- 1GM◆tm7Yjj4q2A23/02/04(土) 18:34:27
ここは「ここだけダンジョンがある世界の掲示板」の番外編みたいなスレです。
書き込みの方針は以下を踏襲します。
何もなし→メタ会話
「」→セリフ
()→心情など
【】→状況描写
〈イベント名〉「真価少年零ノ章」
〈時間〉2月4日 19時から(複数日続く可能性アリ)
〈依頼者〉劇団パラノイア一同
〈報酬〉【高額】
〈概要〉『千両侍』の捜索及び異変の解決
〈難易度〉高め。下級冒険者は上級・中級の者と一時的にパーティを組むことを推奨する
〈概要〉
突然劇団パラノイアメンバーに襲いかかり、冒険者に取り押さえられるも消息を絶った「千両侍」こと徒花 藤三郎。明らかに普段と違い異常な言動を見せた彼を心配した劇団員達は冒険者達に藤三郎の捜索を依頼するが…
※バトル要素ありのシリアスイベですが、キモとなるバトルは和解or拘束でも勝利できますので頑張れば非戦闘キャラでもいけると思います
※俗に言う「もう1人の自分」とのバトル描写がありますのでご了承ください
※ちょっとだけグロ要素あり&黒幕以外のキャラロストはありませんがルートによってはこちらのキャラのひとりが欠損する可能性ありです - 2GM◆tm7Yjj4q2A23/02/04(土) 18:40:26
簡単な解説
【劇団パラノイア】
900年以上の歴史を誇る大陸最大規模の大劇団
その歴史とクオリティ故にファンが多いが厄ネタもまあまあ多い
【千両侍藤三郎シリーズ】
劇団パラノイアによる大人気オムニバス形式演劇シリーズ。脚本家は劇団パラノイア9代目団長、光騰陰 痣春氏であり、本作を完結させた後に病気により永眠している
【あらすじ】
時は300年前、極東の一文ノ里と呼ばれる地にて奇妙な侍「徒花 藤三郎」が放浪していた
「精算刀」「御祓刀」と呼ばれる二つの妖刀を使う彼は、時折度の道中で出会った者にとっての有益なる宝を守るために戦ったり戦わなかったりする
そんな藤三郎を周囲を巡る涙ありバトルありの時代劇…と言った感じ
主演の藤三郎役は10代目団長デーモン・スパルータ氏が担当し、その揺るぎない演技力や時には笑い、時には泣かせる脚本のクオリティの高さから今も尚多くのファンを持っている
【小屋先生】
劇団パラノイア10代目団長にして現演劇指導教官、デーモン・スパルータ氏のあだ名
千両侍藤三郎の主演を筆頭に様々な役をこなし一躍人気を博した元舞台役者であり、性格は頑固だが面倒見が良い
今は色々あって種族が鬼人から変わっているのだが面倒なので省略
【光騰陰 痣春】
劇団パラノイア9代目団長にして千両侍シリーズの脚本家。既に故人
ファンの考察や思想を大事にするタイプだった為、作中でもあえて藤三郎の正体をはっきり書くことは無かったそうだ
【「藤三郎」】
突然現れた徒花藤三郎を名乗る少年
その顔つきは小屋先生の若い頃によく似ており、語る言動もまさに藤三郎のそれであった為正体は分からずじまいのまま劇団に保護されていた
どうやら所有していた刀が多くの恨みつらみや力を込めて作られた呪いそのものとでも言うべき呪物だったらしい - 3GM◆tm7Yjj4q2A23/02/04(土) 18:40:42
19時から開始予定です
- 4GM◆tm7Yjj4q2A23/02/04(土) 18:47:12
今回はメインとなるのはもう1人の自分との戦闘ですのでそれ以外の戦闘は1ターンで終わる予定です。そちらもご了承ください
- 5魔法少女Nemesis23/02/04(土) 18:47:32
- 6水使い23/02/04(土) 18:47:58
立て乙です!!!
ドキドキしてきた - 7保険のハルサキ◆PE/kpaaw1s23/02/04(土) 18:49:40
立て乙です
仕事をしに来ました - 8ハイイロ23/02/04(土) 18:50:23
立て乙です
深刻なダメージは眠れる村人が肩代わりする関係上やばくなるとハイイロさんは撤退を選びます
1ターンで終わるなら大丈夫だと思うけど - 9GM◆tm7Yjj4q2A23/02/04(土) 18:52:45
転移門はありますので撤退及び途中参加は可能です
- 10重鎧剛蛇◆IRjp04k5N.23/02/04(土) 18:54:04
立て乙です!
参加します! - 11ごちゃ混ぜ少女23/02/04(土) 18:54:20
立て乙です!
参加希望です - 12報恩の両手剣使い23/02/04(土) 18:54:42
たて乙です!
参加希望です! - 13"鋼鉄人"23/02/04(土) 18:55:37
たて乙でぇす!
- 14撃剣使い◆gt1ganT7To23/02/04(土) 18:56:47
立て乙です
理想の自分の解釈にまだ迷っている…展開次第だけど多分和解ルートになるかなあ - 15内気な極東以下略改め〈自在剣〉23/02/04(土) 19:00:27
参加します!…けど自分も理想の自分の解釈に迷っている…!上手く描写出来るかどうか…
- 16GM◆tm7Yjj4q2A23/02/04(土) 19:01:41
元はギャグで生やした小屋おじさんがなんかおいたわしくなって遂にイベントのキーパーソンになってしまいました
絶対許さねえからなこの木造建築物野郎
というわけで早速開演です!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【…冒険者達は、今回の案内人であり依頼主の男に言われるまま入り組んだ森の中を進んでいた】
【一時的な人化薬を使用した影響により、まるで子供向けの変身ヒーローのように鋼鉄の甲冑に身を包んだ姿となっている男は、スクロールの微かな反応を元に先陣を切って怖気もつかず歩みを止めない】
「…藤三郎の奴はここから先に逃げたようだな。全く、面倒なところに行きやがって…」
【彼らが探しているのは、下級冒険者であり、多くの素性が謎に包まれている少年「徒花藤三郎」】
【彼は数刻前、突然彼を引取り保護していた劇団員を襲い、冒険者に一時的に取り押さえられるも、逃走し行方をくらましていた】
【恐らく、スクロールの反応的に彼はこの奥にいるのだが、それに呼応するように嫌な予感も刻々と近づいている。ただ、このまま彼を追いかけず放置した方がよりおぞましい事態になるだろうと、依頼主の男が直感していたその時だった】
「…………!」
【木々の奥に隠れ分かりづらかったが、奥に廃墟のようなものが見えた。】
【恐らくこの先に少年がいるのだろう。一行よ、ここから先に進むのであれば、たんと用心することだ】 - 17重鎧剛蛇◆IRjp04k5N.23/02/04(土) 19:02:28
理想の自分…めちゃくちゃ強いか非戦闘員になります…
- 18星拳魔法少女23/02/04(土) 19:03:14
※立て乙です、そして参加させて頂きたく!
……ただ割とすぐに一時離脱しそうな予感もします…… - 19撃剣使い◆gt1ganT7To23/02/04(土) 19:05:57
- 20水使い23/02/04(土) 19:06:05
- 21報恩の両手剣使い23/02/04(土) 19:07:10
「森の中に隠された廃墟か…こんな状況でなければワクワクしたのだがな…」
- 22ハイイロ23/02/04(土) 19:07:12
- 23内気な極東以下略改め〈自在剣〉23/02/04(土) 19:07:24
- 24"鋼鉄人"23/02/04(土) 19:07:46
【彼は畏れない】
【その歩みを少したりとも緩めることもない】
【助けを求めるものがいるのならば、何処へだって、誰よりも早く駆けつけるだけだ】
【それが──彼の信ずるヒーローというものなのだから】
【故に、迷うこと無く……廃墟の中に足を踏み入れた】 - 25撃剣使い◆gt1ganT7To23/02/04(土) 19:07:47
- 26重鎧剛蛇◆IRjp04k5N.23/02/04(土) 19:07:56
- 27魔法少女Nemesis23/02/04(土) 19:09:50
- 28黒眼鏡23/02/04(土) 19:10:21
- 29奪還の保険屋◆PE/kpaaw1s23/02/04(土) 19:10:24
「さて……この場所は冒険者以外立ち入り禁止かしら? そうだったとしても気にせず入るけどね」【黒いドレスに身を包んだ麗人が別の場所から転移して来た。腰のベルトにはレイピアと拳銃を提げている】
「株式会社、保険のハルサキ。契約に基づいて、財産への問題を解決します」
「周囲にトラップの類は……まだ把握しきれないわね。そもそもあの廃墟に何人いるか、向こう側に敵意はあるか……」【考え込みつつ物陰から観察】
- 3030代目23/02/04(土) 19:11:28
- 31水使い23/02/04(土) 19:11:43
- 32ごちゃ混ぜ少女23/02/04(土) 19:11:45
【少女は、件の藤三郎との関わりはほとんどない】
【数日前に知り合って、それっきり特に進展があった訳でもない】
「……せん」
【けれど、助けに行く事に躊躇いはなかった】
【少女は確かな人の姿で、歩みをすすめた】 - 33内気な極東以下略改め〈自在剣〉23/02/04(土) 19:14:28
- 34ハイイロ23/02/04(土) 19:15:28
- 35GM◆tm7Yjj4q2A23/02/04(土) 19:15:56
小「…反応はこの奥にある。行くぞ」
【一行は廃墟の扉を開ける】
【廃墟の中は何かしらの研究施設となっていたようで、朽ち果ててはいるがつい先程まで人が使っていた功績が見える】
【床には時折本が落ちており、それらは魔導書、または劇団パラノイアの演劇「千両侍藤三郎」の脚本が大半だった】
小「………」
【男がふと足元に転がっていた脚本を一冊手に取った。かつて自らが主演を務めた作品だからこそ、なにか思うところがあるのだろう】
【やや埃っぽい通路の奥には、地下階段の入口が見えた】
【……その奥からは、血と死と、微かな薬の匂いと、嫌な予感かより色濃く感じ取れた】
- 36重鎧剛蛇◆IRjp04k5N.23/02/04(土) 19:16:17
- 37黒眼鏡23/02/04(土) 19:17:42
- 3830代目23/02/04(土) 19:18:51
- 39ハイイロ23/02/04(土) 19:19:15
- 40内気な極東以下略改め〈自在剣〉23/02/04(土) 19:19:40
- 4130代目23/02/04(土) 19:20:21
(本物の台本なのだろうか…。それを気にする暇もないな。)
- 42偏執劇場23/02/04(土) 19:20:24
スレ立てお疲れ様です
遅れましたが今から参加してもよろしいでしょうか? - 43GM◆tm7Yjj4q2A23/02/04(土) 19:20:42
- 44"鋼鉄人"23/02/04(土) 19:20:55
【▶前進する ピツ】
- 45水使い23/02/04(土) 19:21:12
- 46魔法少女Nemesis23/02/04(土) 19:21:15
- 47報恩の両手剣使い23/02/04(土) 19:21:22
「あまり長居はしたくない場所だな」
- 48黒眼鏡23/02/04(土) 19:21:25
- 49重鎧剛蛇◆IRjp04k5N.23/02/04(土) 19:21:48
- 50奪還の保険屋◆PE/kpaaw1s23/02/04(土) 19:21:56
- 51偏執劇場23/02/04(土) 19:23:15
- 52ごちゃ混ぜ少女23/02/04(土) 19:23:35
- 53星拳魔法少女23/02/04(土) 19:24:00
- 54重鎧剛蛇◆IRjp04k5N.23/02/04(土) 19:24:01
- 55水使い23/02/04(土) 19:24:32
- 56内気な極東以下略改め〈自在剣〉23/02/04(土) 19:24:40
- 57GM◆tm7Yjj4q2A23/02/04(土) 19:24:43
小「…シーネッタか。済まんな、また厄介事に巻き込ませた」
【顔はよく見えないものの、その声色には後悔や贖罪が込められているような気がした】
【一行が階段を降りた先には、まさに実験場とでも言うべき様な空間が拡がっていた】
【ちょうど一人分収まりそうなガラスケースは砕かれており、コードや周辺機器の様なものも全て破壊されている】
【そして何より、床やテーブルの上には幾つもの血痕が放置されており、近くにあった箱を開くと中には無理くりに押し込まれた人"だったもの"が見えた】
小「ッ……悪趣味なもんだな…」
【その浮世離れした光景に思わず眉を顰める】
【…砕かれたガラスの破片は微かに埃を被っており、死体も死後から大分時間が経った代物のように感じ取れたが、それでもここが異様な場所であることに変わりは無い】
【さて、肝心の藤三郎は一体何処へ行方をくらましたのやらと、冒険者達が意識を研ぎ澄ませる】
【振り返ると、そこには探し続けていた少年の姿があった】
【………可哀想に、少年の姿は先程よりも明らかに異様なものに変わり果てていた】
【その背からは蜘蛛の足のような何かが生え、ギラギラと輝く金色の目から正気というものは感じ取れない】
【あるいは誰かの死への未練、あるいは己が虚無であった故の絶望、あるいは単純な少年に抱え込ませるには重すぎる魔力……様々な力がぐちゃぐちゃにかき混ぜられ、形も保てないまま彼を取り囲んでいる】
- 58ハイイロ23/02/04(土) 19:26:31
- 59"鋼鉄人"23/02/04(土) 19:27:37
- 60報恩の両手剣使い23/02/04(土) 19:27:50
「千両侍殿か、いつもと随分様子が違うようだが…」
- 61内気な極東以下略改め〈自在剣〉23/02/04(土) 19:27:55
「…まず、その身に絡む力を、呪いを断ち斬り、浄めて…正気に戻した方が良さそうですね」
【右手には2mを超える大太刀『″神斬無視″赤熊の大刀』を、左手には複数の強力な竜が使われた太刀『混竜絆刀「珱」』を構える】
- 62偏執劇場23/02/04(土) 19:28:40
- 63黒眼鏡23/02/04(土) 19:28:50
- 64撃剣使い◆gt1ganT7To23/02/04(土) 19:29:33
- 65奪還の保険屋◆PE/kpaaw1s23/02/04(土) 19:29:34
- 66魔法少女Nemesis23/02/04(土) 19:30:13
- 67重鎧剛蛇◆IRjp04k5N.23/02/04(土) 19:30:40
- 68水使い23/02/04(土) 19:30:48
【実験場を一瞥する。物質に成り果てた人体を閲覧する。コードや周辺機器を観察する】
「此処で何が行われていたかは知りたいわねです!私、さぶろー君の事はあんまり詳しくないのよねです!」
【最後に蜘蛛の足のような何かが生え、ギラギラと輝く金色の目をした「千両侍」を見て、水使いは口を開いた】
「わたくし、貴方の今の状態は興味がありますわ。どうか教えてくれないかしら?」
- 69ごちゃ混ぜ少女23/02/04(土) 19:31:17
- 70GM◆tm7Yjj4q2A23/02/04(土) 19:32:42
「…………藤三郎」
『 』
『■■■■』
【少年は呼びかけに対し、言葉にもならない言葉を発して無く刀を取り出す
【周囲は警戒の空気に包まれる。然し、この時点では何も起こらない】
小「……………」
『…………………』
【数十秒の沈黙の末に少年が再び刀を鞘に収めた】
【その刹那━━━】
『 』
『 』
『…■"■"■"■"■"■"■■"!"』
【その場にいた全員の身体が、痛みもなく両断される"感覚"を痛感し、それを最後に意識が薄れた】
※あくまでも切り出したのは深層心理の記憶とか感情とかそういうのなので現時点では特にダメージはありません。「斬られた」って感覚があるだけで実際体は無傷です - 7130代目23/02/04(土) 19:33:17
- 72内気な極東以下略改め〈自在剣〉23/02/04(土) 19:34:34
「っ…これ、は…」
- 73水使い23/02/04(土) 19:35:20
(単なる物理攻撃じゃない?切られた感覚はあるのに痛覚は感じない、あくまで斬る事によって効果を発動させる形かしら?意識が薄れる、抜刀からの斬撃が想定より何倍も何倍も早かった。直接戦闘となると無理そうね)
【アレコレ考えながら気絶した】
- 74奪還の保険屋◆PE/kpaaw1s23/02/04(土) 19:35:31
「っ──」
『落ち着いて。貴女のモニターに異常は見られない、恐らく一時的な干渉……ここは一度相手方の出方を伺って情報を集めて欲しい』「了──(全く、人遣いの荒い会社ね……)『我の精神保護スクロールがあああ! アレ高いのにいいいい!!!』
- 75ハイイロ23/02/04(土) 19:35:31
【ぱてすと倒れる】
- 76魔法少女Nemesis23/02/04(土) 19:36:09
【復讐の引き金が一瞬だけ誤作動し、それが解除された時には既に意識はなかった】
- 77重鎧剛蛇◆IRjp04k5N.23/02/04(土) 19:36:25
- 78"鋼金 失人"23/02/04(土) 19:36:55
【青年はいつも
正解を選べない】 - 79報恩の両手剣使い23/02/04(土) 19:37:31
- 80撃剣使い◆gt1ganT7To23/02/04(土) 19:37:33
- 81ごちゃ混ぜ少女23/02/04(土) 19:39:08
【少女は目を瞑った】
- 82黒眼鏡23/02/04(土) 19:39:25
「!!!」
【涙が溢れる】
(痛い!痛い!痛いっ!!)
【しかしそれは痛覚からくるものでなく】
(どうして藤三郎くんが……あんな事ッ!!)
【感じるのは心】
【ずきりと叫ぶ心の嘆き、その目の奥には決して尽き果てない燃え上がる怒りの炎があった】
【激しい炎と水の中、意識が薄れゆく──】
- 83偏執劇場23/02/04(土) 19:40:18
「藤三郎か、パスティーシュにしては露悪が過ぎるな。趣味じゃない」
「……斬られた。なんだ、仕掛けでもされていたのか」
【虚空から一振りの星のような大剣を取り出し、すぐさま藤三郎に斬りかかろうとしたところで───自我が急速に薄れて行くのに気づき、剣を取り落としながら自嘲気味に苦笑した】
【そして、暗転】
- 84GM◆tm7Yjj4q2A23/02/04(土) 19:42:25
【…次に冒険者たちが目を覚ました際、既に周りに人はいなくなっていた】
【先程まで同行していたはずの仲間も、少年も、女も、誰一人居ない。周りは白い霧に包まれており、地には彼岸花がぽつぽつと咲いている】
【恐らく、これらは少年により作り出された結界のひとつだろう。何としてでもこの結界を抜けなければと、冒険者が思考したその時、背後から声が聞こえるはずだ】
【果たして君たちは、その声の主の姿を見て、何を思うだろうか】
【何故なら傷つきそれでも立ち上がり続けた君たちの前に現れたのは、光と希望に満ち溢れた勇者そのものであり、君たち自身であるからだ】
【君達よりも遥かに高価値とされるその存在達は、君達と似た姿をし、同じ言語を語るだろうが、その眩しすぎる光からすれば、我等は「失敗した世界線」、すなわち闇そのものだ】
【より強靭となった彼等は叫ぶだろう、かつてあの日救えなかった存在の名を、その者の笑顔のためにも負ける訳にはいかないと、光に満ちた瞳で睨みつけるだろう】
【戦士たちよ、君達は決して完璧な存在では無い。君達はこれまでに多くのものを失い、それでも立ち上がって来たのだろう】
【━━━それでも尚、前を向きたいと言う者だけが、これまでの道を否定したくないと叫ぶ者だけが、目の前の強光に立ち向かえ】
(※と、言うわけで、全てにおいて最良の道を選べ「超ハッピーエンドルートの自分」登場です)
(※完璧な方の自分は戦闘面でもメンタル面でも大幅強化がされてると思いますがそこら辺の調整は各自ご自由にどうぞ)
(※また、完璧な方の自分は此方を闇堕ちルートの幻覚だと思い、大切なものを守るためにも戦おうとするでしょうが、なんかこういい感じに切り抜けてください
彼等は冒険者の記憶や人格の1部から作られた存在なので、まあ上手くやって解決すると結界は自動的に解除されます) - 8530代目23/02/04(土) 19:42:47
「えっ」
- 86二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 19:49:10
スクロールの語りかけるような口調いいなあ
- 87劇団パラノイア◆tm7Yjj4q2A23/02/04(土) 19:49:59
あ、誤字ってましたね。女じゃなくて男ですわ。おのれTS誤字の悪魔テーイ【爆散】
- 88撃剣使い◆gt1ganT7To23/02/04(土) 19:50:34
幻覚の方は「こちらがどういう人生を歩んだのか」は理解してる感じですか?
- 89GM◆tm7Yjj4q2A23/02/04(土) 19:52:06
- 90報恩の両手剣使い23/02/04(土) 19:52:34
結界内に外部から何者かを召喚する事は可能でしょうか?
- 91撃剣使い◆gt1ganT7To23/02/04(土) 19:52:59
了解です!
- 92GM◆tm7Yjj4q2A23/02/04(土) 19:53:55
- 93重鎧剛蛇◆IRjp04k5N.23/02/04(土) 19:53:57
※自身の知覚していない記憶からも最高の選択は反映されますか…?
- 94黒眼鏡23/02/04(土) 19:54:54
『ふふ……』
「……」
【刹那、『コープス』が交差する】
『よく反応できたわね……ニセモノさん?』
「……なるほどね」
【そこにいたのは、眼鏡の魔法使いを葬った経験のある『本物になった黒眼鏡』だ】
【こちらからも、あちらからも、向き合う敵の姿は『偽者の偽者』と認識している】
『ま、ニセモノ相手に本気を出すのも憚られるし?テキトーに加減したげるわ 来なさい?』
【手を前に、くいくいと曲げて挑発の仕草をした】
「……」
【相手はオリジナルを完全に伏した存在……故にその力は今の眼鏡の力を大きく超えると思われる】
【戦力差はむろん完全に絶望的】
【しかしそこに……黒眼鏡は完全な勝機を抱いた!!!】
「足掻かせてもらうわよ、ニセモノ」
『やってみなさいよォ!!!』
【偽者同士のぶつかり合いが始まった】
- 95GM◆tm7Yjj4q2A23/02/04(土) 19:55:04
- 96報恩の両手剣使い23/02/04(土) 19:55:57
了解です!
- 97ハイイロ23/02/04(土) 19:58:04
「あらー…美人がいる」
【目の前にいるのは似ているようで案外似ていなかった】
【身長こそそんなに変わらないものの、右目の近くを始め体のあちこちの傷跡はなく、切りそろえられた灰色の髪はツヤッツヤのキューティクルな輝き。
ふっくらと血色のいい肌をした出るとこ出てる感じのないすばでぃな所謂理想の女性
…よりはやや太腕だが、田舎で暮らす女性としては実に健康的で頼もしい感じというアレ】
【そんな理想の自分は警戒した眼差しで、ハイイロと目があい……】
『どうしたのそのガリガリは!』
「ふえ?」
【即座に手にしていた武器をしまってハイイロの骨の浮き出た腕をガシッと掴んだ】 - 98奪還の保険屋◆PE/kpaaw1s23/02/04(土) 19:58:28
「……ここは?」【先程までとは打って変わった、光に溢れた空間】
「異界……と言う感じもしないわね。思考に支障はないけれど──」【スクロール通信から仲間の声がしない……と把握し自分一人で現状を確認しようとしたその瞬間】
【一発の銃声──】
「……その腐り切った匂い。遥か昔の事でも昨日のように思い出せるし、一度たりとも忘れたことは無い」
【男の身体から一輪の赤い花が咲き、手に持った拳銃を取り落とす】
「希望の香りだ……馬鹿みたいに振舞ってりゃ望みのものが手に入ると勘違いした、救いようもない香り」【……意識の外からの攻撃に反応し、振り向きざまの一射。撃ったのは、喪服の麗人だった。】
【ごく普通の冒険者といった格好をした男は、ベールの男を毅然と睨みつける。ふらついた姿勢を取り直し、再び拳銃を構え──】
「あの日。俺が全てを喪ってから。ありとあらゆるものに復讐したさ。だが本当に復讐したい二人だけは、どうあっても手が届かなかった」
【ようとする右手に、雷速で狙いをつけ今度は三発。男は呻き声を上げ、後ずさりする】
「……仕事は。真面目にやるもんだよな。ええ?」
「大切な物を喪って……怒りのままに周りの物を壊して……冒険者を辞めて……何の因果か、おかしな会社に拾われて──」
「おかげで……夢にまで見た復讐の機会が巡って来た!!」【男に対して拳銃を向けたまま、喪服の男は高笑いした。】 - 99水使い23/02/04(土) 20:02:58
【物理法則についての話をしよう。音速という言葉がある、読んで字の通り音の速さだ。1気圧で0℃のとき音速は毎秒331.5メートルであり、温度が1℃上がるごとに音速は0.61 m/s速くなる。想像を絶する速さ、想像を絶するGが掛かるが故に凡そ並の生命に許されない至高の領域こそが音の壁だ】
【次の破壊力の話をしよう。計算式として質量×密度×速度=破壊力となる。では、音速のGに耐えられる密度を持った質量が音速で突撃すればどうなるか?その答えが此処にある】
「は?」
【超音速、即ち音より速く攻撃してくるのだから当たり前だが無音となる。視覚でしか察知出来ず、つまり水使いは背後から襲い掛かったが故に察知は不可能であった】
『異なる世界線の私が禁呪保有者とは、笑えんな。しかしやはり『加護』が不活性化状態ではこれが限界であるか』
【気付けば水使いの左腕は全て消し飛び、目の前に一人の少女が立っていた。水使いと同じ姿で上等なドレスを着て美麗な宝石の髪飾りを刺し柔らかく微笑んでいる存在】
『こんにちは、私の名前はシャングリラ・ネムストク。早速ですが死んだ下さいませ』
【──────『宿命』は、此処に在り】
- 100偏執劇場23/02/04(土) 20:05:15
「策にはまった、のか。我ながら鈍っただろうか」
【迷霧───白い、白い霧があたりを隠す】
【まばらに咲くのは彼岸花か、美しいが不吉なその姿はこの場の異常さをこれ以上なく叫んでいる】
【廃墟も人も消え失せた異界の中で、境界を示す象徴が二つというのはどうもあからさまで、なんだかおかしさが込み上げてきた】
【さて、どうしたものか】
【口元に手をやりながらそう考えると、ふわりと遠くに見える人影に気づく】
【人影は、あちらもようやく此方に気づいたというように顔を向けて】
「ああ、そういう類か」
「む、なるほど」
「「アンタがもう一人の自分か」」
【偏執劇場と人影───偏執劇場と瓜二つの青年は、まったく同時に声を上げた】 - 101重鎧剛蛇◆IRjp04k5N.23/02/04(土) 20:05:22
了解しました!ありがとうございます!
【重鎧は…自身に怯え子供を背にこちらへ包丁を向ける女性と相対していた】
【彼女は普通のヒトであった】
【武器も装甲もない、皮膚も見える範囲は全てヒトのもの、その瞳もヒトのそれであった】
「貴方は…」
『それ以上わ…私の子供に近づかないで…!』
【彼女からすればバイザーで顔の見えない重鎧こそが化け物だった】
「待ってください…私は…」【バイザーの透明度が上がり素顔を明らかにする】
「私は…貴方です…」
『貴方は…私?貴方に何があったの…?』【成功した/何事も起こらなかった重鎧…否、【存在しない名前】は包丁を降ろし対話の姿勢に入る】【背後から重鎧を覗く子供は重鎧の装甲に目を輝かせている】
- 10230代目23/02/04(土) 20:05:36
「ゴーストおにぎりパワーパンチ!」
『ぐふおお!?』
【ホークマンは目の前に現れた自分そっくりの人物が現れたのを見た瞬間にその結界の趣旨を理解した。何故なら今目の前にいる人物の足は透けていないので死んでいないということが丸わかりだからだ。】
【幽霊と一般人では明らかに幽霊の方が強い。相手が癌に罹っていなかろうと関係はない。妻や友がいようとも関係はない。何故なら普通の人間は幽霊に触れられないからだ。幽霊は一方的で理不尽な存在だからだ。】
「ゴーストおにぎりパワーキック!」
『やめてくれ!』
「やめない!」
『そんな!』
「ゴーストおにぎりパワーパンチ!キック!パンチ!キック!」
【一方的に殴り殺した。】 - 103撃剣使い◆gt1ganT7To23/02/04(土) 20:08:14
【──それは、騎士だった】
【白銀の鎧に身を包み、グナエウシアの聖騎士にのみ与えられる"ガンブレード"──建国の父祖が生きた時代より連綿と伝えられる神器──を手にしている】
『──なるほど。今回の敵は"自分自身"というわけか』
『だが、私は負けるわけにはいかない。我が祖国、グナエウシアの平和のため……何よりも、愛する" "のため。必ず生きて帰るのだ』
『……お前には"守るべきもの"もあるまい。そうだろうよ。あの時"拒めなかった"お前には……!』
【"騎士"はガンブレードを構え、憤怒の形相を浮かべる】
『我が名はロイ・アンゲール!未来を……切り開く!』
【"騎士"の身体を黄金の光が包む。どうやら『リミットブレイク』の力も己以上に使いこなしているらしい】
【なるほど、強敵だ。撃剣使いは冷静に判断する。冒険者となってから身につけた技能など、差異も大きいだろうが……正面からぶつかれば相当に苦労させられるのは想像に難くない】
【──戦えば、の話だが】
「俺は──」
【どれだけ違う道を歩もうと。絶対に変わらないこともあるものだ】
【最良の選択をし続けた、理想の自分。ならば絶対に"そこ"だけは変わらないはず】
【後はまあ、自分の想定よりも相手が愚かでないことを祈ろう──】
【撃剣使いは言葉を紡ぐ。嘘偽りのない本心を】
【未だ絶望を知らぬ、理想の自分に向けて】
「──"不幸な子供を救う"ためにここにいる」 - 104報恩の両手剣使い23/02/04(土) 20:08:36
【目を覚ます】
「……ここは何処だ?皆もいないが…」
【ふと背後から声が聞こえる、声のした方へ振り返るとそこには】
「なるほど…そう来たか…」
【そこにいたのは自分と全く同じ姿をした男】
「自分の事だから大方予想はつくな、さしずめ見事に夢を叶えた私と言った所か」
『まあ、そんな所だな!』
「そうか…まあどうでもいい事だ、やる事は変わらない」
『そうだな!』
「………1つ聞きたいのだがお前は1人で夢を叶えたのか?」
『…?いや、私はとても良い仲間に巡り会えた!』
「なるほど…それは…羨ましいな」
『ではそろそろ始めようか!……そうだ始める前に1つ良いか?お互い地属性魔法の使用はナシにしよう!勝負をつけるなら剣だけで良いだろう?』
「……?別に構わないが」
『決まりだな!では…やろうか!』
「あぁ、思う存分にな」
【両者それぞれ別の大剣を構え向かい合う】
【ほぼ同じタイミング、だがほんの僅かにもう一人の報恩の方が速く動きだす】
【刃が交わり火花が散る】 - 105水使い23/02/04(土) 20:09:02
- 106ハイイロ23/02/04(土) 20:11:01
『満足に食べられてないんじゃない?アバラも浮いてるし、髪の毛はパサパサで枝毛が出来てるよ?
満足に食べられなかったんだね?それでこんな…』
「ちょっ、まっ、あははくすぐったいから、離してって…!」
【理想の自分にあちこち触られたりなんかして、身悶えするハイイロ】
【彼女は飢饉で全滅の危機に瀕した故郷の人たちと繋がっていて、食べたもののうち生存に必要なもの以外は全て彼らに分け与えられるゆえに、どんなに食べてもガリガリだし、美容院に行く金があれば食費に使うので髪は伸ばしっぱなしのボサボサだ。ついでに冒険者としてもそんな強くないのであちこちに傷あとも残っている】
【じゃあスーパー自分な理想のハイイロなにかというと、超強い冒険者であっという間に村人を開放的できているから自分に営養が回ってるし、ばっちり美人なのだがなぜそれが理想かといえば飢饉で残り一人になったからで、つまり理想のハイイロも】
【飢えてる相手は放っておけないのだ。痩せた様子に「食うに食えずに闇落ちした」と勘違いした理想の彼女は、戦いは放置して現実のハイイロに食わせてやらねばと使命感に駆られたのである】
- 107魔法少女Nemesis23/02/04(土) 20:12:37
【嫌と言う程に良く知っている声が、背後から聞こえる】
『やあやあ、そこなお嬢さん。この白い霧と彼岸花は君が出したものかい?』
『ああ、俺は怪しいものじゃないさ!と言っても、信用してはもらえないかな……君、パラノイアって分かる?俺はそこの団員なんだけど──』
『あれ?聞こえてなーい?それともやっぱ俺怪しいかな!?くっ、子ども1人の心すら開けぬとは舞台役者の名折れよ……ミディアに煽られて先生に叱られちまうぜ』
『お、やっとこっちを見てくれたな、って──』
『……ミディア?』
【後ろを振り向く】
【朗々と続いていた、嫌味さを感じさせない、快活でおどけた語りかけが止まる】
【幻覚が困惑する。目の前の魔法少女の姿が、「今も劇場で帰りを待っているはずの妻の、若き日の姿」であったから】
【魔法少女Nemesisの理想の自分、それは──「人滅の家庭に只人として生まれ、劇団に入り、妻と出会い、】
【妻を喪うことも、死後に復讐の魔法少女となることもなく、演劇で世界を幸福にしている】
【戦闘能力で言えば、今の自分に何一つ敵う要素のないような、ただの人」だ】
- 108憤怒の保険屋◆PE/kpaaw1s23/02/04(土) 20:12:50
「クソッ……レイアは……レイアは、俺が……守る……!」「ふぅ……」
【なおも戦意を喪っていない幻影に向けて、嘆息。左腕に二発。】
「グッ……!」「煙幕弾だろ? 知ってるよ。そうするだろうな、お前なら」
「お前は……誰だ! 何故俺を……復讐だと……!?」
「俺は……お前だよ」【ベールを脱いだその下には、その男の瞳に輝いていたのは。闇の中にあって輝く闇──】
「ああ、復讐さ。ソイツはな……本当に不出来で、愚かで間抜けで、途方もない馬鹿で……俺が一生許さないと決めた一人だ」
【ベール越しに、あらゆる感情のないまぜになった瞳で男を睨み……】
「守りたいものが……あるんだってな?」【その覚悟をあざ笑いながら、右手でレイピアを抜いた。】
「それはっ……!」「知ってるよな? よく知ってる筈だ。コレを俺が持っている事の意味も」
「俺が貴様と……彼女を赦さない理由も……!」「ぐッ……復讐が……復讐なんて考えてるから、アイツを……守れなかったんだろうが……!」「……」
「アイツは……俺の目の前で死んだよ。パーティーを庇って。分かるよな? アイツはそういう人間だ」【男が回想するのは、もう幾度と振り返った光景。魔物の咆哮、人間の血と肉の香り、……彼女。】
「なら……分かる筈だっ、彼女はそんな事を望むような人間じゃ……」「望む? そんなものは関係が無いね、俺が許せないんだ。原因になった魔物も、何も出来なかった間抜けな俺も、置いて逝ったアイツも、全て」【そうして高級な美酒に酔っているような声色のまま、男はレイピアを幻影に向けた】
「お前は不幸だよな……何も知らないんだ。護るものを抱えた人間の弱さも、希望とやらが人間にどれだけ不幸を振り撒くかも、そして……」
「死に際の彼女が、どれだけ美しかったのかも」
【そのまま心の臓を、貫く。引き抜いて、貫く。何度も何度も。希望に満ちた自らの幻影を、怒りのままに。それこそが、彼にとって、彼らにとって、最も赦せない存在だから】
「絶望して死ね」
「希望する事しか出来ない雑魚に、絶望が負ける訳が無いだろうが」 - 109ごちゃ混ぜ少女23/02/04(土) 20:13:09
「あな、た、は」
【そこには、二人の少女がいた。違うところなんてほとんどない、小さな女の子たち】
【当然だろう。たくさんの仲間に囲まれて育ってきた少女にとって、これまでの人生は“否定していいものではない”。人を相手に全力で戦えなくて後悔した事も、クリスマスの前日に異界に呑まれて一ヶ月彷徨い続けた事も、そんな失敗だって最善だったと信じ続けている】
「そ、か。あなたは、わたし、なんだ。
……でも、あなたを、たおすよ。せんを、たすけたい、から」
【だから、二人の少女は一寸の違いもなく、前に出た】
【少女達が変身する】
【人。竜。花。鯨。猫。5体の命を融合させた、可愛い少女の上半身があって強い竜の身体があってその角に優しい花が生えてて尾の先にデカい鯨の身体があってついでに可愛い猫の身体があるキメラの子の姿へと】
【少し遅れて、人と鯨と猫の身体に保護具「PFY」が装着され】
【二体の怪物が相対した】 - 110水使い23/02/04(土) 20:16:24
(…………シャングリラ?ネムストク?異なる世界での私の名前だとでも?)
『《聖神徒》としての使命だけではなく、ヴァレル、ヴァレムント………愛する家族の為にも私は此処で死ぬ気はありませんわ』
(それ、誰の名前だ?)
【水使いは自分の境遇を不幸とは感じていなかった。仕方ないと受け容れてさえいた。だって彼女はそれ以外を知らないのだから、優秀な頭脳は当然理由があって己が幽閉されていたのだろうと導き出し、諦観していた】
【仕方ないじゃないか。もしも家族が愛してくれていたらなんて「IF」を妄想しても今が良くなる訳ではないのだ。寂しいと、悲しいと思う気持ちを抱えれば抱えるだけ胸が締め付けられた】
【だからこそ捨て去ったというのに、だからこそ何も感じないようになったのに。今更ながらに感情が湧き上がってくる。だって、目の前の自分は望んだ未来を歩けたのだ。なら何故自分はそうならなかった?何故私だけが愛されなかった?何故、何故、この世界線では私は愛されなかったのだ】
【これが最良の未来だと理解してもどうしようもなく心が叫ぶのだ、何故この私ではないのだと!何故その可能性を、その未来を私には与えてくれなかったのだと!】
「《海は狂喜し、地は唸り、天は叫ぶ》──簡易発現:〈波浪〉!!!!!」
【先ず感じたのは『嫉妬』。求めしモノは『完全なる否定』。許さない、そんな未来があった事を私は赦せない。殺す、殺し尽くして無かった事にする。臭いモノには蓋をしろ、直視難きモノからは目を逸らせ。何の為に「愛」を受け取る事なく研鑽し続けたのかを思い出せ。お前は強さの為に孤独を積み上げたのだろうがッ!】 - 111GM◆tm7Yjj4q2A23/02/04(土) 20:16:43
次の進行は全員のVS自分が終わり次第行いますが伸びた場合は翌日に延長しますので気の赴くままにやって下さいませ!
- 112重鎧剛蛇◆IRjp04k5N.23/02/04(土) 20:17:24
- 113偏執劇場23/02/04(土) 20:19:24
【状況は依然として理解不能
愛するパラノイアがまた妙な変事に巻き込まれたと聞くから急いではせ参じ、何故かおそらく劇団員や冒険者の知り合いらしき藤三郎と瓜二つの少年型の異形と出会い、そして気がつけばここにいた】
【今のところ理解できているのは、目の前に居る“彼”が理想の自分であることと、アレと戦わなければならないらしいということだけ】
【とりあえず斬るか……?と再度虚空から大剣を取り出そうとしたところで──】
「……えっと、これはどういう状況なんだ?俺はアンタと戦わないとならないらしくて、アンタがもう一人の自分らしいのはわかるんだが、どうしてそんなことに?」
【どうやら向こうの自分も状況を理解してないらしいと察し、剣を取り出そうとした手が、思わずずっこけるように空をきった】
「……なんでアンタも知らないんだ」
「そんなことを言われても……というか、俺に戦う力など無いのにどうして戦うことに……?」
「だろうなあ」
【本当に理想通りの自分なら、そりゃあ戦う理由も力も無かろうよ。その一言はそっと胸にしまい込み、偏執劇場は“彼”に向けて口を開いた】
「とりあえず、お互いに互いの自分の人生の報告あたりから始めるか」
- 114黒眼鏡23/02/04(土) 20:21:47
『あっはははははは 弱いわね!弱い弱いっ! ニセモノさん?あんた、遊びにもなんないわ!』
「ふん」
【一見互角に見える攻防であるが、誰がどう見てもそのダメージ量は黒眼鏡が上回っていた】
【ヤバイ状況だが、黒眼鏡の心の内の勝機はまるで消えずに残っているのだ】
「ま、さすがは『本物』よね…… 加減されてるのに敵わないわ」
『よね?よね?よねーっ!!どうよ?どよ?どよ?強いでしょ?ホンモノだからね……!』
「ええ、格が違うわね 騎士くんとも上手くやっていってんでしょうね」
『……あ?』
【挑発的に笑う『ホンモノ』黒眼鏡の表情筋が僅かにぴくりと反応した】 - 115"鋼鉄人"23/02/04(土) 20:22:02
【──彼の目の前に居たのは、「正解を選び続けた自分」だ】
【彼が救えなかった全ての人を救って、彼が守りたかった全ての物を守り通して、彼が欲しかった全てを手に入れて】
【彼が救えた全ての人を同じく救って、彼が守れた全ての物を同じく守り通して、彼が願った全てを手に入れた自分】
【──風になびく真っ赤なマフラーを首に巻いた偉丈夫。藍色がかった黒い髪に、十字のような模様を持つ赤い瞳。少しの傷も無い精悍な顔付きの青年が、十八本揃った極彩色の合体魔剣を鋼鉄の左腕で肩に担ぎながら其処に居た】
〖──彼の目の前に居たのは、「間違え続けた自分」だ〗
〖彼が救う事が出来た者達を救えず、彼が守ることが出来た物を護り通せず、彼が願ったモノを叶えられず〗
〖しかしそれでも救う事が出来たものが居て、守り通すことが出来たものが居て、叶えられた願いがある自分〗
〖──風になびく白い包帯を緩く首に巻いた偉丈夫。僅かに藍色を残す翡翠の髪に、十字のような模様を持つ赤い瞳。傷跡だらけの体に加え、顔にはバッテンのような酷い火傷痕すらある青年が、九本しか揃っていないモノクロの合体魔剣を機械の右腕で担ぎながら其処に居た〗
【〖戦わなければならない〗】
【〖救わねばならないものが、居るのだから〗】
【『例え相手が、"もしも"の自分だとしても』】
【目の前の敵を打ち倒し──救って見せる】
〖目の前の敵を討ち壊し──護ってみせる〗
【『──何故なら自分は、ヒーローなのだから』】 - 116ハイイロ23/02/04(土) 20:24:15
『大丈夫、お腹いっぱいになるまで帰さないから』
「いや、ちょっとストップ!!!」
【そのまま腕を引いてどこかに連れて行かれそうになったので、当然力では叶わないハイイロは精一杯の大声で叫んだ】
『どうしたの?』
【不思議そうに首を傾げる理想の自分に、ちょっと肩で息をしながらハイイロは答える】
「その前にさ、連れていきたい人がいるんだ。その人も食べることが大好きでね、でも今はちょっと大変そうなんだよ。
それで私は助けにきたところだったの」
「『その人を差し置いて自分だけ食べなさい』なんて、君は言わないでしょ?」
【答えは返ってくるまでもなくわかっていた。だってなぜなら、その姿が理想であるためには】
【食事を分かち合うことを何よりも切望するあの記憶がなければならない。ハイイロが一人になった、あの故郷での最後の年、飢饉で苦しむ大切な人々。空腹と同じ位、食べさせてあげたかった。その記憶もこのハイイロは持っている】
『…わかった、連れておいで!』
【理想の自分は、ハイイロの背を叩いて送り出す。次の瞬間、視界は戻っていた】
「…んー、私らしい私で助かったよ」
【伸びをしながら、灰色の痩せた女は呟いた】
- 117撃剣使い◆gt1ganT7To23/02/04(土) 20:24:23
『──は?』
「どうした、聞こえなかったか?誇り高きグナエウシアの騎士。俺は、"不幸な子供を救うため"にここに来た。その子供の縁者から依頼を受けてな」
『ざ、戯言を!幻影が……!』
「ああ……師匠は"嘘を見抜く"のが上手かったな。あの人の前ではどんな些細な嘘も見抜かれてしまった。あの人の下で学び続けることができたお前なら、当然……」
『……嘘を、言っていない……馬鹿な、そんなことは……!こいつは幻影のはず……!』
【"騎士"が狼狽える。目の前に立つもう1人の自分、"道を誤った"自分の言っていることが偽りの無い本心であると「見抜けてしまう」故に】
【それが、彼の主観であればあり得ないはずのことであっても】
「つまりお前は──その邪魔をしている。子供を虐げる悪党に加担しているということだ」
【『それが事実である』と思い込んでしまう】
【騎士は挫折を知らず、故に未だ純粋な"正義"であった】
【撃剣使いは淡々と言葉を続ける】
【目の前の騎士が未だ直面したことのない、"毒"を浴びせかける】
『あ、ああ──そんな!違う、私は、私が愛する皆のため──』
「『愛する皆のためになら他はどうなってもいい』と?」
『……!?ち、違う……違う!私は、そんな、私は……!』
【騎士が頭を抱え、膝をついた。撃剣使いはなおも語りかける】
「お前は今、お前が何よりも嫌う"悪"に成り果てようとしている」
- 118水使い23/02/04(土) 20:24:59
【接続者第伍號を確認】
【主権管理者からの認可を待機──ERROR。処理の不具合を確認】
【必要条件を確認。緊急性を確認。疑似認可が許諾されました】
【出力劣化:権能縮小:制限時間設定───第一天との接続安定化を確認】
【迎撃権能を譲渡】
【適切な攻撃を行い、対象の不可解プログラムを撃滅せよ】
【その為に、】
『天輝せよ、我が流星。終の宙にキセキを描け』
【───汝に『宿命』の加護を与えよう】
『約束の日は今来たれり───〈天を焦がすは獣皇悪龍の咆哮/CATASTROPHE BEAST〉』
【理想の未来が、シャングリラ・ネムストクの存在感が膨れ上がる。『加護』を不活性化させた状態であっても音速で移動し攻撃出来たのだ、活性化状態の強さなど論ずるまでもない】
「殺す!!!!!!!!!!!」
【全力で水使いが殺害の為の行動を開始し、】
クワルナフ
『《光絶天環》』
【次の瞬間に極光と爆焔に灼き尽くされた】 - 119撃剣使い◆gt1ganT7To23/02/04(土) 20:29:26
『あ──あ、ああ……!私は……私は……!』
【騎士が顔を歪ませる。"もう1人の自分"に告げられた"事実"が彼の心を苛む】
『──うあぁぁぁぁぁぁ!!!』
【己と全く同じ声で響く慟哭を背に、撃剣使いは歩き出す】
「ま、ゆっくり向き合うといいさ。俺の経験から言わせてもらえば──」
「──隣に"誰か"がいてくれるなら、耐えられない痛みでもないだろうよ」
【そして──撃剣使いの視界が戻る】
「……やれやれ。"一度も失敗したことのない奴ほど、脆いものだ"……昔師匠の言っていた通りだったな」
- 120内気な極東以下略改め〈自在剣〉23/02/04(土) 20:29:28
「───…」
(…嗚呼、相対して、判った。目の前にいるのは。其処には。完璧がいた)
【赤熊の大刀を、万物切断を振るうが】
【ギ…イィィイィン…!】
【…何の変哲もない無銘の打刀で相殺された。見知った刀だった。元服の折、家族から贈られたものと同じ。だが、其処から振るわれた斬撃は、余りにも違う。彼が体感し、思い描き、仮想した、魂を、己の全てを篭めて振るった一太刀は、万物切断に迫りうる。それを見事体現したものだった。珱での吸収を図るが…因果を、運命を断たれた。…吸収が、浸食が彼方に至ることはない】
『そうか…守り切れなかったんだね、そちらは。そして…至ってもいない』
「えぇ…この通り、自分に引き寄せられたもので周りを傷つけ、迷い、其処にも至らず、今僕はここにいます…」
【そう、幼少の頃梓弓の少女を守り切れず、疎遠となって、その後も周りを傷つけてしまい一時腐った彼と、守り切り、己を肯定し続けて高みへ登り続けたそれは、余りにも違った。差があり過ぎた】
『そう…でも、折れないんだ?』
「うん。例え届かなくても手を伸ばし続けると決めた。そして…守りたい人が、帰りたい人が、助けたい人が…やりたいことも行きたい場所もまだ」
『そっか。でもね、生憎それは此方もなんだ。…勝ち目はいくらだ?』
「…さぁ?絶無だとしても…僕は挑む」
『それは結構…じゃあ、征くよ?』
- 121星拳魔法少女23/02/04(土) 20:30:34
- 122ハイイロ23/02/04(土) 20:30:49
理想の自分が大体飴ちゃんくれるおばちゃん
- 123重鎧剛蛇◆IRjp04k5N.23/02/04(土) 20:31:02
『そいりゃあ!!』【何も起こらなかった幸せな は結界に向けて唐突なドロップキック!】
「な…何をやってるんですか!?」【慌てて重鎧が弾かれて仰向けに倒れている へ手を伸ばし はその手を掴み】
【その握手によって完全な和解が成立し は何事もなかった幸せな生活に、重鎧は藤三郎君を救い出し、そしてこれからも傷つき戦うことになるであろう今へ戻ってきた】
- 124重鎧剛蛇◆IRjp04k5N.23/02/04(土) 20:34:57
正しく何かがあった未来のほうが今の重鎧なんですよね
何もなければ小さな村でただただ平穏な人生を過ごせていました - 125偏執劇場23/02/04(土) 20:35:51
【その後、互いへの人生報告を終えたところで、偏執劇場は再度眼の前の男が理想の自分であることを確信した】
【先生との師弟関係は安穏と続き、姉は地上に居て仲がいい、両親は自分の劇作家の夢を応援してくれて、自分は人間のまま団長としての職務を全うできている
その上どういう因果か貴公子君と恋人同士であることまで変わらないというのだからお手上げである、勝ちようが無い。ここまで完全無欠に理想通りだといっそ拍手でも送りたい気分だ】
「それで……」
【自分と理想の落差に偏執劇場が不貞腐れる横で、“彼”がおずおずと問いかけた】
「アンタは、どうしてそうなったんだ?」
「……どうしたも、こうしたも」
【自分は理想通りに行かなかった、一言で言えばそれだけである】
【先生とはこちらの勝手な勘違いで一度離れてしまった】
【両親は自分の夢を否定した】
【自分はパラノイアの団長である重圧に耐えきれなかった】
【姉は……アレは放っておいても淵に行く人種だったし、貴公子君に関しては出会い方と諸々の経緯が最悪だった】
【ただ、あちらの自分と違ってこちらの自分は出来損ないで、その結果がコレというだけ。そこに、特別なな理由なんて何もなかった】
- 126二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 20:37:06
「アレは放っておいても淵に行く人種だったし、貴公子君に関しては出会い方と諸々の経緯が最悪だった」
申し訳ないけどここ草 - 127ごちゃ混ぜ少女23/02/04(土) 20:37:28
【そこで初めて、二体のごちゃ混ぜキマイラに違いが生まれた】
【片方の身体が、もう片方の身体よりも一回り大きかったのだ】
「……ン…」
【だが、少女たちの行動に変わりはない。たとえ己より大きな存在だろうと、己より小さな存在だろうと、敵は倒して友を救う】
【これが見ず知らずの他人であれば躊躇っただろう。きっと殺し合いなんて出来ずに、動けなくなったに違いない。けれども己自身が相手であるならば、それはただの生存競争。弱肉強食の掟のもと戦うだけである】
ドラゴンブレス
【『竜の殺息』。双方共に、迷いなく劫火の熱線を吐き出した】
【それは竜の代名詞とさえ言える技。二つの炎が白い霧を退け、彼岸花を全て燃やし尽くして、そうして漸く奔り始めて】
【二つの竜砲が衝突する】
【拮抗は一瞬だけ。すぐさま均衡は崩れて、紅の大津波は片側へと傾れ込んだ】
【──大きな身体の方が放った炎が、小さな身体を焼き壊す】
- 128魔法少女Nemesis23/02/04(土) 20:38:14
【魔法少女が、龍魔杖『Intolerance』を虚空より取り出す】
【その意味は『不寛容』。同時に、舞台においてスポットライトやカメラの設置に使われる、鉄パイプを組み立てた足場のことをそう呼ぶこともある】
『ん、それイントレの一部か?ってことはここやっぱ劇場うぉいうぉいうぉーい!』
【無造作に振り下ろされたそれを、理想の自分が奇跡的に回避する】
『待って!話し合おう!一旦武器置こうぜ!な!な!色々聞きたいこともあるしさ!』
『なれると思うんだよ、力に!だからちょっと一回話をだな!』
「邪魔だ。黙って死んでくれ」
『そう言う訳にはいかねえよ!俺はパラノイア団長アレーン・バーミングだぞ!この状況、何が何だかよく分かんねえけどな!』
『お嬢さんみたいな悲しそうな目したやつを置いていけるか!あと妻と子!ぜっってえにお嬢さんも俺も生きて劇場に帰って俺たちの劇を──』
「悲しいんじゃない。情けないだけだ」
【目の前の自分は、見れば見る程に理想的だ。絶望的な戦力差の中で、それでも暴力に逃げない。芸術と、他人の幸福をただひたすらに考え続けている】
【それに引き換え自分はどうだ?】
【両親の凶刃に死した妻の、最期の言葉を覚えている。「あなたの人生を"そんなこと/復讐"に使わないで」】
【生きている間は、全てを芸術に捧げたから。一度死んだ後だから】
【そんなものは欺瞞だ。結局のところ、自分は】
【自分の憤怒に。燻り続ける復讐心に耐えられなくなって、安易な暴力に流れただけだ】
- 129報恩の両手剣使い23/02/04(土) 20:38:52
【2つの大剣のぶつかり合いは理想の報恩が有利に進めている】
(押されているな…このままでは私が負けるだろう、何か状況を打開する策を…!?)
【状況を打開する事に思考を割こうとしたのが祟ったか僅かに反応が遅れる】
「グゥッ………!!」
【叩き込まれた剣は右腕の半ば程まで刺さり骨を完全に折る】
【咄嗟に理想の報恩を蹴り飛ばし距離を取る】
『……その腕ではもうろくに戦えないだろう、大人しく私に倒されてくれ』
【語りかけてくる相手を意に介さず思考を巡らせる】
(この状態で剣で戦えば必ず負ける…地属性魔法は…今更使った所で勝てないだろう…)
【ふと何かに気が付く】
(そもそも何故奴は地属性魔法の使用はナシと言った…?遠距離での撃ち合いは無駄に勝負が長引くだけ、剣のみで決着を付けるのが1番手っ取り早く公平な勝負だと判断したのだろう…それは分かる)
(しかし引っ掛かるのは『魔法』ではなく『地属性魔法』と限定した事だ…確かに私が得意でよく使うのは地属性魔法だが…それだけでは無いだろう…)
【改めて理想の報恩を見据えると何かに気付く】
「なるほど…」
【持っていた大剣を手放す】
『降参する気になってくれたか』
「いいや、勝ちに行くさ」
【魔法の雑嚢から新たな大剣を取り出す】
【血迷ったのだろうか、取り出した大剣を振るい自身の肩から先の右腕を斬り落としそのままこれまた自身の腹を斬りつける】
【次の瞬間】
【理想の報恩も同様に肩から先の右腕が斬り落とされ腹部が斬り裂かれた】
- 130星拳魔法少女23/02/04(土) 20:46:04
『……なるほど。つまり貴方は、私なのですね』
「……ええ。そのようです」
【少女たちは、互いの素性を明かしあった】
【外見はほぼ同じであり、立ち居振る舞いからみても、互いが自身と同じ存在だとすぐに分かった為だ】
【それでも、鏡写しのような"自分自身"だからこそ、はっきりと分かることもある】
『……貴方は。ここに至るまでに、幾つもの間違いを犯した私なのですね』
「はい。それはもう、沢山」
『助けようと手を伸ばして』「届かなかったこともありました」
『勇気づけようと励まして』「却って傷つけてしまったことも」
『悪に立ち向かったが故に』「彼らの正義を踏みにじったりも」
『そうですか……それは、何とも』
「……」
『──羨ましく思います』
「……!」
『私は、これまで大きな失敗折をしていません。故に──貴方のような、強さがありません』
【"制服姿の"少女は語る。信頼しあう友との日常を、切磋琢磨する間柄のライバルとの日々を】
『貴方よりどんなに体術も技量も上だとしても、挫けていない為に──その分の強さを持っていません』
【"魔法少女姿の"少女は聴く。曇りなき空をゆく流星の如き少女の、挫折なき道程の歩みを】
- 131偏執劇場23/02/04(土) 20:47:05
「ただ……」
【それらの話を聞き、気遣わしげにこちらを見る“彼”の目線になんとなく座りが悪くなりながら、それでも偏執劇場は言葉を続けた】
「こっちの人生も、そう悪いものじゃあ無かったよ。こちらはこちらで楽しい」
「……そうか、それは良かった」
【偏執劇場の言葉に、“彼”は安心したように微笑んだ】
「最初、アンタが失敗した俺だと気付いた時はどうしようかと思ったけど、その様子を見るに楽しそうで安心した」
「そうか」
「そっちで何があったかはよくわからないけど、人間じゃなかったりあの初代団長に会えたり戦えたりする自分ってのも楽しそうだし」
「うん、深淵も楽しかったよ」
「貴公子君とも会えたみたいだし」
「……そうだな、彼は俺も愛しく思っている」
「先生がなんで小屋になっているのかはわからな「それは俺もわからない」……そう」
【沈黙……ある程度、互いに言いたいことを言い終えたあとの清々しい静寂を破ったのは、偏執劇場の方だった】
「……まあ、なんだ。俺も俺で楽しいとはいえ、アンタに比べると色々失敗が多いのも事実だからな
今後は、アンタと並んでも見劣りしないくらいには幸せになっておくよ。だから、その時はまた会おうか。今度は互いにコーヒーでも持ち寄って」
【それを聞いて、“彼”はふわりと花が咲くように笑って────】
【こうして、偏執劇場は帰還したのである】
- 132黒眼鏡23/02/04(土) 20:52:20
『…………何よそれ?あんたと関係なくない!?鬱陶しいわよ!!』
【じゅう、と今の黒眼鏡ではどう足掻いても撃てないであろう熱戦が頬を焼く】
【にぃ、と相手と同じように挑発的で挑戦的な笑いを浮かべる】
「……痛いわねー…… こりゃ、使うしかなさそうね」
【手にしたのは銀色の片手剣『存在しなかった剣』】
【見覚えはないようで】
『……っ……な、何よその剣……!?』
「あら、ホンモノなのに知らないのね これ、神さまがくれたのよ」
『そ…………!そんなものがあったからなんだってのよッ!!』
【槍のような氷魔法が放たれるも】
「あら危ない」
【闇の力で防がれる】
『………………また……!!なんなのよッ……!!?』
「……ふふ、マジックオフのお世話にはなってないの??遅れてるわね」
【黒眼鏡の背後には、天使の如き光輪が光っている】
「闇魔法と精神安定は極めて相性が良くってね」
『どっ……どんなに強くたって私には敵わないでしょうがッ……!道具で埋められる差じゃない!!!』
【『ホンモノ』黒眼鏡の顔が憎しみに歪むようだ】
「でしょうね……でも、私にはやりたい事があるから負けられないわ」
「あんたを倒して、黒壇ちゃんや魔女猫ちゃんコンビに会いに行きたいのよね」
『ッ!!誰よ!!誰よ!!ホンモノの私に知らないわけがないッ……!!!』
【動揺──】
- 133魔法少女Nemesis23/02/04(土) 20:53:10
【──そんなことは端から理解している】
【妻の望みから外れている。その通りだ】
【演劇の道すら捨てている。その通りだ】
【守ることも治すことも満足に出来ない、手前勝手に暴れるだけのクソッタレ】
【愛しの妻の見た目で蛮行に及ぶ、愛妻家気取りの人間の屑】
【演劇の才能を残らず炉に焚べておきながら、武器に演劇の道具を使用する半端者】
【そうであることを、他ならぬ自分の意志で選択した結果として】
【復讐の魔法少女Nemesisは、今ここに立っている】
【数千年、自己嫌悪と自己対話を繰り返して。それでも燻り続ける復讐心は】
【理想の自分を突き付けられた程度で、揺らぎはしない】
「一から千までお前が正しい」
「それでも。死ぬのはお前だ」
- 134ごちゃ混ぜ少女23/02/04(土) 20:55:15
【大きな身体の方が、人の姿へと変身し直す】
「あたり、まえ、じゃない。
わたしのちから、の、さいげんなんて、できるわけがない、よ」
【破れ去ったのは「理想の自分」であった】
【焼き焦げ、身体の半分以上が灰と化した己を前にして、少女は言う。今の藤三郎がどんな状態なのかは知らないが、人間の技如きで私の力を再現できる筈がないと】
【事実として、ごちゃ混ぜキマイラは古龍さえ凌駕し得る力を有している。その存在に対して記憶と精神の中だけでも、より完璧なモノなど作れる訳がないと】
【少女はそう示して、「理想の自分」を横目に歩き出した】
「……………ホント、ニ?」
【「理想の自分」が声を漏らす】
【少女は立ち止まらず、その横を通りすがる】
「ホント、ニ……ソウ…オモ……ウ?」
【「理想の自分」が声を漏らす】
【少女が立ち止まって、けれど、背後を振り返りはしなかった】
「……………ゴメン。イジワル……イッテ」
【「理想の自分」が声を漏らす】
【少女は振り返らず、また一歩踏み出した】
【結界が灰となり、崩れていく】
- 135水使い23/02/04(土) 20:56:40
【圧倒的とすら形容できぬ差があった。絶望的、その形容すらも生温い壁が聳え立っていた】
・・・・・・
『ふむ、死んでないな?』
【水使いが全身の約89%が "完全に" 炭化していながらも辛うじて生きている理由は七国大戦期に禁呪を完成させた賢者の弟子達への愛だった。弟子に死んだ欲しくないが故に、禁呪自体に疑似不死化の機能を仕込んだ。尤も七国大戦においてはそれすらも無に還して弟子達は全滅したのだが、それはまた別の話である】
(わたくしが、まけた?この、わたくしが)
【殆どが灰と化し、僅かに残った部分も高熱によって変性した脳細胞を働かせる】
【水使いが敗北した事は一度じゃ二度では済まない。殺され掛けた事もあるし、実際に死んだ事もあるのだ。だがそれでも折れる事はなく、諦めずに立ち上がって次を目指し続けた】
(ずっと、ずっとがんばってきたのに。ずっと、ひとりで、いつもいつもがんばってたのに)
【だが今回は例外だ。相手は自分だ、しかも家族に愛されたと思しき自分だ。単純に考えて愛を受け取り、愛を返している分の時間的アドバンテージが水使いにはある。それだけが理想の自分に勝っている、だから強くなくてはならない】
【なのに、負けたのだ。アイツに、アイツにアイツにアイツにアイツにアイツにアイツにアイツにアイツにアイツにアイツにアイツにアイツにアイツにアイツにアイツにアイツにアイツにアイツにアイツにアイツにアイツにアイツにアイツにアイツに】
【私よりも、私が会った事もない家族と共に幸せに暮らして、私が貰えなかった名前を貰って、そんなそんなそんなそんなアイツに!!!!!】
「ころ、してやる…………………………お前を殺してやるッ!!!!!!!!!!!!!!」
【溢れ出す負の感情の奔流に禁呪/〈波浪〉が歓喜する。そうだ、それこそが "次" に至る為の鍵なのだ。悪魔を、地獄をこそ力の源とする禁呪は正の感情ではなく負の感情にこそ呼応する。この一時、この夢幻でのみ〈波浪〉がその禍災の真価を曝け出す】
【瞬時に炭化した肉体を修復した水使いが立ち上がる。元来保有していた圧倒的な適性と、荒れ狂う感情が禁呪が高みへと導く】
死、ね。死 ね 死 ね 死 ね 死 ね 死 ね
「《海は亡び、地は砕かれ、天は焼け落ちる》」 - 136報恩の両手剣使い23/02/04(土) 20:56:57
【両者地面に倒れ臥す】
『…!一体何をした…!?』
「簡単な話だ…ガハッ…!自傷すればそのダメージを目の前の敵にも与えられる剣というだけだ…!さあ…根比べといこうか!」
『……お前の方が消耗は大きかった筈だ…!ならば必然的に先に力尽きるのはお前だろう…!』
「あぁ…だから少しズルをさせてもらおう…確か『地属性魔法』が禁止だったな」
【倒れ伏した報恩の下から水が滾々と湧き始める】
【湧き出た水が辺りを満たしていく】
「お前は左薬指に指輪をしていないな、出会わなかったんだろう?アレに
理屈は私にも分からんが私が水属性魔法を今の様に扱えるようになったのはアレに会ってからだ、だからお前は水属性魔法が私の様に扱えない、だからあの時地属性魔法としか言わなかった」
【やがて辺り一帯が満たされ小さな泉と呼べる程になった時】
【それは現れた】
「全く…信徒は神使いが荒いですね」
- 137内気な極東以下略改め〈自在剣〉23/02/04(土) 21:00:32
(あぁ…改めて…何も敵わない)
【改めて…全てが上だった。理想の自分なだけはある。彼が望む全てが其処に在った。飛翔する斬撃や設置する斬撃は因果を断たれて届かず。あちらのそれらは的確に此方の行動を阻害しつつ、仮に対応を間違えれば必殺。支配領域剣術の雛形たる『斬鎖結界』は完全に完成した支配領域剣術『斬鎖剣界』で当然のように打ち破られる。仮に傷をつけれるとしても回復斬撃で瞬く間に癒されるだろう】
『さて…まだやる?』
「えぇ…勝ち目…無いわけではありませんから」
【そうして、彼が出した武器は…自身の飛躍のきっかけとなった邪神の太刀『光亡』と…】
『…なるほど』
【発狂した星の竜と渇欲の怨霊武者から造られた打刀。…相手が自身より強力な剣士であるなら正気度と引き換えに更なる爆発的な力を引き出せる『昏天喰星』】
『だけど…リスクも解っているね?』
「勿論」
『良し。…勝負だ』
【彼は立ち上がり…理想の自分と向かい合う。そして】
「■■■■■■■──ッ!!!!」
【狂奔した。「敢えて」邪神に心を蝕ませ、底抜けの渇きと飢えに身をやつして、吶喊する】
『……』
【それに対して、理想の彼も必殺で、絶死で応える。二刀流。片方で支配領域剣術『斬鎖剣界』。もう片方で運命さえ断つ剣技、彼が求め焦がれた『宿命切』。それらが、迫って】
- 138仮想妖精◆bRrRGs00cA23/02/04(土) 21:01:26
- 139"鋼鉄人"23/02/04(土) 21:02:14
【──が、戦う前に聞かねばならないことがある】
【他でもない、"もしも"の自分の事だからこそ聞いておかねばならぬ事だ】
【自分が選ばなかった答えを──正解を選び続けた先の皆はどうなっているのか。それを聞いておかねばならない】
〖──が、戦う前に聞かねばならないことがある〗
〖他でもない、"もしも"の自分の事だからこそ聞いておかねばならぬ事だ〗
〖自分が選ばなかった答えを──間違いを選び続けた先の皆はどうなっているのか。それを聞いておかねばならない〗
【〖剣を背に背負い、歩み寄って地に座る。相手も同じようにしたのを見ると、やはりというかなんというか、思う事は同じなのだ〗】
【〖同じ思考回路を持つ二人の意見は此処に合致をした〗】
【〖名乗る必要はない。名は同じだ。辿る道が違おうと、自分が名乗る名は一つしかないと知っているのだから〗】
【〖……だが困った。どちらから話しだすべきか?相手も同じ考えだとするならば、取り敢えずは──ジャンケンからだ〗】
【〖──二人の勝負は、ジャンケンから始まった〗】 - 140星拳魔法少女23/02/04(土) 21:02:26
>>130『……一つ、お願いしたいことがあります』
「……奇遇ですね。私からも、お願いしたいことがあるのです」
【少女たちは、戦闘態勢に入る。鏡写しの二人は──異なる道を辿りながらも──同じ構えをとった】
【IFの存在であろうとも、自身であるならば。言葉より早く、深く、理解する方法があることを、彼女たちは知っていた】
『……では』
「……ええ」
『「──参ります』」
【突き出した拳が払われ、振り下ろされる手刀を躱す】
【二者の間に、打撃の嵐が煌めく】
【放たれた裏拳を受け止め、その勢いを利用して繰り出した蹴りを流される】
【攻防は、しかし完全な均衡状態にはない】
【──打つ──躱す──突く──流す──薙ぐ──止める──払う──蹴る──受ける──】
【"魔法少女姿の少女"が、"制服姿の少女"に押されている】
【僅かな隙さえ見逃さず、一手ずつ詰めるように。そして】
「……っ!」
『──ッ!』
【重く、鋭く。瞬くような一撃が、魔法少女の顎を捉えた】
- 141二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 21:03:05
そういえば光亡も邪神の瀆す権能で格上特攻あるから格上キラーだな内気くん…
- 142"鋼鉄人"23/02/04(土) 21:05:53
【『~それからソコソコ長い時間行われる白熱したジャンケン勝負中継~』】
- 143水使い23/02/04(土) 21:06:35
私に与えられなかった名を誇らしげに名乗るな
「《穿て、滅せ、呪え、喰らえ》」
【体内を魔力が循環し始める】
私の知らない私の家族の名を愛しげに叫ぶな
「《黒獣、茨冠、死屍、臓腑》」
【《水霊の短剣》を行使して魔力を水へと変換させる】
私は貴女が羨ましくて妬ましくて堪らない
「《波打つ破滅を求め、終末讃歌を叫ぶ》」
【魔力が出現した水に浸透する】
何で、何で私は貴女じゃないの?
「《罪業すらも滅ぼす波濤を此処に》」
【詠唱が完了した事によって水を"支配"する】
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
「完全顕災:〈狂華翠憑・波浪〉」
【聖なる神の使徒よ、刮目せよ。これこそが完成した禁呪保有者である。人の形を象っているだけの涜神の具現。人界に仇為し続ける醜悪な天災】
『それは私の台詞だ……………ッ!』
【吼える邪悪に、『宿命』は覆滅を言い渡した】 - 144魔法少女Nemesis23/02/04(土) 21:06:45
【『Intolerance』の備える特殊な機能を全て停止。ただの鉄パイプと化したそれで、理想の自分を殴打する】
【今度は避けられない。少し耳が長くて魔力が多いだけの、只人の男性が地に倒れる】
【殴打する。殴打する。殴打する。殴打する。殴打する。殴打する。殴打する。殴打する。殴打する。殴打する】
【理想の自分は、反撃しなかった。最期の最期まで、言葉を紡ごうとしていた】
【心音が止まる。一人きりの世界から、生命の音が失われた】
「これで結界は解除出来るか」
「ああ、クソ。罪のない人間を殺すのは気分が悪いな」
「三郎を『ああ』したやつは何処だ?一刻も早く殺さねえと気が収まらねえ」
【小屋となった恩師の助けになりたい。クソ親に害されている子どもを助けたい】
【その気持ちは嘘ではない。しかし彼女の本懐はそれではない】
【目的は何時だって、人滅とクソ親を殺すこと】
【それが復讐の魔法少女、Nemesisの在り方だ】
私はこれで終了です!
- 145内気な極東以下略改め〈自在剣〉23/02/04(土) 21:07:51
- 146水使い23/02/04(土) 21:08:19
つよい
- 147二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 21:09:16
自分同士ならそりゃ簡単には決着も付かないよな……(ジャンケンのことです)
- 148二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 21:10:41
- 149魔法少女Nemesis23/02/04(土) 21:10:45
- 150黒眼鏡23/02/04(土) 21:11:17
「………………んん〜?マジであんた、何にも知らないの〜?撃剣くんの悩みとか、海竜ちゃんのかわいいとことか、成人祝いしてもらったこととか……」
【わざとらしくあごに手を当て】
「なぁに、あんた………………」
『……そ、それ以上は!!』
「…………」
【今一度にやりと性格の悪い笑みを浮かべ】
『やめ「友達いないでしょ?」
【クリティカル──】
【────クリティカル!!】
【クリティカル!!!!!】
【言われたくなかったこと……気付いていたのに気付きたくなかったこと】
【理想……眼鏡を倒して本物になっても決して得られなかった『友情』『繋がり』…………】
【『ホンモノ』黒眼鏡は『ニセモノ』がそれを持っている事を理解した!!】
【眼鏡に負けた『挫折』無しで得られない経験がそこにある事を悟ってしまった『ホンモノ』は──────】
「……ふん、私もこうなっていたかと思うと…………こう、堪えるわね」
『うわああああああああああああああああああああああ!!!ホンモノホンモノホンモノホンモノホンモノワタシガワタシガワタシガワタシガワタシガワタシガニセニセニセニセニセニセトモダチトモダチトモダチトモダチトモダチトモダチトモダチトモダチトモダチトモダチトモダチトモダチ………………………………』
【壊れた黒眼鏡を、闇の力でさっさと葬った】
「……さあ、こうしてなんかいられない……!!」
- 151水使い23/02/04(土) 21:13:18
- 152重鎧剛蛇◆IRjp04k5N.23/02/04(土) 21:14:18
※こちらは終了しました!
- 153星拳魔法少女23/02/04(土) 21:18:37
「……っ……」
『……』
【痛打を受けながら、少女は立ち上がる。まだ終わっていないと、眼前の相手へ構える】
【もう一人の少女は、それを見て構える。言葉はなく、ただ静かに】
【──やがて、再び嵐が吹き荒れる】
「……ぐ、っ……! ……まだ!」
【幾度となく打たれ、蹴られ、吹き飛ばされ。それでも少女は立ち上がる】
「あ、がぁっ……は、ぐぅっ!」
【少しずつ、ダウンまでが早くなる。少しずつ、復帰までの時間が長くなる】
「……ふーっ、ふーっ! この、程度……!」
【それでも、少女は立ちあがる。何度蹴り倒されても、何度打ち負けても。決して、負けを認めない】
【制服姿の少女が、構えを解く。僅かな落胆の色を瞳に滲ませながら、呟く】
『……もう、いいでしょう。貴方はよく戦いましたが……やはり、私の方が強かった』
【それを見て、魔法少女は目を見張り──ボロボロの体をゆっくりと奮い立たせ、構えた】
「……もう、いいかは……私が、決めること、です」
「確かに……貴方は強い。体はこちらより鍛えられて、技もこちらより磨かれています」
「──だからと言って。そんな貴方に、私が勝てない道理は、無いのです!」
- 154報恩の両手剣使い23/02/04(土) 21:19:48
「呼んでおいてなんだがまさかこんな所まで来るとはな…」
『…?誰だ?』
「あら、信徒が2人も…あっこっちの信徒は私があげた指輪をしてませんね、偽物です」
【女神が報恩に歩み寄る】
「それにしても酷い怪我ですね、これ自分でやったのですか?」
「まあ…ちょっとな…回復を頼めるか?」
「しょうがないですね…これだけ酷いとかなり力を使わないとですね、ですが問題はありませんすぐに治しますよ」
【女神が報恩の傷を治していく】
「完全に回復したわけではありませんがこれだ死は免れるでしょう、私に深く感謝するように」
「あぁ…帰ったら好きな物を好きなだけ奢ろう」
「よし【ガッツポーズ】、それで彼はどうします?」
【理想の報恩へ目を向ける】
「あの傷だ、放っておけば直に死ぬだろう」
「トドメは刺さなくて良いのですか?」
「必要無い、あの状態では剣は振れん」
「魔法を使ってくる可能性は?」
「それも無いな、使わないと事前に約束したからな」
「死ぬ間際にそんな約束を守るものですかね」
「大丈夫だ、私が同じ状況になったらそうするだろうからな、アレも私だ」
「そういうものですか…」
「良い仲間に巡り会えたか…もし仮にアレが理想の私だとするのなら…きっとあの人と一緒に冒険に行ったのだろうなぁ」
「………いかんな、過ぎた事を振り返っても仕方がない!切り替えていくか!」
- 155報恩の両手剣使い23/02/04(土) 21:20:24
こちらは終了しました!
- 156魔法少女Nemesis23/02/04(土) 21:20:29
- 157黒眼鏡23/02/04(土) 21:21:40
あ、終わりです
いちおう - 158偏執劇場23/02/04(土) 21:22:58
こちらも終わっております
- 159撃剣使い◆gt1ganT7To23/02/04(土) 21:23:26
外界神襲来につき多分レス遅れまくります
理想の自分戦は終了してますー - 160憤怒の保険屋◆PE/kpaaw1s23/02/04(土) 21:25:15
【失うものが無いからこそ強くなれた男は、敗者の躯を見下ろしていた。堪えようもない喜びと、それを凌駕する……】
「さぞ理想的な人生だったろうよ……」
【虚しさがあった。】
終わっています! どっちが幻影? - 161ごちゃ混ぜ少女23/02/04(土) 21:25:24
こちらも終了しておりまする
- 162二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 21:26:03
跡残ってるのは誰だっけ?
- 163水使い23/02/04(土) 21:26:21
【水使いが一方的にボコボコにされる。今この瞬間覚醒したばかりの水使いは、常に『加護』を使い続けて進化してきたシャングリラには絶対に勝てない。無謀というレベルではない、完全なる不可能である】
【抉られ砕かれ貫かれ叩き潰され折られ燃やされて殴られ蹴られ叩き付けられ殴り飛ばされ打たれ撃たれ凍らせられ斬られ穿たれる。『宿命』によって効果を幾重にも上昇させられた魔法の群れに翻弄されると同時に肉弾戦で滅多打ちにされる。それによって傷付く度に禁呪によって修復し、更に苛烈に傷付けられる。地が悉く彼岸花色に染められてゆく】
「ゴっ、こダァァァァァァ!!!!!!!」
【最早傷付かなかった箇所は存在しないレベルまで傷付けられながらも、水使いは諦めない。必ず殺すと誓ったのだから、誓いを果たさなければならない】
【腹を貫いた拳を全力に縫い止め、シャングリラに〈狂華翠憑・波浪〉で以て強化した拳を叩き込み、】
『《我は苦悩苦痛そして死の化身なり》』
【シャングリラが発動させた『宿命』の加護によって叩き込んだ拳ごと半身を爬虫類らしきナニカに食い破られて消滅させられる。傷付く度に発動可能なカウンターによって破壊させられた半身を、禁呪によって再生させて水使いが再びシャングリラを睨んで〈狂華翠憑・波浪〉によって"支配"した水に命令を下す】
さ っ さ と 死 ね
「〈狂華翠憑・不変水流〉」 - 164水使い23/02/04(土) 21:27:29
申し訳ない。後3レスを全速力で描きます!!!!
- 165ハイイロ23/02/04(土) 21:28:18
おわってますよー
- 166内気な極東以下略改め〈自在剣〉23/02/04(土) 21:29:43
【彼の姿は消えた。理想の自分の剣技で消え去ったのか?否。気配、闘気、剣気、殺気…それら一切が消え去った】
『…『幽玄』、か』
【理想の自分に、刃が食い込んだ。…彼の邪神化、狂化は解除されている。経緯としては、理想の自分の攻撃が迫る瞬間に納刀。行動を停止して、昏天喰星の素材の一つである半人半ドラゴンの少年の乳歯の加護で発狂を解除し正気度を回復。邪神化も解いて『幽玄』を消えたと錯覚するほどに気配を消して放つ一太刀を見舞った。『幽玄』は気を惹けるものが多いほど、それまでとの落差が大きければ大きいほど、効果が高くなる。…彼は、格の高い相手への特効も、格の高い剣士への特効も、邪神化も、狂化も。数少ない理想の自分に勝っている部分を、囮にしたのだ。更には正から狂、狂から正への落差】
「…この落差は、其方には出せないよね?」
『ふふ…お見事』
「…でも、理想の自分というのならこれさえ凌ぐと思ってた」
『そうかな?そっちがそう思うのなら…そっちの未来は明るいね?だってもっと先を思い描けるんだから。…僕が保障するよ』
「…。僕と同じで…会いたい人も行きたい場所もあるんじゃないの?」
『…取り巻く因果も断てるからね。自分で自覚したんだ。まやかしだって』
「そう、か…」
『そんな顔しない。皆が待ってるんだろう?ほら、行くといい。そして…いつか。僕が辿り着けなかったこの先に征くといいさ』
- 167内気な極東以下略改め〈自在剣〉23/02/04(土) 21:30:10
終わりました!
- 168GM◆tm7Yjj4q2A23/02/04(土) 21:30:55
多分水使いさん待ちですね
ゆっくり待ってますのでお気になさらず! - 169魔法少女Nemesis23/02/04(土) 21:31:26
水使いさん、星拳さん、鋼鉄人さん、仮想妖精さん、内気さん……は今終わったのであと4人かな?
普段見てるキャラの普段見ない一面が見られてすごく楽しい - 170”鋼鉄人”23/02/04(土) 21:31:46
えッあッ頑張ってすぐ終わらせますんで……
- 171ハイイロ23/02/04(土) 21:31:58
どこまでもハイイロさんなハイイロさんです
- 172内気な極東以下略改め〈自在剣〉23/02/04(土) 21:34:08
- 173星拳魔法少女23/02/04(土) 21:35:02
【拳と拳が交じる。暴風雨の如き乱打の中で、魔法少女は思う】
「(この"私"は、強い。体術も技量も、私より格上です……それでも)」
「──私は、負けない!」
『……!』
【魔法少女が、制服姿の少女の拳を払う。満身創痍でもそれが出来たのは、これまで幾度となく受けた攻撃であるが故】
【一瞬、刹那の間。『初めての展開に困惑する少女』へ、「幾度も死線を潜り抜けてきた少女」が作り出した隙】
「──せぇええいッ!」
【そして、星が瞬いた】
『……成程。これが、敗北なのですね』
「はー、はー……ええ。そうです。如何ですか」
『そうですね……とても。ええ、とっても……悔しいです!』
「そう、ですか……ふぅ、それは、何よりです」
【たった一撃を受け、笑顔で倒れる敗者。満身創痍の体で、それでも最後まで立っていた勝者】
『ありがとうございました。お陰で、もっと高みへ行けそうです』
「……それは、良かった。魔法少女冥利に尽きますね」
『ふふふ。次はもっといい戦いが出来ますね』
「……そうですね。私も、もっと精進します」
※想像以上に長くなってしまいました! こちらこれで終了です
- 174水使い23/02/04(土) 21:44:57
【水で周囲を覆った上で「不動たれ」と水分子に告げる。全ての水分子が停滞し、絶対零度を具現化する。分子を支配する〈波浪〉を凌駕する概念出力でもない限り不壊なる完全防御】
【しかし水使いにとっては飽く迄も相手を殺す為の必殺技を放つ時間稼ぎに過ぎない】
「貴様自身の技で、私が此処で貴様を殺してやるッ!!!!!」
『面白くもない戯言を良く其処まで喚けるな?』
【水を超高速で回転させ続ける。アルティメット・ベンケー戦の『必殺・魔法少女生存欲求マシマシ矛盾螺旋究極ドリルパンチ〜悪魔パワーと精霊パワーを添えて〜』と同じく、水分子の超高速移動にてよって天井知らずに熱量が上昇してゆく】
【極光と爆焔を顕す光帯は最初に水使いの肉体を九割近く炭化させたシャングリラの《光絶天環/クワルナフ》と同一の形を模りながらもそれを遥かに上回る炎熱を秘める】
クワルナフ・ヴェーレン
「〈狂華翠憑─── 光絶天環〉」
『何処までも、紛い物だな。哀れですらある』
【それを見てもシャングリラは眉一つ動かさずに、掌に大いなる光焔を宿す。此方も同様に最初の一撃を遥かに超越する威力を秘めている】
『《煌覇逆天/クワルナフ・ゾロアスター》 』
【双つの窮極のヒカリと、双つの必滅のホムラが空間を埋め尽くした】 - 175GM◆tm7Yjj4q2A23/02/04(土) 21:45:33
一応遅くても22時10〜15分には次描写行きたいですね
そこまでに反応が来なければ申し訳ないですが1回飛ばさせていただきます - 176”鋼鉄人”23/02/04(土) 21:51:42
【──勝敗はつかなかったので、コイントスをして先に此方が話す事となった】
【生まれから、今までを語って聞かせる】
【どちらかと言えば周りにいた人たちの事を重点的に語る様に、目の前の自分へと】
【"間違え続けた男"の人生を物語る】
〖"間違え続けた自分"の人生を聞く〗
〖あぁ、確かにあの時あの選択肢を選んでいれば、そうなっただろうというような、そういう物語だ〗
〖自分も運が悪ければ、或いは何か一つ掛け違えていれば同じような間違いをしてしまうだろうと言えるような、"もしも"の自分の道行き〗
〖……今自分と共に歩む者達の多くが居ない、そんな世界〗
〖彼は堪える事が出来ているようだが、果たして自分には堪え切れるのだろうかと思ってしまうような、そんな”if”〗
〖聞き終え、静かに語り出す。生まれから今までを〗
〖どちらかと言えば周りにいた人たちの事を重点的に語る様に、目の前の自分へと〗
〖"正解を選び続けた男"の人生を物語る〗
【"正解を選び続けた男"の人生を聞く】
【あぁ、確かにあの時あの選択肢を選んでいれば、そうなっただろうというような、そういう物語だ】
【自分が愚かでなければ、自分が上手くやれていたらと、そう思わぬ日はなかった"もしも"の自分の道行き】
【自分が一緒に居たかった人達の多くが一緒に居てくれる、そんな世界】
【……あの日あの時望んで止まなかった、誰もが幸せなハッピーエンドの"if"】
【目の前の彼はきっと、幸せなのだろう──】
〖──目の前の彼は、辛くないのだろうか〗
【だけど】〖だから〗
【〖拳を握る〗】 - 177”鋼鉄人”23/02/04(土) 21:54:42
【彼が、今まで助けてきたものを背負っているように】
〖彼が、今まで助けられなかったものを背負っているように〗
【〖自分だって背負っているものが在って、退けない訳があるのだから〗】
【〖──決闘だ〗】
【〖譲れぬ想いと決意を胸に、雌雄を決する為の闘いを行うために〗】
【救えなかったものの想いを背負った少し歪な拳の構えの青年】
〖救えたものを背負った綺麗な拳の構えの青年〗
【〖大事な想いを背負った《青年(ヒーロー)》達は──ここに相対する〗】
【在らざるものを砕くように赤殻を纏い】〖数え切れぬ程繰り返した動作で鋼と焔を纏い〗
【拳を強く握りしめ】〖拳を握りしめ〗
【一歩踏み込んだ】〖地を砕きながら一歩踏み込んだ〗 - 178水使い23/02/04(土) 21:58:18
【魔力を使い果たして倒れ伏した水使いと、無傷のシャングリラが立っている。別に双つの光環の衝突がシャングリラにとってダメージにならなかったという訳ではない。普通に致命傷である】
『………………《我は宿命の時を待ち侘びる悪龍なり》』
【単純に『宿命』の効果だ。終末の時まで生存を確約された存在であるが故に、戦闘において『宿命』が望む限り『宿命』は生存し続ける。それだけなのだ】
「ころ、……………す」
『憐れ』
【倒れ伏しても尚憤怒と怨嗟を叫ぶ水使いをシャングリラが見下ろす。異なる世界線の私はこれ程まてまに虐げられ、歪んだのだと実感して本来は禁呪保有者を殺す以外の選択肢を持ち得ないシャングリラは水使いを生かすという決断を下した】
『だからこそ、お前は幸せを望む権利がある。生きろ、生きて幸せを掴め』
【シャングリラの掌が水使いの頬を撫でる。水使いでは持ち得なかった感情、『憐憫』こそがシャングリラにその選択をさせた。だって可哀想だろう、この世界線の己が此処で終わってしまう事にシャングリラは耐えられなかった】
【『宿命』の効果を解除する。瞬時に先程の光環による超過損傷によって急速にシャングリラが絶命へと至る。最後にシャングリラは微笑んで】
『さらばだ』
【優しげな顔付きで、水使いに別れを告げた】 - 179”鋼鉄人”23/02/04(土) 22:04:42
【──相手は、自分と比べれば何もかもが上だ】
【その拳の威力も、技のキレも、鍛錬に費やした時間すらも、文字通りの何もかもが】
【心も体も技も何もかも、"正解を選び続けた"自分が今の自分を上回っていた】
【だから】
〖相手が放つ拳を弾き、正拳突きを真正面から放つ〗
〖それを間一髪で避けながら相手が放つ下から上に振り上げるような蹴りを受け止め、掴もうとしてもう片方の脚を用いた膝蹴りを避けるために断念した〗
〖組み合ったのは数合だけだが──やはり今の自分の方が強い。"間違い続けた"自分は、皆との鍛錬も交流もしていないのだろう〗
〖だから〗
【負けられない、と思った。どれだけ相手が強くても、負けてやるものかと拳を強く握りしめる】
〖勝てる、と確信した。いつものように勝って、守ることができると〗
【〖……この差が、彼と彼の違いなのだろう。何故ならばこの差が、此度の決闘の勝敗を分けたのだから〗】 - 180水使い23/02/04(土) 22:06:53
「く、くはっ、くはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」
【狂ったように水使いが哄笑する。勝った、勝った、勝った!!!!私は私を殺した!!!私は私を否定出来たのだ!!!!!】
「私こそが"私"だッ!!!!!!!私以外には、私ではない私には"私"を務められないッ!!!!!私こそが唯一無二にして至高の"私"なんだ!!!!」
【泣き喚きながら水使いが戯言を垂れ流す。本当は解っていた、あの場で勝利したのはシャングリラであった。彼女が自ら負ける事を選んでいなければ水使いは死んでいた】
【シャングリラの優しさと憐憫によって己が生きている事が水使いにとっては堪らなく苦痛であった。どんな傷を負ったとしてもこれ程の痛みにはならないであろう、全身の血という血を悍ましい怪物の毒に入れ替えた上で太陽風に百年吹かされて太陽の中に千年突っ込まれて地獄で悪魔共に一万年肉体も貪られても尚足りない程の痛みであった】
「あはっ、あはははははははは、あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」
【水使いは勝利によって憎悪と憤怒と怨嗟から己を解放し、その代わり絶望に抱擁された】 - 181仮想妖精◆bRrRGs00cA23/02/04(土) 22:07:21
仮想妖精’「あふうる」(そうよ)
【その答えに仮想妖精は……】
【そういうこともあるかなと思った】
【仮想妖精は、元々量産を企図された種族である】
【個体名「エテルネ(永遠)」は詩謳う御子の深層まで及ぶ心と接続した特別な存在であるが、御子が望めばまた別個体が生まれることはあるだろう】
【御子はエテルネ以外の妖精を深く同調させる考えは無かったはずだが、まあ考えが変わることもあるだろう】
仮想妖精’「あー へす ぬー せれん ね うぃむ」(ワタシ、彼と御子の娘よ?)
「やずいあいず?」(何ですって?)
【「唯一之空」系の技術を主として生まれた星紡ぐ子はまあ御子の初恋の結晶みたいなものでそう言えなくもない(※言えません)】
【「沙羅之星」系の技術が主である仮想妖精は逆に純度100%の御子であるはずだった。つまり分身】
【今更気づいた。こいつは「違う」と】
「ぎーやんね ぱす しぇく れ やいしゃう」(禁忌の函 底に希望)
「ふぁいら えく ばーやうい どぅ ばふぁい」(焔が絶望を絶ち)
「らしぇーら ね あんでぃ ぽん えく ひゅめい」(星の人の元 水が謳う)
「おぐ どぅ おぐうい」(死を殺せ)
「まくやんうい ひゅめりあ」(創れ 理想郷を)
「ぴんすぱる こーぬ いーれい」(標により来たれ)
「たぐる にぃ くいちぇんうい」(信号に集まれ)
「しえる ちぇい あーてす れ」(世界は変化する 新たに)
「ぱむ ていやんあぐあ」(決して止まらない)
「いーずうい」(従え)
「うじゃうい ひゅめ れ」(詩になれ)
「えーてす も らーらふあ」(神も聴くだろう)
- 182仮想妖精◆bRrRGs00cA23/02/04(土) 22:07:34
【それは女王個体への服従を強いる詩。この場合の女王個体は詩謳う御子を指す】
【自滅詩もあるが死にたいわけでは無かったので、とりあえず効きそうで手っ取り早い手段を取った】
【……イラつかなかったかと言えば嘘になるけれど】
【意図に気づいた仮想妖精’が謳っている最中にも追いかけてくる。恐らくあちらの方が存在の位階自体は高い】
【しかし所詮元が仮想妖精だ。それなりに強力な詩は紡げるけれど、肉体的に大差がつくわけではない】
【妖精同士の謳いながらのドッグファイト、最初に謳い始められた分。そして御子からのバックアップの分どうにか謳い切った】
【そして謳い終わると、仮想妖精’は停止した】
終わりです
お待たせしました
- 183水使い23/02/04(土) 22:07:46
終わりましたー!!!!
時間掛かってしまい申し訳ない………… - 184GM◆tm7Yjj4q2A23/02/04(土) 22:16:44
それでは15分になりましたので続きを書かせていただきます
鋼鉄人さんはおそらく途中ですかね…?申し訳ないです…
【結界が砕けた先には、元の陰鬱な研究室が広がっていた】
【どうやら他の冒険者も同じく結界を切り抜けてきたらしく、彼らは再び顔を見合わせるが、皆、特に変化は生じれなかった】
【………たった1人を除いては】
「……これは一体…どういうつもりだ」
『……』
【男はとうの昔に人間を辞めたはずだった。然し、少年の前に、困惑と怒り、やるせなさを抱え立つ彼の姿は、訓練施設でも鋼鉄でもない、元の人間の姿に戻っていたのだ】
【これは一体どういうことなのか、そう思う間もなく、少年が口を開く】
『……成程、結局、こうなるのか』
「…は?」
『無数の屍の上に生まれる事もなく、偽りの記憶を洗脳と薬で植え付けられることも無く、虚構の上ではなく自らが何かを作り上げる側に周り、慕われ、愛される"我"の理想、全てが上手くいった"我"…』
『それも……結局は"オリジナル"である御主そのものになってしまうのか』
【どうやら、あの時少年は、自分自身の身すらも斬り、"自分"の理想を垣間見ようとしたらしい】
【しかし、その理想は既に目の前に存在している。強いて言うなら、種族が変わった程度の変化しかおきなかった】
【けれど、それは少年にとって、「自分は理想絵図すら誰かの模倣品でしかない」ということを突きつけられたも同然だったのだ】
『はは、はははははっ………あははははははっ………!アッハハハハハハハ…!』
『………じゃあ結局"我"というものなんて初めから無かったに等しかったのか!』
『この身はあの女に作られた、御主の複製物でえり無数の屍の継合わせ!!!!紡ぐ言葉のこの思考も今まで歩んだはずの旅路も全ては演劇の脚本に過ぎなかった!全部!全部嘘っぱちなんだよ!』
「…待て!1回落ち着け藤三郎!ちゃんと話を…!」
『黙れ!どうせその名も作り物なのだろう!?なら"我"は誰だと言うのだ!!我の価値とはなんなのだ!?教官と言うならば教えてくれよ!!なあ!!』
【少年が絶望のままに咆哮をあげると、部屋の全方位から刃が顔を出し、冒険者に襲いかかった】
(※戦闘ロールですが1ターンで終わるので適当に殴って大人しくさせてください) - 185”鋼鉄人”23/02/04(土) 22:19:54
〖幾度となく拳を交わす〗
〖もはや勝ち目など見えない筈の相手が、自分であるからこそ諦めないのだと解る相手が、それでも粘ってくる〗
〖……哀れだ、と思ってしまった。多くの負けを知って、それでも諦めずに立ち上がった彼は、また負けるのだろう〗
〖だからせめて、出来る限り痛くないよう決闘を終わらせるべく──最大最速の技を使った〗
〖一歩、音の壁を砕き壊す〗
〖二歩、空を割って加速を積み上げ〗
〖三歩、界を砕く脚撃を最大最速を以て放った〗
「──火椿流決戦闘術 始式 "椿"」
〖──ここに決闘は終わりを迎え「火椿流決戦闘術 10式……!」【るわけがない!】
【見知らぬ、だが良く知っている一撃よりもさらに優れた一撃を青年は右の腕で受け流す】
【半身が赤殻と共に砕け、血潮が散った】
【負けられないのだ。例えどれほど相手が優れていようと、どれほど相手が背負うものが在ろうと】
【どれだけ愚かであろうと、今までの一分一秒の全てが積み上げてきた自分なのだから】
【その自分を"自分"に否定される結果にだけは、させるわけに行かない】
【その想いだけは──"if"の自分にはない想いだけは、彼が勝っている】
【あぁ、そして】
「"伊吹"──ッ!!」
【ヒーローならば、最後に勝つのは想いが強い方なのだろう】 - 186重鎧剛蛇◆IRjp04k5N.23/02/04(土) 22:20:39
「待っ!?藤三郎君!あの女とは誰です!?」【重鎧がいつもの装甲を纏い藤三郎君の元へ進み】
「すみませんが…少し落ち着いて…!先生に怪我をさせてはいけません…!」【小屋先生の周りを【出来る限りの】高速機動で動き回り迫る刃をその装甲で弾きへし折ろうとする】
- 187ハイイロ23/02/04(土) 22:20:45
その前に次スレかな!
- 188”鋼鉄人”23/02/04(土) 22:22:09
【"もしも"を突き破り、結界を抜けた青年は──そのままの勢いで九本の剣を展開して刃を砕きながら後行くものの為の「路」を作った】
- 189内気な極東以下略改め〈自在剣〉23/02/04(土) 22:23:54
「……!」
【掛けたい言葉は山ほど在った。聞き出したい事も。だが…今は皆心身共に疲弊しているだろう。故に】
「まずは保護を優先します…!『縫纏』…!」
【右手の光亡で周囲に、設置する斬撃を纏わせて保護する。左手の昏天喰星で周囲の刃を斬り捨てる】
- 190GM◆tm7Yjj4q2A23/02/04(土) 22:25:48
- 191内気な極東以下略改め〈自在剣〉23/02/04(土) 22:27:05
たておつです!
- 192報恩の両手剣使い23/02/04(土) 22:27:21
- 193ハイイロ23/02/04(土) 22:27:47
たて乙です!
- 194黒眼鏡23/02/04(土) 22:27:49
立て乙です!
【その少年の姿に、どこか懐かしさを覚えずにはいられず】
【さきほどの自分か、或いは他の誰かか、はたまた過去の自分か】
【でも、それで】
【彼女にはある種の確信がもてた】
【先ほどよりも確固たる確信】
【その思いを胸に、立ち塞がる攻撃を『闇の回廊』の応用によりかわした──】
- 195報恩の両手剣使い23/02/04(土) 22:28:01
たて乙です!
- 196偏執劇場23/02/04(土) 22:28:01
スレ立てお疲れ様ですー
「……」
「…………?」
「とりあえず斬るか……」
【相変わらずまったく状況を理解できない偏執劇場は、とりあえず暴走する少年を止めようと三度目の正直として大剣で斬りかかった】
- 197水使い23/02/04(土) 22:29:27
立て乙です!!
- 19830代目23/02/04(土) 22:29:29
- 199還元の保険屋◆PE/kpaaw1s23/02/04(土) 22:30:15
「無事帰還……だけど、問題はここから……ね」『そちらはどうなってる!?』『契約対象が暴走するなんて聞いてないって! ああああ終わりだ会社ごと終わりだあああ!!』
【彼は仕事に私情を持ち込まない。今回の契約は彼の身体生命の保護であり、その心や生命の如何は契約範囲外。】
【淡々と防護スクロールを破り捨てて刃に対し備えをすると、狂える少年の右手に狙いを定め、拘束の呪印を込めた狙撃を準備する。たった一射。彼にとって相手は契約で保護しなければならない対象であり、傷を付ける事は許されない。故に、一射だけ。後はより実力のある人間に任せる。それが今の最善手だった。】
【何の価値も無いまま、誰かの模造品のまま……それでも生きて行くしかない人生。そんな絶望的な苦境を解決する為の言葉を、彼らは胸に秘めている。】
(それならそれで、仕方が無い……)
【生まれ。運命。摂理。何気ない悲劇が牙をむいて、人生に絶望しそうになった時……それを克服しようとせず、ただ受け入れる姿勢。それが彼らに与えられた処方箋だった。】
(とはいえ、流石に私にこれを言う資格は無いわね……)
【周囲の冒険者を見る度、思う。彼らとは、あまりに違う。】
【こうして触れ合っていては、いつか致命的なスレ違いと悲劇を招くのでは……という不安を吐き出すように、極彩を伴う銃弾が発射された。】
- 200魔法少女Nemesis23/02/04(土) 22:31:28