深夜だから言うけど俺は綺羅羅ちゃんのことを……

  • 1二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 01:05:19

    まず前提として俺(キンキラコンビの同級生、弱い、オタク、コミュ力も無い)は俺みたいなオタクにも優しく話しかけてくれる綺羅羅ちゃんが好きで片思いしてるんだよな。

    でも綺羅羅ちゃんは秤君とかいうギャンブルばっかやってるDQNに狙われてるみたいでいつも絡まれてるんだ。
    綺羅羅ちゃんから聞いたんだけど、秤君の元カノはとんでもない女だったみたいで、勝手に秤君の金でリボ払いしまくって破局したらしい。

    フンッ、いい気味だよ。
    座学2の秤君のことだから、どうせ人を表面的な部分だけで判断してそうなったんだろう。
    ……まあ俺は秤君なんかと違って綺羅羅ちゃんの良さを理解してるけどな。
    綺羅羅ちゃんはこんなやつにも優しいから、秤君の「今夜俺の部屋に来ねえか?最高に熱くしてやるよ」なんて馬鹿っぽい説き文句をいつも「も~何言ってんの金ちゃん!俺君の前だよ?」って笑って流してる。

    何が熱くしてやるだ!どうせ綺羅羅ちゃんの体が目当てなんだろ!
    俺が守ってあげないと……。

    決めた。
    次の任務で呪霊を倒しまくって良いとこ見せて、綺羅羅ちゃんに告白しよう。
    次は珍しく俺と綺羅羅ちゃんと秤君の3人での任務だ。
    これを期に、ちょっと強いからって調子に乗ってる秤君なんかより俺のほうが綺羅羅ちゃんにふさわしい男だって伝えるんだ!
    綺羅羅ちゃんの良さを理解しているのは秤君なんかじゃなくてこの俺なんだ……!

    ◆◆◆

  • 2二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 01:05:54

    「ひ、ひいいっ……!」
    任務当日。
    俺は四方を大量の呪霊に囲まれていた。
    幸いにも怪我はしておらず、戦える体力は十分に残っている。
    それでもこの状況下では何の意味もないことだった。
    どの呪霊も俺の実力でどうこうできる相手ではなかったのだ。

    ……俺はここで死ぬのか?

    恐怖で足がすくみ、呼吸が荒くなる。
    俺は情けなくへたりこみ、震えることしかできなかった。
    綺羅羅ちゃんに告白するなんて決意もすっかり消え失せていた。
    心のなかに残っているのは、恐怖だけだった。
    俺は震える声で命乞いをした。

    「た、助けて……!」

    その時――轟音が響いた。

    「えっ……!?」
    俺を取り囲んでいた呪霊たちが次々にふっ飛ばされていく。
    「え……?え……?」
    状況が飲み込めず慌てふためいていると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。

  • 3二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 01:06:02

    「安心しろ俺君。お前はぜってー助けてやるからよ」
    「は、秤君!?」
    颯爽とと現れた秤君はニューテクの術式を巧みに操り呪霊を次々に倒していく。
    「も~、金ちゃんったら一人で熱くなっちゃって。合わせる私の苦労も考えてよね!」
    綺羅羅ちゃんも遅れてやってきて、俺の頭では理解できない難解な術式で呪霊の位置を操作した。
    どうやら秤君が攻撃しやすいようにサポートしているらしいということはなんとか理解できた。
    「行くぜっ、綺羅羅!」
    「任せて金ちゃん!私達の熱、あいつらに見せてやるんだから!」

    ◆◆◆

  • 4二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 01:06:40

    呪霊はあっという間に片付けられた。
    二人のコンビネーションは見事としか言いようがなかった。
    俺の苦労は一体何だったんだろう。

    「金ちゃーん!」
    戦闘が終わると、綺羅羅ちゃんは真っ先に秤君の元へ駆け寄った。
    「綺羅羅、怪我してねーか?」
    「してないけど、すっごく大変だったんだからね!今回だけじゃなくていつもこうじゃん!」
    「悪い悪い、お前がサポートしてくれると思うとついな」
    秤君は綺羅羅ちゃんを抱きしめた。
    「お前だけだよ、俺の熱を理解してくれるのは」
    「また馬鹿っぽい口説き文句言って……でも金ちゃんのそういうとこ、熱くて大好きだよ♡」

    綺羅羅ちゃんの柔らかそうな唇が、秤君の唇に触れる。
    その時気づいた。
    俺には最初から勝ち目なんてなかったんだ。
    呪術師としても、男としても……。

    全身から血の気が引いていく。
    俺は今にも気絶しそうだった。
    俺が呆然と二人を見つめていると、秤君は俺のほうに振り返った。

    「俺君も怪我はねーか?」
    その一言で綺羅羅ちゃんの顔が赤く染まる。
    「えっ、俺君!?」
    恥ずかしそうな綺羅羅ちゃんはやっと俺のほうを見て言った。

    「いたの!?」

    ――俺は高専を辞めた。

  • 5二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 01:09:30

    金ちゃんは助けてくれたのに…

  • 6二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 01:14:25

    風の噂で聞いたけど、そもそも綺羅羅ちゃんは女の子でもなかったらしい。
    俺は全くそんなことに気づいていなかった。
    本当に人を表面的な部分だけで判断しているのは俺だったんだ。

    好きになる対象は男らしいけど、そんなこと俺にはもう関係ない。
    綺羅羅ちゃんの好きな男は秤君であって俺ではないのだから……。

  • 7二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 01:20:50

    秤先輩のほうが先に付き合ってたからBSS(僕が先に好きだったのに)ですらないっていう

  • 8二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 01:26:49

    なんていうジャンルなんだこれは?

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