【SS】とあるヒーローの日記

  • 1121/11/16(火) 10:27:39

    ◯月×日

    まさか、自分が日記をつけることになるとは思わなかった。

    学生時代から能力の成長に関する数値などは記録していたが、日々の出来事など書く暇はないと切り捨てていた。

    それがまさか……いや、冗長すぎても後から読み返す時に面倒だろう。

    今日、まさにこの日記を始めるきっかけになった出来事だけを記そう。


    かねてより話を進めていた縁談の相手と、今日初めて顔を合わせた。

    自分の個性の弱点である"熱を溜め込む"性質を克服するために選んだ、氷結の個性を持つ血筋、氷叢家の娘だ。

    彼女は────


    ─────────────────

    「万年No.2の座に耐えられずに時代遅れの個性婚ですか。見下げ果てた浅ましさですね。

    こんな情けないヒーローがいるとは思ってもいませんでした」

    ─────────────────


    ────氷のような女だった。


  • 2121/11/16(火) 10:28:23
    コメントが進むごとに鬼嫁になる轟家の奥様|あにまん掲示板(拳にボクシングクラブみたいな氷をまとって炎司の顎に右ストレートをヒットさせた冷さんからの一言)私は孕み袋じゃありません。ちゃんと愛してください。何度、言わせるんですか?(にっこり)鬼嫁Lv.1bbs.animanch.com

    このスレを見て思いついた、鬼嫁冷さんを迎えてしまった轟炎司さんの日記風SSです。

    駄文・長文の垂れ流しですがご容赦ください。

    またキャラ崩壊・設定の把握漏れ・解釈違い・オリ展開等々あると思いますのでご注意下さい。

    大前提として、冷さんは炎司さんが大好きですのでそれを踏まえてお読み下さい。

  • 3二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 10:28:50

    期待

  • 4121/11/16(火) 10:28:59

    ×月▲日
    久々に、冷と二人で食事に出掛けた。
    ヒーローの業務が忙しく、実を言えば今日も事務所で打ち合わせを行いたかったのだが、冷の無言の圧力に逆らうことはできなかった。
    どうも初めて会ったあの日から、彼女に強く出ることができない。やはり、初対面で言われたあの言葉が印象に残りすぎているからだろうか。
    それにしても、無理やり結婚させられたのだからさぞ嫌われていると思いきや食事中の彼女は驚くほど楽しそうであった。
    そのことについて尋ねると、無言でスープを凍結させられた。温め直すのは少し手間だった。

  • 5二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 10:29:05

    おお楽しみだ

  • 6121/11/16(火) 10:29:35

    ◼️月◯日
    ヒーロー同士の交流パーティーに呼ばれ、参加した。
    以前ならそんな下らない催しに出るなど無駄だと断っていたが、なんなら今回も断るつもりだったのだが、またも冷に説得され参加することになった。
    確かに家族同伴が可能なパーティーではあるが、なぜあんなにも出席したがったのだろうか。
    パーティー中に冷が転びそうになり、咄嗟に抱き止めるということがあった。
    怪我はなかったようだが、やはり俺に触れられるのは嫌だったのか外に出ていってしまった。
    ああも顔を真っ赤にするとは、相当怒っていたのだろう。今後は気をつけねば。

  • 7121/11/16(火) 10:30:15

    △月×日
    近頃冷の機嫌が悪いのでどうすればいいかとサイドキックたちに相談したところ、「奥さんに何かして欲しいことはないか聞けばいいんじゃないか」とアドバイスを受けた。
    早速、久しぶりに早く帰宅できたので実践してみたところ、晩酌に付き合ってほしいという。
    俺相手では面白くないだろうとは思ったが、アドバイスに従うことにした。
    俺について知りたいというので、考案中の必殺技について話したところ冷たい目でビンタをされた。なぜだ。

  • 8121/11/16(火) 10:30:43

    ×月◯日
    今日、とうとう念願の第一子、燈矢が生まれた。
    自分の血を受け継いだ我が子がこの世に生を受けたという事実は、想像よりも遥かに嬉しく、感慨深いものだった。
    この子が俺の望んだ個性を宿しているかはまだ分からない。
    俺の夢を、この子に託すことが出来るのだろうか。

    [追記]
    燈矢が生まれる瞬間には、立ち会うことができなかった。
    ヒーローとしての仕事を優先するのは俺にとって当たり前ではあったが、冷には申し訳ないことをしたかもしれない。
    病室で彼女から罵倒されるのも覚悟していたが、礼と謝罪をした俺に彼女はただ優しく微笑んでいた。

  • 9121/11/16(火) 10:31:10

    ⭐︎月×日
    冷と燈矢が無事に退院してからしばらく経った。
    今日はヴィラン退治が少し長引き、事務所を後にしたのが深夜を回ってからだった。
    自宅に帰ると、酔っ払った冷が待っていた。
    酒に強くないのにしこたま飲んだのか足元もおぼつかない彼女の愚痴を、長々と聞く羽目になった。
    テレビに映ったあの忌々しいオールマイトを指差して「彼と私どっちが大事なんですか!」と聞いてくるので、もちろんオールマイトだと答えた。
    奴を超える以上に俺にとって大切なことなどない。
    それを聞いた冷は……いや、これ以上は日記に記すべきことでもないだろう。割愛しておく。

    [追記]
    二人目の名前は、男の子なら夏雄、女の子なら冬美にすることに決まった

  • 10二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 10:31:23

    いいですねぇ〜(ニヤニヤ)

  • 11121/11/16(火) 10:31:49

    ⬜︎月◯日
    俺はどうかしてしまったのだろうか。なぜあのオールマイトと連絡先を交換するなどという愚行を犯してしまったのか。
    どうにも冷の毒舌が出産以降強くなっている気がして、気が滅入ってしまっていたのは事実だ。
    それを、家庭も持たず呑気なツラをしているヤツに皮肉のつもりで伝えてしまったのもまた事実である。
    しかしなぜ、「相談にはいつでも乗るぜ」などという奴の戯言に流されてしまったのか。
    恐らく相談どころか連絡することすらないだろうが、仕方ない。残しておくことにする。

  • 12121/11/16(火) 10:32:18

    ×月△日
    恒例となった八木への相談も、とうとう20回に到達しようかというところになった。
    あいつのアドバイス全てが参考になるわけではないしむしろ火に油を注ぐことも多々あるが、口に出すだけでも心というのは多少休まるものらしい。
    業腹ではあるが、No.1ヒーローとして人々に慕われるのも少しは納得せざるを得なかった。

  • 13121/11/16(火) 10:32:44

    ×月◯日
    やはりオールマイトなぞ信用すべきではなかった。
    あいつに話していた冷への不満が全て冷へと漏れた。
    お陰でここ数日は怖くて冷の目を見ることさえできていない。
    女に凄まれただけで情報をゲロるとは何がNo.1ヒーローだ。恥を知れ。
    とはいえ、奴も冷の怖さを実感したからか多少親身に相談に乗ってくれるようになったのはありがたい。

  • 14121/11/16(火) 10:33:19

    ◯月⭐︎日
    燈矢の体質が、冷の個性を強く引き継いでいることが判明した。
    俺以上の火力を持ちながらも、熱に弱い肉体。このまま火力を上げる訓練を続ければ、いずれ取り返しのつかない事態になるかもしれない。
    冷が、燈矢にヒーローを目指して欲しくないと、そして俺に俺の野望を諦めさせたいと願っているのは薄々感じてはいた。
    恐らく冷自身は、どうにか俺を説得しようと心を痛めていたのだろう。
    だから、俺が賛成したのには驚いたに違いない。
    理由は複雑でもありシンプルでもあった。
    冷に散々罵られ、プライドなぞ当に残っていなかったこと。
    No.1と語ることで、奴の本当の強さが何かを知ったこと。
    同時に奴にも人並みの欠点や短所があり、頂点という幻影が薄らいだこと。
    だが何より、個性が発現し火傷をした燈矢を見て、真っ先に湧いた月並みでシンプルな思い。
    『未来を保証しなければ』
    これを書いている今でも、この選択が正しかったという確信はない。長々と書き連ねているのがその証拠だろう。
    俺は──

  • 15121/11/16(火) 10:33:53

    ⭐︎月×日
    今日も小狡いヴィランに苦戦していつものように朝方に家に帰ったのだが、冷の様子が今までと違っていた。
    まず玄関で服を脱がされ、なぜか体中を観察された。
    次に所有物のチェックが始まり、流石におかしいと思った俺が理由を聞いたところ、冷が一枚の紙切れを突きつけた。

    それは、俺が捨てたはずのガールズバーの名刺だった。

    ここで言い訳を書くのも妙な話だが、あくまでスポンサーとの懇親会という名目で渋々行った際に押し付けられたものに過ぎない。
    とはいえそれが何枚も溜まると流石にバツが悪いので先日まとめて捨てたはずだったのだ。
    一体誰がと考えていたが、名刺の裏には小さく文字が書かれていた。
    『過去は消えない』
    燈矢の文字だった。先週の遊園地へ行くという約束を破った報いだろう。

    [追記]
    後日、燈矢と冬美を連れて近くの公園へと出掛けた。
    数時間しかいられなかったが、二人は楽しんでくれたようだった。

  • 16121/11/16(火) 10:34:44

    ×月⭐︎日
    先日の名刺の件でまだ虫の居所の悪い冷をなんとかしようと、八木へと相談した。
    「奥さんに何かして欲しいことはないか聞けばいいんじゃないか」とどこかで聞いた気のするアドバイスを受けたが、果たしてそれが正しいことかと考えるとどうも違うように思えた。
    散々悩んだ挙句、初めて会った時に好きだと言っていた花を買って帰るということしか思い浮かばなかった。
    最初は冷も「どうせ誰かの入れ知恵だろう」と不機嫌そうだったが、必死に考えたがこれしか思い付かずすまないと謝罪すると「覚えててくれたんだ」とだけ呟いて機嫌をなおしてくれた。

    [追記]
    その晩の食事は何故か豪勢で、スッポンやウナギ、ヤマイモなど普段あまり目にしない食材ばかりだった。
    [追記2]
    三人目の子どもの名前は、以前決めていた夏雄になった

  • 17二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 10:35:37

    短いですがネタ切れなのでひとまず了
    没案で「喧嘩中にうっかり『個性が氷結でなければお前と結婚なんて』と口走った結果冷さんガチ泣き、燈矢と夏雄にガチ説教されるエンデヴァー、同じく冬美から普段の態度についてお説教された冷さんと仲直り」ってのもありましたが日記でもなんでもなくなってしまうので没!
    お付き合いいただきありがとうございました!

  • 18二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 10:36:20

    良い……

  • 19二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 10:37:23

    オデ ウレシイ
    スゴクイイ サイコウ
    アリガトウ アリガトウ

  • 20二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 10:44:21

    ほんまオモロいから頑張ってスレ主さん!もっと大変だけど、ネタ切れなら安価でやってもええかも

  • 21二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 22:24:31

    ほしゅ

  • 22二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 23:17:43

    良いね

オススメ

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