[CP・閲覧注意・現パロルウタ]幸せと喪失

1二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 01:31:51

その時、ルフィは高校からの付き合いだが信用のおける仲間であるサンジの作った弁当を食べようと割り箸を持ったところだった
スマホに表示された通知をふいに見たルフィの手から割り箸が落ちたのを見て
ウソップは驚き、ゾロはそれをすかさず拾い上げた
「ど、どうしたんだ？」
「ルフィの手が弁当に向かわないなんて天変地異の前触れじゃないのか」
何も言わず立ち上がったルフィを見上げる二人の耳にいつもからは考えられないほど小さなルフィの声が聞こえる

「ウタが、階段から落ちて病院に連れて行かれたらしい」

2二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 01:35:17

ゾロのトラウマが…

3二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 01:35:18

いきなりヤバくね？

4二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 01:35:38

大丈夫だよな？

5スレ主22/12/04(日) 01:37:19

ここら辺では有名なトラファルガー病院に運ばれたと言われ
今日の授業が終わってすぐに病院まで駆けつけようとしたルフィは
ウタの父親であるシャンクスに連絡すると
もう家に居ると伝えられ、来た道を急いで引き返した
はやく、ウタの様子が見たい
大きな怪我はしていないとシャンクスは言っていたが
自分の目で無事なことを確かめたい
そう考えながら走っていたせいか、今日はいつもは釣られるコロッケ屋の匂いも気にならなかった

6スレ主22/12/04(日) 01:42:49

「ウタっ！！！！！」
見慣れた幼なじみの家に突撃するようにルフィは入っていく
靴を脱ぐ時間すら惜しいほど焦りながら入ったウタの家のリビングの中心
シャンクスこだわりの革張りのソファにウタは座っていた
「おー、来たか」
自分に声をかけたシャンクスを無視し、ウタの様子を見る
見た限りでは、たしかに大きな怪我は無く
いつもと変わらないウタだった

7二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 01:43:03

よし‼︎大丈夫だったな。

8スレ主22/12/04(日) 01:44:22

だが、突然入ってきたルフィを見上げたウタは
少しの間を空けて、すこし困っているようにも見える表情で呟いた

「えっと、キミは誰かな？」「シャンクスの知りあい？」

9二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 01:44:54

うわあああああ…

10二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 01:45:46

もう既に心が息苦しくなったぞ貴様ァ！！！

11二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 01:52:46

よし!!!シーザー殺すべ!!

12スレ主22/12/04(日) 01:54:17

目の前の景色が、ウタの顔がやけに遠く感じる
いつだっておれを引っ張ってくれて
ウタの家で遊ぶ時はすぐに腹が減るおれの為に最初は焦げたりしていたけどもオヤツを作ってくれて
受験の時も、テストの時も、おれに勉強を教えてくれていた
少し気が強いけど優しくて、歌が好きな幼なじみ
そんなウタが、おれを忘れている？

13スレ主22/12/04(日) 02:05:46

頭は真っ白なはずなのに口が勝手に動く
「記憶、ないんだな」
「えっ、ごめんね……私の友達だったりしたのかな？」
どこか不安げに、申し訳なさそうな顔をするウタを見るだけで
心臓が握りつぶされるような感覚がおれを襲う

14スレ主22/12/04(日) 02:22:51

「あの、関係は思い出せないんだけどキミの名前を聞いてもいい？」
そんなの言わなくたって知ってるだろ
おれより先に書けるようになったって自慢してたくらいなんだから
そう言ってやりたかったおれの口は
少しの欲を混ぜた嘘を放つ
「おれはルフィ、ウタの彼氏だ」
「えっ」

「はぁ！！？？」

15二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 02:31:56

刷り込みきたー

16スレ主22/12/04(日) 04:09:45

シャンクスの驚いた声と視線を無視し
ウタの小さくて柔らかい手のひらを両手で握ると、そのまま嘘を重ねる
「今日だって本当は放課後デートをしようと思ってたんだ」
「……そうなんだ、それはごめんね」
「気にすんな、ウタの方が大事だからよ」
「ううん、気にするよ」
気まずそうに目を伏せるウタにいつもの態度との違いを感じて、少し熱くなっていた頭が冷えてくる
そうか、いつもの態度こそがウタにとっては特別扱いだったんだ

17スレ主22/12/04(日) 04:11:55

とりあえずこの辺にして寝ます

>>18

18二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 04:12:30

>>17

いい夢見ろムジ!

19二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 05:32:57

さぁシャンクスをどう誤魔化すか...

20二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 12:24:18

大人気ないからなシャンクス…

21二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 12:34:20

これシャンクスお前嘘言ってんじゃねぇじゃなくてお父さんお前らがそんな関係だったなんて知らなかったぞって思ってない？変なところでアンジャッシュしてない？

22スレ主22/12/04(日) 14:00:01

「それにしてもルフィくんって私の彼氏にしては……」
そう言いかけておれをジッと見てきたウタに
心臓がビクッと跳ねそうになる
それに続く言葉はなんだ、野蛮そう？落ち着きがない？バカっぽい？
まるで死刑台に向かう囚人のような気持ちで次の言葉を待つおれに、ウタは微笑みながら言う

23スレ主22/12/04(日) 14:43:40

「運動神経良さそうだし、性格も明るそうだし、友達も多そうだよね」「運動部だったりするのかな？」
「あぁ、そうだな……」
喧嘩してる訳でもないのにウタがおれの悪口を言うわけないか、と安心したと同時に
私の彼氏にしては、という言葉に引っかかりを覚える
「なぁ、ウタ……」

24スレ主22/12/04(日) 14:45:30

「あっ、そうだルフィくん、私記憶を無くしちゃったし、このままじゃルフィくんにも悪いからさ」
「……ん？」

「私達、別れよっか」「それで、もう会わないようにしよう？」

25二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 15:07:31

どうして…？こころがいてえ

26二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 15:15:26

やめろやめろ

27二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 15:16:24

はいクソボケ

28二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 15:16:41

うーん…わからなくない思考だなあ…

29スレ主22/12/04(日) 15:39:24

やり方を忘れてしまったかのように呼吸が出来ない
目の前に居るはずのウタが、仮面を貼り付けた人形のように思えて
握っていた手のひらをもう一度握り直してしまう
「ルフィくん？」
「……いやだ、それだけは絶対に」
泣いてしまいそうで顔が上げられない
今までずっと一緒だったのに離れることなんか出来そうにないのはおれが一番わかってる

30スレ主22/12/04(日) 15:41:53

結局、それ以上ウタとは話せず
明らかにショックの大きいおれに気を使ったシャンクスが家まで送ってくれることになり
大人しくおれはシャンクスの車に乗り込んだ
「……嘘ついてごめんな、シャンクス」
「それは今まで、か？」「それとも、さっきはか？」
「……さっき、だ」
「そうか、やっぱり嘘だったんだな」

31スレ主22/12/04(日) 15:43:11

言葉のわりに明るく、笑い飛ばすように言われ少し苛立つが
今はわざわざ怒るほどの元気はない
「ウタはな、ルフィのことが大切なんだ」
「……知ってる」
「弟のように思っているし、幼なじみとしても大切に思っている」
「あぁ、ウタにも何回も言われた」
「……だから、無意識のうちにストップがかかって言わなかったんだろうな」

「自分が突き落とされたってことを」

32スレ主22/12/04(日) 15:56:09

……自分のベッドに転がってあとは寝るだけのはずなのに眠れない
シャンクスによると、ウタは階段の下で気絶していて些細な傷や打った場所から考えるに突き落とされたという説が濃厚らしい
だが、本人はそれに関しては覚えてないの一点張りで犯人も分からず
身の安全を考えた結果、しばらく自宅学習ということになったとシャンクスは言っていた

33スレ主22/12/04(日) 15:56:49

悔しい、その場に居なかったことが
悲しい、ウタにそんなことをするヤツがいたことが
そして……辛い、ウタがおれを忘れてしまったことが
おれに真実を隠して、さらにはおれを遠ざけて
ウタは何がしたいんだろうか
これ以上、何を隠しているんだろうか
分からないまま時間がただ過ぎていく

34二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 16:07:49

我慢が出来ないから正直に言おう
この状態のウタとルフィからエッチな展開にしたい

35スレ主22/12/04(日) 18:30:27

翌日の放課後もおれはウタの家までやってきた
殺虫剤の置き場所だっておれは知ってるのに
ウタが歓迎していないだけで家に漂う空気がまるで違う
「……もう来なくていいのに、ルフィくんだって暇じゃないでしょ？」
遠回しの拒絶にウタの本気を感じ取って
靴を並べようとしていた手が止まる
「ほっとけるわけないだろ、恋人なんだから」
「別れようって言ったよね？」
「おれはいいって言ってない」
「なに、その屁理屈」

36スレ主22/12/04(日) 18:31:27

ウタと軽口を叩き合うと一瞬、いつものウタに戻った気がする
でも、おれと付き合ってるという嘘を信じてるということは
ウタが治っていない証明でもある
そのことに、さらに深く落ち込みそうになるのを必死に抑え、気にしていないフリをしながらウタの部屋に半ば強引に向かった

37スレ主22/12/04(日) 18:32:32

「ウタの部屋に入っていいか？」
おれを追いかけてきたウタを背に
ドアノブに手をかけるとウタは焦ったような声を出す
「だ、ダメ！片付けしてなくてちょっと荒れてるから見ないでほしい……」
「そんくらい大丈夫だ、慣れてるから」
描きかけの楽譜や配信機材が置かれた机の上は確かに荒れているが
それ以外はなんの問題もないウタの部屋を脳裏に浮かべながら少し笑う
「で、でも、好きな人には綺麗で完璧なところだけ見てほしいし……本当に私の彼氏だったら見せたくないことくらいわかるでしょ？」
……だが、ウタのその言葉で口角が下がる

38二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 18:32:56

頭に衝撃加えたら戻らんかな？
マムみたいに。

>>39

39二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 18:34:20

>>38

ウタは

マムみたいな

人間5歳族じゃねぇよ

40スレ主22/12/04(日) 18:44:14

おれとウタは長い付き合いだ
だから、ウタの作った焦げたクッキーを食べたこともある
綺麗なクッキーだけがラッピングされているのを知りながら
字の下手なウタの練習に付き合ったこともある
その後、誰かに宛てた手紙を一生懸命に書いていたことも知っていた

41スレ主22/12/04(日) 18:45:05

ウタにとっておれは、完成したものだけを見せなくてもいい気を抜ける存在で
きっとあくまで練習台だってことを気づいていないフリを今までしていた
だから、ウタにとって今の、ウタの彼氏のおれは
ウタの部屋に入れてもらえないんだという単純なことにどうしても納得がいかない
それじゃ、ウタのことを大して知りもしない連中と同じ扱いじゃねぇか

42スレ主22/12/04(日) 18:46:21

「だから入らないで、恥ずかしいから」
「そうか、ごめんな」「でもそんなに警戒しなくていいぞ、ウタが嫌がるようなことはしないから」
「……じゃあ、ちょっとだけならいいよ」
おれの言葉に乗せられたウタが躊躇いながらも出した譲歩にまたモヤモヤする
他の男でもこうやって許してしまうんだろうか
それとも、おれは彼氏だからか？
ウタの態度に複雑な感情を抱えながら入った部屋で
……おれは今の関係を利用して幼なじみの境界線を破壊することにした

43スレ主22/12/04(日) 18:55:37

①甘い♡

②辛そう

③シャンクス

dice1d3=1 (1)

44二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 19:00:11

シャンクスになってほしかった

45二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 19:02:18

いいのだ、甘いルウタは皆が幸せになれるからいいのだ

46二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 19:22:49

シャンクスってなんだ・・・

47二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 19:32:36

シャンクスが帰ってくるとか……？

48二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 19:36:15

この状況で甘くなるのか

49スレ主22/12/04(日) 19:41:46

すまない、実はこの手のスレを立てたのは初めてなんだ
だから、初歩の質問になってしまうんだが
どこまでならエッチなシーンを書いて許されるのか教えて欲しい

>>50

50二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 19:42:47

>>49

Telegraphであげれば無限に書けるぞ

>>51

51スレ主22/12/04(日) 19:47:46

>>50

悲しいことに文章能力と見せられるようなまともな性癖が無くてな

わざわざ別サイトを使うくらいなら匂わせ程度にしようと思ったんだ

>>52

52二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 19:48:53

>>51

匂わせ程度だったら大丈夫なのでは？

>>53

53スレ主22/12/04(日) 19:56:09

>>52

残念ながら匂わせの範囲が麻痺しているんだ

普段はドレークに性癖をぶつけてるせいで

乳首当てクイズや太ももを執拗に撫でるのはセーフどころか健全な範囲だと思ってしまう

>>54

54二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 20:27:32

>>53

お前は俺を笑わせに来てるのか？

>>55

55二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 20:48:10

>>54

おれは真面目だ

ただドレークの胸き……恐竜姿がカッコよくて好きなだけの普通の人間だ

56二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 20:49:03

直接的な描写は避けて肝心なところは朝チュンで飛ばせば問題ないよ

57スレ主22/12/04(日) 20:52:06

ありがとう、じゃあ遠慮なく載せようと思う

58スレ主22/12/04(日) 22:52:58

─────────────
「ウタの太ももはスベスベだな」
「んぅ……♡」
「ずっと撫でていたくなる」
「も、もう離れて」
「彼氏なんだからこれくらいはして当たり前だろ、耐えられないなんてエッチだな」
「手をどけて、いや……♡」
あまりに弱々しい抵抗に、いつもとの違いをさらに感じてイタズラ心が加速する
こんなセクハラも受け入れそうになるとか
彼氏って言われたらそれだけで信用するってことかと思うと
もっと警戒しろよと怒りに近い嫉妬の感情が沸き上がる

59スレ主22/12/04(日) 22:53:43

「じゃあ太ももじゃなくてコッチにするか」
「だ、ダメっ♡」
太ももを撫で回していた手を胸の方へ移動させると
さすがにやばいと思ったのか両手で止めに入る
まぁ、もう遅いんだが
「ウタの乳首あてクイズすんぞ、ん〜、ココか」
「ち、違う……♡」
「じゃあ、コレがウタの乳首かな」
「っう♡♡違う、ハズレっ♡♡」

60スレ主22/12/04(日) 22:54:36

「本当に？こんなに指に逆らってるのに違うのか？」
「違うったら違う、……んひぃっ♡♡！？」
「嘘つきには罰をあげないといけねぇよな」
指で挟んだ乳首を引っ張ったり、こねくり回してるうちに
ウタの抵抗は減っていき
身体の反応もすっかり従順になってきた

61二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 23:16:25

良くやったルフィ！
そのまま新時代して既成事実を作るんだ

62スレ主22/12/05(月) 01:57:41

いつものウタからは考えられない
記憶が戻ったらこんなこと出来ないなと思いながらさらに責め立てる
「待って、いやっ……♡♡なんかきちゃうっ♡♡」
なにかに耐えるようにビクビクと震え始めた身体に
勝利の笑みを浮かべて、そっと指パッチンの準備を整える
そしてウタの乳首に当てるように指を弾いた
「ウタ」

63スレ主22/12/05(月) 01:58:18

「っあぁぁぁっ♡♡なんでぇ♡♡」
「うわ、指パッチンでイクとか変態だな」
「ち、違うから、たまたまだから♡」
「パンツ丸見えになってるのも気づかないくらいなのにまだ嘘つくのか？」
「み、見ないで……♡」
「ウタは変態だから見てほしいの間違いだろ」
「やだっ、お願い、もう許して……♡」
いつもなら見られないウタの泣き顔に興奮する

64スレ主22/12/05(月) 03:57:47

それと同時に、俺に対して殴り掛かることもせず、ただ良い様にされて泣くなんて
ウタも一人の女の子だったんだなと思う
彼氏だと嘘ついて手を出した俺にこんな態度をいつものウタがとるわけがない
太ももを撫でただけでセクハラすんな！と怒ってくるはずだ
……本当に彼氏相手だったなら違うんだろうか
「ウタ、ごめん……調子に乗った」

65スレ主22/12/05(月) 03:58:41

「う……っひぐ、もうやだ、こんなに恥ずかしいのに……っ」
「う、ウタ？」
「もうひどいこと私にしてるもん……もうできない……っ」
「ご、ごめん……泣かないでくれ」
「嫌がるようなことはしないって言ったから部屋に入れたのに、約束守ってない……っ」
「ど、どうしたら、許してくれるんだ？」

66スレ主22/12/05(月) 03:59:07

「……抱っこしてチューしてくれたら許してあげる」
「えっ、抱っことチューってそんな……」
「彼氏ならいっぱいチューしたことあるはずだから、これくらいはいいでしょ？」
「わかった、わかったから」
意識のあるウタにするのはずいぶん久しぶりな気がする
もっと小さい時、まだもっと素直だった時にしてからは
寝てる時とかウタにバレないようにしてきた
それを記憶喪失とはいえ
意識があるウタから強請られてする日がくるなんて

67スレ主22/12/05(月) 04:03:48

とりあえずエッチなシーンは一区切りついたので今日はこの辺にして寝ます

>>68

68二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 08:52:56

>>67

乙

続き待ってます

69二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 14:35:21

よく考えたらこのルフィめちゃくちゃ拗らせてるな

70スレ主22/12/05(月) 19:19:51

夜になりましたので、ダイスで決めた角砂糖一個分くらいの甘さのルウタを載せてもいいですか

71二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 19:20:41

お願いします。

72スレ主22/12/05(月) 19:21:46

ウタを膝の上に乗せて、優しくキスをする
「ウタは、おれのこと好きか？」
「うん、好き」
甘ったるくて素直な言葉に
自分が言わせたことなのに思わず胸を掻きむしりたくなる
どうしてこんなことに……
いや、おれが悪いのはわかってるんだけど
「もう一回言ってくれ」
「好き、ルフィくんが好き……」
「あー……こうして素直にしてると、やっぱり可愛いな」

73スレ主22/12/05(月) 19:22:16

「私、可愛い？」
「あぁ、ずっとウタは可愛いぞ」
「私のこと……好き？」
「ずっと前から好きだ、お世話されてばっかだから言えなかったけどずっとウタのことが好きだった」
……なんでこんな時にかぎって素直に言えるんだ

74スレ主22/12/05(月) 19:23:24

今までは告白しようとしても声が出なかったのに
なんでウタが記憶を無くした途端に言えてしまうのか
誰かに聞かれても好みのタイプは大人しくて謙虚な女の子らしい子だって
誤魔化し続けてでも守ってきた幼なじみの座を自分で壊してしまったショックが
もう戻れないおれの身体を襲う

75スレ主22/12/05(月) 20:23:23

「じゃあ付き合えてよかったね、どっちから告白したのかな」
「……おれから告白した、ウタが他のやつに奪われるのが嫌で」
「嫉妬したの？」
「そりゃ、そこら辺の男に奪われるのは面白くないからな」
「ふふっ、嫉妬するタイプなんだね」
自分の嘘のディテールが細かすぎて
本当に付き合ってたのかと勘違いしそうになる
いやいや、これは違う
記憶が戻ったウタには『からかってごめん』とちゃんと幼なじみとして謝らないといけない
そしてウタに許してもらえたら、またいつも通りの幼なじみに戻って……

76スレ主22/12/05(月) 20:23:52

……おれにそんなことが出来るのか？
本当は、嘘だってバレずにもっと彼氏として過ごしたいんじゃないか？
そんな欲望と理性の狭間で揺れ動くおれの口は今まで隠してきた気持ちを零してしまう
「記憶を無くす前のウタはどう思ってたかわからねぇけど、おれはウタのことが好きだしウタの気持ちは全部欲しいと思ってる」
「ふぇっ……！？」

77スレ主22/12/05(月) 20:24:30

「記憶が無い時に言うのはずりぃけど、本当はもっと素直に可愛がりたい、髪の毛一本だって他のやつには譲りたくない」
本当に自分の言葉かと思うほどに吐き出したそれは重く
もう罪悪感を超えて、付き合っていることが嘘だとは思えなくなってきた
あぁ、おれはこんなにウタのことが好きだったのか

78スレ主22/12/05(月) 20:25:01

「あ、ありがとう？」
「……そろそろシャンクスが帰ってくる時間だよな、もう帰るよ」
はやくウタを一人にしてやらないといけない
まだおれの愛を飲み込めてないウタにこれ以上負担をかけたらダメだ
だってこれは、幼なじみをからかう為の嘘なんだから
これ以上は望んではいけないんだ

79二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 00:40:31

ありがとう。　保守

80スレ主22/12/06(火) 04:11:19

まだ書き溜め中ですがダイスだけ回してそろそろ寝ます

①ウソップ

②ゾロ

③サンジ

④兄貴ズ

⑤シャンクス

dice1d5=2 (2)

81二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 04:32:56

助っ人ダイスか！

82二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 15:02:21

幼なじみが階段から落ちた話からのゾロって大丈夫か？

83二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 23:03:36

信じよう。

84スレ主22/12/07(水) 02:45:56

ウタが記憶を無くして以来おれは、ウタの中におれの存在を刻みつけられるように家へ通い続けている
だが、何も説明すること無く放課後になった途端に飛び出していくここ数日のおれを心配してか
「おい、今日こそは話してもらうからな」
「ぜってーなんかあっただろ」
今日はウソップとゾロに捕まってしまった

85スレ主22/12/07(水) 02:47:05

隠していても仕方がない、どうせならなにかしら協力してもらおうと
ウタがおれに関する記憶を失ったこと、どうやら誰かに突き落とされたらしいこと
そして、おれが彼氏だと嘘ついたことを正直に二人へ話す
もちろん、調子に乗ってウタに手を出してしまったのはまだ秘密にしておいた

86スレ主22/12/07(水) 02:47:50

「えーっ、今そんな状況になってんの！？」
「犯人の目星は付いてんのか」
「……いや、ウタはなんにも言わねぇし」「先生達も犯人が名乗り出るのを期待してるみたいだ」
「あー、記憶が戻るのと犯人が自分から言うのどっちが先か、って感じなのか」
「そりゃ、呑気なこった」

87スレ主22/12/07(水) 02:48:22

ゾロはバカにしたように鼻で笑うと
自分愛用の木刀を指先で撫でながら呟く
「それで死んでたら、どうするつもりだったんだろうな？」
声を張り上げているわけでもない、むしろ小さな呟きだったはずなのに
その言葉はどこまでも暗く、重い

88スレ主22/12/07(水) 02:49:27

ほんの一瞬、気まずさを感じ三人の会話が途切れたところで
ウソップも暗い顔のまま話を続ける
「……ここらじゃ名の知れた私立だからな、犯人が見つかるかはさておき、そろそろ緊急保護者会でもして火消しすんじゃねーか？」
「ウタはまだ通えねぇし、犯人が誰かも分かってないのにそんなこと出来るのか？」
「そういうもんだろ、いっそ転校した方がラクかもしれねぇな」

89スレ主22/12/07(水) 02:50:24

「でもよー、転校するにしたって今度は引越しする必要が出てくるよな」
「なんでだ？」
「そりゃオマエ、犯人が家まで来たらどうすんだよ」
「反撃すりゃいいだろ」
「普通の女の子が出来るわけないだろうが、そんなこと出来んのはゾロんとこの幼なじみと……」

90スレ主22/12/07(水) 02:50:49

段々と二人の会話が遠くに聞こえるような感覚に陥る
そうか、ウタの通っている学校はここら辺では有名な学校だ
だから、学校のブランドを優先してウタを切り捨てる可能性もあるのか
そう思うと、ウタの通っていた学校さえも憎たらしく感じてくる

91スレ主22/12/07(水) 02:51:27

「わりぃ……そろそろウタのところに行ってくる」
「あぁ、もうこんな時間か」
「引き留めてごめんな、おれの友達に同じ学校の女子がいるから近況とか雰囲気を聞いといてやるよ」
「ありがとう、また明日な」
今まで話していた教室から出た時
そういえば最近、部活にも出てないことをふいに思い出した

92スレ主22/12/07(水) 03:09:52

───────────
「はぁ……まさかあんなことになってるなんて思ってもなかったわ」
「あぁ、そうだな」「おれもまさか記憶喪失だとは予想もしてなかった」
「あー、すげぇ心配になってきた」「大丈夫かな、ルフィ」
「……心配すべきは幼なじみ本人だろうけどな」
「そりゃそうだけどよー」
ギャーギャー騒いでいるウソップに気づかれないように
決して１：１で話したことは無いルフィの幼なじみへ心の中で問いかける
とんだ怪物を生み出した責任は取ってくれよ？と

93二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 12:56:28

ほ

94二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 13:02:41

じみにくいなが生きてるのがうれしい

95二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 15:36:45

この世界なら他の人も生きてそう、ベルメールさんとか

96二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 15:38:09

ルフィがメンタル的に怪物になりかけてる…？

97二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 23:08:09

ほ

98二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 03:40:47

このレスは削除されています

99二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 04:09:27

このレスは削除されています

>>100

100二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 04:23:35

>>99

スレ主じゃないのに勝手にそういうダイス振るな

ダイススレじゃない

>>101

101二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 09:29:46

>>100

すみません

102二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 18:16:04

保守

103二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 18:17:03

ほ

104スレ主22/12/08(木) 18:37:14

珍しいことにウタの出迎えもなく静かな家を黙って歩き、軽くノックをしても返事が無いことを不思議に思いながらウタの部屋に入る
「ウター？」
中に入ると、ウタは安らかに眠っていて
近くには何故か少女漫画が落ちていた
どうやら読んでる途中で寝落ちしたらしい

105スレ主22/12/08(木) 18:37:55

主人公が片想いしている学園の王子様と意地悪で強引な男が出てきて、前から主人公に片想いしていた幼なじみは失恋する
よく見る定番の設定なこの漫画は
ウタのお気に入りで、おれもウタに何回も勧められて読んでいた
……主人公の幼なじみに自分を重ねて

106スレ主22/12/08(木) 18:38:28

ふと机を見るとウタのスマホの通知が見えて、少しの出来心でそれを覗いてみる
『カヤちゃん:ウタ先輩、大丈夫ですか？』
『カヤちゃん:私に出来ることがあれば言ってくださいね』
まず最初に、ウソップの言い方だと知り合いのお嬢様
ウタにとっては後輩の女子からのメッセージが目に入った

107スレ主22/12/08(木) 19:35:36

その次に気になったのは
『トットムジカ:ウタちゃん今日は元気カナ？ボクは相変わらず練習を頑張ってマス♪』
『トットムジカ:このままだと次のコンテストはボクが枠を取っちゃうゾ！だから早く来てネ♡』
という、おれの知らないヤツからの親しげなメッセージで
それを見た瞬間、不安が頭を押し寄せた

108スレ主22/12/08(木) 19:36:11

誰なんだ、コイツは
まさかウタの本当の彼氏じゃないよな？
このメッセージを送ってきたヤツの顔を見たこともないのに、なぜだかムカついてしまう
そして脳裏では、少女漫画の幼なじみが仲間を見つけたような笑顔で呟く
『初恋は叶わないし、幼なじみは報われないものだよ』

109スレ主22/12/08(木) 19:36:31

ふざけるな、と言いたくてもおれの不安からくる妄想である以上呑み込むことしか出来ない
いやだ、ウタを盗られたくない
ポっと出の男になんか渡さない
ウタの隣はおれの場所だ
そんなことを考えながらスマホを置き、ウタの傍に座る

110スレ主22/12/08(木) 21:04:17

「……ウタ」
静かに顔を近づけ、寝ているウタの頬に軽くキスをする
「ん……」
身動ぎ、微かに声を出したウタはさっきと何も変わらない
「……そうだよな、キスはこないだもしたもんな」「やっぱりおれはウタの王子様じゃなかったみたいだ」
お姫様だとかそんなメルヘンな話をまともに信じてたわけじゃない
だけど、少女漫画や童話でキスはたびたび魔法を解いてきたんだ
少しは何かあるんじゃないかと期待した結果がこれだ

111スレ主22/12/08(木) 21:04:54

お姫様は幸せそうに眠ったまま、ただの幼なじみのおれは怖気付いたままこれでサヨナラすることになる
ウタにとっての王子様はおれじゃなかったんだろう、きっと
こんな嘘つきが、選ばれるわけないんだ
自分に言い聞かせた言葉がズキッと痛んだ気がしたが、おれはウタが起きる前に逃げてしまった

112二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 22:02:16

馬鹿野郎！逃げてんじゃねえぞクソゴム！

113二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 22:48:13

トットムジカが彼氏なわけないだろ、自信を持て

114二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 22:51:30

逃げるな！記憶無いんだからお前が支えてやるんだよ！

115二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 23:00:06

トットムジカおじさん構文使いだったんか

116二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 04:08:25

辛すぎるからシャンクスを召喚したいのにこのスレのシャンクスはトンチキなキャラじゃないんだよなぁ

117二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 14:30:03

ほ

118二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 21:58:18

ほ

119スレ主22/12/10(土) 01:07:11

一晩が経ち、いくらか冷静になれた頭は
勝手に部屋に入り、スマホを覗いた罪悪感と
一方的に嫉妬し、唇を奪った羞恥心で
ルフィには珍しく、力加減が比較的出来る方の兄が握って朝に食べさせてくれたおにぎりの具も分からないほど乱れていた

120スレ主22/12/10(土) 01:07:31

兄二人にルフィの思考は読めない
だが、どこか意識が遠くに飛んでいるような弟の姿と
あまりに話を聞いておらずまったく通じない会話に
とうとう限界に達した兄は恐る恐る声をかけた
「……おい、朝から暗い顔してどうしたんだよ」「ダチとでも喧嘩したのか」
「いや、ルフィがメシより考えることを優先してるならウタちゃん関係なんじゃないか？」

121スレ主22/12/10(土) 01:08:03

ウタちゃん、とサボが言った瞬間にピクッと反応した弟を見て
兄二人はホントわっかりやすい弟だなと目線を合わせる
原因があの子なら心配はいらない
エースがつまみ食いしておかずを減らされるのと同じくらい
ルフィがあの子への想いで挙動がおかしくなるのは見慣れている

122スレ主22/12/10(土) 01:08:40

なんだ、いつものことかと安心した兄二人の目線はおにぎりへ移動し
今日はダメな日なのだと納得した二人は別の話題で盛り上がりながら朝の支度を進めていく
弟に何があったのかを聞かないまま、気がつけば家を出る時間になっていた二人はこの時気づくことが出来なかった
ルフィの表情には落ち込みや動揺の他に、殺しきれぬ仄暗い感情が混ざっていたことに

123二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 01:14:51

このレスは削除されています

124二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 11:26:38

保守

125二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 20:50:31

ほ

126スレ主22/12/10(土) 21:59:00

昨日から拭えぬ鬱々とした気分で昼休みまでなんとか耐えたルフィの肩を
サンジに託された弁当を抱えたウソップが叩く
「よぉルフィ、今日は体育館裏で食べようぜ」
「いや、今日は一人で食べてぇから」
「……カヤ達からの情報、聞きたいだろ？」
ルフィにだけ聞こえるように言われた言葉に思わず勢いよく顔を上げる
「……そうだな、今日は場所を変えるか」

127スレ主22/12/10(土) 22:01:55

そういえば情報収集をしてくれるとウソップが言っていたことを思い出し
ついて行った先には、ゾロの他にも見慣れた顔が揃っていた
「ウタのピンチなのにアタシに声をかけないなんてヒドイじゃない」
「まったくだ、ウタちゃんの為ならいくらでも協力するつもりなのに」
ゾロと共に体育館裏に座っていたナミとサンジは拗ねたようにルフィへ言う
困った時は助け合うのが仲間だろ、と言っていたのはオマエの方だろと言わんばかりの視線に
ほんの少し罪悪感をおぼえたルフィは
「……わりぃ」と
一言謝り、そのまま地面に座り込んだ

128スレ主22/12/10(土) 22:02:25

「校内での噂によるとウタは海外留学を勧められていたみたい、なんでも音楽の国にあるエレジア学院から推薦を貰ったとか」
「でもってそれに嫉妬して些細な嫌がらせをしてたヤツもいるみてぇだ、楽譜や筆箱を隠されたりして困ってるのを見たって証言もある」
「さらに、その件で疑われていたアニー・マンスレッドって子がウタちゃんが突き落とされた翌日に休んでたらしいんだが……」
「今んとこお咎めはなしで、邪魔な女がいないだけで平和だの悪口を言いまくっているらしい」
どうせ情報を集めるなら別々のルートが良いだろうと、それぞれ別の人物に聞き込みした四人の話は真実味のあるものも有り
五人の頭でまとめていくうちに段々と何があったのかが見えてきた

129スレ主22/12/10(土) 22:02:57

「……ってことは、アニー・マンスレッドとかいう女が怪しいな」
「あぁ、ウタちゃんが階段から落ちる直前に近くに居たのも目撃されてるからほぼ間違いない」
「……なのに、学校側はなんにもしないのか」
「あくまでも噂の範疇だけど、お金の力でなんでも手に入れてきたから教師を買収でもしたんじゃないかって知り合いは言ってたわ」
「なんだよそれ、最低じゃねーか」
別の学校に通っている自分達でも
犯人も動機もほとんど分かるにも関わらず
ソイツが野放しになっている事実に怒りが込み上げてくる

130スレ主22/12/10(土) 22:03:48

「とりあえずルフィはウタちゃんに付き添ってやれ」
「そうね、今一番大変なのはウタだろうし」
そんな本来優しく気遣うような言葉をかけられたルフィは
朝と同様に反応はするものの、返事はない
だがそれを照れ隠しではなく別の感情だと見抜いたのはウソップだけだった

131二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 22:03:57

マジかよ最低だな、アニー・マンスレッド
略してあにまん

>>133

132二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 00:08:53

あにまんの名を冠していて性格が良いわけないんだ

133二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 00:08:56

>>131

なるほど

アニー・マンスレッド

「あに」ー「まん」「スレ」ッド

134二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 01:02:42

アニーが怪しいとなるととっとこムジ太郎はどうなるんだ？

135二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 03:38:30

なかなか語呂良くて草

136二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 03:49:31

アニーさん
マンスレッドさん
それぞれ単体なら全然居そうなのに揃うと途端にろくでなしっぽい名前になるな

137二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 10:09:30

ほ

138スレ主22/12/11(日) 20:00:47

仲間に促されるがまま、というより既にそれが日常の一部、ルーティンになってしまっていたルフィは
気がつけばウタの家に今日も来てしまっていた
インターホンを押すと少しの間をおいて軽やかな足音と共にウタが顔を出す

139スレ主22/12/11(日) 20:01:19

「あ、ルフィくん！」
自分が会いに来ただけで花が咲くように嬉しそうな顔を見せるウタに
勝手に身の回りを調べたり、嘘をついてる罪悪感を刺激されつつも素知らぬ振りをして中に入れてもらう
今、バレていないならそれでいい

140スレ主22/12/11(日) 20:01:48

漫画を読んでる途中だったのだと話すウタに
おれのことは気にせず続きを読んでいいと言うと少し申し訳なさそうにしながらも
読みかけの漫画をふたたび開いて読み始める
……横顔だけなら前と変わらないのにな

141スレ主22/12/11(日) 20:02:14

「あ、ルフィくん、ちょっといいかな？」
「どうした？」
「ここのシーンなんだけど……」
ウタがおれに話しかけながら振り向いた瞬間、柔らかい感触が唇に当たる
距離が近いおれに対して振り向くのが早かったウタのタイミングの悪さ、そしてお互いの体勢
それらが重なった結果
俺は部屋でウタとキスしていた

142スレ主22/12/11(日) 20:02:56

「えっ、あの……ごめっ！」
「……気にすんな、こんな漫画みたいなことってあるんだな」
真っ赤な顔して謝るウタに内心ドキドキしながら慰めの言葉を発する
たしかに漫画みたいなことだが今はそれよりウタがどう思ったのか、それが気になる

143スレ主22/12/11(日) 20:03:26

「ホント漫画みたい、歯も意外と当たらないんだね！」
「唇同士の接触だし、怪我は無いか？」
「うん、無いよ！」
おれとのキスで頬を赤くしてはいるが、漫画みたいなシチュエーションであることの方に関心が向いてるらしいウタを見て
ほんの少しだけ落ち込みそうになる

144スレ主22/12/11(日) 20:03:58

やっぱりウタの身体が、ウタの魂自身が
おれは恋愛対象ではないと判断している気がして胸が苦しくなる
おれはドキドキして、今にも走り出してしまいそうな気持ちだったのに
ウタにとっては、あまり重要じゃないことだったのかと考えるだけで目頭が熱くなってきた

145スレ主22/12/11(日) 20:04:25

「あれ、ルフィくんってば私の話聞いてる？」
「あぁ……聞いてる」
本当はまったく聞いていなかったがウタを悲しませたくなくてまた嘘をつく
おれはどこまで嘘を重ねるつもりなんだ、と自分でも呆れるが
ウタにさえバレなければそれでいいだろうと思い直す

146スレ主22/12/11(日) 20:04:55

「それならいいけど、体調が悪いなら無理せずに帰っていいからね」
「いや、まだ帰んねぇ」
「じゃあ、もうちょっとだけ……くっついてもいい？」
結局、シャンクスが帰ってくる直前の時間までウタに引っ付かれていたおれは
家に帰ってからも悶々としてしまい、キスとウタの体温と服越しの柔らかい感触を思い出しては大声を出して
ブチ切れた兄二人から制裁を喰らった

147二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 20:44:07

知ってるか、偶然のキスで動揺してるがコイツ記憶喪失になった翌日に乳首責めしてるんだぜ……

148二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 23:27:56

はっ、そうだった！！

149二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 06:40:01

ほしゅ

150二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 17:22:06

し

151スレ主22/12/12(月) 20:06:03

────────────────
歌の練習の為に防音対策をしてあるウタの部屋に声が響き渡る
「えへへ、チューしちゃったよー！！」
バタバタと部屋の床に転がりながらクッションを抱きしめ幸せを噛み締める
偶然の事故だってことはわかっているが嬉しいもんは嬉しいのだ
なんたって相手はずっと好きだった幼なじみで……

152スレ主22/12/12(月) 20:13:23

「ってあれ、幼なじみ……？っていうかルフィくんとチューしたのってこれが初めてじゃないよね？？」
その言葉につられたのか、じわじわとにじみ出るように思い出してきた
そうだ、そうだった

153スレ主22/12/12(月) 20:13:51

あれはルフィだ、幼なじみで私のことを遠回しにフリ続けてたくせにいきなり期待するようなことをしてくるヤツで
身勝手だしワガママだけど、顔と運動神経と性格だけは良くて
そして何より私のずっと大好きな幼なじみのルフィだ

154スレ主22/12/12(月) 20:14:22

「お、幼なじみのキスで思い出すとかそんな少女漫画みたいなことある？？」
とりあえずルフィに言おうと携帯に手を伸ばしたが、あることに気づき手を止めた

155スレ主22/12/12(月) 20:14:58

これ言わない方がルフィはずっと優しくしてくれるのでは？？
なんせ、私が記憶を無くして以来毎日のように家に来ては甲斐甲斐しくしてくれていた上に今日のあの態度
いつもなら『そんなに近づくな、熱いだろ』くらい言ってるのに！

156スレ主22/12/12(月) 20:15:26

これは黙って優しいルフィを堪能すべきでは？
もちろん心配してる友達や後輩には今すぐにでもメッセージを送って知らせるけど、しばらくルフィとその仲間達には黙っておこう
敵を欺くには味方からって言うし！

157スレ主22/12/12(月) 20:16:02

そう決めた私は思い出した衝撃ですっかり気がついていなかった
きっとこの場にバギーおじさんが居たら突っ込んでくれたことだろう
普通は、記憶喪失になってしまった幼なじみに対して彼氏だと嘘ついたりしないし
キスもしなければあんな、エッチなこともしないということに

158二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 20:33:28

おバカァァ！！！

159二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 20:36:10

あららぁ！？

160二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 00:35:56

ルフィは自分の好みのタイプ嘘ついてたんだよな確か

>>161

161二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 01:41:08

>>160

今まで好みのタイプは大人しくて謙虚な女の子らしい子って言ってたっぽい

162二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 01:43:41

遠回しにお断りってそれの事もありそうだね

163二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 09:47:26

ほ

164二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 19:52:40

保守

165スレ主22/12/13(火) 21:11:30

記憶を思い出してからというものの
ルフィの過保護なまでの優しさが違和感でしかない
今日だってこの通り、『学校に残したままの荷物を回収しに行きたい』と軽い気持ちで言った私を
わざわざ家まで迎えに来てからずっと私の隣から離れない

166スレ主22/12/13(火) 21:12:08

いつもなら私がくっついて、ルフィはウザそうな顔しながら反対の方へ行ったり
『朝から引っ付くな』って剥がしてくるのに、今日は手まで繋いでる
これはやっぱり記憶が無いから優しいんだよね？
言いたくないなぁ、記憶が戻ったって……

167スレ主22/12/13(火) 21:13:14

そんなことを考えながら階段を登っていると後ろから小さくｶｼｬｯと聴こえた
後ろを向くと下には真面目そうなスーツ姿の男性がスマホを逆さまに持っていて、思わず顔が引き攣る
「あ、る、いぃ…」
言いたいことが形にならず
恥ずかしくて隣のルフィに言うことも出来ない
もしかしたら自意識過剰って言われるかもしれないし、私の勘違いかもしれない
そう思うと余計に口に出せなくて黙って俯いてしまう

168二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 21:13:41

このレスは削除されています

169スレ主22/12/13(火) 21:15:51

「おい、何やってんだよオッサン」
「スマホ見せてみろ」
ふと気がつけばルフィの他にも居たルフィの仲間達がスーツ姿の男からスマホを取り上げ
ナミちゃんに呼ばれて駆けつけたうちの女性の警備員さんに渡していた
「これは……現行犯ですね、警察を呼びます」
スマホをチェックした女性の警備員さんが無線で誰かに何かを伝える
恐らくこれは通報要請で、しばらく待っていたら警察が来るのだろう

170スレ主22/12/13(火) 21:16:41

私の動揺がやっと少しは落ち着いた頃、駅の女性職員さんとナミちゃんが私の身体を支え医務室へ案内してくれる
「辛かったでしょう、今警察を呼んだから直ぐに連行されるわ」
心配そうに私を見る職員さんに涙がこぼれそうになる
怖かった、でも自分では何もできなかったのが情けないと落ち込む私に
ナミちゃんは黙って静かに寄り添ってくれていた

171スレ主22/12/13(火) 21:17:37

「あの後大変だったんだぞ、ルフィが珍しく暴れてさー」とウソップは言う
いわく、犯人が連行されるところを睨みながら見ていたら
「あの子の盗み撮り、とくに下着や普段は見えないようなところが写ってる写真を渡したらある人から十万円貰える約束なんだよ」「ちょっと前から毎朝待機してたのに全然来ないしさ、別に減るもんじゃないし、それくらい許されるだろ」
とスーツ姿の男が叫び
気がついた時には近くにいたゾロくんがその犯人の顔を撮って
「オマエだって盗撮したんだからオマエの顔を何枚撮っても許されるだろ？減るもんじゃねーし」と言い始め、それにルフィが乗っかるカタチで大変な騒ぎになったらしい

172スレ主22/12/13(火) 21:18:44

それは通勤通学前で急いでるだろう周りの人にも私がルフィにバレるような反応をしたせいで申し訳ないことをしたなと思って肩を落としていると
隣に居たナミちゃんが立ち上がり、押し殺したような声で呟いた
「まだソイツ居る？ちょっと殴ってくるから待ってて」
「待て、ナミ！もうルフィとゾロとサンジが痛めつけてるからこれ以上はさすがに過剰防衛だ！」
必死に止めるウソップの説得の甲斐もあり、渋々といった顔で座り直したナミちゃんは
私の方を向くといきなり私のおデコにデコピンをした

173スレ主22/12/13(火) 21:19:33

「な、なに！？」
「ウタ、アンタ今……自分が我慢しなかったせいで関係ない人達に迷惑かけたとかなんとか考えたでしょ」
「そ、そんなことはないよ」
……ナミちゃんの言葉は図星だった
私さえ我慢すれば大騒ぎにはならなかったはずだと思っていた事を見透かされ言葉が詰まる

174スレ主22/12/13(火) 21:20:23

私の反応で察したらしいナミちゃんは
深く溜め息をつきながら私の頭を撫でて
「……おねがい、自分のことを大切にして」「ウタが思ってるよりもきっと、悲しむ人はいるはずだから」
そう、目を伏せながら呟いた
……私の方がお姉さんのはずなんだけどなぁ

175スレ主22/12/13(火) 21:21:02

そしてウソップもそれに続く
「そうだぞ、ウタになんかあったらおれの親父も悲しむし……我慢できずに暴れた結果おれと親父の分のおかずが減るかもしんねぇ」
「それは単純にヤソップさんのせいじゃないかな？」
「別におかずが減るだけならいいでしょ」
「いやいや、うちの母親の容赦無い減らし方をナミは知らねぇからそんなこと言えるんだ」
ウソップがシリアスな顔から一転してギャーギャー騒ぎながら空気と話の流れを変えてくれたおかげで、知らず知らずのうちに詰まっていた息が喉から吐き出る

176スレ主22/12/13(火) 21:22:51

……実感はないし、ちょっと戸惑ってしまうけどナミちゃんが言うなら

もっとみんなに心配されないように隠すのを上手くならないといけないなぁ
だって私は……