- 1122/12/18(日) 23:26:01
ナギナギの実を食べてすっ転んだら前世の記憶を思い出しちゃったコラさんの話、の続編。
SS+ダイス+安価スレになると思います。ただしダイスと安価は要所要所。
思いついちゃったボスがボスなのでボリュームが広がっていくかもしれない。
書き溜めゼロなのでライブ感で行くのをご了承ください。
転載は禁止とさせていただきます。
前スレ
【オリキャラ注意】「ドジって前世を思い出しちまったぜ」外伝その3|あにまん掲示板ナギナギの実を食べてすっ転んだら前世の記憶を思い出しちゃったコラさんの話、の続編。SS+ダイス+安価スレになると思います。思いついちゃったボスがボスなのでボリュームが広がっていくかもしれない。書き溜め…bbs.animanch.com前作
「ドジって前世を思い出しちまったぜ」|あにまん掲示板ひっくり返って呆然と青空を仰ぎながら、おれは手に持った一口分齧られた跡があるその実をまじまじと見つめていた。一気に頭の中に起こった記憶の濁流はひどい頭痛と吐き気と倦怠感と悪寒と等々重たい風邪症状をタイ…bbs.animanch.com - 2122/12/18(日) 23:28:11
【このスレだけのオリジナル設定・オリジナルキャラ】
・コラさん
一応色々あって今世の名前をロシーと自称しているが、ローもとい他の船員からはコラさん呼びされています。
身長166㎝の伸び盛り。将来的には288㎝(ダイスで決定)
治安悪めのスラムみたいなとこ生まれだけど特別な血統とか病気とかはないまま育った(安価で決定)
・クオル
オリキャラ
安価で悪い医者と出たせいで徹底的にローと対比を取られつつ、神絵師のネコチャンイラストによって野良猫要素が継ぎ足された属性過多男。悪魔の実の能力者。
不治の病の治療法を見つけるために勉強中の医者。
現在同乗中。
ホーキンスと馬が合っているかもしれない。 - 3122/12/18(日) 23:28:33
このスレからの新オリキャラ
・マリー
色付き眼鏡、腕には入れ墨、屋台で威勢のいい掛け声をするファンキーなシスター。
面倒見のいい姐さんタイプ。
過去神様にあったことがあるらしい……?
・クリストファー
ギャンブル好きの生臭神父。人当たりはいいけれど結構適当でろくでなし。
マリーのお父さん。
右腕は義手
・レミ
本名レミリオ。優しそうな丸眼鏡のお兄さん。
頬から首を渡って大きな傷がある。死んだ兄がいるらしい。
過去失踪したことがあるらしい……?
・ラミ
レミのお兄さん。すでに故人。元神父。
レミ曰く、『海賊に殺された』 - 4二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 23:36:42
たて乙です!
前作から読んでやっと追いつきました!
これからどうなるのかすごいドキドキする。 - 5二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 23:40:56
たて乙です!
今後が楽しみだ - 6二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 23:44:43
前スレのざっとした説明
・クリスさんの代わりにマリーさんから島で甘い匂いがするという情報をもらう
・ラミさんレミさんの騒動をクリスさんが状況説明
・詳しい人に話を聞きに行くホーキンスとクオルとベポ
・ロシーとローとシャチが匂いについて調べるため、ついでにマリーさんのご飯を食べに教会へ
・教会の懺悔室でコクレア様らしき存在を見たと告白するロシー
・ご飯を食べ終わった後にマリーさんがコクレア様を見たことがあるという新情報を貰う
・怪しい手帳をスキャンしたローが何かの確認の為、別行動に
・DRでの怪我がロシーに発覚、クリスさんの怪我について
・話を聞きに行った3人が帰還、コクレア様や失踪事件の詳細
・甘い匂いが気になったロシーが教会の庭でローの帽子だけ発見
・ホーキンスの提案によりペンギンの足跡を辿ることに - 7122/12/19(月) 00:09:55
助かる。ありがとうございます!
- 8二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 00:12:05
立て乙です!
とりあえず全部回るルートかな? - 9122/12/19(月) 00:35:58
- 10二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 00:37:30
そういやペンギン自体には甘い匂いしてなくて
失踪したローの帽子には匂い残ってるのか
これはローが襲われた?のは別人?なのかね… - 11122/12/19(月) 00:43:29
⑦
ここも人通りの多い場所だ。転んだ子どもを助けてやった場面を目撃されていた。
周囲には店が多く、いくつも回りながら必要なものを購入していたようだ。
だがしかし、時折振り向いたり、きょろきょろと視線をやったりと不思議な挙動を見せていたらしい。
何かを探していたのか? それとも……?
甘い臭いはまあまあするらしい。
他特におかしな箇所は見られない。 - 12122/12/19(月) 00:44:14
- 13二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 00:52:58
このレスは削除されています
- 14122/12/19(月) 00:59:33
③
ペンギンが最初に立ち寄った店だ。ここで比較的軽い日用品を購入している。
いくつかの店を見ながら観光気分の様子で歩いていたと、他の船員が目撃していた。
辺りを見渡すが、店が並んでいるだけの普通の通りである。
甘い臭いはまったく感じない。
不用品を焼却するために焚き木をしていることが多く、その臭いの方が強い。
他特におかしな箇所は見られない。 - 15122/12/19(月) 01:00:05
どこを調べるか
1.②
2.⑧
dice1d2=2 (2)
- 16二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 01:03:56
⑦の通りでのペンギンの挙動はなんか幻聴とか幻覚を見てるようにも思える…転んだ子供を助けてあげてるとかちょっとした情報が元気な頃のペンギン考えちゃって悲しくなってしまうよい
- 17122/12/19(月) 01:06:43
⑧
森に一番近い位置だ。
買い出しを行ったのだろうペンギンが荷物を抱えながら歩いている。
周囲には店などはない。立ち入り禁止の看板が立っている森を覗く様子があったが、入ってはいないようだ。
だがしかし、この時も時折振り向いたり、きょろきょろと視線をやったりと不思議な挙動を見せていたらしい。
甘い臭いは結構するとのこと。
人通りはそれほど多くない。
他特におかしな箇所は見られない。 - 18122/12/19(月) 01:07:27
- 19122/12/19(月) 01:07:53
③
ペンギンを発見した場所だ。ここまで、ペンギンはふらふらとした足取りで歩いてきた。
外傷はなく、毒や薬品の成分も検出されなかった。
甘い臭いはほとんど感じない。
ペンギン自体には甘い臭いがしたが、それは街と同じ程度の臭いで特筆することではない。
他特におかしな箇所は見られない。 - 20二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 01:30:45
森から近い場所の方が甘い臭いも強いのかな…森の中に何か棲んでたりする系……?(19は②かな?)
街自体には特におかしい事もなくて平穏なんだなぁ - 21二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 01:36:52
お、情報落ちた
やっぱり教会や森が怪しいのかね?
もしコクレア様とは違う何かがいて、それが失踪事件を引き起こしてたとしたら逆に教会近くに封じられているとか? - 22122/12/19(月) 01:39:23
- 23122/12/19(月) 02:01:58
追加情報
これは当たり前のように元からコラさんたちが持っている知識です。
・気候の安定している暑すぎない夏島
・海軍は在住していない。
・ペンギンが発見されるまでどこにいたかまったくわかっていない。
これをもって、違和感がある場所はどこだ? - 24122/12/19(月) 02:02:40
というところで今日はここまでにさせていただきます。
いつも保守ありがとうございます。また明日も投稿するのでどうかお願いします! - 25二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 07:25:48
これがワンピース×cocのシナリオですか?
- 26二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 11:51:18
⑥で肉の串買ったり⑦で転んだ子供助けてるところはまだ荷物も少なそうだから両手いっぱいに荷物持ってる⑨が失踪前に最後に目撃された場所かな…
⑨古本屋のそばで失踪して次に発見されたのがそこから離れた⑤教会のそば、やっぱり森に入ったのかな
不気味だけどゲームっぽくてワクワクする~ - 27二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 16:05:19
ん〜分からん、保守
- 28二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 17:27:26
⑧⑨あたりで買い物を終えて森に入ったとすると⑤の場所に現れるまで森を通ってきたんだろうなぁ
森の中は立ち入り禁止みたいだからその間の目撃情報もない事と繋がるし… - 29二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 22:44:18
ところで、レミの本名がレミリオならラミは?
ラミレスが本名とかありです? - 30二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 22:49:55
ラミロって名前もあるみたいだけどわざわざ省略することもないしなぁ
ラミレミで揃えて呼ばれたがったとかなら可愛いけど
作者さんにお任せするでごわす - 31122/12/19(月) 23:25:05
- 32二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 23:27:30
頭良いわけじゃないので推理というほどの推理できないけど楽しんでます
ラミロ - 33二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 23:29:07
いつも楽しみに見てます
ラミアン - 34二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 23:29:44
双子なので揃えたいよね
ラミリオ - 35122/12/19(月) 23:33:16
1.ラミロ
2.ラミアン
3.ラミリオ
dice1d3=1 (1)
- 36122/12/19(月) 23:33:57
というわけでラミ(本名:ラミロ)くんです。よろしくお願いします。
- 37122/12/20(火) 00:04:27
「……やっぱり、森が怪しいんじゃねェか」
一通り見て回ってから、おれたちは一度ペンギンの様子を見に船に戻った。
もちろんキャプテンであるローがいなくなったことを報告してある。何人かは再び情報がないか街中を見て回っているところだ。
ちなみにマリーさんとクリスはここにはいない。これ以上付き合わせるわけにもいかないし、あいつらにはあいつらの仕事があるだろう。また疑問が増えたら話を聞きに行くが。
ホーキンスは相変わらずおれたちと一緒だ。でもここまで来たら最後まで付き合ってもらわねェとな。
情報収集したり、話し合ったり、ペンギンの目撃された場所を探索したりしているうちに時間は過ぎ、もう日は海の向こうに沈んだし、月が夜を連れてきている。
ペンギンは、相変わらずだ。やはり意識が戻る気配はない。
おれはそれをじっと見ながら、考えていたことを呟く。恐らく、おれと同じように考えたいたものが多いだろう。
「買い物を終わらせた様子のペンギンが古本屋の近くに行ったとして……、そこは森に近いし、再び発見された場所も森のすぐ傍だ。だったらあの場所から森を通って行ったって考えるのが普通だろ」
「うん、そうだよね。おれもそれ以外考えられない」
ある程度こうして紙に書いて整理すると見えるものがある。やっぱりホーキンスの言う通り行動してよかった。
だけれども、シャチは難しそうな顔をしながらぽつりと言葉を落とす。
「……森に、どうして入ったんだ?」
「シャチ?」
「あ、ああ、いや。割とペンギンは仕事はさっさと済ましてから遊ぶ類の人間なんですよ。多少買い食いはするけど。でも、こっち側って店とかないだろ?」
それは、確かに。
「いや、無理やり連れていかれたのかもしれないけど、……でもそしたら、キャプテンの帽子が落ちていたように――例えば買い出しの荷物とか。その痕跡がどこにもないのって……なんかおかしいような気がして」 - 38122/12/20(火) 01:07:48
「それに、挙動がおかしいんだよな。振り向いたりきょろきょろしてたり。何か探し物とかしてたのか?」
……いや、というより。
「まるでこれ、誰かに見られているみたいだな」
何の気なしに呟いて、――ぞっとする。
顔を上げれば同じように顔を上げておれに視線をやる船員たち。
「……おかしな挙動していたのって、ここと、ここか」
目撃情報を合わせて、不審だった部分に印をつける。
……森の、前だなこれ。
やっぱり森が一番怪しい気がする。
「……人通りが少ないからと言って、人がいないわけじゃねェ」
やや離れた場所で聞いていたクオルが、眉間に眉を寄せる。
「森を覗いてはいたが、入ってはいなかった。そして仕事を終わらせてもいないのにわざわざ寄り道をしないというなら、入る意味もない。興味本位で入ろうとしたとしても、立ち入り禁止の森の中に入り込もうとする海賊なんて注目される。だったらわざと人の目の少ない道を選んで隠れて入る? そんな無駄なこと仕事中にしてどうする」
「だったら無理やり連れていかれたとしたら。トラファルガーのような能力を持っていない限り、瞬間移動することはありえない。奴が戦闘員である限り抵抗はするだろうし、買い物した荷物は散乱する」
「気になることは二つ。なぜあいつが店もない方面を歩いていたのか。どうやって連れ去られたのか」
クオルの言葉によって、さらにどんどん疑問が積み上げられていく。
わかったことが増えたが、わからないことも増えた。
……正体のわからない敵ってのは厄介だ。不明瞭なそれの輪郭は、なぞろうにもすり抜けるばかりで、手ごたえがこれっぽっちもない。 - 39二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 01:16:19
ラミくんの本名が決まってる!可愛い響きの名前だ
ローは何かに直接連れ去られる時に抵抗したけどペンギンは自分の足で森に入って行ったのか…?立ち入り禁止の森に買い出しの荷物持ったままで…?ゾワゾワする…… - 40122/12/20(火) 01:45:06
「……三つ」
ホーキンスが、とん、と指で地図の一部分を突く。
そこは古本屋近くの……、いいや、古本屋を指している。
「なぜ、古本屋の前を男が掃除していたのに、落ち葉が増えていたのか」
……? 何を言っているんだ?
「そりゃ、掃除しても落ち葉だから落ちるだろうよ」
「ここは夏島だ。葉の生え変わりはあるだろうが、一定の気候の中その変化はかなり緩やかだ」
現に木は青々しい。
……言われてみればそうだけれども。
でも、ホーキンスが何を言いたいのかわからない。
「理由などいくらでもつけることが出来る、取るに足らない違和感だ。だがしかし、その取るに足らない違和感が、何か致命的な見落としを引き起こすかもしれない」
「見落とし?」
「気付いていたか。そこのシロクマの発言を思うと、この古本屋周辺は、教会に次いで甘い臭いがする」
「へっ……?」
おれは急いでぺポの発言を確認する。
確かに言われたら――そうだけど。 - 41122/12/20(火) 01:46:03
眠気が限界であった。
今日はここまでにさせていただきます。
また保守の方、どうかよろしくお願いします。 - 42二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 06:52:17
教会と古本屋か…
元々聖職者の家系だったレミくんがやってる謎の古本屋なんだよな…何か秘密があるのか - 43二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 12:52:44
保守
- 44二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 19:32:07
双子って因習があるところだと特別視されること多いけどここはどうなんだろ
双子だけど兄のラミくんにだけ教育してたの何か理由があったのかな - 45122/12/20(火) 22:03:29
保守ありがとうございます。今日も書いていきます。
- 46122/12/20(火) 22:19:52
「じゃあ……なんだ? 古本屋の店員さんが怪しいってことになるのか?」
困惑しながらホーキンスに問いかければ、少し違う、という風に首を振られる。
「古本屋自体が、だ。思えばやつの兄は、その家系は聖職者の一族だった。ということはこの教会と関係があるはず。例え今はもう死んでいようとも、それを無視することは出来ない」
確かに……そうだけれども。
甘い臭いが教会に次いで多いということは、何かしらの原因があるはずなのだ。
だがしかし、教会に次いで――教会ほどでもなく。
というかそもそも甘い臭いの正体がさっぱりわからないのだからどうしようも出来ない。
「あ~~~! わかんねェ!」
これはもう店員さんに聞けばいいのだろうか。でも海賊を怖がっていた節があるし……いやでもおれらそんな状況じゃないか? うーん、うーーーーん。
どうしよう!
- 47二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 22:26:35
もう一度レミさんに失踪事件について聞く
- 48二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 22:29:15
手帳のことを改めて聞く
- 49二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 22:30:41
子供とベポと知り合いなら少しはマシだろうか…クリスさんか(マリーさん)も交えてもう一度レミくんに話を聞く
ベポには護衛も兼ねてもらって - 50122/12/20(火) 22:48:22
1.もう一度レミさんに失踪事件について聞く
2.手帳のことを改めて聞く
3.ベポには護衛も兼ねてもらって、クリスさんか(マリーさん)も交えてもう一度レミくんに話を聞く
dice1d3=1 (1)
- 51二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 23:00:11
いま見たら安価間に合わなかったや
元々甘い匂いが強い教会の庭もっと調べてもらえたらよかった…(安価当たるかどうか別問題だけど) - 52122/12/21(水) 00:09:43
「……やっぱり、店員さんに話を聞こう」
「コラさん?」
海賊を怖がってたり、恨みとかあるかもしれない。でも、それでも――おれたちには情報が足りなくて、その情報がないために、ローを助けるための手段を模索することすらできない現状、手段は選んでいられない。なあに、土下座だってしてやるさ。今この状況におれのプライドとかなんの価値もないだろう。
「おれ店員さんに会いに行ってくる」
「コラさん……ならおれも」
「おれ一人で行く」
その言葉にベポが表情を硬くする。だがおれは何かを言われる前に、手のひらを前に突き出した。
「わかってる。おれはドジなうえ子どもでなんか運も良くないし、突っ走って最終的にズタボロになりがちで、それがお前らに心配をかけさせちまうことも」
「わかってるならさ!」
「でも変にお前らと行ったとして、脅しのようにとられたとしたらどうする」
おれの言葉に、ベポが押し黙るが、代わりにクオルが口を出す。
「こんな状況だとしても相手の心配か? まったくお優しいことで」
「―――違う」
確かにそう取られるのも仕方ない。そういう気持ちがないこともないけど、でもそんなのほんの角砂糖一粒だ。
訝し気なクオルに向かっておれは真っすぐ目を向ける。
「お前らみたいな怖い海の族共じゃなくて、そのなかでも比較的弱そうに見える子ども一人の方が、油断して懐柔しやすいだろ」
そう言って不敵に笑えば。周りがぽかんとする中、一人ホーキンスだけが頷いた。
「ふむ、理にかなっている」
ありがとな、ホーちゃん! - 53122/12/21(水) 00:41:07
「コラさんもそういうこと言うんだな」
「なんだよ、なんかおかしいか?」
「おかしくは無いけど、なんとなくイメージと合わなかったっていうか」
イメージってなんだ。おれは別にそこまで純真じゃねェんだぞ、これでも酸いも甘いも噛み締めた大人の記憶もあるんだぞ! まあ結構早めに死んじまったから若い感覚のまんまなんだけどな!
「まあ……でも、ホーキンスと同じことを言いたかないけど、確かに一応納得出来るんだよなあ」
でもそれはそれとして心配……と言われてしまうけれども、そこはなんとか飲み込んでいただきたい。
確かに今は子どもだけれど、これでも前世は諜報員としてセンゴクさんから任せられるほどの技量はあったつもりなんだぜ。
そりゃ今お前らと比べたら天と地ほどの地力の差がある。でも、戦闘能力だけが戦う強さってわけでもねェだろ。
「おれは、ローを助けたい。ペンギンを元に戻したい」
それの意志だけはずっと変わらない。
だから、多少怪しい場所だろうと。乗り込むくらいの度胸が無けりゃ、この船の一員にはなれねェだろ。
――おれだって頼られたいんだ。役に立つことが少ないおれだけれど。力になりたい。
「………わかったよ、コラさん」
一番に頷いたのはベポだった。おいベポ、とシャチが困った声を上げるが、ベポは発言を撤回することなく笑う。
「おれだって、心配ばっかりされるのヤだもん。それにコラさんなら大丈夫な気がする」
勘だけど!と言われるが、それでも信じてもらえるのは嬉しい。
おれは善は急げとばかりに船から出ようとする。はやいはやい行動に迷いがない、とシャチに引き留められた。
「……遅くなったら突入しますからね」
「おう、わかったぜ!」 - 54二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 01:03:00
ベポがさらっとコラさんのドジで心配かけられてるの肯定してるのも
シャチのはやいはやい行動に迷いがないってところも笑っちゃった - 55二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 01:10:22
おお穏便かつ合理的でかっこいいぞコラさん……
こんな状況だとしても相手の心配か?ってクオルの反応は前作で敵対した時の色々を感じられてなんか感慨深いな - 56122/12/21(水) 02:04:11
とりあえず近くでシャチとベポが待機してくれることにはなった。
何がどうあれ、ローが連れ去らわれるようにいなくなったことで、現状おれたちが狙われているのだろうと推測することは当然だ。
とりあえず警戒はするとして。
――道中、飲み屋で神父服を着た男がトランプゲームをしながら『あああ今夜の賭け金が!!!』と頭を抱えていたのはとりあえずスルーするとして。
古本屋には柔らかな明かりがついていて、閉店準備をするところだった。
店の前に出してあった看板を仕舞おうとしていた店員さんに、おれは驚かせないように声をかけようとして――ずっこける。
あれこれデジャヴ!と思いながらも、大きな物音を立ててしまい、店員さんがすっごく驚いた顔でこっちを見たものだから、内心申し訳ねェ……と謝る。
「ええっ!? えっと君は確か海賊さんと一緒にいた……、だ、大丈夫ですか?」
「いつものことだから……」
「えええ……」 - 57122/12/21(水) 02:04:40
というところで今日はここまでにさせていただきます。また保守の方をどうかよろしくお願いします!
- 58二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 06:39:48
うーん、ひとりで行動するコラさん……不安だ……!!!
- 59二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 14:42:41
そういやミントはマリーさんが栽培してるんだろうか
料理とかお茶に使ってる可能性もあるけど
ミントって一応魔除けで使われることもあるんだよね… - 60二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 20:47:47
不安だ…とっても不安だ……
- 61二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 20:51:40
ベポがコラさんを信じて任せてくれたのが嬉しい
この島来てから色々一緒に回ったり行動してたもんな - 62122/12/21(水) 21:35:01
保守ありがとうございます!!
小ネタですけど、店員さんもクリスもマリーさんもベポのことみんな可愛いって思ってます。(店員さんは海賊だからとちょっと怖がってるけど) - 63122/12/21(水) 21:41:31
心配してくれた店員さんは、少し躊躇しながらも、おれの傍に駆け寄って膝をついて、手を差し出してくれた。
「立てますか?」
……優しいんだよなあ。
古本屋が怪しいってのはわかったけどさ、でも店員さんの優しさも嘘じゃないと思うんだよ。なんとなく。これが演技だったらマジでショックすぎる。
おれは店員さんの手を取って、立ち上がる。ありがとな、と礼を言うと、いいんですよ、と微笑まれた。
……やっぱり、子どもには特に優しい気がする。
「あのさ、店員さん。こんな夜遅くにごめん。でもどうしても話を聞いてもらいたくて、……あと、聞きたくて」
「……ラミの、……兄の話ですか?」
「うん。あ、おれ一人で来たぜ。他の奴らはみんな待っててくれてる。今いるのはあの中で一番弱いおれだけだ!」
言ってて悲しくなってきたが、堂々と言うぜ!
店員さんは目を丸くしてから、気まずそうに視線をさ迷わせる。
「……君は、海賊なんですか?」
「うーん、微妙なところ。予約しているけど、おれは弱いから、降りるよ。でも強くなったら船に乗るから海賊にはなる予定」
「………」
やっぱり、海賊には忌避感があるようだ。
そりゃおれだってあるからしょうがねェよ。
「おれもさ、海賊は海のクズだって思ってるぜ」
「あえ? えっ、……海賊になるんです、よね」
「自分で言うのもあれだけど、……親の欲目、いや、違うな。贔屓、うーん、これも違う……」 - 64122/12/21(水) 22:05:04
「ローは、……おれの乗ってる船の船長は、医者なんだ」
「医者………」
「うん。すげェ医者。海賊は海賊でも、人を襲う海賊じゃない。そうだったらおれは船に乗ってない」
でも、そうじゃない。ローは街を襲って強奪したり暴れたりするようなやつではないのだ。
海賊の船に乗っているってこと自体に思うところはあるけれどさ、それでも、ローは悪いことはしない。やんちゃなところはあるけど、人として間違ったことはしない。
「ローはすげェやつなんだ。小さい頃死の病に侵されて散々ひどい目にあって、世界を呪うようになったけれど、それでも腐らず、精いっぱい生きて、死の運命に見事勝ちやがった。それに大したことじゃないことを恩に思ってくれて、それを返してくれる仁義だって持ってる。ローの境遇だったら考えられないくらい人として立派なんだよ」
たった一度おれのことを刺したこと、それを黙っていただけのことを借りだと言って、知られてはならない秘密を守ってくれた。
知られたら全て終わりだったろう。きっと兄は自分を問い詰め、そして殺した。想像できる。
でも、そうならなかった。
ローとドフィは似ていると思っていたけれど……そうじゃなかった。ローの中には明るい光が眠っていた。
おれはその光を闇に染めたくなかったのだ。
……散々傷つけたり暴力をふるったおれが言うことじゃねェけどな!
「……君は、」
店員さんは、おれの顔を見ながらぽつりと言う。
「その船長さんが、好きなんですね」
「おう! 大好きだぜ!」
「うん、……誇りに思っていることが伝わります」
店員さんの顔が綻ぶ。優しく微笑まれて、なんだか気恥ずかしくなった。
「……ここで話すのもなんですから、どうぞ中へ。紅茶でもお出ししますよ」
……話をしてくれるみたいだ! - 65122/12/21(水) 22:05:57
- 66二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 22:19:07
ラミってどういうやつなんだ?
- 67二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 22:21:40
ラミがついていた神職?仕事の内容について
- 68二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 22:36:09
コクレア様について知ってることを教えてほしい。
- 69二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 22:38:46
ここ最近で何か変わったことある?
- 70二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 22:39:35
森の中について
- 71二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 22:40:16
ラミさんのこと好き?
- 72122/12/21(水) 22:45:33
せっかく書いてくれたんで、>>71含めて全部質問内容に入れます。
- 73122/12/21(水) 23:04:46
古本屋を通って、中の居住スペースに居れてくれた。質素だけれども品がいい感じでまとめられている。
棚にはいくつかの本、置物、写真縦。そこには小さい頃のレミと……恐らくラミ、だろう。同じ顔の少年が二人映っている。
ここでまっていて、と言われ小さな椅子に座って待っていると、レミが紅茶と小さなお菓子を持ってきてくれた。
気遣い……とおれは遠慮なく紅茶を口に含み、熱ッッッ!?!と噴き出した。
「あっあえ、あわわわわわわ」
「げほっ、ごほっ、……悪い、ちょっとこぼした」
「えっ、え、ああ、大丈夫ですけど大丈夫ですか?!」
「悪いおれドジっ子なんだ!!!」
すまねェせっかく入れてくれたのに!とぺこぺこ謝るが、レミも『僕も熱い紅茶を淹れてしまってごめんなさい』とぺこぺこ謝る。どう考えてもお前は悪くねェよ!
……気を取り直して! 紅茶もちゃんとふーふーして!
「まず、こっちの事情を話そうと思う。そんで、いろいろ教えてほしいことがあるんだ」
「……はい。聞きます」
真剣な顔でこちらを見てくるレミに、おれも真剣な顔を向けて、これまでのことをかいつまんで話す。
ペンギンのこと、この島に起こった失踪事件のこと、コクレア様のこと、ローのこと。
最初から最後までその真剣な顔を崩さず、真摯に聞いてくれる。それを見て、おれはやっぱりこいつはいいやつなのだと再度確信した。
「……事情は、わかりました。あなたたちが兄の遺品を奪う気がないことも、ちゃんと」
「ああ、そんなことしねェよ! ただ知りたいんだ。少しでも情報が欲しい」
「わかりました。……僕が、話せることなら答えます」
レミが頷いてくれたので、おれは目を輝かせながらありがとう!とつい大声で言ってしまう。それに驚いた顔をした後、優し気にふにゃりと笑った。 - 74122/12/21(水) 23:06:15
(コラさん目線、店員さんと呼んでいたのにいつの間にかレミと呼んでいる。なんかコラさん的に心境の変化があったとかそんな風に思ってください)
- 75122/12/21(水) 23:51:19
「まず、最近変わったことはないか?」
ひとまず、まずは大雑把に聞いてみる。周りの変化がないかどうか重要だ。
レミはううん、と腕を組んで、首をかしげる。
「うーん……ああ、僕最近やけに眠いんですよね。ってこれ違うか」
「そういえば会うたびにうたた寝してたな。寝不足なのか?」
「いや……早起きするのが習慣なんで、早めに寝たりしているんですけど。他に変わったことと言えば、……海賊が来たことですかね」
「……まあ、確かにそれは変わったことだよな」
うん、間違いない。おれはごほん、と咳をしてから、次の問いかけに移る。
「それじゃ、次の質問。……森の中ってどうなっているか知ってるか?」
「………昔入ったことがありますが、あまり覚えていません。ただ鬱蒼としていたことだけは」
――立ち入り禁止の看板が立っているのに入ったのか?
もしかして結構やんちゃな子どもだったのかな、と聞こうとして、レミの表情を見て、やめる。
「……結構、深いのか?」
「ええ。そうだと、思います」
急激に青ざめた顔になったレミ。自覚してないように見えるが、彼の右腕ががくがくと震えていた。
それなのに表情は笑顔が張り付けてあって、そこに痛々しいほどの自己防衛が見て取れた。
何か、ある。
――そういえば、昔、レミが消えて、ラミが探しに行ったって。
……街で迷子になったのかもしれない。けれど、森と繋げちまうのは当然だろう。こんなに明らかな反応されたら。 - 76122/12/22(木) 00:12:42
「……なあ、ラミってどういうやつだったんだ?」
森のことに対すると様子がおかしくなるのならば、別の質問にしよう、と思ってぱっと出たのは彼の兄のことだ。
彼の兄も、なかなかに謎の多い人物の一人だと思う。故人な分、直接話が聞けないのもネックだ。
……いや、むしろすでに死んだ人のことを思い出させるのは、傷をえぐる行為だろうか。そう思っても後の祭り。おれは恐る恐るレミの顔を見る。
けれども、不思議と先ほどまでの発作みたいな動揺は収まっていて、穏やかな顔をしている。
「――立派な人でした」
そう言いながら、自分の分の紅茶を口に含み、唇を濡らす。
「僕なんかよりもずっと立派で、双子とは思えないくらい堂々と神父としてみんなの前に立っていて、おかげで僕はいつも劣等感に苛まれていましたよ」
……ええと。
言葉だけ聞くと、まるで卑屈を言い連ねているように見えるのに、何故か表情は穏やかだ。
どことなく目の奥に痛みみたいな感情が見え隠れするものの、それでもラミを語る口調は、劣等感というより、
「……ラミのこと、好きなんだな」
そういうと、はっと顔を上げて、何故か少し驚いたような顔をした。
「えっと、」
何かを思い出そうとするかのように瞳を揺らす。
無意識なのか、レミの手が、自分の頬から首にかけてある大きな傷跡を撫でた。 - 77122/12/22(木) 01:23:24
今日はここまで。また明日書きに来るので、保守お願いします!
- 78二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 01:24:29
レミくんもマリーさんもペンギンも森に入った人はみんな少し記憶が歪な感じがするな…一人だけ自力で帰って来れたペンギンだけ強い催眠状態が続いているような感じだけど…
- 79二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 08:25:00
保守
- 80二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 17:31:13
そういやここ駐屯してる海兵とかはいない感じかな?
コクレア様の伝承を隠れ蓑になにか事件を起こしているキャラがいたとして、それが自衛手段だって可能性もなきにしもあらず…?
でもそうすると何らかの怪異の発生条件を知り得ている、という前提がないと成立しない…う~ん - 817122/12/22(木) 23:56:29
安価外れたのに入れてもらってありがとうございます!
- 82122/12/23(金) 01:37:00
今日はやることあって遅くなってので、数レスだけ書きます。
保守いつもありがとうございます!! - 83122/12/23(金) 01:37:47
- 84122/12/23(金) 01:38:34
海兵の活動は
1.しっかりばっちり
2.さぼり気味……
dice1d2=2 (2)
- 85122/12/23(金) 01:39:34
海兵くんはいますが、さぼり気味なので影が薄い模様
これで活動が盛んだったらもう一人キャラが増えるかもしれなかったな…… - 86二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 01:44:37
ロシー...そろそろ海軍に愛想つかしていいと思うよ...
- 87122/12/23(金) 01:51:13
――その傷跡。
気になってはいたが、いったい何があってついたのだろう。
海賊に兄が殺されたらしいけれど、もしかしてその時にレミも襲われたのだろうか。
……ひとまず、傷跡はいいか。まず気になることを聞かなくては。
「そのラミがしていた神職の内容ってどんなのだったんだ?」
「神職の内容、ですか」
「ああ」
おれの問いかけに、レミは困った顔をする。
「……よく、知らないんです」
「知らない?」
「両親は兄だけにそれを教えていました」
「……それは兄だからってことか?」
「ああいえ、子どもの頃選ぶように言われたんです。どちらが受け継ぐかを決めなさいと。僕は昔から本屋さんがやりたかったし、兄は両親の仕事を受け継ぎたいと言っていたので、自然とこの形になりました」
「そうなのか……」
「その分、兄と両親、三人で話をすることが多くなって、寂しかったり疎外感を覚えたこともありましたが……でも、僕はこの仕事が好きですよ。昔から好きなんです、本が」
確かに、好きそうな顔をしている……ってのは勝手なイメージの押し付けか。でも穏やかで、物腰柔らかくて、似合っているって思っちまうのは確かだ。
「でも今はクリスたちが教会にいる、よな。それっていいのか?」
「それは……わかりません。決めたのは兄ですし、教会に関わらなかった僕が口出すのも違うでしょう」
その頃には両親もいなくて、兄が取り仕切ってましたから。そう語るレミは、困ったように眉を下げている。 - 88122/12/23(金) 02:02:45
「ちなみにこの古本屋は、もともとお前の、……お前たちの家を改装した感じなのか?」
「はい、そうですよ。ずっと僕たちはこの家に住んでいました」
……なるほど。つまりやっぱり、古本屋自体は教会とは関係なく、レミが好きだからそうしているって感じなのか。つまり若いのに一人で最初から切り盛りしてたってことだろ? すげェなあ。古本屋だから勝手に代々受け継がれてきたようなイメージがあったんだ。
けれどもそんな風に思っているおれの顔を見て何かを察したのか苦笑する。
「あの、もともとこの本自体は色んな人から譲ってもらったものだし……。そうすごいものでもありませんよ」
「いや、その若さなのにたった一人で切り盛りしているってすげェよ! ……子どものおれが言うのもなんだけど!」
どことなく卑屈な発言をするものだから、おれは思わず声をあげる……けれど、言い方が失礼だったかも知れねェと心配になって慌ててちょっと誤魔化す。
レミはきょとんとしてから、ええと、と気まずそうに首を傾げる。
「その若さって言われますけど、僕もう30半ばで」
「エッ」
「童顔だとはよく言われますけど……」
は!? エッ!? おれマリーさんと同じくらいの歳かと思ってたんだけど……。
つまりローより年上!? シャチやペンギンよりも!? ていうかおれが死んだときの年齢よりもずっと上じゃねェか! 前世引きずってるコラさんお前のことちょっと年下扱いしていた節あるぞ!?
「わ、若作りすげェ……」
「なんかすごくひどいこと言ってません!? してませんよ!?」 - 89122/12/23(金) 02:30:38
思わずド失礼なことを言ってしまったのを謝りつつ……(レミはどことなく納得してなかった)、おれは再度神職の内容についてわかることはないか尋ねる。
なんとなく、気になって仕方ないのだ。クリスたちは後から来たわけで、すべてのことを知っているわけではなさそうだけれども、レミの家は元々正当な神職の家系。だったら少しでもレミもわかることがあるのかもしれない。
「……ええと……本当に僕は関わってきてなかったから、言えることは少ないんですけど、」
そう前置きをして、続ける。
「兄と両親で、その内容について激しい喧嘩をしているところを何度か見たことがあります」
「喧嘩……?」
「はい、なんだか兄は納得してないような風に見えました」
だから、あまり兄にとって好きではない仕事内容もあったのかもしれません。
そうなんでもないように言われたけれど。それってどういう仕事なんだろう。
つまるところ、レミが知っていることは少ない。隠しているのかも知れないけれど、レミの様子を見るにその線は薄いんじゃないかなあと思える。
「んじゃあさ、最後の質問」
あまり長居をしていたらシャチやベポが突撃してくるかもしれない。そうしたら、せっかく解れてきた緊張もまたぶり返すだろう。
だから簡潔に聞く。
「コクレア様って、いったいどんな神様なんだよ。知っていることだけでいいから教えてくれないか」 - 90122/12/23(金) 02:37:56
というところで今日はここまでにさせていただきます。
また明日書きに来るので、保守のご協力をお願いします。 - 91二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 09:25:33
レミくんクリスさんと同年代くらい!?コラさんと一緒に驚く
なんか協会のお仕事が怪しさを帯びてきた気が…ラミくんはクリスさんには全ての職務?を伝えた訳ではないのかな
両親と意見が対立した部分は自分の代で辞めてたり…? - 92二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 09:25:53
喧嘩か…やっぱり生贄的な何かがあるのか??不穏だ
- 93二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 18:49:32
正直に言うと前スレのレミさんの回想っぽいシーン
個人の所感だが生贄になった感じする - 94二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 20:43:55
マリーさんも生贄候補だったんだろうか…レミくんがまさかのスーパー童顔マンなことが判明したから当時の関係者の中で唯一まだ子供だったんだよな
- 95二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 20:54:22
レミくんの傷跡やクリスさんの欠損も時期が気になるところだな…
それにしてもコラさんけっこう情報を引き出してる がんばってる - 96122/12/23(金) 23:44:24
保守ありがとうございました!
いろいろ想像を膨らませてくれて嬉しい。
また少しずつ続きを書いていきます。 - 97122/12/24(土) 00:23:53
「コクレア様、クリスたちにいろいろ聞いたけどさ。でも、その家系だからこそわかることってあるだろ」
だから改めてレミに聞きたい。おれ自身がこの目で見たこともあるからこそ、気になるものがあるし。
やっぱり謎が多いんだよなあ。
「輪転の神様だとか、豊穣の神……は違うか。昔は人と話をしていたとか、いろいろ逸話があるみたいだけど、レミが知っているような話はないのか?」
少しでも手がかりが欲しい。今回のことに関わっているかもしれないからこそ。
その一心でレミに聞いてみたわけだけれど……。
何故か、レミはひどく強張ったような顔で、手を額に触れさせている。
「……レミ?」
「あ……ああ、はい、いえ。こくれあ、コクレア様、ですよね」
確かめるように名前を呼ぶ。……いや、まあ、確かに神職から離れていたのだろうけれど、仮にもその家系なんだから身近な名前じゃないのか?
まるで慣れない言葉を紡ぐように拙い発音で、神様の名前を語る。
「僕は……コクレア様のことは……何も……知りません……」
……目が、うつろだ。おい、どうしたんだよ。
「でも、兄、兄が……そう、兄が、コクレア様のことを、……そう、」
「よみがえらせなくては、ならない、と……」
――蘇らせる? - 98二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 00:25:04
蘇らせる??????
- 99122/12/24(土) 00:27:35
「そう、でも、でも僕は、」
……なんだか、このままじゃいけない気がする。
どんどんレミの様子がおかしくなっていく。
ずっと頭を押さえ、――何かを、思い出すようなことをしているけれど。
でも、同時にチャンスでもあると不思議と直感した。
何かを思い出しながらも、どこかおかしさを孕ませた危うそうな様子が見られても。
だからこそ――革新的な情報が出るのではないかと。
今、記憶の中を漂っているからこその期待。
おれは―――……
コラさんの行動安価
何か問いかける場合は質問内容を
- 100二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 00:37:19
質問
レミは何がしたい?どうしたい? - 101二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 00:54:29
このレスは削除されています
- 102122/12/24(土) 01:32:38
「レミ、お前は、何がしたい? ……どうしたいんだ」
口から出たのはそれだった。今なら聞けるようなこともあったかもしれないけれど――それでも、おれの口から出たのは、レミのしたいこと。レミの意志。
『でも、僕は』。――お前はどうしたかった?
何故かそれをおれは今、一番聞かなくてはいけない気がしたのだ。
「、ぼくは」
震える唇が、おれの声を聴いて、それに答えるように開く。
「ぼくは、ラミを―――」
――――――その時、不意に背筋が泡立った。
今までずっと緑色だったランプが、急に赤色になったような。
穏やかな音楽を奏でていたレコードの針が折れて耳障りな不協和音をがならせ始めたような。
戦闘の最中、首筋に冷たい刃が振れたような。
警戒信号。嫌悪感。――死の予感。
おれは身を起こし飛び跳ねるようにして背後の床へと着地し距離をとる。
レミの手が、両目を覆った。
そして――次に開いたときは、弧を描くように歪んでいる。
「僕は、ラミを」
「――――磨り潰して、融かして、食べて、跡形もなく消し去らなくちゃ」 - 103二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 01:41:46
え?
- 104二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 01:46:11
うわ一瞬で中身変わった……食べる…?やっぱり生贄を捧げられる側の存在…?
- 105122/12/24(土) 01:48:35
次の瞬間、レミの背後のガラスが割れた、と同時に何かが勢いよく入り込んでくる。
そのせいで明かりが消えて、一気に部屋が暗くなる。
おかげさまで入ってきたものが何かこれっぽっちもわからなかったよ!と悪態をつきながら、おれはすぐさま方向転換して部屋から出る。
わかってる、これやばいやつだ!
後ろから迫ってくる大量の何か。やけに長くて鞭みたいにしなっている。それが壁を破壊しながらどんどんおれに迫ってきやがる。
まさかこんなピンチになるとか誰が思った?! 思わねェよ普通!
「ッ……レミ! おい、なんなんだよ!」
背後に向かって叫ぶが、聞こえてくるのは頭が割れるような笑い声だけだった。
その次の瞬間危険を察知して身体を屈めれば、頭上を何かが大砲もかくやという勢いで通過していって冷や汗を流す。
どうする、これどうするよおい!
半ば悲鳴をあげながら、おれはこの状況をどう対処するか必死に考えた。
- 106二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 01:53:51
ベポたちを呼ぶ
- 107二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 02:00:51
正体不明の何かにサイレントかカームかける
- 108二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 02:12:12
暗闇で追いかけられてるなら物音や熱に反応してる可能性ある?自分に凪をかける
正体不明の何かが暴れてる音でベポやシャチ達来てくれないかな… - 109122/12/24(土) 02:16:44
ダイスを振って、今日はここまでにさせていただきたいと思います。
明日も更新をするのが遅くなるかもしれないので、保守の方だけどうかよろしくお願いします。
ようやく物語動いていくかな?
1.ベポたちを呼ぶ
2.正体不明の何かにサイレントかカームかける
3.自分に凪をかける
dice1d3=3 (3)
- 110二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 11:39:57
レミさん絶対何か混ぜられた気がして怖い…
- 111二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 12:32:52
oh......正体不明の何かはコクレア様……?
- 112二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 18:03:34
これコラさんピンチで捕まるやつ……?
でも逆に捕まらないかな。フラグ的に - 113二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 20:13:01
遅くなったらベポ達が突入するって手筈だったしこれだけ破壊音がしてたらさすがに異常を察して来てくれるはず
襲ってきてるのは蛇っぽい形状の生物な気もするけど異形の可能性もあるし何なんだろうな... - 114二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 20:18:31
自分にかけた凪が吉と出るか凶とでるかだな
- 115二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 23:31:30
最初のスレのキャラの特徴安価で誰かが二重人格?って言ってたよな
レミ、なのか…? - 116122/12/25(日) 01:25:35
保守ありがとうございます、遅くなりましたが書いていきます!
- 117122/12/25(日) 02:02:12
逃げてる最中にあった一室に飛び込む。そのまま自分に“凪”をかける。
まだ後ろから迫りくる何かは自分がどこに行ったか把握していないはずだ、音による場所の把握がされないようにと、それに賭けながら脱出経路、ないし武器はないか、明かりがない暗い部屋に目を凝らして探す。
ひとまず目の前に何かが入り込んできた窓とは逆方向に取り付けられた窓がある。そのガラスを割る。もちろん、能力をかけている状態だからガラスの割れる音は聞こえない。
背後からずどん、どがん、とものを破壊する音が聞こえてくる。
こりゃすぐに窓の外へと飛び込んだ方がいいかな、と思いながらも、それでも何か役に立ちそうなものを、と探そうとして――何かに躓いて転ぶ。
「ッ、こんな時に……!」
まったくおれのドジってさァ!と自分のふがいなさを嘆きながら、躓いたものを見て――身体中の血液が一気に冷えるのを、実感した。
「は……」
おい、これ……。
震える手を伸ばして、そのいくつもある“袋”の中身を確かめる。
日用品、消耗品、前もって打ち合わせしていたペンギンが買う担当の品物たち。
まさか偶然同じものを買った、なんて考えられないだろう。
「なんで、」
なんでだ。
どうしてだ。
「どうして、ペンギンの荷物がここにある……!」 - 118122/12/25(日) 02:31:13
頭の中で色んなものが飛び交う。聞いたこと、見たこと、調べたこと。
地図に記したペンギンの行動記録。
おれはペンギンが森に入ったと思っていた。けれど、どうして森に入ったのか、その理由がわからなかった。
――違う。
ペンギンが消えたのは、森じゃない。
いや、森を通ってきた形跡があるから、森に入った可能性は高いけれど。
でも、一度ペンギンはここに来ていたんだ。
来て、何かがあった。
荷物を置いて行くか、置いて行かざるを得なかった何かが!
「……レミ、お前、何やってんだよ……!」
いいやつだって思ったおれの直感は間違っていたのか?
急に様子を一変させ、“何か”でこちらに危害を加えようとしてきたレミ。
おれのドジに動揺し、心から心配してくれたレミ。
どちらが本物かわからない。いったいどういうことなんだ……!
くそ!とおれがこの事態のわけのわからなさに悪態をついた瞬間、――とうとう、おれの場所を察知したのか、扉を破壊しながら、“何か”がおれに向かって襲い掛かってきた。 - 119二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 02:42:43
精一杯好意的に考えたとして何かあったペンギンをここで一時保護していたとか…にしてもそれをこちらに伝えなかった……
豹変する前のレミくんと今のレミくんは記憶が断絶しているとか…まだ分からないことだらけだけど取り敢えず古本屋は「当たり」だな…… - 120122/12/25(日) 02:55:07
「……!」
飛ぶように今の場所から離れた瞬間、ドゴン!と何かがおれが今までいた場所に突き刺さる。
もし離れてなかったら、という嫌な想像を必死に振り払いながら、転がるように追撃してくる何かから離れる。
今だ把握できないそれ。
けれど暗い部屋にいたことでだんだん目が慣れてきた。
窓から差してくる青い月の光が、うっすらとそれの輪郭を浮かび上がらせる。
でこぼこしているような――いや、違う、何かが幾重にも重なってまとまって、巨大な触手のようになっている。
草と土の匂い―――甘い臭いも、微かに、感じる、それは。
「―――木の、つる……?」
そう、それだ。
木のつるが絡み合い、巻き付き、太くなったそれがおれを狙っている。
……エッなに?! なんで植物がおれを狙ってんの!?
思ったのはこれがレミの能力だってことだけど……。
何故か、違う気がした。いや確証はないんだけど、なんか、こう……異質、というか……。
でもレミの能力じゃなかったらそれも問題だな!? 何コレ!?
混乱の最中、おれがなんとか襲い来る木のつるから必死に逃げていると、破壊された扉に誰かが立っているのがわかる。
レミだ。
レミが、笑って―――暗闇の中、その目が光っている。
けれど、目がおかしい。
黒かった目の色が、金色の光っている。その金の目の中に何重にも黒く丸い線が浮かび上がっていた。
それが、笑うように弧を描いている。 - 121二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 03:06:16
生き物じゃなくて植物を使役してるのか…古本屋と教会の近くに枝葉がたくさん落ちてたのも…?
レミくんの瞳の描写が完全に人ならざる者って感じで…… - 122122/12/25(日) 03:19:29
*
むかし、むかし。とあるしまに、とあるいだいなかみさまがおられました。
かみさまはそのすばらしいちからで、すべてのひとにこうふくをあたえます。
おなかがすいた? ならたくさんのごはんをさずけましょう!
がいてきがくる? ならまもってさしあげあげましょう。
てんさいがおこる? だいじょうぶ、かみさまがのぞむかぎり、このしまはへいわなまま。
ああなんてすばらしいかみさまでしょう! しまのひとたちはあがめます。
あがめてあがめてあがめて――ならば、するべきことはひとつ。
わかるでしょう?
* - 123122/12/25(日) 03:19:56
*
「―――なにひとつ、わかるものか」
* - 124122/12/25(日) 03:51:08
「大丈夫」
レミが一歩、こちらに向かって歩いてくる。
「大丈夫ですよ」
まるで歌うような声に動揺も戸惑いも困惑もなく、ただただあるがまま、自然体のまま。
けれどそれがどうしても不気味としか思えない。
「大丈夫」
ぐち、と。嫌な音がした。
レミの頬の傷。頬から首にかけて、おそらく身体にまで行きわたっているのであろう大きな傷。
何故かそれが――波打っている。
「君の献身は無駄にはなりません」
「ちゃあんと、おいしく食べましょう」
「そう、子どもは食べ損ねて以来」
「大丈夫、丁寧に、丁寧に磨り潰して融かしてあげますよ」
「どうか僕のお腹を満たしてくださいね」
微笑む優しい笑顔―――言っていることは何も優しくない。
エッなに、おれ食べられるの?
目の前の現実を信じたくないが……そんなことも言ってられない。
途方もない不気味さを浮かび上がらせるレミ。常軌を逸した台詞を吐きながら近づいてくる。
「……悪いけど、食べられるのは遠慮しとくぜ」
そう言いながら、迫りくる“何か”を見据える。
葉は、いつものごとく大ピンチだってな。 - 125122/12/25(日) 04:13:34
やべェな、最悪死ぬかなこれ、と思いつつ。そこまで悲壮感が浮かばないのは――、なんとなく、おれはわかっているからだろう。
“カーム”は既に解除した。けれどそもそも、おれ以外にはかけてないことから、破壊音とかそういうのはずっと出っ放し大盤振る舞いだ。
そんなもん、どっからどう見ても異常事態だろう。
襲い来る木のつるを間一髪、肌の薄皮を切られながらも決して攻撃を喰らわないように、捕まらないように立ち振る舞うおれに対し、まるで弄ぶような悪辣さを持って仕掛けられる追撃。
結果的に時間を稼ぐことが出来るやり取りをしていたおかげで、思っていたほど危機になることはなかった。
「悪いけど今のコラさんは、潜入中でも、逃亡中でも、路地裏中でもないんでな!」
―――次の瞬間、きらめく銀がおれに向かって弾丸のように発射された木のつるを断ち切った。
そのまま返す刀で下から一気に切り上げられる。
長い無骨な持ち手の先端は鋭い槍。その下には小型の斧が取り付けられている――ハルバード。
それを自分の身体のように操作しながら、窓から部屋の中に降り立つ、白いつなぎにイカした帽子を被った我らがハートの海賊団の船員。
「コラさん、大丈夫ですか!」
「……シャチ! 来てくれるって思ってたぜ!」
少しばかり感極まって叫べば、軽く振り向いてにやっと笑う。
最高にかっこいい笑みだ。 - 126122/12/25(日) 04:16:01
というところで今日は終わりにさせていただきます。
また保守の方をどうかよろしくお願いします。
ちなみにシャチって武器ハルバードだったよな……?とうっすらした記憶。小説の方のあれだったかな。 - 127二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 08:56:28
シャチーーー!!来てくれるって信じてた!
コラさんも信じてたから落ち着いてアクションできて持ち堪えられたのかなかっこよかった
レミくん(???)が食べ損ねた子供はもしかしてマリーさん…? - 128二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 08:59:05
面白い!! 考察しがいがある~!
・ラミ「コクレア様をよみがえらせなければ」
・マリーさんはコクレア様に会って帰ってきた
・コクレア様は銀の長いドラゴンみたいな生物
・レミ?「人(子ども?)を磨り潰して溶かして食べる」→生贄を取っていたもよう
・木を操っている
・豊穣をもたらしていた
この差からして、コクレア様とコラさんを襲ったレミ?は全くの別物と考えた方がよさそう
コクレア様の名前がほとんど浸透してないのも、実はラミの代で信仰を復活させたから、とかない? - 129二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 09:40:18
前スレでもコラさん達が考察してたようにやっぱり輪転の神(コクレア様)と豊穣の神(>>122)とが別にいる感じがするな…
生贄を求める豊穣の神と対話が決裂して起こったのがかつての大火災で、それを鎮めるためにコクレア様が消えたような流れだろうか
豊穣の神が食べ損ねたのは8つの頃のマリーさんで、マリーさんはその時コクレア様に守られて出会ってるのかもしれない
とか色々考えられて楽しい
- 130二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 11:23:10
追いつきました........面白い!
・ラミと両親が言い争っていた理由
・レミの豹変ぶりの理由
・ペンギンやローたちは何処へ消えたのか
・ローは何に気付いたのか
考察しがいがあることが沢山ありますね
続きが気になります - 131122/12/25(日) 16:50:48
保守ありがとうございます、今日も少しずつ書いていきます。
考察とかいろいろしてくれて嬉しい……。
いろいろ設定こねこねしたりしているので、楽しんでくれたらいいなという気持ち。 - 132122/12/25(日) 16:57:45
次々と襲い掛かってくる木のつる。それをシャチは手持ちの武器一つで完璧にいなしていく。
相手が植物ってのも大きいのだろう。
ハートの海賊団は、医療用品の手入れは欠かさない。それと同じように、自らの武器の手入れだって同様にこまめだ。
そのハルバードの鋭い刃は、こちらに真正面から襲い掛かる木のつるを真っ向から受け止め、そのまま駆け出すように根元に向かって真っ二つに割っていく。
「お、らァ!」
シャチの向かった先にはレミが立っている。
表情は笑みのまま――顔を45度かくりと真横に倒し、その状態のままケタケタと喉を震わせる。のに表情も唇も微動だにしていない。人間味がこれっぽっちも感じられなくてうすら寒く思える。
迫りくるシャチに動揺一つ見せず、後ろに一歩下がった、その瞬間レミの下から一気にせり上がる小さな木々。
けれどもシャチはそれに動揺することもなく、ハルバードで一気に切り払う。
――だがしかし、切り払った先。そこにレミはいなかった。
え、と思う間もなく、シャチが奥へと駆け出し、周囲を探る。
おれもレミがどこに行ったのか部屋中を見て回るが――どこにもいない。
「い、いなくなっちまった……」
状況が悪い、と思ってすぐに下がったのか。
判断早すぎだろ……。 - 133122/12/25(日) 17:27:38
「コラさん、これどういうことなんだ?」
ハルバードを背負ったシャチが、首を傾げながらやってくる。
おれもよくわかなんねェんだよこれが……と思いつつ、経緯を説明した。
レミが急変したこと。
木のつるのようなものが襲い掛かってきたこと。
――そして、家にペンギンの荷物があったこと。
最後の内容にはさすがのシャチも表情を無くす。
まさかこの古本屋にペンギンがいたのであろう証拠があるとは思わなかったのだろう。
ただ拾っただけとか、同じのを偶然買ったとか、レミの豹変を見たらさすがにそんな悠長なことを言っていられない。
ペンギンはここに来ていた。そして、何かがあったのだ。
「あいつ、ふざけてやがる……。ペンギンを襲ったってのに、平然とした面でここにいたのか?」
「それなんだけどさ……」
おれはわけのわからないのだと思いながらも、一つだけ、何故か確信していることがある、
「レミ、……わかんねェけど、嘘ついてる気がまったくしないんだ」
天性の嘘つきなのかもしれないけど、そうとは思えない。
「……あいつ、もしかして、変なものが身体にいるんじゃないかな」 - 134122/12/25(日) 17:52:02
ともかく、レミの後を追いたいものの、まるで煙のように消えちまった。
……これからどうするか、が問題だ。
ちなみにベポは古本屋の様子がおかしいことを真っ先に気付き、シャチを先に行かせて自分はその場に待機、もしさらに手が必要だったら自分が出て、それ以上に手が必要そうだったら救援を呼び、敵対相手が逃走しそうだったら追いかける。そのつもりで待っていたらしい。
……が、どうにもこうにも変化がないので、とことこベポもやってきて、今ここにいるのはおれとシャチとベポである。
ちなみに何があったか話したらすごく驚いた様子で『大丈夫だった~~~~!!?コラさん~~~~!!』と肩を掴まれがくんがくんと揺らされた。危うく吐くところだった。愛されてるぜ……。
「やっぱり森に行った方がいいんすかね……」
「行くにしても明るくなってからにしようぜ。暗い中、森に入るのは自殺行為だ」
多分、相手が何かしら植物を使ってくるとしたら、それこそ森はホームグラウンド。手の内だ。
正直今にも飛び込んで、ローを探したいけれど……、それでもしこっちが全滅なんてしたら、それこそローを助けられなくなっちまう。
ローなら、大丈夫。……震える拳に思いっきり噛みつく。冷静になれよ、おれ。ローはおれよか随分強くなった。だから、大丈夫だ。大丈夫、大丈夫……。
「ひとまず、レミには悪いけど、何か手がかりがないかこの部屋を探してみるか」
「そう……しますかね」 - 135122/12/25(日) 17:57:29
探索ダイス
50以下で成功
コラさん dice1d100=20 (20)
シャチ dice1d100=55 (55)
ベポ dice1d100=13 (13)
??? dice1d100=26 (26)
- 136二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 18:20:00
・ラミと両親が言い争っていた理由
→豊穣の神に生贄を捧げるという教えをラミが嫌った?
・レミの豹変ぶりの理由
→「コクレア様を甦らせなきゃ」と話すラミの記憶がスイッチで、レミ(豊穣の神?)にとって都合が悪い?
・ペンギンやローたちは何処へ消えたのか
→戻ってきたペンギンの足跡が古本屋→森なら、ローは教会→森へ消えて今も森にいる?
・ローは何に気付いたのか
→スキャンして文字を読んで何かを「確認しに行った」、すぐに確認できる何かに気づいた…?
今出てる情報で色々考えられるの楽しい…レミくんの傷跡が蠢いてるのは皮膚の下をつるに寄生されてたりする?って考えて勝手にゾワッとしてしまった
それからずっとしんどそうだった(今もしんどい)シャチとずっと役に立ちたかったコラさんがかっこよくお仕事してるのすごく良くて団扇振り回してる ???は一体… - 137二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 18:36:57
最後誰ぇ!?
- 138二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 19:57:43
???は誰……?ホーキンスだったら嬉しい(?)けども
- 139122/12/25(日) 23:29:50
探索結果
【一枚の古い写真】
【一冊のノート】
「めぼしいものはこんなもんかな」
「あ~~~、なんも見つけられなかった、むかつくなァ!」
「シャチ怒ってばっかじゃん、落ち着いてよ」
「ふむ。よくわからないが、おれも鍵付きの箱に入っていたものを見つけた。箱は壊したが」
「おおありが……ホーちゃんなんでいんの?」
【映画のフィルムのようなものと、手紙】
古本屋の中にコクレア様のこととか、教会にまつわること、神職についての内容の資料とか一切なく、それでも時間をかけて探した結果がこれだ。
元から無かったのか処分したのか。
……わからないが、とりあえず無い、というのは確かだ。
いつの間にかぬるっといたホーキンスは、現状することがなく、暇だったから来たとか。
そこは嘘でも占いでそういう結果が出たとか言わない? 暇つぶしで来ちゃったの?
「ともかく、レミとやらは何かしら二重人格であったか、変なものに乗っ取られているという可能性が高い、と」
「……ああ、そうだと思う。確証はないけれど、目の前であんな姿見せられちゃな……」
「やつの中に潜伏していた、と」
何かを考えこむようにホーキンスが黙る。
……ひとまず、見つけたものを調べてみるとするか! - 140122/12/25(日) 23:50:50
【一枚の古い写真】
何やら古びた石造りの祭壇のようなものが映っているが、周りを蔦や草が覆っている。
真ん中に何かを置く台座のようなものがあるが、上には何も置かれていないようだ。
アイデアダイス
30以下で追加情報が出る。
コラさん dice1d100=65 (65)
シャチ dice1d100=31 (31)
ベポ dice1d100=74 (74)
ホーキンス dice1d100=70 (70)
- 141二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 00:04:12
シャチ惜しい!!
- 142122/12/26(月) 00:41:20
【一冊のノート】
ノートの前半部分は破かれているようだが、恐らく切り取られなかったページが残っている。
そこには文字が書かれているが、その上に被さるように直線が引かれている。
けれどもともと書かれている文章は読み取ることができた。
『双子には精神的繋がりが出来るから求められた』
『ならば双子でないものにも外的要因で繋がりを作ることが出来れば?』
……この文章を訂正するかのように線が引かれ、その下に『不可能』という文字が書かれているようだ。
アイデアダイス
10以下で追加情報が出る。
コラさん dice1d100=99 (99)
シャチ dice1d100=8 (8)
ベポ dice1d100=43 (43)
ホーキンス dice1d100=37 (37)
- 143122/12/26(月) 00:57:08
「……?」
ノートを見ていたシャチが、首を傾げる。
何かわからないことがあるのだろうか。
……いや、わからないことだらけか。そりゃそうだよな。
けれど勝手に納得していたおれは、続くシャチの言葉でそういうわけではないことを思い知ることになる。
「コラさん、あの例の手記見せてもらえません? ほら、キャプテンが見ていたやつ」
「手記……?」
言われた通り、おれはポケットから手記を取り出してシャチに渡す。するとシャチは真剣な顔でそれをじっと見つめ……、とある個所を指でさす。
「これ。“■■だけは助かる理由は■■の繋がりがあるためである”って書いてあるけど、このノートに書いてある精神的繋がりって……これのことじゃないか?」
……!
おれは慌てて、ノートを手に取り、近くにあった筆記具でノートの情報に合うように、手記の読めない部分に文字を当てはめてみる。
“双子だけは助かる理由は精神の繋がりがあるためである”
「これ……」
呆然とするおれの手から、ホーキンスがペンを取る。それからさらに情報を書き加えていく。
“豊穣の神として存在した”、“双子がない年は生贄が捧げられた”、“双子以外は助からない”
“双子だけは助かる理由は精神の繋がりがあるためである”
“その■■は■の■■に他者を無理やり引きずり込む”、“■■するために引きずり込んだものを■の■■でその人にとっての■■を見せ。弱らせるのだ”
“ただし、双子であればその精神の繋がりによって片方の■の■■に入り込むことが出来る”
「……なるほど、あてはまるじゃないか」 - 144122/12/26(月) 01:04:47
情報開示【手記】
“豊穣の神として存在した”、“双子がない年は生贄が捧げられた”、“双子以外は助からない”
“双子だけは助かる理由は精神の繋がりがあるためである”
“その■■は■の■■に他者を無理やり引きずり込む”、“■■するために引きずり込んだものを■の■■でその人にとっての■■を見せ。弱らせるのだ”
“ただし、双子であればその精神の繋がりによって片方の■の■■に入り込むことが出来る”
“■■=■”
“■■は■の重さである。そしてそれと■の重さは同一である。これを以て■に■を■げ、片側に■を置き同一にしなければならない”
“つまり誰かは死ななければならないのだ”
“目を隠せ” - 145二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 01:15:26
…もしかして聖職者の道を選ばなかった方が生贄になる予定だった?
でもラミさんはそれに反対してレミさんを生かそうとした(回想の「きっとうまくいく」=双子だから)けど
不完全な形で終わった?
あとここまで双子が重要視されてるってことはやっぱりやっぱりコクレア様以外にも他に神がいて
時間が経って同一視されちゃったとか?
それにしても目を隠せでサングラスしてるシャチが情報引き当てるのすごいな - 146122/12/26(月) 01:38:57
【映画のフィルムのようなものと、手紙】
映画のフィルムのようなものが箱に収められている。何かが描かれているようだが判別できない。
――手紙はクリス宛となっている。
『これを開けたということは、クリス、君が鍵を使ったのだろうか。
このフィルムと手紙は、レミリオに渡して、おれの箱に入れて家に隠しておくようにした。だからこれをあなたが開けたということは、それを必要だからと探し当てたということだろう。
クリストファー。君に頼みがある。どうかこのフィルムをマリーに返してあげてほしい。
これは、そうあるべきではないと彼女からおれが奪ったものだ。
君があの子を娘として愛していることを知っている。だから、本来巻き込むべきではない。
ただのエゴだった。けれど、もしかしたら君の周りで立て続けにおかしなことが起こったり、人がいなくなる時が来るかもしれない。故の“保険”だった。
だがこの箱を開けたということは、そういうことなのかもしれない――もし杞憂だったら、このフィルムを破り捨てて、そのまま平和に暮らしてほしい。
でも、そうでないのなら。危機が迫っているというのなら。
君が、箱を開け、この手紙を読んだのなら。
友よ。親愛なる友人である君よ。君がおれの代わりに、コクレア様を蘇らせてくれ。
この島には、悪魔がいるんだ』 - 147122/12/26(月) 01:43:24
アイデアダイス
80以下で追加情報が出る。
コラさん dice1d100=80 (80)
シャチ dice1d100=1 (1)
ベポ dice1d100=49 (49)
ホーキンス dice1d100=22 (22)
- 148122/12/26(月) 01:44:00
シャチお前1クリだと
【追加情報】
手紙の裏に『貸した金はレミに返すように』と書かれている。 - 149二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 02:04:01
クリスさんラミに借金してたんかよw
でもなんかやっぱり生前に親交と信頼があった感じなのかな……色々と重要参考人だな - 150122/12/26(月) 02:18:11
今日はここまでにさせていただきます。また保守の方をよろしくお願いします。
そろそろ後半に差し掛かるかな。
小ネタですが、ホーちゃんはずっと例のパリピサングラスをかけてます。 - 151二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 08:35:08
パリピサングラス……そういやどんな感じなんだろ
- 152二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 09:04:07
フィルム…ラミくんもしかしてメモメモの前任者だったりする?
何か大事なものを見てしまったマリーさんの記憶を(マリーさんの精神に配慮してとかで)切り取ったもので、その記憶を返すことでコクレア様復活の手掛かりが手に入るとか……
と思ったけどメモメモの実の効果(フィルム)が能力者死亡で継続かクリアかは自信がないしメモメモに似た別の実かもしれないし全然別の何かかもしれない - 153二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 14:18:03
サングラスかぁ。目を隠すのが重要なのかな
見ないようにする、というより見られるのを防ぐ感じなのか
そういえばコラさんのラッキーアイテム手鏡だったね
今持ってる? - 154122/12/26(月) 21:52:27
- 155二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 22:31:34
ギラギラサングラスはめて真顔のままテンション低めに話をするホーキンス面白すぎるだろwww
だんだん不穏が香ってきていいね……目指せみんなで生還ハッピーエンド宴〜っ!!!! - 156二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 23:45:21
- 157二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 01:20:43
- 158122/12/27(火) 02:02:01
- 159二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 02:19:41
ホーキンスのキラキラグラサン見てたらピカッと閃いた!【一枚の古い写真】について何らかの気づきを得る
- 160二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 08:27:17
手紙の内容からラミという人物の人柄が少し分かった!次のアイデア成功で確定追加情報
- 161二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 13:38:09
個人的にみんな目星あるんやな...とかみんなINT10か...とかしょうもないことを考えてしまう
- 162122/12/27(火) 20:59:42
保守ありがとうございました。昨日はそのまま眠くなって寝てしまった。
実際のCoCとは違い、その情報が出やすそうか出なさそうかどうかでダイスの増減してやす
ノートのアイデアが10以下で成功だったり、手紙の裏の発見が80以下成功だったり
それぞれ能力値考えるかな~と思ったけどそれは処理が大変すぎるからやめた
チャパレとかあるわけじゃないからぱっと出てくるわけじゃないし
ワンピース界隈のSTRとかSIZとか考えたらわけわかんなくなるし……
巨人族でSIZ18だとしたらルフィとかSIZ1じゃんやば
- 163二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 21:22:13
おかしい...SIZは2d6+6のはず...最早ステダイスが1d18の世界…ってコト?!
怖すぎワンピ世界
ダイスで決まる探索パート、結構ソワッ...ってするので好きです。 - 164122/12/27(火) 21:47:44
- 165122/12/27(火) 21:59:14
「……この手紙、クリス宛のものか……」
勝手に見ちまったけどよかったかな。……不可抗力ってことで。
にしても、このフィルムはなんだろう。明かりに透かして見てみるが、よくわからない。何かしらの背景が映っているような気もするけれど……マリーさんに渡したらわかるのだろうか?
「というか、悪魔ってなんなんだ?」
「そりゃペンギンをあんなことにしたり、キャプテンを攫ったりしたやつじゃないの?」
「もしくはあの男を乗っ取った何かということか」
「そりゃそうだけどよ、その悪魔の実態っていうか、正体というか……」
それに、マリーさんにこれを手渡せば、どうにかなるものなのだろうか?
マリーさんに手渡してどうにかすれば、コクレア様ってのは蘇るのか?
「……わかんね~~~!!」
おれがうだうだ考えている間、シャチはずっと一枚の写真を見ながらううん、と考え込んでいる。
そういえばなんか今のシャチ、やたら勘が冴えわたっている気がする。
ペンギンに対する手がかりが見つかったからだろうか。一番心配して、苦しそうにしていたもんな。
「シャチ、なんかわかったか?」
「いや、ん~……確証はないんですけど」
そう言いながら、写真の上部を指さす。 - 166122/12/27(火) 23:07:33
「この写真、やや古くて色あせてるし、この写真の中身自体も薄暗いじゃないですか。だからすげェ見えづらいんだけど……」
そう言いながら指で何かを示す。おれはそれをじっ…と見つめる。
「壁がでこぼこしていて、岩肌が見えてて。恐らくここ、洞窟じゃないかって思うんですよね」
「洞窟……」
言われてみれば。確かに、わかりづらいけど、シャチの言う通り洞窟に見える。
よくわかったな。ただでさえサングラスをかけてて見えにくいはずなのに。
「それじゃこの場所はこの島の洞窟にあるってことか?」
「だと思います。いや、どこぞの地下なのかもしれませんが」
「でも、建物の中で祀られてはいないみたいだ」
この祭壇は果たしてなんの祭壇なのか。いや、祭壇ってことは祀るためのものだから、コクレア様っぽい感じではあるんだけど……。コクレア様以外の何かもいるみたいだし、確証は持てない。
ともかく、街の中にはなさそうだ。だとするなら森か、はたまた……。
「ひとまず。めぼしいものを見つけることは出来た。いったん船で休んで明日に備えようぜ」
「………」
「シャチ……」
「いや、うん。大丈夫、わかってる。頭の中は冷静で……いたいからさ」
それ逆に冷静じゃないって言ってるようなもんだけど、おれが言うのもあれだ。
シャチの背中をぽんと叩く。
「最悪森林伐採しようぜ(元気出せよ、どうにかなるぜ)」
「コラさん、建前と本音が逆になってます」 - 167122/12/27(火) 23:32:07
船に戻って、飯を食べる。待機していたイッカクが特別だって言って、梅干しを複数入れたでっかい握り飯を作ってくれた。
何故かホーキンスも机についてちゃっかりご飯をもらっている。割と険悪な関係だけれども、なし崩しに協力関係みたいな感じになった今、まあ……いいんだろう。うん。
シャチもベポもしっかり明日のためにかき込んでいる。
そう。おれたちは明日森に突入するのだ。
「……つまり、そのレミとやらの身体を乗っ取った何かは木や植物を使って攻撃してくると」
「おう。他にも森が怪しいって情報が山ほどあるし。多分そこがやつの本拠地なんだと思う」
「……相手のホームグラウンドに突貫するのか。無謀なのか」
「なんとでも言え! こっちにおびき寄せる手段なんかねェんだ。今もローがどうなってるのかわからない。待ってられねェ」
「………」
おれの話を聞いたクオルが呆れた調子で見てくるが、だったらお前なんかいいアイデアあんのかよ!という気持ちでじーーーっと睨み返す。
最終的にクオルの方が目を反らしたのでおれは勝った…!という気持ちになりながら(なんの勝負だっけコレ)クオルに再度頼む。
「お前にもついてきてくれなんて言わねェよ。ただ、ペンギンのことは頼んだぜ」
「こういう時はこき使わないのか」
「そりゃまァ……どうなるかわかんないし……」
おれは仲間になる予定だけど、クオルは居候って立ち位置だろ。
敵はローを攫うことが出来るやつなんだ。だから巻き込まれてください、なんてそんなこと言えねェだろ。
本音としてはすっっっごく頼みたいけども!
……でもだからこそ、ペンギンの容態を頼んでいるんだ。クオルの腕は信用しているし、もし敵が船にまで手を伸ばしてきたとき、戦力が残ってると助かるし。
「……馬鹿なやつだな」
なんだとォ!? - 168122/12/28(水) 00:41:48
飯をたらふく食べて、酒も少し飲んで、それからぐっすり寝る。
そんで、日が昇ったら、動き出す!
見張りだけ残して、各々部屋に戻った。
……そしておれは眠れず、甲板に出てきた。
真っ暗な空にはぽっかりとした月が浮かんでいる。
夏島だけれど、夜は少し肌寒い。
静まり返った船の上はサイレントをかけずとも静かだ。――波の音は聞こえるが。
「はー……」
明日、おれが森へと向かうのを反対されている。
……のを押し切った。
最悪ギャン泣きも辞さねえ…とプライドそっちのけで覚悟をしていたけれど、それでもしぶしぶ納得してくれて助かった、というか。
まあクオルの『もしここで駄目だって言っても後から乗り込むぞこいつ』という発言が決め手になったと思う。うん。……なんにせよ立派な助け船だ!
なんて、思いながら。おれは欄干にがつん、と頭をぶつける。
そのじんじんとした痛みを感じながら、唇をかみしめた。
「……ロー」
こんなことを言ったら、あいつは怒るかもしれない。――呆れるかもしれないが。
……あいつは随分大人になって、かっこよくなって、強くなった。おれよかずっと。
でも、それでも、おれのなかではまだ、あいつが可愛くないけど可愛い、クソガキで、すべてを賭けてでも助けてやりたかったローでもあるのだ。 - 169122/12/28(水) 00:48:03
けど今のおれはそれこそガキで弱くてドジなせいで何の役にも立てなくて。
それがもどかしい。もどかしくてたまらない。
いつだっておれは助けられてばかりなのだ。
もう一度欄干に、頭をぶつける。
無事でいてくれ。頼む。頼むから。
ずっと抑え込んでいた不安が胸の中で冷たい温度で燃え盛る。
身体中がひび割れそうになるのを、必死にこらえる。
すぐにでも行きたいシャチを、おれが抑え込んだんだ。
だから、おれが飛び出したらいけない。
耐えろ、耐えろ、耐えろ。耐えるんだ、ロシナンテ!
誰か来る?
- 170二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 00:50:07
ベポ
- 171122/12/28(水) 01:24:37
おれが打ちひしがれていると、誰かの足音が聞こえて振り返る。そこには不思議そうにおれを見るベポがいて、少し気が抜けた。
「コラさん、どうしたの?」
「ベポ……」
ううん、と苦笑しながら、欄干に寄りかかる。ベポは不思議そうな顔をしながらもおれの隣にやってきて、同じように寄りかかった。
「おでこ赤いけど、何、またドジった?」
「あー……うん、そんなとこ」
「ほんとに?」
「ほんとに」
「うーん……」
少し納得いかなそうにしている。なんでだ。普段のおれのドジりようを見ているだろ。……なんて少し、おれ自身が不貞腐れ気味だ。あー駄目だ。今結構おれ落ち込んでいるみたいだ。
なんか、無力だなあって。本当は最初からずっと思い知ってるけど、やっぱり改めて思いなおす。だってホラ。役立たずはよくないだろ。……でも、この船のやつらはみんなそんなことないっていうんだろうなあ。
「……落ち込んでる?」
「え。いや~…落ち込んでる暇ないだろ! 大丈夫だ!」
「大丈夫じゃないでしょ! そこキャプテンとそっくりだな~」
そう言いながらベポの両手がおれの頬を挟む。
あ、もふもふ……これは、もふもふだ……、
「キャプテンもさ~、自分の弱いところ見せたがらないしさ~。まったく、素直じゃないし」
「もふもふ……」
「落ち込んでるとか、痛いとか、つらいとか! みんな言っていいのに、コラさんもキャプテンもシャチも! 言わないし!」
「もふもふ……」
「聞いてる? コラさん!」
ハッ……。聞いてなかった……。 - 172122/12/28(水) 01:53:46
「コラさんは知らないかもだけど、おれはキャプテンの強いところも、ペンギンの強いところも、すごく知ってるよ」
――その言葉に顔をあげる。ハッとなったおれを、ベポが自慢げに笑いながら見ている。
「そこは譲れないね! コラさんよりもおれたちの方が付き合い長いんだから!」
「は、ハハ……確かにそうだ。そうだな」
おれが知る、今のローはあの頃とは違う。そんなのわかっている。でも、おれよりもわかっているのはきっとベポたちだ。
何年か、なんて知らないけれど……それでも、ずっと長い間、一緒だったんだよな。
「な、ベポ。……ローは強いか?」
「うん、最強でかっこいいおれらのキャプテンだよ!」
「そっか。そうだよな。だったら、ローは、」
「無事に決まってるじゃん! そんなの、」
コラさんだってわかってるでしょ、……と言われ。そうだな、とおれは笑った。
「うん、そう、そうだな! そりゃそうだ! ローは強い! し、かっこいい! なら今だって元気だ! それをおれが信じなくてどうする!」
「うんうん、そうでしょ」
「……でもなんで、おれがローのことで落ち込んでるってわかったんだよ」
「……それはねェ」
ニコニコ笑っていたベポの顔が、――へにゃりと情けない顔になる。
「……おれもさっき落ち込んで、イッカクに励ましてもらったから……」
「ベポ~~~~!! お前な~~~~~~~!!」
お茶目なやつだぜ!と叫びながら抱き着く。
沈みかけていた元気は、なんとか掘り当てひょっこり飛び出てきた。
……これなら、今日はちゃんと眠れそうな気がするぜ! - 173二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 01:58:56
森林伐採推奨してるのもクオルのコラさんへの理解度高いのも草だし
もふもふに気を取られてるのもベポもイッカクに慰められてたのバラすのも可愛いな - 174122/12/28(水) 02:03:10
そうしておれたちはぐっすりとその日はよく寝て――そして、早朝目が覚めた。
支度をして、山ほど朝飯を食べて。それから各々役目を振って。
森に向かう――前に、まずは教会に向かって、手紙について話を聞かなくては。それからだ。
けれど、そんな予定は少しだけ、ずれることになる。
何故ならおれたちの海賊船に――とある人が、やってきたからだ。 - 175122/12/28(水) 02:11:59
*
その子どもが、そんな場所で蹲っていたから、哀れに思ったのだ。
ボロボロの服を着て、擦り傷切り傷だらけ。逃げてきたのかなんなのか、恐らく食べ物も食べていないのだろう、やせ細っていた。
哀れだな、と思いながらも。
――自分に拾われるのも、また哀れだろう、とも。
何故なら、自分はこれ以上なく天運に見放されている。
それならば、自分に見つかったこの子もまた、自分と同じく見放された人間なのだろう。
うつろな目がこちらに向く。ああ、いやだいやだ。哀れすぎて泣いてしまいそうだ。
このまま苦しむくらいなら、楽にしてやるのもまた、慈悲というものだろうか。
そう手を伸ばしかけ――自分の判断で運命が決まるのも、おかしな話だろうな、と思い直した。
だから、決めるのは――そうだ、それこそ天運に決めてもらおう。
手持ちのコインを手に取る。
表が出たら、ここで殺す。
裏が出たら、このまま放っておく。
どちらがこの子どもにとっていいのかわからないけれど、でも、いずれこのまま死に行く命だ。苦も楽も、決めるのは早い方がいい。
金色のコインを弾く。
それは、宙に向かってくるくると回った。
* - 176二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 02:21:30
ん!?コインで物事を決めてる人いましたね……やっぱり血の繋がった親子ではないのか
コラさんとベポのやり取りにじんわりきてしまった 頬をあったかいモフモフにすっぽりされると落ち着くよね
ベポも心配ばっかりされるのヤダもんみたいな事言ってたしコラさんのもどかしさみたいな気持ちを理解しやすいとこあったのかなぁいい関係だ - 177122/12/28(水) 02:47:19
全ての準備を完了させて、甲板から降り立ったおれらに(ちなみにおれは滑りかけてぎりぎりでシャチに支えてもらった。幸先が悪すぎる)向かって走ってくる姿が見える。
その人は途中地面を蹴ると、まるで弾丸のように勢いよくこちらへと飛んできて、そのまま地面に転がった。
突然のことで戦闘態勢を取りかけていた面々は固まる。
「ゲホッゴホッ、ゴホッ……!」
咳込みつつ、口の中に入った砂を吐き出しつつ。その人は、なんとか腕を支えに身体を起こして、おれたちを見上げる。
今まで見たことがないくらい必死な顔をその人は――クリスは、していた。
「え、あの、おい、クリス、いったい」
「マリーちゃんを!」
おれの声に被せるよう、いっそ喉が引き裂かれそうなほど悲痛な声でクリスは叫ぶ。
まるで懇願するような姿勢のまま、おれたちに顔を向けている。
「マリーちゃんを、マリーを、マリーを知りませんか! ここに、来てませんか!」
――ひどく、嫌な予感が駆け巡った。
あの手紙。書かれていたこと。クリスの必死な顔。
コクレア様に会ったという、マリーさん。
「マリーが、いないんです……!」
なんてこった。……重要な存在だとは思っていたし、話を聞こうとしていたけれど。
まさかいなくなるなんて考えてなかったぞ! - 178122/12/28(水) 02:50:46
というところで今日はここまでです。
また明日も保守の方をお願いします。
ちなみにスレ主はベポをめちゃくちゃ可愛いと思ってます。 - 179二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 07:24:00
常にコミカルでどこか飄々としてるタイプの人のこういう様子はくるものがある……
- 180二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 15:14:08
マリーさん大丈夫か!?皆無事でいて…
- 181122/12/28(水) 23:10:16
保守兼感想ありがとうございました。
続きを書いていきます。 - 182122/12/28(水) 23:25:36
ひとまずクリスを落ち着かせて、持ってきた水を飲ませてやってから話を聞く。
マリーさんがいなくなったって言うけれど、それってどこかに出かけている……とかではないのか?
ほら、マリーさん働き者だから、色んな所に出歩いていそうだし。
そんなおれの問いかけを、クリスは首を振って否定する。
「いいえ、それはありえません。でなきゃ教会があんなに荒らされることはない」
「荒らされっ……!?」
「正確には厨房ですが、朝ご飯を作ってくれていたんです。けど大きな物音が聞こえたと思って急いで向かったら……もぬけの殻。辺りには調理道具や食材が散乱していました」
そのうえ窓は割られていて、明らかに何かが侵入した形跡があった。
――それを聞いたおれは、昨日レミが操っていた木のつるを思い出す。
ごくり、と唾をのみ込んでから……他の面子と軽く目を見合わせて、それからクリスさんに顔を向けた。
「ちょうど教会に話を聞きに行こうと思ってたんだ。……様子を見せてもらっていいか?」
その言葉に、クリスは泣きそうに顔を歪ませてから、こくりと頷いた。
道中質問したいこと。
- 183二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 23:29:01
- 184二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 23:31:11
今日どこかでレミさん見た?見たなら様子は?
- 185二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 23:32:56
- 186122/12/28(水) 23:41:45
- 187122/12/28(水) 23:47:33
- 188二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 23:47:35
マリーさんの得意料理、クリスさんの好物だったりするのかなぁ、と
俺は親子の絆が垣間見える設定が好きでな… - 189122/12/28(水) 23:55:07
逆にクリスさんの好物が得意料理になるのではなく、マリーさんの料理そのものがクリスの好物になったパターンです
リクエストを聞かれて『マリーちゃんの料理ならなんでもおいしいからいいですよ!』と言われ『なんでもが一番困るんだよ!』と怒られるまでワンセットです。
- 190二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 00:04:02
シャチはコラさん以外にも励まされたりしました?
- 191二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 00:04:22
前スレ面子の小ネタ嬉しかったからまた聞けたらまた嬉しくなっちゃう
クリスさん元々食べ物にそんな頓着しないタイプだったのかな…早くまたマリーちゃんの手料理たくさん食べてくれ - 192二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 00:07:22
本編に絶対関わりそんなにないんだろうけど
クリスさんがラミさんにしてた借金の額ってどれくらいですかね? - 193122/12/29(木) 00:08:04
多分だいたいの元気な船員から背中に何発も貰っていたかと。
イッカク姐さんはご飯を人一倍山盛りにしてくれたし、クオルも今回は余計なことを言わなかった。
ベポにもぎゅむっと抱きしめられて活力をえらいもらった感じかな……。
ホーちゃんはホーちゃんしてる。
- 194122/12/29(木) 00:11:43
- 195122/12/29(木) 00:26:54
【小ネタ】
今回の身長設定
クリスさん 200~210㎝
マリーさん 175~180くらい?
レミ 180~185くらいを想定してます。 - 196122/12/29(木) 00:49:37
【小ネタ】
前作オリキャラたちがもし現代だったらつく職業
アフロミンゴ(ダニエル):ダンサー兼演出家兼事務所社長
フラムちゃん&デコくん:アフロミンゴの事務所所属
コザー:税理士
クオル:ロシェの助手
ロシェ:開業医(個人診療所を運営してる) - 197二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 01:36:56
デコくんそういやイケメンだったな…
ちゃっかりロシェ先生の助手に納まってるクオルも戦闘力がないコザーが弁護士になってるのなんかわかる - 198122/12/29(木) 01:43:11
- 199二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 01:44:47
感想スレで絵師さんが描いてたデコくんめっちゃ愛嬌あって可愛かったな…まさかフラムちゃんも歌って踊れるアイドルやってるのか…?
クオルが満足そうで何よりだよ!って笑っちゃった - 200122/12/29(木) 01:46:01
フラムちゃんはスレ主のアイドル
ところでこの話外伝っていうより続編みたいな感じなので、この事件が終わったら細々と感想スレでもらったイベントも日常風景小話として使わせていただくと思います。
悪い癖だが、風呂敷広げ始めちゃったもんで……。