- 1二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 01:02:15
でも焼けた脳が冷めないので書きました
──皐月賞を断念し、取り敢えずオープン入りを目指すシュヴァルグラン──
怪我で休養したこともあり、皐月賞は諦めることとなったシュヴァルグラン
幸いにも容態は悪化もせず、回復していた
したがって次はダービーを目指したい──のだが
(*^○^*)「ひょっとして・・・」
(?)
(*^○^*)「足りないんだ・・・」
「?」
(*^○^*)「ダービーに出るためには時間と実績が足りないんだ!」
「ああ・・・うん。」
(今気付いたんだ・・・)
(*^○^*)「開幕戦どころじゃないんだ!グランに似合う晴れ舞台が遠のいちゃうんだ!」
(僕が怪我をしてから、いつもの(*^○^*)顔が、たまに真面目な顔をすることが増えたなとは思ってたけど)
横浜の春期キャンプが終わり、ポジ成分は十分に補充できていた筈の(*^○^*)が珍しい顔をしていたのだから、てっきり次のレースの事を考えてたのかと思っていたが違ったようだ
(なに考えてたんだろう)
(*^○^*)「うーん青葉賞に行くんだ?でも適性が有るからって流石に初めて挑戦する長い距離を病み上がりでやるのは同じ轍を踏むことになるんだ・・・かといって今のままの路線で行くなら近い重賞レースは──フラワーカップか毎日杯なんだ・・・毎日杯なら2回経験済みの阪神だけど、うーんどっちも1800m・・・これだと──」 - 2二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 01:03:06
ふと(*^○^*)がこちらを見る
恐らく自分に気を使ったのだろう──
(僕が姉と比べられるのがイヤだと思っているから)
自分と(*^○^*)がずっと2000mのレースを走り続けて
いるのも、三冠を目指しているのも、元々はマイルで、トリプルティアラで実績を残している姉と比較されることを自分が嫌がっていたからだ。
だから(*^○^*)は1800m──マイルに区分されるレースをためらっているのだろう。
しかし──
(今の僕なら──)
「トレーナーさん、僕は毎日杯を走りたいです」
(大丈夫)
(*^○^*)「!」
初勝利の後に勢いのまま挑んだエリカ賞。これは姉が勝ったことの有るレースで有ったが、初勝利後の熱に浮かされていたのか、(*^○^*)のポジティブさが移っていたのか、絶対に勝てると思い挑んだが──
結果は善戦止まりの3位だった。当然観客や周囲から姉と比較されて色々と言われたが、思ったことは
(悔しい)
ただそれだけであった
今までの自分ならきっと、自分が惨めで、周りが怖くて、耳を塞いで目を背けていたかもしれない
しかしながら今の自分には、そう言われても、それを受け止めて感じた悔しさをバネにする──その芯になるような物ができたのかも知れない - 3二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 01:03:40
だからこそ、挑戦してみたい
「トレーナーさんの教えてくれた僕の適性からは逆の方向になるけれど・・・それでも一度でも良いから挑戦したいんです。マイルに──姉さんに!」
(*^○^*)「!」
(*^○^*)「もちろんなんだ!グランがやりたいならそれで行くんだ!」
(*^○^*)「でも気を付けるんだ、さっきも口に出ちゃったけど、グランは怪我明けなんだ!距離が短くなったからって楽になる訳じゃないんだ!走り慣れてる阪神でも油断は禁物なんだ!逆に走り慣れてるからこそ、もしも走っていて違和感をおぼえたならすぐに勝ちに行くことをやめるんだ!約束なんだ!!」
「はい、わかりました。約束します。・・・でもトレーナーさんが勝ちに行くのを諦めろって言うのは・・・なんだか不思議ですね」
いつもなら恐らく
((*^○^*)『グランならマイルになっても余裕なんだ!』)
くらいは言いそうなものだが
(*^○^*)「・・・犯したミスを無かったことには出来ないんだ」 - 4二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 01:04:24
(*^○^*)が小さく、呟くように言った
いつもの能天気な顔が少し落ち込んだ様に見える
「・・・ミス?」
自分が知らない間に何かをしてしまったのだろうか
(*^○^*)「グランが怪我をしてしまったのは、ボクがちゃんとグランの練習量やレースを調整できていなかったからなんだ」
(!)
自分の怪我はトレーナーである(*^○^*)の責任だと(*^○^*)はずっと自身を責めていたのだろうか
「でも、それは僕が無理をしていたせいで──」
(*^○^*)「グランは本当に凄いんだ。他の誰よりも頑張り屋さんなんだ。だから他の子達よりも努力しちゃうのも解ってたんだ。だからボクがブレーキを掛けて挙げないと行けなかったんだ。」
(*^○^*)が遮る様に続ける
(*^○^*)「でもボクはグランを止めなかったんだ、そして君に怪我をさせてしまった。あの跛行が無かったらグラン自身の選択肢だってもっと増えてた筈なんだ」
(*^○^*)「今回は1ヶ月程度で済んだけど、次はどうかなんて分からないんだ、だからこそ同じミスは繰り返さないんだ」
(*^○^*)「ボクは君を全力で応援するんだ。それは変わらないんだ。でもそれだけじゃダメなんだ。だからボクは君の為にできること、やるべき事を考えたんだ。それは君の為に君を止める事なんだ!」
(*^○^*)「頑張り屋さんのグランが頑張りすぎない様に、ボクが止める。それがボクの反省点とそれに対するアプローチの仕方なんだ!」 - 5二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 01:05:37
(ああ──)
(*^○^*)「まだまだ未熟でごめんなさいなんだ!でもグランのトレーナーとしてやれる事はなんでも、やってみせるんだ!例え君に嫌われても!止めなければダメなところは絶対に止めるんだ!」
(この人?は)
((*^○^*)『もしもレース外の所に有るならそれはボクが必ず見つけて克服できるようにするんだ!それがボクの伸び代なんだ!!だから次こそ二人で勝とう!!!トゥモローイズアナザーデイなんだ!!!』)
(本当に"二人"で勝とうとしているんだ)
だから──
「うん、トレーナーわかったよ──絶対に無理はしない。もう一度約束する。」
(*^○^*)「!」
(*^○^*)「ありがとうなんだ!わがまま言ってごめんなさいなんだ!」
(ありがとう・・・か)
「ねえ、トレーナー」
(*^○^*)「?」
「一緒に、うん、一緒に頑張ろうね」
(*^○^*)「もちろんなんだ!一緒に頑張るんだ!・・・無理しない程度に!」
「うん、そうだね無理しない程度に」
少し照れ臭いけど、自分はクスクスと、彼はいつも通り朗らかに、笑い会う
3月末の桜は見ずに終わるかもしれないが、自分達の花がいつか咲くことを今はただ期待したい── - 6二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 01:06:49
多分何度落ちても勝手にスレ立ててかきます
- 7二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 01:09:40
ありがたい助かる
星の球団のファンだからというのもあるけどこのポジハメくんトレーナーSS大好き - 8(*^○^*)23/01/25(水) 01:10:32
良いSSをありがとうなんだ!応援するんだ!
- 9二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 01:11:52
- 10二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 01:14:30
- 11二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 10:24:36
あにまんにもこんな保守が要るんだ!
- 12二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 12:14:01
1ですが、自分が建てたのでssスレみたいになりますが、元スレみたいに皆の妄想とか概念でワチャワチャしてても全然構いません
逆に特に無ければ昨晩書いた通り落ちても書けた分を勝手にスレ立てて投下するので無理に保守されなくても大丈夫です(スレタイはこのスレタイに数字増やしていきます) - 13二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:35:02
シュヴァルグランとポジちゃんを絡ませる創作を待ってた自分にとってはかなりの良スレ
- 14二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:40:19
- 15二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 23:27:42
(*^○^*)の顔が微妙にゲシュタルト崩壊起こしてる気がしながら書きました
──ダービー出場を目指し、初めてのマイルに挑むシュヴァルグラン──
全国的にも桜が咲いて──或いは散りだす季節。阪神レース場には一花が咲くときを待ちわびる(*^○^*)と少しだけシュヴァルグラン姿が有った
(*^○^*)「今日はポカポカいい天気なんだ!グランの重賞初制覇日和なんだ!」
「はい、そうですね。」
暑くても寒くても、きっと言うことは変わらないであろう、春の陽気に負けないくらいポワポワしているトレーナーの発言に微笑みながら返す。
初めて挑むマイルのレース、それも姉のデビュー戦と同じ1800m、少しも意識しないかというと、それは嘘になる。ただし──
(もっと怖いものだと思ってた)
デビュー前までの自分が思ってたよりも、落ち着いた気持ちでこの時を迎える事ができた
それは、目の前にいる緊張感とはまるで無縁のような笑顔を見ていることも有るだろうが、やはり自分自身の心の持ち様が変わったことも大きいのだろう
既にエリカ賞で姉と同じ舞台を経験しているというのも大きい。今の自分はきっと多少の敗北も、ある程度の揶揄も気にせずに前に進めるはず──
(負けても、それが終わりじゃない──)
それを糧に一歩進む方法を考えればいい
(ヤケになることもない──)
自分が無理をしてもブレーキをかけてくれる、失敗しても一緒に悩んで成長していける人?がいるから
しかし、だからこそどうしても今言っておきたかったことを伝える必要がある - 16二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 23:28:36
「トレーナーさん」
(*^○^*)「どうしたんだ?」
「僕のわがままを聞いてくれてありがとうございます」
(*^○^*)「こんなのわがままなんかじゃないんだ!気にすることないんだ!」
「いえ、自分でもわかってます。僕にはこの距離は短いんだって」
(*^○^*)が少しだけ困ったような顔をした
「──でも、これは僕の中でどうしてもつけておきたかったケジメ、なんです」
(*^○^*)「ケジメ?」
「はい、トレーナーさんも知ってる通り、僕が最初から中距離を選んだ理由は、マイラーとして評価されている姉さんと比較されることが嫌だったからです」
自分の道を行く、といえば聞こえは良いかもしれないが、──結局のところは逃げていたに過ぎない
「姉さんも中距離路線で頑張ったけど、勝ちきれないレースが多かった。だからそこなら僕が勝てなくても、そんなに比較されないって──そんな理由だったんです」
(*^○^*)「グラン・・・」
──しかしながら結局逃げた先でも、待っていたのはやはり姉との比較、更には父の名の重圧、そして将来を期待されている妹の存在に突き上げられる焦燥感だった
「僕は怖かったんです。周りが、家族が、失望されることが、・・・負けることがただ怖いだけだった」
少しだけ声が震えてしまう。今でもその頃の事を思い出すと、同時に孤独感と恐怖心が同時に襲ってくる──それでも - 17二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 23:29:05
「でも、今はそれだけじゃない。負けても、終わりじゃないから。負けても、僕は強くなれるって知ったから。僕を強くしてくれる・・・トレーナーさんがいてくれるから。」
(*^○^*)「・・・」
「だから、トレーナーさん。ここで──姉の始まりだった1800mのマイルのレースで、僕が逃げてきた事へのケジメを付けたいんです。そして──」
「その結果がどうなっても、これ以下のレースはもう、二度と走りません」
(*^○^*)「!・・・それって──」
「はい。僕はこれから先、中距離、2000m以上を、特にトレーナーが教えてくれた適性の2400m以上を主戦場にしたいと思います。」
(*^○^*)「・・・」
(*^○^*)にそれが適性だと言われた時はまだ朧気だったその道が、かつては逃げ道でしかなかった、その道が、今は──
「──僕は、勝ちたいです」
(姉さんやヴィブロスと違う道だから選ぶんじゃない──)
「僕が、シュヴァルグランだから──レースに、周りの評価に、この名前に、自分に、負けない!勝ちたい!勝つために、この道を進みたいんです!」
自分が輝くための道なんだと確信していた
そんな、思わず気圧されそうになる程の、担当の熱い思いを受けて、(*^○^*)がゆっくりと口を開く - 18二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 23:29:44
(*^○^*)「・・・グランは本当に凄いんだ」
(*^○^*)「自分の長所も短所も、ちゃんと受け入れて前に進むのって本当に難しいことなんだ。」
(*^○^*)「ホントは自分の弱さなんて認めたくないんだ。それが無くなる保証なんて、どこにもないから」
もしも周りからの言葉が、自分が抱く恐怖が、より強く、より具体的になったなら──
(*^○^*)「強さを頼りにするのも怖いんだ。それが通じなくなった時、何にすがればいいかわからないから」
もしも自分の選んだ道で望む結果を得られなかったら──
どうあがいても得られないんだって、そう思ってしまったら、その時はきっと──
(*^○^*)「グランは、それでもその道を行くんだ?」
(*^○^*)がそう尋ねてくる。きっと彼も、自分の答えは解っているんだろう。それでも彼は自分に今の道をそのまま選んでも──逃げても良いんだと示してくれている。そして彼はその道を選んだとしても、きっと何も変わらずに自分を見守り続けてくれるだろう──けれども
首を横に振る
「トレーナー、僕は勝ちたい」
「何度だって言うよ、例え何度負けたって。僕は勝ちたいって何度でも、何度でも」
「僕は、トレーナーと一緒に勝ちたいんだ」
(*^○^*)「!」
(*^○^*)「・・・わかったんだ!ならボクも!例えグランが何回勝っても負けても、しつこいって言われても!勝てるって!グランは凄いんだ!って、レース史上最も偉大なウマ娘だって、鳴り物使って叫び続けてやるんだ!!僕はグランのファンだから!!!」
(*^○^*)「だからグラン、一緒に勝とう!VICTORY is within US. なんだ!」 - 19二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 23:30:39
「うん!約束だよ?トレーナー」
(*^○^*)「あ、約束で思い出したんだ」
きっとこの前の約束のことだろう──
(*^○^*)「グラン、今日は──」
「大丈夫だよ。ちょっと興奮してるけど、無理はしないし──それに危なかったら、僕に嫌われてでも止めてくれる人がいるんだから──だよね?」
心配なんてしていない。信頼してくれて、信頼できる人?が見守ってくれているから──
(*^○^*)「もちろんなんだ!海賊船ハマスタ号に乗った気でいるんだ!」
やっぱり少し心配になってきた──
──そろそろ出走だ
季節の移ろいと共に自分の心が変わり、自分の進む道もかわる。──そして自分と(*^○^*)の関係も少しずつ変わってきている。それはこのレースとウイニングライブが終わった後にもきっとまた、少し変わっているのだろう
(それでもきっと変わらない物もあるんだよね)
そうこの──
「行ってきます。僕の走り見ててね、トレーナー」
(*^○^*)「もちろんなんだ!行ってらっしゃいなんだ!!」
いつものやり取りのように、例え桜が散って景色が変わっても、変わらずに、自分を支えてくれるものがある──そう思うだけで、まるで入学式に向かう子供の様な足取りで、レースへと向かう── - 20二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 23:33:11
こんだけ長々と書いてまだ史実の5分の1すらレース走ってないらしいです。不思議ですね
- 21二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 23:36:19
胸のデカい僕っ子としか知らなかったけど苦労してんのねこの子
- 22二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 23:53:47
まあウマ娘のシュヴァルグランは実際そのくらいの情報だけでこことかで見る概念やネタやSSは史実や野球ネタばっかりだから当たり前といえば当たり前なんだ