【CP注意】ぐだと妻モルガン&彼女バーヴァン・シーのバレンタイン【SS】

  • 1二次元好きの匿名さん23/02/14(火) 23:54:58

    「ハッピー・バレンタインです。我が夫」
    「ハッピー☆バレンタインだぜ。ざぁこ☆」

    帰宅して玄関の扉を開けた、かつて人類最後のマスターと言われた現在は現代日本における一介の学生たる藤丸立香を出迎えたのは果たして、そんな内容は同じでもテンションが二者二様の声だった。

    「えーっと…その、」
    「……どうやらサプライズの効果は上々のようですね」

    かつての冬の女王としての酷薄なものではなく、立香の『妻』たる優しい微笑みに加えてややしてやったりの面持ちが微量に見え隠れするモルガン。

    「キャハハハ!なにその抜けた顔、笑わせやがんの。というかなに突っ立ってんだよ、入れってば」

    心底愉快そうで、一見嘲笑に聞こえるがその実かつてより親しみ溢れるトーンの台詞を吐くモルガンの愛娘にして立香の『彼女』、バーヴァン・シー。

  • 2二次元好きの匿名さん23/02/14(火) 23:56:58

    >>1

    いつかの戦いを越えて、今や平和の中で生きる藤丸は『妻』と『彼女』を得て幸せに暮らしているのだった。

    ……そしてその二人は母娘。ちょいとイカれた状況だが、愛があるから矛盾はしないし両立もする。爛れていたとしても問題ない、愛ってそういう便利なものなのだ。


    ともあれ、学生服を着て玄関に立ち尽くしたままの立香に向かうモルガンとバーヴァン・シーの格好はそれぞれ水色・赤色を基調とした魔女?めいていて、しかして肩を出し胸の谷間を強調し下半身はミニスカという露出度の高いコスプレなのだった。

    それでいて、両手にはそれぞれの服と同じ色の包み紙にリボンを巻き付けラッピングした包みを持っている。……中身は立香にも容易に想像がついた。

    学校で、授業が終わった途端にあっという間に先に帰ったバーヴァン・シー。学校内でもその「行事」についての話題は方々から聞こえてきていたため、ひょっとしたらと思ってわざとゆっくり帰ってきたらこれである。


    今日は2月14日。彼女達が言ったように、バレンタイン・デーなのだから。

  • 3二次元好きの匿名さん23/02/14(火) 23:59:13

    >>2

    「……ふぅ。美味しかったよ。本当に、ありがとう、二人とも。すっごく嬉しい」

    「それは良かった。こちらも準備した甲斐があったというものです」

    「私はともかく、お母様のチョコをマズイとか言ったら罰ゲームものだけどな、お前の人生台無しにしてやる系の。ま、そんなことあるわけないけど」

    「でも凄いなんというか…俺も高級な味、なんてそこまで詳しくないけど。なんか豪華っていうか、今まで食べたチョコとは一味違うっていうか」

    「当然です。以前は造形を凝りましたが、今回は初心に返ってチョコレートの味そのものを突き詰めました。原材料・製造工程・隠し味。全て尋常ならざるもの。この妖精國の女王であった私の手が入っています。バーヴァン・シーのものも含めて、値をつけるなら×××万円と言ったところでしょうか」

    「先に言ってよ!?俺、そんな高価なチョコをあっという間に食べちゃったんだけど!」

    「みみっちいなお前…そんなこと気にする前にもっとお母様に感謝しやがれ。あとついでに私にも」


    あれから靴を脱いでリビングに上がり、制服を着替えるのもほっぽってチョコレートを受け取った立香。

    お茶を入れ、テーブルの向かいに二人並んで座る母娘と談笑しながらバーヴァン・シーに言われるまでもなく二人に感謝しながら食したそれは、一般人の今の彼の身からするとあまりにも身分不相応なものだった。

  • 4二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 00:00:57

    >>3

    「それに、一体いつ準備したのこれ。モルガンはよく部屋というか工房にこもってるけど、バーヴァン・シーはそんな素振りなかったと思うんだけど…」

    「そんな素振り見せないようにしたからこそのサプライズだっての。私だってお母様の工房で一緒に作ったに決まってるだろ」

    「だからそんなの、いつの間に──」

    「……我が夫。私はモルガン・ル・フェなのですよ。工房の中なら、できないことなどそうはありません。”時間の流れを引き延ばす”ことだって」


    立香は息を呑む。この閑静な住宅地に佇む一見ただのそこそこ立派なだけの一般住宅、中身がモルガンの手により魔改造されているのは勿論承知の上だが──その中の一室、モルガンが工房として使っている自室。自宅勤務で大金を稼ぐモルガンの仕事場。どうやら彼が思っていたよりこの世のものではなさそうだった。

    空間を拡張して外からは分からない大きさになっているくらいは彼も知っていたが…神代の魔術師恐るべし。いや、魔術師というなら工房内ではそれくらい当たり前のようにできるものなのだろうか。その辺りは未だにわからない藤丸立香なのだった。

  • 5二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 00:03:22

    >>4

    「その……もう一つ、聞いていい?二人の格好のことだけど」

    「おせーよ雑魚。お母様と私直々に、こんな格好してるってのにさぁ……おっぱいチラ見しながら意識しない振りとかダッサ!こんなアダルトチックな格好してんだから私もお母様もお前とのヤり目的だって決まってるっての」

    「「バーヴァン・シー!!」」


    あまりにもあけすけな物言いに思わず声を上げてしまったのは立香だけでなく、彼女のお母様たるモルガンもだった。割とこの女王陛下は初心なのだ。「我が夫」と呼びかけるのにも、当初は赤面していたくらいには。

    だがバーヴァン・シーの言葉は間違ってはいないから困る。誰が困るって、そろそろ意識しないのも限界だった立香が困る。何より──彼も満更でもないからさらに困る。

    うっすら顔を赤くしたモルガンが、仕切り直すかのようにコホンと咳ばらいをした。

  • 6二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 00:05:30

    >>5

    「……バレンタイン・デーが愛を伝える日、愛を交わす日、だと言うのなら。それは我が夫、貴方から私に、あるいは貴方から我が娘に。両方でなくてはいけないでしょう。片方であってはいけません。故に、今日は『三人の日』です。わかりますね?」

    「だからお母様も私も出血大サービスでこんなコスプレしてるの。興奮するだろ?ちゃんと二人とも満足させろ♡……まぁ、しなかったこと、ないんだケド」


    モルガンがそのたおやかな指先で、バーヴァン・シーが白魚のような指先で、それぞれ小振りのテーブルに乗っていた小さなハート形チョコをつまみ…口に軽く咥えた。

    そのまま椅子から腰を上げて、中腰になって向かいの立香の方に身を乗り出す。

  • 7二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 00:06:48

    >>6

    身体つき豊かな美女と美少女、二人の胸の谷間が思い切り強調された状態で立香の目の前に晒された。彼が手を伸ばさなくても簡単に触れられる状況。モルガンとバーヴァン・シーが口にハートを、咥えたままで。目を瞑る。


    「「ん」」

    「……っ!」

  • 8二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 00:08:31

    >>7

    「……ん」

    「はっ、……ふぁ、んっ」

    「ぷはっ……………どう?”美味しかった”?」

    「うん、”ごちそうさま”でした」

    「違いますよ、我が夫。……それを言うなら、”いただきます”、でしょう?」


    高揚した顔のモルガンが、立ち上がってリビングから寝室へ向かう扉を開け、自らの夫に先ほどのように柔らかくではなく、情欲が垣間見える笑みを浮かべた。

  • 9二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 00:10:29

    >>8

    「ベッドに行きましょう。あなたの妻が、夫と愛し合うのを心待ちにしています。……バーヴァン・シー」

    「分かってるわお母様。……あなたの彼女も、彼氏に可愛がられたいんだけど?…ま、逆でもいいけどな」


    蠱惑的な笑みを浮かべたバーヴァン・シーが立香の片腕に自分のそれを巻き付け、ついでモルガンも反対側の腕をとる。

    観念しろとでも言わんばかりだが、もはや立香も「満更ではない」どころではなかった。

    こんな美女美少女2人を諸共に愛する、愛されるという身に余る幸福。

    戦いの果てに、今の藤丸立香が確かに得たもの。

    モルガンの愛する夫と娘。バーヴァン・シーの大好きなお母様と彼氏。それに立香の大切な妻と彼女。

    皆が皆、幸せいっぱいの夜になることをきっと確信しながら、ベッドルームに向かうのだった。

  • 10二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 00:12:05

    >>9

    余談


    次の日、バーヴァン・シーは学校を休み。モルガンは朝食と昼食の当番をすっぽかした。

    理由は二人とも、起きてきたのが昼すぎだったためであり、その理由は天国を味わい味合わせた立香がわざわざ言うまでもないのだったとさ


    おしまい

  • 11二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 00:13:51

    良いものを見せてもらった

  • 12二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 00:14:02

    ありがとう

  • 13二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 00:14:08

    >>10

    ギリギリ2/14日に間に合ったのでいつかのやつの続編的なナニカです

    お納めください

    【CP・閲覧注意】モルガンとバーヴァン・シー二人と付き合う藤丸【SS】|あにまん掲示板「そう言えばお前の呼び方、お父様か雑魚マスか、どっちがいい?好きな方選ばせてやるよ」「できれば名前で呼んでほしいなあ……」「…………」娘であるバーヴァン・シーと藤丸のやり取りに、モルガンは口を挟まない…bbs.animanch.com
  • 14二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 00:45:49

    バレンタインだけあって腕のいい人が沢山書いてくれるなぁ、妻モルガン&彼女バーヴァン・シーありがとうございます

  • 15二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 00:47:57

    モルガンの夫にして義娘バーヴァンシーの彼氏っていう爛れた関係好き
    ずっと3人でイチャつけ

  • 16二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 02:03:49

    幸せ母娘丼いいよね…

  • 17二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 07:42:28

    二人共ハーレムに乗り気になれるのは強い

  • 18二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 11:52:51

    ぐだモルでもぐだバーどっちかでもいいんだけど、両方とも違和感なく成立させられるのは他にはない特徴だと思う

  • 19二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 11:56:05

    妖精にして魔女だから人間社会の基準に縛られないのいいよね

  • 20二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 19:40:12

    こういう風に幸せ家族でイチャついてるのすき

  • 21二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 22:37:56

    この2人はそういう事する

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