バウムクーヘンルドルフ【バウムクーヘンエンド注意】

  • 1二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 23:11:31

    ※曇らせ要素を含みます。


    会場内に拍手が鳴り響いた。豪華絢爛な花嫁衣装を纏ったテイオーが、拍手に迎えられながら入場する。レース場とは違った歓声にはにかみながらウェディングロードを歩いていた。新郎、トレーナー君のところへ向かって。



    「テイオーのトレーナーになろうと思う。」

    トゥインクルシリーズが終わってしばらくたった後にトレーナー君が告げた。

    「テイオーの足は柔らかく、強い武器になるが、その分負担も大きい。適切なトレーニングでなければ足を壊してしまう。」

    テイオーはその才能から多くのトレーナーのスカウトを受けていた。しかし、当のテイオーはあまりトレーナー選択の重要性を認識していないように見える。
    幸いにしてテイオーは私を慕ってくれている。私のトレーナー君ならばテイオーも素直に言うことを聞いてくれるだろう。だがそんなことは額に薄く浮かんでいる確認に過ぎず、本心は全く別の所にあった。
    私は嫌だと言いたかった。君は私のものだと、他の誰にも渡したくないと。

    「テイオーの幸福のためにも。」

    私の子供のような我儘を舌に乗せる前にトレーナー君が言葉を紡いだ。

    "全てのウマ娘が幸せに暮らせる世を"

    私の望みをトレーナー君も叶えようとしてくれている。ならば──

    「為虎添翼。君とテイオーの力が合わされば、必ずや良い結果になるだろう。」

    私の些細な願いは一旦しまっておくべきだろう。トレーナー君を手放すわけではない。ただ、ただ少しの間離れるだけだ。

  • 2二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 23:13:17

    「…………なんとあの、シンボリルドルフさんです!お願いします!」

    自分の名前を呼ばれて我に返った。すでに披露宴の会場へと場は移っている。

    「はい。」

    大きな拍手に迎えられ、壇上へと向かう。元担当ウマ娘、憧れの生徒会長。二人の結婚式のスピーチに、私以上の適任はいないだろう。それでも、本来私はここにいるべきではない。二人の門出を祝福する場に私は不要だ。本心から祝うことが出来ない者などがいったい何を語れるというのか。
    ちらり、と新郎席に目をやる。トレーナー君一人だけがどこか不安そうな顔でこちらを、私を見ていた。私は心の中で苦笑した。やはり君は、君だけは私の不調に気づいてくれるのだな。
    トレーナー君はその原因にはおそらく気がつかないだろう。もっとも、私自身も気づいてほしいのか、ほしくないのかの判断などついていないが。
    私はこれでもウマ娘の代表として様々な活動をしてきた。だから安心してくれ、トレーナー君。舌先三寸のスピーチなど慣れているよ。

  • 3二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 23:13:43

    トレーナー君がテイオーと結婚することを知ったのは半年ほど前だった。
    久しぶりにトレーナー君から会ってほしいと連絡を受け、浮かれきって約束のバーには予定よりも随分早く着いてしまった。偶然にもその場にはすでにシービーが居た。昔から自由奔放な彼女はなかなか捕まらない。彼女とも久しぶりの再会だった。互いの近況を話し、しばし旧交を温める。

    「あれ?ルドルフとシービー?」
    「やあ、キミも久しぶり。」

    歓談が弾む間に約束の時刻になっていた。トレーナー君にとってはこの邂逅は思いがけず、ありがたいものだったのだろう。シービーに誘われるまま席に着いた。
    当時の私はトレーナー君との二人きりが邪魔されたようで鬱陶しく思っていたが、今思い返せば私はこの偶然に感謝するべきなのだろう。

    「俺は今度テイオーと結婚する。」

    この言葉を聞いても取り乱さずに済んだのは彼女がいたからだろうから。

    「テイオーを担当した3年間は大変なことも多かった。骨折で菊花賞に危うく出られないかもしれなかった。」
    「テイオーにも泣きながらどうすればいいんだって言われたよ。周囲の反応も辛かった。」
    「契約解消の危機も何度かあった。でもその度に二人で乗り越えてきた。そうしていくうちに思ったんだ。」
    「これからどんなことがあってもテイオーとなら大丈夫だ。テイオーと家族になりたいって。」

    私はそれになんと返したのだったか。スピーチをするというのは自分から言い出したことだっただろうか。記憶に靄がかかったようにぼやけている。
    一つだけ鮮明に覚えているのはシービーがトレーナー君にかけた言葉、

    「アタシはてっきりキミはルドルフと結婚すると思っていたよ。」

  • 4二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 23:14:20

    「ちょっとルドルフ!聞いてるのっ!?」

    また意識がどこかに飛んでいたようだ。マルゼンスキーに揺さぶれる。何分ほど経っているのだろうか。会場の照明は落とされ、スクリーンには二人のアルバムが映し出されている。

    「やっぱり帰った方が良いんじゃないの?今のあなた、正直見ていられない。」

    ……私は自分で思っているよりも分かりやすいのかもしれない。少なくとも先程の私の考えは短慮であったと言わざるをえないだろう。自分のことをちゃんと見てくれているのはトレーナー君だけではない。

    「大丈夫だ。心配かけてすまないマルゼンスキー。」

    こちらを案じる目から逃げるようにスクリーンに目を向ける。ちょうどトレセン学園のころの写真が映っていた。
    初めは私と一緒に撮られたものだった。時代が現代に近づくにつれて私が写っている写真は少なくなり、やがて完全に二人だけの世界となった。



    トレーナー君とテイオーはトゥインクルシリーズで輝かしい成績を残した。無敗の三冠ウマ娘となったテイオーは皇帝を超えた帝王とまで評されるようになった。トレーナー君も皇帝の杖などと揶揄されることもなくなり、正真正銘の評価を受けている。
    トレーナー君の残したトレーニング方法やストレッチ、マッサージの仕方は資料として残され、多くの足が丈夫ではないウマ娘を担当とするトレーナーに読まれている。この資料はいずれ必ず、多くのウマ娘たちを救うことになる。トレーナー君は私の願いを叶える手伝いをしてくれたのだ。
    テイオーとトレーナー君の道程は困難なものであったが輝きに溢れ、そして後に続く者の道標となる。
    二人の結婚はそんな希望と祝福に満ちているものだった。

  • 5二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 23:14:46

    「ただいま。」

    返事が返ってくることはないと知りながら暗闇に声をかける。一人暮らしの部屋は普段よりも広く冷たく感じられた。引出物をテーブルに置くとソファに身を放り投げた。式はどうだったか、披露宴は、どのように帰ってきたのか、今日のことはよく覚えていない。思い出したくない。
    引出物のバウムクーヘンは昔お出かけで街に出たときにトレーナー君と買ったことがある。はちみつを使ったそれは上品な甘さで、きっとテイオーも気に入るだろうから今度はお土産に買って行こう、とトレーナー君と話していたものだったがむしろ私が貰ってしまった。
    今はもう何も考えたくない。顔を手で覆う。指の隙間から飾ってあるトロフィーが見えた。トレーナー君と獲得した思い出の。
    視界が滲む。もうここは家だ、見咎める者はいない。慰めてくれる人も、いない。

    ──ああ、もう、泣いてもいいか。

  • 6二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 23:31:14

    くそっ 駄洒落スレだと思ったのに!
    ちぃっ なんだってこんなとこに名ssあるんだよ

  • 7二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 23:32:20

    バウムクーヘンエンドってなんだよ

  • 8二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 23:36:05

    完成お疲れ様なのだ 胸にクルのだ
    なんで幸せじゃない話に惹かれるのか分からないけど、やっぱりこういう話も好きなのだ

  • 9二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 23:38:39

    >>7

    想いを寄せていた異性が他の相手と結婚してしまい結婚式に出席するけど帰ってから引き出物を前に落ち込む失恋ENDの事

    結婚式の引き出物は大抵バウムクーヘンとされる事からその名が付いた

    BSSやWSS展開になったら大抵こうなる

  • 10二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 23:39:53

    >>7

    バウムクーヘンエンドは周りから見たらカップルに見えるほど仲の良い男女がくっつかないエンドなのだ

    よくBSSと混同されやすいけどBSSが主人公との関係をあまり問わないのに対してバウムクーヘンエンドは成立したカプとの関係は極めて良好なことが多いのだ

  • 11二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 23:39:59

    >>7

    読み始めてから思い出したけど結婚式の引き出物の定番の一つだから『そういう事』を示す暗喩だったかと

  • 12二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 23:42:23

    ルドルフとテイオーの立場逆のpixivで見たことあるけどこっちもありというかこっちの方がしっくりくるな

  • 13二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 23:44:46

    あんなふざけたスレ画からこんな破壊力高い良SSが来るとは思わないよ!

  • 14二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 23:53:46

    うほっ いいSS
    それはそれとしてスレ絵はなんだ
    要素だけ抜き出せばものすごく分かりやすいんだけれども

  • 15二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 00:13:07

    >>13

    >>14

    スレ画の候補が他にこれしか無かったのだ

  • 16二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 09:17:40

    目を覚まして最初に感じたのはまぶたに当たる日の光だった。昔から朝には弱く、寝起きは辛かったはずなのだが、最近は随分と眠りが浅くなったものだ。
    あのままソファで寝てしまったからだろうか、身体中が軋む。まあ多少の体の痛みなどもはや気にならないが。
    重い体を引きずるようにバスルームへ向かう。服を脱いで鏡の前に立てば、皇帝という肩書きには似つかわしくない姿が映る。赤くなった目元、乱れた髪、怯えるようにすぼめられた肩、そして何より、自信を全く感じられないその態度。
    ノズルを回す。流れる水流はまだ冷たかったがそれでも構わない。情けない自分を隠してくれるなら。

    私は弱くなってしまった。変わることを恐れ、思い出の中に居場所を求めてしまうほどに。
    人は変わる。トレーナー君は今後私とは全く別の道を進んで行き、その経験で少しずつ進歩していくだろう。次に会う時にはその別離の長さは痛みとして私を襲う。それが嫌だというのであれば、変わったことに気づけないほど常にそばにいるしかなかったのだ。
    辛い。視界がぼやける。ようやく立ちはじめた湯気のせいだ。仮にもウマ娘の代表である私がいつまでも塞ぎ込んでいるわけにもいかない。
    レースの結果から目を背けてはいけないのだ。例え2着以下であっても。

    浴室から出ればスマホにメッセージが入っていた。差出人は……トレーナー君だ。
    内容は昨日のスピーチの礼と私の体調を気遣うもの。そして、今後は寂しくなるな、というある種の慰めにも似た諦めの言葉だった。
    ……変わったのは私もなのだろう。好ましい方向かは分からないが、それでもトレーナー君から私は以前とは別人の様に見えたのだろうか。
    それならば私達は何度も出会える。私が君を選んだように。君が私を選んだくれたように。何度でも君に私を刻んであげよう。

    再会の挨拶は握手で良いかな。左利きの君には悪いけど、握手は右手で頼むよ。
    君の左手の薬指には触れたくないからね。

  • 17二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 09:19:46

    ちょっとだけ続きを書いてみたのだ
    この後ルドルフは幸せな一生を送ったのだ
    非の打ち所がないハッピーエンドなのだ

  • 18二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 09:55:58

    何年か後に親になった元トレーナーとテイオー夫妻とその子供に会うとか見てみたい

  • 19二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 10:23:42

    >再会の挨拶は握手で良いかな。左利きの君には悪いけど、握手は右手で頼むよ。

    >君の左手の薬指には触れたくないからね。


    名文過ぎる……

  • 20二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 17:33:24

    >>18

    注文承ったのだ

    味の保証は一切ないから文句があっても聞けないけど作るだけ作るのだ

  • 21二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 22:32:04

    長くなりそうで今日中には出せそうにないのだ
    ごめんなさいなのだ

  • 22二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 08:28:18

    ふとスレ一覧を探したらこんな心に来るSSがあったとは

  • 23二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 14:21:51

    「歓迎ッ!再び君をこの場所に迎え入れることができるとは!」

    久しぶりに聞く理事長の応援は記憶よりも大きな声だった。かつては幼さの残る少女だったが、今は誰もが二度は振り返るであろう、羞花閉月の美しい娘と成長していた。

    「ありがとうございます。再びこの学園に戻って来たこと、また学園のウマ娘たちを近くで見守られることを嬉しく思っております。不束者で恐縮ですが、再びの御教授をお願いいたします。」
    「ルドルフさんのご活躍は学園にも届いていますよ。きっと生徒のみなさんもルドルフさんがきてくれて喜んでくれています。」

    たづなさんが私の挨拶に応えてくれた。理事長とは反対に、たづなさんは当時とまったく変わっていない。
    昔たづなさんの噂をテイオーから聞いたことがある。いつまでも姿が変わらないたづなさんの正確な年齢を知ろうとした生徒が、一夜のうちに学園から煙のように消えてしまったとか。たわいない話だと思っていたが、なるほどこのような噂が立つのも頷ける。

    「URAから学園長補佐を派遣すると通達があった時はどうなるかと思いましたが、ルドルフさんならこちらからもお願いしたいくらいです。」
    「感激ッ!君は最年少での幹部候補と聞いている!ぜひともその手腕を存分に奮ってほしい!
    無論ッ!こちらからも援助は惜しまない。困ったことがあれば遠慮なく言ってほしい!私も君の力にならせてくれ!」

    私はこの四月から新たに学園長補佐という役職に就く。はっきり言ってしまえば若く扱いづらい者の厄介払いであるのだが、まさか年を経て再び母校に戻ってくることになるとは。
    私は二人に礼を言うと理事長室から退出する。今日はただの挨拶だ。やるべき業務も特に無い。早く上がっても問題は無いだろう。
    今の私に二人は眩し過ぎる。二人に比べると自分は、ただ若さを失っただけに思えて。

  • 24二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 14:24:52

    勝手知ったる学園内だが、流石に教師寮への行き方は知識があるくらいだ。今は昼を少し過ぎたぐらい、この後の用事も無く珍しく時間が余っていた。少しぐらい見て回っても良いだろう。
    グラウンドでは春休み中の生徒達が自主トレーニングを行なっているのが見えた。周りにはトレーナーの姿もチラホラ見かける。新年度になればまた多くのウマ娘たちで活気付くのだろう。
    ここが初めてトレーナー君にあった場所。選抜レースで目にした時から長い時間が経ってしまった。あの時は私から声をかけたが──

    「あれ?ルドルフ?」

    ──今度は君から声をかけてくれるのだな。

  • 25二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 14:25:40

    ここにトレーナー君がいることは分かっていた。が、分かっていても覚悟ができているわけではない。

    「久しぶりだね、トレーナー君。」
    「いつ以来だ?最後にあったのは確かルドルフが海外に行く前だったから……3年前か?」

    トレーナー君の様子を見るかぎりでは動揺は上手く隠せているらしい。内心の動揺を表情と耳、尻尾から切り離す。こんな芸当ばかり上達してしまった。

    「それほど経っているのか……君の話は聞いているよ。今は学園でも、有数の名チームトレーナーらしいな。」
    「『名』かどうかはともかく、なんとかやっていけてるよ。」
    「謙遜しなくていい。君ほどの才能を独占できたのは私の人生の中でも最も幸運なことだよ。」

    トレーナー君が首の後ろを掻きながら目を逸らす。昔から変わらない、照れた時の癖だ。目を逸らした先にいるのもウマ娘というのが妬ましいがトレーナー君らしい。

    「あそこで練習しているのは君のチームかな?」
    「いや違う。俺のチームは問題があるやつが多いからな。今はそんなに練習出来ていないんだ。」

    トレーナー君が現在チームを組んでいることは知っていたが『問題があるやつが多い』とはどういうことだろうか。彼ほどのトレーナーであればそれこそどんなウマ娘だろうと選び放題だろうに。

    「問題があるって言っても脚部不安の方だよ。俺のチームは足に不安を抱えているようなウマ娘が多く在籍しているんだ。」

    私の考えを読んだかのようにトレーナー君は言葉を続けた。

    「このままじゃデビューできないという子たちも優先して入れている。幸い俺には多少のノウハウがある。なんとかトゥインクルシリーズの間だけでも走らせてみせるよ。」

    トレーナー君、君は今でも。

  • 26二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 14:26:12

    「君は今でも私の願いを叶え続けてくれているのだな。」
    「俺はルドルフにトレーナーにしてもらった。その恩返しをしているだけだよ。」
    「"全てのウマ娘が幸せに暮らせる世を"」

    トレーナー君と私の声が重なる。

    「やはり君は私の一番の理解者だ。」
    「いや俺はそれほど大したことは……」
    「謙遜はしなくていいと言ったろう。君は誰よりも聡明だ。」
    「いやいや!俺なんかよりもテイオーの方がルドルフの願いが伝わってるって!
    あいつ生徒会長に選ばれた時、Eclipse first の額縁をこの言葉に変えようとしてたんだぞ!」

    トレーナー君の口からテイオーの名が出ても思っていたほどの衝撃は無かった。
    テイオーからの連絡はなかなかの頻度で来る。忙しさからあまり返答を返せていないのが心苦しい。

    「テイオーか……どうだい?最近のテイオーとの仲は?」
    「仲?まあまあかな。少なくとも離婚の危機とかは無いよ。
    ルドルフは?良い人とかはいるのかい?」
    「残念ながらいないね。もしトレーナー君が独身ならばこの場でプロポーズするのだけれどね。」

    本音と、少しの恨みを込めて返す。
    トレーナー君も笑って首の後ろを掻きながら応えてくれた。

    「俺もテイオーと結婚していなければこの場で受け入れるんだけどなぁ。」

  • 27二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 14:27:29

    「あれ?オーイカイチョー!!」

    遠くからテイオーの声がする。目を向けるとこちらに手を振りながら歩いてくるテイオーが見えた。
    今はその元気さに助けられた。大きいショックから回復するには少し時間が必要だ。

    「カイチョー久しぶり!」
    「ああ久しぶりだな、テイオー。」
    「カイチョーどうしてボクに連絡返してくれないのさー。ボク話したいことがいっぱいあったのにー。」

    普段のメッセージでは少し大人びたようにも思えたが直接話せばなんてことはない。昔のテイオーのままだった。

    「そういえばどうしてカイチョーはここにいるの?何かの仕事?」
    「私は四月から新しく学園長補佐に就く。またここが私の生活する場所だ。」
    「ええっ!!どうしてボクに教えてくれなかったのさあ!」
    「俺は言ったぞ。」

    見かねたトレーナー君が助け船を出してくれた。

    「そもそも学園からの通達があったことに気付いていないってことの方が問題だ。そんなことでやっていけるのか?」
    「わあああ!カイチョーにはまだ秘密にしてたのにいいい!」

    慌ててトレーナー君を遮るとテイオーはこちらに向き直った。

    「フフン、カイチョーにも内緒にしてたけど、ボクトレーナーの資格試験に受かったんだ。ボクも四月からはトレセン学園の新人トレーナーなのだよ!」
    「俺のチームのサブトレーナーだけどな。」

    笑顔でVサインを向けるテイオーにトレーナー君が説明を加えてくれた。

  • 28二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 14:28:20

    「テイオーも私に隠しごとをしていたのか。これは連絡を返せなかったことで私を責めるのは不公平ではないのか?」
    「だってカイチョーにしらせると絶対勉強しろって言うだろうし……それに……」
    「恥ずかしかったんだとさ。ルドルフに少しでも近づきたくて努力するのが。」

    涙が溢れそうだった。何を捨ててでも戻りたいと願ったあの頃、いつも三人でこんなふうに話していたのだ。

    「もおお!受かったんだから良いでしょ!それよりもまた昔みたいにカイチョーと一緒に居られるんだね!
    あ、でも。」

    昔と変わらないテイオーの瞳に初めて見る色が浮かんだ。

    「ボクも『お父さん』も家から通うからまるっきり同じじゃないけど。」

  • 29二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 14:28:49

    先程からずっとテイオーの足に隠れていた子どものウマ娘がようやくこちらに目を向けてくれた。
    5年前からテイオーのメッセージで欠かさず話されていた、テイオーとトレーナー君の子だ。

    「初めまして。私はシンボリルドルフ。君のお父さんとお母さんの友だちだよ。」

    以前会ったのはこの子が2歳の時だった。私のことなど覚えているわけがない。この子にとっては初対面だ。
    目線を同じ高さに合わせるとようやく足の陰から出て来てくれた。髪や瞳の色はトレーナー君と、目元や鼻はテイオーとよく似ている。

    「しんぼる…?」
    「ルドルフで良いよ。」

    笑顔を向けると悲鳴を上げて隠れてしまった。なぜだ。

  • 30二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 14:30:01

    「この子スッゴイ人見知りなんだよねー。大丈夫、カイチョーは怖くないよ。」

    この声は本当にテイオーのものなのだろうか。私の知るテイオーよりもずっと柔らかい声、母親の声だった。

    「ホント…?食べない…?」
    「ヘーキヘーキ。お父さんとお母さんが結婚できたのはカイチョーのおかげなんだよ。たくさんのウマ娘さんが幸せになれるように今でも頑張ってるんだ。」

    大きく息を吸って、吐く。大丈夫。声は震えなさそうだ。

    「よろしく。」
    「う…うん……」

    差し出した右手に乗せられた手。ゆっくり握るとようやく笑顔を見せてくれた。
    テイオーもトレーナー君も活発な方だからこの性格はどこから来たものなのかと思ったが、テイオーに似た明るい笑顔とトレーナー君に似た優しい握り方、なるほど確かに二人の子どもだ。

    「この子走るのは好きなのに勝ち負けが嫌いだからレースが好きじゃないんだよねー。だから今日は許可を取って練習してるところを見せようと思ったんだけど……」

    ウマ娘たちの練習は活気がある。楽しそうに練習しているところを見れば考えは変わるかもしれない。
    しかしこの様子では知らないウマ娘が大勢いるここが怖くて仕方ないのだろう。ならば今は楽しい思い出を作るよりもこの子の不安を取り除いてあげよう。

  • 31二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 14:30:40

    「走るのは好きかい?」
    「うん……でも……」
    「ここにいるウマ娘さんたちはみんな友だちと走るのが好きなんだよ。君と同じだ。」
    「……どうしてレースにでれるの?負けるのいやじゃないの?」

    なるほどこの子は。

    「負けるのが怖い?」
    「うん……」
    「みんな負けて強くなっている。最初から怖がらなくて良いんだ。」
    「でもお母さんは負けたことないから……」

    トレーナー君に似て聡明な子だ。偉大な母と、それからくる周囲の期待にこの歳ですでに気がついている。周りがどれほど綺麗な言葉を並べたところで敗北の失望はこの子を襲うだろう。
    だからこそこの子には伝えなくてはならない。

    「お母さんは負けたことないってことは、お母さんより色んなことを知れるってことだよ。」

    敗北を知らずに過ごしてきた者の末路など哀れなものだ。無駄に増大した自尊心によって自ら破滅に向かうか、私のように初めて直面するショックから立ち直ることができないかのどちらかぐらいだろう。

    「本当は勝つのも負けるのも同じくらい怖いことなんだ。それでも走るのが好き、走りたいって思ったらこの学園へおいで。」

    レースだけがウマ娘の生きる道ではない。恐怖と戦いながら走る必要もない。
    それでもここでは、期待以上のものに出会える。

  • 32二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 14:31:32

    「今は決めなくていいよ。大きくなるのを楽しみにしておくといい。」
    「……うん!」

    言葉は不便だ。伝わらないことが多すぎる。それでも気持ちだけは伝わってくれたのだろう。今日一の笑顔を咲かせてくれた。

    「テイオー、君もだ。」
    「分かっているよ、カイチョー。」

    テイオーの目は強い力を発していた。

    「勝った者は負けた者の気持ちを知れない。よく分かってるよ。」
    「大丈夫だルドルフ。テイオーには俺が出来る限りのことを教えてやる。」

    そうだったな。君達はそれこそ私などとは比べ物にならないほど多くの苦難を共に経験して来た。今更私が口を挟む余地など無い。
    立ち上がり、この幸せな家族に別れを告げる。

    「またねカイチョー!今度は家にも遊びに来てね!」
    「これからまたよろしくな、ルドルフ。」
    「ばいばい…」

    手を振りながら遠ざかる三人の背を眺める。
    もし時間を戻す時計があったとして、幸せなあの頃に戻れたとしても、私はあそこにいることはないだろう。あの二人の間にあるのは私の知らない二人の歴史そのものだ。レースに再走は無いが、何度やり直したところでトレーナー君はテイオーとの未来を選ぶだろう。私が何度もトレーナー君を愛するように。
    橋にも似た影を傾き始めた日は映し出す。彼の右手と彼女の左手は最愛の宝と結ばれていた。

    私は私の全てをかけて望みを叶えよう。敗北や怪我で絶望する者など一人でも減らしてみせよう。だからどうか頼むよ二人とも。
    私の慰めになる希望となってくれ。

  • 33二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 14:32:50

    書いた…書いたのだ…!これで良かったのだ⁉︎これで誰かがルドルフがバウムクーヘンを食べるイラストを描いてくれるのだ⁉︎

  • 341823/01/13(金) 14:35:05

    >>33

    ここまで良いのを書いてくれて感謝感激もん

    でもターボは絵が描けないもん…

  • 35二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 14:38:57

    素晴らしい…

  • 36二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 22:16:05

    かわいそうなカイチョーはかわいい

  • 37二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 23:49:02

    名作だわ…

  • 38二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 00:16:59

    トレーナーの左手はテイオーのもの 右手は子どものもの

  • 39二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 09:13:53

    保守

  • 40二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 20:49:23

    せっかく保守してくれたからまたちょっとだけ書こうと思ったけど結局遅れるのだ

  • 41二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 22:07:12

    バウムクーヘンエンドが似合いそうなウマ娘って他に誰かいるかな?

  • 42二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 22:19:44

    >>41

    個人的にはハヤヒデが似合いそうだと思うのだ!ブライアン夫婦から遠ざかってしまい悲しがるブライアンやBNWの友情など書くことがいっぱいあるのだ!

    あと本人が理屈っぽいのも適性ありなのだ!理屈ではないことなのに何とか理論に当て嵌めようとする姿まで想像できるのだ!


    きっといずれ誰かがバウムクーヘンハヤヒデを書いてくれるのだ!

  • 43二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 09:40:10

  • 44二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 10:00:21

    自分に言い聞かせるように仕事に没頭する会長は大変捗る

  • 45二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 15:42:36

    始業式は滞りなく終了し新任式へと移行した。
    トレセン学園においても通常の学校と変わりなくこれらの行事は行われる。生徒たちにとっては関わりの薄い教師などさして興味のある内容ではないため、退屈な式であるのだが。

    「新たに設けられた学園長補佐には、本学園の卒業生であるシンボリルドルフさんに就いていただくことになりました。」

    たづなさんのアナウンスに黄色い声が上がる。私はテレビなどでの露出も多く、まあ、有り体に言えば、人気がある。

    「ご紹介に与りました、シンボリルドルフです。学園長補佐という役職上、生徒の皆さんと関わられることは少ないと思いますが何が困ったこと、質問したいことがあれば遠慮なく話しかけて来てください。」

    退屈な式の挨拶。短く済ませたつもりだが大きな拍手に迎えられる。
    自分を見つめる生徒たちの顔。私が学生であった時から何も変わらない、記憶のままのトレセン学園の姿だった。
    ああ、でもあの演台は新しいものになっているのだな。

  • 46二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 15:43:04

    新年度が始まれば新入生の入寮に関わる手続き、新たにチームに入る者の確認作業など書類仕事は膨大な量となる。はずだった。

    「暇だな……」

    私が卒業してから学園は随分と分権化が進んだらしい。今ではほとんどの作業がそれぞれで処理され、事務的な作業は事後承諾のようなものばかりだ。
    当時の生徒会長は多くの事務作業に辟易し、今後のことも考えた結果理事会に直訴してまで各所での権利の拡大を認めさせたらしい。
    話を聞く限り立派なものだが実際はどうなのだろうか。現在の学園ではその功績よりも、その生徒会長の残した「これじゃあはちみー飲めないじゃん!」という言葉の方が専ら語り草になっている。

    「失礼します。学長補佐はもうお昼を済ませられましたか。」
    「ルドルフで良いと言っているだろう、エアグルーヴ。」

    暇を持て余しているのが目に入ったのだろうか。再びの同僚となったエアグルーヴに話しかけられる。

    「まだでしたらご一緒にいかがでしょうか。今の時間ならば外のベンチは空いているはずです。」

    私の文句には答えずに話を続けられた。まあ元々大した事ではない。それよりもすべき事ができたのがありがたい。
    どうせ机に向かっていてもする事が無いのだ。旧友との食事をする方が重要である。

  • 47二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 15:45:12

    学生のころの昼食といえば主にカフェテリア、次いで自作の弁当。時たまトレーナー君が弁当を作ってきてくれたこともあった。
    現在は早起きが苦にならなくなったため毎日弁当を作っている。エアグルーヴも弁当を持って来ているため最近はほとんど一緒に食べるようになった。
    予想通り外のベンチは空いていて二人で腰掛けて食事をする分には不都合はなかった。エアグルーヴも自身のトレーナーと結婚している。彼女の家族を思った弁当は私の茶色いそれとは異なり見た目も美しいが、このような周りに待っている人がいない時ぐらいしかのんびり見ることはできない。
    別に教員がカフェテリアを利用してはいけないというルールも無いのだが利用する者はあまりいない。生徒を優先した結果、自ずとそうなっているだけだ。

    「なるほど。この時間この場所は確かに穴場だね。急に食事に誘ってくれたのもこれを教えてくれるためなのかな。」
    「申し訳ありません。誰かが連れ出さない限り学長補佐はいつまでも仕事を続けかねないと思ったので。」

    台詞と異なり全く申し訳ないとは思っていないであろう口調で言われてしまった。思えば学生の頃も仕事をしすぎるなとよく叱られた。

    「本当にそんなことは無いよ。今はできる仕事は無いからね。」

    分権化が進んで各所での対応できる範囲が広がったトレセン学園。かつての書類の山は消え、その分のリソースはウマ娘たちに分けられている。
    そもそも学園長補佐とは私の厄介払いのために急遽でっちあげられた役職なのだ。現在のトレセン学園には必要とされていない。

    「はっきり言って暇になってしまったよ。」
    「ちょうど良いのでは?私から見てもあなたはずっと焦り過ぎていたので。」

    何てことない口ぶりで言うと手を合わせて弁当に箸を伸ばした。私も倣って食べ始める。
    焦り過ぎていたとはどういうことなのだろうか。弁当は飲み込めるがその言葉は上手く咀嚼出来ない。
    逆ならば理解できる。思い出の中に安らぎを求め変化を恐れる自分などいつまでもゲートから出ずに出遅れているようなものなのだから。
    私の困惑を感じ取ったのだろう。エアグルーヴは小さくため息をつくと話してくれた。」

  • 48二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 15:46:18

    「私から見ればあなたは身体の痛みを押して練習しているようにしか見えません。不安だからと、追いつけないからと。
    痛いなら休めば良いのです。辛いなら頼れば良いのです。あなたが多くのウマ娘を救う力があるようにあなたの周りにはあなたを助ける力がある者がいるのですから。」

    「カイチョー!ここでご飯食べてるの?ボクも一緒に食べて良い?」

    その言葉をよく考える前に、こちらを見つけたテイオーが凄まじい速さで駆けてきた。

    「食事中だぞ!近くで走るな!砂埃が舞うだろう!」
    「うへぇーエアグルーヴもいるのー。」

    ゲンナリとした顔と怒り顔が懐かしい。不思議なものだ。大人になった二人でも顔を合わせると昔のようになるのだな。
    しかしなぜ二人は私を名前で呼んではくれないのだろうか。

    「ねぇーカイチョー。良いでしょー一緒に食べようよ。」
    「残念だが今の私は学園長補佐だ。あまり特別扱いすることはできないぞ。」

    兎葵燕麦の肩書きとはいえ学園長補佐が一つのチームに入れ込むのは問題だ。他のチームに見られていたらどんなトラブルを引き起こしかねないか。

    「大丈夫大丈夫!カイチョーがそんなことするはずがないってみんな知ってるよ!」
    「学長補佐はお前たちの身を案じてくださっているのだぞ。少しは我慢というものをだな。」
    「テイオーはトレーナー君と食べているのではないのか。」

    見かねて口を挟んでしまった。テイオーとエアグルーヴの言い争いを見ているのは嫌いではないが今はもう少し静かに話してほしい。

    「ボクもお父さんと食べようと思ってたんだけどまだ仕事がかかるから先に食べてなさいって。ボク達のチームはスカウト遅く始めるから今はまだそこまで仕事ないはずなのにさー。」
    「前々から思っていたのだが学園で『お父さん』はよせ。学長補佐も今は生徒会長ではないぞ。」
    「別にボクがどう呼んだっていいじゃん!ボクにとってカイチョーはいつまでもカイチョーだよ。」
    「ならば自分のチームトレーナーのことも『トレーナー』と言えばいいだろう。せめて名前で呼べ。」

    話がヒートアップする。そしてエアグルーヴ、君も私を名前では呼んでくれないじゃないか。

  • 49二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 15:46:55

    「ボクのことはもう良いでしょ!そんなことよりも二人は何話してたの!」
    「まったく……学長補佐が焦り過ぎだという話だ。」

    こちらにも話が飛んできた。だが丁度良い機会だ。テイオーにも聞いてみよう。

    「君の目から私はどう見える。かかっているように見えるか、それともむしろ出遅れているように見えるか。
    「うーん、ボクから見たらいつものカイチョーと同じ様に見えるけど……あ、でも。」

    「重そうに走ってるなーとは思うよ。」

    重そう、か。
    それは間違いない。こんな執着など捨ててしまうべきなのに。

    「ねえカイチョー。やっぱりなにか困ってることがあるんじゃないの?ボクも手伝うよ?」

    なあテイオー。私が欲しいのは君の夫なんだよ。私の手から離れたあの光を返してくれないか。

  • 50二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 15:48:01

    「困っている事、か。」

    ようやく出せた言葉はそれだけだった。過去の自分の行いなどを責めて泣き言を言うなどと情け無いことができるわけがない。

    「重くて、それでも捨てたくないものならば誰かに持たせれば良いではないですか。」

    エアグルーヴの言葉が差し込んできた。

    「そうだよカイチョー!ボクは頼りにならなくてもエアグルーヴも『トレーナー』もいるんだよ!」
    「……私は君たちのように変われていないぞ。何度泣き言を言うか自分でも検討がつかない。」
    「構いません、何度でも救けます。あなたがそうしてくれたように。」

    人前で泣きそうになるのはいつ以来だろうか。それこそ学園に居たときかな。

    「あ、『トレーナー』!」

    テイオーが手を振る先にはこちらに歩いてくるトレーナー君の姿が見えた。
    トレーナー君。今ようやく気づいたよ。私も変わっていたのだな。良い変化とは言えないものではあるが。
    私の望みに変わりはない。これからも全てのウマ娘が幸せに暮らせる世を目指して進み続けよう。ただ一つそれよりも上の望みに気づいただけだ。

    君の願いは私の願いと同じだろう?私の想いも一緒に持ってくれよ。私も君を愛する一人のウマ娘なのだからね。

  • 51二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 15:49:32

    結局バウムクーヘンエンドじゃなくなってルドルフの望みも新しくでっちあげてしまったのだ
    スレタイ詐欺とイメ損になりかねないのだ

  • 52二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 15:51:02

    素晴らしいから問題なしなのだ
    投稿ありがてぇ……なのだ、最高なのだ

  • 53二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 16:13:55

    ルドルフが持ち直すならヨシ!なのだ

  • 54二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 01:26:39

    「前お母さんが酔った時に言ってたんですけど、お父さんはルドルフさんのことが好きなんじゃないかと不安に思ってたらしいですよ。」
    「ほう、それは良いことを聞いた。今度トレーナー君に確認してみよう。」

    目の前の少女──トレーナー君とテイオーの娘はこの春からトレセン学園に入学することになった。12歳ともなると少し見ない間に随分と変わる。もっとも少し前まで勉強を見ていたから一週間も経っていないのだが。
    お互いスイーツや紅茶を味わいながら他愛ない話を続ける。彼女の合格祝いではあるのだがはっきり言って彼女の実力で落ちることなどあり得ないため、お祝いというよりはただの茶会のような雰囲気であった。

    「ルドルフさんもこのバウムクーヘン好きなんですか?お母さんもこれ好きって時々だけど買ってくるんですよ。」

    彼女がフォークでつついたのは例のはちみつを使用したバウムクーヘンだった。

    「元々私がテイオーに買って行ったものだ。テイオーもいまだに好んでいるのだな。」
    「ああそれでなんですね。バウムクーヘンはそんなに食べないはずなのにこれは特に好きみたいで。
    そういえばバウムクーヘンってどうしてお祝いで使われるんですかね?」

    結婚式の引出物等に使われる理由はしっかりある。当時食べることから逃げるように調べたからよく知っている。

    「断面が木の年輪のように見えるからだ。二人で年を重ねるようにとの願いが込められている。」

    私の場合は一人で作っているのだが。
    まあそれでもいいだろう。歪であろうと私の年輪だ。私の人生を味わえるのは私一人なのだから。

    このはちみつを使った上品な味は昔を思い出させる。
    この味はいつまでも飽きないだろう。

  • 55二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 01:27:21

    バウムクーヘン食べてるからバウムクーヘンエンドなのだ
    もうアイデアが出ないのだ

  • 56823/01/16(月) 01:35:21

    たくさんお疲れ様でしたのだ…
    すっごく!良いSSだったのだ

  • 57二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 01:38:30

    >>56

    ありがとうなのだ!

    多分例のスレから来てくれてる人だと思うのだ。またウィンディちゃんもあのスレにもどって練習するのだ!

  • 58二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 01:41:01

    初めてでこんな量書くのはバカなのだ。改善点が多すぎるのだ。

  • 59二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 03:44:43

    ただただ感動した。

  • 60二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 06:51:13

    お願いシービー、マルゼン...ルドルフを助けてくれ...

  • 61二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 11:21:12

    このレスは削除されています

  • 62二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 12:25:20
  • 63二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 12:43:10

    >>62

    テイオーと違ってルドルフの足は丈夫で故障の心配はなかったからね

    ルドルフは支えられなくても一人で歩けるからね

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