思ってはいませんでした
さてこれからユバを目指し砂漠を歩くわけですがギャレーは大丈夫なのでしょうか?
ギャレーは… dice1d3=2 (2)
1:全然平気
2:ちょっとバテる
3:毎秒砂に躓いて転ぶしはぐれるし野生動物に追い掛け回されるし倒れる
- 17二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 22:33:43
- 18キッドの妹生やすよ22/12/01(木) 22:40:56
なかなかドジっ子選択肢も引いてない気がしています
道中クンフージュゴンを弟子にしたり、ビビからダンスパウダーの件を聞いたり、マツゲと出会ったりしつつ…
一味はとうとうユバへと到着します
そこでビビの幼馴染であるコーザの父・トトと出会い、既に反乱軍がユバを去り本拠地をカトレアという町に移したことを聞くのでした
そして一晩ユバに泊まり、次はカトレアを目指すことになりました
一方その頃、バロックワークスの面々が集結しとうとう「ユートビア作戦」が始動してしまいます
Mr.2ボンクレーからサンジとギャレー以外の情報も洩れ、とうとう麦わらの一味はバロックワークス……及び七武海サー・クロコダイルの敵として認識されてしまったのでした - 19キッドの妹生やすよ22/12/01(木) 22:46:40
翌朝、トトから水を受け取りユバを発ちカトレアへと向かう麦わらの一味
しかしその道中、突然ルフィが砂漠に座り込みカトレアへ向かうことを拒否、ビビとケンカを初めてしまいます
その時ギャレーは… dice1d2=2 (2)
1:やりすぎだ、やめろルフィ!
2:ルフィの言う通りかもしれない…
- 20二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 22:51:36
人は死ぬぞ...治安の悪い町に住んでたギャレーなら分かるか...
- 21キッドの妹生やすよ22/12/01(木) 22:56:23
「"やめた"……って、ルフィさんどういうこと!?」
ビビの困惑したような声が砂漠に響き渡る。しかしルフィはそれを聞いてもなおそこから動こうとはせず「戻るんだろ」と素っ気なく返した。
「おまえな、カトレアで反乱軍を止めなきゃこの国の100万の人間が激突してえれぇ事態になっちまうんだぞ! ビビちゃんのためだ、さァ行くぞ!」
「つまんねェ」
サンジの説得にも聞く耳を持たず、ルフィは真っ直ぐとビビを見つめる。
「おれは」
「クロコダイルをぶっ飛ばしてェんだよ!」
その言葉にビビは言葉を詰まらせる。ルフィはそれに構うことなく言葉を続けた。
「反乱してるやつらを止めたらクロコダイルは止まるのか? ……その町でおれ達ができることは何もねェよ」
その言葉を傍で聞いたギャレーの脳裏に、かつての故郷の惨状が思い浮かぶ。
ギャングに支配された島、ギャングが淘汰された島、……結局は新たな支配者が生まれてより危険な場所になった島。
ルフィの言う通り、大本を叩かなければ何も変わりはしないのだ。……ギャレーはそれをよく知っていた。 - 22二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 22:59:45
過去にそれを見てきたもんな
- 23キッドの妹生やすよ22/12/01(木) 23:07:27
「おまえはこの戦いで国の奴らも、おれ達も、誰も死ななきゃいいと思ってるんだ!」
「七武海が相手で、もう100万人も暴れ出してる戦いなのにみんな無事ならいいと思ってるんだ!」
「甘いんじゃねェのか」
ちょっとルフィ! と激昂するナミをギャレーは静止する、……間違っていない。ルフィは何も。
けれどビビはルフィの主張に真っ向からぶつかっていく。
「人が死ななきゃいいと思って何が悪いの!?」
「人は死ぬぞ」
その言葉がビビの逆鱗に触れ、ルフィは強く張り倒される。
「反乱軍も国王軍も! この国の人達は誰も悪くないのになぜ誰かが死ななきゃならないの!? 悪いのは全部クロコダイルなのに!」
「っ、じゃあなんでおまえは命賭けてんだ!!」
お返しとばかりにルフィの鉄拳がビビの頬を殴り飛ばす。
しかしそれに怯むことなくビビは何度も、何度もルフィの頬を強く、強く張り飛ばした。 - 24キッドの妹生やすよ22/12/01(木) 23:09:00
ギャレーはその姿に dice1d3=1 (1)
1:あの事件が起きた時の自分と兄の姿を重ねた
2:あの事件が起きた時の自分と幼馴染の姿を重ねた
3:既に死んでしまった気の強い友人の姿を重ねた
- 25二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 23:11:48
ギャレーがビビ、キッドがルフィと同じ主張で言い争ったことがあるのかな…
- 26キッドの妹生やすよ22/12/01(木) 23:13:35
『なんで』『なんでだよ』『どうして』
『なんで、あの子が死ななきゃいけないんだよ』
『なんで、私も連れてってくれないんだよ』
『仇を取れるなら私、命なんて』
───
『だから、ダメだって言ってんだ』 - 27キッドの妹生やすよ22/12/01(木) 23:19:49
「──じゃあ一体何を賭けたらいいのよ!」
ビビの咆哮により、ギャレーの意識は過去の出来事から戻ってくる。
尚も必死な形相で叫び、藻掻き、この国の行く末を憂いている……自分とは似ても似つかない境遇の王女。
だからこそ自分は、自分達は。
「他に賭けられるものなんて、私、何も……!」
「おれ達の命くらい一緒に賭けてみろ!」 - 28キッドの妹生やすよ22/12/01(木) 23:20:00
「仲間だろうが!!!」
- 29キッドの妹生やすよ22/12/01(木) 23:24:11
ルフィの言葉にビビは大粒の涙を流す。
……この場にいる誰も、その言葉に異論を唱えることはない。
「本当はお前が一番くやしくて、あいつをぶっ飛ばしてェんだ!」
「――教えろよ、クロコダイルの居場所!」
一味の行く先を決めるのは、いつだって船長の一声だ。 - 30キッドの妹生やすよ22/12/01(木) 23:27:00
- 31二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 00:36:21
おつおつ!!続き楽しみにしてます!!
- 32二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 08:55:35
保守
- 33二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 09:50:50
ドジっ子で激情家はギャングとの戦いでも突っ込んでいって真っ先に死にそうだよな…なあギザ男
ていうかまんまコラさんみたいになっちゃう可能性あるよな…なあトラ男 - 34二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 12:47:05
手が掛かる妹だからキッドにとっては可愛かったし、キラーにとっては迷惑だったのかもしれん。
- 35キッドの妹生やすよ22/12/02(金) 12:53:25
本日は用事があるのとアラバスタ編の時系列・展開確認の為来れないかもしれません
それとギャレーがミス・オールサンデー戦(予定)等で使用する技案を募集したいと思います
ただ人獣型をまだ習得していないので人型・獣型状態で使用できる技限定、とりあえずレス下5個くらいまで - 36二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 13:25:08
電撃(フードゥル)
人間時の技で電気を纏った拳でブン殴る。またイチジと似た感じで発生させた電気での目眩しにもなる。 - 37二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 13:27:58
空島辺りからギャレーさんがギャレンになりそうな予感
- 38二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 13:33:58
雷槍(エクレール・ランス)
人間、鳥形態どちらでも使用可能
雷を槍に変換してぶん投げる。
一発でも当たればクレーターが出来る。 - 39二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 14:12:44
雷鳴蹴
獣型形態のみ使用可能で、巨大な脚に電気を纏って放つ渾身の蹴り技。同時に敵の体に電気を流し込んで麻痺させる。 - 40二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 16:04:29
起電疾走(スパーク・ダッシュ)
獣型形態のみ使用可能な技で、全身に電気でコーティングし、雷速で突っ込む技。 - 41二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 16:17:34
天雷
人型、獣型形態どっちも使用できる。
両腕(翼)から放電し、電気の檻の中に閉じ込めて電撃で苦しめる。 - 42二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 22:08:26
一応保守
- 43キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 00:42:20
技案、保守、ありがとうございます
また本日の夜にダイスを振っていきたいと思います
それと、やはりキッドやキラーとの大まかな関係性は先に決めておいた方が良いのでしょうか…?
こういったタイプのスレ立てが何分はじめてなので勝手がわからず、決めておいた方がいいというのならまた時間のある時に決めたいと思います - 44二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 00:44:32
あの幼馴染の件もあるし、今は急がなくても良いかと、過去はじっくり決めましょうや。
お帰りなさい! - 45二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 00:50:30
キッドの妹を燃やしてキッドを麦わらの一味に加入させたって見えた
疲れてるのかな... - 46二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 00:51:28
- 47二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 01:56:37
- 48キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 09:54:34
- 49二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 09:58:05
お帰りなさい。
サンジと一緒か… - 50二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 18:44:23
ミステリアスなロビンと激情家のギャレーか、相対したらどうなるのかな?
その後の仲間入りも含めてかなり気になる。 - 51二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 18:49:48
ギャレーさん
エネルが千日手
青キジと相性抜群(伝導率の関係上)
ルッチに大幅有利とれる
モリアに雷光使うと負ける要素がないからペローナ辺りで引き留めないとさくっと終わる
くま相性的に詰み
黄猿 千日手だけど先に崩れるのはギャレーさん
パシフィスタ有利
けっこう強いな…… - 52二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 18:51:45
電気が便利過ぎるんですよ...いやホントに強いな...コレで2年の修行で覇気身につけたらどうなることやら。
- 53二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 19:56:44
師匠枠マルコとかアリだと思った
さすがに難しいだろうけど… - 54キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 20:48:35
本日はレインベース到着後から
レインベースに到着して早々、麦わらの一味はばらばらに散らばる事態へと陥っていた。
スモーカー大佐率いる海軍、更には町中に散らばるバロック・ワークス社員。そういった連中に追われる事となった一味は一旦散らばり、後でクロコダイルの経営するカジノ"レインディナーズ"にて合流する事となった。
「チッ、次から次へと落ち着かねェなホントに……くらいやがれ!」
ギャレーも牽制代わりの電撃を海兵の群れに投げ込みつつ、レインベースの町を逃げ回っていた。
幸いなことにギャレーはまだバロック・ワークスに顔が割れていない。このまま社員達の目を誤魔化せれば安全にレインディナーズへ向かえそうだ、とギャレーはなるべく人目のつかない場所を走りながら考える。
「──ギャレーちゃん!」「ギャレー!」
「! サンジ、チョッパー!」
前方から見知った顔が走ってくるのが見え、ギャレーは周囲を警戒しつつ立ち止まる。
「よかった無事だったんだな!」
「当たり前だ、私が遅れなんて取るか! ……他の連中は?」
「ああ、きっともうカジノの中だ。早いとこ合流したいところだが……そう簡単にはいかないらしい」
そう言うとサンジは近くに見えるレインディナーズを指し示す。……その周囲は大勢のバロック・ワークス所員と思わしき人間達に固められていた。
「……げ、最悪じゃねぇか」
「ああ、いくらおれとギャレーちゃんの顔が割れてないって言ってもあの数じゃな」
「ど、どうすればいいんだ? おれに何か出来る事は……」
「その事に関してなんだが、──おれに作戦がある。二人共、聞いてくれるか」
サンジはそう言うとにやり、と笑う。
その様子を不思議に思いつつも二人はサンジの唱える「作戦」に耳を傾けた。 - 55キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 20:53:45
──それから少し経ち、一方その頃。
檻に閉じ込められたルフィ達を救うため、ビビは檻の鍵を飲み込んだバナナワニを探すために必死に戦っていた。
だが狂暴で巨大な獣相手に一人で戦うのはあまりにも無謀、ビビは必死に武器を振るうも抵抗空しく傷ついていく。
それを見て必死の形相でビビに呼びかけるルフィ達に、蔑んだような笑みで眺めるMr.0──クロコダイル。
そして、その空間に鳴り響く子電伝虫の鳴き声。クロコダイルのパートナーであるミス・オールサンデーが出る。
「なに?」
『もしもし? ……もしもし? 聞こえてますか?』
「聞こえてるわ、ミリオンズね」
どうやら連絡は外にいる社員達からのようだ。……だがそれにしては少し様子がおかしい。
『おい、これ通じてるのか? おれ、子電伝虫使ったことねェんだよ』
『ハイ、大丈夫です。そのまま話せます……』
「……? オイ、さっさと要件を言え!」
いつまで経っても切り出されない要件にしびれを切らし、クロコダイルが子電伝虫に向かってイラつきが含まれた声を投げる。
……瞬間、子電伝虫──の向こう側にいる人物の雰囲気が変わる。 - 56キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 20:55:42
『え~~こちら……クソレストラン』
『おい! なにこの状況でふざけてんだバカ!!』 - 57キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 21:00:49
どうやら子電伝虫の向こうにはもう一人いるようだ、しかしクロコダイルにはそんな事はどうでもよかった。
……"クソレストラン"、どこかで聞いたことのあるそのフレーズ、まさか、まだ麦わらの一味が残っていたのか……!?
「……テメェ、いやテメェら……一体何者だ?」
『おれか? おれは……Mr.プリンス。そして隣にいる麗しのレディは……』
『えっ!? え、えーと私……私はMs.? Ms.…… dice1d3=2 (2) 』
1:キ、キッドだ!
2:……キラーだ!
3:…ヴィ、ヴィクトリア…?
- 58二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 21:01:53
キツイな...どんな気持ちなんだ。
- 59二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 21:04:12
お、お前どんな顔でその名前出してんだ…
- 60キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 21:07:40
「王子(プリンス)に、殺し屋(キラー)? ……随分とちぐはぐなコンビじゃねェか」
クロコダイルがそう言えば子電伝虫の向こうからかなり大きめの舌打ちが聞こえた。
「まァいい……Mr.プリンスにMs.キラー、今どこにいる」
『……そりゃ言えねェな。言えばおまえはおれたちを消しに来るだろう? まァおまえにおれ達が消せるかどうかは別の話で、易々と情報をやる程おれたちはバカじゃねェ。おまえと違ってな、Mr.0』
挑発的にMr.プリンスがそう言えばクロコダイルの額に青筋が浮かぶ。
が、それも長くは続かない。檻に閉じ込められたルフィ達が子電伝虫に向かって大きな声で呼びかけ出した。
「プリンス~~! キラ~~! 助けてくれェ!」
「捕まっちまったんだよォ~~~~! 時間がねェんだ!!」 - 61キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 21:18:45
『! おまえらそこに、……って、おまえらがキラーって呼ぶんじゃ、むぐっ』
『まーまー、……とにかく、そばにいるみてェだなうちの船員たちは』
『──じゃあこれからおれたちは……っ、!?』
『っ、プリンス!? てめ、……うぁっ!』
Mr.プリンスが続けようとしたその時、子電伝虫の向こうから銃声が鳴り響く。
次いで聞こえるのは荒い息遣いと誰かが倒れる音。
『チッ、てこずらせやがって……!』
『もしもし!? 捕らえました、この妙な男女はどうしたら……』
子電伝虫の向こうから、社員と思わしき声がする。
それを冷徹な表情で聞きながら、クロコダイルは努めて平静を保った声で「場所を言え」と尋ねる。
『場所はレインベース……そこにある"レインディナーズ"というカジノの正面門です』
それだけ伝えると子電伝虫の通話は切れてしまう。
檻に閉じ込められたルフィ達からすれば、最後の希望が絶たれたにも等しい状況だ。
逆にクロコダイルにとってはこの上ないほど愉快な状況、楽し気に声を上げて笑いクロコダイルは歩き出す。
「行くぞ、ミス・オールサンデー。店の正面門だ」
「いいの? ミリオンズはまだボスが誰なのか知らないわ」
「別にボスとして行くワケじゃねェ、おれもおまえもナンバーエージェント以外には顔が割れちゃいねェんだ」
「ただ店のオーナーが店先のゴタゴタを見物するのに何の不思議がある」 - 62キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 21:25:31
その時だった。
ビビが弾かれたように走り出し、それに反応してバナナワニが動き出す。
「! なにする気だ、ビビ!」
「水が溢れるまでまだ時間がある……外に助けを呼びに行くわ! 二人ならきっと大丈夫、まだ外にはトニー君もいる……!」
そう言ってビビはVIPルームからの脱出を試みる、しかしそれを見逃すクロコダイルではなかった。
「くだらねェマネすんじゃねェ!」という言葉と共に、ビビの身体を拘束しすぐさま床へと叩きつける。
ビビはぐったりとした様子で動かなくなり、ルフィ達の呼びかけにも答えない。
「そんなに仲間が好きなら……揃って仲良くここで死にゃあいいだろう。なんなら生意気なMr.プリンスとMs.キラーもここに運んでやるぜ」
「死体でよけりゃあな……ハハハ……!」
そう言い捨て、クロコダイルは無情にも部屋を出ていった。 - 63二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 21:27:21
ワノ国編後の宴で一味の誰かに
「そういえばアラバスタでギャレーがキラーって偽名名乗ったことあったね」て暴露されてほしい - 64二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 21:32:27
ギャレーさん……電気は使うなよ?(フラグ)
- 65キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 21:36:54
「……こりゃ一体どういう事だ……!?」
意気揚々と店先に顔を出したクロコダイルだったが、そこに広がっていたのは思い描いていた光景ではなかった。
そこには何人ものミリオンズ達が血を流し、倒れ伏していたのだ。
「……これで全滅ね、この町にいたミリオンズは」
冷静に現状を伝えるミス・オールサンデーの声も今は苛立ちの原因にしかならない。
まだ意識のある社員に声をかけ「何が起きた」と聞けば、返ってきたのは「Mr.プリンスとMs.キラーを名乗る男女に……」という言葉だった。
その二人は捕らえたはずだ、と不可思議に思いつつもクロコダイルは二人の行方を聞く。
「女の方はそ、空へ……」
「空だと!? チッ、能力者か……男の方は!」
「たった今、町の南へ……」
「今……!?」
クロコダイルが顔を上げると、まるで自分から逃げるようにして走り去る影を見つける。
サラ……と音を立て、クロコダイルの身体が細かい砂へと変化していく。
「ザコが……このおれから逃げられると思うな!」 - 66キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 21:45:47
少し遡って、レインディナーズ店外。
サンジとチョッパー、ギャレーはボロボロのミリオンズを取り囲み、子電伝虫で通話している様子を黙って眺めていた。
先ほど、銃で撃たれて捕まったという一連の流れは全て演技だったのだ。
計画通りミリオンズが自分達が捕まったと"設定"した場所を伝えたのを確認した後、ギャレーが電気を纏わせた拳でミリオンズの首裏を力いっぱい叩き気絶させる。
あまりに力いっぱいだったのでチョッパーは内心「やりすぎじゃ」と思った。
「……なんだよ」
「な、なんでもねェよっ! それより、おれはどうすればいいんだ?」
「ああ、それなんだが……見ろチョッパー。おれ達がさっき暴れた場所にまた仲間たちが群がってきただろ? それをこれから……」
サンジがチョッパーに作戦を提示しているのを聞きながら、ギャレーは先ほどの自分の"失態"をひどく恥じる。
……いくら思いつかなかったからって、あいつの名前を名乗るのはねェだろ……!!、と。
今ここに仲間がいなければより頭に血が昇っていたかもしれない。 - 67キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 21:52:42
「よし、チョッパーは行ったな。ギャレーちゃん、動けるか!」
「あァ!? 当たり前だむしろ動いてたほうがマシだ! 飛んで人目を惹いたあと戻ってくりゃいいんだろ! ちゃんと橋壊しとけよサンジ!」
ギャレーはそう言うと獣型へとその身を変え、アラバスタへの大空へと飛び立つ。
八つ当たり気味に何本かの雷の槍がミリオンズに降り注いだが、サンジはそれを「さっすが!」とハート目で賞賛した後にレインディナーズへと向かった。 - 68二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 21:56:43
兄貴の名前じゃなくて
自分と確執のある相方の方の名前を言っちゃったのは本人にとってやらかし度は強いだろうな - 69キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 22:01:33
……役割を終えたギャレーがレインディナーズへと忍び込んだ時、既にサンジはビビと共に居た。
それを確認し、ギャレーはまっすぐに二人と合流する。
「! ギャレーさん、よかった無事だったのね……!」
「私があんな奴らにやられるか……ビビ、おまえそのケガ……」
「大丈夫、それより早くルフィさん達を助けないと! こっちよ、ついて来て!」
必死な表情でサンジとギャレーを先導するビビ。
その姿にクロコダイルへの怒りがふつふつと沸きあがってくるのをギャレーは感じる。
……が、それを頭を振って打ち消した。今はまだ、その怒りをぶちまける時じゃない。まずは仲間の救出が優先だ。 - 70キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 22:05:36
ルフィ達救出にやってきたギャレー達だったが、そこには多数のバナナワニが待ち構えていた。
水位も太ももから腰がつかるくらいまで上がっており、ギャレーはそれを獣型となることで何とか回避する。
バナナワニの群れをギャレーは…… dice1d3=1 (1)
1:ここで電撃はまずいな…サンジに任せる
2:おまえら全員跳んで避けろ! 構わず撃つ(全員ノーダメージ)
3:あ、ドジった…… dice1d3=2 (2) が感電した
1:ルフィ(ノーダメージ) 2:ウソップ 3:ゾロ
- 71二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 22:06:37
おお、冷静。偉い
- 72二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 22:06:53
ドジってウソップが感電したらもうギャグなんよ
- 73キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 22:13:55
「っクソ、ここまで水があるなんて聞いてねェぞ……! 悪いサンジ、任せていいか!」
「もちろんだギャレーちゃん。レディーに手を出すような行儀の悪ィ奴らには、片っ端からテーブルマナーを叩きこんでやる……!」
ビビを背に乗せ、バナナワニが届かない場所までギャレーは飛び上がる。
さすがにこれだけの水がある状態で電撃はまずい、との判断からだ。
「でも急がないと! 一体どのバナナワニが鍵を飲み込んだのかしら……」
「電撃が使えりゃ全員一斉にぶっ倒せるのに……!」
「サンジ、とにかく時間がねェんだ! 秒殺で……瞬殺で頼む!」
「……今、三番目に部屋に入ってきた奴を仕留めろ」
上空から、檻の中から焦った声が飛び交う。
だがその中で一つだけ、落ち着いた声が投げられる。
……ルフィ達と一緒に閉じ込められていた海軍……スモーカー大佐から発せられたものだ。
「何だお前……わかんのか?」
「てめェらの耳は飾りか? ……今の声、鍵食ったやつと唸り声が同じだろ」 - 74キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 22:27:24
スモーカーに従い指定されたバナナワニをサンジが蹴り飛ばせば、ワニは口から何やら白い球体を吐き出した。
白い球体は宙を飛び、水が満たされた床へと投げ出される。
と思えばすぐに亀裂が入り、……そこから特徴的な髪型をした男がふらふらとした様子で飛び出してきた。
「オオ……水、水だガネ! 奇跡だガネ!」
その男はバロック・ワークスのオフィサー。エージェント……Mr.3。
ギャレーにとってはあずかり知らない事だが、ルフィ達とは因縁のある男である。
「生き返った……本当に死ぬかと思ったガネ。……ん? なんだガネこの鍵のようなものは……」
「ってぎゃああああああおまえらは!!」
Mr.3は檻に閉じ込められたルフィ達を発見すると悲鳴を上げ、後ずさる。
「あっ、その鍵は……おい大人しくその鍵を、」
「鍵!? ……ほう、まさか……」
サンジが鍵を奪い取ろうと近づくが、Mr.3は一瞬で現状を把握し鍵を遠くへと投げ捨ててしまう。
「っ、テメェ!」
それに反応したギャレーが投げ飛ばされた鍵を… dice1d3=3 (3)
1:キャッチできる
2:キャッチできない
3:ドジってMr.3の上に落下した
- 75二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 22:28:20
お馬鹿!
- 76キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 22:32:12
「あっ」「えっ」
鍵を取ろうと無理に身体を動かしたのが悪かったのか、それともビビを背中に乗せたことをすっかり忘れていたのが悪かったのか。
ギャレーは空中で滑って転ぶ、という芸術的とも言えるドジを披露し背にビビを乗せたままその場から真っ直ぐに、真っ直ぐに──Mr.3目掛けて、
「えっ、ちょ、ま、……こ、来ないでくれだガネェえええええ!!!」
落下した。 - 77二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 22:34:23
可哀想なギャルディーノ…!
ひとえにギャレーがコラソンだったせいだが… - 78二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 22:35:51
大事な時にドジる女
- 79キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 22:42:08
「ご、ごめんビビ! 大丈夫か!? ケガないか!? 本当に油断してたごめん!!」
「ゆ、油断? ええ、私は大丈夫。それより急がないと……」
体が水に浸かり力が出ないままギャレーはビビに平謝りする。
その手には怒りや照れ隠し、その他色んな感情が噴出したギャレーにボコボコにされたMr.3の首根っこが掴まれていた。
「大丈夫だギャレーちゃん! 元はと言えばコイツが悪いんだ。鍵なんか投げたりするから!」
「ちょっと慰めてる暇なんてないわよ! もう時間がないのよ!」
ナミの言う通り水位は刻々と上がっていく。鍵はなく、檻を壊せるほどの腕力を持つ者はこの場にいない。……絶体絶命だった。
「ふ、フハハハハ! 残念だガネ、まさかこうした形でおまえ達の終わりを見ることになろうとは……!」
「さてどうするガネ? 一抹の希望に縋って鍵を探すのもいいだろう! ただし大人しく探せるかどうかは責任持たんガネ!」
「ッ、こいつ……!」
Mr.3を掴む手に力が入る。
だが自分のドジでこの状況に陥ったのは事実だ、一体どうすれば……ギャレーは必死に考える。
せめて鍵の代わりになるものでもあれば……! - 80キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 22:42:24
「……なァ」
「そいつのドルドルの実の能力で……この檻の合鍵造れねェかな……?」 - 81キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 22:52:28
ガチャリ、と音を立てて檻は開いた。「エヘ♡」と体のあらゆるところがボコボコにされたMr.3が笑う。
一瞬の後にサンジに蹴り飛ばされ、もう誰も彼を省みるものはいない。
「急ごう時間がねェ!」
「ええ、奴らがいったん行こうとした通路がきっとアルバーナ方面よ!」
「でもあの通路にはまだバナナワニがたくさん……!」
そう言ってビビが振り返った瞬間には、全てのバナナワニがルフィ及びゾロの手によって倒されていた。
これで全ての危機は去った……かに思われたが。
「ん? 今、ピシって……」
「おい! 壁が壊れたぞ!」
「暴れすぎなのよバカ!」
「待て通路まで壊れだしたぞ!」
「ぼさっとすんな脱出だ脱出!!」
一難去ってまた一難、壊れた壁から猛烈な勢いで水が注がれる。
──麦わらの一味は大騒ぎしながら、命からがらVIPルームからようやく脱出した。 - 82キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 23:00:36
サンジがルフィとギャレーを、ナミとビビがウソップを、ゾロがスモーカーを抱えて陸に上がる。
場所はレインベースの一角、のんびりと休んでいる暇はなかった。
「よーし野郎共! アルバーナへ一目散だ!」
「クロコダイルはどこだ──!」
「あのワニ野郎絶対にぶっ飛ばしてやる……!」
少しすれば気絶していた面々も起きだし、これ以上レインベースにいる理由もない。
だが──
「待て、麦わら!」
「うぉっ、けむり! なんだおまえ、やんのか!?」
麦わらの一味の前に、スモーカーが立ちふさがる。 - 83キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 23:07:01
だが、スモーカーはルフィの言葉には応えず黙って十手の先を下ろす。
「……行け」
「ん?」
「今回だけだぜ、おれがテメェらを見逃すのはな」
「……次に会ったら、命はないと思え。"麦わらのルフィ"」
スモーカーがそう静かに告げると同時に、「いたぞ麦わらの一味だ!」という海軍の声が聞こえてくる。
その声に全員弾かれるように、――アルバーナを目指し走り出す。
それと同時に、前方から何かが砂埃を上げながら一味に近づいていた。 - 84キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 23:17:12
それはチョッパーと、砂漠で出会ったラクダのマツゲ、そして……
「お──い、みんな────!!」
「あっ、チョ……カニ!!!?」
……巨大なカニ、ヒッコシクラブだった。
「すごい、ヒッコシクラブはいつも砂に潜ってるから幻のカニなのに……」
「こいつ結構早いんじゃねェか?」
「マツゲの友達なんだ! みんな、乗ってくれ!」
チョッパーの指示に従い、一味はヒッコシクラブに乗り込みそのまま出発しようとした。──その時だ。
「あ、……!?」
──砂と、かぎ爪。
クロコダイルがビビの身体を引っ張り、そのまま連れ去ろうとする。
それにいち早くルフィは反応し、ビビと自分の体を入れ替えるようにしてかぎ爪に抱き着いた。
「おいルフィ!」
「ルフィさん!」
「おまえら先行け! おれ一人でいい!!」
「なに言って、……っ!」
ギャレーは dice1d3=3 (3)
1:私も行……!(ゾロに止められる)
2:……勝てよ船長!
3:ふざけんな置いていけるか!(ルフィと一緒に残る)
- 85キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 23:19:11
「ふ、」
「ふざけんな、」
「……置いていけるか、バカ!」 - 86二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 23:22:04
ギャレーちゃん、置いて行かれるのが嫌なんだな…
- 87二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 23:23:01
船長ルフィが大好きだし、置いて行かれるのがトラウマになりつつある…
- 88キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 23:31:40
そう叫んだと同時に、真っ赤な鳥がヒッコシクラブから飛び立つ。
「おい待て!」 そうゾロが叫んだ気がしたが、それを気に留められるほど今のギャレーは冷静ではない。
「ふざけんな! 先に行けだの、おれ一人でいいだの、……私は!」
「そういうのが一番気に食わないんだよ!!」
バチバチ、と翼から音を立ててギャレーはルフィと共にクロコダイル、そしてミス・オールサンデーの前に降り立つ。
「……ギャレー、おまえな! おれ一人でいいって言っただろ!」
「うるせェ、勝手なこと言いやがって! 大体おまえ、ここで勝った後、どうやってアルバーナまで行くつもりなんだよ! 歩いてか!? バカじゃねぇのか!」
「!」
「……しょうがないから私が運んでやるって言ってんだ。アルバーナでビビ達が待ってる、……モタモタすんなよ」
「……おォ!!」
「誰が誰に勝つって? ……少々おフザケがすぎたな、"麦わらのルフィ"」
二人の目の前でクロコダイル……"七武海"が異様な圧を放つ。
その背後では掴みどころのない女が妖しげな微笑みを浮かべている。
──砂漠の決闘が今、始まろうとしていた。 - 89キッドの妹生やすよ22/12/03(土) 23:33:13
本日はここまで、偽名選択肢とドジっ子選択肢がひけて嬉しいです
次回はルフィvsクロコダイル、ギャレーvsミス・オールサンデー戦の予定ですがどうなることやら - 90二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 02:26:10
ウタとおんなじでこの子絶対ルフィが勝つと確信してる...激重感情だァ...
- 91二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 02:31:50
ルフィとギャレンちゃん、対戦相手交代しよう。
ゴムなら関節技効かないし
砂にも電気は普通に通るから - 92キッドの妹生やすよ22/12/04(日) 10:32:47
保守ついでにVSミス・オールサンデーの展開ダイスだけ振ります、最終的にはルフィ敗北で戦闘中断にはなるのですが…
また夜に来ます
結果は… dice1d3=1 (1)
1:ギャレー優勢
2:ミス・オールサンデー優勢
3:オールサンデーの思惑に何かしら勘付く、一時休戦
- 93二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 19:33:27
ほしゅ
- 94キッドの妹生やすよ22/12/04(日) 21:12:26
ルフィがクロコダイルと対峙していたその時、ギャレーはクロコダイルの背後にいる女……ミス・オールサンデーへと目を向ける。
オールサンデーは先ほどと変わらないままの笑みを浮かべたまま、興味深そうにこちらを──いやルフィを見ていた。
「おい」
「……あら、何かしら。私に何か用事? お嬢さん……いえ、Ms.キラー?」
「っ、……ああバレてたか。別にいいけどさ」
「テメェ、まさかこのまま勝負の見物するだけで終わると思ってるか?」
「そうね。……でもそれはあなたの腕の、その物騒なものをしまってくれたらの話かしら」
オールサンデーが指摘した通りギャレーの両腕はバチバチと鳴る激しい電撃を纏い、オールサンデーに向けられている。
「はっ、分かってんじゃねェか。……テメェもバロック・ワークスの一員なんだろ。私が殴る理由は十分すぎるほどあるって事だ」
「ふふふ、野蛮。女の子がそんな言葉遣いをするものじゃないわ」
「あいにくと育ちが悪いもんでね。……絶対にアルバーナへは行かせねェ!」
ギャレーは真っ直ぐにオールサンデーへ向かって走り出す。
拳に電撃を纏わせ、そのまま振り被りオールサンデーを殴り飛ばそう──とした。しかし、
「"三輪咲き(トレス・フルール)"!」
「っ! な……っ」
突如自身の足から生えた三本の"手"が、ギャレーの両足をそのまま拘束してしまう。
突然のことにギャレーは対処できずにそのまま砂へと倒れ込んだ。
「ぐっ、テメェも……能力者か!」
「ええ、そうよ。私が口にしたのは──ハナハナの実」 - 95キッドの妹生やすよ22/12/04(日) 21:13:52
「咲く場所を厭わない私の体は……あなたを決して逃がさない」
- 96キッドの妹生やすよ22/12/04(日) 21:25:07
嫋やかに微笑むオールサンデーの腕から更に別の腕が一本、二本、三本と生え……いや、咲いた。
ギャレーはその光景を見て背筋を寒くさせながら「バケモノがよ……」と吐き捨てる。
「あなた、速さや力には自信があるみたいね。でも残念、私にとってそれらは意味のないものよ」
「っ、! ぐ……!」
ぐぐ、とギャレーの足を拘束した三本の腕に力が込められる。
地面から更に手が咲き、それら全てがギャレーの全身を拘束しにかかった。
「残念だけれどこれ以上あなたに付き合ってる暇はないの。──さようなら」
拘束した腕がギャレーの体を固め、そのまま背骨を極めようとする。
「──なめんじゃねェよ、"雷花"!」
「、? ……っ!?」
オールサンデーの顔が歪む。
見ればギャレーを拘束していた腕の一本が弾かれ、そこにはまるでみみず腫れのような傷跡が走っている。
不思議に思う暇もなく、バチッ、バチバチッという音と共にギャレーを拘束していた全ての腕が弾かれるようにしてその拘束を解いた。 - 97キッドの妹生やすよ22/12/04(日) 21:32:34
「は、やっぱり咲かせた腕を攻撃すれば本体にもダメージが行くみたいだな!」
「驚いた……あなたが電気を纏わせられるのは腕だけじゃないみたいね」
「だから言ったんだ、なめんなってな。……確かにテメェの前じゃ力も速さも無意味だろうよ、その視界で捉えた場所のどこにでも体を咲かせられるんだからな。でも」
ギャレーは獰猛な笑みを浮かべ、オールサンデーを睨みつける。
「言い換えりゃ、その分的が増えるってことだよなァ!!」
そう吼えると同時に獣型へとその姿を変貌させ、ギャレーは高く高く飛び上がる。
「さぁ咲かせてみろよ、どこにでも! 私がその全部に天誅喰らわせてやるよ!」
「っ、……ふふふ、本当に野蛮……」 - 98二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 21:38:48
触ったら感電するから相性がかなり悪いから必然的にこうなる
- 99キッドの妹生やすよ22/12/04(日) 21:44:35
オールサンデーは無数の腕を自身の周りに咲かせ、飛び上がったギャレーから身を隠すように腕で砂埃を起こす。
小賢しい真似を、とギャレーは舌打ちを撃つがその程度の小細工で手が出せなくなるほど自分は弱くはない。
「見えなくなるだけで逃げられると思うなよ、──"雷槍(エクレール・ランス)"!」
"羽根槍"よりも大きな槍を電撃から練り上げ、ギャレーはためらいなく眼下の砂埃へと投げた。
雷の槍は地面に到着すると同時に大きな爆発を起こし、先ほどの砂埃よりも大きな規模のものを巻き上げる。
ギャレーはそれを避けつつ、いる筈のオールサンデーの姿を探す。
「出てこねェならもう一発ぶち込んでやるまでだが……、いた!」
薄まった砂煙の中、肩を抑えてふらふらと佇むオールサンデーの姿を捉えるギャレー。
まるで獲物を見つけた肉食獣のような獰猛さをその瞳に宿し、バチバチと音を立ててより大きな電撃をその身に纏う。
「悪ィがここで終わってもらうぜ、──起電疾走(スパーク・ダッシュ)!」
そしてそのままオールサンデーへと突っ込んでいった。
これで決着はつく──そう思われたが。ギャレーは見てしまったのだ、オールサンデーの背後。
そこで行われていたルフィとクロコダイルの戦いの決着の場面を。 - 100キッドの妹生やすよ22/12/04(日) 21:45:27
クロコダイルのかぎ爪が、無情にもルフィの体を貫いたその光景を。
- 101キッドの妹生やすよ22/12/04(日) 21:49:05
その光景にギャレーは目を見開いた。
「……なんで」
いつか見た光景と、目の前の状況が重なる。
「どうして、」
手を伸ばしても届かない、自分の無力さを思い知る事となったあの日の"彼女"の姿と。
「やめろ、」
目の前のぐったりとしたルフィの姿が。
「……やめろぉおおおおっ!!」 - 102キッドの妹生やすよ22/12/04(日) 21:58:30
ギャレーは瞬時に標的を変えた。
オールサンデーの横を通り過ぎ、その背後のクロコダイルへと向かって突進していく。
クロコダイルがルフィに腕を強く掴まれ、うめき声と共に苦しそうな表情を浮かべたと思ったら、そのままルフィを流砂の中へと投げ捨てた。
「っ、……クロコダイルぅううう!!!」
激しい怒りと共にギャレーはクロコダイルへと突っ込んでいく。
雷撃を纏った巨体が激突するまであと少し──あと少しのところで。
「──"砂漠の宝刀(デザート・スパーダ)"」
ギャレーの前に砂で出来た斬撃の群れが現れる。
猛スピードで向かっていたが故に避けることも防御することも出来ず、ギャレーの体に砂の斬撃が襲い掛かった。
「っが……!」
クロコダイルの攻撃を真正面から受け止めたギャレーはそのダメージに耐え切れず、クロコダイルへと達する前に力尽きその場に倒れ込んだ。
獣型を維持する事も出来ず、その身は小柄な少女へと戻っていく。 - 103キッドの妹生やすよ22/12/04(日) 22:06:39
「やれやれ……能力だけにかまけたそこらのバカが。おれに逆らうからこうなるんだ」
クロコダイルはギャレーの首根っこを掴み、そのまま流砂へと投げ込んだ。
そこに既にルフィの姿はなく、ギャレーも抵抗すらできないまま飲み込まれていく。
「くだらねェ時間を過ごした……ひどい有様だな、ニコ・ロビン」
「……その名では呼ばない約束では? えぇ全く、ひどい目にあったわ。……ウッ」
既に興味を失くしたようにクロコダイルは流砂へと背を向け、自身のパートナーへと声をかける。
"ニコ・ロビン"と呼ばれた女……オールサンデーは先ほどの苦し気な表情はどこへやら、いつも通りの涼しい笑みでクロコダイルを出迎えた。
しかしダメージは残っているようで、時折体を抑えては苦しそうなうめき声を上げる。
「……ごめんなさいね、先に行っていてもらえるかしら」
「何処へ行く」
「少し休んでおきたいの、また後で」
ふらふらとした足取りでその場を離れるオールサンデーを見送りながら、クロコダイルは「つかめねェ女だ」と呟いた。
しかしその場に留まることはせず、すぐさま踵を返してアルバーナへと進みだす。 - 104キッドの妹生やすよ22/12/04(日) 22:08:35
それから少しして、流砂から…… dice1d2=2 (2)
1:ルフィが出てきた
2:ギャレーが出てきた
- 105キッドの妹生やすよ22/12/04(日) 22:13:43
細い腕が砂の中から飛び出した。
藻掻くように、何かを掴もうとするようにじたばたと動かしている。
少しすると腕の人物が顔を出す……ギャレーだった。もう一本の腕も共に飛び出し、そこには意識のないルフィが抱えられていた。
ギャレーは荒く息をしながら、なんとか砂から這い出ようとする。
「くそ、あの野郎……ふざけ、やがって……ルフィ、……ルフィ!」
「おい、聞こえ……てんだろ。返事くらいしろよ」
返事は返って来ない。
「っ、……ルフィ、おいルフィ」
「まだ、まだ終わってねェんだぞ。早くアルバーナに、行かなきゃなんねェんだ」
「……ねぇ、ねぇ」
「生きてる、よね? ルフィ、ねぇ」 - 106キッドの妹生やすよ22/12/04(日) 22:27:53
……返事は返って来ない。
ギャレーはその事にギリ、と強く唇を噛みながらも流砂からの脱出を試みる。
しかし少し動けば流砂が動き、再び二人の体を飲み込んでいく。
「っ、クソ……! こんなところで、終われるか……!」
それでもギャレーは諦めず、再び藻掻いて脱出を試みようとした……その時だ。
二人の周囲に腕が咲き、体を支えて砂の中から引っ張り上げる。
「!?」とギャレーは驚くも、抵抗する間もなくそのままルフィと共に地面へと──その場に立つ、ミス・オールサンデーの足元へと放り投げられた。
「、……テメェ、なんで」
「そこの彼に聞きたいことがあるの」
オールサンデーの目線はギャレーではなく、ルフィに向けられていた。
当のルフィはまだ意識を失っており、起き上がる様子はない。
「今は無理みたいね……ねぇ、あなた。"D"の名を知ってる?」
「……あァ?」
「"D"の名を持つ者達がなぜ戦うのか、あなたは知ってる?」
先ほどまで戦っていた相手が自分達を助けた上に突然の質問…しかも"D"に関する事を投げかけられギャレーは目を白黒とさせる。
知ってる? と聞かれてもギャレーに答えられる事は何もない。
そのまま押し黙っていると「……どうやら無駄な質問みたいね」、という言葉と共にルフィの胸元に麦わら帽子が投げ置かれた。 - 107キッドの妹生やすよ22/12/04(日) 22:38:38
「おい、待てよ……色々聞きたいのはこっちで、」
「見つけたぞ」
無理やりに体を起こしてオールサンデーを問い詰めようとするギャレーだが、突然割り込んできた声にそれを押し留められる。
声が聞こえた方に目を向ければ、そこには傷を負ったバンダナの男がオールサンデーを睨みつけていた。
「ビビ様をどうした……!」
「無理しないで、見た目よりも重傷のはずよ。……それより丁度良かった。その子達を助けてあげたら?」
「あなた達の大切なお姫様を、この国まで送り届けた勇敢な海賊(ナイト)達ですもの……」
オールサンデーはギャレー達と男……ペルに背を向け、傍に控えさせていたワニに乗り込む。
「それに王女は無事よ。今アルバーナへ向かってる……これからどうなるかはわからないけど、ね」
そう言い残すとオールサンデーはそのまま立ち去ってしまった。その場に残されたのはルフィとギャレー、そしてペルのみ。
だがペルは息も絶え絶えと言った様子で膝をつき、ギャレーも満足に動ける状態ではない。ルフィも意識を、……その時だった。
「、……ウ、グ、」
「……ルフィ?」
ルフィの腕が動く、傍らのペルの服の裾を引く。そして、
「……肉"……!!」
とただ一言、簡潔に告げた。 - 108二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 22:41:18
このレスは削除されています
- 109キッドの妹生やすよ22/12/04(日) 22:41:42
ダイスミス…
短めですが、ギャレーとオールサンデー(ロビン)の初期好感度を振って本日はここまで
(左ギャレー、右ロビン)
dice2d60=10 16 (26) (敵対していた・及び救助したされたためお互い-40補正)
- 110キッドの妹生やすよ22/12/04(日) 22:41:57
それはそう
- 111二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 22:51:20
- 112キッドの妹生やすよ22/12/04(日) 22:53:06
- 113二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 23:25:08
不屈さがちょっとお兄ちゃんに似てるな
- 114二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 23:41:20
>>112 よく見たらd100じゃなかったのね。頃し合い始まる不仲はなかったんやな。よかった。
- 115キッドの妹生やすよ22/12/05(月) 07:11:37
保守ついでにふと思いついたダイスをば
大変に今更ですがこのスレは原作とはパラレルということでよろしくお願いします
ギャレーは世界政府にとっての厄ネタを… dice1d3=1 (1)
1:持っている(モデル:サンダーバード)
2:持っている(ユースタス兄妹の血筋)
3:持っていない
- 116キッドの妹生やすよ22/12/05(月) 07:14:20
トリトリの実 幻獣種 モデル:サンダーバードは dice1d3=1 (1)
1:とあるヒトヒトの実の幻獣種と組み合わさると大変なことになる
2:絶対に覚醒させてはならない
3:前任の能力者がね…
- 117二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 07:14:57
ファッ⁈
- 118キッドの妹生やすよ22/12/05(月) 07:15:50
あっ
……という事で本日は顔を出せないかもしれませんがよろしくお願いします - 119二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 09:24:28
また五老星の胃が痛くなるのか…
- 120二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 11:15:35
ゾオン系の悪魔の実には意思が宿るとは言われてるけどさぁ
- 121二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 11:29:19
太陽神とセットって…
その太陽神を背に乗せたり、先触れやったりお使いしたりするんかね
使ってるのは電気じゃなくで別の力で発電してるとかかなー - 122二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 11:30:17
- 123キッドの妹生やすよ22/12/05(月) 12:09:08
- 124二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 13:17:45
故郷に置いてきたはずの妹が海賊になって厄ネタが生えてきたキッドさん
- 125二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 13:20:31
しかもかなりライバルに惚れ込んでいると言う事実。
- 126二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 15:55:24
海賊王目指して馬鹿にしたやつを殺してたら妹に
ギャレー「海賊王になるのはウチの船長だ、私がならせる!」
って言われるのか - 127二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 19:14:36
そこまで曇ったりはしなさそう。妹が応援してるのがライバルの方なのにちょっと拗ねそうだけど
- 128二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 19:18:21
格下(義理の弟)
- 129二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 21:45:22
昔のゲームで
ロビンが仲間になった頃の時間軸で
麦わらの一味が記憶を失って夢の世界を冒険(逆走)するって話で
他のメンバーがたしか宿敵と戦って思い出すのにたいし
ゾロだけたしぎと戦って思い出してたんだけど
ギャレーの場合はエースやゾロとの交流で思い出すのかな - 130キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 01:22:39
保守思いつきダイス
ギャレーの食べる量 は dice1d100=70 (70) (高いほど大食い)
明日は昼か夕方に来れるかと思います
- 131二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 01:37:27
雷鳥。雷を自在に放ち雷と炎熱除けを持つ太陽の神の使い
2年後までで苦戦するのはクロコダイル以外はクザンとくまだけだよ!頑張れ! - 132二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 08:46:22
ギャレーちゃん割と食べる方なんだ…可愛い
- 133キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 13:12:36
ルフィとギャレーよりも先行した麦わらの一味が、各地にてバロック・ワークスのエージェントと戦っている頃。
アルバーナ宮殿では、ビビによって宮殿破壊命令が下され兵士たちがその準備に奔走していた。
しかしルフィとの戦いを終えたクロコダイルが現れ、ミス・オールサンデーと共に瞬時に兵士たちを制圧してしまう。
そこにはバロック・ワークスに捕らえられたアラバスタ国王・コブラの姿もあり、ビビは実父と喜ぶことのできない対面を果たしてしまう。
しかしそれに構うことなく、クロコダイルはとある存在の名を口にする。
その名は"プルトン"──アラバスタに眠っているとされる"神"の名を持つ世界最悪の古代兵器……それがクロコダイルの一番の目的だったのだ。
だがコブラから望んだ情報を得られなかったクロコダイルは、無情にも宮殿広場を吹き飛ばすほどの砲弾の存在を口にする。タイムリミットは……残り30分。
あまりに非道なクロコダイルのやり口……しかし民を人質に取られたコブラは、"歴史の本文(ポーネグリフ)"のある場所に案内しろというクロコダイルの要求をのんでしまうのだった。
だがクロコダイルのあまりにも横暴なそのやり口に、遂に我慢ができなくなったチャカ、そして兵士たちは一斉にその怒りを刃と共にクロコダイルへと向けてしまう。 - 134二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 13:14:01
お帰り!
- 135キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 13:20:32
だが結果は、無情なる敗北だった。
「弱ェってのは……罪なモンだ」
血の海に沈むチャカ。
ぎ爪についた血をはらうクロコダイル。
目に涙を溜め声を上げチャカの名を叫ぶビビ。
無念さ、無力さを滲ませた苦しそうな表情で俯くコブラ。
そして、
「……おれの目は、どうかしちまったのか……?」
「国王軍を説得に来たつもりだったが……!」
──困惑したような表情で、その光景を見つめるコーザ。 - 136二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 13:20:45
おかえりー!
- 137キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 13:26:52
「その国王が"国の英雄"に殺されかけてる……信じ難い光景だ……!」
「……クッ、クハハハハ!」
呆然としたコーザの様子に、クロコダイルは耐えきれないといった風に声を上げて笑う。
「面白ェことになったな! 今まさに反乱の最中だってのに、互いの軍のリーダーがここで顔を合わせちまうとは。もはやこの戦争は首をもがれたトカゲの殺し合いだ……」
「困惑してるみたいね……簡単よ? あなたがイメージできる"最悪のシナリオ"を想像すればいいわ」
クロコダイル、そしてオールサンデーの言葉を、目の前の状況を見てコーザは黙り込む。
浮かび上がるのは父の姿、かつて問われた言葉、そして。
「……ビビ!」
「この国の雨を奪ったのは、誰なんだ!!」
まるで吐き出すように出された問いかけ。
それに答えたのは。 - 138キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 13:34:29
「おれさ、コーザ! おまえ達が国王の仕業だと思っていたこと全て──我が社の仕掛けた"罠"だ」
「おまえ達はこの二年間……面白いことに踊ってくれた。王族や国王軍が必死におれ達の影を嗅ぎまわってたってのにな……」
──"砂漠の王"、サー・クロコダイル。
今、この国を滅ぼそうとしている男だった。
告げられた真実に打ちのめされ、コーザは顔を青ざめさせる。しかし「聞くな、コーザ!」とコブラが声を張り上げる。
「おまえには今、やれることがある……一人でも多くの国民を救え!」
「あと……半時もせず、宮殿広場が吹き飛ばされる……急げ!!」
クロコダイルの足元で息も絶え絶えのチャカが砲弾の存在を伝える、だが「まだ息があったのか……」とクロコダイルが迷いなくチャカにとどめをさした。 - 139キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 13:43:20
広場へと駆けだすコーザ、しかしそれにビビは飛び掛かってその動きを止める。
「っどけビビ! これから戦場になる広場は破壊されたら、」
「戦場にはさせない! 広場が爆破されることを今国王軍が知ったら……パニックになる!」
「そしたらもう戦争は止まらない! 誰も助からない! そうでしょう!?」
「やるべき事は始めから決まってる……仕組まれた反乱を止めることよ!」
命を削るようなビビの叫びに、コーザは目を見開いた。
「それはもう、あなたにしかできない!」
「そして、それをおれが黙って見てるとでも思ってるのか?」
いつの間にか背後に迫っていたクロコダイル、構えたかぎ爪がぎらりと嫌な光を放ちビビとコーザへと……たどり着かず、駆け付けたチャカの刃で止められる。
「我……アラバスタの守護神、ジャッカル! ──王家の敵を撃ち滅ぼすものなり……!」
「命寸分でもある限り、私は戦う」
「……そういうのを、バカってんだ……」
呆れたような、しかし殺意を向けた視線でチャカを見るクロコダイル。
しかしそれに怯むことなくチャカはビビとコーザを送り出す。
「コーザ、ビビ様……思うままに! 私にとて数分の足止めくらいはできましょう!」
「、うん!」
チャカに後を任せ、国王軍の元へと急ぐ二人。
この戦争を、反乱を止める為にただ前だけを向いて。 - 140キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 13:51:14
──宮殿広場になだれ込む反乱軍、彼らが目にしたのは国王軍が掲げる無数の降伏の白旗。
そして同じく白旗を掲げる、自分達のリーダーの姿だった。
「戦いは終わった! 全隊怒りを治め、武器を捨てろ! 国王軍にはもう戦意はない!」
反乱軍に聞こえるよう声を張り上げるコーザ、止まってと縋るように祈るビビ。
戸惑いながらも「本当に」と問いかける反乱、。そして。
コーザに降り注ぐ、銃弾の雨。
銃を構えた兵士が一人、二人──嗤っている。 - 141キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 13:59:41
それを皮切りに噴き上がる反乱軍、迎え撃とうとする国王軍。
更には塵旋風で視界も悪く、もはや誰が敵で味方なのかわからない。
「止まれ」「止まって」
そうコーザとビビが声を上げるも、誰もそれを聞き届けない。
──戦いは、始まってしまった。
だが、ビビの目からはまだ光は失われていない。
「……いえ、まだ……まだよ」
「15分後の砲撃を止めれば、まだ犠牲者は減らせる……!」
そう言ってクロコダイルを睨みつけ、ビビは立ち上がる。
しかしクロコダイルはそれをものともせず、ビビの首に手をかけた。
「あーすれば反乱は止まる…こーすれば反乱は止まる……見苦しくてかなわねェぜ、おまえの理想論は」
「"理想"ってのは実力の伴う者のみ口にできる"現実"だ……」
「っ見苦しくったって構わない……理想だって捨てない! 私はこの国の王女、おまえなんかに屈しない……っ」 - 142キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 14:00:00
「私は、この国を──」
- 143キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 14:09:42
……クロコダイルはビビの首を掴んだまま、宙づりにする。
「やめてくれクロコダイル!」 悲痛なコブラの声が響き渡る、だがクロコダイルがそれを聞き届けるはずもない。
「……二年間、我が社へのスパイ活動ご苦労だったな……結局おまえ達は何も止められなかった」
「反乱を止めるだの、王国を救うだの、おまえのくだらねェ理想に付き合わされて無駄な犠牲者が増えただけだ……教えてやろうか」
「──おまえに国は救えない」
そう告げると同時にクロコダイルの腕が砂になる、ビビは真っ直ぐ落下していく。
彼女を救う者は現れず、この国は終焉を迎えるだろう。
そう確信したクロコダイルが上機嫌に空を見上げた──それは現れた。
太陽を背に、赤き巨大な鳥が真っ直ぐとクロコダイルへと向かって来る。
その背には樽を背負い、麦わら帽子を身に着けた人影が乗っていた。
その姿を認めた時、クロコダイルは信じられないという表情を浮かべる。
バカな、ありえない、あいつは……あいつらは確かあの時に間違いなく……!
だが何度確かめようと、目を凝らそうと事実は覆ることはない。
「クロコダイル~~~~~~!!!」
「っ、ビビ!!」
「っルフィさん!! ギャレーさん!!」
ルフィとギャレーが、ようやくアルバーナへと到着した。 - 144二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 14:10:08
来たああああ!
- 145キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 14:12:00
ちょっと休憩します…チャカ様もコーザもコブラ王もかっこいいですね…
- 146キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 16:13:00
ちょっとのつもりががっつり寝てしまいました、すまねェ!
再開していきます - 147キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 16:22:50
「ふうっ、間に合った!」
落ちていくビビに向かってギャレーが飛び、ルフィが腕を伸ばして抱き留めた。
無事にビビを助けることができたが、当のビビの表情は晴れることはない。
何せ眼下では国王軍と反乱軍の戦いが始まってしまっている、広場の爆破まで時間も残されていない。
ギャレーと並行して飛んでいた隼……ペルも状況を把握し、悔しそうに唇を噛みしめる。
「ルフィさん、ギャレーさん……ペル……!」
「みんな、やられちゃった……」
「私の"声"はもう誰にも届かない……このままじゃ国が……!」
ぼろぼろと大粒の涙を流し、ルフィに縋りつくビビ。
だがルフィは「心配すんな!」とその背を叩き、笑う。
「おまえの声なら、おれ達に聞こえてる!」 - 148キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 16:34:02
「おいルフィ、このままあいつのところまで飛んで行っていいのか?」
「おう! いっぱい肉食ったしな、血はモリモリさ! もう負けねェさ!」
「……知ってるよ。おい、ビビ預けていいか? 私達はクロコダイルのところへ行く!」
「もちろんだ。気を付けろよ、二人共!」
ペルにビビを預け、ルフィを乗せたままギャレーは再び高く舞い上がる。
目標は宮殿のクロコダイルと。
「……あの女には聞きたいこともあるからな」
砂漠で二人を救った女、ミス・オールサンデーだ。
「あっ、おいちょっと待てギャレー! みんなだ!」
「ん、……あっ」
ルフィの声につられて見下げれば、宮殿広場に仲間達が集まって来てるのが見える。
みんな一様にボロボロで、激しい戦いを乗り越えてここにやってきたのが分かった。
「悪ィ、みんな!」
下の仲間達にルフィは声をかける。
「おれ、あいつにいっぺん負けちまった! だからもう負けねェ! あとよろしく!」
「──終わりにするぞ! 全部!!」
『おォし!!!!』 - 149キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 16:42:15
何とも頼もしい声を聞き届けると同時に、ギャレーは上空へと飛翔する。
それがクロコダイルの真上まで来ると同時にルフィはギャレーから飛び降り、「ワァニィ~~~~~~!!」とクロコダイルに向かって拳を振り上げた。
当のクロコダイルは当たる筈ない、と余裕の表情でそれを迎え撃つ──しかし。
ルフィの拳は、間違いなくクロコダイルの頬を捉え──そのまま殴り飛ばした。
勢いのまま、ルフィの怒涛の攻撃がクロコダイルに襲い掛かり、そしてその全てがヒットする。
「……ユバで貰った水が教えてくれたんだ」
「水に触れたらおまえは砂になれなくなる! だから雨を奪うんだろ……おまえは水が怖ェから!」
「これでおまえをぶっ飛ばせる! ──こっからがケンカだぞ!!」 - 150キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 16:58:55
「一体あの男は……?」
突如現れクロコダイルを攻撃し出したルフィを見て、コブラは戸惑う。
それにオールサンデーが不思議と楽しそうな声で「海賊よ、耳に入ってないかしら?」と言う。
「どうやらお姫様はまた命拾いしたらしいわね、……ふふ」
「……では彼が、ビビをこの国へ……」
「それよりもMr.コブラ、あなたにはやるべき事があるでしょう? ……私を"歴史の本文(ポーネグリフ)"がある場所まで案内しなさい!」
楽し気な声を一変させ、オールサンデーは威圧感のある声で話しかけながらコブラを拘束していた杭を引き抜く。
コブラ王は力なく倒れ伏しながらも、オールサンデーを強く睨みつけた。
「あんなものを見て……一体どうしようと言うのだ……!」
「くだらない質問をしないで。……あなたはただ案内をすればいい」
「待てよ」
そこに割り込む声……ギャレーだ。
オールサンデーはギャレーに視線を向けると、険しい表情を浮かべる。
「あなた、まだ邪魔をするつもり……? もしそうなら容赦はしないけど」
「奇遇だな、私も同じ気持ちだよ。聞きたいことも山ほどあるしな」
「でもまずはさっきの決着つけようぜ、……トドメ刺してやれなくて悪かったな。より苦しめる事になっちまうが」
「……本当に乱暴な子」
す、とオールサンデーが腕を構え、ギャレーが獣型のまま宮殿に向かって降下した。 - 151キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 17:14:22
「──"天雷"!」
巨大な両翼から電撃の網が練り上げられ、オールサンデーに向かって放たれる。
それをオールサンデーは器用に避けながら腕を方々に咲かせ、ルフィとクロコダイルの戦闘の余波で壊れた宮殿の瓦礫を低空飛行を続けるギャレーに向かって投擲していく。
ギャレーもそれを躱しながらより大きな電撃を両翼で練り上げ、オールサンデーの隙を伺う。
「チッ、鬱陶しいな! まさか触らなければいいとでも思ってんのか!?」
「まさか。あなただって触れられさえすれば勝てるとは思ってないでしょう?」
「……そりゃそう……だっ!」
ギャレーはしびれを切らし、雷槍をオールサンデーに向かって投げた。着弾すると同時に激しい砂埃が巻き上がる。
相手の姿を見失ってしまうが、ギャレーは臆することなく砂埃の中に降り立とうとした。
ギャレーの体が獣型から人型へと変化していく……その途中。
「"三輪咲き(トレスフルール)"!」
「っ、な……!?」
翼から人の腕へ変わっていく最中のそれを、三本の腕が拘束する。
すぐさま翼から電撃が……放たれなかった。 - 152キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 17:26:37
「っ、テメェ……! くそっ放せ!」
獣型から人型への変形途中……まるで人獣型のような姿のまま、ギャレーは何とか抜け出そうと藻掻く。
だが三本の腕でがっちりと固められ、どう足掻いても抜け出せそうにない。
「ふふふ、やっぱり……私の予想は当たっていたみたいね。……あなた、人獣型──人型と獣型が入り混じった姿じゃ"電撃"が出せないんじゃない?」
「っ! …………」
ギャレーの顔に焦りが浮かび、逆にオールサンデーの顔には余裕が現れる。
「動物系は人型、人獣型、獣型の三段変形への変身能力が基本。……でも、あなたはあの砂漠での戦いの時人型と獣型しか使用しなかった」
「未熟な能力者なら意図していない姿に変身してしまう、なんてこともあるみたいだけど。私の目からはあなたがそうとは感じなかった」
「なら理由は他にある。……人獣型を使いたくない、いえ使えない理由が」
ぐぐ、と三本の腕が力を込めればみしりと翼から音がする。
痛みに顔を歪めながら、ギャレーはオールサンデーを睨みつけた。
「ごめんなさいね、これ以上あなたに付き合ってはいられない。──"クラッチ"!」
ぼきん、と骨が折れる音が響く。
三本の腕がようやく翼を解放すると、それは力なくだらりと地面に落ちた。 - 153キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 17:38:37
「ギャレー!!」
ルフィが地面に倒れ込むギャレーに焦った様子で呼びかける。
しかし痛みに呻くギャレーはそれに答えられる余裕がない。
「……おまえ」
「あなたの命運もこれまで……かしらね。もう時間がないわ」
「さっさと行け、ニコ・ロビン。てめェも干上がりたくなけりゃあな……」
恐ろしく低い声のクロコダイルにそう言われ、オールサンデーは「ええ、従います……」と再び拘束したコブラを連れて宮殿を去る。
それを睨みつけながら、ギャレーは何とか片腕で身を起こした。
「逃がすかよ……!」
「ギャレー! 大丈夫か!」
「大丈夫に決まってる! あいつは私が追いかける! おまえはクロコダイルをぶっ飛ばせ!」
そう吼えるとギャレーは立ち上がり、獣型へと変身しようとして……やめた。
腕が折れてしまい、空を飛んで追うことはできないと察したからだ。
「チッ、……おいルフィ、任せたからな!」
言い捨てるとギャレーは自らの足で走り出した。 - 154キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 17:54:26
オールサンデーを追いかけ、ギャレーは王宮の西──葬祭殿へとやって来ていた。
道中、大勢の海軍が倒れている場面に遭遇したが負傷しているギャレーにはどうすることも出来なかった。
「……クソが」
おまえは無力である、と突き付けられる事がギャレーは一番嫌いだった。
ふと目を向ければ、地面に地下へ向かうための階段を見つける。
「あいつら、まさか……」、半ば確信めいた気持ちを抱きながらギャレーは躊躇いなくその中に飛び込んだ。
中に入れば荘厳な光景がギャレーを出迎える。
平時であれば感動の一つでもしてみせたかもしれないが、今はそんな余裕はない。
長い歴史を感じさせる内部を真っ直ぐに駆けぬけ、ギャレーは奥の扉──その前にいるオールサンデーに向かった。
それと同時に扉が開け放たれる。
そこにあったのは……。 - 155二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 18:08:17
このレスは削除されています
- 156二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 18:08:32
このレスは削除されています
- 157キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 18:12:11
「な、んだ……こりゃ」
そこにあったのは、真四角に切り取られた巨大な石……のようなものだった。
表面には文字のようなものが刻まれ、オールサンデーはそれに手を添えている。読めるのだろうか。
「、君は……」
「! おっさん……この国の王だな、新聞で見たことある。……なんなんだ、この石」
「これは……"歴史の本文(ポーネグリフ)"と呼ばれるものだ」
コブラ王は言う。
アラバスタの王家が代々守る事が義務づけられたものであり、これにクロコダイルが求める古代兵器のありかが示されている……かもしれない、と言う事を。
「そんなモンがここに……あいつはそれが読める、のか?」
「らしい。クロコダイルと手を組んでいたのはその為だと……」
ここに来る前、ギャレーは迷いなくオールサンデーを倒すつもりだった。
だが今は手を出すことを躊躇ってしまう。目の前の石に妙な威圧感を感じることも事実だが、文字を読み解くオールサンデーの顔があまりにも真剣だったからだ。 - 158キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 18:13:06
「……他には」
「他にはもうないの? ……これがこの国が隠している全て?」
どこか苦しそうな声でオールサンデーが言う。
「不満かね。私は約束を守ったぞ」
「……そうね」
コブラがそう返すと、どこか諦観が含まれた声でオールサンデーが返す。
その雰囲気にギャレーが何も言えないでいた、その時だ。
「……さすがは国家機密だ。知らなきゃ見つからねェなァ」
「っ、ぐぁ!?」
その声と共に砂が舞い、ギャレーの体が吹き飛ばされる。
現れたのはクロコダイルだった。 - 159キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 18:19:39
「……早かったのね」
「解読はできたのか」
「……ええ」
「なら読んでみせろ」
吹き飛ばされ壁に叩きつけられたギャレーを気に掛けることもなく、クロコダイルはオールサンデーへと"歴史の本文"の内容を催促する。
そしてオールサンデーから告げられたのは……アラバスタの歴史だった。
その中にクロコダイルが求めていた情報はなく、彼は声を荒げる。
だが。
「ここには歴史しか記されていない。……"プルトン"なんて言葉は一言も出てこなかった」
オールサンデーが告げたのは無情な事実のみ。
クロコダイルはただ一言「残念だ」と告げ。
「──おまえは優秀なパートナーだったが、ここで殺すとしよう」
と冷酷に告げた。 - 160キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 18:26:02
「おまえがおれに持ちかけた話は"歴史の本文(ポーネグリフ)"がある場所へ連れていけば、"兵器"の情報はおれに譲るというものだった」
「だがおまえは最後に公約を破った……この国の"歴史の本文(ポーネグリフ)"は"プルトン"の手がかりすら示さねェ!」
そう言うとクロコダイルは迷いなくオールサンデーに向かってかぎ爪を振るう。
それをギリギリで避けながらオールサンデーは懐へと手を入れた。取り出したのは水の入った小瓶。
「あなたがこういう行動に出ることくらいわかってた……水をかぶればナイフも刺さるでしょう!?」
腕をクロコダイルに咲かせ、無理やりにでも水を浴びせようとするオールサンデー。
しかしそれは避けられ、クロコダイルの姿は消える。
そして dice1d2=1 (1)
1:クロコダイルのかぎ爪がオールサンデーの胸を貫いた
2:ギリギリで動けるようになったギャレーがオールサンデーを助けた
- 161キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 18:37:00
「う、……くそ、ワニ野郎が……テメェ、絶対に、……!?」
叩きつけられ動けなくなっていたギャレーがようやく顔を上げた時、彼女の目の前には凄惨な光景が広がっていた。
クロコダイルのかぎ爪がオールサンデーの胸を貫き、引き抜かれたその瞬間が目に入る。
「っ、なに、やって……おい! テメェの仲間じゃねェのかよ!」
「仲間? ……なに言ってやがる」
「おれは最初から誰一人、信用しちゃ……いねェよ」
そう言って嗤い、クロコダイルはギャレーにかぎ爪を向ける。
「"プルトン"が実在することはコブラの反応で分かってんだ、自力で探すさ……この国が手に入るのも時間の問題だ」
「あと三分……テメェみてェな邪魔者共は全て……一瞬にして吹き飛ぶ! その瞬間からこの地はおれの国となる!」
「テメェ、さっきから好き勝手……っ!?」
大きな轟音を立て、地下全体が揺れる。
まさかもう砲撃が? とギャレーは顔を青ざめさせるが、クロコダイルも戸惑った表情を浮かべている為すぐに違うと察した。
「……てめェか、コブラ。なにをした?」
「なに、大したことではない……この地下聖殿は小さな柱一本抜くだけで崩壊する仕組みになっている。……君、早く逃げなさい。こいつらは……私と共にここで死ぬ」 - 162キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 18:37:46
「ネフェルタリ家第12代国王の名において……」
「おまえごときにこの砂の国はやれんなァ……」 - 163キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 18:44:16
その時だった。
崩れ落ちる衝撃とは別の衝撃……壁が破壊され、誰かが飛び込んでくる。
「あっ……!」
「てめェ……!」
「! なぜここへ……」
その誰かの姿に全員が驚き、目を見開く。
そこにいたのは。
「──追い詰めたぞ、ワニ!」
ボロボロで、血まみれで。
それでも誰よりも頼もしく、また厄介な男。
「ルフィ……!」
「麦わらァ……!」 - 164キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 18:56:07
「……なぜ生きてる。殺しても殺してもなぜてめェはおれに立ち向かってくる」
「何度殺されりゃあ気が済むんだ!?」
激昂するクロコダイルに対し、ルフィはクロコダイルを睨みつけて言う。
「まだ返してもらってないからな……お前が奪ったものを!」
「奪った……? 何を返して欲しい、奪ったものならいくらでもある!」
「"国"!」
ルフィのその答えにクロコダイルは「おかしなことを言う」と返す。
「国はこれから貰うのさ……おれが王となり支配することでな!」
「……ここが」
「ここが本当にあいつの国なら……」
「もっと……! 笑ってられるはずだ!!」
そう吼え、ルフィはクロコダイルに向かって走り出した。
水も持たず自然系に攻撃する手段も持たない、今度こそ無駄だとクロコダイルは呆れる──が。
ルフィの足は、真っ直ぐにクロコダイルの頬を蹴り上げた。
その体は吹き飛んで壁に激突し、クロコダイルに確実なダメージを与える。 - 165キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 19:00:53
だがルフィの追撃は止まらない。
再び接近し、振り上げた拳がクロコダイルの顔を捉える。
「てめェ……まさか」
吹き飛ばされながらも顔を上げたクロコダイルの目に入ったのは、血に塗れたルフィの拳。
「っ、血で!?」
「血でも砂は固まるだろ!」
そう言いのけたルフィに対し、クロコダイルは声を上げて笑う。
そしてかぎ爪を"外す"。中からは更に細い針……毒針が現れる。
「いいだろう、そのおまえの執念に報いてやる……海賊としてだ!」
「てめェはどうあってもおれをブチのめしたいらしい。そして、おれもおまえを目障りな"敵"と認めよう」
「これが最後だ。決着をつけようじゃねェか!」 - 166キッドの妹生やすよ22/12/06(火) 19:03:07
本日はここまで、次回更新の時にアラバスタラストまで行きたいです
またギャレーに現時点での明確な弱点がつきましたが、どう考えてもロビンがギャレーに優位に立てる状況が思い浮かばなかったので……と言う感じです - 167二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 19:20:35
2年間の成長でどこまで弱点を克服出来るかだな…ロビンが船に乗る時はイヤそう!な顔してそう。
- 168二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 19:25:23
その弱点ないとルフィ以上にエネル完封できちゃうから仕方ない……
- 169二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 19:51:01
トリトリの実はキッドと別れたあとに食べたっぽい?し、いつ頃能力者になったんだろ
ルフィと初めて会った時にフランキー並の強さだっけ - 170二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 00:11:15
いつも楽しみにしてます
- 171二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 07:51:40
保守
- 172キッドの妹生やすよ22/12/07(水) 08:13:53
保守代わりの思い付きダイス
ギャレーのお酒の強さは dice1d100=64 (64)
(高いほど強い)
そもそもお酒好き? dice1d2=1 (1)
1:好き
2:そんな好きじゃない
- 173二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 09:16:32
まずまず飲めるって感じなのかな?
手に汗握る展開に戦闘や心理描写も上手いしギャレーの熱い性格とか格好良くて好き - 174キッドの妹生やすよ22/12/07(水) 15:39:41
- 175二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 15:45:11
なんかギャレーのキャラが、原作にいそうでいない感じの少年漫画キャラって感じで好き
- 176二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 15:47:01
- 177二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 21:28:32
保守
- 178二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 22:14:02
ほっしゅ
- 179二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 03:38:57
保守
- 180キッドの妹生やすよ22/12/08(木) 08:14:13
保守ありがとうございます、遅くとも明日にはアラバスタ編最後まで駆け抜けたいと思います
ついでの思い付きダイス
ギャレーの料理の上手さは dice1d100=40 (40)
- 181二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 17:36:51
保守
- 182二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 21:26:44
保守
- 183二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 06:56:05
保守
- 184キッドの妹生やすよ22/12/09(金) 12:18:18
遂に始まったルフィとクロコダイル、最後の戦い。
それをギャレーは傷ついたコブラとオールサンデーを庇うようにしながら黙って見ている。
激しい戦闘の末、クロコダイルの毒爪がルフィの体を捉える。
しかしそれを意に介さず、「おまえは何もわかっちゃいない」となおも戦い続けるルフィ。
「……彼は一体何者なのだ。王国の戦士すら虫ケラのように扱うあのクロコダイルを……」
「あいつは……」
「あいつは、"海賊王"になる男だ」
何の躊躇いもなくギャレーは言い切る、「というか私がならせる。道半ばで折れることは許さねェ」とまで付けて。
「だからここで負けることも許さねェ。……上のことは、仲間が何とかする。今の私の役目は、あいつが勝った後にみんなの元へ届けることだ」
崩れていく聖殿の中、ギャレーは少しも焦ることなくただ真っ直ぐ目の前の戦いを見つめる。
双方とも満身創痍、どちらかが倒れてもおかしくはなかった。 - 185キッドの妹生やすよ22/12/09(金) 12:34:04
「ずいぶんと入れ込んでいるのね、彼に……」
「……あァ?」
息も絶え絶えな様子でオールサンデーは言う。
「あの時もそうだった……私を確実に倒すことができたのに、あなたはクロコダイルに向かって……」
「そんなに長い付き合いなのかしら。……それとも、もっと別の理由が?」
「いえ、そもそも……この国に来たこと自体が……」
「……テメェには関係ねェだろ、って言いたいところだけどな」
オールサンデーの言葉を遮り、ギャレーは言う。
「……あいつがこっちを放っておかないから、誰も置いていこうとしないから」
「バケモノだろうとなんだろうと、うるせェ行こうなんて無理やり引っ張るから」
「おまえが諦めないから、自分も一緒に諦めないなんて言うから」
「……おまえじゃなきゃ嫌だ、なんて真っ直ぐ言ってくるようなバカだから」
ぐ、とギャレーは拳を握る。
目の前のルフィが立ち上がる。 - 186キッドの妹生やすよ22/12/09(金) 12:34:23
「──あいつは、私達の船長だから。勝つよ。絶対」
- 187キッドの妹生やすよ22/12/09(金) 12:45:28
言い切ったギャレーに、オールサンデーは驚いたように目を見開き息をのむ。
それがあまりにも愉快に思えて、ギャレーは勝ち誇ったような顔をオールサンデーへ向けた。
……間もなくこの聖殿での戦いも終わる。
ルフィの一撃、一撃は間違いなくクロコダイルを追い詰めていた。
「どこの馬の骨とも知れねェ小僧が……!」
「このおれを誰だと思ってやがる!!」
「おまえがどこの誰だろうと!!」
「おれはお前を越えて行く!!!」
ルフィの繰り出した渾身の蹴りが、クロコダイルの体を捉え遂には高く高く蹴り上げた。
だがクロコダイルの方も攻撃の手を緩めない。ルフィに向かって砂嵐が放たれる。 - 188キッドの妹生やすよ22/12/09(金) 12:51:51
だがそれを耐えきり、ルフィは息を吸い込み体を膨らませると力いっぱい自身の体をひねり上げた。
と同時に勢いよく息を吐き、宙に浮いたクロコダイルに向かって飛んでいく。
「"ゴムゴムの"……!」
「"砂漠の(デザート)"……」
「"暴風雨(ストーム)"!!!」
「"黄金宝刀(ラ スパーダ)"!!!」
二人の放った技がぶつかる。
しかし血に塗れたルフィの拳が、クロコダイルの砂の刃を撥ね退け──その身に届いた。
と同時に凄まじい勢いのラッシュがクロコダイルを襲う。ルフィは雄たけびと共に何度も何度もクロコダイルに向かって拳を振るい、遂には。
聖殿の天井を、その上の岩盤まで砕き──クロコダイルを地上までぶっ飛ばした。 - 189二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 12:52:37
- 190キッドの妹生やすよ22/12/09(金) 12:57:49
と同時にルフィは頭から聖殿の床に叩きつけ……られる直前にギャレーが無事な方の腕でその体を受け止める。
「ルフィ!」
「っおい、君!」
コブラも這いながら二人に近づきながら、天井に開けられた大穴を見つめる。
……そこからはぽつ、ぽつと水が、……雨が降っていた。
それを知り、戦いの終わりを悟ったコブラ王は深く息を吐き、目を閉じる。
「礼を言う」
「いいィよ」
にい、と笑ったルフィの顔にギャレーは呆れた様子で「いいよ、じゃねェよ」と呟き、小突いた。 - 191キッドの妹生やすよ22/12/09(金) 13:06:05
崩れ行く聖殿の中、ギャレーが何とかルフィとコブラを抱えて脱出を図ろうとしたその時、足元に何かが入った小瓶が投げられる。
「早くそれを彼に……クロコダイルから受けた毒を中和できるわ」
「このガレキに埋もれても……ゴムならあるいは助かるかもだけど」
突如投げられたそれをギャレーが怪訝な目で見ていると、小瓶を投げた──オールサンデーが微笑み、そう言った。
信用できるか、と突き返してもよかったがこのまま上へ向かってもすぐチョッパーと合流できるか分からない。
「……どうも」と言ってそれを受け取ろうとした瞬間、「なぜ嘘を吐いた」というコブラ王の声が聞こえて思わず顔を上げる。
「その石にはこの国の歴史など刻まれていない……お前達の欲しがる"兵器"の全てが記してあったハズだ……その"ありか"も」
「クロコダイルにそれを教えていれば、あの時点でこの国は……」
「……興味がないの」
コブラ王の疑問にオールサンデーは投げやりに答える。 - 192キッドの妹生やすよ22/12/09(金) 13:16:03
「国や人間が死のうが、生きようが……私にはそんなことどうでもいい」
「元よりクロコダイルに"兵器"を渡す気もなかった」
「……ならば、何故ここへ」
「──私が求めていたものは"真の歴史の本文(リオ・ポーネグリフ)"」
「世界中に点在する"歴史の本文(ポーネグリフ)"の中で唯一、"真の歴史"を語る石……!」
突然話し出される内容にギャレーは目を白黒とさせる。
唯一読み取れたのは、……オールサンデーの目に諦めや、……絶望の色が宿っていことだけだった。
「……まさかテメェ、ここで」
「ええ……死ぬならちょうどいい。20年……探し続けてこれ以上の情報はないし、何よりこの道で生きていくことに疲れた」
「──ただ"歴史"を知りたいだけなのに……」
「私の夢には──敵が多すぎる」
そう言って泣きながら微笑むオールサンデーにギャレーはちり、と胸の奥が燃えた感覚を感じる。
そしてそれは瞬く間に激しい怒りとなってギャレーの感情を燃え上がらせた。 - 193キッドの妹生やすよ22/12/09(金) 13:23:08
「テメェ、ふざけ……っ!」
折れた腕の痛みも忘れて両手でオールサンデーにつかみかかろうとした時、横から自分のものではない腕が伸びてオールサンデーの体を捕まえる。
横を見ればコブラを抱えたルフィが、同じようにオールサンデーを抱え上げている姿が見えた。
「よし。ギャレー、こいつら乗せて飛べるか?」
「腕折れてんだよこっちは! こっから飛び出すだけでたぶんギリギリ……待て、まさかそいつもか?」
「おう」
何事もないかのように言い放つルフィにギャレーは呆れて頭を抱えた、さっきまでの怒りもどこへやらだ。
しかしオールサンデーはそうではないようで、「ちょっと待って!」と声を荒げる。
「私にはもう生きる目的がない……置いて行きなさい!」
そう叫ぶオールサンデーにルフィはきょとん、とした顔を向け。
「なんでおれがおまえの言うこと聞かなきゃいけねェんだ……!」
と獣型へ変化したギャレーの背に、問答無用でオールサンデーを放り投げた。 - 194キッドの妹生やすよ22/12/09(金) 13:33:47
雨が降り注ぐアルバーナ。
ようやく終結した戦い、しかし国王軍にも反乱軍にも多くの傷が残り、また困惑が広がっている。
それを収集させるためにチャカ、コーザ、そして生きていたイガラムが真実を話していたその頃。
「……おい、おまえしっかり歩けよ!」
「ああ……それが『これ以上歩いたら死んでしまう病』に」
「じゃ、そこにいろ」
「待てったら!」
麦わらの一味は人気のない通りを歩いていた。
ふと目の前に視線を向けると、誰かが向こうから歩いて来るのが見える。あれは……
「おーい! ギャレちゃ~~~~ん!」
「! おまえら、無事だったか!」
サンジが奇妙な動きでギャレーに近づくと、その隣のコブラと背負われたルフィに気づく。
「君達は……?」
「……あァ、アンタのその背中のやつ。運んでくれてありがとう、ウチのなんだ引き取るよ」
「では……君らかね、ビビをここまで運んできてくれた海賊とは」 - 195キッドの妹生やすよ22/12/09(金) 13:41:43
- 196キッドの妹生やすよ22/12/09(金) 13:42:59
こちらは埋めていただいて構いません
- 197二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 13:45:07
スレ立て乙!
でも化け物と呼ばれていたならばろくな過去無さそうだな。初めて受け入れてくれたルフィはまさにこの子にとっては太陽なのか… - 198二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 14:17:35
そもそも幼馴染がギャングに殺されてるし
別の幼馴染に乗船反対されてお兄ちゃんに置いてかれてるっぽいからな… - 199二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 14:22:45
- 200二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 14:25:26
最初のダイスで黒ひげというかD追っかけてたのも自棄になってた可能性ある…