風「ゼファーが二股してるなんて………」

  • 1二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 23:35:37

    風「俺とトレーナーどっちが大事なんだよ!」

  • 2二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 23:36:03

    ガニ股してる…?

  • 3二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 23:36:43

    トレーナー=恵風=風
    つまり純愛、いいですね?

  • 4二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 23:36:57

    でも風くんビッチじゃん

  • 5二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 23:39:32

    風くんは誰にでもなびくからなあ

  • 6二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 23:47:06
  • 7二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 01:35:17

     私は風が大好き、風も私が好き。
     たなびくスカートは雄風のしるし、ひゅうと風切る青いリボン。
     レースで身に纏う勝負服は、私達の愛の結晶といっても差し支えないでしょう。
     私達の関係は、このまま風が吹き続ける限り、続いていく、そう思っていました。

     いつからでしょう、この関係に、歪が生じたのは。

     今日、私はトレーナーさんと森へとやってきていました。
     最近は嵐のような忙しさで時間がとれず、久しぶりのお出かけです。
     とても暖かな光風、揺れる葉に木漏れ日が煌めいて、とても風雅。
     トレーナーさんも穏やかな表情で、木の下風を楽しんでいる様子でした。
     ああ、とても心地良い。
     彼からの清風は、いつも優しくて、隣にいるだけで顔が綻んでしまいます。

     そう思っていた刹那、ぶわりと、豪風が私達の間を駆け抜けました。

     木々の香りを運び、疲れを癒してくれる、素晴らしい風。
     ですが、そこには微かな陰風が、含まれていました。
     トレーナーさんは楽し気に、今のは良い風だったね、と私に声をかけてくれます。

    「ええ、良い風……ですがこの風、少し怒っています」
    「えっ?」
    「ごめんなさい、これは私と風の問題なのに、あなたを巻き込んでしまって」
    「……えっ?」

     きょとんとした表情を浮かべるトレーナーさん。
     あからしまともいえる花嵐は、私に問いかけます。

     ――――風とトレーナーさん、どちらが大切なのか。

  • 8二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 01:35:33

     私は、思わず言葉に詰まってしまいます。
     まさかこのような問いかけに、迷いが生じる日が来るとは思いませんでした。
     自分でも気づかない内に、私にとって彼の存在は大きなものとなっていたのです。
     私と、風と、トレーナーさんの三角関係。
     びゅう、びゅうと突風が私を非難するように、何度も吹き渡りました。
     二股ともいうべき態度を取り続けていれば、この仇の風も当然といえます。
     でも、私、知ってるんですよ。

    「ふふっ、桜まじさんだって、トレーナーさんのことが大好きなんですよね?」
    「…………えっ?」

     私がそう呟くと、図星を突かれたかのように、急に風は凪いでしまいます。
     やっぱり、と心の中に和風が流れました。
     風が好きな私が好きなトレーナーさんを、私が好きな風が好きじゃないわけがないのです。
     そして彼だって私のことを想ってくれていて、風のことを好きでいてくれています。

     私達は三角関係なんかじゃない、相互三角関係なんです。
     
     先程まであれだけ激しかった強風が、気づけば微風のようになっていました。
     静穏となりつつある風とは反対に、私の胸の奥からは、僅かな嫉妬の炎風。
     これは風に対してなのか、トレーナーさんに対してなのか。
     思わずじっと彼を見つめると、その視線に対して、静かに微笑みを返してくれます。
     ……ちょっとだけ、ずるいです。
     私も風も、こんなに心が乱気流となったのに、彼だけ至軽風のよう。
     だから私は、彼に悪風な質問を投げかけました。

    「トレーナーさんは、私と風、どちらが好きですか?」
    「………………えっ?」

  • 9二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 01:54:13

    また風がゼファーとトレに挟まってる…

  • 10二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 01:55:20

    出たわね風NTRSS書き

  • 11二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 01:57:11

           トレーナー
             ↓
    ヨシトミ→ヤマニンゼファー←カツハル
             ↕
             風

  • 12二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 01:58:40

    いやこれトレーナー終始困惑してるし風語録を理解できていない可能性が…?

  • 13二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 02:12:14

    >>12

    風語理解しててもわからんよ、これは

  • 14二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 02:12:47
  • 15二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 02:17:28

    風の様に現れ
    嵐の様なSSを吹かし
    風の様に去る
    残された我々にさ困惑と賞賛することしかできない…

  • 16二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 03:44:23

    あの、ガニ股ゼファー見に来たんですけど…

  • 17二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 07:53:35
  • 18二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 07:54:37

    このレスは削除されています

  • 19二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 09:10:35

    >>12

    風語録を理解してるのと

    風に人格が存在すると考えられるかは別問題だからな

  • 20二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 09:19:21

    >>14

    ゼファースレの風SSとは一体何なのか?!

    我々はその謎を探るべく、嵐の大地パタゴニアの奥地へと調査に向かった!

  • 21二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 09:23:32

    「ゼファーがガニ股してるなんて…」に見えた
    訴訟

  • 22二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 09:23:47

    >>17

    えっなにこれは(ガチ困惑)

  • 23二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 11:57:05

    「これですか、この足が良いんですか!? 私だってこうやって風を送れますっ!」
    「いやそういうわけ……コラッ! ゼファーやめなさいっ! はしたないからっ!」

     ゼファーがガニ股をしてるなんて、目にすると思わなかった。
     珍しく眉を吊り上がらせて、語気を荒げる彼女に、思わず俺も大声で注意してしまう。
     最初の方は、穏やかな話だったのに、どうしてこうなったのか。
     話は、十五分ほど前に遡る。

    「山道の歩き方、ですか?」
    「ああ、こないだはへとへとになって迷惑かけちゃったから、コツとかないかなって」
    「まあ、迷惑なんて、凪ですけど……けれど負担は軽風のほうが良いですね」

     そう言ってゼファーは、すっと立ち上がった。
     ――――森の葉風も良いですが、山で谷風を浴びてみたいですね。
     以前、彼女がそう話して、実際に山へ向かったのが一か月前の話。
     そこまで高い山ではなく、ゼファーは楽し気に、鼻歌混じりで歩いていたが、俺はそうもいかなかった。
     頂上につくことには息も絶え絶えで、彼女から心配されるほど。
     今度の週末、二人で別の山に出掛けるのだが、そこでみっともない姿を見せたくなかった。
     そこで彼女からアドバイスを聞くことにしたのである。

    「歩幅はくるくるさんの歩みのように小さく、つんつんさんのように背筋を伸ばして」
    「なるほど……大きく歩いた方が楽だと思ってたな」
    「それと急勾配では、このように花弁のようにつま先を開いて」
    「……なるほど」

     説明をしながら、少し足を開いて歩く姿を見せるゼファー。
     一瞬、思うところがあったが、このくらいならば言うことはないだろう。
     しばらく彼女からのレクチャーを受けて、なんとなくの理解を得た。
     後は実践あるのみだろう。

  • 24二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 11:57:23

    「ありがとうゼファー、今度の登山が楽しみになったよ」
    「はい、私も心から風待ちしています……ですがその前に、霞を浚いの風に乗せなくては」
    「……えっ」
    「山の颪と交わる前に、私達の関係をはっきりさせておきたいんです」
    「…………」

     ゼファーから告げられる言葉。
     真剣な、そして深刻な表情を浮かべる彼女に、俺は思わず襟を正す。
     しばしの沈黙の後、彼女は重い口を開いた。 

    「これは、なんなんですか?」
    「そ、それは……!」
    「この泥棒風……いえ、風泥棒……!」

     ゼファーは取り出したのは、横向きの底のない筒に、力士の下半身がついた物体。
     四股の構えになっており、自立させることのできる一品。
     それは、大関(ダイカン)製の羽のない扇風機である。
     先日、値段が安かったのと見た目がちょっと面白くて、つい衝動買いしてしまったもの。
     彼女の目もあり、結局使わずにトレーナー室に置いたままだったが、まさか見つかってしまうとは。
     
    「こんな、こんな……! ただの扇風機ですら許せないのに、羽すらないなんて……!」
    「ちっ、違う、違うんだゼファー」
    「何が違うんですか、トレーナーさんは自然のものでない、異風が良かったんでしょう?」
    「そんなことはない、ちょっと遊びで買っただけ」
    「遊び? 遊びの関係だっていうんですか!? トレーナーさんは、とんだ風来坊ですね……!」
    「ちゃんと話を聞いて……見た目が良くて買っちゃっただけで」
    「これですか、この足が良いんですか!? 私だってこうやって風を送れますっ!」
    「いやそういうわけ……コラッ! ゼファーやめなさいっ! はしたないからっ!」

  • 25二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 11:57:59

     大きく、力士のように股を開くゼファーに、思わず声を上げてしまう。
     自分の姿を省みたのか、軽い咳払いの後、彼女は少しだけ落ち着いた様子で席についた。
     頬を茜色に染めながら、足をしっかりと閉じて、しょんぼりとした様子で話し始める。

    「私は信じていました、トレーナーさんも同じように、まことの風を愛してくれていると」
    「それは間違ってないよ、ゼファー」
    「私と、あなたと、風とで相互三角関係を築いてると、そう思ってました」
    「それは間違いだと思うよ、ゼファー」

     相互三角関係ってなんだ。
     困惑していると、ふと、窓がカタカタと震え始める。
     ピューピューと、いつの間にか勢いを増した外の風は、どこか物寂しい。

    「聞いてください、この悲風を……この風、泣いています、そして怒ってます」
    「……情緒不安定な風だな」
    「トレーナーさん、本当のことを教えてください、私達とこの扇風機、どちらが好きなんですか?」

     ゼファーは真っすぐ、俺をじっと見つめて、問いただす。
     何やらおかしな風向きになってしまったが、この質問に対する答えは一つしかない。
     はっきりと、しっかりと、そして本気で、俺は言葉を返した。

    「勿論、キミが好きだよ」
    「……………………っ」
    「……ゼファー?」
    「えっ、あっ、はい、ありがとうございます……すいません、ちょっと見ないでもらえると……」

  • 26二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 11:58:16

     俺の答えに、一瞬目を見開いた硬直した後、ゼファーは俺に背を向ける。
     両手で顔を抑えて、耳はペタンとへたっていて、尻尾はぶんぶんと大きく揺れていた。
     ……わからない、これはどういう感情なのだろう。
     しばらくの間、彼女の後ろ姿を見続けていて、数分後、ゼファーは振り向く。

    「――――わかりました、その清風を、私は信じたいと思います」
    「うん、そもそも疑わないでくれると助かるよ」
    「……ごめんなさい、ですが共に風となってくれたあなたが、どこかに行ってしまうと思うと耐えられなくて」
    「行かないよ、キミが許してくれる限り、俺は風を送りつづけるって決めたんだから」
    「まあ……ふふっ、それじゃあ、ずっと一緒、ですね?」
    「ああ、望むところだよ」

     俺達は、そう言って二人で笑った。
     ……なお騒動の発端となった扇風機は、後日トレーナー室に来たたづなさんにあげようとした。

    「…………いりません」

     でしょうね。

  • 27二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 12:08:00

    (それはそうとすごく読みやすかったです)

  • 28二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 12:10:23

    なんだこれ

    なんだこれ…

  • 29二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 12:21:35

    力士の下半身(文字通り)
    買うな…!!こんなもの…!!

  • 30二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 12:31:14

    >>11

    カツハルは別の馬選んだし……

  • 31二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 12:35:48

    風トレの可能性もあるか…

  • 32二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 12:36:48

    こんなん見かけたらそら買うよ
    たづなさんは男の子心を理解していない

  • 33二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 12:41:36

    続けてどうぞ
    過去スレおせーて

  • 34二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 12:45:09

    ゼファー専属SS書きさんいつもお世話になっております
    絵とかシチュエーション見たらSSが頭の中に浮かんでくる能力者か何かかこの人?

  • 35二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 13:27:23

    いらすとやのまんまのシチュ捌いてくるの草

  • 36二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 20:03:33

    >>7

    書き出しが黄金バットで草

オススメ

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