- 1二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 10:15:46
前スレ
【CP・閲覧注意】幼少期からウタの匂いを嗅ぐのが好きなルフィ PART3|あにまん掲示板前スレhttps://bbs.animanch.com/board/1391354/何だかんだと3スレ目bbs.animanch.com何かもう普通にSSになってきたのでスレタイにSS付けました
- 2123/01/15(日) 10:17:59
- 3123/01/15(日) 10:18:37
- 4二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 10:19:33
たて乙
- 5123/01/15(日) 10:20:50
ここはウタ限定匂いフェチな幼ルフィと「ルフィならまあいいよ」な幼ウタが嗅ぎつ嗅がれつしたり一緒にお風呂入ったりする文をスレ主がつらつらと投げていくスレです
前スレでウタちゃんはゴードンさんから聞いた真実をルフィに話して一晩一緒に寝ました(意味浅) - 6二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 10:23:35
たて乙です!
- 7二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 10:24:12
たて乙!
- 8二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 10:43:44
たて乙
- 9123/01/15(日) 10:46:37
昼頃にまた
- 10二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 11:01:01
とりあえず10保守
- 11二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 13:43:42
やっぱ夜になる
- 12二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 14:20:22
御無理なさらず!
- 13二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 18:27:42
待っとくで
- 14123/01/15(日) 19:58:51
RED終演までのスケジュールが発表されたけど
あんまりあにまんに入り浸り過ぎると映画の結末を見るのが辛くなるよね
と言うわけで本日の分を - 15123/01/15(日) 20:01:26
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「……誘ってくれてありがと」
「じゃあ……!」
「でもごめん、ルフィの船には乗れないや」
「えー!?」
「言ってるでしょ?わたしは赤髪海賊団の音楽家!他の海賊の船に乗るわけには行かないの。
それにアンタが海賊王になるまで待ってたらわたしお婆ちゃんになっちゃうもん!そんなに待ってらんないわ!」
「そ……そんなにかかんねーよ!絶対すぐになってやる!」
「海賊舐めすぎよアンタ!そんなにすぐになれるわけないでしょ!
それにさっきも言ったけどわたしは赤髪海賊団の音楽家なの!置いてかれたって何されたってそれは変わんないんだから!」 - 16123/01/15(日) 20:06:22
「ちぇー……まあそんなら仕方ねェか。分かった、音楽家は他に探すよ!」
「……でもまあ、誘ってくれたのは嬉しかったよ。ありがとね」
「でも、そんならウタはどうやってシャンクス達に会うつもりなんだ?自分で船出すのか?」
「…………置いてかれる前にね、シャンクスがこんなこと言ってきたんだ。
『エレジアに残ってもいいぞ、世界一の歌い手になったら迎えに来てやる』って」
「迎えに……」
「もちろんその時は嫌だって言ったけど……もう置いてかれちゃったんならしょうがないよね。
こうなったら、わたしが世界一の歌姫になって、正々堂々迎えに来てもらうんだから!」 - 17123/01/15(日) 20:10:11
「世界一の……歌姫かあ……!」キラキラ
「はいはいキラキラしないで、断ったのが余計申し訳なくなってくるから。
ゴードンさんだっているし、わたしならなれるハズ!アンタが海賊王になるよりも早いかもね?」
「何だとォ!?おれの方が早ェ!」
「さあどうだか。言うだけなら簡単だもんね〜♪」
「というか、ウタはともかくあのおっさんすげェのか?」
「そりゃあ世界一の音楽の国の王様だった人よ?すごいに決まってるでしょ」
「おっさん王様だったのか!?」
「そ。エレジアに行った時もここをこうした方がいいとかこう歌ったほうがいいとか、いろんなアドバイスしてくれたのよ。
それでいてわたしの歌をすごく褒めてくれたから、わたしも楽しくなっちゃって」
「へー、見る目あるんだなあのおっさん」
「…………でも、ちょっとだけ不安でもあるの」 - 18123/01/15(日) 20:15:28
「?」
「……ゴードンさんは褒めてくれたけど、エレジアでもわたしより歌が上手い人はいたし……きっとエレジア以外にも、上手い人はいっぱいいる。
もちろん負ける気はないけど……いざ目指すとなると、わたしの夢まではどれぐらい距離があるのかがよく分かんなくなってさ。ちょっとだけ不安に……」
「なんでだ?」
「え?」
「周りがどうとか距離がどうとか、関係ねェよ!ウタがなるって言ってんだ、なら絶対になれる!
それに海賊王の友達ならそのぐらいなってくれねェとな!おれも張り合いがないからよ!」
「…………!」
「おれは海賊王!ウタは世界一の歌手!
どっちが先になるか、勝負だ!!」 - 19123/01/15(日) 20:21:03
「……はーあ、なんでわたしよりアンタの方がわたしのこと信じてるのよ。
ま、それはわたしもおんなじだけど……
分かったわ!乗ってやろうじゃないのその勝負!」
「よし!そんじゃあ……」
「でも、勝負の内容は『どっちが先になるか』じゃなくて……」
「?」
「どっちが先に、【新時代】を作るか!
これで勝負よ!!」
「【新時代】……
……おう!!望むところだ!!」
ガシッ - 20123/01/15(日) 20:25:24
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「……ルフィと話して、やっぱりわたし、世界一の歌手になりたいって思ったの。
世界一になれば……きっと、シャンクス達だって迎えにきてくれるし!
それに、わたしの夢だって……!」
「………………」
「だからお願いします!ゴードンさん!!
わたしに歌を教えてください!!」
誰かに何かを頼むときは、こうやって頭を下げる。
実践するのは初めてだけど、シャンクスが教えてくれたことだった。
……それから、長い沈黙の後。
「……顔を上げなさい」 - 21123/01/15(日) 20:30:05
「え……」
「……元よりシャンクスに頼まれていたことだ。君を世界一の歌い手として育てることは、私にとっても大事な約束だ。
……だが、真実を知ったならば、君の気持ちを確かめねばいけなかった。
歌の勉強よりも平穏な暮らしを望むのであれば、君をあの島に縛り付けておくわけにも行かない。
そう思ってこの村に君を連れてきた。さっき君が言ったように、君が望むならこの村に預けて行くことも考えていた」
「ゴードンさん……」
「……しかし、君が本当にそれを望むと言うのならば……私もそれに応えねばならないな。
今一度、音楽を愛していたすべての国民に誓おう。
エレジアの王ゴードンは、必ず君を、世界中を幸せにする最高の歌い手に育て上げる。
……約束だ」 - 22123/01/15(日) 20:35:17
「じゃ、じゃあ……!」
「ああ。私にも、君の夢を手伝わせてくれ」
「あ……ありがとうございます!ゴードンさん!」
「だが……」
「?」
「……うむ。一度私だけ先にエレジアへ戻ろう。今のあの島の状態では、満足に歌の指導もできない。
少し私に時間をくれ。歌の練習ができる環境を整えてから、またもう一度迎えに来よう」
「で、でもそれなら、わたしも行って手伝うから……」
「いや、君はもう少しこの村にいるといい。
ルフィ君達のおかげでだいぶ立ち直ったとはいえ、君はまだ心の傷が癒えきっていない筈だ。
焦ってはいけない、少しずつでいいんだ。それからでも遅くはない。
心の傷さえ癒せれば、君の歌声はきっとシャンクス達にも届くはずだからな」 - 23123/01/15(日) 20:43:06
─────────────
数日後、ゴードンさんは商船に乗ってエレジアへと帰って行った。
次に来れるのがいつになるかは分からないとのこと。
でもなるべく早く片付けて、また迎えに来てくれるとも言ってた。
次にゴードンさんが迎えに来たら、フーシャ村ともまたしばらくお別れになる。
マキノさんは「いつでも帰ってきていい」って言ってくれてる。
時々は帰って来たいけど、夢を諦めて帰って来るようなマネはしたくない。
だから、今のうちに後悔がないように過ごしておきたい。
しばらく会えなくなるルフィと、悔いのないようにたくさん遊んで……
…………まあ、何と言うか、甘えたいよね。
「ルフィ!」 - 24123/01/15(日) 20:47:20
「ん?」
「おりゃーっ!」ガシッ
「わぷっ!?」
「あー……ルフィあったかい……」
「きゅ、急に抱きつくなよ!ビックリするだろ!」
「えへへ、ごめんねルフィ。でも離さなーい」
「ったく……」
ルフィは文句を言いながらも、わたしをぎゅっと抱きしめ返して来た。
しばらくするとスンスンと鼻を鳴らす音が聞こえてくる。
またわたしのニオイ嗅いでるな、すけべルフィめ。
……まあ、抱きつきに行ったのはわたしだから文句は言わないけど。 - 25123/01/15(日) 20:54:05
「んー…………」ギューッ
「……ウタ、苦しいぞ」
「あっ、ごめん」
寂しくないと言えばウソになる。
ちょっと無理をしてる自覚もある。
「ねえルフィ」
「ん?」
「もう一回せっけんの作り方教えてよ、前に教えてもらったけど忘れちゃったからさ。
エレジアでも自分で作って使いたいの。わたしを救ってくれたせっけんをね」
それでも、わたしならきっと頑張れる。
それは夢のためか、それとも約束のためか。
今はまだ、わたしには分からない。 - 26123/01/15(日) 20:59:32
「何だよ、忘れちまったのか?しょーがねーな……わかった!また教えてやるよ!」
「ありがとルフィ、大好きだよ」
「おう!
………………
……え?」
「え?」
……………………あれ?
今わたし、何て言った? - 27123/01/15(日) 21:02:06
本日はここまでの巻ね
なお非常に今更かつどうでもいい話ですが私は個人的にウタちゃんのセリフにはァィゥェォを使わないようにしています - 28二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 21:03:09
お疲れ様です
これはいいもの見た…… - 29二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 21:28:05
おつです!
さらっと!!! 告白したぁ~~?!? - 30二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 21:56:29
絆カンストしすぎて…まるで息をするかのように告白しやがった!
- 31二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 23:17:10
すけべルフィ…ウタちゃんの罵倒が相変わらずひらがななのかわいい
- 32二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 08:03:50
おはようの保守
- 33二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 08:12:08
良いスレだなぁ
- 34二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 09:25:00
甘酸っペェ~~~!!
- 35二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 15:47:42
仲間にはならないと言ったばかりなのに告白しちゃったよ!まさかの遠距離恋愛!?
- 36二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 18:53:33
良いスレ
- 37二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 22:17:49
これは純愛だ
- 38123/01/16(月) 22:28:27
また明日
- 39二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 22:29:35
お待ちしております
- 40二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 22:30:17
頑張ってください~
- 41二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 06:54:01
甘
- 42二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 14:39:06
さぁ付き合うんだ!
- 43二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 20:00:40
ウタちゃんのセリフへのこだわり解釈一致です
- 44123/01/17(火) 21:24:42
なんかそっちの方がやわらかいよね
というわけで本日の分を - 45123/01/17(火) 21:25:35
一瞬沈黙というか、何とも言えない空気になった気がするけど、そこはルフィがサッパリしててよかった。
「おう!おれもウタのこと好きだぞ!」……だって。
ルフィが意味をちゃんと分かって言ってるのかは分からない。
かく言うわたしも分かってるのかと言われれば、正直ちょっと怪しい。
同じ言葉ならシャンクス達に何度も言ったことあるし……
今のだって、ほんの無意識に口から出て来ただけ。
でもまあ、同じ言葉を言われたわたし側が嬉しいってことは……
……まあ、少なくともわたしはそういうことなんだと思う。
ちょっと悔しいけど。 - 46123/01/17(火) 21:30:24
「あーあ、もうすぐルフィとお別れかあ」ギュー
「………………」
「……寂しいなあ」ギュー
「………………
…………なあウタ」
「なに?」ギュー
「何か……近くねェか?」
「そう?」ギュー
「……いや、別にいいけどよ」
「そっか」ギュー
……しらばっくれはしたけど誰がどう見ても近い。
あーあ、これじゃあルフィのこととやかく言えないなあ。 - 47123/01/17(火) 21:35:37
もちろん、これにはれっきとした理由があるわけで。
わたしばっかりルフィを意識してるのは、何となく癪だからっていうのが少し。
と言っても意識してもらう方法なんてものを知ってるわけじゃない。ベックに聞いておけばよかった。
だからとりあえずくっついてみることにする。ルフィ、わたしのニオイ好きって言ってたし。
これでルフィも少しはわたしのことを意識してくれればいいんだけど……
多分やり方間違ってるから正直あんまり自信はない。
…………あとはまあ……
単に、ルフィと離れたくないってだけ。
それが大半。 - 48123/01/17(火) 21:40:15
「大丈夫かお前?そんなに寂しがってて」
「ルフィの方こそ。わたしがいなくなったからってびーびー泣いてちゃダメよ?」
「泣かねェよ!おれはつえーんだ!」
「そっか。
…………わたしは多分泣いちゃうなあ」
「……!」
「ゴードンさんは優しいしいい人だけど、やっぱり2人っきりは寂しいし。
……だからいいでしょ。今ぐらいルフィと一緒にいさせてよ」
「…………ん、わかった」
今までも抵抗らしい抵抗は無かったけど、この時を境にルフィはわたしがいつ抱きついても受け入れてくれるようになった。
言ってみるものだ。 - 49123/01/17(火) 21:45:33
あの時シャンクスに買ってもらった香水は、結局まだ一度も使ってない。
フーシャ村に帰れたらルフィに自慢してやろうと思ってたけど、今思えばまあそれどころじゃなかった。
ルフィには悪いけど、ここまで来たんならいっそ使わずに取っておこう。
いつかわたしが世界一の歌姫になって、シャンクスが迎えに来てくれた時……
これを見せつけてやるつもりだ。『墓穴掘ったなシャンクス』って言って。
それに今は、こういうお高い香水よりも……
「そんでここでつけたい香りの材料を入れるんだ。何にする?」
「うーん、そうだなあ……」
こういう手作りの優しい香りの方が、今のわたしには特効薬かもしれない。
いつかわたしが有名になったら、みんなにも作り方教えてあげたいな。 - 50123/01/17(火) 21:50:17
それからしばらく経ったある日、フーシャ村にやって来た商船のおじさんが教えてくれた。
大体一週間後に、またゴードンさんがフーシャ村に来るらしい。
つまりフーシャ村にいられるのはあと一週間。それまでに準備しとかないと。
そのことを伝えると、今まではそんな様子のなかったルフィが何だかそわそわし始めた。
ルフィの方から近づいて来たり、頼んでもないのに「乗れ」って言っておんぶして来たりする。
ちょっといじらしく思ったりもするけど、別に焦らしたりする趣味はないし、わたしからの態度は変わらない。
近づいて来たらわたしからも行くし、乗れって言われたら遠慮なく乗っかるし。
元より遠慮なんて殆どしてなかったけど、わたしとしても遠慮しなくていい口実が増えたから、正直なところ願ったり叶ったりだ。
でも、こうやって一緒にいればいるほど、ゴードンさんが迎えに来た時の寂しさはきっと増す。
そんなことはわかってるけど……まあ、だからと言ってやめられるもんでもないもんね。 - 51123/01/17(火) 21:56:33
そして、ゴードンさんがわたしを迎えに来る前の日の夜。
わたしとルフィは、少しだけ夜更かしをしていた。
「とうとう明日行っちまうのかー……」
「うん。まあ時々は帰ってくるつもりだけどね。
……ねえルフィ、何か欲しいものない?」
「ん?欲しいもの?」
「帰って来てからわたしルフィに色々貰いっぱなしだからさ。わたしからも何かあげたいの」
「いーよそんなの、おれウタに何かして欲しくてやったわけじゃねェしな」
「それじゃわたしの気が済まないの。何でもいいから何か言いなさいよ」
「強引だなァ……んー……
……あっ、じゃあ歌ってくれよ!」 - 52123/01/17(火) 22:00:56
「歌う?」
「おう!やっぱウタと言えば歌だしな!
つーかお前、フーシャ村に帰って来てから一回も歌ってねーんじゃねェか?」
「言われてみれば……」
フーシャ村に帰ってからどころか、あの日の後にまともに歌った記憶がない。
わたしの歌が招いてしまったことが大き過ぎて、どこか無意識に歌うのを避けていたのかもしれない。
「だから聞かせてくれよ、次に聞けるのいつになるんだか分かんねーんだからよ!」
「大げさなんだからー……でもいいよ、歌ってあげる!何がいい?」
「ウタが好きな歌がいい!おれウタの歌なら何でも好きだ」
「わたしの好きな歌……ん、了解!じゃあ……」 - 53123/01/17(火) 22:05:32
久しぶりに思い切り歌って、すごく気持ちよかった。
いつの間にかギャラリーにマキノさんも増えてたけど、途中で目を押さえ始めたのはどうしてだろう。
「……ふう。2人ともどうだった?」
「ししし、やっぱうめーなウタは!」
「……うん、とっても素敵だったわ……」
「え、あ、あれ?マキノさん泣いてるの!?
もしかしてわたしの歌、ダメだった……?」
「……ううん、嬉しいのよ。とても大変なことがあって、ウタちゃんが歌えなくなったりしてないから心配だったから……
でも、その様子なら問題なさそうね。頑張ってらっしゃい、応援してるわ」
「マキノさん……うん!ありがとう!」 - 54123/01/17(火) 22:10:26
ルフィと一緒に寝るのも今日が最後。
流石に抱きしめたまま寝たのはあの日だけだけど、それ以外の日もほとんど毎日一緒に寝ていた。
「……ねえルフィ」
「ん?」
「……ありがとね」
「何がだ?」
「色々と」
「色々って?」
「色々は色々よ。励ましてくれたり、受け止めてくれたり……」
「いいィよそんなの。おれがやりたくてやったんだから」
「それでもいいの。わたしはアンタに救われたんだから、お礼ぐらい言わせてよ」
「……おう」 - 55123/01/17(火) 22:16:25
「…………あと、さ」
「?」
「……こないだはポロッと言っちゃったけど……
いつかちゃんと言うから、それまで待っててよ」
「……? 何をだ?」
「…………ルフィに察しろって言う方が無理な話か。
……わたしがアンタのこと好きだって話。忘れたとは言わせないわよ」
「……!」
「いつか……ううん、わたしが夢を叶えたら。改めてもう一回ちゃんと言うから。
その時に……答え、聞かせてよ」
「……………………
イヤだ」 - 56123/01/17(火) 22:20:35
「……は?
ちょ、ちょっとルフィ、イヤってどういう……」
「返事すんのはウタの方だ」
「へ?」
「おれの方が先に言う。」
「…………え」
「………………」
「…………ル 、ルフィ、それちゃんと意味分かって……」
「おれだってそれぐらい分かるよ!お前失敬だな!」
「………………そっか。
分かってるなら……うん、いいよ」 - 57123/01/17(火) 22:30:23
ぎゅう
「!」
「……でもわたしだって負けないからね。わたしの方が先に言うんだから」
「いーやおれだ!」
「わたし」
「おれだ!」
「「………………ぷっ」」
何だかおかしくなって、抱き合ったまま2人で笑い合った。
わたしの気持ちも自覚したし、ルフィの気持ちも分かった。
側から見ればこれでも近すぎるって言われそうだけど……
お互いのニオイが分かるぐらいの。
このぐらいの距離が、今はまだ、丁度いい。 - 58123/01/17(火) 22:33:45
本日はここまでの巻ね
【悲報】どう考えても終映までに終わらない - 59二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 22:38:35
うひょ〜
立派な海賊/歌姫になってくれ、2人とも…… - 60二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 22:40:04
いいな…純愛だよほんと
- 61二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 22:45:36
口角が気持ち悪いくらい上がって戻らないのだが...
何故かな...ペルよ... - 62二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 23:02:36
時々は帰ってきてくれるのか…それだけで嬉しい
もう通い妻じゃん(9歳)
こんな美しい純愛は語り継がなければ… - 63二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 23:44:20
英雄の足音が聞こえる…
- 64二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 23:46:10
まだガープやエースサボと会う可能性もあるな…
- 65二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 07:11:34
ほしゅ
- 66二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 08:24:23
は~~…めちゃくちゃ好きです純愛だぁ…
- 67二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 11:26:26
良い純愛だぁ~ホント好き
- 68二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 19:47:59
あげとこ
- 69123/01/18(水) 22:05:42
本日定休日
- 70二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 22:09:02
ゆっくり休んでください!
- 71二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 07:04:29
スレ保守
- 72二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 15:22:55
あげとこ
- 73二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 20:15:25
これシャンクス知ったらどうなることやら
- 74123/01/19(木) 22:05:41
ハイルハイルハイルハイル!ふざけるなよIP規制!
保守がなければスレが落ち放題だ!
ホントありがとうございます皆さん
本日の分です - 75123/01/19(木) 22:06:06
─────────────
「ウタ、忘れ物はないかい?」
「はーい」
そして、ゴードンさんが迎えに来た日。
ルフィと作ったせっけんも持って、準備は万端。
「直接エレジアに向かうわけじゃないし、幾つか別の島に寄ってからになるけど、おれ達にも仕事があるからそこは勘弁な」
「ううん、大丈夫です。何度も乗せてもらってありがとうございます」
「まだ小さいのにこんなにしっかり礼を言えるなんて大したもんだ。親御さんの教育がいいんだろうな」
「えへへ……」
こういうのを教えてくれたのはどちらかと言えばシャンクス達じゃなくてマキノさんだけど……
……まあ、いいか。 - 76123/01/19(木) 22:09:15
「頑張ってねウタちゃん、体には気をつけてね」
「うん!マキノさんも元気でね!」
見送りにはマキノさんとルフィ。
「ウタ!頑張れよ!」
「ルフィ……」
エレジアに行く前はお互いにあかんべとかしてたっけ。
あれからそんなに経ってないのに、随分変わっちゃったなあ、わたし。
ルフィもこんなに素直に応援してくれるようになって……
「おれとの勝負忘れんなよ!ぜってー負けねェからな!」
「……当然よ!わたしの連勝は継続中なんだからね!次も勝ってわたしの184連勝なんだから!」
「違う!おれが183連勝中だ!」
……うーん、やっぱりルフィはあんまり変わってないような気がする。 - 77123/01/19(木) 22:13:10
「……おっといけない、忘れるところだった。
ルフィ君、これを君に預けておこう」
「?」
船に乗り込もうとしたゴードンさんが、ポケットから何かを取り出してルフィに差し出した。
「ん? これ電伝虫か?」
「ああ、エレジアにもまだ生きている個体が何匹かいたんでな。この番号でエレジアに繋がる。
ルフィ君もしばらくウタと会えなくなるから、せめて声だけでも繋げられればと思って連れてきたんだが……」
「おー!これで離れててもウタと話が出来るんだな!おっさんありがとう!」
「よかったわねルフィ。使い方がわからなかったら私に言って、教えてあげるわ」
「おう!マキノもありがとうな!」
……ゴードンさんナイス。ありがとう。
声が聞けるだけできっと全然違うもんね。 - 78123/01/19(木) 22:17:47
「……じゃあ、最後にもう一回だけ……」
「おう!」
最後にちょっと長めに抱き合ってから、わたしは船に乗り込んだ。
もうちょっと涙を堪えるのとか大変かと思ったけど……
いつかまた会えるし、電伝虫で声も聞ける。
寂しくないわけじゃないけど、そんな風に前向きに考えてたら、思いの外大丈夫だった。
それはルフィも同じだったみたいで。
船が錨をあげて、船着場を離れても……
「ウター!!元気でなー!!!」
ルフィはずっと笑顔で手を振ってくれていた。
体をいっぱいに動かして、わたしから見えなくなるまで……見えなくなっても。
「またねー!!ルフィー!!!」 - 79二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 22:18:30
うおおおおお泣
- 80二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 22:19:13
ここが、ラフテル
これが、ひとつなぎの大秘宝だった…… - 81123/01/19(木) 22:21:30
──────────────
「…………行っちゃったわね」
「うん」
「……私はてっきり、ルフィは大泣きするものだと思ってたけど……」
「泣かねェよ!ウタと約束したんだ!」
「約束?」
「……おれが泣いたら、きっとウタも泣いちまうからな。やっぱりおれ、ウタが泣いてんのイヤなんだ。
あいつとは笑って別れたかったからな。だからおれは泣かねェんだ」
「……フフフ、そう。ルフィは強いのね」
「でもまだまだ強くならねェと。ウタとの勝負だし、約束だからな。
……あ、その前に」
「?」
「マキノ、電伝虫の使い方教えてくれよ!」 - 82123/01/19(木) 22:27:16
──────────────
「……もう見えなくなっちゃった」
「素敵な友達なんだね。今の君の顔を見る限り、君をフーシャ村に連れ帰って正解だったようだね」
「……うん。ありがとうゴードンさん」
「どういたしまして。
……寂しくはないのか?」
「…………寂しいよ。すごく寂しい。
でも、アイツは最後まで笑ってたから。わたしも泣いちゃダメだーって思ったんだ」
「……フフ、そうか」
「…………ゴードンさん、1つ聞いていい?」
「何だ?」
「……また、シャンクスのことなんだけど……」
「……!
……私に分かることなら答えよう」 - 83123/01/19(木) 22:32:56
「ありがとうゴードンさん。
……ゴードンさんは覚えてる?」
「何をだ?」
「シャンクス達がわたしを置いて行っちゃった時。ゴードンさんが止めてくれなきゃ、わたしあのまま海に落ちてたけど……
……あの時のシャンクス達も、笑ってた」
「………………」
「今みたいに、お互い笑って別れられたならいいんだけど……あの時わたし、
……なのにシャンクス達は笑ってた。宝の山に座って、楽しそうに宴してた」
「…………ああ、覚えているよ」
「あれを見ちゃったせいで、しばらくはシャンクス達のこと嫌いになりそうだったもん。今はもう大丈夫だけど。
……でも、なんであの時笑ってたのかは結局まだ分かんないの。
ゴードンさんは、シャンクス達はどうしてあの時笑ってたんだと思う?」 - 84123/01/19(木) 22:37:53
「………………難しい質問だな。
私は君を歌姫として育ててくれと預けられただけ。君を庇おうとしたこと以外の彼らの真意までは聞いていない。
それにあの時は私も冷静ではなかった。目を覚ました君を引き止めることで精一杯だった……」
「…………そっか。やっぱり分かんないよね。
……変なこと聞いてごめんなさい。あの時のこと、ゴードンさんにも思い出させちゃって……」
「……ただ」
「?」
「短い時間ではあったが彼らや君と接して、その中で分かったこともある。
君や彼らの人となりを見て、そこから推察するならば……
……あれは、彼らなりの君への激励だったのかもしれないな」 - 85123/01/19(木) 22:41:44
「……げき、れい?」
「彼らの人となりは君の方が知っているだろうが、私にも分かったことがある。
彼らはきっと、途轍もなく前向きなんだろう。以前にも言ったように、彼らは君が歌姫として成長することを微塵も疑っていなかった」
「それこそ、あんな出来事を経験した君でも、やがて立ち直り前を向けるだろうということさえも恐らくは疑っていなかったハズ。
彼らにとっては、愛娘を歌手として送り出したという感覚だったのかもしれない。
だから、笑って送り出すことで、彼らなりの激励の代わりとした、と」
「……………………」
「……もっとも、これは私の想像でしかないがね。もっと他に理由があったのかもしれないが……」
「………………
ううん、多分正解」 - 86123/01/19(木) 22:46:55
「そ、そうか?」
「確かにシャンクスって凄く前向きなの。友達の誰かにも言われてたし。
全くもう、勝手に置いて言っといてよく言うよ。そのせいでその娘に嫌われる寸前だったって言うのに」
「ハハハ……前向きすぎるのも考えものかもしれないな」
「……シャンクスがね」
「?」
「わたしが世界一の歌い手になったら、また迎えに来てくれるって言ってたんだ。
……だから、なりたいんだ。わたし、世界一の歌手に……」
「……ああ、私が保証する。エレジアの王の名にかけて、君を必ず、世界一の歌手にしてみせよう!」
「……うん!ありがとう!」
…………ゴードンさん、いい人すぎてたまにちょっと怖くなるよね。 - 87123/01/19(木) 22:51:01
いくつか島を回って、ようやくエレジアに帰ってきた。
街の中は見たところあんまり変わってなかったけど、街中漂ってたあのイヤな臭いはだいぶ薄れていた。
一方のお城の方は一目瞭然。特に歌のレッスンで使うような部屋は、照明こそまだ直ってなかったけどかなり綺麗になっていた。
「これゴードンさん1人でやったの?」
「床や絨毯だけだがな。瓦礫に関しては何度か無理を言って海軍や商船の船員に手伝って貰った。
さて、長旅で疲れただろう。今日はゆっくり休むといい、君の部屋も綺麗にしているからね」
「はーい。
……あ、そうだ」
「?」
「ゴードンさん、フーシャ村につながる電伝虫はどれ?」 - 88123/01/19(木) 22:53:44
「ああ、そうだったね。ええと確か……
……ああ、これだ。この番号にかければルフィ君に渡した個体に繋がる」
「やった!ありがとうゴードンさん!」
「無事に着いたという連絡かい?いいじゃないか、きっとルフィ君達も安心するよ」
「うん!早速かけてみるね!
えーと、ここをこうして……」
プルプルプルプル
プルプルプルプル
ガチャ
『はい、こちらPARTYS BAR……』 - 89123/01/19(木) 22:58:31
「あ、マキノさん!もしもーし!」
『あら?ウタちゃんじゃない!早速連絡くれたの?』
「うん!無事にエレジアに到着したからその連絡だよ!」
『そう、よかったわ。ちょっとだけ心配してたけど……その声の様子なら大丈夫そうね』
「うん、ありがとうマキノさん!
……あれ?ところでなんでこれマキノさんが持ってるの?ルフィは?」
『……あ、あー……』
「?」
何だかマキノさんの歯切れが悪い。
こんなマキノさんあんまり記憶にないけど……
『実は、その……言いにくいんだけど……』 - 90123/01/19(木) 23:02:45
「え……」
い……言いにくいって何……?
まさか……ルフィに何かあったの!?
「な、何があったのマキノさん!?ルフィはどうしたの!?」
『うん……実はウタちゃんが出発したすぐ後の話なんだけど……
もっと強くなるための修行だって言って、ガープさんがルフィを山に連れて行っちゃったの……』
「…………へ?」
『多分、しばらく帰って来れないんじゃないかしら……あの山、猛獣なんかも多くて危ないらしいし……』
「………………………」
『……ウタちゃん?』
「………………………なんで」 - 91123/01/19(木) 23:03:34
- 92本日はここまで23/01/19(木) 23:06:39
- 93二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 23:09:02
オイ!クソジジィ!
- 94二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 23:09:07
ウタとゴードンがちゃんと話せてて、シャンクス達の去り際の意図についても、少しは伝わった、かもしれなくて良かったなぁ……
ルフィとウタはお互い笑顔で再会を約束できてたのが、良いなぁ…
離れてても、電伝虫でやり取りが出来るのは、良いことだなぁ…
そう思ってたら、オチの……
なんでだよーッ! - 95二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 23:15:03
一時期よく見たおバカウタにこんなところで再開するとは…
- 96二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 01:45:13
おつです!
船出のとき、背中を向けてたから、笑い声は聞こえても裏で大号泣してたのは見えてないんですよね……
気が早いけどいつか再び会って色々話が出来るようになった時、「笑って送り出そうって言ったけど、言ったお頭も俺らもメッチャ泣いてた」ってウタに暴露するとしたら誰だろう……
案外ベック辺りが贖罪も込めて話すかな? いやでも本当は泣いてたからっておいてった事実が変わるわけじゃないしな……
でもウタちゃんにはちゃんと真実を知って欲しい…… - 97二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 09:21:27
じいちゃん、将来の孫の嫁からも嫌われる可能性大
- 98二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 09:23:53
ギャグ顔でずっこけてはいるが割と死活問題なのである
- 99二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 09:30:06
次にルフィから連絡あった時は
兄ちゃんが増えててめっちゃ混乱してそうだな - 100二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 09:33:40
流石にルフィからの連絡は数年後とか無いよね...?
- 101二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 09:47:36
- 102二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 15:40:19
じいちゃんひでぇことするぜ
- 103二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 21:35:14
このレスは削除されています
- 104二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 23:01:15
弟に年上の彼女がいたと知ったお兄ちゃんズの反応がきになる
- 105二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 00:45:54
同感だ。
- 106二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 08:01:32
期待
- 107二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 16:28:01
あげとこ
- 108123/01/21(土) 21:58:07
今日は書けても遅くなりそう
- 109二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 21:59:50
最近保守荒らしが横行しているのでお気をつけて
- 110二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 06:42:09
待機
- 111123/01/22(日) 13:11:37
すまねェ!
寝落ちした上にあんま書けてねェんだ! - 112二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 13:12:32
そういうときもあるさ!
- 113123/01/22(日) 13:13:40
あまりの急展開に思わず受話器を放り投げてひっくり返ってしまった。
その後はゴードンさんが通話を引き継いで話してたけど、何の話をしてたかはちゃんと聞いてないし、よく覚えてない。
シャンクス達に置いて行かれた時よりかはマシだけど……まあ、相当ショックは大きかった。
神様、ちょっと意地悪が過ぎるよ。せっかく立ち直れそうだったのにルフィまで連れて行っちゃうなんて。
かと言って、ルフィのお爺ちゃんはシャンクス曰く、シャンクス達全員でかかっても勝てるか分からない怪獣みたいな人らしい。
それに、ルフィがシャンクス達海賊に懐いてるのもそもそもよしとしてなかったみたいで……
もしわたしが直接ガープお爺ちゃんに頼んでも、よくてゲンコツ食らって終わりだと思う。多分。
急激にルフィとの距離が遠くなってしまったような気がした。
ああ、今日は久しぶりに涙で枕を濡らしちゃうかな……
……………………もういいや。 - 114123/01/22(日) 13:18:16
─────────────
「おはようゴードンさん」
「あ、ああ、おはよう……」
翌朝、起きてきたわたしの顔を見たゴードンさんは凄 少し驚いたような顔をしていた。
それもそのはず。さっき鏡で見たわたしの顔はそれはもうひどかった。
目は真っ赤で少し腫れれて、おまけにクマまでできてる。よくもまあ1日でこんなになるもんだ。
だけど、ゴードンさんが驚いていたのはそこじゃなくて……
「顔は洗って来たのかい……?」
「うん。目はこんなんになっちゃってるけどね」
「そ、そうか……」
思ったよりわたしがケロッとしてたことらしい。 - 115123/01/22(日) 13:24:45
「……なあウタ」
「なに?」
「……いや、その……ルフィ君のことは……」
「…………うん。悲しいし……さみしいよ。
ルフィの声が聞けなくなったっていうのもそうだし、せっかくゴードンさんが電伝虫用意してくれたのに……」
「いや、私のことはいい。しかし……」
「……でも、もう下ばっかり向いてるわけにもいかないから」
「!」
「山に放り込まれるなんて無茶苦茶だけど、きっとルフィはそれで強くなるはず。
だってルフィだよ?意地っ張りで、頑固で、諦め悪くって……
……どんな逆境に放り込まれたって、ルフィは全部乗り越えて、いつかきっと海賊王になって、新時代を作る。
根拠も何もないけど、そんな気がするんだ」 - 116123/01/22(日) 13:30:25
「……ルフィ君の夢は海賊王なのか。随分と大きな夢だな」
「……でも、新時代を作るのはわたしの夢でもあるの。
世界一の歌手になって、みんなが幸せになれる新時代を、歌で作るのがわたしの夢。
だから、これはルフィとわたしの勝負。
どっちが先に夢を叶えて、新時代を作れるか。
ルフィがもっと強くなるって言うなら、わたしも置いて行かれてる場合じゃないの。
だからもうメソメソしない。あんまりメソメソしてたらルフィに笑われちゃうもんね」
「ウタ……」
「……まあ強がってはいるけど、結局昨日は我慢できなくていっぱい泣いちゃったんだけどね。
でももう泣くのは昨日でおしまい。今日からわたし、頑張るね!」
昨日お風呂で頼ったのは、ルフィ印のラベンダーの香り。
効果は抜群だった。 - 117二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 13:31:42
この未来はきっと明るい
- 118123/01/22(日) 13:35:40
「……成程」
「え?」
「君は……いや、君達は……
もしかすると、我々大人より遥かに未来を見据えているのかもしれないな。
新しい時代を切り開くのは、きっと君達のような若い世代だ。私もそう思っているよ」
「……ゴードンさん」
「だが……」
「?」
「……もし、どうしても辛くなったならいつでも言うんだよ。私に出来ることならば、出来る限りは手伝おう。
歌の先生となる以上は、私にも責任が生まれる。今日からよろしくな、ウタ」
「……うん!よろしくお願いします!」 - 119123/01/22(日) 13:38:34
すまねェ!
昼はここまでだ! - 120二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 13:40:02
ありがとう!ウタちゃん前向きになれてよかった!
- 121二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 17:29:09
このメンタルならウタちゃんが変な方向に行くことはないだろうな
救世主扱いするやつ自体は出てきそうではあるけど - 122二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 18:38:57
- 123123/01/22(日) 22:21:52
くよくよタイムなんて5秒で十分
さあ夜の分を投げようか - 124123/01/22(日) 22:24:11
「……とは言え、そんなになるまで泣いたのならきっと疲れも取れきっていないだろう。今日は一日休息に充てるといい」
「はーい」
「それから……歌の勉強と同時に、君にはもう一つ学ばなければいけないことがある」
「?」
「ウタ、本は読めるか?」
「本? あんまり難しくないのなら……」
「そうか。少し待っていてくれ。読んでほしい本がある」
「……?」
──────────────
「待たせたね。この本を読んでみてほしい」
「これを……?」
手渡されたその本の表紙には、ピンク色の不思議な果物が描かれていた。 - 125123/01/22(日) 22:29:18
「これは……何の本?」
「君が持っている不思議な力……『ウタウタの実』の力についての本だ。
ウタ、君は自分の不思議な力についてどこまで分かっている?」
「どこまで?うーん……
夢の中に何でも思い通りになる世界を作れて、私の歌を聴いた人もその世界に連れて行けて……
他には……何だろ?もっといろんなこと出来ると思うんだけど……」
「ふむ……成程。
ウタウタの実は少々特殊な悪魔の実らしく、その性質上エレジアとも何かと縁があってね。
全てではないが、その本にはウタウタの実の概要や特性、簡単な歴史などが記されている。
君が歌手としてやって行く以上、その能力とはずっと付き合って行くことになる。読んでおいて損はないだろう」 - 126123/01/22(日) 22:35:11
「ふーん……」
ぱらぱらと軽く読んでみる。
文字の間にイラストや楽譜があって、ちゃんと読んでみたら結構楽しめそうな本だった。
もっと文字だらけの難しい本を想像してたけど、これなら分からない感じを教えてもらいながらなら読めそうかな。
「分かった、ありがとうゴードンさ……
……あれ?」
「どうした?」
「ここのページ……」
読み進めていると、ページの一部分が誰かが破り捨てたかのようにごっそりと抜け落ちていた。
歴史の年表が書いてある部分にも、所々破られたページがある。
「この部分はどうしたの?誰かが破っちゃったの?」
「……私が破った」 - 127123/01/22(日) 22:40:36
「え?」
「その部分に記されていたのは、あの忌まわしきトットムジカについてだ」
「……!」
ゴードンさんはとても辛そうな顔をしていた。
名前と結果しか知らないわたしよりも、一部始終を全部見ていたゴードンさんの方がきっと辛いはずだもんね。
「私にとってもそうだが、君にとっては最早見たくもないものだろう。だからその部分だけ切り取っておいたんだ」
「トットムジカ……わたしが歌っちゃった楽譜のことだよね……
……そういえば、あの楽譜はどうしたの?あの後わたしは見てないけど……」
「………………………」
「……ゴードンさん?」
ゴードンさんは何も言わないまま部屋の入り口まで歩いて行って、一言だけ言った。
「…………着いて来なさい」 - 128123/01/22(日) 22:45:16
そのままわたしはお城の地下に連れて行かれた。
本や楽譜がたくさんあったけど、ホコリっぽくてちょっとカビくさい。
「…………トットムジカはこの部屋に封印されていたんだ。封じたのは私ではないが、幾重にも重ねて厳重に封じられていたはずだ。
これだけ防音もしっかりしている部屋ならば、万に一つも無いだろうとたかを括っていた私が愚かだった……」
「ここに……」
だだっ広くて薄暗くて、ろうそくの火がないと足元もまともに見えない。
雰囲気も相まって、1人で入ってしまったらすごく寂しくなりそうな部屋だった。
「……あそこだ。トットムジカの楽譜はあそこに再び封じてある」
「…………あ」
ゴードンさんは地下室の最奥に置かれた透明な箱を指差した。
何重にも厳重に封をされ、仮にひとりでに動いたとしても出られるとは思えないような古ぼけた楽譜がそこにあった。 - 129123/01/22(日) 22:51:15
「もう2度と見ることも無いと思っていたが、こんなに早くまた見ることになるとはな……
……あの日君が歌ったのは、この楽譜だっただろう?」
「………………」
あの日突然わたしの前に現れて、何もかも全てを狂わせた元凶。
ただの薄汚れた古い楽譜だと思ったそれが、まさかあんな危ない代物だとは思いもしなかった。
……薄汚れた古い楽譜なのは別に間違ってないと思う。
でも、改めて見ても。
「………………うん。これだった」
とっても、素敵な曲だった。 - 130123/01/22(日) 22:55:25
「…………そうか」
「この楽譜、このままずっとここに置いておくの?」
「……実は、決めかねているんだ。
あれ程の惨劇を齎したこの楽譜、本当なら捨てるなり燃やすなりして処分した方がいいのだろうが……
……たとえどんな厄災を招く楽譜だったとしても、音楽を愛した国の王として、処分に踏み切れない自分がいるんだ……」
「…………そうだよね」
「……だが、これが残っているということを君が知った以上はこのままにしておくわけにもいかない。
卑怯だとは自分でもわかっているが……ウタ、君の判断に委ねたい。君はこの楽譜をどうしたい?」
「……………………」 - 131123/01/22(日) 23:01:30
「君がこのままでいいと言うなら、この楽譜はこのままここに封じておく。もう陽の目を見ることもないだろう。
だがもし、君が処分を望むと言うのならば……すぐに取り出して、今ここで処分しよう」
ゴードンさんの気持ちはわたしにもよくわかる。
どんなに危ない楽譜とは言え、こんな素敵な曲を捨てちゃうなんて、わたしもちょっと躊躇っちゃう。
……でも、このままここに置いておく気にも、わたしはなれなかった。
「……ねえゴードンさん」
「?」
「この楽譜……トットムジカって、いつからあるのかな?」 - 132123/01/22(日) 23:05:35
「いつから?それは……確か詳しくは分かっていなかった筈だ。いつから封印されていたのかすらハッキリとは分かっていない。
だが、相当に古い歴史があることも確かだ。トットムジカについて記されている最古の文献は確か……」
「……そんなに長い間、なんだ……」
「そもそも、トットムジカというものは『寂しい』『認められたい』といったような、【歌を愛する人々の負の感情の集合体】だと言われている。
もしそれが本当ならば、いつか誰かが作ったというわけではなく、人知れずに自然と生み出されたものなのかもしれないな」
「…………そっか」
気が遠くなるほどの時間、ずっと封印されていた楽譜。
ただの楽譜から現れる感情の集合体とやらに、【そんなもの】があるのかは分からないけど……
「…………この楽譜も、寂しかったんじゃないかな」 - 133123/01/22(日) 23:10:34
「何?」
「……1人ぼっちって、すごく辛いんだよ。
シャンクス達が戦ってる時、わたしはずっと船で1人で船番してたの。
さっき言ってた『ウタウタの実』、だっけ?あの力のおかげで寂しさは紛らわせてたけど……
やっぱり、寂しいものは寂しいんだ」
「………………」
「それに、ずっとシャンクス達の船に乗ってたから、歳の近い友達もいなくて……
もちろん、シャンクス達はわたしのことすごく可愛がってくれてたし、今でもシャンクス達のことは大好きだよ?
……だけど、ね」
あの時わたしは取り込まれてたし、意識も記憶も全くなかったし……
もし意思疎通が出来たとしても、『歌ってくれてありがとよ』程度で意にも介されないかもしれないけど……
どうにもわたしは、この楽譜を丸めてポイする気にはなれなかった。 - 134123/01/22(日) 23:12:42
本日はここまで
厄ネタはじっくりと取り除いていこうね - 135二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 23:14:59
やさしすぎるんだよなあ
- 136二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 23:18:02
本当に…この子は……
だからおれは大好きなんだ - 137123/01/22(日) 23:47:56
(今日の分はウタのウタウタの実に対するこの時点での理解度とかムジカ関連とか割と捏造多めだけどその辺はご勘弁を)
- 138二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 07:05:42
保
- 139二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 12:14:35
12年後にはムジカも救われてるんかね
- 140二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 20:05:38
トットムジカ、どうなるんだろ
- 141二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 21:59:05
また明日
- 142二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 03:55:15
ほし
- 143二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 08:29:50
クソ楽譜に慈悲はいらんと思いつつもそれがウタちゃんの決めたことなら支持したい
- 144二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 18:59:31
し
- 145二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 20:59:47
優しさはウタちゃんの大きな魅力の一つだしね
- 146123/01/24(火) 22:40:35
悪ィな ナメてたよ最強寒波
風邪ひかないうちに本日分を - 147123/01/24(火) 22:41:33
「…………」
「……おかしなこと言ってるのは分かってる。
それに、きっとわたしよりもゴードンさんの方が、こんな楽譜もう見たくないって思ってる筈だよね……
……だけど、わたしが歌ったからその怪物が出て来たってことは、わたしが歌わなかったら大丈夫ってことなんじゃないかな……
だったら、別に捨てたり燃やしたりまではしなくてもいいんじゃ……
……あ、いや、もう絶対歌わないのは当然だからね?勝手に動いて出て来たりしても、ちゃんとここに戻すようにするし……
……そ、それにさ?こういうのって、何と言うか……大体燃やしたりした方がロクなことにならなかったりするでしょ?だから……
…………あ」
変なことを言ってしまった言い訳をあれこれ考えていたせいで、わたしはゴードンさんの表情の変化に気が付くことができなかった。
「…………君は……本当に、優しい子なんだな」 - 148123/01/24(火) 22:47:20
「!」
「……………君に委ねると言った手前、もうしわけないんだが……
……少しだけ、時間をくれ」
「あ……」
ゴードンさんはそれきり何も言わなくなってしまった。
……ちょっと、無神経だったかな……
国を滅ぼしたっていう楽譜に、あんな風に庇うようなこと言っちゃったの。
「…………ごめん、なさい」
「………………」
お昼ご飯の時間になっても、日が暮れて暗くなっても、ゴードンさんは何も言ってくれなかった。
でも、怒っているというよりかは……
ずーっと、何かを考え込んでいるみたいだった。 - 149123/01/24(火) 22:52:10
───────────────
「ウタ、少しいいか?」
「?」
次にゴードンさんに話しかけられたのは、晩御飯を食べ終わった後。
さっき渡されたウタウタの実の本を部屋で読んでいた時だった。
「どうしたのゴードンさん?」
「一つ頼みがあるんだ。
少しでいいから、何か歌を歌ってみてくれないか?」
「歌を……?」
唐突な依頼にわたしの頭に?マークが浮かぶ。
さっきまであんなに考え込んでたのに、どういう風の吹き回しなんだろう。
「……何でもいいの?」
「ああ、何でもいい。出来れば君が一番好きな歌を歌ってみてほしい」 - 150123/01/24(火) 22:57:00
「一番好きな歌……」
歌うことそのものが好きだったから、いざそう言われると案外難しい。
でも、パッと浮かんだのは、フーシャ村でも何度か歌っていたあの曲だった。
「……うん、分かった。じゃあ……」
〜 この風は どこからきたのと 〜
〜 問いかけても 空は何も 言わない 〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「……はい。どうだったかな?」
「うむ、ありがとう。やはり素晴らしい歌声だ」
「そ、そうかな……えへへ」
昼間のことで心配だったけど、どうやら怒らせてしまったわけではなかったみたい。
にこやかに褒めてくれたゴードンさんを見て、何だか少し安心できた。 - 151123/01/24(火) 23:01:09
「……でも、どうしたの急に?」
「トットムジカの件だ。君があの楽譜を庇うようなことを言い出したのには驚いたが……
……いや、それはもういい。今歌って貰ったのは、一つ確かめたかったことがあったからだ」
「……?」
「……トットムジカは負の感情の集合体だという話はしたね?
私が心配だったのは、君がその優しさ故にいらぬ心労まで抱え込んでしまうことだ」
「……!」
「エレジアや国民達への罪悪感。真意は分かっているとしても、逢いたい者達に会えないことでどうしても募ってしまう寂しさ。
ルフィ君達のお陰である程度は解消されたとはいえ、君は未だにその感情を拭い切れていないだろう。
……その感情を捨て去れとは言わないし、言うつもりもない。
だが、必要以上に抱え込んでもいけないよ」 - 152123/01/24(火) 23:05:59
「…………」
「トットムジカにすら歩み寄ろうとする君だ。そういった感情を抱いてはいけないと言われても、君にはおそらく難しいだろう。
だが……償いの為だとか、弔いの為だとか……そういう気持ちで歌うようなことは、出来れば避けてほしい。
音楽は、聴いて奏でて楽しむもの。それを自らの戒めのための道具にするようなことは、音楽を愛していた国民達はきっと誰も望んでいない。
君のように、聴いているだけで誰かを幸せにできるような歌声を持つ歌い手なら尚更だ。それを忘れないでくれ」
「……うん」
「……と、いう風な心配をしていたんだが……
先程の歌声を聞く限り、心配はなさそうだな」 - 153123/01/24(火) 23:10:57
「!」
「うむ。今の君ならば、あの楽譜を処分しなくとも大丈夫だろう。ウタの意思を尊重するとしよう」
「……うん、分かった。ありがとうゴードンさん」
「ただ、流石に普段はあの地下室に封じておく形になる。取り扱いを間違えばまた厄災引き起こすことには間違いないからな」
「そうだね」
「それから、あの地下室にあった本は自由に読むといい。音楽に関する本が沢山あるぞ、色々と勉強になるはずだ」
「はーい」
……ホッとする自分と、妙な気分になる自分がいた。
……例えばの話だけどね?
毎日こっそり地下室に行って、毎日わたしの歌を聴かせてあげたりしたら……
……いつかは…………… - 154123/01/24(火) 23:16:17
───────────────
翌日、いよいよ今日から本格的な指導が始まる。
ゴードンさんの指導、どんななんだろう。あの日のちょっとしたアドバイスだけでも全然変わったから、きっとすごいんだろうけど。
「……さて、改めて今日から歌の勉強を始めていこう。よろしく」
「うん!よろしくお願いします!」
「まずは今のウタに関してだが……
船の上での独学だったから仕方ない部分はあるとはいえ、歌の技術に関してはまだまだ荒削りな部分も多い。
だがそれは言い換えれば、大いに伸び代があると言うことだ。きっと磨けば磨くほど、君は輝きを増していく。
歌声に関しては……もう言うまでもないな。以前も言ったが、君の歌声はまさに世界の宝だ。
これほど指導しがいのある金の卵も中々無いだろう、腕がなるな」 - 155123/01/24(火) 23:20:33
「い、いきなりすごい褒めるねゴードンさん……」
「なに、事実を言っただけだ。成長した君の姿が今から待ち遠しいよ」
「わあプレッシャー」
「ハハハ、それを実現するために私がいるんだ。指導に関してはビシバシ行くからな」
「お、お手柔らかに……」
……とは言ったものの、基本的には褒めて伸ばすタイプのゴードンさん。
良かったところは何度でも褒めてくれて、ダメだったところも何がダメだったかを具体的に提示してくれる。
元々歌には自信あったけど、指導される度に自分が上手くなっていくのが分かる。
それを実感するにつれて、歌うこと自体もだんだん前よりも楽しくなってきた。
(……誰かが聞いてくれれば、もっと楽しいんだろうけどなあ……)
半ば存在を忘れかけていた電伝虫がいきなり鳴ったのは、それから半年ぐらい経ったある日のことだった。 - 156123/01/24(火) 23:23:47
本日はここまで…ポロッ
時系列確認のためにルフィの過去編読み返してたけど……
こんな辛かったっけ…… - 157二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 23:34:24
電伝虫の存在を忘れるほどに立ち直れたんだね
もう繋がりに縋りつかなくても前に進めるんだ
それはそうとやっとルフィとの会話だ! - 158二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 00:08:30
残る厄ネタは真実の電伝虫と天竜人襲来ぐらいか
- 159二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 07:18:46
ほしほし
- 160二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 09:44:23
電伝虫鳴った! ルフィかな
- 161二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 17:11:26
あげとこ
- 162123/01/25(水) 22:46:42
また明日
みんな風邪ひくなよ - 163二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 04:13:05
☆
- 164二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 08:22:04
朝の保守
- 165二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 17:44:36
保守
- 166二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 22:06:46
わくわく
- 167123/01/26(木) 22:21:34
「暖かくして寝ないと、風邪引くんだってよ!」
「そうか、だから頭が痛ェのか」
本日の分をどうぞ - 168123/01/26(木) 22:21:58
プルプルプルプル
プルプルプルプル
「……? あれ、電伝虫が鳴ってる……?マキノさんかな?」
ガチャ
「もしもーし」
『あ、よかった繋がったわ。ウタちゃん久しぶりね、元気にしてた?』
「マキノさんも久しぶりだね。うん、こっちは順調かな。
今日はどうしたの?マキノさんの方から連絡くれるのも随分久しぶりだけど……」
『ちょっと待ってて、代わるわね』
「代わる?」
『ウター!!元気かー!?』 - 169123/01/26(木) 22:25:52
「……え?」
電伝虫は忘れても、その声を忘れたことなんて一度もなかった。
その元気な声を聞くだけで、あの朗らかな笑顔が頭に浮かぶ。
「……もしかして……ルフィ!?」
『おう!!おれだ!!久しぶりだなー!!』
ニシシと笑うその声が、どん底だったあの時のわたしをどれだけ救ってくれたことか。
自分ではもう割り切ったつもりだったけど、こうして声を聞いてしまえば我慢できるはずもなかった。
「あ……ああ……
うわああああ!!ルフィー!!」 - 170123/01/26(木) 22:30:26
『うおっ』
「ルフィ!?ルフィなんだよね!!本物なんだよね!?」
『何言ってんだ、おれはおれだぞ』
「よかったぁ……山に連れていかれたって聞いてたから、わたしてっきりもう……!」
『縁起でもないこと言うなよ!おれなら全然元気だ!』
「元気ならいいけど!!どれだけ心配したと思ってるのよバカ!!ほんとに寂しかったんだからあ!!」
『い、いやでも、おれじいちゃんに無理やり連れてこられて……』
「うるさい!!しらない!!わたしを寂しがらせるルフィなんてしらない!!バカ!!」
『ええ……』 - 171123/01/26(木) 22:34:24
──────────────
『────!!〜〜〜〜っっ!!』
「ご、ごめんなウタ、でもこれでおれ怒られるの何か納得いかねェぞ……」
「……誰と喋ってんだ?ルフィのやつ」
「そうねえ……ガールフレンドってやつかしら。ルフィがまだフーシャ村にいた頃に仲良くしてた女の子よ」
「ガールフレンドォ?」
「あいついっちょ前にそんなもんいやがんのか?他に頼りはいねェって言ってたのによ」
「今はその子も別の島にいるのよ。その子もその島で自分の夢に向かって……」
「な、なあマキノ……どうすりゃいい……?」
「あら?どうしたのルフィ?」
「いや、向こうでウタが大泣きしちまって全然喋れねーんだよ……」
「あらあら、よっぽど寂しかったみたいね」 - 172123/01/26(木) 22:39:10
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『……うん。ごめん、もう大丈夫。
でも急にどうしたの?フーシャ村に帰れたの?』
「いや、マキノがじいちゃんに内緒でこっそり来てくれてよ。そんで電伝虫も持って来てくれたんだ」
『そうなんだ……大変なんだねルフィも……』
オーイルフィー
オンナナカスナヨー
スミニオケネェナァ
『……後ろ騒がしくない?』
「あ、そうだ!おれ兄ちゃんができたんだよ!2人も!」
『……お兄ちゃんが……できた?兄弟って後からできるもんなの?』
「盃を交わしたんだ!知ってるかウタ?盃を交わすと兄弟になれるんだ!
いつかみんな海賊になるんだ!同じ船に乗れるかは分からねェけど、約束なんだ!」
『へえ〜、海賊流ってやつ?いいじゃない、わたしにも今度紹介してよ』
「おう!」 - 173二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 22:42:21
- 174123/01/26(木) 22:42:42
──────────────
『次はいつ帰ってくるんだ?またウタに会いてェな!』
「もー、そんな簡単に言わないでよ。わたしだって寂しいの我慢してるんだから……
それにフーシャ村に帰ったとしてもわたしそんな山の中行けないわよ」
『そっか……』
「ま、その分また会えた時の嬉しさも増すってものでしょ!次に会う時を楽しみにしてなさいよね!」
『おう!おれだって負けねェからな!
あ、じゃあマキノに代わるよ!』
「うん!」
『もしもし、代わったわ。久しぶりのルフィはどうだった?』
「まあ、相変わらずだったわ。わたしは全然泣いたりとかしてない……」
『……うふふ。ウタちゃんの泣き声、こっちまで聞こえてたけど?』
「………………いじわる」 - 175123/01/26(木) 22:47:13
『私も内緒で来てるんだけど、この山は時々ガープさんも覗きに来るのよ。
もしこの電伝虫が見つかって没収されたらいけないから、また私が持って帰ることになるけど……』
「それならしょうがないよ。これ以上ルフィお預けは正直キツいし……
またマキノさんが持って来てくれるなら、わたしも我慢するね」
『ふふ、分かったわ。それじゃあね、最後にもう一回ルフィに代わるわ』
『そんじゃーなウタ!歌の練習頑張れよ!』
「そっちこそ!ルフィも頑張りなさいよー!」
ガチャ
「………………
……えへ、えへへ……」 - 176二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 22:48:14
繋がりがあるって、素晴らしいな…
- 177二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 22:48:24
微笑ましいなぁ
- 178二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 22:50:31
声が聞けるだけでも得られる安心感は大きいよね
- 179二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 22:52:38
なんとか例の事件前に会えるだろうか…
- 180123/01/26(木) 22:53:05
口角が上がるのを抑えられない。今なら一曲作れそう。
電伝虫を通して話しただけでこんなに幸せになれるなんて。我ながら単純だ。
「……はっ、いけない」
ずいぶん長く話し込んでしまった。
ゴードンさんと先に約束していた時間までもうあと少ししかない。
──────────────
「ごめんなさいゴードンさん!フーシャ村から電伝虫が……
……あれ?」
慌てて約束の場所に行ったら肝心のゴードンさんがいなかった。
どこに行ったんだろう? - 181123/01/26(木) 22:57:45
「ゴードンさーん……?
……あ、いた」
食堂で見つけたゴードンさんは何やらうんうん唸ってた。
わたしの部屋からはだいぶ離れてるから、さっきの大泣きは多分聞かれてない。そこは一安心。
「何してるの?」
「……ん?ああ、ウタか。もうすぐ約束の時間だったな、すまない。
いや何、君のこれからの事で少し悩んでいてね……」
「……え?」
……わたしの、こと? - 182123/01/26(木) 23:04:34
- 183二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 01:41:29
- 184二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 01:42:45
ルフィ元気そうだな
原作からして伸び伸び生きてたけど - 185二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 08:38:17
好きな子と電話するのってマジでドキドキするよね
めっちゃニヤついてしまったわ - 186二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 12:14:49
楽しみ
- 187二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 20:34:44
あげとこ
- 188123/01/27(金) 23:42:08
また明日このスレちょっとだけ書いて次スレ建てます
- 189二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 07:01:39
☆
- 190123/01/28(土) 13:09:19
言ってたようにちょっとだけ
- 191123/01/28(土) 13:09:46
「ご、ごめんなさい、わたし何かダメだった……?」
「あ、い、いやいやいや違う!待ってくれ、誤解を招くようなことを言って悪かった。
むしろ嬉しい悲鳴というか……とにかく悪い方向の悩みではないんだ」
「そ、そっか……じゃあどうして?」
「うむ。君は素質も勿論だが、吸収する能力も高いようだ。このまま行けば、私が教えられることを全て教え終わるまでにそう時間はかからない。
能力の制御の方はまだ時間がかかるかもしれないが……これはもう少し根気強くやっていこう。
ウタウタの実の能力は、例えトットムジカが無くとも使い方を誤れば危険な力だ。君に悪気が無くともその力を恐れる者もきっといる」
「………………」
「とはいえ、今の君なら心配は不要だろう。
今のように前向きに頑張っていれば、いずれはその能力もパフォーマンスに活かせるようになるはずだ。
となれば、次に必要になってくるのは実践の場だ」 - 192123/01/28(土) 13:15:01
「実践の場……」
「いくらその歌声を磨き上げても、届ける相手がいなければ宝の持ち腐れになってしまう。
君のように世界一を目指しているならば尚更だ。いずれは君の歌声を世界に向けて発信していく必要がある」
「なるほど……確かにそうね」
「悩んでいたのはその方法についてだ。いつまでも練習だけしているというわけにもいかない。
まだ先の話とはいえ、何か方法を考えなければ。どうするか……」
そこまで言ってゴードンさんは考え込みながらウロウロと食堂を歩き回り始めた。
まだ気が早いような気もするけど、それだけちゃんと考えてくれてるんだ。
「他の島に歌を届ける方法とかは無いの?例えば、変わった電伝虫とか……」
「ううむ、そんなものがあればいいんだが……生憎エレジアには一般的な種と通常の映像電伝虫しかいない。
それもエレジアの崩壊で殆ど残っていなかった。恐らくは生き残った個体も野生に帰ってしまったのだろう」 - 193123/01/28(土) 13:19:46
「そっか……」
「だが確かに、エレジアの外に活動の幅を広げることは不可欠だ。映像を届ける方法を考えるのもいいが……
ウタが能力を制御できるようになれば、他の島に行って活動することも視野に入れてみようか。
この辺りの国々ならば、私が国王だった時の伝手が生きていれば話をつけることもできる。
それに映像を否定するわけではないが……直接歌声を届けてあげた方が、きっと皆の心にも響くはずだ」
「確かにそうだね……でもまあ、わたしがまだまだ練習の日々ってのには変わりはないか。
よーし!ますますやる気出てきた!今日はいいことあったし、ゴードンさん!今日は約束の……」
「………………」
「……ゴードンさん?」
「…………ああ、すまない。何、私も頑張らねばと思ってな」
「そっか。じゃあ一緒に頑張ろうね!」 - 194123/01/28(土) 13:23:50
それからも毎日練習の日々だった。
もちろん大変だったけど、その辺はゴードンさんが上手いこと体調管理とかしてくれて、無理をしすぎて体を壊すようなことはなかった。
この人に教えてもらえるのはもしかすると凄く幸運なことなのかもしれない。
教わることになった経緯は……あんまり思い出したくはないけど。
だけどそのゴードンさん、最近わたしに隠れて遅くまで何かをしているみたい。
前に夜中に目が覚めてしまった時、ゴードンさんの部屋の明かりがついてたから覗いてみたら、必死に何かの本を読み耽っていた。
それから、商船が来た時にも船員さんと何かを話し込んでいた。何かメモを取っていたようにも……
何をしてるのか一度聞いてみたけど、はぐらかされて終わってしまった。今更ゴードンさんがわたしを裏切るようなことは無いと思いたいけど……
……その謎が解けたのはわたしが11歳になってから。
わたしに内緒で航海術を勉強していたゴードンさんが、こっそり用意していた船でフーシャ村まで連れて行ってくれた時だった。 - 195123/01/28(土) 13:25:19
どうもおれはゴードンさんを信用し過ぎている節がある
じゃあおれフィナーレ大宴見に行くから……
(次スレは今夜or明日) - 196二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 13:25:54
ゴードンさんいい人すぎる…
いってらっしゃい - 197二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 13:39:36
保守
- 198二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 19:44:00
ほ
- 199二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 22:18:47
続きが楽しみだ
- 200123/01/28(土) 22:42:18