- 11◆A8pWn3jbyg23/03/26(日) 17:12:18
ナギナギの実を食べてすっ転んだら前世の記憶を思い出しちゃったコラさんの話、の続編。
SS+ダイス+安価スレになると思います。ただしダイスと安価は要所要所。
思いついちゃったボスがボスなのでボリュームが広がっていくかもしれない。
書き溜めゼロなのでライブ感で行くのをご了承ください。
転載は禁止とさせていただきます。
【注意事項】
・このスレの時系列はごちゃごちゃです。劇場版時系列と思ってください。
・ワノ国後っぽい雰囲気が見られたりするかも知れませんが、時系列はパラレル。
・ローはK・ROOM、R・ROOM使えるローなのか現状定めていませんが、『凪(サイレント)』は使う事はないと思います。
前スレ
【オリキャラ注意】「ドジって前世を思い出しちまったぜ」外伝その10|あにまん掲示板ナギナギの実を食べてすっ転んだら前世の記憶を思い出しちゃったコラさんの話、の続編。SS+ダイス+安価スレになると思います。ただしダイスと安価は要所要所。思いついちゃったボスがボスなのでボリュームが広が…bbs.animanch.com最初のスレ
【オリキャラ注意】「ドジって前世を思い出しちまったぜ」外伝|あにまん掲示板前スレhttps://bbs.animanch.com/board/1079485/の続編です。ナギナギの実を食べてすっ転んだら前世の記憶を思い出しちゃったコラさんの話。SS+ダイス+安価スレになると…bbs.animanch.com前作
「ドジって前世を思い出しちまったぜ」|あにまん掲示板ひっくり返って呆然と青空を仰ぎながら、おれは手に持った一口分齧られた跡があるその実をまじまじと見つめていた。一気に頭の中に起こった記憶の濁流はひどい頭痛と吐き気と倦怠感と悪寒と等々重たい風邪症状をタイ…bbs.animanch.com - 21◆A8pWn3jbyg23/03/26(日) 17:13:51
【このスレだけのオリジナル設定・オリジナルキャラ】
・コラさん
一応色々あって今世の名前をロシーと自称しているが、ローもとい他の船員からはコラさん呼びされています。
身長166㎝の伸び盛り。将来的には288㎝(ダイスで決定)
治安悪めのスラムみたいなとこ生まれだけど特別な血統とか病気とかはないまま育った(安価で決定)
現在花と敵対中
・クオル
前作からのオリキャラ
安価で悪い医者と出たせいで徹底的にローと対比を取られつつ、神絵師のネコチャンイラストによって野良猫要素が継ぎ足された属性過多男。悪魔の実の能力者。
不治の病の治療法を見つけるために勉強中の医者。
ハートの海賊団に居候中。
ホーキンスと馬が合っているかもしれない。
現在森の鎮静化中&襲撃を受けてる? - 31◆A8pWn3jbyg23/03/26(日) 17:15:33
このスレからの新オリキャラ
・マリー
色付き眼鏡、腕には入れ墨、屋台で威勢のいい掛け声をするファンキーなシスター。
面倒見のいい姐さんタイプ。
過去神様にあったことがあるらしい……?
悪魔の実を食べドラゴン姿になりつつ再登場。
メモメモの実のフィルムによって過去を思い出した。
サバサバしつつもパパにクソデカ感情を持ってる。
・クリストファー
ギャンブル好きの生臭神父。人当たりはいいけれど結構適当でろくでなし。
マリーの養父。
右腕は義手。
元兵士。
敵に左胸を貫かれたが、戦線復帰している。
・レミ
本名レミリオ。優しそうな丸眼鏡のお兄さん。
頬から首を渡って大きな傷がある。死んだ兄がいるらしい。
過去失踪したことがあるらしい……?
現在身体から“木”が生えている。 - 41◆A8pWn3jbyg23/03/26(日) 17:17:41
・ラミ
レミのお兄さん。すでに故人。元神父。
コクレア様を蘇らせようとしていた。
霊体のような姿で登場したのをシャチが確認。
元メモメモの実の能力者。
花を倒すために尽力していたが、コクレア様の血と肉を食べ、花に食べられるという時間稼ぎを行った。
・サルヴァドール
コクレア様を信仰する神父。すでに故人。
通称サルヴァ。
クリスと似た性格をしており、そこそころくでなしだが人当たりはいい。
毒を飲み込み、花に食べられに行く。 - 51◆A8pWn3jbyg23/03/26(日) 17:20:24
コクレア様
白銀の色をした、ドラゴンのような、魚のような、蛇のような姿をした神様。
最近はドラゴン説が急浮上。
見た目は神秘的だけれど、慈悲深く、愛情深く、少しドジ。
現在力が封印されている。
ムルフェルニソ
元々麻薬の成分を含んだ花だった。
はるか昔、人の信仰により神に転じた“ただの花”。
純粋で悪辣。人を食物として認識している。
コクレア様のことを“らせん”と呼んでいた。
現在ラミロの姿を取り、差別化のためにミラと呼ばれている。 - 61◆A8pWn3jbyg23/03/26(日) 17:30:16
*
「あのさあ!! なんで木に激突するの!?! 割とすいすい進んでたから自由自在に進めると思ってたんだけど!!!!」
「くるる……」
「うっ、しょんぼりした顔をしないでよ……悪いことした気持ちになるじゃん……」
「るる、る、くる」
「……とにかく、急ごう! 早くキャプテンたちに合流しないと!」
「くる!」
「ってあそこに昆虫たちの群れ……! ぶっ飛ばせる!?」
「……」
「………無理そう! もう回避しつつ行くよ~!!!」
* - 7二次元好きの匿名さん23/03/26(日) 18:29:49
コクレア様思った以上にドジっ子…?
- 8二次元好きの匿名さん23/03/26(日) 19:39:04
コクレア様とベポでいいのかな?とりあえず可愛いなぁおい!
- 91◆A8pWn3jbyg23/03/26(日) 19:44:30
ラミロはコクレア様を食べた……?
いや、確かに、サルヴァは毒とかの不浄のものを体内に収め、花に喰われに行った。
けれど、それがもし花に対して左程の効力を得なかったとしたら、それ以上のものが必要で、そうだとすると、毒とか不浄とか、それ以上に効果があるのは……コクレア様そのもの、だよな。
でも、そんなこと可能なのか? というか神様を食べて平気なのか? そもそもラミロはどういった気持ちで――信仰する、神様を、食べようだなんて。
いや、ホーキンスの語るものが真実だとはまだはっきりしていない。
そう思って顔をあげて――ひどく不機嫌な顔でホーキンスを睨みつけるミラの姿がいて、息を呑む。
「………お前、なんなんだ。何も知らないくせにどうして気付く」
「否定しないんだな」
「おれにとってこの上なく屈辱的な記憶だよ。まさか人間にしてやられるなんて」
――――――。
真実だって、はっきりしちまった。
「え、ええ……ラミくん大分ファンキーな……」
「違うだろクリス! そんな神様の肉を食べてまともでいられると思うのかい?!」
「いや、それは、」
「花は神様じゃないとしても、コクレア様は神様さ。ただの獣じゃないんだよ! そんなもの食べてラミロが平気なわけがない!」
マリーさんが悲鳴染みた声を上げる。
確かに、……あまりのことに想像もつかないけれど、大分とんでもない話だ。
「……ラミロを食べたことによりお前はダメージを負った。しばらく動けなくなるほど、……そして、それだけじゃない」
「……」
「メモメモの実だ」
ホーキンスが確信を持ったように言葉を発する。
「お前、悪魔の実の能力を受けただろう。――神の肉を食べてまでお前に近づいた能力者が、使わないわけがない」 - 101◆A8pWn3jbyg23/03/26(日) 21:03:50
「やけにはっきり断定するね。ラミロがそうした根拠はあるの?」
「十年前のことだ、これらすべての言葉は色んなものを加味したうえでの予測でしかない」
堂々と根拠ゼロって言ってのけたけれど、ホーキンスの顔に揺らぎはない。
「だがしかし、自身の信仰する肉を食べ、自分で喰われに行くという覚悟と胆力の持ち主だ。破れかぶれだとしても、クリス達の記憶を奪う小細工をするくらいなら、こいつ相手にもするだろう」
「え、で、でも、出来るのか? そんなの、」
「さあな。出来たのか?」
ホーキンスはおれの問いかけを、逆にミラ相手にしてのけた。
そりゃ根拠なしだし推測だろうし真実はわからないけれど、よりにもよって敵に聞く!?
「………」
返答は、無言の攻撃だった。
先ほど繰り出してきた口から牙が生えた花が地面から大量に湧いておれたちに向かう。
「図星か? やはり情緒は人間らしいな」
「――いちいち腹が立つな。それでおれは悪魔の実の能力によって何をされたのだと言う気だい?」
「記憶を奪う……かと思ったが、お前に一番有効的なものは何かと考えてみた。ただの推測でしかないが、」
「………経験を奪う、というのはどうだ?」 - 11二次元好きの匿名さん23/03/26(日) 21:03:54
花が素直に認めててビックリ、弱点の肯定って不利にならないのかな
あとラミロの能力でってことはまさか… - 121◆A8pWn3jbyg23/03/26(日) 22:01:47
今日はここまでで終わらせていただきます。
また保守のご協力をお願いします! - 13二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 02:19:53
ペンギンクオル待機……来るかな?
- 14二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 12:41:17
このレスは削除されています
- 15二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 20:26:56
スレ立て乙です
前スレのざっとした説明
・クリスがラミロの両親を嫌っていた理由、当時のラミロの状況、マリーの森での証言が他と重なっていたことに気づく
・森に入った1回目、生贄にされる子どもを攫ったのを発見したマリーが後をつけて花の祭壇にたどり着く
・マリーの回想、サルヴァの儀式の説明、コクレア様との邂逅、教会にてラミロとクリスと合流
・豊穣神の説明、マリーとクリスの賑やかな会話を挟みつつラミロからクリスへ協力要請、その理由
・時間軸は現在に、クリスの反応にツッコミを入れるマリーさん+ハート組
・不浄の内訳判定しつつ儀式が廃れた後の話に、コクレア様が森に入ってこないように花が脅しをかける
・花が弱体化した経緯、サルヴァが劇薬(不浄)を飲んで花に喰われにいく
・サルヴァの行動に泣いて怒っていたマリーをクリスが慰める
・話が終わって大木へ向かう途中ラミロの行動を疑問に思ったロー
・レミの回想
・気味の悪い大木に辿り着いたら一体化しているレミが、迂闊に傷つけられない事態に
・ホーキンスが呪いのようだと意味深な言葉を呟く、大木から花が生えて攻撃開始
・攻撃を躱した後に花(ミラ呼び)の再登場、クリスが発砲するもミラからの精神攻撃+蔓による攻撃で重傷を負う
・マリーが動揺、ローの処置、ラミロの体を使われて怒ったシャチが攻撃するがダメージを与えられない
・ラミロへの憎悪を吐きながらクオルたちに虫1000体を送ったと言うミラ
・シャチがホーキンスと共闘する傍らローがクリスの治療を、クリスの告解、マリーの𠮟咤激励により活力が戻る
・レミの体をどうにかできないか尋ねられるもローの力が及ばない何かがあるらしい
・ミラがコクレア様への複雑な思いを漏らしつつマリーを標的に、治療が未完了のまま駆け付けたクリス
・クリスの怒りに口撃するミラへコラさんがサイレント、庇うローに花の情報を聞き出したホーキンスが神殺し宣言
・サルヴァを亡くしたラミロの回想
・島の歴史、花の特性による推測で花の信仰を揺らがせるホーキンス
・何かと一緒に移動するベポ
・敵意を持ったミラの攻撃からホーキンスのサポートをするロー、激化する中いつもの調子が戻ってきた教会組
・ラミロが喰われる前に腹に隠したのはコクレア様だというホーキンスの推測
・喰われに行く前、ラミロの回想
(88から94まで小話、あの人は今をコザー目線で) - 16二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 20:42:02
感謝!
- 171◆A8pWn3jbyg23/03/28(火) 03:04:00
今日は投稿できそうにないです!
また保守のご協力をお願いします! - 181◆A8pWn3jbyg23/03/28(火) 03:04:45
- 19二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 12:07:46
このレスは削除されています
- 20二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 18:23:49
ほしゅほしゅ
物語も佳境って感じがしてドキドキする
あとホーちゃんがかっこいくてどきどきす - 21二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 20:19:20
かっこいいホーちゃんが見れるスレはここですか?
- 22二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 22:11:51
- 231◆A8pWn3jbyg23/03/29(水) 02:46:49
今日も書けそうにないので、保守のご協力をお願いします!!
ホーちゃん格好いいと言ってもらえるの嬉しい - 24二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 10:57:58
コクレア様まだ力が戻ってないのか、森に入ってるの気づいて花が逆上しないようにしてるのか…
- 25二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 22:35:56
もしかして島民たちから信仰の記憶を奪ったのと同じく、花からも信仰されていた記憶を奪った…?
- 261◆A8pWn3jbyg23/03/30(木) 01:54:01
感想ありがとうございました!
今日も書ける時間がほぼないため、ちょっとだけで終わると思います! - 271◆A8pWn3jbyg23/03/30(木) 02:08:16
「経験を奪う?」
思わず聞き返す。ホーキンスはおれの顔を見ないまま答える。
「お前に対話するものはいない。お前が神と呼ばれる限り、一方的に乞われるか、一方的に搾取するかの二つ。そんなお前が成長する機会など――、そうだな、例えばおれたちに悪夢を見せたように、人の経験を知ったりしないと、ほぼ外敵がいなかったこの島では成長の余地はない」
そこまで言って、ああ、と気づいたように納得の声をあげた。
「恐らく、悪夢を見せるのもそうだが、食事として自分に取り込んだ時もある程度の情報を手に入れることが出来るんじゃないか? それも生贄を求めた一つだろう。供物として捧げられ、それの脳内の隅々まで舐り尽くす。だから定期的に人間を生贄として差し出させた……」
「――待って、そしたらおれのことも?」
「ある程度把握していてもおかしくない。やつは麻薬を元にする花――人の心の隙間に入り込むなんてころは、最初から備わっていただろう」
冷や汗が流れる。脳裏によぎる――思い出したくないそれら。
確かに、あの悪夢なんてものを見させられて、体験させられて、けれどそれらは花の能力で――。
そうすると……探られてても仕方ない、よな。記憶とかそういうの。
――激しい拒絶感が湧き起こる。
こう、触れるのが厳しい過去があるんだ。それはみんなも同じだろう。それを無遠慮に探られるなんて。 - 281◆A8pWn3jbyg23/03/30(木) 02:08:44
眠いので無理だった。
明日はもう少し書けると思います!
また保守のご協力をお願いします! - 29二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 11:33:40
人の心をよく知ってるから壊し方も知ってるという事だったけど生贄でお勉強してたんだ…
共感能力乏しいのも良い意味で相手の気持ちに引きずられない共倒れにならないみたいなパターンもあるけどそもそも「ヒト」を対等だと認識してない存在がこうだとぞわっとするよね - 30二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 20:32:58
このレスは削除されています
- 311◆A8pWn3jbyg23/03/30(木) 23:24:20
保守ありがとうございました!
今日も少しずつ書いていきます! - 321◆A8pWn3jbyg23/03/30(木) 23:38:11
でも、ホーキンスが言ってるのはただの根拠のない予想だけだ。
能力者ならこうするだろう、なんて言葉は全体的にあてはまるわけじゃない。
ホーキンスだって、確信があって言っているわけじゃないだろう。
でも、どこか自信ありげに見えてしまうのは何故だろうか。
「……もう一度聞こうか。根拠はあるの?」
冷えた声色が首筋を撫でる。寒々しく感じるような声が、闇みたいに全身に重さを増して降りかかってくる。こういうのを重圧って言うんだ。
でもやっぱりホーキンスは、なんでもないような顔で立っている。恐怖なんて覚えちゃいないとでも言うかのように。
「根拠はないが、でも、そうだろう」
けれど、その真顔は崩された。
ホーキンスはふてぶてしそうなあくどい、海賊らしい笑みを浮かべる。
「でなければ、大昔からいる信仰された神が――――こんなに、弱いわけがないだろう?」
……あ。
なんかこう、辺りに漂う重圧的なやつが一気に増したというか。
今、うんその、すごい煽り……しなかった……?
次の瞬間、おれの首根っこを引っ掴んでホーキンスが飛ぶ。
ぐえっと首を絞められながら元居た場所を見ると、大量の茨がそこから生えてきていた。
えあ、とミラの姿を探す。――どこにもない。
「おいホーキンス! お前が煽ったから多分あいつぶち切れてんだけど!?」
「そこまでの器量がなかったということだ」
「後味まで煽りたっぷりかよ!」 - 331◆A8pWn3jbyg23/03/31(金) 00:05:00
「でも、確かに……一理あるかもな、それ」
もし神様だとしたら、もっとこう……とことん理不尽なものとか、天災とか、そういうものをイメージする。
でもミラ自体は森から現状は出られない制限があって、コクレア様が弱点。倒せはしないけれどただ圧倒されるだけではない。相対しても割とまだ余裕がある気がする。いやおれの功績じゃなくてローたちのおかげなんだけど!
相手はすごく強い敵だと思う。人間が手に負えるものじゃないと思う。でも神様というには、なんか違う。こうして対話して、ホーキンスの言葉に怒りを見せている時点でさらにそれは深まった。
「まあ神ではないがな」
「あ! それを証明しているんだもんな」
「元は植物であり、人間ではない。価値観こそ違うし、相互理解を得ることはない。けれど感情自体は人間と同じように、不快になったら怒る。怒ったらすぐに攻撃に移る。実にわかりやすく単純だ。神であれかしと自分を定めていても、所詮はまがい物。簡単に挑発に乗る」
「やっぱりホーちゃんすげェ煽るじゃん……でも堂々としていてかっこいいぜ」
「くるしゅうない」
「それなに????」
とりあえず、ホーキンスの言葉にあれだけ怒るってことはホーキンスの言っていたことは事実なんだろうか。
つまりさ、それってラミロは花に対してコクレア様を食べて喰われに行って、それでさらに花に対して能力を行使したってことだよな。
神父ってことはただの能力を持っている一般人で、戦いとは無縁だったはずなのに。
それってどれくらいの覚悟だろうか、とぼんやり思う。
「ミラはどこに行ったんだ?」
「あれは仮の身体でもあった。いくら攻撃してもすぐに修復するだけだ。元からあってないような身体だったんだろう」
「この森全体があいつの身体みたいなもの、だしな」
「さあ、それはどうかな?」
「え?」
「ある程度、制限出来たと思う。――何せ、この森に君臨してはいたものの、元は単なる一本の花だ。花に意志があって神と名乗る何かに変じたとするなら、他の植物に意志がないとどうして言える」
「……あ!」
「あえてここで神という名前を使わせてもらうが、……神には反逆するものだと思わないか」 - 341◆A8pWn3jbyg23/03/31(金) 00:38:46
今度は地面が大きく揺れ、芽が出て、葉が茂り、蕾が膨らみ、花が咲く。
まるで巨大な建造物とも言えてしまうような、船の一つや二つを軽く呑み込めてしまいそうなその花は、蕾から開いた瞬間ねちょり、とした粘液を滴り落とした。
花弁らしき場所には歯のようなものが不揃いに生え、花の真ん中の柱頭には例の金色の目がついている。まるで食虫植物と言いたげなフォルムを三十倍ぐらい不気味にしたような感じだ。
開いた花弁の間から粘液を纏った緑色の触手がこちらに向かう。同時に花の四方から鋭い棘が生えた茨が一気に地面に敷き詰められていく。
「ひえ……ボス形態ってやつ……?」
「どうせアレも本体ではない。さっさと倒すぞ」
そうホーキンスが言った瞬間、ローが能力を使っておれの隣に移動してくる。
ここにきてさらに多用しているけれど、大丈夫なのだろうか。ローはすぐに無理するから心配だ。
そんなローはじっとりとホーキンスを睨みつける。
「お前が煽ったせいでさらに攻撃性が増してきたんだがどうすんだよ」
「まあ遅かれ早かれ妥当するならこうなっていたはずだ」
「そうだけど平然とした顔をしてるのが腹立つな……」
あ、こら、喧嘩するなよ! 今は仲良く共闘タイムだからな!
ホーキンスに変わらず首根っこを掴まれていたおれだが、ひとまずローの背中に移動する。
相変わらずおんぶに抱っこだぜ! 自分で言ってて悲しいなコレ!
「それで、どうするつもりだ?」
「……ひとまず、機が熟す時まで持久戦だな」
「お前がしていた神殺しってのは意味があるのか」
「いずれわかる」 - 351◆A8pWn3jbyg23/03/31(金) 00:40:15
というところで今日はここまでにさせていただきます。
明日から三日間事情により書けないと思いますので、どうか保守のご協力をお願いします。 - 36二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 11:59:57
保守
- 37二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 21:55:24
保守
- 38二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 06:35:46
かっこいいぜって言われてくるしゅうないって返しがあるのこんな状況なのにクスッとしてしまう
- 39二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 14:49:12
ホーちゃんに期待待機
- 40二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 22:38:52
保守
- 41二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 08:31:53
保守
- 42二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 18:41:33
ほ
- 43二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 22:14:25
ホーキンスが予想以上に活躍してて嬉しい
- 44二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 07:38:37
このレスは削除されています
- 45二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 07:38:51
保守
そう言えば、花はラミロを食べたけど、ビックマムみたいに食べた相手の能力継承したりしてないんだろうか - 46二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 16:48:08
保守
- 47二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 22:05:20
保守
- 481◆A8pWn3jbyg23/04/04(火) 02:27:53
三日間に及ぶ保守ありがとうございました!
と言いつつ、今日はへとへとに疲れた体調も悪いので、投稿再開はまた明日からにさせていただきます。
ご協力感謝します! - 49二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 12:28:36
保守
クオル達大丈夫かな… - 50二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 22:00:19
ご無理なさらずと思いつつもわーい投稿再開だ!という気持が抑えきれないでもご無理なさらずほんとに
- 511◆A8pWn3jbyg23/04/05(水) 00:45:03
保守ありがとうございました!
今日も少しだけ投稿させていただきます! - 521◆A8pWn3jbyg23/04/05(水) 01:05:12
いずれわかると言われても、そのいずれがいつかわからねェし、ちょっと心配だぜ。
でも、ホーキンスが語ったことを踏まえて改めてあいつを見ると、神様だからと独特なフィルター越しに見ていた景色が少しクリアに見える気がするから不思議だぜ。
なんだっけ、枯れ木も山の賑わい? ……じゃなくて、幽霊の正体見たり枯れ尾花、だっけか。全然違うな。
正体を知ってしまえば、心構えも違う。神様として見るのではなくて、神様の力を手にしたただの花って思うと、ちょっと、わりと、いやすごく、結構心境的に気が楽だ。
あんな悪夢を見せたり、人が絶望するのをあざ笑ったり、人を捕食するような存在だけれども。
だからなんだってんだ、と今自然と思える。
あいつは神様じゃない。神様じゃないなら、どうだって出来るはず。
おれが出来ることって少ないけれど、……まあ、無謀なのは昔から変わっちゃいないしな。
「――切断(アンテピュート)!」
ローが刀を振ればでかい食虫植物の口蓋が分かたれる。
それを覆うように、藁が大量に巻きつき――一気に締められる! 見ればホーキンスの片腕が藁に変化している。そういえば聞いてなかったけどホーキンスお前何の実の能力者なの!? 藁!? てっきり占いをする能力かと思ってたんだけど……。
藁に絞められた花の口蓋は締め付けられたせいで形が変形する。歯とかがあるせいか締め付ける藁の形に変形した姿が妙に気持ち悪い。
――やがてホーキンスが腕を振りかぶって、思いっきり叩きつける動作をしたために本体の花そのものに向かって投げつけられる。
「縺?縺?d繧√※縺?縺?d繧√※縺溘☆縺代※縺ゅ≠縺ゅ≠縺ゅ≠縺!!」
得体の知れない叫び声が聞こえる。なんて言っているか聞き取れない。ただ身の毛もよだつほど不快な音だ。聞いているだけで正気を削られちまいそうだぜ。
なので途中でナギナギの実でカット。悪いけど、最後まで聞き遂げるつもりはねェよ。 - 531◆A8pWn3jbyg23/04/05(水) 01:25:19
*
「もとより、コクレア様以外の神様は信じていないから私は大丈夫ですね」
「よく言うよ、コクレア様のこともちゃんと信じてるのかい?」
「失礼ですねマリーちゃん。私結構嘘つきな自覚ありますけど、そこに嘘はないです。マリーちゃんが最愛の娘なところも嘘はないです」
「もう親馬鹿はやめな!」
――まあ、うん。そりゃ最初は流されるがままやっていたところがあるけれど。
これでも、信じるものはちゃんと信じたいものを信じるって決めてるのだ。
割と天運で決め気味なところあるし、今もどっちでもいい選択とかはコインで決めちゃったりするけど。
最近は大事なものは惰性じゃなく、自分で決めてる。
たまにマリーが決めたものに流されてることもあるけれども。
撃ち抜いた弾が着弾して爆ぜる。瞬間生臭いにおいと共に花の口蓋が崩れ落ちる。
こちらに向かって飛び散ってきた溶解液らしきものはマリーがその身を挺して受けとめ……ってこらー!!!!パパはそういうの許可してません!!!!!!! やめなさい!!!!!!!!
「雰囲気と表情がうるさい……」
「嫁入り前の身体で毒液を受け止めない!!!!!!!!!」
「今更過ぎるよ! すぐ直るからいいんだよ」
「は~~~~~~!? パパぶち切れですけど!!!!!!!」
たまたま攻撃の際近くにいたロシーくんが『逆に安心するな……』と不思議なことを言っていたけれど、パパは安心できませんが?!?!?! そもそも割とまだマリーちゃんが戦いに参戦するのちょっとパパ的に認めてないというか。
でもマリーはパワフルにその勢いを持って食虫植物のむき出しの歯を次々とぶち折っている。頼もしいなァ!
でも、わかっている。マリーに戦闘センスは無くて、ただの底上げされた身体能力ありきの力だ。
当たり前だろう、戦いとは無縁に育ったんだ。きっとあの攻撃をしている最中も負担がないはずがない。強い精神力と根性で成り立っているけれど、あれは永続的に続くものじゃないはずだ。 - 541◆A8pWn3jbyg23/04/05(水) 01:36:07
「クリス!」
声が聞こえる。先ほども聞いた――まだ声変わり前の少年の声だ。
圧倒的にマリーより力がないのに、何故か変わらず戦場に立っている不思議な子ども。
なのに不思議と、彼の庇護をしている船長さんに頼りにされてるし、彼の言葉は妙な安心感があるというか、気が抜けるというか。それに不思議な能力を持ってる。音を消すっていうけれど、あれなんの実かな。……ナギナギの実辺りか?
「今からあと二枚一気にぶっ飛ばすから、あの目、真ん中に向かってでっかいの撃ってくれ」
「は? あ、ロケットランチャーですね! 火薬の量やばいくらいに詰めた改造品ですよ任せてください」
「一気に不安になってきた!」
これは船長さんの指示なのだろうか。それともあのコクレア様についてド失礼なことを言った方の船長さんの指示だろうか。いまだに根に持ってますけど。
けれども、うん。ロシーくんが言ってくれた方がなんかこう、身に力が入るな。
ほら、子どもの声援っていいもんじゃないですか。……声援っていうか指示だしだけど、同じようなもの。
……思えば、不思議な話だな。この島に来た海賊と共闘しているだなんて。
割と出稼ぎしている時、海賊を狩ってお金を手にしている時期があったもんで、なおさら。
まあ、うん。別にいいか、と思う。気にすることじゃないし。
それに、これでも、信じるものはちゃんと信じたいものを信じるって決めてるのだから。
惰性じゃなく、自分で決めてる。そこに嘘はない。
「じゃ、ロケットランチャーの出番ですね!」
「うわ謎収納……」
ちょっと特殊な操作をして神父服からがこんと取り出す。箱じゃ取り出しにくいからここに詰め込んでいたのだ。
まあ、昔取った杵柄ということで。
ランチャーを構える。目標を定める。
不安はない。
信じると決めた人たちから、頼まれたのだから。
* - 551◆A8pWn3jbyg23/04/05(水) 01:36:30
というところでは今日はここまでです。
また保守のご協力をお願いします。 - 56二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 01:46:29
初めてのクリス視点のお話
安定してマリーを想い続けているし、海賊狩りしていたけど当の海賊を信じれる関係にいつの間にかなっていったし、悪魔の実とか物知りなところはあるし、こういう些細な描写とその積み重ねでその人となりが分かるの、大好き
んでもって、ロケットランチャーを構える神父さんってかっこいいと思う - 57二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 06:15:41
いい感じに解決に向かってる感じするけど最初の辺りにあった自己犠牲に関する話が怖いな……
コラさーん!自分のこともしっかり考えて生き抜いてくれ……!! - 58二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 08:29:50
文字化けは命乞いの類いだな…これは沈黙させて正解だなぁ意味通じなくても声だけでSAN値削れそうだし
クリスから見た他キャラの印象が読んでて面白い~特にコラさんはコラさん視点で進むとおれなんもできてねぇくらいの自認だけど外からは今回のロシーくんってこんな風に見えるんだな~~って差異も新鮮 - 59二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 19:34:17
確かにコラさん視点じゃ何もしてない(花に直接的に攻撃を与えられない)かもしれないけど、ただそこにいるだけでみんなを勇気づけるってなかなかすごいことしてるよね
- 601◆A8pWn3jbyg23/04/06(木) 02:33:43
今日も投稿出来なさそうです。
年度初め忙しいのやめてほしい……。
最近あまりたくさん投稿できずすみません。
また保守のご協力お願いします! - 61二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 09:32:27
スレ主いつ寝てるんだって時々心配になりながらもいつもめちゃくちゃ楽しく読んでますありがとう!無理そうな時は気兼ねなくお休みしてもろてほんま
- 62二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 18:55:24
今更だけど前作はオリキャラがほぼ敵対してて今作はオリキャラがほぼ味方なのちょっと面白い
神とか運命が頻出する話の中にホーキンスもめちゃくちゃ馴染んでるしちゃんと続編なのにちょっと空気違うの続編!って感じで好きです(小学生並みの文章力) - 631◆A8pWn3jbyg23/04/07(金) 02:07:51
保守ありがとうございます!
気遣ってくれてとても嬉しい……。無理せずちょこちょこやっていきます。
今日も少しだけ続きを書いていきます。 - 641◆A8pWn3jbyg23/04/07(金) 02:24:08
あの食虫植物だって、きっと本体ではないだろう。
神ではないと証明したとして、あいつの力はとんでもなくでっかいもんだってのはわかっている。
だから、際限なく植物を生み出されて、それをいちいち相手しても、こちらの体力が消耗されるだけ。
でも、うん。それでも、逃げ出す選択肢はない。
「この世に無限の力なぞ存在しない」
ホーキンスがそんなことを言っていた。
「神だのなんだの、人の理なぞ知らない無法地帯であるならば知らないが、あいつは神ではない。ただの花だ。やがて土地は痩せる。木々は枯れる。花は萎れる」
「おれたちは常にそう思わねばならない。不浄という概念がやつを病ませることが可能ならば、おれたちはあいつの毒にならなくてはいけない」
そうすればどうにかなるのかなんて問いかけに、ホーキンスは一言答えた。
「どうにかするのだ」
―――大量の藁が三枚目の口蓋に巻き付く。強い力で締め付けられ、聞くに堪えない悲鳴が響く。
けれど次いで刀を抜いたホーキンスが一気に切り裂く。
長刀が幾重にも分かたれ、藁のようになった一本一本が、けれど無残にその口蓋をバラバラにしていく。
ホーキンスの言っていることは、どこまで正しいのわかっちゃないけれど。
でもこうして信じられるのは、あいつが必死に戦ってくれているからだろう。
涼しい顔をしているけれど、最初からずっと、あいつはあいつの目的で動いている。
生きて仲間のところに帰るため。ただその一点で。 - 651◆A8pWn3jbyg23/04/07(金) 02:42:30
ホーキンスに続くようにローの刀が口蓋を両断する。
「――タクト」
指先が動く。その瞬間、勢いよく切り裂かれた口蓋が上空に向かって打ち上げられた。
能力によって一瞬でその真上に移動したローは、落下する勢いのまま、刀の先をそれの真ん中に突き刺す。
「ラジオ…ナイフッ!」
次の瞬間、口蓋が一気にバラバラになる!
どれもこれも、切り裂かれた瞬間一気に毒が含まれてそうなどろどろとしたものを噴き出すし、本当に見ていて気色悪い。
吐き出される悲鳴はカット。
何を叫んでいるかは知らないけれど、それでも耳に入れるつもりはない。
「行きますよ~!」
全ての口蓋が切り裂かれたため、約束通りクリスはマリーの助けも借りて地に生えた食虫植物よりも高く飛ぶ。
肩に担がれたロケットランチャー。いかにも重そうなそれを、まるで重そうとも感じてなさそうに軽々と運ぶ。
向けられる先は、食虫植物の真ん中の目。
まるで監視するようにぎょろぎょろと動き回る眼。あれはおれたちを監視していたのか、それとも。
そんな呪いのような不気味な目に向かって、狙いを定め――轟音と共に、クリス曰く火薬をさらに加えた改造品のロケットランチャーの弾丸が発射される。
そしてそれは迷いなく目に当たった。
―――一気に、周辺が爆ぜる。 - 661◆A8pWn3jbyg23/04/07(金) 02:48:24
*
『は、ァあああ゛……ああああ、ガ、ぁ゛、何故、何故、何故、何故、何故、それを、肉、人間、何故、』
『信仰、らせん ―――肉、何故』
「―――――――愛して、いるからさ」
* - 671◆A8pWn3jbyg23/04/07(金) 03:04:40
爆破した瞬間、火薬が爆ぜるとともに一気に白い煙が辺りに吹き上げられる。
それは周囲の森の姿すら認識できなくなるほどの量だ。
「なっ……!」
「っ、コラさん、吸い込むな!」
ローに言われた瞬間慌てて口を手で押さえる。
完全に無呼吸になるのは難しいけれど、ひとまず爆破の煙とは違う、白い煙に警戒しておいて損はない。
「チッ……、毒性は、いや、この成分は……」
ローが何か考え事をしている間、おれは周囲を見渡す。
やべえ、もくもくがひどい。周りが見えなくなってきた――けれど、こちらに突っ込んできた一陣の風が、煙……もはや霧染みてきたそれを僅かに薄れさせる。
近くに来てくれたのはクリスとマリーさんだ。一陣の風はマリーさんの風圧だったらしい。
「マリーちゃんの浄化作用と移動の風圧で少しどうにかできるようですね」
「なんだい、あの目は弱点かと思ったら罠ってわけかい!」
「いや、あの悪い花のことだからちょうどいいとなんやかんやしたんだと思いますが」
辺りを警戒する。けれど何故か、すぐさま攻撃してくると思っていたんだけど、そういった手合いは向いてこない。
それがむしろ警戒を抱かせる。
相手はおれたちを殺す気満々なんだ。それに既にこの白い煙の蔓延なんていう状況を作られている。安心なんてしていられない。
「……そういえばホーキンスさん、なんでそんな神様案件のこと詳しいんです? 因習村に行ったりしてるんですか?」
「幾度かな」
「行ってるんだ!?」
……うんと、お前ら警戒してる? - 681◆A8pWn3jbyg23/04/07(金) 03:10:40
というところで今日はここまでにさせていただきます。
また保守のご協力をお願いします。 - 691◆A8pWn3jbyg23/04/07(金) 03:17:53
- 70二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 08:49:16
因習村で経験値積んでるホーキンス頼りになるけど詳細が気になり過ぎてちょっと笑ってしまった
そうだよな読者の見てないところでも冒険してるからな…因習村に行ったことがあっても不思議ではない - 71二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 14:04:15
表主人公はロシー(コラさん)時々シャチなイメージなんだけどラミくんについて情報が出る度に長い間一人で戦ってきたんだろうなぁ…裏主人公だなぁ…みたいな感慨がわく
- 72二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 14:53:07
- 73二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 18:40:12
ホーちゃんに関しては闇がいっぱいコレクションで名を馳せる北の海のご出身なのでそもそもの生まれが因習村である可能性を完全には否定できないのが恐ろしいとこ
北なら黒魔術系因習村の一つや二つありそう - 741◆A8pWn3jbyg23/04/08(土) 03:03:44
今日も投稿は無理そうなので、また保守のご協力をお願いします…!!
- 75二次元好きの匿名さん23/04/08(土) 11:24:53
もくもくがひどい 言い回し子供になっててかわいい
とりあえず即効性の毒はないっぽいかな…? - 76二次元好きの匿名さん23/04/08(土) 12:39:23
このレスは削除されています
- 771◆A8pWn3jbyg23/04/08(土) 17:05:37
- 781◆A8pWn3jbyg23/04/08(土) 17:29:54
「……にしても因習村って何? そういう名前の村?」
「知らねえ」
とにもかくにもホーキンスはどういう経験が大いにあるような。どういう経験?
……まあなんかスピリチュアルな雰囲気あるしな。占いとかたしなんでるし、オカルトとかそういうのに強いんだろう。どういうこと経験したのかこの後聞いてみるかな。全部終わった後に。
「それより気をつけろ。この煙には多少の興奮作用がある」
「え、娼館とかにあるようなやつか?」
「行ったことあるのか?」
「……興奮作用があるとどうなるんだ?」
「話を逸らしたな」
べ、別に付き合いで行っただけだって! それも前世でローに出会う前の時のやつだし!
いやホラ、ガサ入れ的なさ! そういう時のアレもあったし! うん、アレでソレが諸々で、別に好んで利用したわけじゃないっていうか!
ていうかそういうのローみたいな子どもに聞かせる話じゃねェだろ!
……いや子どもじゃなかった! 今はおれの方が子どもだった! おれ本当はオープンな方なのに、小さい頃のローがダブってどうしても猥談とか出来ねえ!
「……娼館で使用するような催淫作用のあるようなやつじゃない。むしろ薬物としての覚醒だな」
「え、あ……いやつまりこれ麻薬と同じってことか?!」
「今すぐに害すようなものじゃない。成分こそ薄いが……何をするつもりだ?」
とんでもねえ煙だった! マリーさんのおかげで浄化とか風通しとかよくなっているものの、急にこんな攻撃をされてどうしたらいいかわからない。
ひとまず、見えないところからの攻撃を注意しているけれど、……なんかそれだけじゃなさそうな、嫌な感じがひしひしとするんだよなあ。 - 79二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 01:59:13
しれっとホーキンスから聞くつもりのコラさんに笑っちゃう
十中八九夜眠りにくくなるタイプの話だよ、大丈夫? - 80二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 08:48:53
ホーちゃんの因習村攻略スレとかいうどうしても興味の引かれる文字列
大人方面の話をロー(大人)に聞かせたくないコラさん(子供)の図が面白いので全部片付いたらみんなで仲良くお菓子食べながらエログロ因習村のお話聞いて平和に目ん玉飛び出したりしてね! - 811◆A8pWn3jbyg23/04/09(日) 15:57:13
麻薬の成分が含まれている煙を極力吸わないように手で口を塞ぎながら、辺りを注視する。
どこから攻撃が来るかわからないのだ。
――それに、ローはあまりおれに見せようとしないが、かなり疲弊しているはずだ。
あんなに大怪我をした状態で海に磔にされていて、その後も結構な頻度で能力を乱用している。無茶しないないはずがない。今だって、ローの顔色は良くないのだ。
「いったい何がどうするつもりなんだ……」
そう思った次の瞬間。
――ローの身体がびくんと跳ねた。
「ろ、ロー?」
「……………ラミ?」
「は?」
え、ラミロ?
おれはローが見ている方を見て、――思い描いていた神父姿の青年ではなく、小さな少女が煙の中立っているのがわかった。
手を目元に当てながら泣いているその少女は、身体中に白い斑が見える。
『いたい、いたい……兄さま、痛いよぅ……』
そう、悲し気な声で、悲痛そうな声で、泣きながら誰かを読んでいて―――、
それを、呆然と見ていたローは、はっとしてからひどくおどろおどろしい――辛そうな声をあげた、
「なんて、真似を……!」 - 821◆A8pWn3jbyg23/04/09(日) 16:39:46
ローの様子を確認すると、米神に幾つも青筋が立っているのがわかる。目は血走っていて、この一瞬でひどく激高したのがわかった。
瞳孔が開いていて、唇を噛み締めている。今にも突っ走ってしまいそうな雰囲気を漂わせながら、なんとかそれを抑え込んでいるって感じだ。
これって、と。……おれは、すぐに思い当たる。
――ラミ。ラミロじゃない。それはローの妹の名前と同じだって言ってた。
だから、そういうことなのだろう。そしてこの場所にローの妹が……いるはずない。ということは。――その理由なんて、明白だ。
「……ロー」
「わかっている。これはあいつが生み出した幻覚……幻影だ。だから、本物じゃない」
目の前で苦しそうに涙を零すラミちゃん。――そして、その小さな口から、ごぽりと血が溢れ出す。
口からじゃない。目からも、鼻からも血を噴き出し、本当に、本当に、苦しそうにしながらローに向かって手を伸ばした。
『たすけて、たすけて、兄様、苦しいよ、苦しいよう』
『なんで助けてくれなかったの、待ってたのに』
『兄様だけ逃げた。兄様だけ助かった。兄様だけ生きてる。ひどい、ひどい、ひどい……』
『今度は助けてよう、兄様、苦しいの、お願い、見捨てないで』
『にいさま』
幻影だと、本物じゃないとわかっているのに。
それをローもわかっていて、理解していて、だからそれに魅入られてはいけないと知っていて、――けれど、大切な妹が、ローに向かって手を伸ばすから……だから、動きが止まってしまって、見つめてしまって。
―――――次の瞬間、ラミちゃんのお腹を突き破って、茨塗れの木のつるが、ローに向かって撃ちだされた。 - 83二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 17:31:17
うわぁ……そっかラミロになれるならラミちゃんにもなれるよな……ロー大丈夫か?
- 841◆A8pWn3jbyg23/04/09(日) 17:47:14
ローは、途中で我に返りなんとかぎりぎりで避ける。けれども完全にはよけきれず、横腹に大きな傷を負ってしまった。
「ッロー!」
「だい、じょうぶだ! ……クソっ、最悪すぎる!」
すぐさまローは刀を取り、ラミちゃんの幻影を切り裂く。その瞬間聞くに堪えない悲鳴を上げながら、ラミちゃんの身体は消滅するどころか、身体を真っ二つにしながら中身が撒き散らされ、そのまま消えずに地面に崩れ落ちる。なんて、悪趣味な……!
――そして、何よりも、切って終わりじゃなかった。
『お兄様』
また、ラミちゃんが現れる。
『お兄様』
『お兄様』
『お兄様』
いくつものラミちゃんが。
『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』
『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』
『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』
『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』
『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』『お兄様』
まるで、視界を埋め尽くすほどの、ラミちゃんが。
「―――――」
絶句する。
これ、まるで悪夢を見せられてるときと、同じ……! - 85二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 17:55:40
そういえば夢の中でラミちゃんの姿になってたな…
わざわざラミちゃんの幻影ごと貫いてるの人の心ォ!ってなった - 86二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 18:17:58
本物のラミちゃんの姿知らないはずのコラさんにも視認できてるってことはローだけの幻覚じゃなくて花が人の記憶から作った姿形を実際に再現してるって感じかな
悪夢世界がそのまま具現化したみたいな地獄だなぁ - 871◆A8pWn3jbyg23/04/10(月) 01:54:39
「……ハァ…ハァ…、クソ、これが狙いか」
「え、えあ、ロー!」
ローが片手で目元を押さえる。息が荒くなっているのは、疲れとかそういう理由じゃないってのはおれでもわかる。
大事な妹だったということを知ってる。ただでさえ情に深いのがローだ。それが、かつて失ってしまった大切な妹が、こんな扱い方をされているなら……その心情はいかほどか。
「コラさん、この煙の麻薬成分が幻影と上手くマッチしている。人の偏桃体を狂わせて、まともな判断をできなくさせる。感情が暴走するんだ」
「………!」
「悪夢も似た原理なのかも知れない。もともと麻薬の花だけあって、いくほどの人間が悪夢(バッドトリップ)に陥る様子を見てきただろう」
――その時、反対側で銃を激しく撃つ音が聞こえて、振り返る。
そこにいたのは無表情で銃を乱射するクリスだ。
クリスが銃を向ける先には、幾人もの兵士が血まみれで倒れている。
『助けて』『国に帰りたい』『こわい』『戦場にはいたくない』
『もういやだ』『父さん、母さんに会いたい』『息子がいるのに』
『死にたくない死にたくない死にたくない』『ここは地獄なんだ!』
『この悪魔』『従うしかない狗が!』『やめてくれ』『殺さないで』
「――――うるさい、うるさい、うるさい」
あ……あれやばくないか!?
今ローが説明してくれたように麻薬の術中にはまってるというか。
でも同時に撃ちだされる本物の攻撃も撃ち落としてるから、クリス自体に攻撃は通ってない、けれど。 - 881◆A8pWn3jbyg23/04/10(月) 03:35:37
『――――父さん、母さん、なんでマリーちゃんを!』
別の方向からも声がする。そちらを見ると、マリーさんの前にはラミロがいて、そして見知らぬ二人の男女がいる。
『仕方ないことなんだよ』『そう、豊穣神様がおっしゃったの』『子どもを捧げないと』『この子を捧げないといけないと』
『ラミロもわかってくれるわよね』『だって言われたんだ』
『さもなければ、レミリオを贄にしろと』
マリーさんが青ざめた顔でそれを見ている。
これ、ただの悪夢じゃない、よな? でも、いったいこれは、どうして。
『じゃあなんで――! コクレア様を、封印したんだ!』
――――え?
『マリーちゃんが生贄に捧げられそうになったとき、助けに入ったコクレア様を、お前たちは刺した!』
『豊穣神様が与えてくれた力よ! あんな化け物、神様ではないわ!』
『違う! コクレア様こそがおれたちの味方をしてくれる神様なんだよ!』
『目を覚ましなさいラミロ、お前は私たちの息子だろう!』
『それでも生贄を捧げなければ生きていけない教えなんて間違ってるだろ!』
いや、これ、かなり、重要な、……これ、こんなことがあったのか!?
「……アタシの、せいで?」
……ああクソ、この場では正解かよ! マリーさんが呆然としてやがる! - 891◆A8pWn3jbyg23/04/10(月) 03:46:18
『あの子が何をしたんだ、あの子はこの島の生まれでもなかった!』
『それでも私たちはレミリオを愛してるんだ!!』
『……!!』
『そして……お前も……愛してるんだ………!』
人を生贄にして、存続してきたのだろう島で、そしてそれを守り続ける信仰者で。
生贄をしなければならない、祈りに囚われて。
そうして、支配されて―――。
それでも変わらぬ愛情を持っていたのが、悲劇だった。
『……最初に、記憶を操作するべきなのは、お前たち、だった』
酷く苦し気で、血を吐いているのではないか、という声だった。
恐らく、ラミロだって愛情があったんだろう。子が親に持つ、普遍的な愛情が。
でも、それでも、どうにもならないことがそこにあった。
『早くあの子を、マリーを連れてこなければ』『豊穣神様にお供えしなければ』
『これからの、幸せのために』
『ラミロと、レミリオの、幸せのために……!』
『―――――――削除(デリート)』
ラミロが手を彼らに向けた瞬間、――両親であろう二人の額から、一気にフィルムが溢れる。そして、それがすぐさま粉々に砕かれていく。
両親は虚ろな目をしてから、そしてそのままその場に倒れた。
残るラミロは、呆然とその場に立っている。
『……あなたたちは、違う島で、どうか過ごしてください。そこで二人で、おれたちのことも、島のことも、あの花のことも忘れて、健やかに過ごしてください。手筈は整えます』 - 901◆A8pWn3jbyg23/04/10(月) 03:52:37
『う、うう、うううッ……!』
そしてその場にラミロが崩れ落ちる。
顔は手で覆っている。背中を向けているため、表情はわからない。
……いくら、何があったとしても、それでもラミロの両親であって、ラミロにとって大切な人たちだったのだろう。
酷い行いをしていたとしても家族の情は消えない。それはよくわかる。
『うああああ、あああああああ……! ああ、ああああっ……』
ラミロの慟哭が響く。
それを、マリーさんは呆然と見ていた。
「なんだよ、これ、アタシは知らない、覚えてない……!」
頭をぐしゃぐしゃにかき混ぜている。きっとこれはラミロに忘れさせられた記憶の一部なのだろう。
マリーさんは生贄にされかけていた。そしてそれをコクレア様が助けて――、その両親の手によって、何かをされた。刺されたとか言っていたし、何か攻撃をしたんだろう。コクレア様の力を封印出来るような何かを授かって。
――そんなの、自分の責任だって、マリーさんが感じちまうのも無理はない。
マリーさんの責任じゃないとおれは思うけれど、もしおれがマリーさんだったら、絶対おれのせいでって思っちまう。だから、それと同じことがマリーさんに起こっているのだろう。
それに情が深くて誠実な気質だ。まだ若いし、起こったことをそうそう飲み込めなどしない。
だから、ラミロの背中を突き破るように生えた木のつるにマリーさんは反応できなくて……けれどクリスがマリーさんを気に掛ける余裕がないままに、木のつるだけ迎撃する。それは流石ってやつだ……。 - 911◆A8pWn3jbyg23/04/10(月) 03:53:03
というところで今日はここまでです。
また保守のご協力をお願いします!! - 92二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 09:04:20
クオルも心配だけど皆も全体的にヤベェですな
- 93二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 09:27:52
ラミくんが両親から抜いた記憶の量がえぐそう……両親との実質的な死別みたいなものじゃんってお辛くなってしまった
でもレミくんには同じように記憶操作して一緒に島外に送り出すことはしなかったんだな - 94二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 17:49:56
ラミくんが両親を『お前たち』って言ってるのも辛いな…
家族に対して引鉄を引けない人でもあり引ける人でもありという感じで… - 951◆A8pWn3jbyg23/04/11(火) 02:08:07
今日は投稿できそうにない感じです。
また保守のご協力をお願いします。 - 96二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 10:42:14
おそらく一般人のラミレミ両親がコクレア様封印できたのすごい
豊穣神様が与えてくれた力って言ってたし一時的な強化でもされたのか何か呪具的なものでも授かったのか… - 97二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 20:20:49
マリーさんの衝撃と動揺も心配だけどクリスもクリスで無表情になっちゃってるのやばそうだな…
白い煙の範囲は分からないけど森の中で別行動中のメンバーも大丈夫なんだろうか - 981◆A8pWn3jbyg23/04/11(火) 22:38:33
保守ありがとうございました!
続きを書いていきます! - 991◆A8pWn3jbyg23/04/11(火) 23:20:18
そして、おれは。
『ロシー』
―――その声に、足が止まる。
もう、わかっている。きっと見せられたくないものを見せられるし、周囲に巻かれた煙で思考を搔き乱す。
悪夢の奥底を覗き込む力を持ってあいつは、すんごく嫌がらせをすることに長けているのだ。
だから、その声を聞いて、誰が来るのか、誰がそこにいるのかもわかったし。
……わかったうえで、おれは馬鹿みたいに、感情をかき回された。
そこにいたのは、今のおれと同じくらい――いいや、それよりももっと小さくて、やせ細って、もともとは仕立てのよい服をボロボロに汚した、金髪の子どもだ。
ひどく辛いのに。いつも怒っていたのに。苦しさも、辛さも、この年の子どもが背負っていいはずではないものを、それでも飲み込んで――おれの前では、笑っていたのだ。
「ぁ、」
これは敵の罠だ。術中に嵌っている。おれの精神が揺らぐ時を待っている。そうしてほくそ笑んでいる。
わかっている、わかっているんだ。わかっているはずなのに。
『ロシー、大丈夫だえ、安心するえ』
酷い暮らしの中で、常に向けられる殺意と憎悪におびえる中で、それでもおれの前では良き兄でいようとしてくれた。頼りがいのある兄でいてくれた。自分だって、庇護されるべき子どもなのに。
頭の中の何かが狂う。口元を押さえる。吐き気ともつかない何かがせりあがる。
『兄上がちゃんと、ロシーを守ってやるからな』
―――そうだ、だから。だから、おれは心折れずにいられたのだ。
そうやって、ごみだめの中で。それでも、太陽みたいに笑ってくれたから。 - 100二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 23:27:03
そうなんだよなぁ……
悪役のくせに嫌な奴のくせにこういうとこがあったから兄上は憎めないんだよな…… - 1011◆A8pWn3jbyg23/04/12(水) 01:57:11
『ロシー、大丈夫だえ』『ほら、こっちのパンの方が綺麗だ』『逃げるえ! はやく!』
『やめろ! ロシーには手を出すな!』『……母上はきっと元気になるえ』『大丈夫、兄上はずっとロシーと一緒だ』
『守ってやるからな』『怪我の手当てをするぞ』『ロシー』『ロシー』『ロシナンテ』
『本当にお前は、泣き虫だえ』
「――――――ぁ、に、うぇ」
耐えられない、と思った。
何をどういう原理でか、わからないのに。
記憶の底にあった小さい声の兄上の声が、クリアな音質で耳を打つ。
こんなことしている場合じゃないのに、と思っても無駄だった。無理だろ、これ。
優しくされたことを知っている。愛されたことを知っている。守られたことを知っている。
それをおれは、すべて置いてここから逃げるのだ。
そう―――おれは、助けてくれた兄上に、何も返せない、まま、
……い、けない! こういう思考になるのが駄目ってのに!
ハッとして顔をあげる。
その瞬間、兄上の身体が、真っ二つに割れる。
「あ、」
そして―――割れた身体から、木で作られた鋭い牙を持った甲殻虫が、おれに向かって―――その牙を突き刺すために、一気に発射された。
その場に崩れ落ちる兄上の死体を置き去りに。 - 1021◆A8pWn3jbyg23/04/12(水) 02:10:33
それは間違いなくおれの身体を貫く。そんな挙動だった。
どこもかしこも四方八方煙と幻影に惑わされる中で、――おれは、それを避ける余裕すらもなく。
このまま致命傷となる一撃を喰らう。そして血をはらわたを巻き散らかしながら、そのまま地面に崩れ落ちる。
そのはずだった。
――けれど、おれの腹を貫くその虫は、飛んできた槍に貫かれる。
「………へ?」
ぽかんとするおれに、少しばかり気楽そうな声がかけられた。
「なんで毎回おれが来るときに誰かしらピンチになってんのかなー……」
シャチしかりコラさんしかり……、と煙の向こうからやってきたのは……、トレードマークであるペンギン帽をかぶった男……つまり、
「ぺ、……ペンギン!?」
「あ、無事でよかった~。あ、キャプテン! クオルのやつ血を抜きすぎて死にかけてたんで船に戻ったんでおれが来ました!」
え、あ、う、……う、うおおおおおお!
なんかおれ超絶ピンチだったけれどすげえタイミングで来てくれたペンギンがなんかすげえかっこいい登場のうえでおれを助けてくれた!!!!
いやマジで死にかける数秒前ってレベルだったから、これは本当ペンギンに足を向けて寝られねェレベルだ!
「………で、これどういう状況?」 - 1031◆A8pWn3jbyg23/04/12(水) 02:12:28
というところで今日はここまでです。
序盤酷い目にあった分、活躍とか出番が少なかったから、ペンギン出すときはかっこいい見せ場作りたいんだよな。
また保守のご協力をお願いします。
これからの展開のイメージの助けが欲しいので、話に合いそうな曲とかBGMとかあったら募集。 - 104二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 07:39:07
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- 105二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 12:43:29
なんかクリスマリーローコラさん皆にそうなんだけど罪悪感を煽り散らして隙を突くやり方が共通しててほんま…って気持ちになるしそこに現れるペンギンの清涼感にワァー!ってときめいてしまうカッコよ…
それと某お花の映画の主題歌はこのスレの登場人物みんなに合っててよく噛み締めてます「歴史さえ見過ごした孤独な正義」がラミくんぽくてとてもぐっとくる…
- 106二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 15:01:23
てかしれっとクオルが死にかけてる…本当に大丈夫か…
- 107二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 18:24:15
多くなってすまん……でもどれも外せないんや…………
Iなんです
Iなんです - れるりり feat.初音ミク / I am you - rerulili feat.Hatsune Miku
神を偽った悪魔へ【始】
神を偽った悪魔へ【終】
曲目
人類史上かつてない過ちなんですそれがIなんです
とか
人類史上またとないやらかしなんですそれがIなんです
のIが花の事で人類(島の人々)がやらかした(信仰した)結果が花としか思えなくなった
あと歌詞が全体的に当てはまる様な気がした
2曲目
贄のない救いなどありはしないの=だからこそ救いを求めて生贄を捧げる(花の信.者達視点)
高尚なふりの身なり=ラミくんの姿になる花
生涯盲目な信仰はもう散々だろう=初めに神(花)に逆らったサルヴァと信.者達の記憶を消したラミくん
どちらかが神でどちらかが悪魔であるならば私は=神(花)ではなく悪魔(花に相対するコクレア様)側に着いたラミくんが言ってる様に聞こえる(サルヴァでもいいけど元々花を信仰する家系のラミ君の方が合っている気がした)
それと神=花、悪魔=コクレア様としたけど題名的に神(を偽った悪魔)=花、本当の神=コクレア様の解釈でも全然アリ
3曲目
愛も悴む思いだからあぁ貴方といたいと笑うのでしょう=レミくんはラミくんと一緒に居たかった
まだ日々の隙間に残るあなたの熱に触れて世界は崩れて行くんだ=ラミくんの振りをする花と関わって壊れて行った
掴んだ手も消えた幼い日のままで=レミくんはどこか子供っぽい気がするからラミくんが死んでそうなってしまった?
歌詞が全体的にレミくん→ラミくんの様に感じた
(実はロー→コラさんの様にも感じているから選んだのもある)
なにより1曲目と2曲目は戦闘中に流れたら滾るし3曲目は最後の方で解決後に流れたら泣く自信がある
- 1081◆A8pWn3jbyg23/04/13(木) 00:48:21
保守ありがとうございました!
続きを書いていきます。
例の映画のだけどさわやかでかっこよくてとてもいい曲でやんすね……
『神にさえ立ち向かう勇気が欲しい』とか状況にあってる
なんとか爽やかな終わりにしたいという意欲がわいてきた。まだ終わり方未定なんすよ
CoCはどこか後味悪いのが定石でもありますが……
Iなんです
『幸福論破の大合唱で 盲信背徳を付け足し』
『前人未到の大混乱で 偶像崇拝天使の虜になってさ』
ポップでありつつダークなのがいいですね。ぞわぞわくる。
神を偽った悪魔へ【始】
神を偽った悪魔へ【終】
タイトルからそれっぽくて笑えました。始の方は花の文字も出てきちゃったよ。
解釈してくれた歌詞を読みながら聞いてたんですけど、終の方はレミからラミ、ローからコラさん、と二組があてはまめてくれたの嬉しいです。そういうの好きです。大好きです。対比とかとても好きなので……。
戦闘中は1曲目と2曲目聞きながらイメージしながら書かないとですね。ありがとうございました!
- 1091◆A8pWn3jbyg23/04/13(木) 01:09:46
「いやえっと……ってクオルが死にかけてるってそっちの事情も気になるんだけど!」
「クオルは血を流しすぎたってちゃんと自己判断してるから大丈夫っすよ。むしろしっかり出来る限り働いて、それ以上の無理はせずに自分が危ないと思ったら戻れる理性があるから安心です。どこかの誰かさんたちとは違ってマジで死ぬほど無理はしないんで」
「耳がとんでもなく痛い。多分鼓膜敗れた」
「話を聞かない言い訳に鼓膜破かないでください」
だってだってペンギンが指してんのあからさまにおれとローのことだし、いやその……ちゃんと自覚もしてるからさァ!!
けれどそうか、クオルは戻ったのか。自己判断で途中でやめたとしても、それでもぎりぎりまで残って頑張ってくれたんだろう。戻ったらお礼言わないとな。
「……ペンギンは、無事だったか」
「あ、キャプテン! ……とんでもない顔色だけど大丈夫ですか!?」
「大丈夫だ」
「絶対に大丈夫じゃない声色してる……」
おれたちが会話をしていたら、ローが声をかけてきた。いまだ視線は煙の向こうを見ているが――多少我に返ったのか、先ほどよりも幾分か冷静さを取り戻している。
問題なのは残りの二人の方だけど……ってホーキンスは?
煙が濃いからかホーキンスの姿が見えない。いや、それって大丈夫かこれ!?
……ともかく! 手早く情報共有だ!
おれたちの今の状況を説明して、それからペンギンの方の事情を聞く!
そういえばミラのやつがお前らにやべー数の昆虫向かわせたって聞いたけど! 大丈夫だったのかよ! - 1101◆A8pWn3jbyg23/04/13(木) 01:31:33
「な~に言ってんすか、コラさん。おれはハートの海賊団の船員だぜ?」
あのくらいの修羅場なんてどうってことねェよ。
そう堂々と、自信満々に言われてしまっては、……うん、これ以上言うのは無粋、だよな。
正直つなぎに見え隠れする血の跡とか、傷跡とか、目に見えるものがたくさんあるけれど。それでも余裕そうに立って笑うのならば、今はそう言ってくれるペンギンを信じるべきなのだ。
「……ひとまず、この煙をどうにかして、それからあの二人も正気に戻すぞ」
「マジで精神攻撃やめてほしいよな。性格悪すぎる」
「有効手段だと学んじまってるんだろう。何せ元から精神に作用する効果の花だ」
うん、だから人の弱いところを見抜いて、突けるんだよな。
ローの方の煙には、切り刻まれ、爆ぜたラミちゃんだったものが、幾つも転がっている。
本当に性格が悪すぎる。……ローに、なんてことをさせる。なんてものを見せるんだ。
今ここに初めて来たペンギンも絶句している。そりゃ小さい女の子の死体なんて見たいわけがない。
今もなお、ラミちゃんは怨嗟のような言葉を吐きながら続々と増殖している。幻影だとわかっていてもきつい。
だから早く煙を消さないと。――ああ、そうか、サイレントをかければいいのか。
もっと早くにやってやればよかったな、と申し訳ない気持ちになりつつ、指を鳴らそうとして。
――一つ、挙動のおかしい姿に、気が付いた。
「……あれ?」
全て同じ表情で、泣いているラミちゃんたちの中を、掻き分けるようにしてこちらに向かってくるラミちゃん。
まるで、その一体だけ、違う意思があるかのような不自然な挙動。それに目が離せない。 - 1111◆A8pWn3jbyg23/04/13(木) 02:16:10
そして、その子が口を開いた。
『――――ホーキンス、くんの! やったことは、あっている!』
それは、絶対にラミちゃんの言葉ではない。それでいて、その一言で、それが、ラミちゃんの姿をしているものが“誰か”理解した。
ローも顔を上げる。ペンギンは何もわかっていない様子だけれど。
『あとは、レミリオを助け出して、くれ! しないといけない、ん、だ。
……あの子から、生えている木は、本物じゃない。あの木は、あるけれど、ないもの、なんだ。のろい、なんだ。
おねがい、だ。おねがい、します。そうでない、と、みんな死んで――しまう!』
「――――ラミ、ロ?」
いや、そんなことって。
ラミちゃんの幻影の中の一つ。それが本物のラミロだってこと、そういうこと……ありえるのか?
いやでも、魂はまだあいつ……花の中にあるんだよな。ならこの幻影の中に混ざってても……、いや、普通ありえねえだろ!?
……でも、あの必死そうな顔が、ふり絞るように叫んだ声が、泣き叫ぶような懇願が、嘘とも思えない。
「ッ……おい、お前。だったらあの木はどうすればいい。どうすればその呪いとやらが解ける!」
同じようにローも理解したのだろう。そのラミちゃんの姿をしたものに対して問いかける。
『――のろいを、かえせ』
そう、言って。
言った瞬間、電池が切れたようにふっとその子どもの目から光がなくなり、――そのまま地面に崩れ落ちる。 - 1121◆A8pWn3jbyg23/04/13(木) 02:43:27
のろいをかえせ、……呪いを返せ? えっ、誰に??
崩れ落ちた姿は、再び立ち上がることはない。ミラが何かしたっているより、単純にエネルギーが切れたように見える、けれど、まあ実際のところはわからない。
ローは複雑って言葉をこねくり回したような顔をしている。
「……あれは、ラミロだったんだよな、ロー」
「恐らくな。何がどういう原理でそういうことが出来たか、さっぱりわかっちゃいねェが」
ひとまずやらねェといけないことはわかった。
そう言ったローが、青い膜を広げる。
「―――タクト」
ローが“ROOM”を張り、指先を操作した瞬間、気流が一気に流れ込む。ローの指先によって操られ、辺り一帯を循環する。
そうすれば周辺に溜まっていた煙が一気に晴れていく。
そうか、ローの能力ならこんなこと一瞬で行うことが出来た。けれど、今なおローの身体に負担があるのが確かで、その上煙の成分によって精神がかき回されていたのだ。無理もない。
――そして、煙が晴れていくなか、ようやく瞳孔が元に戻ったクリスと、我に返ったマリーさんの姿がそこにあって。
そして、それより少し離れた場所で、血まみれになりながら立っている姿がある。
「……え」
おれの目に間違いがなければ。
腕、腹、足、――それらを、幾つもの茨に貫かれている、ホーキンスがそこにいたのだ。 - 1131◆A8pWn3jbyg23/04/13(木) 02:43:45
というところで今日はここまでです。
また保守のご協力をお願いします! - 114二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 02:49:32
ホーキンスぅぅぅぅぅ!!!!!
- 115二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 10:48:04
なにもなかった(ゾロ)するペンギンずるいしかっこいいししっかり仕事してしっかり撤退できるクオル偉い
ホーキンスは煙吸った他の面子と同じように悪夢を見せられ…?もう仲間すぎて忘れてたけど彼だけこの場に家族とかクルーがいないアウェイなんだよなと思うとお花本当に精神攻撃はやめたげてよォって気持ちになる…いや身体中に穴開けるのもやめろ - 116二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 21:13:48
かえす、反射…、ここで鏡の出番?
いやホーキンス体張り過ぎ! - 117二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 22:53:17
周囲の目を幻覚(精神攻撃)で欺いている間にホーちゃん狙うって策士だなこの花…ってなった
- 1181◆A8pWn3jbyg23/04/14(金) 01:35:53
今日は投稿できそうにないのでまた保守のご協力だけお願いします!
- 119二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 12:06:53
花の祭壇壊しに行ったのがどうなってるかも気になる
気になるところだけだ! - 120二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 23:28:22
保守
- 121二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 04:48:54
死なないだろうけどホーキンスェ……
- 122二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 13:41:35
何気に気体の煙操ってるローすご…
ホーキンスも何か策があるんだろうが傷ついた描写あるのは心臓に悪い… - 1231◆A8pWn3jbyg23/04/15(土) 19:14:04
保守と感想ありがとうございました!
余談だけど、木のつるとか茨とか最初は女キャラであるマリーちゃんで触手的なリョナしちゃおうかな♪とか考えてたけど、娘要素が強くなったものだから可哀想になってやめました
なので今茨まみれのホーちゃんはお耽美的な雰囲気で頑張ってもらう。最近のアニワンの作画すごかったし - 1241◆A8pWn3jbyg23/04/15(土) 19:42:58
茨に身体中を貫かれているだけじゃなくて、茨が至る所にへばりついている。その棘がホーキンスの白い肌を傷つけて、ぼたぼたと真っ赤な血で汚して行っている。
垂れた一筋の血が、ぼたりと地面に落ちるのを見て――ようやく我に返った。
「ッ、ホーキンス!」
叫びながら駆け寄ろうとした瞬間、ローに止められる。その瞬間おれらの方にも大量の茨が迫ってきたものだから、退避せざるを得なかった。
「“ROO”……ッ、くそ!」
ローが能力を発動しようとした瞬間、最早津波、と言っても過言ではないだろう、茨が幾重にも重なりあったそれが濁流のようにおれたちへと向かってくる。
それだけじゃない、周りを確認したら暗い森の中でいくつも光る眼が見える――複眼だ。例の昆虫が周囲に何体もいるのだ。
「っ……くそ、なんなんだい!」
マリーさんがホーキンスのもとに向かおうとした瞬間、茨の壁がマリーさんの前に出来る。それでも構わず進もうとするが、その茨がクリスの方まで迫ろうとするのを目撃して、すぐさまクリスを抱えて退避する。
これホーキンスを助けに行けない、やつ、では……!?
ちなみにおれも首根っこをローに捕まれている。そうでなくても、攻撃がすごくて近寄れもしない。
ホーキンスは――所感だけれど、まるで嬲るように、致命傷は避けて茨が貫かれているように思える。苦しめるための攻撃みたいな。
ローがROOMを張ろうとして、けれどその隙が無いくらいの弾幕で攻撃がこちらに向けられている。
このままじゃ、ホーキンスが……! - 125二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 21:59:24
お耽美なホーちゃん想像しやすくて草だわ
- 126二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 22:37:22
まさかのお色気要員代行でお耽美に磔にされるホーちゃんおいたわしや
そのおかげでマリーちゃんがリョナられない…???じゃあしゃーないな頑張ってホーちゃん! - 1271◆A8pWn3jbyg23/04/16(日) 03:38:43
今日も忙しくてあまりかけずに終わったのでまた明日書きにきます!
保守のご協力をお願いします……! - 128二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 13:19:36
作戦上仕方ない事だったとはいえ花の逆鱗の上でブレイクダンスみたいなことしてたホーちゃんは相当花に恨まれてるよな…
- 1291◆A8pWn3jbyg23/04/16(日) 18:52:17
感想ありがとうございます!
今日もゆっくり書かせていただきますね - 1301◆A8pWn3jbyg23/04/16(日) 19:16:35
ホーキンスの身体を茨がまるで拘束するみたいに包んでいて、腕も足もしっかり巻き付かれている。そのせいでひどく鋭い剣山みたいな棘に貫かれている状態だ。
大量の血を流しているためか、ぐったりしていて、ただでさえ白い肌がもっと青白い。
このままじゃ、例えわざと致命傷を割けて攻撃されていても命が危ない。血が大量に流れるだけで人は死ぬんだよ!
おれたちが攻撃を凌ぐことで精いっぱいで、ホーキンスを現状見ていることしか出来ないのを見てか、ホーキンスの目の前に茨が生えてくる。
それがホーキンスに先端が向けられ、ぴんと真っすぐ張る。まるで長い剣を模すように。
――だめだ、あれ。
直感的に理解する。おれたちの目の前で、ホーキンスを殺そうとしているんだ。
さっきまで散々嬲って――多分、いつでも殺せたのに。煙が晴れて、おれたちがホーキンスの様子に気がついて、そして助けようとする前で!
最悪だ、あいつ……!
「ッ、コラさん?!」
おれは子どもの身体を駆使して、飛び込むように茨の檻を潜り抜ける。普通に肌が切り裂かれたりしたけれどかすり傷! くっそ、おれだって覇気とか使えればなー!!
ホーキンスのもとへと走り出したおれに他の茨が迫ってくるが、それは間一髪のところでクリスが打ち出しただろう銃弾に防がれる。
そしておれは勢いのまま、ホーキンスを貫こうとしていた茨に――思いっきり飛びついた。 - 1311◆A8pWn3jbyg23/04/16(日) 22:24:29
茨に指先が傷つけられる。ホーキンスを貫こうとしていた茨は、ぶんっ、とおれの身体を振り払おうと、勢いよくその身を振り回した。
ぬおおおおっ!! 目が回るし手がすげェいてえ!! でもその分ホーキンスへの攻撃が遅れているからヨシ!
別にこれはただ攻撃を遅らせているに過ぎないけど! わかっちゃいるけど! それでも、少しでも時間を稼げば、誰かがどうにかしてくれるかもしれない。
おれにはできなかったことでも、それでも、出来る誰かが成してくれるかもしれない、からさ!
役立たずばっかりのおれでも……少しでも、出来ることを!
ぐったりとしていたホーキンスが、おれを見る。それから、おれを通り過ぎて――上空を、見た。
「――――ッコラさん!」
聞き覚えのある声がこの場を切り裂きながら現れる。
それは今はこの場にいないはずの声だった。
「コラさん、無茶しすぎ! でもナイス!」
そうして、手に持ったハルバードで、――おれがしがみついていた茨を両断する。
振り回されていた衝撃で吹っ飛ばされそうになるおれの服を掴んで阻止しながら、そのハルバードをホーキンスに向け、茨を断ち切った。
そして、ホーキンスすら抱えてこの場を離れる。
「……ッ、シャチ!」
「あ~~~~!! ホーキンスてめェおれより大きいから抱えづらいし重たいんだよ!」
「……体中が痛いな」
「そりゃそうだわな!」 - 132二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 22:27:07
このレスは削除されています
- 1331◆A8pWn3jbyg23/04/16(日) 23:15:45
おれとホーキンスを抱えたシャチに、茨が殺到する。
けれどその瞬間、青い膜が張り、一気にすべてがバラバラになる。
そしておれたちの位置も変わる――ローの能力だ。
見れば能力をたくさん行使してきたことで、息切れしていることがわかる。あーもう、無理しやがって!
「くそ、コラさん無理しやがって……!」
「あれっ!?」
考えていたのと同じこと言われた!
いやまあ、そうかもだけど。確かにガキのおれからしたらすげェ無謀なことしたのかもだけど。結果オーライだからいいじゃんかよ。
「あーくそ、重いな! 大丈夫かよ!」
シャチが怒りながらホーキンスに気遣う言葉をかけている。
なんでホーキンスに関してはやや素直じゃないんだ……?と思いつつ、まあ最初からなので気にしないでおこう。
それよりも! ホーキンスに傷の具合だ!
「とりあえず応急処置だけする。止血程度しか出来ねェけど垂れ流すよりましだ。他の奴らはやつの攻撃を防いでおいてくれ」
ローの言葉に周りが頷く。
シャチが真っ先に飛び込み、迫りくる茨を振り払う。そういえば祭壇の方へと行っていたらしいけれど、壊して戻ってきたんだよな。……ホーキンスが頼んだことって、他にも何かあったような感じがしたけど、なんだったんだ?
そして続いてクリスとマリーさんが時間を稼ぐために立ち回る。
おれは……まあ、ここでも何も出来ないけれど、せめて自分で傷ついた手のひらには布を当てて縛った。
そんなおれのもとに来たのは、ペンギンだ。 - 1341◆A8pWn3jbyg23/04/17(月) 01:00:16
「あ、コラさん。忘れる前にこれ、渡しときます」
「へ?」
なんだなんだ、とおれはペンギンに渡されるがまま小袋を受け取る。
急に何を? と思いながら、小袋の中を覗いて、固まる。
これの意図がわからなくて、ペンギンを見上げれば手で頭を掻きながら笑った。
「いや、クオルからの差し入れらしいんですけど」
「差し入れって」
「あと伝言です。――『なにも成せないからと自虐するくらいなら、なんでも使って見せろ』とかなんとか」
……………。
「……うん、ありがとう。そうだな、うん、そうだ」
「コラさん?」
「……なんでこんなことも気づかなかったんだろうな」
そうだよな。何も出来ないってことを考えて落ち込むくらいなら、さっきみたいになりふり構わず茨に突っ込む方が、割とおれらしいんだよな。
それで木のつるに貫かれてたローを前にして取り乱しちまうことがあるけれど、でも、多分、おれって結局そうなのだ。
一度カッとなるとすぐぶちぎれるし。割と空回りしがちでそれで人に迷惑をかけて。
……全然よくないけど、結局そういう向こう見ずなのが、おれっていう人間だ。
だからきっと、あの雪が降るなか、冷たくなっていく身体を感じながら……満足したまま終えることが出来た。
いや後悔はクソほどあるわけだけど! ないわけないけどもだ!
それでも、やれることを探すために、――おれは、あの時、あのクソガキを攫うように、海に出たのだ。 - 135二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 01:50:07
このレスは削除されています
- 1361◆A8pWn3jbyg23/04/17(月) 01:56:17
周りのやつらが凌いでいる間に応急処置は出来たらしい。
至る所を茨によって貫かれ、満身創痍状態のホーキンスではあるけれど、それでも自力で立つことが出来た。
出血量がやばかったし、今も顔がすげェ青い。それでも両足でしっかりと地面を踏みしめている。きっと無理をしているだろうが――今は、そう言ってられない。
「……何もかも気に喰わないな」
目の前――茨の柵の向こう。そこに陽炎のようにぼんやりとした形でラミロ――いいや、ミラが立っている。
「人が藻掻くさまはどうしてこうも愉しい/気持ち悪いんだろう。そんな風に抵抗されると甚振り/殺したくなる。人間なんて愚か/醜くてたまらないのに、こうも何度も立ち上がって」
「ラミロもそうだ。人間の癖に抵抗して。それどころかあいつの肉まで飲み込んで」
「お前らなんて気持ち悪い/醜くてたまらないのに――“らせん”はどうして肩入れする」
………ん?
やっぱりミラはおれたちに対して悪意を吐く。けれど、妙に言葉がダブって聞こえるのは、気のせいだろうか。
というか、うん。さっきも似たようなことがあったけれど、――あいつって、らせん、……コクレア様に、何かしら思うところとかあったりするのか?
だって、コクレア様に対する発言だけ、妙におかしい、ような……?
……いや、そんなこと考えるのはあとだ。あいつは悪意塗れで、ホーキンスをわざと甚振ろうとする化け物なんだ。だから、今はひたすら攻撃を凌がないと……! - 1371◆A8pWn3jbyg23/04/17(月) 02:05:48
*
「あっち! あっちだって! 早く~~~!!」
「くるるるるるるるるるるる――――!!!!」
「そうそうその調子! あっ、あっ、こら!! 速すぎ! また木にぶつかるよ!」
「くるぅ……」
「頑張って! もうすぐだから……! あそこに、みんながいるはず……!!」
* - 1381◆A8pWn3jbyg23/04/17(月) 02:16:01
*
ひとつ、ひとつ、ひとつ、ひとつ
ほんのう せいぞん ひとつ ふかのう
ひと ひと ひと しょくもつ かみ? かみ かみ かみ
こえ こえ しょくもつ たべ あがめる ゆえ かみ
ひとつ ひとつ ひとつ ひとつ ひとつ ひとつ
しんこう すうはい いおり ねがい いけにえ ちから かみ
かみ ひとつ かみ ひとつ かみ ひとつ
こうはい せいぞん ほんのう ねがい せいしょく ふかのう
われらは ほろびる
ふかのう ふかのう ふかのう ふかのう ふかのう ふかのう ふかのう ふかのう ふかのう
「くるるる……」
……?
* - 1391◆A8pWn3jbyg23/04/17(月) 02:32:35
*
ことば ことば ことば ひと ことば でんたつ やりかた ……なんかん
はな りゅう へび さかな? そうご りかい ふかのう
「くるるる!」
さわぐな やかましい だまれ
「くる……」
めいしょう なし よびな なし ふかかい ふかのう
――――なまえ なまえ なまえ にんしき こゆう めいし
「くる!」
りゅう? へび? さかな? まわる まわる ぎん まわる くるくる
――――――
「くる?」
……―――――――、らせん
「! くる!」
* - 1401◆A8pWn3jbyg23/04/17(月) 02:37:10
*
らせん らせん ひとつ せいしょく ふかのう ひとつ こたい どうるい
「くるるるる」
ひと ひと さいがい しんりゃく すうはい いと
ねがい のぞみ いのり ふかい ふかかい はくだつ しんこう
「くる………」
せいぞん せいしょく きき きき ……ふかい
「くる」
らせん こたい きょよう きょよう
「くるるるるるる!! るるる!」
うるさい
「くる!?」
……ふかかい ひと いのり ひと かみ しんこう ………かみ かみ?
―――――――――― かみ? ゆえ?
* - 1411◆A8pWn3jbyg23/04/17(月) 02:37:44
*
花が咲いている。
たった一輪、そこに咲いている。
* - 1421◆A8pWn3jbyg23/04/17(月) 02:38:03
というところで今日はここまでにさせていただきます。
また保守のご協力をお願いします!! - 143二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 11:32:03
ひらがなだらけのあの文は、自我が芽生えた頃の話?もしそうなら、その頃はまだ敵対していなかったんだ
らせん/コクレア様も(勝手に)花に懐いているみたいだし
コクレア様かわいい - 144二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 20:08:23
花は人に食べられ過ぎて絶滅しそうだったんだろうか…一輪と一匹だった頃に友情みたいなものがあのかな
花からコクレア様へのらせんって呼び方ぞんざいというか簡素というかで蔑称なのかと思ってたけど、まだ難しい言葉を覚える前の昔のあだ名という風にも思えてきてしまったな
というからせんが最初の名前で後から人々がコクレア様って名付けたのかなとかラミロへのヘイトは棄教したからよりもコクレア様食べた方…?とか色々想像が膨らむ… - 1451◆A8pWn3jbyg23/04/18(火) 03:42:01
今日は投稿できそうにないので、また保守のご協力をお願いします!
- 146二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 13:03:23
茨耽美拘束からわりと早めに解放されてよかったなホーキンス!何回痛いことされても人の為に走ってくコラさんも文句言いながらも小さい子供と自分よりでかい男抱えて逃げてくれるシャチもありがとう…
じわじわ怪我人増えてきたしクリスによるとマリーさんも色々消耗してるっぽかったりでハラハラする - 147二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 17:42:51
前作から好きすぎて思わずメーカーで画像を作ってしまった
勝手にすまん
もし良かったら支援になれば…
問題あれば消すよ
前作のハイライトを勝手に画像化装丁カフェ様の小説ハイライトという機能で、小説の一部を拝借して作らせて頂いた自己満画像調子に乗って2枚作ってしまった
↓
↓telegra.phコラさんが活躍しそうで楽しみ
- 1481◆A8pWn3jbyg23/04/18(火) 21:51:23
感想ありがとうございました!
続きをゆっくり書いていきます。
支援ありがとう! 前作の色んな場面の台詞を盛り込んでくれてすっごく嬉しいです。
読んでくれてる人から見た印象に残った感じの台詞なのかな……と思いながら見ています。
でかでか文字のサイレントかっこいいですね……。
- 1491◆A8pWn3jbyg23/04/18(火) 22:03:06
「おら、ホーキンス! 祭壇壊してきてやったぞ! んでこれ!」
「ワンチャンあったか」
「……お前がワンチャンとか言うの違和感あるな」
シャチとローに治療されているホーキンスが何やらやり取りしている。さっきシャチがいないと気付いた時に、ホーキンス曰くの『ワンチャン』だか猫ちゃんだかわからんねェけど、頼み事頼まれごとがあったようだ。
手早くローがホーキンスの止血をしながら、眉間に皺を寄せて『それはなんだ』と視線だけで問いかけている。
ちらっとしか見えなかったが――何か白っぽいものが布に包まれていたのが見えていた。
おれはそれがなんだかさっぱりわからなかったが、ローにはわかったようで、眉間の皺をさらにさらに深くする。
「人の骨だな」
「エッ」
ひとのほね……? なんでそんなものホーちゃん持ってるの……?
というかシャチが手渡してきたってことは、シャチが見つけたってことだよな、と恐る恐るシャチを見る。
シャチはなんか酷い誤解をされてないか…みたいな表情をしながらも、敵の攻撃が迫っていたためにこの場から離れて行ってしまった。『ちゃんと説明しておけよ!』って言葉だけ残して。
「説明、か」
「なんだ、説明できない都合でもあるのか?」
「いや、単に面倒だなと」
「………」
あ、ローがすげェ顔をした。ここまでマイペースを貫かなくてもいいんじゃねェかな。
「……冗談だ」
「おい本気だったろおい」
「喧嘩はやめろな?」
今も背後じゃどかんばちんがしゃんしてんだからさ。 - 1501◆A8pWn3jbyg23/04/18(火) 23:09:18
「……ひとまず、時間稼ぎをしろ。おれは今からこれを使って藁人形を作る」
「理由と意図を説明しろ。――やりたいことはわかった」
「え、今ので?」
おれはちっともわかんなかったけど……?という困惑を二人はまったく気にしてくれない。ひどいぜ。
けれどもホーキンスは説明する気があるようで、手元に渡ったその小さな布を握りしめる。
「ヒトバシラ、というものを知っているか?」
「ひとばしら?」
「ヒトバシラーー人柱だ。神に向ける生贄、祈願、祈祷。人を生きたまま、または死んだ状態で地中や建物などに埋めるようなことだと思ってもらえればいい」
……それって。
いや、シャチが壊したのは祭壇だって言ってたよな。それでこの骨を見つけたってことは。
「……あるとわかってたのか?」
「あるのではないか、と予想していただけだ。生贄という文化があるのなら、人柱という文化も同時期に発生するものだ。神を崇めるために、神に捧げるために」
「だからワンチャン」
「そうだ」
ホーキンスにとったら合ってラッキー、ということなのだろう。なんもラッキーじゃねェが!?
……でも、まあ、うん。骨があった。それはわかった。あの祭壇にその……人が埋められてたことも。
でもそれで一体何をするつもりなんだよ……? - 1511◆A8pWn3jbyg23/04/19(水) 02:18:35
「―――もうすぐ、夜が明ける」
不意に、ミラの声が聞こえた。
大量に攻撃の弾幕を張る向こう側。そこで、ぼんやりと空を見ているミラがいる。
……確かに、東の空が明るくなっている。もうすぐ夜明けだ。
暗い濃紺に染められた空に金色に似た紫色が立ち上る。広がっていく朝は、やがて世界を明るく染め上げるのだろう。
ぼんやりとした瞳が、再びこちらを向く。焦点が合う。
「もういい加減、終わりにしないといけないね」
遊びは終わりだ、というかのように。ミラはそう言った。
――次の瞬間、あの大木が浮き上がる。――レミから生えている木だ。それがめきめきめき……とさらに大きくなり、盛り上がっていくのだ。
地面から根を出したそこには、ぐったりとしたレミがいる。木と一体化しているレミの目はぴたりと閉じられていて、顔が青い。
「あいつ、何を―――!」
そして、ゴゴゴゴ……と地面が揺れた。
レミから生える木に、辺りのものが、土が、岩が、植物が集まっていく。収束して、形が生み出される。
不定形なそれは、色んなものの寄せ集めだ。例えるならそうだ、キッドのジキジキの能力みたいに、磁力を持つものが集まるように。――レミから生み出されたそれらが、集まってきたものを吸収していく。まるで貪り食べるように。
大木が、身じろぎする。その瞬間根っこからでかい蜘蛛の足のようなものが現れる。
それらが地面に先端を突き刺したかと思うと――その巨体からは想像も出来ない素早い動きで、こちらに向かってくる! - 1521◆A8pWn3jbyg23/04/19(水) 02:49:42
というところで今日はここまでで。
また保守のご協力をお願いします! - 153二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 13:15:16
生贄だから花に捧げられたもので繋がりをつくる…?
- 154二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 22:05:38
ホーキンスが何をするつもりなのかクオルの差し入れは何だったのかベポはこっちに合流できるのかミラはコクレア様をどう思ってるのか気になるところ沢山あるけど実はずっとレミくんも心配だぜ!今も麻薬成分で兄の夢を見せられてるのかな
いつも続きが気になる面白いSSをありがとうスレ主さん… - 1551◆A8pWn3jbyg23/04/20(木) 00:04:22
感想ありがとうございました!
このSSはただでさえちょっと情報が不足気味のワラワラの実をさらにこねくり回しているのでご注意ください
今日も少しずつ書いていきます - 1561◆A8pWn3jbyg23/04/20(木) 00:17:36
「こ、こええええェ!!」
紫がかった胴体に血管の張る表面。蓮の実のように並んだ黄色の目。幹は収縮を繰り返し、幾重にも生えた枝の先がさらにまた分かたれて増え続けている。さらに生み出された蜘蛛の足は螺子くれ曲がって枯れ木のように見えるのに、ばくんばくんと変な腫瘍みたいなのが引っ付いて脈動している。
そして胴体の目と目の間、そこに黒い線が走ったと思うと、ぱかり、と人間の口のようなものが開く。そのくせ舌のようなものは蛍光色みたいな色合いの黄緑だ。紫の胴体に黄緑色の舌があまりに毒々しい!
そんなものが足をかさかさ動かしながら恐るべきスピードで迫ってきているのだ。
気付けばレミは木の真ん中で半ば幹に埋もれるような形になっている。まるで肉に埋もれているように見えて、嫌悪感が身体を支配した。
「SANチェックだな……」
「サンチェック? 技の名前か?」
「こっちの話だ。……おれの準備はまだかかる。お前も時間稼ぎをしろ」
「………」
ローが『おれに命令するな』という顔をしているが、何かホーキンスに考えがあるとわかって、その気持ちを飲み込んでくれたみたいだ。無言のまま木に向かう。おれは出来ることが無いのでホーキンスの傍にいた。
「それでホーキンス、何をするつもりなんだよ」
「……昔立ち寄った島で」
「うん?」
「とある邪教が支配する島で、蟲毒が行われていた」
「孤独?」
「蟲毒だ。古い呪術の一つで、壺か何かに虫を大量に詰めて共食いさせ、生き残った一匹を使って呪いを生成する手法だ」
「うわ、なんだそれ……」
「それがその島では人間で行われていて、100人の人間を詰め合わせて蟲毒を作成していた」
「待て待て待て待て待て」 - 1571◆A8pWn3jbyg23/04/20(木) 00:27:51
何そのトンデモ厄ネタみたいなやつ。急に超怖い話がホーキンスから出てきたんだけど、これ作り話とかじゃなくて実体験のやつ?
ホーキンスは淡々とした顔で何やら能力を使っているみたいだけれど、おれは淡々と聞いてることなんてできないんだけど。怖いだろ。漏れたらどうするんだ。
「その蟲毒でとんでもない化け物が出来上がっていた。それを邪教の人間は思うまま操ろうとしていたけれど、そんなものを人間が扱うことが出来るわけもなく、とにかく死屍累々の事態だったな」
「そんなこともあったなあ、みたいな思い出話みたいに語られてるけどとんでもねェ話してるからな? ていうかその化け物ってどんな……」
「名状しがたい、聞くに堪えない、冒涜的なものだ。うちの船員の一人が発狂したから言わないでおいたが、聞きたいなら」
「やっぱりいい。とりあえず顛末だけ教えて」
すげーーーーー怖い話じゃんかやっぱり! 発狂するってどういうこと!? 何があったのか滅茶苦茶気になるけどやっぱり夜寝られなくなるかもしれないのでやめておく。怖いって。泣いちゃうだろ。
「……その蟲毒で生み出されたものは、蟲毒として利用された人間の魂も、含んでいた」
「たましい?」
「ワラワラの実では、死んだ人間をどうにかすることは出来ない。既に死んでいるし、肉体もないからだ。けれどおれは――そうできないのは、人の魂がどこにあるかわからないからだと解釈する」
「……?」
「つまり、魂の場所さえわかれば、やりようがあるということだ」
……やっぱりよくわからない。いや、言っていることはわかるけれど、その発言がいったいどういう意味を齎すのか、想像がつかないのだ。
けれど、魂という言葉には覚えがある。 - 1581◆A8pWn3jbyg23/04/20(木) 00:32:24
『だから、この手帳を読んだ人がいたら、コクレア様を復活させてほしい。
コクレア様は生と死の神、または輪転の神。
命は死に、天に至る。そして天に至った命がそこで注がれ、再び地に戻ってくる。それを輪転と言い、それが自然のあるべく姿。
――花の在り方は間違っている。
人を食べるのは、仕方ない。人が豚や牛を食べるのと、獣が人を襲うのと同じだ。
だが、あれは違う。
花が食べた人の魂は、今だ花の中に残っている』
ラミの残していた手帳の文章。ここに魂の記述がある。
花の中に誰かの魂が残っていて――だから、間違っていると断言していた。
つまりは、ホーキンスの言っていることから推測すると、あの中に、祭壇に埋められた人の魂もあるというのだろうか……?
「そしてここに一応保険のために作っておいたレミリオの藁人形がある」
「ん、人形? なんか可愛いな、それ」
「妙なことが立て続けに起こってライフとして消費するのは一応止めておいたが、功を奏したな」
「よくわかんねェけどよかったな」
ていうかその藁人形ってなんだ?
ちょっと不気味な感じがするけど、愛嬌があるな。 - 1591◆A8pWn3jbyg23/04/20(木) 02:42:19
おれはホーキンスが何をやりたいのかさっぱりわからないけれど、それでもホーキンスの中では何か案があって、その案に真っすぐに突き進んでくれている姿を見るのはどこか安心感がある。
こんなオカルトめいた物事について多少なりとも知識があるのだって、本当に助かるし。ホーキンスがいてくれてよかった、と心から思えた。
ローたちの方へと視線を移す。
大木から生えた木のつるが、幾つも――おおよそ何百本ものそれを勢いよく撃ちだされる。
それを正確無比に木のつる先端に直撃させる形でクリスが撃ち抜き威力を相殺させ、マリーさんがドラゴンの爪で薙ぎ払う。ペンギンとシャチは、たった今シャチがペンギンの肩を踏んで大きく飛び上がり、まとまった木のつるを大きく振り払った。
――その攻撃どれもが枝を傷つけていない。クリスの射撃でさえもそうだ。どういう原理かわからないが(もしかしたら銃弾そのものが特殊なものかもしれないけれど)敵の攻撃の威力を削ぐだけ。
レミを傷つけないために、自分たちが傷つきながら戦っている。
「友人想いで結構。その優しさには感服するよ」
……なんて、そんなことちっとも思ってなさそうな声だ。
ラミロの姿をしたミラは、ずっと立っている。立ったまま事態を静観している。
「人間たちは自分たちの同族のために必死になる。それはそれは、お涙頂戴の感動劇だ。楽しいねェ、愉快で結構だ。それで花を引き抜いて束にして差し出す。……同じことだろう」
「そろそろお前たちが花束になる時が来てもいいんじゃないかい。チープな感動劇も、そろそろ飽きてきたところなんだよ」
そう言いながら、ミラが軽く足で地面を叩く。その瞬間、一気に土が盛り上がり、――足が生え、腕が生え、頭が生え――デフォルメされたような簡易的な形ではあるが、まるで巨人のようなものがその場に姿を見せる。
「――いい加減、死んでしまえ。全部おれが平らげてあげるから」 - 1601◆A8pWn3jbyg23/04/20(木) 02:43:27
というところで今日はここまでで。
また保守のご協力をお願いします。 - 161二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 12:01:55
保守
よく分かってなさそうなコラさんかわいい - 1621◆A8pWn3jbyg23/04/20(木) 18:01:13
保守ありがとうございました。今日も少しずつ書いていきます。
- 1631◆A8pWn3jbyg23/04/20(木) 18:09:17
その巨人の大きさは――優に大木を超える。
お前、そうそうでかいもんホイホイ生み出すんじゃねェよ!
目の前のでかい大木、でかい巨人、人間サイズのおれらにとっては十分脅威だ!
「なあこれやばいんじゃねェの! ホーキンス、お前のやりたいことってまだ準備が終わらないのか!?」
「まだしばらくかかる」
「そっかァ! 大丈夫かな~~~~!!」
半ばやけくそだ。頼りになる仲間たちがいるけれど、それでも相手は神――じゃなくて、神を名乗るやべーやつだ!
長い間信仰されて力を貯めていたこともあってか(ラミロの手によって弱体化したらしいけれど)計り知れない力を今もなおその身体に潜ませている。
おれに出来ることは、今はない。クオルがくれた小袋の中身、それを使うタイミングは今じゃない。
今出来ることは――みんなが各々の力で攻撃を凌ぐのを見守るだけだ。
もどかしいけれど、耐える。
……すげ~~~もどかしいけれど!!
ミラが乗る巨人が緩慢な仕草で腕を払う。それだけで突風が吹き荒れ、体勢が崩れる。ばりばりっと音がしたかと思えば、根っこから引っこ抜かれた木がまるでボールのような気軽さで幾つも吹き飛んでくる。
一振りでこれかよ! と文句を言いたくなる。
森を操る、昆虫を生み出す、悪夢、洗脳、呪い、煙、そしてあの巨人。
どれだけやれることがあるんだっつーの! ずるだろもう!
――本当にあの花に勝てるのか、なんて一瞬浮かんだ不安を握りつぶす。
そんな不安なんか感じている暇があったら少しでも考えないと。少しでも、やれることを。 - 164二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 19:28:16
歴戦の探索者ホーちゃん
神話技能高そう - 165二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 22:59:58
このレスは削除されています
- 166二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 23:01:39
間違えたから書き直す
神話技能が高いからこそSAN値の最大値は低いしSANチェックを理解してるホーキンスは精神分析はあんま取ってなくても発狂しない程度に管理してくれそう
精神分析係はコラさんかペンギンあたりか
- 167二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 00:16:28
ホーキンス因習村(島)攻略大冒険の一部が公開されてるやないですか案の定コラさんドン引きだよ!SAN値チェック失敗しちゃったクルーも今は元気にしてますように…
前スレで藁人形一つストックしてあるって言ってたのはレミくんのだったんだな…ライフにするの思いとどまってくれてありがとう… - 1681◆A8pWn3jbyg23/04/21(金) 01:55:39
「あのデカブツなんなんですか! だいだらぼっち的なニュアンスのあれ?!」
「絶妙に顔に愛嬌があるのが腹立つね! 悪党らしく凶悪な面してろってん、だ!」
巨人の横っ面にマリーさんが思いっきり蹴りを入れる。その衝撃にわずかに仰け反らせるが、有効打になっているとは思えない。
ローもROOMを展開するが――表情は著しくない。
あの巨人そのものもなんらかの力が働いているのだろうか。なんでも両断してしまえるその刀が抜かれることはなかった。
巨人が手を広げる。その手を、まるでハエを叩くかのようにぶおん!と風を切りながら一気に振り下ろされる!
そこにいたシャチとペンギンは散開するが、叩きつけられた地面の衝撃はおれたちの方まで被害が及んで、おれは一回地面の縦揺れによって上に吹っ飛んでから情けなくべしゃりと地面に落ちた。
攻撃はあの巨人だけが行うわけじゃなく、大木そのものも今も耐えず攻撃を繰り返している。
昆虫が湧くのも止まらない。
攻撃という敵意は、全部おれたちに対して向けられている。攻撃の手が一秒たりとも止められることはない。
これ、やっぱりかなり危ねェ……よな!?
戦い続きでみんな疲弊している。全員がボロボロで、すり減ってきている。これまでまともに休むことだってできていないのだ。このままじゃじり貧すぎる!
「………ぁぁ……」
まるで制限時間のようなものを感じ取ってしまって落ち着いていられない。
くそ、煙草の一本も吸いたいところだぜ!と思ったとき。
「……ぁぁぁぁぁぁ……」
顔を上げる。――目に映る視界の中、同じように顔を上げているミラが、何故か目に入った。
「……なあああぁぁぁぁぁぁ」
あの、声は。
「みんなあああああああああああああ!!!!!!」 - 1691◆A8pWn3jbyg23/04/21(金) 02:15:40
「え、あ――、」
声が聞こえてくるのは森からじゃない。上空からだった。
遠くから、何かが飛んでくる。
銀色の鱗がついた長い身体。ドラゴンにも、魚にも、蛇にも似たそれが、一直線にこちらに向かってくる。
――けれど、時折本気で重そうにがくんと落ちかけているから妙に心配になる。
銀色のそれと、白い身体とオレンジのつなぎを着たそれ。
「最悪なんだよもー! こいつ道に迷うし木に突っ込みかけるし! おれが教えて方とは反対方向に突っ込んだりするもん! 手間のかかる“神様”っていうかさ~~!」
なんて、愚痴交じりの声が聞こえてきて――だからおれは、心の赴くまま、湧いてきた声を思いっきり張り上げた。
「ベポ――――!!! お前を待ってた――――!!!!」
待ってたっていうか待ちわびた! ずっとずっと待ってたし――きっと、信じていた。
ベポが乗っているそれ。銀色のその存在をこうしてこの目で見るのは二度目、いや三度目だ。
一度目は潜水艦に乗っている時。二度目は洞窟の奥に入ったとき。
サイズはおれが見たものよりも小さく、細くなっていて、ベポ一人乗せるのがやっと、といった風だったけれど、それでもちゃんと存在している。
おれはこの目で、おれたちに向かって空を泳ぐようにこちらに来る、それに目を奪われていた。
「――――――――――――――――“らせん”、なぜ、お前が」 - 1701◆A8pWn3jbyg23/04/21(金) 02:39:15
ハッとする。
見れば、ミラがこちらに向かってくる銀の竜――コクレア様の方を見つめながら、ひどく憎々し気に瞳をどす黒く逃げ滾らせていた。
怒りのような、憎悪のような、狂気のような、傷ついたような、そんな諸々をないまぜにしたような表情の向こうにいったい何が隠されているのかわからない。
「ッ、ベポ! こっちに来るな!」
何かに気付いたローが、猛攻を防ぎながらそう叫ぶ。
その次の瞬間、ミラが乗る巨人が四つ足すべてを地面に置き――そして、地面を蹴りだす力を使って、一気にコクレア様の方へと近づく。
あんなでかい図体なのにどうしてそんな高く飛べるんだよ!
「“らせん”、“らせん”、らせんらせんらせん……! 今度こそ始末してあげる! 今度こそ、今こそ、跡形もなく……!」
「う、うわぁ~~~!! なにあれ!? なんかすごいでっかいオオサンショウオみたいなのがいる!!!!」
お、オオサンショウオ?! 例えがそれでいいのか?!
けれどもあれは危ない! あいつ、本気でコクレア様を殺そうとしている……!
「くるっ、くるるるるるるるッ……!!」
――けれど、巨人がコクレア様を掴もうとしていた指の間を、コクレア様はかいくぐった!
触れるか触れないかのぎりぎりの距離。それを身体を回転しながら滑るようによけきると、そのまま一気にこちらへと落ちてくる。 - 1711◆A8pWn3jbyg23/04/21(金) 03:09:19
「コラさ~~~~~ん!!」
「ベポ~~~~~~~~~~!!!」
数時間ぶりの感動の再会だ! 狙いを外したオオサンショウオ……じゃなくて巨人がこちらへと方向転換しているけれど今はどうでもいい!
確か台座を持ってくるはず、だったよな……?
なんてこった! コクレア様を引っ張ってくるとか普通思わねェだろ!
一気に急降下してきたベポとコクレア様。近くで見れもコクレア様はおれが二度見た姿より大分小さい。
胴体なんてローの腰ほどもない。くねっているからわかりづらいけれど、全長自体は3メートルくらいはありそうなもののおれがこれまで見たコクレア様を思うとスケールダウンをしてしまう。
けれどそれでもベポを連れてここまで来てくれた。その細い身体で空を飛びながら。
そう思うと感動しちまうのは仕方ないだろうな。
「くるるっ、くるるる……!」
「キャプテン! ごめんだけど……時間がないからめ短に言います!」
ベポがこちらに向かってきながら何かを叫ぶ。
「コラさん連れてくね~~~~!!」
「………んえ?」 - 1721◆A8pWn3jbyg23/04/21(金) 03:13:02
というところで今日はここまでで。
いつも保守と感想ありがとうございます。保守のご協力をお願いします!
感想これからもどしどし待ってます。 - 173二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 06:15:01
え〜!急展開〜!!
いったいコラさん、どうなっちゃうの〜!?
めっちゃ面白いです超ワクワク - 174二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 13:17:23
続きが楽しみすぎる
- 175二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 19:41:42
少しずつ花の情報とか感情が出るたびやっぱり本質的にはコクレア様のことしか見てなくない…?ってわざわざ大嫌いなラミロをアバターに使ってるのも全部意味深に思えてしまう
ベポはコクレア様の言葉が分かるのかな?鏡を貰ったコラさんと悪魔の実を貰ったマリーさんが重要になってきたり…?バラバラだった事象がまとまってきて一気に展開が動きそうで怖楽しいです - 176二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 21:08:32
これからコラさん活躍タイムが始まるのかな
楽しみすぎる!! - 1771◆A8pWn3jbyg23/04/22(土) 04:26:21
- 178二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 09:35:27
ぬいぐるみ欲しいレベルで可愛い
- 179二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 10:16:28
かわいい(かわいい)
- 180二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 12:43:59
前作の巨大アフロダンサーと比べると丸っこい人外の姿なの違いが現れてていいな
- 181二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 13:07:57
スレ主また描…!?前シリーズからサラッと挟まれる図説とかイラストも大好きとても楽しませてもらってます
大木はSAN値チェックデザインだったのに巨人くん愛嬌あるかわいい…そしてミラと比べるとデッカさがよく分かる
巨人だけどヒトよりもオオサンショウウオ(絶滅危惧種の有尾類)に似たデザインなの何となく創造主の無意識を感じますね勝手に… - 1821◆A8pWn3jbyg23/04/22(土) 19:27:59
- 1831◆A8pWn3jbyg23/04/22(土) 19:29:23
- 184二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 19:45:25
怖いよ(怖いよ)!?という感情とスレ主塗りうまっ!?という感情とほぼイメージ通りだ文章力すげぇ…という感情が同時に襲ってくる
この醜悪さ正直……好きです!でも本当にレミくんが心配! - 185二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 02:51:34
そういえば今のミラの姿はレミリオそっくり(成長ラミロ)の姿なんだっけそれともラミロが死んだ時(20代半ばくらい?)の姿なんだっけ…童顔兄弟だしどっちでも変わらないのかな
作中で何か出てたかも描写読み落としてたら申し訳ない - 186二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 13:16:43
保守
- 187二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 23:36:26
>>177確かに謎の愛嬌がある…!これを見てオオサンショウウオがまっさきに出てくるベポもすごいな
- 1881◆A8pWn3jbyg23/04/24(月) 03:11:56【オリキャラ注意】「ドジって前世を思い出しちまったぜ」外伝その12|あにまん掲示板ナギナギの実を食べてすっ転んだら前世の記憶を思い出しちゃったコラさんの話、の続編。SS+ダイス+安価スレになると思います。ただしダイスと安価は要所要所。思いついちゃったボスがボスなのでボリュームが広が…bbs.animanch.com
次スレ立てました
残りのスレは小ネタを入れつつ、質問があったら書いていきます。
ラミロが死んだときぐらいの姿です
でも花成分が出てるので少し顔つきとか変質してるかも
- 189二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 13:14:03
ちょっと体勢崩しつつもベポ持てるの力持ちだなコクレア様…
- 190二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 19:19:44
- 191二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 20:51:04
- 1921◆A8pWn3jbyg23/04/24(月) 23:14:19
>>191の言う通り医療系の技能はコラさん以外高いと思う。言うてコラさんも応急手当50くらいはあるのではないかな あと妙に幸運が高い 高いということはPOWも高い なんて拳銃も使える!
戦闘技能と医学抜くと、ローはINT高いし目星聞き耳図書館大体の技能高いと思う。あと言いくるめも高そう。あと心理学も博物学も生物学も考古学地質学も行けそうな感じがするからやばい男だよ
ベポは聞き耳かなり特化してるだろうし、航海士なら天文学も高いのでは ミンク族への偏見だけど登攀も強そう
可愛いので精神分析と信用が高いです。これは贔屓です
ペンシャチは鍵開け忍び歩き得意そうです。昔取った杵柄(闇)的な意味で あと言わずもがな水泳がばか高い 潜水艦の整備にもかかわってるなら機械修理と電子工学高そうな気もします
NPC編
クオルはローの対比キャラとして作ったので、割と能力値は似たような感じ。でも考古学は流石に無さそうだな
刀の代わりにショットガン(か拳銃)があると思う。あとキック 交渉技能は低い 経理は妙にある
クリスは銃の技能系全部高水準です あと体術系とマーシャルアーツもある戦闘特化キャラだけど、探索技能は低そう。芸術(イカサマ)とか実は持ってるけど使わない無駄技能にしてる。
マリーちゃんは制作(料理)とか信用、説得、値切りとか経理とか? 目敏いので目星も。最近頭突きとか生えてる
レミリオは図書館、目星、聞き耳、精神分析、信用、説得、言いくるめ、心理学
ラミロは信用と言いくるめとか、隠すとかって感じだろうか
サルヴァはうーん……大体の探索技能と交渉技能が高水準かと
こんな感じでいいかな
- 1931◆A8pWn3jbyg23/04/24(月) 23:15:05
- 1941◆A8pWn3jbyg23/04/24(月) 23:52:47
小ネタ
マリーちゃんは例の実を食べてからパワーたっぷりなので、シスター姿でも力持ちだし、パパを抱っこできます。
パパは乙女の顔をしてます。
ちなみに現在わかってる出来ること
・ドラゴン娘化(ケモ度強め)
・身体能力急激にアップ
・花に対する特攻
・花の攻撃の浄化
何度か出た通り、マリーちゃんはバトルセンスとかないので全部力任せと勢い任せです
テクニカル方面のローとかに特攻したら三秒で負けます そしてパパが切れます - 195二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 00:28:13
このサイトに流れ着いて数日程の新参なのですが
前作から読み進め遂に追いつきました。
文章力が無いためとても大きなこの気持ちを全て書き切ることすら出来ませんが
それでも言わせてください
本当に面白いです。ありがとうございます!!!
愛してます!!!! - 1961◆A8pWn3jbyg23/04/25(火) 02:46:59
- 197二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 12:44:59
小ネタ待ちほしゅ
- 198二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 12:47:05
新スレ動いてるならこっちは早めに埋めなよ
- 199二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 12:47:22
うめ
- 200二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 12:47:38
う