カワカミプリンセス「あの……お二人はどうして私と一緒にいてくださるのですか？」【SS】

1二次元好きの匿名さん21/11/17(水) 22:45:31

机を挟んで一緒に勉強していた二人のウマ娘は私の言葉に首を傾げた。
「カワカミさん、急にどうしたんですかぁ～？」
二人のうち片方がボブヘアを揺らしながら尋ねる。
私はボロボロのペンをぎゅっと握りしめた。
「……お二人はキングさんの後輩でしょう？
　だから私とはキングさんつながりで仲良くしていただいているだけなんじゃないかって」
「カワカミさんっ！」
私の言葉は吊り上がったネコ目に制止させられた。
ペンを握る手が二人の両手で優しく包み込まれる。

「私たちはキングと仲が良いからカワカミさんと一緒にいるんじゃありません！
　カワカミさん自身が努力家で一生懸命だからこそこうして一緒にいるんです！」
「……あんまり見くびると怒っちゃいますよぉ～？」

二人のまなざしが私を貫く。
「……ありがとう、ございます」
そう絞り出すのがやっとだった。
二人は一瞬顔を見合わせると立ち上がった。
そして私を挟むように座り、両側から抱きつかれる。
「い、いったいどういうことですの！？」
「私たちの気持ちがちゃんと伝わってなかったみたいなので、直接伝えようかなってぇ～」
「嫌だって言っても放しませんからねっ！」
ネコ目に見つめられ、ボブヘアが頬をくすぐる。

二人分の温かさのおかげで、私の心はぽかぽかと火照っていた。